JP2003178752A - シート状電極の乾燥評価方法 - Google Patents

シート状電極の乾燥評価方法

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JP2003178752A
JP2003178752A JP2001374705A JP2001374705A JP2003178752A JP 2003178752 A JP2003178752 A JP 2003178752A JP 2001374705 A JP2001374705 A JP 2001374705A JP 2001374705 A JP2001374705 A JP 2001374705A JP 2003178752 A JP2003178752 A JP 2003178752A
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Kazunari Mogi
一成 茂木
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート状の電極用基材に電極用ペーストが塗
布されて成るシート状電極において、塗工ペーストの乾
燥状態を短時間にかつ加熱エネルギを節約しつつ評価す
ることができ、しかもその結果が定量化できる乾燥評価
方法を提供することである。 【解決手段】 シート状の電極用基材12と該電極用基
材の少なくとも一面に塗布された電極用ペースト13と
を含み、乾燥装置30内に搬入され電極用ペーストが乾
燥されるシート状電極11において、塗布された電極用
ペースト13の乾燥状態を評価する方法であって、電極
用ペースト13内に温度測定手段40を埋設し、温度測
定手段40の乾燥装置内での移動時間又は移動距離に対
する温度変化の屈曲点Xにより電極用ペーストの乾燥状
態を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状の電極用
基材と、これに塗布された電極用ペーストとから成る電
池用のシート状電極の製造工程において、塗布された電
極用ペーストの乾燥状態を評価する乾燥評価方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の電子機器の小型化、軽量化
に伴って、これらの電源として高いエネルギ密度を持つ
電池への要求が高まっている。例えばリチウム2次電池
のように非水系電解質を持つ電池は、非水系電解質の電
気伝導度が水系電解質に比べて低いため、電極板(正極
・負極)を薄くする必要がある。また、大きな電流を取
り出すには、反応面積を大きくする必要がある。こうし
た事情から、正極及び負極をシート状電極で構成し、こ
れらの正極及び負極をセパレータを介してロール状に捲
回した渦巻き式構造が採用されている。
【0003】上記シート状電極の製造時は、一般的に、
電極活物質に導電剤、結着剤、溶媒を添加・混練してス
ラリ状の電極用ペースト(塗工ペースト)を調製する。
そして、この塗工ペーストを、ポリエチレンテレフタレ
ートのフィルム等から成るシート状の電極用基材の表面
にノズル等により塗布(塗工)し、乾燥炉で乾燥させて
塗工ペーストの水分を蒸発させている。
【0004】従来、電極用基材上の塗工ペーストが乾燥
炉内で十分に乾燥したか、即ち水分が十分に蒸発したか
否かの判断は以下のようにして行っていた。即ち、シー
ト状電極を所定長さに切断し、塗工ペーストを乾燥させ
る前のシート状電極の重量を測定しておき、塗工ペース
トを乾燥させた後のシート状電極の重量を測定し、乾燥
前後における重量の変化(減少)を調べる。完成したシ
ート状電極において塗工ペーストの重量がシート状電極
全体の重量に対して占める割合が予め分かっていれば、
この方法でもある程度乾燥状態を判断することができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、塗工ペースト
の重量の占める割合が分からないときは、上記方法によ
る乾燥状態の判断は困難である。この場合は、シート状
