JP2013137168A - 電極乾燥方法、電極乾燥制御方法、電極乾燥装置および電極乾燥制御装置 - Google Patents

電極乾燥方法、電極乾燥制御方法、電極乾燥装置および電極乾燥制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電極を連続的に乾燥させても、その電極を十分に乾燥させて品質を確保することが可能な電極乾燥方法、電極乾燥制御方法、電極乾燥装置および電極乾燥制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】電極乾燥装置1〜3は、揮発性の溶媒を含む電極スラリー101が集電体102に塗布されて形成された電極100を乾燥させる装置である。このような電極乾燥装置1〜3は、搬送部10と、乾燥部20と、測定部30〜50と、乾燥判定部60とを有している。搬送部10では、電極100を搬送する。乾燥部20では、電極100を乾燥手段により乾燥させる。測定部30〜50では、電極100の搬送経路に沿って設けた測定手段により、電極100の端部の位置を測定する。乾燥判定部60では、電極100の端部の位置の変位量に基づき電極100の乾燥状態を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電極を乾燥させる電極乾燥方法、電極を乾燥装置内の所定の位置で乾燥させる電極乾燥制御方法、電極乾燥装置および電極乾燥制御装置に関する。
従来より、例えばリチウムイオン二次電池に用いる電極は、揮発性の溶媒を含む電極スラリーを集電体に塗布した後に、その電極スラリーを乾燥させて形成している。このような電極は、その量産を開始する前に、予め設定した乾燥条件が適切か否かについて、試作や量産試作において検証している。
例えば特許文献1では、電極用基材に塗布した電極用ペーストに熱電対を埋設した上で、乾燥完了直前に温度が急上昇する電極用ペーストの温度を熱電対で測定することにより、乾燥炉内における電極用ペーストの乾燥状態を検証する方法が提案されている。
特開2003―178752号公報
しかしながら、電極の乾燥に係る試作や量産試作後に実施する量産において、乾燥炉内で電極を例えば数キロメートルに亘り連続的に乾燥させると、電極用ペーストに含まれている溶媒の膨大な蒸発熱に起因して、乾燥炉の内部の温度が下がる。
このような乾燥炉内における温度の変動は、特許文献1に開示されている電極の乾燥に係る試作や量産試作の段階では検証が困難である。そもそも電極の量産における製造ロット間においも、乾燥炉内における温度の変動には誤差が発生する。したがって、予め行った試作や量産試作では適切であった電極の乾燥条件は、電極の量産において必ずしも適切とはいえない。
この電極の乾燥条件が、実際の電極の量産において適切ではないと、電極を構成する集電体に塗布された電極スラリーが十分に乾燥する前に、電極の乾燥作業を終了してしまう恐れがある。このように乾燥が不十分となった場合、電極スラリーに含まれた活物質が集電体に強固に接着されず、製造後の電極の寿命が設計値を満たさない等の問題が発生する。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、電極を連続的に乾燥させても、その電極を十分に乾燥させて品質を確保することが可能な電極乾燥方法、電極乾燥制御方法、電極乾燥装置および電極乾燥制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る電極乾燥方法は、揮発性の溶媒を含む電極スラリーが集電体に塗布されて形成された電極を乾燥装置で乾燥させる方法である。このような電極乾燥方法は、搬送工程と、乾燥工程と、測定工程と、乾燥判定工程とを有している。搬送工程では、電極を搬送する。乾燥工程では、電極を乾燥手段により乾燥させる。測定工程では、電極の搬送経路に沿って設けた測定手段により、電極の端部の位置を測定する。乾燥判定工程では、電極の端部の位置の変位量に基づき電極の乾燥状態を判定する。
上記目的を達成する本発明に係る電極乾燥制御方法は、揮発性の溶媒を含む電極スラリーが集電体に塗布されて形成された電極を乾燥装置の所定の位置で乾燥させる制御方法である。このような電極乾燥制御方法は、搬送工程と、乾燥工程と、測定工程と、乾燥制御工程とを有している。搬送工程では、電極を搬送する。乾燥工程では、電極を乾燥手段により乾燥させる。測定工程では、電極の搬送経路に沿って設けた測定手段により、電極の端部の位置を測定する。乾燥制御工程では、電極の端部の位置の変位量に基づき電極の乾燥状態を判定し、電極の乾燥が搬送経路における所定の範囲内の位置で完了するように乾燥手段を制御する。
上記目的を達成する本発明に係る電極乾燥装置は、揮発性の溶媒を含む電極スラリーが集電体に塗布されて形成された電極を乾燥させる装置である。このような電極乾燥装置は、搬送部と、乾燥部と、測定部と、乾燥判定部とを有している。搬送部では、電極を搬送する。乾燥部では、電極を乾燥手段により乾燥させる。測定部では、電極の搬送経路に沿って設けた測定手段により、電極の端部の位置を測定する。乾燥判定部では、電極の端部の位置の変位量に基づき電極の乾燥状態を判定する。
上記目的を達成する本発明に係る電極乾燥制御装置は、揮発性の溶媒を含む電極スラリーが集電体に塗布されて形成された電極を所定の位置で乾燥させる制御装置である。このような電極乾燥制御方法は、搬送部と、乾燥部と、測定部と、乾燥制御部とを有している。搬送部では、電極を搬送する。乾燥部では、電極を乾燥手段により乾燥させる。測定部では、電極の搬送経路に沿って設けた測定手段により、電極の端部の位置を測定する。乾燥制御部では、電極の端部の位置の変位量に基づき電極の乾燥状態を判定し、電極の乾燥が搬送経路における所定の範囲内の位置で完了するように乾燥手段を制御する。
上記のように構成した本発明によれば、測定手段により測定した電極の端部の位置の変位量に基づいてその電極の乾燥状態を判定するため、電極を連続的に乾燥させても、その電極の品質を確保することができる。
第1実施形態に係る電極乾燥装置を示す斜視図である。 第1実施形態に係る電極乾燥装置を示す側面図である。 第1実施形態に係る電極乾燥装置において乾燥過程にある片面塗工の電極を示す概略斜視図である。 図3に図示した乾燥過程にある片面塗工の電極を示す要部断面図であり、(A)は図3のA−A’線の位置における乾燥前の状態の電極、(B)は図3のB−B’線の位置における乾燥途中の状態の電極、(C)は図3のC−C’線の位置における乾燥後の状態の電極を示す。 図3に図示した乾燥過程にある片面塗工の電極の端部の変位割合を示すグラフである。 図3に図示した乾燥過程にある片面塗工の電極スラリーの乾燥状態を示すグラフである。 第1実施形態に係る電極乾燥装置において乾燥過程にある両面塗工の電極を示す概略斜視図である。 図7に図示した乾燥過程にある両面塗工の電極を示す要部断面図であり、(A)は図7のA−A’線の位置における乾燥前の状態の電極、(B)は図7のB−B’線の位置における乾燥途中の状態の電極、(C)は図7のC−C’線の位置における乾燥後の状態の電極を示す。 図7に図示した乾燥過程にある両面塗工の電極の端部の変位割合を示すグラフである。 第1実施形態に係る電極乾燥装置において電極の端部の位置を測定する一つの方法を示す斜視図である。 図10に図示した電極の端部の位置の測定方法を示す要部断面図である。 