JP2018085878A - 電動車両の駆動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガタ詰めを行なうための消費電力を節約することができる電動車両の駆動制御装置を提供すること。
【解決手段】モータ4の駆動力を駆動軸10へ伝達する複数の歯車で構成される減速機5と、運転者が車両1の進行方向を指示するシフト操作によって選択されたシフト位置を検出するシフト位置センサ14と、シフト位置がDレンジまたはBレンジからNレンジまたはPレンジへ切り替わり、その後、NレンジまたはPレンジからDレンジまたはBレンジに切り替わったときと、シフト位置がRレンジからNレンジまたはPレンジへ切り替わり、その後、NレンジまたはPレンジからRレンジに切り替わったときに、ガタ詰めトルクの出力を禁止するECU6を備える。
【選択図】図1
【解決手段】モータ4の駆動力を駆動軸10へ伝達する複数の歯車で構成される減速機5と、運転者が車両1の進行方向を指示するシフト操作によって選択されたシフト位置を検出するシフト位置センサ14と、シフト位置がDレンジまたはBレンジからNレンジまたはPレンジへ切り替わり、その後、NレンジまたはPレンジからDレンジまたはBレンジに切り替わったときと、シフト位置がRレンジからNレンジまたはPレンジへ切り替わり、その後、NレンジまたはPレンジからRレンジに切り替わったときに、ガタ詰めトルクの出力を禁止するECU6を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、電動車両の駆動制御装置に関する。
電動車両は、運転者のシフト操作によって選択されたレンジに応じて電動機を駆動し、この電動機からの動力を駆動軸に伝達して走行を行なう。
電動機から駆動軸までの動力伝達系には多数のギアが設けられており、互いに噛み合う歯車には、いわゆるガタという隙間が存在する。
動力伝達系にガタが存在する状態で電動機から動力を出力すると、歯車同士が衝突することによる異音やショックが発生する。
特許文献1には、非走行レンジから走行レンジへのレンジ切り替えが行なわれた場合、電動モータからガタ詰めトルクを出力し、異音やショックが発生しないようにすることが開示されている。
しかしながら、このような電動車両の駆動制御装置にあっては、非走行レンジから走行レンジへのレンジ切り替えが行なわれた場合にガタ詰めを実施しているため、実際にはガタ詰めの必要のない場合にもガタ詰めが行われ、電動機のトルクが出力される可能性がある。
例えば、レンジが前進走行(D)レンジから停車(N)レンジに切り替えられ、その後再度前進走行レンジに切り替えられた場合、動力伝達系の歯車は、前進方向へガタ詰め実施状態(Dレンジ)、ガタ詰め実施されない状態(Nレンジ)、前進方向へガタ詰め実施状態(Dレンジ)と遷移する。
このとき、歯車の回転方向は一方向のみであるため、2回目のガタ詰めが実施されるときには、車両挙動に影響するような大きなガタは生じにくいと考えられる。このため、2回目のガタ詰めは、ほとんどガタが生じていないにも関わらず電動機を駆動するための電力が消費される。
そこで、本発明は、ガタ詰めを行なうための消費電力を節約することができる電動車両の駆動制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため本発明は、電動機の駆動力を駆動軸へ伝達する複数の歯車で構成される動力伝達系を備え、少なくとも前記電動機の駆動力によって走行する電動車両の駆動制御装置であって、運転者が車両の進行方向を指示するシフト操作によって選択されたシフト位置を検出し、前記車両が停車している状態から前記シフト位置が走行レンジに切り替えられると、前記電動機に当該走行レンジに対応する進行方向にガタ詰めトルクを出力させることによってガタ詰めを行なわせる制御部を備え、前記制御部は、前記車両が停車している状態から前記シフト位置が走行レンジに切り替えられたときに当該走行レンジに対応する進行方向に前記ガタ詰めが完了している場合、前記ガタ詰めトルクの出力を禁止するものである。
このように本発明によれば、ガタ詰めを行なうための消費電力を節約することができる。