電極を再度乾燥炉で乾燥してその前後における重量の変
化を調べていた。即ち、第1回目の乾燥が終了した時点
でシート状電極の重量(第1重量)を測定しておき、第
2回目の乾燥が終了した時点でシート状電極の重量(第
2重量)を測定し、第1重量と比較する。そして、第2
重量が第1重量と一致していれば、乾燥は十分であると
評価する。第2回目の乾燥では水分は蒸発せず、第1回
目の乾燥で塗工ペーストが乾燥していたことになるから
である。一方、第2重量が第1重量と一致しなければ、
乾燥は不十分であると評価する。
【0006】しかし、この評価方法ではシート状電極を
2回乾燥炉に搬入しなければでならず、塗工ペーストの
乾燥状態を評価するために非常に時間がかかり、エネル
ギの無駄である。
【0007】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、シート状の電極用基材に電極用ペーストが塗布され
て成るシート状電極において、塗工ペーストの乾燥状態
を短時間にかつ加熱エネルギを節約でき、しかもその結
果が定量化できるシート状電極の乾燥評価方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の発明者は、塗工ペ
ーストの乾燥状態は該塗工ペーストの温度の変化(上
昇)と対応しており、乾燥装置内で移動するシート状電
極の塗工ペーストの温度を測定することにより乾燥状態
を評価できることを思い付いて、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明は、シート状の電極用基材と
該電極用基材の少なくとも一面に塗布された電極用ペー
ストとを含み、乾燥装置内に搬入され電極用ペーストが
乾燥されるシート状電極において、塗布された電極用ペ
ーストの乾燥状態を評価する方法であって、電極用ペー
スト内に温度測定手段を埋設し、温度測定手段の乾燥装
置内での移動時間又は移動距離に対する温度変化の屈曲
点により電極用ペーストの乾燥状態を評価することを特
徴とする。
【0010】この乾燥評価方法では、温度変化率の屈曲
点において塗工ペーストの水分の乾燥が実質的に終了し
ていると評価し、それに基づきシート状電極の搬送速度
等を決定する。
【0011】尚、一般に恒率乾燥状態から減率乾燥状態
への変化により乾燥対象の乾燥状態を判断する方法は知
られている。例えば、特開平2001−227865号
に開示された乾燥装置は、固体である乾燥対象物を収容
する収容容器と、収容容器内の乾燥対象物を乾燥させる
乾燥手段と、収容容器内の乾燥対象物の温度を検出する
温度検出計と、温度検出計の検出結果に基づいて乾燥手
段を制御する制御手段とから成る。ここで、制御手段
は、乾燥対象物が恒率乾燥状態から減率乾燥状態に変わ
る変化時点を算出する演算部と、乾燥対象物に対する乾
燥条件を記憶する記憶部と、乾燥手段に対する制御部と
を含む。
【0012】この乾燥装置において、目標とする液体含
有率に乾燥対象物がなるような変化時点以後の乾燥条件
を記憶部で予め記憶しておき、変化時点以後は乾燥手段
が乾燥対象物を該乾燥条件で乾燥する。しかし、この先
行例の乾燥対象物は具体的には液体を含んだポリアミド
樹脂であり、本発明の塗工ペーストとは異なっている。
また、ポリアミド樹脂は回転ドラム内に投入されたまま
乾燥され、本発明のように燥炉装置内で移動することは
ない。
【0013】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態は以下の通りで
ある。 <電池、シート状電極>電池の種類は、シート状電極を
使用するものであれば特に制約はなく、2次電池でも燃
料電池も良い。
【0014】シート状電極は正極でも負極でも良く、シ
ート状の電極用基材は正極用基材でも、負極用基材でも
良い。何れの場合も、導電性で金属箔(アルミ、銅、ニ
ッケル及びステンレス等)や、無機酸化物、有機高分子
材料、炭素等の導電性フィルムから成ることができる。
電極用基材の厚さは10から20μmとすることができ
る。
【0015】尚、電極用基材が「シート状」であるとは
