JP2013121256A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチング素子の短絡故障時に他のスイッチング素子をONするための電力を確保できる電力変換装置を提供することを課題とする。
【解決手段】交流モータ7の各相に対応して設けられるスイッチング素子5u,5u,5v,5v,5w,5wを備え、直流電力を交流モータ7に供給する交流電力に変換する電力変換装置5であって、各相のスイッチング素子のうちの任意の相のスイッチング素子が短絡故障した場合に交流モータ7に発生する逆起電力を利用して短絡故障した相以外の相を含むスイッチング素子の駆動電力を生成するために、交流モータ7の各相に繋がる電力変換装置5の回路の一部を一次側の1ターンコイル5aとする1ターンコイルトランス5aと、このトランス5aの二次側コイル5aから出力される交流電力を直流電力に変換し、その直流電力を各相のスイッチング素子の制御端子に供給する電源回路5bを備える構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流モータの各相に対応して設けられるスイッチング素子を備え、直流電力を交流モータに供給する交流電力に変換する電力変換装置に関する。
近年、環境に配慮した車両としてハイブリッド車両や電気自動車が開発されており、これらの車両は駆動源としてモータを備えている。モータとしては三相交流モータが用いられ、インバータによって直流電力を三相交流電力に変換して、三相交流電力によってモータを駆動している。インバータは、一般に、各相に応じてアームが並列接続され、各アームの上側と下側にIGBT[Insulated Gate Bipolar Transistor]等のスイッチング素子及び還流ダイオードがそれぞれ並列接続される。このようなインバータにおいて、ある一相のスイッチング素子が導通状態になる短絡故障が発生した場合、その短絡故障した一相に電流が集中して過電流が流れるので、過電流を防止する必要がある。特許文献1に記載の電動機の制御装置では、各相のアームの中点と交流モータの各相のコイルとの間に設けられた電流センサの検出値に基づいてある相のスイッチング素子の短絡故障を検出した場合、その短絡故障したスイッチング素子が正極側(上側)か負極側(下側)かを判断し、短絡故障したスイッチング素子と同極側で並列接続される全てのスイッチング素子をONすることにより、短絡故障したスイッチング素子に過電流が流れるのを防止する。なお、このような三相ONを実施する場合、スイッチング素子の制御端子に駆動電圧を印加する必要があるので、駆動電圧を印加するためにインバータの駆動回路やモータ制御用のECU[Electronic Control Unit]が通電され、動作可能な状態に限られる。
特開2008−220045号公報 特開2009−195026号公報 特開2008−54420号公報
インバータのスイッチング素子が一相短絡故障した場合、車両の駆動源となる交流モータを使用できないので、車両の使用を停止し、修理するために修理工場等まで車両を牽引する必要がある。車両牽引時に、駆動輪が回転すると交流モータが外力によって回転し、そのモータ回転によって逆起電力が発生し、その逆起電力による電流が短絡故障している一相に集中し、過電流が流れる。車両牽引時には、通常、車両の制御電源がOFF(イグニッションスイッチOFF)されるので、インバータの駆動回路やECUに通電されない。そのため、特許文献1に開示されているような一相短絡故障時の対策処理を実施できない。この際、車載のバッテリからインバータの駆動回路やECUを通電することも考えられるが、駆動回路やECUは車載の発電機による発電やDC/DCコンバータからの通電を前提として設計されているので、車載のバッテリだけで長時間通電することはできない。
そこで、本発明は、スイッチング素子の短絡故障時に他のスイッチング素子をONするための電力を確保できる電力変換装置を提供することを課題とする。
本発明に係る電力変換装置は、交流モータの各相に対応して設けられるスイッチング素子を備え、直流電力を交流モータに供給する交流電力に変換する電力変換装置であって、各相に対応するスイッチング素子のうちの任意の相のスイッチング素子が短絡故障した場合、交流モータに発生する逆起電力を利用して、短絡故障した相以外の相を含むスイッチング素子の駆動電力を生成することを特徴とする。