第1実施形態に係る電極乾燥装置において電極の端部の位置を測定する他の方法を示す斜視図である。 図12に図示した電極の端部の位置の測定方法を示す要部断面図である。 第1実施形態に係る電極乾燥装置において電極の端部の位置を測定する更に他の方法を示す斜視図である。 図14に図示した電極の端部の位置の測定方法を示す要部断面図である。 第2実施形態に係る電極乾燥制御装置を模式的に示す側面図である。 第2実施形態に係る電極乾燥制御装置を用いて電極の乾燥位置をその電極の搬送経路における所定の範囲内の位置に収める制御を示すフローチャートである。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。また、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。なお、図面における各部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る電極乾燥装置1〜3は、揮発性の溶媒を含む電極スラリー101が集電体102に塗布されて形成された電極100を乾燥させる装置である。ここで、電極乾燥装置1は、図1に示すように、搬送部10、乾燥部20、測定部30、および乾燥判定部60から構成している。また、第1実施形態に係る電極乾燥装置2は、電極乾燥装置1の変形例であり、例えば図12に示すように、測定部30に代えて測定部40を設けている。さらに、第1実施形態に係る電極乾燥装置3も、電極乾燥装置1の変形例であり、例えば図14に示すように、測定部30に代えて測定部50を設けている。以下、電極乾燥装置1〜3の構成、および電極乾燥装置1〜3を用いた電極100の乾燥方法について説明する。
電極乾燥装置1〜3の搬送部10は、図1に示すように、揮発性の溶媒を含む電極スラリー101が集電体102に塗布されて形成された電極100を搬送する。
このような搬送部10は、図2に示すように、電極100の搬送経路に沿って、供給ロール11、第1ガイドロール12、第2ガイドロール13、複数のサポートロール14、第3ガイドロール15、第4ガイドロール16および巻取ロール17の順で構成している。この搬送部10の構成、および搬送部10による電極100の搬送方法について、図1および図2を参照しながら説明する。なお、搬送部10で搬送する電極100の構成については、後述する乾燥部20において詳細に説明する。
搬送部10の供給ロール11は、回転可能に保持された円柱形状から成り、電極スラリー101が塗布される前の集電体102をロール状に積層して保持している。この供給ロール11は、後述する巻取ロール17に従動して回転しながら、第1ガイドロール12に向かって集電体102を搬出する。ここで、電極スラリー塗布部90のコーター91が、供給ロール11と第1ガイドロール12の間に配設され、集電体102に当接している。このコーター91は、集電体102に対して電極スラリー101を所定の厚みで塗布し、電極100を形成する。また、第1ガイドロール12および第2ガイドロール13は、回転可能に保持された円柱形状から成り、コーター91で形成された電極100を乾燥部20に向けてガイドする。
搬送部10のサポートロール14は、回転可能に保持された円柱形状から成り、乾燥部20の第1加熱ゾーン20A〜第8加熱ゾーン20Hに、それぞれ複数配設している。このサポートロール14は、電極スラリー101が塗布されていない集電体102の裏面側に当接する。また、第3ガイドロール15および第4ガイドロール16は、それぞれ回転可能に保持された円柱形状から成り、乾燥部20から搬出された乾燥後の電極100を巻取ロール17に向けてガイドする。また、巻取ロール17は、回転可能に保持された円柱形状から成り、第4ガイドロール16から搬出された電極100を巻き取り保管する。この巻取ロール17は、図示せぬモータにより所定の方向に一定の速度で回転駆動される。
上述した通り、搬送部10では、供給ロール11から供給した長尺状の集電体102に対して、コーター91を用いて電極スラリー101が塗布されることにより、電極100が形成される。その後、搬送部10では、乾燥部20において乾燥された電極100を巻取ロール17で巻き取り保管する。
乾燥部20は、電極100を乾燥手段により乾燥させる。この乾燥手段は、例えば後述する加熱ヒータ22に相当するが、電極100を乾燥可能なものであれば特に限定されることはなく、例えばファンでもよい。ここで、乾燥部20は、図1に示すように、搬送部10の上流側から下流側にかけて、例えば第1加熱ゾーン20A〜第8加熱ゾーン20Hの8つの加熱ゾーンから成り、それぞれ独立して制御する。このような乾燥部20は、図2に示すように、第1加熱ゾーン20A〜第8加熱ゾーン20Hの各加熱ゾーンにおいて、給気ファン21、加熱ヒータ22、循環ファン23、上部ノズル24、下部ノズル25、循環口26、排気口27、排気ファン28、および断熱壁29から構成される。この乾燥部20の構成、および乾燥部20における電極100の乾燥について、図1〜図9を参照しながら説明する。
まず、乾燥部20の構成について、図1および図2を参照しながら説明する。
乾燥部20の給気ファン21は、外部から各加熱ゾーンに空気を取り込むための送風機である。また、乾燥部20の加熱ヒータ22は、各加熱ゾーンに設けられ、給気ファン21を介して取り込まれた空気を所定の温度に加熱するためのヒータである。また、乾燥部20の循環ファン23は、各加熱ゾーンに設けられ、加熱ヒータ22で加熱された空気を、上部ノズル24および下部ノズル25に対して循環するための送風機である。また、乾燥部20の上部ノズル24は、各加熱ゾーンの上部に設けられ、搬送される電極100に対して上方から熱風を供給する。同様に、乾燥部20の下部ノズル25は、各加熱ゾーンの下部に設けられ、搬送される電極100に対して下方から熱風を供給する。
また、乾燥部20の循環口26は、各加熱ゾーンの下部に設けられ、上部ノズル24および下部ノズル25から各加熱ゾーンに供給された熱風を再利用するための開口である。この循環口26は、配管を介して加熱ヒータ22に接続されている。また、乾燥部20の排気口27は、各加熱ゾーンの上部に設けられ、各加熱ゾーン内の空気を外部に排気するための開口である。また、乾燥部20の排気ファン28は、各加熱ゾーンの上部に設けた排気口27から排気された空気を外部に放出するための送風機である。この排気ファン28は、配管を介して各加熱ゾーンの排気口27に接続している。また、乾燥部20の断熱壁29は、各加熱ゾーンの上部、側部および下部に設けられ、第1加熱ゾーン20A〜第8加熱ゾーン20Hの8つの加熱ゾーンを、それぞれ独立して所定の温度に制御するための断熱用の壁である。
このような乾燥部20は、第1加熱ゾーン20A〜第8加熱ゾーン20Hの8つの加熱ゾーンで、異なる温調により電極100を加熱して乾燥させる。具体的には、例えば、まず、第1加熱ゾーン20Aおよび第2加熱ゾーン20Bでは、電極100の温度が緩やかに上昇するように温調する。つぎに、第3加熱ゾーン20C〜第5加熱ゾーン20Eでは、電極100の温度が一定値になるように温調する。この第3加熱ゾーン20C〜第5加熱ゾーン20Eにおいて、電極100を構成する電極スラリー101の乾燥速度は一定である。さらに、第6加熱ゾーン20F〜第8加熱ゾーン20Hでは、電極100の温度が再度緩やかに上昇するように温調する。この第6加熱ゾーン20F〜第8加熱ゾーン20Hにおいて、電極100を構成する電極スラリー101の乾燥速度は徐々に減速する。