棒状等の電極を除外する意であり、帯状でも良いし、矩
形状でも良い。帯状の電極用基材は筒型電池に適してお
り、矩形状の電極用基材は角形電池に適している。
【0016】電極用ペースト(塗工ペースト)は電極用
基材の一面又は両面に塗布(塗工)される。電極用ペー
スト(塗工ペースト)は電極活物質、導電剤、結着剤、
溶媒等を含むことができる。電極活物質はH+、Li+
Na+、Kが挿入及び/又は放出できる化合物であれば
良い。導電剤は電池において化学変化を起こさない電子
導電性材料であれば良い。結着剤としては、多糖類、熱
可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマを少なくとも1
種又はこれらの混合物を用いることができる。溶媒は、
水又は少なくとも1種の有機溶剤又はこれらの混合物を
用いることができる。
【0017】塗工ペーストは通常、電極活物質100重
量部に対し、導電剤1から50重量部、結合剤0.1か
ら50重量部、及び溶媒30から600重量部を含んで
成る。このうち、乾燥時に気化・蒸発するのは溶媒のみ
であり、本願の明細書ではこれらを「水分」と言う。塗
工ペーストの膜原は300から40μmとすることがで
きる。 <搬送・塗布装置、乾燥装置>搬送・塗布装置はシート
状電極を搬送しつつ塗工ペーストを塗布するものであ
り、回転ローラ等のシート電極の搬送手段や、ノズル等
の塗工ペーストの吐出手段等を含む。
【0018】乾燥装置は、搬送装置の搬送経路の途中に
配置され、電極用基材に塗布された塗工ペーストを乾燥
させるもので、搬入側の第1室、中間の第2室及び搬出
側の第3室から成ることができる。塗工ペーストに向か
って温風を吹き出す温風ノズルや、塗工ペーストを加熱
するヒータ等の加熱装置を含む。加熱手段の熱量を調整
することにより、第1室と第2室とは比較的高い第1温
度に、該第3室は比較的低い第2温度に設定することが
できる。 <温度測定手段>温度測定手段としては、先端にセンサ
部を備えた熱電対を使用することが望ましい。センサ部
は材質の異なる2本の金属線を接合部で接合して成り、
閉回路を形成している。一方の接合部を基準温度に維持
しておけば、他方の接合部に加わる温度の高低に応じた
大きさの電流が閉回路内に発生する。よって、電流の大
きさを測定することにより、他方の接合部の温度を知る
ことができる。
【0019】センサ部はシート状電極の塗工ペースト内
に埋設され、熱電対の一部を接着剤やテープ等により電
極用基材に固定する。尚、唯1個のセンサ部を塗工ペー
スト内に埋設しても良いが、温度測定をより正確に行う
ために、センサ部を2個以上埋設することもできる。そ
の場合、2個以上のセンサ部はあまり離さないで埋設す
る。1個又は2個以上のセンサ部は、例えば帯状の電極
用基材に塗布された塗工ペーストの特定の一部(例えば
先端部付近)に埋設する。
【0020】尚、熱電対の一部を電極用基材に固定する
接着剤やテープ等は、固定を確実にするためには2個以
上設けることが望ましい。また、電極用基材が矩形状等
の場合、センサ部が塗工ペーストの一部に埋設し、熱電
対の一部を電極用基材に固定する。 <測定結果の定量化>塗工ペーストの温度の測定を通し
て乾燥装置内における電極用基材の移動時間又は移動距
離に対する塗工ペーストの温度変化を調べ、両者の関係
をグラフ等で定量化することができる。
【0021】加熱手段の熱量やシート状電極の材質及び
搬送速度等を適宜調整すれば、電極用ペーストが第2室
において恒率乾燥され、第3室において減率乾燥され、
温度変化の屈曲点は第2室と第3室との境界付近に存在
することになる。
【0022】このグラフ等を用いれば、電極用基材及び
塗工ペーストの条件(例えば、材質や厚さ等)に最も適
した乾燥条件(例えば、シート状電極の搬送速度や加熱
手段から加える熱量等)を容易に見い出すことができ
る。
【0023】尚、乾燥装置内におけるシート状電極の搬
送距離は、乾燥装置内における温度測定手段の位置に対
応する。また、搬送距離の代わりに、シート状電極の搬
送時間に対する温度変化率を調べても良い。シート状電
