JP2016055802A - 駆動制御装置、及びその駆動制御装置を備えたハイブリッド車両、並びに駆動制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、インバータの三相短絡状態においては、モータに負荷トルク(ドラッグトルクとも称する)が発生することも知られている(例えば特許文献2参照)。
(4)前記本適用例に係る駆動制御装置において、前記設定回転数は、前記電動機の回転数の漸減に伴い前記電動機に発生するドラッグトルクが漸増し始める回転数領域に設定されても良い。
(6)本適用例に係る駆動制御方法は、車両の駆動源であるエンジンの出力側にクラッチを介して連結され、変速機の入力側に直接連結され、前記車両の駆動源であり発電も可能な電動機と、前記電動機を駆動するための電力を蓄電可能なバッテリと、前記バッテリと前記電動機との間で前記電力の直流及び交流の変換を行うインバータを含む電力供給回路における異常を検出する異常検出ステップと、前記変速機の変速制御を行う変速制御ステップと、前記異常検出ステップにより異常を検出したとき、前記インバータを三相短絡状態とする三相短絡ステップと、前記電動機の回転数を検出する回転数検出ステップと、前記三相短絡ステップにより前記インバータが前記三相短絡状態とされた場合において、前記回転数検出ステップにより検出された前記電動機の回転数が前記設定回転数未満となるとき、前記変速機による変速を禁止する変速制御禁止ステップと、を備える。
(9)前記本適用例に係る駆動制御方法において、前記設定回転数は、前記電動機の回転数の漸減に伴い前記電動機に発生するドラッグトルクが漸増し始める回転数領域に設定されても良い。
以下、本発明の第1実施形態に係る駆動制御を図面に基づき説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る駆動制御装置を備えたハイブリッド車両の概略構成を示し、図2は図1の駆動制御装置を構成するインバータの概略を示す。
図1に示すように、ハイブリッド車両1(以下、単に車両とも称する)は、エンジン2及びモータ3(電動機)を走行駆動源とする、例えばパラレル型ハイブリッドのトラックである。
変速機5は、一般的な手動変速機をベースとしてクラッチ4の断接操作及び変速段の切換操作を自動化したものである。本実施形態では、変速機5は、前進12速後退1速の変速段を有している。変速機5の構成はこれに限るものではなく、任意に変更可能である。例えば手動式変速機として具体化しても良いし、2系統の動力伝達系を備えた、いわゆるデュアルクラッチ式自動変速機として具体化しても良い。
インバータ10は、電力変換器であって、バッテリ11とモータ3との間に配置され、バッテリ11に蓄電された電力の直流及び交流の変換を行う。
詳しくは、モータ3が発生する駆動力は、クラッチ4の断接状態に拘わらず駆動輪9側に伝達される。一方、エンジン2が発生する駆動力は、クラッチ4の接続時に限って駆動輪9側に伝達される。したがって、クラッチ4の切断時には、モータ3が発生する正側又は負側の駆動力が駆動輪9側に伝達されることにより車両1が走行する。一方、クラッチ4の接続時には、エンジン2及びモータ3の駆動力が駆動輪9側に伝達されたり、あるいはエンジン2の駆動力のみが駆動輪9側に伝達されたりすることにより車両1が走行する。
さらに、バッテリECU16は、図示しない温度センサ、電圧センサ、及び電流センサによりそれぞれ検出されるバッテリ11の温度、電圧、及び電流等を含むバッテリ11の状態を監視している。また、バッテリECU16は、バッテリ11に設けられた非常停止ボタン、及びクラッシュセンサ(何れも図示しない)等の作動の有無も監視している。
一方、変速機5は変速機ECU16に接続されている。変速機ECU16は、変速機5に後述する変速制御の指令を行う。
車両ECU20は、図示しないメモリ、CPU、タイマカウンタなどから構成された制御回路であり、様々な制御量の演算を行うとともに、その制御量に基づき各種デバイスの制御を行っている。車両ECU20は、各種センサ・スイッチ類が接続され、車両1の各種情報を取得することができる。例えば、車両ECU20には、図示しない車速センサにより検出された車両速度等の信号や、モータ3に設けられた回転数センサ15(回転数検出手段)により検出され、インバータECUに読み込まれるモータ回転数Nの信号が送られる。なお、モータ3の状態についての情報は、インバータECU等から間接的に取得することに限られず、モータ3から直接取得することも可能である。
具体的には、図2に示すように、インバータ10の三相短絡を実行する場合、インバータ10の各相一対のスイッチング素子のうち一方のスイッチング素子12d〜12fからなる素子群を全てON状態とし、他方のスイッチング素子12a〜12cからなる素子群を全てOFF状態とする。あるいは、一方のスイッチング素子12d〜12fからなる素子群を全てOFF状態とし、他方のスイッチング素子12a〜12cからなる素子群を全てON状態とすることによりインバータ10の三相短絡を実行しても良い。