ここで、電極100の構成について 、その乾燥に関する特性も含め、図3を参照しながら、詳細に説明する。
電極100は、図3に示すように、電極スラリー101を導電体である集電体102に塗布した後、その電極スラリー101を乾燥させて形成する。このような電極100の集電体102は、電極箔からなり、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼を用いることができる。ここで、正極用の集電体102には、例えば、アルミニウムからなる電極箔を用いる。同様に、負極用の集電体102には、例えば、銅からなる電極箔を用いる。また、電極箔の厚みは、材質がアルミニウムの場合には20μm、材質が銅の場合には10μm程度である。
また、電極100の電極スラリー101は、例えば、活物質、導電助剤およびバインダーを有し、揮発性の溶媒を添加することで所定の粘度にされる。ここで、図3に概略斜視図で示す電極100において、A−A’線の位置での電極100は、電極スラリー101aを乾燥させる前の状態である。また、図3に示すC−C’線の位置での電極100は、電極スラリー101cの乾燥が完了した状態である。このような電極スラリー101は、例えば、厚み20μmの集電体102に対して、厚み200μmで塗布され、乾燥が完了するときには厚み100μmに収縮している。
この電極100の電極スラリー101の正極用の活物質は、例えば、マンガン酸リチウムである。ここで、正極用の活物質は、容量および出力特性の点から、リチウム−遷移金属複合酸化物を適用することが好ましい。また、負極用の活物質は、例えば、グラファイトである。ここで、負極用の活物質には、ハードカーボンや、リチウム−遷移金属複合酸化物を用いてもよい。また、導電助剤は、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラックまたはグラファイトである。また、バインダーは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)である。また、溶媒は、例えば、ノルマルメチルピロリドン(NMP)または水である。ここで、電極スラリー101に含まれる溶媒は、乾燥時に蒸発することによって電極スラリー101から除去する。
つぎに、乾燥部20による電極100の乾燥に関し、集電体102の片面に電極スラリー101を塗布する場合(片面塗工)について、図3〜図6を参照しながら説明する。
図3に概略斜視図で示す電極100において、A−A’線の位置での電極100は、電極スラリー101aを乾燥させる前の状態であり、第1加熱ゾーン20Aに搬入される前の電極100に相当する。また、図4(A)には、図3のA−A’線の位置での電極100を断面図で示している。このような電極100は、前述した電極スラリー塗布部90のコーター91により、横幅W1から成る集電体102aに対し、電極スラリー101aが厚みD1で塗布されて形成されている
図3に示すB−B’線の位置での電極100は、電極スラリー101bが乾燥途中の状態であり、乾燥部20の例えば第6加熱ゾーン20Fを搬送されている電極100に相当する。また、図4(B)には、図3のB−B’線の位置での電極100を断面図で示している。このような電極100の電極スラリー101bの厚みD2は、電極スラリー101aに含まれていた揮発性の溶媒の一部が蒸発した結果、図4(A)に示す厚みD1よりも薄くなっている。ここで、集電体102bの両端は、乾燥収縮した電極スラリー101bに引き寄せられて屈曲または屈折している。したがって、図4(B)に示す集電体102bの横幅W2は、図4(A)に示す集電体102aの横幅W1よりも短くなっている。
図3に示すC−C’線の位置での電極100は、電極スラリー101cの乾燥が完了した状態であり、乾燥部20の例えば第8加熱ゾーン20Hを搬送されている電極100に相当する。また、図4(C)には、図3のC−C’線の位置での電極100を断面図で示している。このような電極100の電極スラリー101cの厚みD3は、電極スラリー101bに残留していた揮発性の溶媒が殆ど蒸発した結果、図4(B)に示す厚みD2よりも薄くなっている。ここで、集電体102cの両端は、乾燥収縮した電極スラリー101cに引き寄せられて更に屈曲または屈折している。したがって、図4(C)に示す集電体102cの横幅W3は、図4(B)に示す集電体102bの横幅W2よりも短くなっている。
ここで、図3および図4に示す電極100の集電体102の端部は、次のような原理により屈曲または屈折する。電極100は、例えば、厚み20μmの集電体102に対して、その10倍の厚み200μmで電極スラリー101を塗布した後に、加熱により乾燥させて形成する。この加熱に伴い、集電体102に比較して十分に厚みを有する電極スラリー101中の溶媒が蒸発しながら乾燥する。このように電極スラリー101の乾燥が進むと、電極スラリー101の厚みは塗布当初の半分程度になる。さらに、電極スラリー101の乾燥の末期には、電極スラリー101の表面が乾燥により収縮し、その収縮の応力により、集電体102bの両端が引き寄せられて屈曲または屈折する。
図5に示す電極100に関するグラフは、図3および図4に図示した乾燥過程にある片面塗工した電極100について、電極スラリー101中の溶媒の蒸発割合に対する、集電体102の端部の変位割合を示している。この集電体102の端部の変位割合は、屈曲または屈折することにより短くなった集電体102の横幅の減少幅を割合で表したものである。したがって、電極スラリー101に含まれている揮発性の溶媒が完全に蒸発した時点における蒸発割合を100%、および集電体102の端部の屈曲または屈折が止まった時点における端部の変位割合を100%と定義する。図5に示すように、電極スラリー101に含まれている揮発性の溶媒の蒸発割合が90%を超えるところから、集電体102の端部の変位割合が急激に増加している。ここで、図4(B)に示す集電体102bの横幅W2は、図5に示す溶媒の蒸発割合が90%を超えた後の集電体102の端部の変位割合を反映している。また、図4(C)に示す集電体102cの横幅W3は、図5に示す溶媒の蒸発割合が100%に到達する直前の集電体102の端部の変位割合を反映している。
図6に示す電極100に関するグラフは、図3および図4に図示した乾燥過程にある片面塗工した電極100について、その電極100中の電極スラリー101の乾燥状態を示している。電極スラリー101は、図6の横軸に示すように、昇温ゾーン、溶媒蒸発ゾーン、および乾燥仕上ゾーンを経て、乾燥させる。ここで、電極スラリー101中の溶媒の残存率は、昇温ゾーンの最初には100%であるが、昇温ゾーンと溶媒蒸発ゾーンの境界から急激に減少し始め、乾燥仕上ゾーンの後半で0%になる。また、電極スラリー101の温度は、昇温ゾーンの最初には常温であるが、昇温ゾーンから乾燥仕上ゾーンにかけて上昇し、その乾燥仕上ゾーンで130℃に達し、乾燥仕上ゾーンを超えると急激に低下して常温になる。また、電極スラリー101に給気される熱風の風速は、昇温ゾーンでは一定である。つぎに、熱風の風速は、昇温ゾーンから溶媒蒸発ゾーンに移行するときに所定の値だけ下げた後、溶媒蒸発ゾーンでは一定としている。さらに、熱風の風速は、仕上乾燥ゾーンを超えてから急上昇させ、その仕上乾燥ゾーンを超えるまで増加させる。