この電力変換装置は、交流モータの各相に対応してスイッチング素子を備えており、直流電力を交流モータに供給する交流電力に変換する。特に、この電力変換装置は、各相のスイッチング素子のうち任意の相のスイッチング素子が短絡故障した場合、外力によって回転する交流モータに発生する逆起電力を利用して、短絡故障した相以外の相を含むスイッチング素子の駆動電力を生成し、その各駆動電力によって短絡故障した相以外の相のスイッチング素子をそれぞれONする。このように短絡故障した相以外の相のスイッチング素子がONすることによって、交流モータに発生している逆起電力による電流が短絡故障した相以外の相にも分散する。その結果、短絡故障している一相に逆起電流が集中することがなく、短絡故障している一相のワイヤハーネスや交流モータ内に部品等の故障を防止できる。このように、電力変換装置では、交流モータに発生する逆起電力を利用してスイッチング素子の駆動電力を生成することにより、スイッチング素子の短絡故障時に他のスイッチング素子をONするための電力を確保できる。
本発明の上記電力変換装置では、交流モータの各相に繋がる電力変換装置の回路の一部を一次側の1ターンコイルとする1ターンコイルトランスと、1ターンコイルトランスの二次側のコイルから出力される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を各相のスイッチング素子の制御端子に供給する電源回路とを備える構成としてもよい。
この電力変換装置は、1ターンコイルトランスと電源回路を備えている。1ターンコイルトランスは、交流モータの各相に繋がる電力変換装置の回路の一部を一次側の1ターンコイルとするトランスであり、その電力変換装置の回路の一部に交流電流が流れた場合に二次側のコイルに交流電力を発生し、その交流電力を出力する。電源回路は、交流電力を直流電力に変換する回路であり、入力側に1ターンコイルトランスの二次側のコイルが接続されており、出力側に各相のスイッチング素子の制御端子が接続されている。したがって、短絡故障中に外力によって回転する交流モータに逆起電力が発生した場合、1ターンコイルトランスの1ターンコイルに交流電流が流れ、その交流電流に応じた二次側のコイルに交流電流が流れ、交流電力が二次側のコイルから電源回路に入力し、電源回路でその交流電力を直流電力に変換し、その直流電力が各相のスイッチング素子の制御端子に供給される。これによって、短絡故障した相以外の相のスイッチング素子もONし、交流モータで発生している逆起電力による電流が短絡故障した相以外の相にも分散する。このように、電力変換装置では、電力変換装置の回路の一部を利用した1ターンコイルトランスと電源回路による簡単な回路構成によって、交流モータに発生する逆起電力を利用してスイッチング素子の駆動電力を生成することができる。
本発明の上記電力変換装置では、交流モータは、車両に搭載され、車両の車輪の回転に応じた外部トルクによって交流モータが回転し、交流モータに逆起電力が発生する場合に適用すると好適である。
この電力変換装置は、車両に搭載される交流モータに交流電力を供給する装置である。電力変換装置では、任意の相のスイッチング素子が短絡故障しているときに車両牽引等によって車輪が回転し、その回転に応じた外部トルクによって交流モータに逆起動力が発生した場合に、交流モータに発生する逆起電力を利用して短絡故障した相以外の相を含むスイッチング素子の駆動電力を生成する。この電力変換装置では、このような場合に適用されることによって、車両牽引時等において電力変換装置の駆動装置や制御装置等が通電されていないときでも、スイッチング素子の短絡故障時に他のスイッチング素子をONするための電力を確保できる。
本発明によれば、交流モータに発生する逆起電力を利用してスイッチング素子の駆動電力を生成することにより、スイッチング素子の短絡故障時に他のスイッチング素子をONするための電力を確保できる。