先ず、図3に示すインバータ10の三相短絡時におけるモータ3のドラッグトルク特性によれば、モータ回転数NがN2(例えば1000rpm)以上の高回転領域では、モータ回転数Nに拘わらず、ドラッグトルクTは比較的小さい略一定な値であるT2(例えば−50N・m程度)となる。すなわち、モータ回転数Nが所定回転数以上となる領域のドラッグトルク特性には、ドラッグトルクTが略一定となるフラット特性が出現する。
次に、図4は、変速機5による変速(シフトチェンジ)を行ったときの変速機5の入力軸回転数nの変化を時系列的に示した図である。
図4に実線で示すように、インバータ10が三相短絡していない通常時に、変速機5において、時間t1に入力軸回転数nがn1となる2速ギヤ等から1速ギヤ等になるようにシフトダウンの変速が開始されたと仮定する。この場合には、エンジン2やモータ3の駆動力により、入力軸回転数nが漸増して時間t2には1速ギヤの目標回転数ntに到達し、変速機5におけるギヤの同期が行われて所望の変速が終了する。
以下、図5に示すフローチャートを参照し、本実施形態の変速制御について詳しく説明する。
S3では、インバータECU14は、モータ3の回転数センサ15で検出されたモータ回転数Ncを読み込み(回転数検出ステップ)、このモータ回転数Ncが設定回転数Ns以上(Nc≧Ns)であるか否かを判定する。
S4では、車両ECU20は、変速機ECU18による変速制御を許可し、その後本制御ルーチンを終了(エンド)する。
S5では、車両ECU20は、変速機ECU18による変速制御を禁止し、再びS2を実行する(変速制御禁止ステップ)。なお、S5において禁止される変速制御には、シフトアップおよびシフトダウンの双方を含むことができる。
このような高回転数領域は、いわゆるエンデュランス・ブレーキ作動時やキックダウン時(アクセル踏み込み時)に使用する変速のアプリケーションとして車両1に実装済みであることが多い。したがって、この既存のアプリケーションやシステムを拡張することにより、本実施形態の変速制御を車両1に容易に実装することもできる。
以下、図6(a)を参照し、第1実施形態に係る駆動制御の変形例について詳しく説明する。
当該変形例に係る駆動制御においては、第1実施形態の図5に示す変速制御禁止ステップ(S3)の直前において、検出されたモータ回転数Ncが設定回転数Ns未満であった場合、モータ回転数Nを増加させる補正制御(回転数補正手段:S6)を行う。これにより、S5の変速制御禁止ステップへ移行する頻度を低減することができる。
S6では、先ず、モータ回転数NcがS3における設定回転数であるN1以上であり、ドラッグトルクが発生し始める回転数であるN2(図3に示す)未満か否かを判定する(S6−1)。
次に、第2実施形態に係る駆動制御を、図面を参照しながら説明する。図7は、第2実施形態に係る駆動制御の要部となる制御を説明するフローチャートである。既に説明した構成および制御ステップについては、同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
S7では、先ず、変速機5のシフトアップ制御における変速機5の入力軸の目標回転数ntを算出する(S7−1)。目標回転数ntは、例えば、検出されたモータ回転数Ncに基づいて算出することができる。
具体的には、S7−2において設定回転数Nsを図3に示すN2に設定し、図7に示す変速機5のシフトアップ禁止制御を実施する。
算出された変速機5の目標回転数ntがN2未満であった場合、変速制御においてシフトアップを禁止する(S7−3)。なお、この際、変速機5のシフトダウンは禁止されない。
本実施形態に係る駆動制御(S7)は、第1実施形態に係る駆動制御のS2の直後に実施しても良い。また、駆動制御S7は、第1実施形態に係るS3〜S5に置換して実施しても良い。
例えば、本実施形態では、図4に破線で示し、インバータ10の三相短絡時に変速機5によるシフトダウンが行えない場合について説明した。しかし、モータ3のドラッグトルク特性はモータ3の固有特性であり、図3の特性に限られない。したがって、インバータ10の三相短絡時に変速機5によるシフトダウンのみならずシフトアップも行えない場合も想定される。この場合であっても、本実施形態の変速制御を行うことにより、変速機5を確実に保護しながら、変速機5によるシフトタイミングを適切に制御し、シフトアップを行うことが可能である。
また、本実施形態の車両1はエンジン2及びモータ3を駆動源とするパラレル型ハイブリッドのトラックであるが、本発明はトラックに限らずハイブリッド車両全般に適用することができる。
2 エンジン
3 モータ(電動機)
4 クラッチ
5 変速機
10 インバータ