つぎに、乾燥部20による電極100の乾燥に関し、電極スラリー101を一面に塗布して乾燥済みの集電体102において、その集電体102の一面に対向した他面にも電極スラリー103を塗布する場合(両面塗工)について、図7〜図9を参照しながら説明する。
図7に概略斜視図で示す電極100において、A−A’線の位置での電極100は、両面塗工された電極スラリー103aを乾燥させる前の状態であり、第1加熱ゾーン20Aに搬入される前の電極100に相当する。また、図8(A)には、図7のA−A’線の位置での電極100を断面図で示している。なお、図4(C)において屈曲または屈折していた集電体102の端部は、搬送部10の巻取ロール17で巻き取り保管される過程で、図8(A)に示すようにその屈折または屈折が解消されている。このような電極100は、前述した電極スラリー塗布部90のコーター91により、横幅W1から成る集電体102aに対し、電極スラリー103aが厚みD4で塗布されて形成されている。
図7に示すB−B’線の位置での電極100は、電極スラリー103bが乾燥途中の状態であり、乾燥部20の例えば第6加熱ゾーン20Fを搬送されている電極100に相当する。また、図8(B)には、図7のB−B’線の位置での電極100を断面図で示している。このような電極100の電極スラリー103bの厚みD5は、電極スラリー103aに含まれていた揮発性の溶媒の一部が蒸発した結果、図8(A)に示す厚みD4よりも薄くなっている。ここで、集電体102bの両端は、乾燥収縮した電極スラリー103bに引き寄せられて屈曲または屈折している。したがって、図8(B)に示す集電体102bの横幅W4は、図8(A)に示す集電体102aの横幅W1よりも短くなっている。
図7に示すC−C’線の位置での電極100は、電極スラリー103cの乾燥が完了した状態であり、乾燥部20の例えば第8加熱ゾーン20Hを搬送されている電極100に相当する。また、図8(C)には、図7のC−C’線の位置での電極100を断面図で示している。このような電極100の電極スラリー103cの厚みD6は、電極スラリー103bに残留していた揮発性の溶媒が殆ど蒸発した結果、図8(B)に示す厚みD5よりも薄くなっている。ここで、集電体102cの両端は、乾燥収縮した電極スラリー103cに引き寄せられて更に屈曲または屈折している。したがって、図8(C)に示す集電体102cの横幅W5は、図8(B)に示す集電体102bの横幅W4よりも短くなっている。
図9に示す電極100に関するグラフは、図7および図8に図示した乾燥過程にある両面塗工した電極100について、電極スラリー103中の溶媒の蒸発割合に対する、集電体102の端部の変位割合を示している。この集電体102の端部の変位割合は、図5を基準として、屈曲または屈折することにより短くなった集電体102の横幅の減少幅を割合で表したものである。図9に示すように、電極スラリー103に含まれている揮発性の溶媒の蒸発割合が90%を超えるところから、集電体102の端部の変位割合が増加している。ここで、図8(B)に示す集電体102bの横幅W4は、図9に示す溶媒の蒸発割合が90%を超えた後の集電体102の端部の変位割合を反映している。また、図8(C)に示す集電体102cの横幅W5は、図9に示す溶媒の蒸発割合が100%に到達する直前の集電体102の端部の変位割合を反映している。いずれにしても、図9中に実線で示す両面塗工のグラフは、図5を引用した点線で示す片面塗工のグラフと比較して、乾燥段階における変位割合の変化が半分程度である。これは、電極スラリー103の乾燥収縮時に、既に集電体102に塗布して乾燥済の電極スラリー101により、集電体102の端部の屈曲または屈折が妨げられていることに起因している。
電極乾燥装置1の測定部30は、図10に示すように、電極100の搬送経路の側方の片端または両端に沿って複数設けた測定手段により、電極100の端部の位置を測定する。
ここで、図10では、測定部30における測定手段の各構成の配置を明確にするために、乾燥部20の大部分の図示を省略し、第1加熱ゾーン20A〜第8加熱ゾーン20Hの8つの加熱ゾーンを矢印で示すに留めている。測定部30の測定手段は、検出器を有し、図11に示すように、電極100の電極面の左端の一方側に配設した発光部材31から出射した光L1の一部を、その電極面の他方側に配設された受光部材33で受光する。ここで、電極100の電極面は、集電体102に対して電極スラリー101が塗布されている面に相当する。同様に、測定部30の測定手段は、電極100の電極面の右端の一方側に配設した発光部材32から出射した光L2の一部を、その電極面の他方側に配設された受光部材34で受光する。すなわち、図10では、電極100の搬送経路の側方の両端に沿って測定手段を設けた構成を示している。この測定部30の構成、および測定部30による電極100の端部の位置の測定方法について、図10および図11を参照しながら説明する。
測定部30は、例えば、20組の検出器を第6加熱ゾーン20Fの中央から第8加熱ゾーン20Hの中央まで、電極100の搬送方向に沿って一定間隔で設けている。したがって、第6加熱ゾーン20Fの後半の領域、第7加熱ゾーン20Gの全ての領域、および第8加熱ゾーン20Hの前半の領域において、20組の検出器を用いて、電極100の端部の位置を連続的に測定することができる。ここで、20組の検出器は、それぞれ電極100の搬送経路の側方の両端に設けられている。具体的には、図11に示すように、検出器の発光部材31と受光部材33は、電極100の左端から離間した状態で対向するように、電極100の上下に配設している。同様に、検出器の発光部材32と受光部材34は、電極100の右端から離間した状態で対向するように、電極100の上下に配設している。
ここで、発光部材31および32は電極100よりも上側に配置し、かつ、受光部材33および34は電極100よりも下側に配置している。しかしながら、このような配置に限定されることはなく、発光部材31および32を電極100よりも下側に配置し、かつ、受光部材33および34を電極100よりも上側に配置してもよい。具体的には、例えば、検出器を定期的にメンテナンスするような場合には、受光部材33および34に入射する光を目視して確認し易いように、受光部材33および34を電極100よりも下側に配置すると良い。一方、例えば、天井に取り付けられた蛍光灯や装置に設けられたパテライトに起因した外乱光の影響が大きい場合には、その外乱光を遮光し易いように、受光部材33および34を電極100よりも上側に配置すると良い。
このような発光部材31および32には、光源として、例えばレーザダイオードや発光ダイオードを設ける。なお、発光部材31および32は、同一の仕様からなる。ここで、レーザダイオードから出射される光は、発光ダイオードから出射される光と比較して、光の回折が少なく直進性が高い。したがって、光源にレーザダイオードを用いれば、後述する受光部材33および34で光を受光するときの検出誤差を低減することができる。また、発光部材31および32は、例えば、レーザダイオードや発光ダイオードから出射された光をコリメータレンズを用いることにより、一定の出射幅を有する平行光にする構成とする。さらに、発光部材31および32は、レーザダイオードから出射された光を、外周が多面体に形成された回転ミラーで反射させることにより、一定の領域において直線状に走査可能な光にする構成とすることができる。