極の搬送速度が一定の場合は、搬送距離と搬送時間とは
同等の意味を持つ。
【0024】種々の材料、寸法の電極用基材及び塗工ペ
ーストについて温度測定をし、その結果をグラフ等で定
量化することにより、シート状電極の仕様が変更になっ
たときにも迅速に対処することができる。
【0025】
【実施例】<実施例>以下、実施例を基に本発明を更に
詳細に説明する。
【0026】図1に円筒形のリチウムイオン2次電池1
0を示す。シート状正極11、シート状セパレータ1
4、シート状負極15及びシート状セパレタ14をこの
順で積層し、これを渦巻き状に巻回して巻回体を作る。
【0027】この巻回体をニッケルめっきが施され負極
端子を兼ねる鉄製で有底円筒形状の電池缶16に収納
し、電池缶16に所定の電解質を注入している。正極端
子を有する電池蓋17をガスケット18を介してかしめ
ることによりリチウムイオン2次電池10を製作した。
なお、正極端子はリード端子(不図示)により正極電極
11と接続され、電池缶16はリード端子(不図示)に
より負極電極13と接続されている。
【0028】図2及び図3に示すように、上記シート状
正極11は、厚さ15μmのアルミ箔から成る集電体
(正極用基材)12の一面に、平均粒径15μmのLi
CoO2粉末等をNーメチルピロドリンに分散して成る
スラリ(塗工ペースト)13を、厚さ350μmで形成
したものである。一方、シート状負極15は、厚さ15
μmの銅箔から成る集電体(負極用基材)の一面に、不
活性ガス中で焼成した後粉砕して得た平均粒径20μm
の炭素等をNーメチルピロドリンに分散して成るスラリ
(塗工ペースト)を厚さ350μmで形成したものであ
る。
【0029】次に、正極用基材12の搬送及び該正極用
基材12への塗工ペースト13の塗布について説明す
る。搬送・塗布装置は巻出しローラ21、巻取りローラ
23及びヘッド25等を含む。正極用基材12はバック
アップローラ27及びガイドローラ28を経て巻取りロ
ーラ23に巻き取られる。巻出しローラ21及び巻取り
ローラ23は正極用基材12を搬送速度8m/分で搬送
する。
【0030】バックアップローラ27に近接して、塗工
ペースト13を吐出するためのヘッド25が所定のクリ
アランスで配置されている。塗工ペースト13は、平均
粒径15μmのLiCoO2粉末等をNーメチルピロド
リンに分散して成る。
【0031】巻出しローラ21から連続的に繰り出され
るシート状の正極用基材12は、巻取りローラ23に巻
き取られることにより、バックアップローラ27の周面
に沿って搬送される。このとき、ヘッド25から吐出さ
れる塗工ペースト13が正極用基材の表面に所定量ずつ
塗布される。
【0032】乾燥装置は、バックアップローラ27とガ
イドローラ28との間に配置されたトンネル型の乾燥炉
30と、その内部に配設された複数個の温風ノズル32
及び33とを含む。図2に示すように、乾燥炉30は、
搬入側の長さが約2mの第1室31aと、中間の長さが
ほぼ2mの第2室31bと、搬出側の長さが約2mの第
3室31cとから成る。各室には、塗工ペースト13が
塗布された正極用基材12の上面側及び下面側に、それ
ぞれ温風を吹き出す複数個の温風ノズル32及び33が
配置されている。温風の量等を調整することにより、第
1室31a及び第2室31bの室内温度はそれぞれ約1
80℃に設定され、第3室31cの室内温度は約130
℃に設定されている。
【0033】搬送速度8m/分で搬送される正極用基材
12は乾燥炉30内を通過するのに約45秒かかる。そ
の際、温風ノズル32及び33から吹き出す温風により
塗工ペースト13が乾燥されて固化する。
【0034】次に、温度測定手段について説明する。材
質の異なる2種類の金属線41a及び41bから成り、
長さが約3mmのセンサ部40が熱電対42の先端に接
続されている。一方(プラス極)の金属線41aはニッ
ケルクロム合金から成り線径は約0.2mmであり、他
方(マイナス極)の金属線41bは少量のアルミマンガ
ンを含むニッケル合金から成り線径は約0.2mmであ