11 バッテリ
13 電力供給回路
15 回転数センサ(回転数検出手段)
20 車両ECU(異常検出手段、三相短絡手段、変速制御手段、変速制御禁止手段、回転数補正手段)
Claims (9)
- 車両の駆動源であるエンジンと、
クラッチを介して前記エンジンの出力側に連結され、前記車両の駆動源であり発電も可能な電動機と、
前記電動機の出力側に直接連結され、前記車両の変速を行う変速機と、
前記電動機を駆動するための電力を蓄電可能なバッテリと、
前記バッテリと前記電動機との間で前記電力の直流及び交流の変換を行うインバータと、
前記変速機を変速制御する変速制御手段と、
前記電動機、前記インバータ、及び前記バッテリを含む電力供給回路における異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段により異常を検出したとき、前記インバータを三相短絡状態とする三相短絡手段と、
前記電動機の回転数を検出する回転数検出手段と、
前記三相短絡手段により前記インバータが前記三相短絡状態とされた場合において、前記回転数検出手段により検出された前記電動機の回転数が前記設定回転数未満となるとき、前記変速機による変速を禁止する変速制御禁止手段と、
を備える駆動制御装置。 - 車両の駆動源であるエンジンと、
クラッチを介して前記エンジンの出力側に連結され、前記車両の駆動源であり発電も可能な電動機と、
前記電動機の出力側に直接連結され、前記車両の変速を行う変速機と、
前記電動機を駆動するための電力を蓄電可能なバッテリと、
前記バッテリと前記電動機との間で前記電力の直流及び交流の変換を行うインバータと、
前記変速機を変速制御する変速制御手段と、
前記電動機、前記インバータ、及び前記バッテリを含む電力供給回路における異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段により異常を検出したとき、前記インバータを三相短絡状態とする三相短絡手段と、
前記三相短絡手段により前記インバータが前記三相短絡状態とされた場合において、前記変速制御手段におけるシフトアップ変速制御の目標回転数が所定の設定回転数未満となるとき、前記変速制御手段によるシフトアップ変速制御を禁止する変速制御禁止手段と、
を備える駆動制御装置。 - 前記モータの回転数を増加させる回転数補正手段を備える、請求項1又は2に記載の駆動制御装置。
- 前記設定回転数は、前記電動機の回転数の漸減に伴い前記電動機に発生するドラッグトルクが漸増し始める回転数領域に設定される、請求項1に記載の駆動制御装置。
- 請求項1乃至4の何れか一項に記載の駆動制御装置を備えたハイブリッド車両。
- 車両の駆動源であるエンジンの出力側にクラッチを介して連結され、変速機の入力側に直接連結され、前記車両の駆動源であり発電も可能な電動機と、前記電動機を駆動するための電力を蓄電可能なバッテリと、前記バッテリと前記電動機との間で前記電力の直流及び交流の変換を行うインバータを含む電力供給回路における異常を検出する異常検出ステップと、
前記変速機の変速制御を行う変速制御ステップと、
前記異常検出ステップにより異常を検出したとき、前記インバータを三相短絡状態とする三相短絡ステップと、
前記電動機の回転数を検出する回転数検出ステップと、
前記三相短絡ステップにより前記インバータが前記三相短絡状態とされた場合において、前記回転数検出ステップにより検出された前記電動機の回転数が前記設定回転数未満となるとき、前記変速機による変速を禁止する変速制御禁止ステップと、
を備える駆動制御方法。 - 車両の駆動源であるエンジンの出力側にクラッチを介して連結され、変速機の入力側に直接連結され、前記車両の駆動源であり発電も可能な電動機と、前記電動機を駆動するための電力を蓄電可能なバッテリと、前記バッテリと前記電動機との間で前記電力の直流及び交流の変換を行うインバータを含む電力供給回路における異常を検出する異常検出ステップと、
前記変速機の変速制御を行う変速制御ステップと、
前記異常検出ステップにより異常を検出したとき、前記インバータを三相短絡状態とする三相短絡ステップと、
前記三相短絡ステップにより前記インバータが前記三相短絡状態とされた場合において、前記変速制御手段におけるシフトアップ変速制御の目標回転数が所定の設定回転数未満となるとき、前記変速制御手段によるシフトアップ変速制御を禁止する変速制御禁止ステップと、
を備える駆動制御方法。 - 前記モータの回転数を増加させる回転数補正ステップを備える、請求項6又は7に記載の駆動制御方法。
- 前記設定回転数は、前記電動機の回転数の漸減に伴い前記電動機に発生するドラッグトルクが漸増し始める回転数領域に設定される、請求項6乃至8の何れか一項に記載の駆動制御方法。
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