また、発光部材31および32から出射する光の波長は、紫外線、可視光線、または赤外光線の領域から選択することができる。ここで、光の波長に紫外線を選択した場合、乾燥部20に設けられた熱源から放射される赤外線と分別して検出することが容易になる。また、光の波長に可視光線を選択した場合、その光は視認できることから、検出器の光学調整が容易になる。一方、光の波長に赤外光線を選択した場合、その光は紫外線や可視光線と比較して透過や反射に伴う減衰が少ないことから、窓板等による光の強度低下を抑制することができる。さらに、光の波長に赤外光線を選択した場合、外乱光である紫外線や可視光線を透過させない色フィルタを設けることにより、その影響を避けることができる。
さらに、受光部材33および34には、光の受光素子として、例えば直線状に複数隣接してSiフォトダイオードや、受光面が長方形状からなるCCDイメージセンサを設ける。なお、受光部材33および34は、同一の仕様からなる。また、Siフォトダイオードを用いる場合、1画素の横幅が数百μmの仕様を選択する。同様に、CCDイメージセンサを用いる場合、1画素の横幅が数十μm〜数百μmの仕様を選択する。このような1画素の横幅は、受光部材33および34による光の検出位置に係る分解能となる。ここで、光L1およびL2が集電体102fの端部で反射すると、その反射光が受光部材33または34に入射してノイズとなる場合がある。このような場合には、例えば、受光部材33および34の前方に偏光フィルタを配設して、その反射光を遮蔽する。
上述した測定部30の検出器は、乾燥部20に隣接して設ける。ここで、乾燥部20では、内部の温度を所定の値に制御するため、周囲の構造と断熱する必要がある。したがって、発光部材31および32は、例えば、乾燥部20の上部に設けられた図示せぬ透明な耐熱ガラス越しに配設する。この場合、受光部材33および34は、発光部材31および32に対向するように、乾燥部20の下部に設けられた透明な耐熱ガラス越しに配設する。また、この耐熱ガラスは、電極スラリー101から蒸発した溶媒により曇る可能性があることから、例えばワイパーを設ける。
さらに、測定部30による電極100の端部の位置の測定方法について説明する。図11に示す電極100は、含有されている溶媒が一定量乾燥した電極スラリー101fと、その電極スラリー101f中の溶媒の乾燥に伴い端部が屈曲した集電体102fから形成されている。ここで、電極100の端部は、その電極100を構成する集電体102fの端部に相当する。図11に示すように、発光部材31から出射幅H1で出射された光L1の一部は、集電体102fの図中左側の端部で遮蔽されることなく、入射幅H3で受光部材33に入射する。同様に、図11に示すように、発光部材32から出射幅H2で出射された光L2の一部は、集電体102fの図中右側の端部で遮蔽されることなく、入射幅H4で受光部材34に入射する。なお、20組の検出器について、光L1およびL2の光線をそれぞれ図10に図示すると、それらの光線が密集してしまう。したがって、図10では、20組の検出器のうち、両端と中央付近の3組の検出器についてのみ、光L1およびL2の光線を図示している。
ここで、測定部30において、集電体102fの端部の変位量R1は、下記(1)式により算出される。
Figure 2013137168
この変位量R1は、両端部が屈曲または屈折した集電体102fの横幅に係る減少幅の片側分に相当する。具体的には、変位量R1は、図4(a)に示す集電体102aの横幅W1を図11に示す集電体102fの横幅W6で引いた上で、2で割った値である。このように、変位量R1は、集電体102fの右端部と左端部において屈曲または屈折の大きさが異なっても、その屈曲または屈折に伴う集電体102fの横幅の減少幅を平均値で算出する。また、このような構成によれば、電極100が搬送方向の法線方向に対して蛇行しながら搬送されても、電極100の搬送経路の側方の両端に測定手段を設けていることから、その蛇行の影響を受けることなく、変位量R1を算出することができる。
上述した測定部30では、図10に示すように、電極100の搬送経路の側方の両端に沿って測定手段を設けることにより、電極100が搬送方向の法線方向に対して蛇行しながら搬送されても、その蛇行の影響を受けることがないように構成している。一方、電極100を搬送方向の法線方向に対して蛇行させることなく搬送可能な場合には、測定部30の測定手段を電極100の搬送経路の側方のどちらか片端のみに沿って設ける構成としてもよい。ここで、電極100の蛇行を防止するためには、例えば、乾燥部20と隣接する搬送部10に電極100の端部の位置を検出するセンサーを設け、そのセンサーによる検出結果に基づき、供給ロール11を電極100の搬送方向の法線方向に対して移動させる。
つぎに、測定部40について説明する。この測定部40は、図12に示す第1実施形態に係る電極乾燥装置2に配設しており、前述した測定部30の他の形態に相当する。
このような測定部40は、電極100の搬送経路の側方の両端に沿って測定手段を設けた測定部30と比較して、構成部材が少なく光学調整も容易であることから、組み立て調整に係る手間を大幅に削減することができる。なお、電極乾燥装置2において、測定部40以外の構成は、電極乾燥装置1と同様である。
測定部40は、図12に示すように、電極100の搬送経路の上方または下方に沿って複数設けた測定手段により、電極100の端部の位置を測定する。なお、図12では、図10と同様に、測定部40の測定手段の配置を明確にするために、乾燥部20の大部分の図示を省略し、第1加熱ゾーン20A〜第8加熱ゾーン20Hの8つの加熱ゾーンを矢印で示すに留めている。このような測定部40の測定手段は、撮像器を有し、図13に示すように、電極100を電極面側から撮像する。この測定部40の構成、および測定部40による電極100の端部の位置の測定方法について、図12および図13を参照しながら説明する。
ここで、測定部40は、測定部30と同様に、例えば、20組の撮像器を、第6加熱ゾーン20Fの中央から第8加熱ゾーン20Hの中央まで、電極100の搬送方向に沿って一定間隔で設けている。したがって、第6加熱ゾーン20Fの後半の領域、第7加熱ゾーン20Gの全ての領域、および第8加熱ゾーン20Hの前半の領域において、20組の撮像器を用いて、電極100の端部の位置を連続的に測定することができる。
測定部40の撮像器には、CCDカメラ41を用いる。このCCDカメラ41により、電極100で反射した光L3を受光して、電極100の端部の位置を測定する。具体的には、CCDカメラ41で得られた電極100の画像から、電極100の端部の位置を、周囲の構造物との色調や反射率の違いに基づき検出する。なお、CCDカメラ41の分解能は、数十μm〜数百μmの仕様を選択する。ここで、CCDカメラ41は、乾燥部20の上部に設けられた図示せぬ透明な耐熱ガラス越しに配設する。また、この耐熱ガラスは、電極スラリー101から蒸発した溶媒により曇る可能性があることから、例えばワイパーを設ける。また、CCDカメラ41は、図1に示す乾燥部20の上部ノズル24と干渉するため、その上部ノズル24の形状を一部変更して、CCDカメラ41を配設できるようにする。
さらに、測定部40による電極100の端部の位置の測定方法について説明する。図13に示す電極100は、含有されている溶媒が一定量乾燥した電極スラリー101gと、その電極スラリー101g中の溶媒の乾燥に伴い端部が屈曲した集電体102gから形成されている。ここで、電極100の端部は、その電極100を構成する集電体102gの端部に相当する。なお、20組の撮像器について、光L3の光線をそれぞれ図12に図示すると、それらの光線が密集してしまう。したがって、図12では、20組の撮像器のうち、両端と中央付近の3組の撮像器についてのみ、光L3の光線を図示している。