本発明の一実施の形態に係る電動車両の駆動制御装置は、電動機の駆動力を駆動軸へ伝達する複数の歯車で構成される動力伝達系を備え、少なくとも電動機の駆動力によって走行する電動車両の駆動制御装置であって、運転者が車両の進行方向を指示するシフト操作によって選択されたシフト位置を検出し、車両が停車している状態からシフト位置が走行レンジに切り替えられると、電動機に当該走行レンジに対応する進行方向にガタ詰めトルクを出力させることによってガタ詰めを行なわせる制御部を備え、制御部は、車両が停車している状態からシフト位置が走行レンジに切り替えられたときに当該走行レンジに対応する進行方向にガタ詰めが完了している場合、ガタ詰めトルクの出力を禁止するよう構成されている。
これにより、ガタ詰めを行なうための消費電力を節約することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係る電動車両の駆動制御装置について詳細に説明する。
図1において、本発明の一実施例に係る電動車両の駆動制御装置を搭載した車両1は、バッテリ2と、インバータ3と、電動機としてのモータ4と、減速機5と、制御部としてのECU6(Electronic Control Unit)とを含んで構成される。
バッテリ2は、例えば、ニッケル蓄電池やリチウム蓄電池等からなり、複数のセルを直列に接続して構成されている。バッテリ2は、インバータ3を介してモータ4に電力を供給する。
インバータ3は、ECU6の制御により三相交流電力をモータ4に供給する。また、インバータ3は、モータ4が発電した三相交流電力を直流電力に変換してバッテリ2を充電する。インバータ3は、ECU6の送信するトルク要求に従ってモータ4に供給する電力を制御してモータ4にトルクを出力させる。
モータ4は、例えば、複数の永久磁石が埋め込まれたロータと、ステータコイルが巻きつけられたステータと、を備えた同期型モータで構成される。モータ4は、ステータコイルに三相交流電圧が印加されることでステータに回転磁界が形成され、この回転磁界によりロータが回転して駆動力を生成する。
また、モータ4は、発電時における回転抵抗を車両1の制動に利用するように駆動される。これにより、モータ4は、回生によって発電できる機能を有する。このように、モータ4は、発電機としても機能し、バッテリ2を充電するための電力を生成できるようになっている。
減速機5は、ディファレンシャルギアを含み、モータ4の出力する回転を複数のギアにより減速させて駆動軸10へ出力する。駆動軸10は、車両1の車輪に動力を伝達可能に接続されている。
ECU6は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
ECU6のROMには、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをECU6として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、ECU6として機能する。
ECU6の入力ポートには、モータ回転速度センサ11と、車速センサ12と、角速度センサ13と、シフト位置センサ14とを含む各種センサ類が接続されている。
モータ回転速度センサ11は、モータ4が出力する回転の回転速度を検出する。車速センサ12は、例えば、駆動軸10の回転速度から車速を検出する。車速センサ12は、車両1が前進方向に進んでいる場合は正の車速を出力し、車両1が後進方向に進んでいる場合は負の車速を出力する。
角速度センサ13は、車両1の進行方向の水平面に対する角度に対応したセンサ情報(電圧信号)を出力する。センサ情報は、センサ情報の電圧が基準値(水平面での値)より大きければ車両1の前方が上がっている状態、基準値より小さいと車両1の後方が上がっている状態を示し、車両1の前方が上がっている状態ではセンサ情報の電圧が大きいほど傾斜角は大きく、車両1の後方が上がっている状態ではセンサ情報の電圧が小さいほど傾斜角は大きくなる。