本実施の形態に係るモータシステムの構成図である。 図1のインバータにおいて一相短絡故障時の電流の流れの一例を示す図である。 図1のインバータにおいて一相短絡故障時の1ターンコイルトランス及び電源回路の動作を示す図である。 図1のインバータにおいて一相短絡故障時に三相ONによる電流の流れの一例を示す図である。 図1のインバータにおいて一相短絡故障時の動作の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明に係る電力変換装置の実施の形態を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施の形態では、本発明に係る電力変換装置を、交流モータを駆動源に持つ車両(例えば、ハイブリッド車両、電気自動車)に搭載されるモータシステムのインバータに適用する。本実施の形態に係るモータシステムは、交流モータが三相交流のモータジェネレータであり、モータ駆動時にはインバータによって直流電力を三相交流電力に変換してモータジェネレータに供給する。本実施の形態では、モータシステムの基本的な構成については従来と同様の構成なので簡単に説明し、インバータにおける一相短絡故障時に対応する構成について詳細に説明する。
図1を参照して、本実施の形態に係るモータシステム1について説明する。図1は、本実施の形態に係るモータシステムの構成図である。
モータシステム1は、バッテリ2、システムメインリレー3、DC/DCコンバータ4、インバータ5、駆動回路6、モータジェネレータ7及びモータECU8を備えている。正常時、モータシステム1では、システムメインリレー3がONされており、DC/DCコンバータ4、駆動回路6及びモータECU8が通電され、DC/DCコンバータ4からインバータ5に高電圧の直流電力を供給するとともにモータECU8によるモータ制御によって駆動回路6からインバータ5の各スイッチング素子(IGBT)に駆動電圧を印加し、インバータ5で直流電力を三相交流電力に変換し、その三相交流電力をモータジェネレータ7に供給する。インバータ5における一相短絡故障時、システムメインリレー3がONしている間、モータシステム1では、モータECU8による故障時制御によって駆動回路6から短絡故障している相以外の相の各スイッチング素子に駆動電圧を印加する。システムメインリレー3がOFFしている場合(車両牽引中等)、モータシステム1では、DC/DCコンバータ4、駆動回路6及びモータECU8が非通電となり、インバータ5内の故障時対応回路(自己給電回路)によって下側アームの全てのスイッチング素子に駆動電圧を印加する。
バッテリ2は、直流電源であり、電極に鉛を用いた二次電池である。バッテリ2とDC/DCコンバータ4との間にはメインシステムリレー3が設けられ、メインシステムリレー3がON時にバッテリ2からDC/DCコンバータ4等に直流電力を供給する。DC/DCコンバータ4は、メインシステムリレー3を介したバッテリ2とインバータ5との間に設けられ、バッテリ2の低電圧の直流電力をインバータ5の高電圧の直流電力に変換するコンバータ回路である。
インバータ5は、DC/DCコンバータ4とモータジェネレータ7との間に設けられ、DC/DCコンバータ4からの高電圧の直流電力を三相交流電力に変換する回路である。インバータ5には、モータジェネレータ7の各相(U相、V相、W相)に応じてU相アーム5u、V相アーム5v、W相アーム5wが並列接続される。U相アーム5uには、上側と下側にIGBT5uとIGBT5uが直列接続され、各IGBT5u、5uに還流ダイオード5u,5uがそれぞれ並列接続される。V相アーム5vには、上側と下側にIGBT5vとIGBT5vが直列接続され、各IGBT5v、5vに還流ダイオード5v,5vがそれぞれ並列接続される。W相アーム5wには、上側と下側にIGBT5wとIGBT5wが直列接続され、各IGBT5w、5wに還流ダイオード5w,5wがそれぞれ並列接続される。各相のアーム5u,5v,5wの中間点(上側のIGBTのエミッタと下側のIGBTのコレクタとの接続点)は、ワイヤハーネスやバスバーを介してモータジェネレータ7の各相のコイル7u,7v,7wの一端にそれぞれ接続される。各相のアーム5u,5v,5wの中間点とコイル7u,7v,7wとの間には、電流センサ9u,9v,9wがそれぞれ設けられる。
さらに、インバータ5には、故障時対応回路(非通電時にモータジェネレータ7に逆起電力が発生した場合に自己給電回路として機能)として、1ターンコイルトランス5aと電源回路5bが設けられる。1ターンコイルトランス5aは、1ターンコイル(一次側コイル)5a、コア、二次側コイル5aからなる。1ターンコイル5aは、インバータ5の三相のアーム5u,5v,5wの中間点とモータジェネレータ7のコイル7u,7v,7wの一端とを結ぶワイヤハーネス又はバスバーのうちの一相のワイヤハーネス又はバスバーが利用され、その一相のワイヤハーネス又はバスバーをコアの中空部に通すことによって構成される。図1の例では、W相のワイヤハーネス又はバスバーが1ターンコイル5aとなっている。二次側コイル5aは、コアに電線を複数回巻きつけることによって構成され、その出力端に電源回路5bが接続される。1ターンコイルトランス5aでは、1ターンコイル5aに交流電流が流れると、それに応じて二次側コイル5aに交流電流(交流電力)が流れる。