ここで、測定部40において、集電体102gの端部の変位量R2は、下記(2)式により算出される。
Figure 2013137168
この変位量R2は、両端部が屈曲または屈折した集電体102gの横幅に係る減少幅の片側分に相当する。具体的には、変位量R2は、図4(a)に示す集電体102aの横幅W1を図13に示す集電体102gの横幅W7で引いた上で、2で割った値である。このように、変位量R2は、集電体102gの右端部と左端部において屈曲または屈折の大きさが異なっても、その屈曲または屈折に伴う集電体102gの横幅の減少幅を平均値で算出する。また、このような構成によれば、電極100が搬送方向の法線方向に対して蛇行しながら搬送されても、撮像器により電極100の両端を撮像していることから、その蛇行の影響を受けることなく、変位量R2を算出することができる。
つぎに、測定部50について説明する。この測定部50は、図14に示す第1実施形態に係る電極乾燥装置3に配設しており、前述した測定部30の更に他の形態に相当する。
このような測定部50は、電極100の搬送経路の側方の両端に沿って測定手段を設けた測定部30と比較して、検出器の構成を半分にすることができる。なお、電極乾燥装置3において、測定部50以外の構成は、電極乾燥装置1と同様である。
測定部50は、図14に示すように、電極100の搬送経路の側方に沿って複数設けた測定手段により、電極100の端部の位置を測定する。なお、図14では、図10と同様に、測定部50の測定手段の各構成の配置を明確にするために、乾燥部20の大部分の図示を省略し、第1加熱ゾーン20A〜第8加熱ゾーン20Hの8つの加熱ゾーンを矢印で示すに留めている。このような測定部50の測定手段は、検出器を有し、図15に示すように、電極100の側面の一方側に配設した発光部材51から出射した光L4の一部を、その電極100の側面の他方側に配設された受光部材52で受光する。ここで、電極100の側面は、集電体102およびその集電体102に塗布された電極スラリー101の厚み方向の面に相当する。この測定部50の構成、および測定部50による電極100の端部の位置の測定方法について、図14および図15を参照しながら説明する。
ここで、測定部50は、測定部30と同様に、例えば、20組の検出器を、第6加熱ゾーン20Fの中央から第8加熱ゾーン20Hの中央まで、電極100の搬送方向に沿って一定間隔で設けている。したがって、第6加熱ゾーン20Fの後半の領域、第7加熱ゾーン20Gの全ての領域、および第8加熱ゾーン20Hの前半の領域において、20組の検出器を用いて、電極100の端部の位置を連続的に測定することができる。
検出器の発光部材51には、光源として、例えばレーザダイオードを設ける。また、発光部材51は、レーザダイオードから出射された光を、コリメータレンズを用いることにより、一定の出射幅を有する平行光にする構成とする。また、検出器の受光部材52には、光の受光素子として、例えば直線状に複数隣接してSiフォトダイオードや、受光面が長方形状からなるCCDイメージセンサを設ける。ここで、発光部材51は、乾燥部20の一方の側部に設けられた図示せぬ透明な耐熱ガラス越しに配設する。また、受光部材52は、発光部材51に対向するように、乾燥部20の他方の側部に設けられた透明な耐熱ガラス越しに配設する。また、この耐熱ガラスは、電極スラリー101から蒸発した溶媒により曇る可能性があることから、例えばワイパーを設ける。
さらに、測定部50による電極100の端部の位置の測定方法について説明する。図15に示す電極100は、含有されている溶媒が一定量乾燥した電極スラリー101hと、その電極スラリー101h中の溶媒の乾燥に伴い端部が屈曲した集電体102hから形成されている。ここで、電極100の端部は、その電極100を構成する集電体102hの端部に相当する。図15に示すように、発光部材51から出射された光L4の一部は、集電体102hで遮蔽されることから、受光部材52に光の遮光幅H5が発生する。なお、20組の検出器について、光L4の光線をそれぞれ図14に図示すると、それらの光線が密集してしまう。したがって、図14では、20組の検出器のうち、両端と中央付近の3組の検出器についてのみ、光L4の光線を図示している。
ここで、測定部50において、集電体102hの端部の変位量R3は、下記(3)式により算出される。
Figure 2013137168
この変位量R3は、両端部が屈曲または屈折した集電体102hの厚みに相当する高さ方向の増加幅に相当する。ここで、集電体102hの端部が長い区間に亘り屈曲または屈折するような場合、高さ方向の変位量R3は、図11を参照しながら前述した横方向の変位量R1よりも大きくなることから、その変位量R3を検出し易い。また、このような構成によれば、電極100が搬送方向の法線方向に対して蛇行しながら搬送されても、検出器では集電体102hの厚みに相当する高さ方向の増加幅を検出していることから、その蛇行の影響を受けることなく、変位量R3を算出することができる。また、変位量R3は、集電体102fの右端部と左端部において屈曲または屈折の大きさが異なる場合には、その大きい値を算出する。
電極乾燥装置1の乾燥判定部60では、電極100の端部の位置の変位量に基づき電極100の乾燥状態を判定する。
この乾燥判定部60は、図2に示すように、コントローラー61を設けている。ここで、コントローラー61は、CPU、ROMおよびRAMから構成している。CPU( Central Processing Unit)は、ROMに格納された制御プログラムを実行する。また、ROM(Read Only Memory)は、電極100の乾燥状態を判定するための制御プログラムを格納している。また、RAM(Random Access Memory)は、CPUによる制御プログラムの実行に伴う電極100の端部の位置の測定データを一時的に記憶する。ここで、コントローラー61は、測定部30〜50により測定された電極100の端部の位置の変化量に基づき、電極100の乾燥状態を判定する。具体的には、例えば、参照テーブルとして、図5に示す電極100の集電体102の端部の変位割合をROMに収納しておく。その上で、コントローラー61は、測定部30〜50により測定された電極100の端部の位置の変化量と、ROMに格納しておいた参照テーブルの値とを比較することにより、電極100の乾燥状態を判定する。
上述した第1実施形態の電極乾燥方法およびその電極乾燥方法を具備した電極乾燥装置1〜3によれば、以下の効果を奏する。
電極乾燥装置1〜3の測定部30〜50に設けた測定手段により電極100の端部の位置を測定し、その電極100の端部の位置の変位量に基づいて、乾燥判定部60に設けたコントローラー61により電極100の乾燥状態を判定している。したがって、電極100を連続的に乾燥させても、その電極100の品質を確保することができる。
具体的には、電極100は、電極スラリー101の表面が乾燥により収縮し、その収縮の応力により、集電体102bの両端が引き寄せられて屈曲または屈折する。このよう現象は、電極100の乾燥時に再現性良く定量的に発生することから、電極100の端部の位置の変位量に基づいて電極100の乾燥状態を判定する方法は、高い信頼性を有する。