る。熱電対42としてはKタイプのものを使用し、乾燥
炉30の長さよりも長く、乾燥炉30の外部まで伸びた
他端にはモニタ45が接続されている。センサ部40は
塗工ペースト13の先端部13a内に埋設され、熱電対
42上に取り付けた固定部43が接着剤等により正極用
基材12に接着されている。
【0035】塗工ペースト13の乾燥状態は以下のよう
にして評価する。
【0036】バックアップローラ27と乾燥炉30との
間で、塗工ペーストに熱電対42の先端のセンサ部40
を埋設する。センサ部40が埋設されたシート状正極1
1はその後連続的に乾燥炉30内に搬入され、それに伴
い熱電対42が乾燥炉30内に引き込まれる。乾燥炉3
0内で温風により正極用基材12の上面が加熱されて塗
工ペースト13内に含まれる水分が蒸発・乾燥し、それ
に伴い塗工ペースト13の温度が上昇する。その状態を
モニタ45で観察する。
【0037】図4に示すように、モニタ45では横軸に
正極用基材12の搬送時間即ち搬送距離が表示され、縦
軸にセンサ部40により測定される塗工ペースト13の
温度温度が表示されている。図4によると、塗工ペース
ト13の先端部13aの温度は、乾燥炉30に入口に入
った後第1所定時間T1(約5秒)即ち入口から第1所
定距離l1(約70cm)の間に大気温度t0(約25
℃)から第1温度t1(約60℃)まで上昇する。この
間は温風の熱が塗工ペースト13を温めていると考えら
れる(「昇温期間」と呼ぶ)。
【0038】その後、第2所定時間T2(約23秒)即
ち第2所定距離l2(約310cm)の間の大部分で
は、温度t2(約80℃)と温度t3(約110℃)と
の間で上下動を繰り返している。これは、温風の熱の大
半が塗工ペースト13の水分を蒸発させる気化熱として
利用されているため(「恒率(定率)乾燥」と呼ぶ)と
考えられる。そして、第2所定距離l2の最後の部分
で、屈曲点Xを境にして、塗工ペースト13の温度が急
上昇している。これは、屈曲点Xまでで水分の気化がほ
ぼ終了したためと考えられる。
【0039】その後、第3所定時間T3(約17秒)即
ち第3所定距離l3(約220cm)の間の大部分で
は、温度は120℃前後である。これは、塗工ペースト
13の水分の蒸発後は、温風の熱が主に正極用基材12
を加熱するために使用されているため(「減率乾燥」と
呼ぶ)と考えられる。そして、第3所定距離の最後の部
分で塗工ペースト13の温度が急激に下がっている。こ
れは乾燥炉30の外部の温度を影響を受けたためと考え
られる。
【0040】こうして、シート状正極11の移動距離即
ち搬送時間と塗工ペースト13の温度変化との関係が定
量化された。これから明らかなように、乾燥炉30の入
口から塗工ペースト13の乾燥が終了する時点又は地点
(屈曲点X)の搬送時間又は搬送距離は、搬送時間又は
乾燥炉30の長さの約4分の3である。この結果に基づ
き、巻出しローラ21及び巻取りローラ23の回転速度
を上げて、正極用基材12の搬送速度をそれまでの約3
分の4倍にする。尚、温風ノズル32、33からの温風
の吹出し量は変更しない。
【0041】シート状正極11の搬送速度を3分の4倍
(約1.3倍)に上げた後、塗工ペースト13が塗布さ
れた別の正極用基材12を搬送し、温風により塗工ペー
スト13の水分を乾燥させた。そして、乾燥前後の重量
を比較した。具体的には、乾燥炉30から搬出されたシ
ート状正極11を切り出して一辺が30cmの正方形の
試験板を5個作製し、その重量を測定した。その後、こ
の試験板を温度が150℃の恒温槽に投入し、1時間経
過後の重量を測定した。このとき重量が減少すれば、乾
燥が不完全で水分が残っていたことになる。
【0042】その結果、第1試験板では恒温槽に投入す
る前の重量が0.4270gであり、恒温槽で1時間乾
燥後の重量も0.4270gであった。第2、第3、第
4及び第5の試験板の恒温槽への投入前の重量はそれぞ
れ0.4277g、0.4256g、0.4280g、
0.4272であり、恒温槽で1時間乾燥後の重量は何
れも変化がなかった。
【0043】これにより、シート状正極11の搬送速度