電源回路5bは、1ターンコイルトランス5aから出力される交流を直流に変換する回路(例えば、ダイオードブリッジで構成される整流回路)である。電源回路5bには、入力側に1ターンコイルトランス5aの二次側コイル5aの出力端が接続されるとともに、出力側に各相の下側アームのIGBT5u,5v,5wのゲート(制御端子)が接続される。電源回路5bでは、1ターンコイルトランス5aの二次側コイル5aから交流電力が入力すると、自動的に起動し、その交流電力を直流電力に整流し、その直流電力を駆動電力(駆動電圧)として三相の下側アームのIGBT5u,5v,5wのゲートに出力する。また、電源回路5bには、回路を停止するためのスイッチが設けられている。電源回路5bでは、システムメインリレー3がON中(通常時)、モータECU8からスイッチがOFFされ、停止する。したがって、電源回路5bは、システムメインリレー3がOFF中かつ1ターンコイル5aに交流電流が流れている時しか動作しない。
駆動回路6は、インバータ5の各相のIGBT5u,5u,5v,5v,5w,5wに駆動電力を供給する回路である。駆動回路6は、モータECU8に接続されるとともに、インバータ5の各相のIGBT5u,5u,5v,5v,w,5wのゲート(制御端子)にそれぞれ接続される。駆動回路6では、モータECU8から各相のPWM信号を受信すると、U相のPWM信号に基づいてU相のIGBT5u,5uをON/OFFするための駆動電力を生成し、V相のPWM信号に基づいてV相のIGBT5v,5vをON/OFFするための駆動電力を生成し、W相のPWM信号に基づいてW相のIGBT5w,5wをON/OFFするための駆動電力を生成し、その各駆動電力(各駆動電圧)をIGBT5u,5u,5v,5v,5w,5wの各ゲートに出力する。また、駆動回路6では、モータECU8から故障時制御信号を受信すると、その故障時制御信号に基づいて短絡故障しているIGBTが上側アームの場合には上側アームの短絡故障している以外の他の2個のIGBTを常時ONし、下側アームの場合には下側アームの短絡故障している以外の他の2個のIGBTを常時ONする。
モータジェネレータ7は、三相の交流モータである。モータジェネレータ7は、永久磁石(図示せず)と各相のコイル7u,7v,7wを備えている。コイル7u,7v,7wは、上記したように一端がインバータ5のアーム5u,5v,5wの中間点にそれぞれ接続され、他端同士が接続される。モータジェネレータ7は、インバータ5からの三相交流電力が各相のコイル7u,7v,7wに供給されると、回転駆動する。また、モータジェネレータ7は、車輪の回転によって外部からの回転トルクが加えられると、逆起電力を発生し、各相のコイル7u,7v,7wに逆起電流が流れる。この逆起電流は、ワイヤハーネスやバスバーを介して、インバータ5の各相のアーム5u,5v,5wの中間点に流れる。
モータECU8は、マイクロコンピュータ(マイコン)や各種メモリ等からなる電子制御ユニットであり、モータ制御や故障時制御等を行う。モータECU8は、駆動回路6が接続されるとともに、電流センサ9u,9v,9wやモータジェネレータ7内に設けられる位置センサ(図示せず)等の各種センサが接続される。モータECU8では、正常時、車両の運転状況に応じて各相のPWM信号を生成し、各相のPWM信号を駆動回路6に送信する。また、モータECU8では、電流センサ9u,9v,9wからの各相の電流の検出値に基づいてインバータ5のIGBT5u,5u,5v,5v,5w,5wのいずれかが短絡故障しているか否かを判定し、あるIGBTが短絡故障していると判定した場合にはそのIGBTが上側アームの場合には上側アームの他の2個のIGBTを常時ONするための故障時制御信号を生成し、そのIGBTが下側アームの場合には下側アームの他の2個のIGBTを常時ONするための故障時制御信号を生成し、その故障時制御信号を駆動回路6に送信する。また、モータECU8では、システムメインリレー3がONされて通電中、インバータ5内の電源回路5bのスイッチをOFFし、電源回路5bを停止する。