また、電極乾燥装置1の測定部30は、図10に示すように、電極100の搬送経路の側方の両端に沿って複数設けた測定手段(発光部材31と32および受光部材33と34)により、電極100の端部の位置を測定する。このような電極100の端部の位置の測定方法によれば、測定手段は、容易な構成により構築することができ、乾燥部20の各構成部材に干渉することもなく、高い測定精度を保つことができる。特に、測定手段を構成する発光部材31と32および受光部材33と34の仕様を、電極乾燥装置1の設置環境等に合わせて、任意に選択することができる。また、このような構成によれば、電極100が搬送方向の法線方向に対して蛇行しながら搬送されても、電極100の搬送経路の側方の両端に測定手段を設けていることから、その蛇行の影響を受けることなく、変位量R1を算出することができる。
また、電極乾燥装置2の測定部40は、図12に示すように、電極100の搬送経路の上方または下方に沿って複数設けた測定手段(CCDカメラ41)により、電極100の端部の位置を測定する。このような電極100の端部の位置の測定方法によれば、測定手段は、CCDカメラ41のみと構成部材が少なく光学調整も容易であることから、組み立て調整に係る手間を大幅に削減することができる。また、このような構成によれば、電極100が搬送方向の法線方向に対して蛇行しながら搬送されても、撮像器により電極100の両端を撮像していることから、その蛇行の影響を受けることなく、変位量R2を算出することができる。
また、電極乾燥装置3の測定部50は、図14に示すように、電極100の搬送経路の側方に沿って複数設けた測定手段(発光部材51および受光部材52)により、電極100の端部の位置を測定する。このような測定部50は、電極100の搬送経路の側方の両端に沿って測定手段を設けた測定部30と比較して、検出器の構成を半分にすることができる。また、このような構成によれば、電極100が搬送方向の法線方向に対して蛇行しながら搬送されても、検出器では集電体102hの厚みに相当する高さ方向の増加幅を検出していることから、その蛇行の影響を受けることなく、変位量R3を算出することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る電極乾燥制御装置4は、揮発性の溶媒を含む電極スラリー101が集電体102に塗布されて形成された電極100を所定の位置で乾燥させる制御装置である。
すなわち、第2実施形態に係る電極乾燥制御装置4は、第1実施形態に係る電極乾燥装置1〜3と異なり、電極100を乾燥装置内の所定の位置で乾燥させる制御装置である。このような電極乾燥制御装置4は、図16に示すように、搬送部10、乾燥部70、測定部30〜50、および乾燥制御部80から構成している。以下、第2実施形態では、電極乾燥制御装置4に特有の構成、および電極乾燥制御装置4に特有の電極100の乾燥方法について説明する。
電極乾燥制御装置4の乾燥部70は、電極100を乾燥手段により乾燥させる。この乾燥手段は、例えば後述する熱交換器71および赤外線ランプ73に相当するが、電極100を乾燥可能なものであれば特に限定されることはない。ここで、乾燥部70は、乾燥制御部80による制御に基づいて、乾燥部70の第1加熱ゾーン70Aおよび第2加熱ゾーン70Bにおける温調を可変させる。ここで、乾燥部20を用いても第1加熱ゾーン20Aおよび第2加熱ゾーン20Bにおける温調を可変させることができる。しかし、電極乾燥制御装置4での乾燥に係る構成の理解を容易にするために、乾燥部70を用いて説明する。
乾燥部70の基本的な構成は、乾燥部20の構成と同様である。この乾燥部70は、図16に示すように、搬送部10の上流側から下流側にかけて、第1加熱ゾーン70A〜第8加熱ゾーン70Hの8つの加熱ゾーンから成り、それぞれ独立して制御する。ここで、乾燥部70の第1加熱ゾーン70Aおよび第2加熱ゾーン70Bにおける温調は、乾燥部70自体による制御に加えて、乾燥制御部80による制御が別途行われる。また、乾燥部70において、第1加熱ゾーン70Aおよび第2加熱ゾーン70Bの上部ノズル74には、それぞれ赤外線ランプ73を設けている。さらに、乾燥部70において、第1加熱ゾーン70A〜第8加熱ゾーン70Hの下部ノズル72には、熱交換器71を設けている。なお、乾燥部70の動作については、図17を参照しながら後述する。
電極乾燥制御装置4の乾燥制御部80は、電極100の端部の位置の変位量に基づき電極100の乾燥状態を判定し、電極100の乾燥が搬送経路における所定の範囲内の位置で完了するように乾燥部70の乾燥手段を制御する。したがって、乾燥制御部80は、前述した乾燥判定部60における判定に加えて、電極100の乾燥が搬送経路における所定の範囲内の位置で完了するように乾燥部70の乾燥手段を制御する。このような乾燥制御部80は、図16に示すように、コントローラー81を設けている。ここで、コントローラー81は、CPU、ROMおよびRAMから構成している。CPU(Central Processing Unit)は、ROMに格納された制御プログラムを実行する。また、ROM(Read Only Memory)は、電極100の乾燥状態を判定し、電極100の乾燥が搬送経路における所定の範囲内の位置で完了するように乾燥部70を制御するための制御プログラムを格納している。また、RAM(Random Access Memory)は、CPUによる制御プログラムの実行により発生した電極100の端部の位置や乾燥の程度に係るデータを一時的に記憶する。なお、乾燥制御部80による乾燥部70の制御については、図17を参照しながら後述する。
次に、乾燥制御部80による乾燥部70の乾燥手段の制御について、図17を参照しながら説明する。
図17は、電極乾燥制御装置4を用いて、電極100の乾燥位置をその電極100の搬送経路における所定の範囲内の位置に収める制御をフローチャートで示している。
まず、測定部30の20組の検出器により、電極100の端部の位置を測定する(ステップS1)。続いて、乾燥制御部80により電極100の乾燥完了位置を判定する。具体的には、例えば、参照テーブルとして、図5に示すような電極100の集電体102の端部の変位割合を、コントローラー81のROMに予め収納しておく。その上で、コントローラー81が、測定部30の20組の検出器により測定された電極100の端部の位置の変化量と、ROMに格納しておいた参照テーブルの値とを比較する。さらに、コントローラー81は、その比較結果から、電極100の乾燥状態を確認し、搬送経路における電極100の乾燥完了位置を判定する(ステップS2)。
続いて、ステップS2で判断された電極100の乾燥完了位置において「判定値>目標上限位置」の判定結果が、Yesの場合にはステップS4に進み、Noの場合にはステップS5に進む(ステップS3)。続いて、ステップS3からステップS4に進んだ場合、ステップS2で判断された電極100の乾燥完了位置において「目標上限位置>判定値」の判定結果が、Yesの場合には制御を完了し、Noの場合にはステップS6に進む(ステップS4)。
続いて、ステップS3からステップS5に進んだ場合、乾燥制御部80において、赤外線ランプ73の出力を上昇させ、かつ熱交換器71から供給する熱量の温度を上昇させる。このような制御により、電極100の乾燥完了位置を、電極100の乾燥経路に対して上流側にずらす(ステップS5)。続いて、ステップS4からステップS6に進んだ場合、乾燥制御部80において、赤外線ランプ73の出力を降下させ、かつ熱交換器71から供給する熱量の温度を降下させる。このような制御により、電極100の乾燥完了位置を、電極100の乾燥経路に対して下流側にずらす(ステップS6)。