を約1.3倍に上げた場合でも、塗工ペースト13内の
水分が良好に乾燥することが確認できた。その結果、水
分の乾燥に要する時間が4分の3に短縮されて乾燥効率
が上昇するとともに、温風ノズル32及び33からから
吹き出す温風の送料も4分の3になりエネルギが節約で
きる。
【0044】正極用基材12及び/又は塗工ペースト1
3の材質や寸法が異なる複数種類のシート状電極11の
複数個のグラフを予め準備しておく。そして、シート状
電極11の種類が変更されたときは、それに対応するグ
ラフを参考にして巻出しローラ21及び巻取りローラ2
3の回転速度を調整し搬送速度を変更する。これによ
り、1台の乾燥炉30で種々の材質、寸法のシート状電
極11を容易かつ迅速に乾燥させることができる。
【0045】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、シート状の電極用基材に塗布された電極用ペースト
の乾燥状態を、乾燥装置内での移動時間又は移動距離に
対して電極用ペーストの温度がどのように変化するかに
よって評価する。即ち、温度変化率の屈曲点において塗
工ペーストの水分の乾燥が実質的に終了していると評価
する。従って、乾燥状態を短時間にかつ加熱エネルギを
節約しつつ評価することができる。また、温度変化を定
量化することによって、1台の乾燥装置で種々の材質、
寸法のシート状電極に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シート状電極を含む筒型電池の斜視図(一部破
断)である。
【図2】本発明の実施例に使用する搬送・塗布装置及び
乾燥装置を示す説明図である。
【図3】図2におけるA部の拡大図である。
【図4】図2及び図3の実施例により得た搬送時間と、
電極表面温度との関係を定量化したグラフである。
【符号の説明】 10:円筒型電池 11:シート状正極 12:正極用基材 13:塗工ペースト 14:セパレータ 15:シート状負極 21:巻出しローラ 23:巻取りローラ 25:ヘッド 30:乾燥炉 31a:第1室 31b:第2室 31c:第3室 32,33:温風ノ
ズル 40:センサ部 42:熱電対 45:モニタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の電極用基材と該電極用基材の
    少なくとも一面に塗布された電極用ペーストとを含み、
    乾燥装置内に搬入され該電極用ペーストが乾燥されるシ
    ート状電極において、塗布された該電極用ペーストの乾
    燥状態を評価する方法であって、 前記電極用ペースト内に温度測定手段を埋設し、該温度
    測定手段の前記乾燥装置内での移動時間又は移動距離に
    対する温度変化の屈曲点により該電極用ペーストの乾燥
    状態を評価することを特徴とするシート状電極の乾燥評
    価方法。
  2. 【請求項2】 前記温度測定手段は前記電極用基材に固
    定された熱電対と、該熱電対の一端に取り付けられ前記
    電極用ペースト内に埋設されたセンサ部と、該熱電対の
    他端に接続されたモニタとを含む請求項1記載のシート
    状電極の乾燥評価方法。
  3. 【請求項3】 前記乾燥装置は加熱手段を有し、搬入側
    の第1室、中間の第2室及び搬出側の第3室に区分さ
    れ、該第1室と該第2室とは第1温度に設定され、該第
    3室は該第1温度よりも低い第2温度に設定されている
    請求項1記載のシート状電極の乾燥評価方法。
  4. 【請求項4】 前記電極用ペーストは前記第2室におい
    て恒率乾燥され、前記第3室において減率乾燥され、前
    記温度変化の屈曲点は前記第2室と前記第3室との境界
    付近に存在している請求項3記載のシート状電極の乾燥
    評価方法。
  5. 【請求項5】 前記シート状電極は乾燥装置内を一定速
    度で移動される請求項1記載のシート状電極の乾燥評価
    方法。
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