図1〜図4を参照して、モータシステム1(特に、インバータ5)における一相短絡故障時の動作について図5のフローチャートに沿って説明する。図2は、図1のインバータにおいて一相短絡故障時の電流の流れの一例を示す図である。図3は、図1のインバータにおいて一相短絡故障時の1ターンコイルトランス及び電源回路の動作を示す図である。図4は、図1のインバータにおいて一相短絡故障時に三相ONによる電流の流れの一例を示す図である。図5は、図1のインバータにおいて一相短絡故障時の動作の流れを示すフローチャートである。ここでは、インバータ5のU相の下側アームのIGBT5uが短絡故障した場合で説明する。
U相の下側アームのIGBT5uが短絡故障した場合(S1)、モータECU8でその短絡故障を検知すると、モータECU8による故障時制御によって他のV相、W相の下側アームのIGBT5v,5wがONされる(制御による三相ONを実施)。この際、車両では一相短絡故障に応じて警報等が出力され、運転者は車両を停止させる(S1)。そして、車両停止中、メインシステムリレー3はOFFされ、DC/DCコンバータ4、駆動回路6、モータECU8には通電されない。したがって、インバータ5内の電源回路5bは、停止状態が解除されている。
運転者は修理するために牽引車を呼び、車両を修理工場等まで牽引させる(S2)。車両牽引等によって駆動輪が回転すると、モータジェネレータ7に外部トルクが加わる(S2)。この外部トルクによってモータジェネレータ7のロータが回転するため、逆起電力が発生する(S3)。この逆起電力によって三相のコイル7u,7v,7wに電流が流れる(S3)。この際、モータジェネレータ7における回転の状態によってコイル7u,7v,7wに流れる電流の向きが変化する。図2に示す例では、U相のコイル7uとV相のコイル7vにはインバータ5に向けて電流が流れ、W相にはインバータ5から電流が流れている。この場合、インバータ5のU相の下側アームのIGBT5uが短絡しているので、IGBT5uのコレクタからエミッタに電流が流れるが、V相の下側アームのIGBT5vはOFFしているので電流が流れず、W相の下側アームの還流ダイオード5wに電流が流れる。上記したようにモータジェネレータ7における回転の状態によってコイル7u,7v,7wに流れる電流の向きが時々刻々と変化するが、いずれの状態も短絡しているU相には電流が流れる。そのため、故障しているU相に電流が集中し、U相のワイヤハーネスやモータジェネレータ7のU相のコイル7u等には過電流が流れる。
この際、図3に示すように、1ターンコイルトランス5aの1ターンコイル(W相のワイヤハーネス又はバスバー)5aには、交流電流が流れる(S4)。1ターンコイルトランス5aでは、一次側の1ターンコイル5aに流れる交流電流に応じて二次側コイル5aに交流電流が流れる。この二次側コイル5aの交流電流(交流電力)に応じて、電源回路5bが起動する(S4)。
図4に示すように、電源回路5bでは、入力される交流電力を直流電力に変換し、直流電力(駆動電圧)をインバータ5の下側アームの三相のIGBT5u,5v,5wのゲートにそれぞれ供給する(S5)。これによって、短絡故障しているU相のIGBT5u以外のV相、W相のIGBT5v,5wもONし、下側アームでは三相が全て駆動状態(ON状態)となる(S5)。その結果、下側アームにおいてU相以外のV相とW相にも電流が連続的に流れ、下側アームの三相に電流が分散し、U相に集中しない。図4に示す状態では、U相のコイル7uとV相のコイル7vにはインバータ5に向けて電流が流れ、W相にはインバータ5から電流が流れており、インバータ5のU相の下側アームのIGBT5uが短絡しているのでIGBT5uのコレクタからエミッタに電流が流れ、V相の下側アームのIGBT5vはONしているのでIGBT5vのコレクタからエミッタに電流が流れ、W相の下側アームの還流ダイオード5wに電流が流れる。
この状態が車両牽引中は継続され、モータジェネレータ7に発生する逆起電力による電流は、インバータ5の下側アームの三相に分散して流れ続ける。なお、車両牽引が終了すると、モータジェネレータ7には外部トルクが加わらないので、モータジェネレータ7には逆起電力が発生しない。
なお、下側アームの他の相(V相、W相)のIGBT5v,wが短絡故障した場合も、同様の動作となり、下側アームで三相ON状態となり、下側アームで電流が分散される。あるいは、上側アームの三相のIGBT5u,v,wのうちのいずれかのIGBTが短絡故障した場合も、同様の動作となり、下側アームで三相ON状態となり、下側アームで電流が分散される。