上述した第2実施形態の電極乾燥制御方法およびその電極乾燥方法を具備した電極乾燥制御装置4によれば、以下の効果を奏する。
電極乾燥制御装置4の測定部30により電極100の端部の位置を測定し、その電極100の端部の位置の変位量に基づいて、乾燥制御部80に設けたコントローラー81により電極100の乾燥状態を判定した上で、乾燥装置内の所定の位置で電極100を乾燥させる。したがって、電極100を連続的に乾燥させるような場合であっても、電極100の乾燥が未完了の状態で乾燥作業が終了することを防止でき、乾燥装置内で電極100の乾燥を確実に完了させることができる。
さらに、電極乾燥制御方法およびその電極乾燥方法を具備した電極乾燥制御装置4によれば、電極100を連続的に乾燥させるような場合であっても、電極100の乾燥が完了しているにも関わらず乾燥作業が継続されることがない。したがって、電極乾燥制御装置4によれば、乾燥装置内の電極100の搬送経路を不必要に長くすることを防止できる。
特に、電極乾燥制御方法およびその電極乾燥方法を具備した電極乾燥制御装置4によれば、乾燥装置内の電極100の搬送経路の長さに本来は不要な余裕を持たせることがないため、乾燥装置を小型化することができ、使用するエネルギーも抑制することができる。
なお、第1実施形態および第2実施形態においては、電極スラリー塗布部90のコーター91を用いて、集電体102に対して電極スラリー101を連続的に塗布する構成として説明したが、このような構成に限定されることはない。例えば、電極スラリー塗布部90のコーター91を用いて、集電体102に対して電極スラリー101を間欠的に塗布する構成としてもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態においては、搬送部10により常に搬送する電極100を連続的に乾燥させる構成として説明したが、このような構成に限定されることはない。例えば、搬送部10により一定距離だけ搬送した後に一旦停止させた状態の電極100を乾燥させる工程を複数回繰り返すように、電極100をバッチ式で乾燥させる構成してもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態においては、測定部30および50に設ける光源に例えばレーザダイオードを用いる構成として説明したが、このような構成に限定されることはない。例えば、測定部30および50にCCDカメラ41を設け、電極100の端部の位置を撮像して測定する構成としてもよい。
また、第2実施形態においては、電極100を乾燥装置内の所定の位置で乾燥させるために、乾燥制御部80を用いて乾燥部70の乾燥手段に相当する熱交換器71および赤外線ランプ73を制御する構成として説明したが、このような構成に限定されることはない。例えば、乾燥制御部80を用いて乾燥部70の熱交換器71のみを制御する構成としたり、乾燥部70の赤外線ランプ73のみを制御する構成としてもよい。
そのほか、本発明は、特許請求の範囲に記載された構成に基づきさまざまな改変が可能であり、それらについても本発明の範疇であることは言うまでもない。
1,2,3 電極乾燥装置、
4 電極乾燥制御装置、
10 搬送部、
20 乾燥部、
22 加熱ヒータ(乾燥手段)、
30 測定部、
31,32 発光部材、
33,34 受光部材、
40 測定部、
50 測定部、
51 発光部材、
52 受光部材、
60 乾燥判定部、
70 乾燥部、
71 熱交換器(乾燥手段)、
73 赤外線ランプ(乾燥手段)、
80 乾燥制御部、
100 電極、
101,101a,101b,101c,101f,101g,101h,103,103a,103b,103c 電極スラリー、
102,102a,102b,102c,102f,102g,102h 集電体。

Claims (7)

  1. 揮発性の溶媒を含む電極スラリーが集電体に塗布されて形成された電極を乾燥装置で乾燥させる方法であって、
    前記電極を搬送する搬送工程と、
    前記電極を乾燥手段により乾燥させる乾燥工程と、
    前記電極の搬送経路に沿って設けた測定手段により、前記電極の端部の位置を測定する測定工程と、
    前記電極の端部の位置の変位量に基づき前記電極の乾燥状態を判定する乾燥判定工程と、を有する電極乾燥方法。
  2. 前記測定手段は、前記電極の電極面の一方側に配設した発光部材から出射した光の一部を前記電極面の他方側に配設された受光部材で受光する検出器を有し、前記電極の搬送経路の側方の片端または両端に沿ってそれぞれ複数設け、
    前記測定工程において、前記検出器により前記溶媒の乾燥に伴い屈曲または屈折した前記集電体の端部の位置を測定する、請求項1に記載の電極乾燥方法。
  3. 前記測定手段は、前記電極を電極面側から撮像する撮像器を有し、前記電極の搬送経路の上方または下方に沿って複数設け、
    前記測定工程において、前記撮像器により前記溶媒の乾燥に伴い屈曲または屈折した前記集電体の端部の位置を測定する、請求項1に記載の電極乾燥方法。
  4. 前記測定手段は、前記電極の側面の一方側に配設した発光部材から出射した光の一部を前記側面の他方側に配設された受光部材で受光する検出器を有し、前記電極の搬送経路の側方に沿って複数設け、
    前記測定工程において、前記検出器により前記溶媒の乾燥に伴い屈曲または屈折した前記集電体の端部の位置を測定する、請求項1に記載の電極乾燥方法。
  5. 揮発性の溶媒を含む電極スラリーが集電体に塗布されて形成された電極を乾燥装置の所定の位置で乾燥させる制御方法であって、
    前記電極を搬送する搬送工程と、
    前記電極を乾燥手段により乾燥させる乾燥工程と、
    前記電極の搬送経路に沿って設けた測定手段により、前記電極の端部の位置を測定する測定工程と、
    前記電極の端部の位置の変位量に基づき前記電極の乾燥状態を判定し、前記電極の乾燥が搬送経路における所定の範囲内の位置で完了するように前記乾燥手段を制御する乾燥制御工程と、を有する電極乾燥制御方法。
  6. 揮発性の溶媒を含む電極スラリーが集電体に塗布されて形成された電極を乾燥させる装置であって、
    前記電極を搬送する搬送部と、
    前記電極を乾燥手段により乾燥させる乾燥部と、
    前記電極の搬送経路に沿って設けた測定手段により、前記電極の端部の位置を測定する測定部と、
    前記電極の端部の位置の変位量に基づき前記電極の乾燥状態を判定する乾燥判定部と、を有する電極乾燥装置。
  7. 揮発性の溶媒を含む電極スラリーが集電体に塗布されて形成された電極を所定の位置で乾燥させる制御装置であって、
    前記電極を搬送する搬送部と、
    前記電極を乾燥手段により乾燥させる乾燥部と、
    前記電極の搬送経路に沿って設けた測定手段により、前記電極の端部の位置を測定する測定部と、
    前記電極の端部の位置の変位量に基づき前記電極の乾燥状態を判定し、前記電極の乾燥が搬送経路における所定の範囲内の位置で完了するように前記乾燥手段を制御する乾燥制御部と、を有する電極乾燥制御装置。
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