このインバータ5によれば、インバータ5の回路の一部を利用した1ターンコイルトランス5aと電源回路5bによる簡単な回路構成より、インバータ5のIGBTの一相短絡故障時に車両牽引時等によってモータジェネレータ7の逆起電力が発生した場合でも、その逆起電力を利用して下側アームの全ての相のIGBTu,v,wをONするための電力を確保でき、下側アームで三相ON状態を実施できる。その結果、短絡故障している相に電流が集中して流れることがなく(過電流を防止)、短絡故障している相のワイヤハーネスやモータジェネレータ7のコイル7u等の部品の故障を防止できる。
また、インバータ5によれば、下側アームにおいて三相ONを実施する構成としているので、三相うちの一相のみに対して1ターンコイルトランス5aと電源回路5bを設ければよいので、コストを低減できる。さらに、インバータ5によれば、モータジェネレータ7の逆起電力を利用した自己給電回路なので、三相ONを実施するためのバックアップ電源を設ける必要がなく、コストを低減できる。モータジェネレータ7の逆起電力を利用した自己給電回路なので、車両牽引等が長時間になっても、三相ONを実施するための電力が不足することはない。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では車両に搭載されるモータシステムのインバータに適用したが、スイッチング素子の短絡故障時に駆動回路や制御装置に通電していない場合に外力によってモータが回転するような状況になるような他のモータシステムのインバータ(電力変換装置)にも適用可能である。
また、本実施の形態では1ターンコイルトランスと電源回路によって交流モータで発生する逆起電力を利用して短絡故障した相以外の相を含むスイッチング素子の駆動電力を生成する構成としたが、他の回路構成によって構成してもよい。
また、本実施の形態では下側アームの三相のスイッチング素子を全てONする構成としたが、上側アームの三相のスイッチング素子を全てONする構成としてもよいし、あるいは、上側アーム及び下側アームの三相のスイッチング素子を全てONする構成としてもよい。なお、上側アームの三相のスイッチング素子を全てONする場合、各相に対して電源が必要となるので、例えば、三相全てに対して1ターンコイルトランス及び電源回路をそれぞれ構成する。
また、本実施の形態では1個の三相交流モータジェネレータを備える構成に適用したが、複数の交流モータを備える構成にも適用可能であり、また、三相以外の交流モータにも適用可能である。また、本実施の形態ではインバータのスイッチング素子をIGBTとしたが、MOSFET等の他のスイッチング素子でもよい。
1…モータシステム、2…バッテリ、3…システムメインリレー、4…DC/DCコンバータ、5…インバータ、5a…1ターンコイルトランス、5a…1ターンコイル、5a…二次側コイル、5b…電源回路、5u,5u,5v,5v,5w,5w…IGBT、5u,5u,5v,5v,5w,5w…還流ダイオード、6…駆動回路、7…モータジェネレータ、7u,7v,7w…コイル、8…モータECU、9u,9v,9w…電流センサ。

Claims (3)

  1. 交流モータの各相に対応して設けられるスイッチング素子を備え、直流電力を交流モータに供給する交流電力に変換する電力変換装置であって、
    前記各相に対応するスイッチング素子のうちの任意の相のスイッチング素子が短絡故障した場合、前記交流モータに発生する逆起電力を利用して、短絡故障した相以外の相を含むスイッチング素子の駆動電力を生成することを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記交流モータの各相に繋がる前記電力変換装置の回路の一部を一次側の1ターンコイルとする1ターンコイルトランスと、
    前記1ターンコイルトランスの二次側のコイルから出力される交流電力を直流電力に変換し、前記変換した直流電力を各相のスイッチング素子の制御端子に供給する電源回路と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記交流モータは、車両に搭載され、
    前記車両の車輪の回転に応じた外部トルクによって前記交流モータが回転し、前記交流モータに逆起電力が発生する場合に適用することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
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