ECU6は、このセンサ情報に基づいて勾配値を算出する。勾配値は、例えば、水平方向に所定距離進んだときに垂直方向に上がる距離などで示され、勾配値が正の値であれば車両1の進行方向に向かって登り坂、勾配値が負の値であれば車両1の進行方向に向かって下り坂を示す。勾配値は、その絶対値が大きいほど傾斜角は大きくなる。
シフト位置センサ14は、運転者によるシフトレバーの操作により選択されたシフト位置を検出する。シフト位置は、例えば、前進走行レンジ(Dレンジ)、モータ速度制限レンジ(Bレンジ)、後進走行レンジ(Rレンジ)、停車レンジ(Nレンジ)、駐車レンジ(Pレンジ)のいずれかが選択される。ここで、Dレンジ、Bレンジ、Rレンジを走行レンジとする。
一方、ECU6の出力ポートには、インバータ3を含む各種制御対象類が接続されている。
本実施例において、ECU6は、減速機5を含む動力伝達系で生じるガタをモータ4からトルクを出力させて詰めるガタ詰めを行なう。
このため、ECU6は、図2に示すように、目標ガタ詰め方向判定部61、ガタ詰め完了判定部62、ガタ詰めトルク出力判定部63、モータトルク算出部64を備えている。
ECU6は、目標ガタ詰め方向、ガタ詰め完了フラグ、ガタ詰め方向を記憶し、これらの情報に基づいて、ガタ詰めを行なうか否かを判定する。
目標ガタ詰め方向は、ガタ詰めの必要な方向を示すもので、例えば、前進方向にガタ詰めが必要な場合は1が設定され、後進方向にガタ詰めが必要な場合は2が設定され、ガタ詰めの必要が無い場合はゼロが設定される。
ガタ詰め完了フラグは、ガタ詰めが完了しているか否かを示すもので、例えば、値がゼロのときはガタ詰めが未完了な状態を示し、値が1のときはガタ詰めが完了している状態を示す。
ガタ詰め方向は、現在のガタ詰めされている方向を示すもので、例えば、前進方向にガタ詰めが完了している場合は1が設定され、後進方向にガタ詰めが完了している場合は2が設定され、ガタ詰めされていない場合はゼロが設定される。
なお、ECU6の動作開始時には、目標ガタ詰め方向はガタ詰めの必要なし、ガタ詰め完了フラグはガタ詰め未完了、ガタ詰め方向はガタ詰めされていない、という状態に初期設定される。
目標ガタ詰め方向判定部61は、シフト位置センサ14の検出するシフト位置に基づいて目標ガタ詰め方向を設定する。
目標ガタ詰め方向判定部61は、シフト位置がDレンジまたはBレンジの場合、目標ガタ詰め方向に1を設定する。
目標ガタ詰め方向判定部61は、シフト位置がRレンジの場合、目標ガタ詰め方向に2を設定する。
目標ガタ詰め方向判定部61は、シフト位置がPレンジまたはNレンジの場合、ガタ詰め完了フラグがガタ詰めの完了を示していれば、目標ガタ詰め方向をそのままの値とする。
目標ガタ詰め方向判定部61は、シフト位置がPレンジまたはNレンジの場合でガタ詰め完了フラグがガタ詰めの未完了を示していれば、目標ガタ詰め方向にゼロを設定する。
ガタ詰め完了判定部62は、各種入力に基づきガタ詰めが完了しているか否かを判定し、ガタ詰め完了フラグを設定する。
ガタ詰め完了判定部62は、例えば、以下の条件の何れかが成立した時にガタ詰めが完了したと判定し、ガタ詰め完了フラグに1(ガタ詰めが完了したことを示す値)を設定する。
1a)モータ4の回転速度が目標ガタ詰め方向と同じ方向に所定値以上となった。
1b)車速が所定値未満である、かつモータトルクが所定値より大きい状態が一定時間続いた。
1a)モータ4の回転速度が目標ガタ詰め方向と同じ方向に所定値以上となった。
1b)車速が所定値未満である、かつモータトルクが所定値より大きい状態が一定時間続いた。
上記1a)の条件は、車両1自身の駆動力ではなく、外部から車両が押された場合等の外力が加わることによる車両1の移動を想定している。
上記1b)の条件の車速の所定値は、車両1が停止していると判定できる値が設定される。上記1b)の条件のモータトルクは、後述するモータトルク算出部64がインバータ3に出力するモータ4のトルク要求を参照する。
ガタ詰め完了判定部62は、ガタ詰めが完了したと判定した場合、ガタ詰めを実施した方向を現在のガタ詰め方向として設定する。
ガタ詰め完了判定部62は、例えば、以下の条件の何れかが成立したときガタ詰めが解除されガタ詰めが未完了になったと判定し、ガタ詰め完了フラグにゼロ(ガタ詰めが未完了であることを示す値)を設定する。
2a)目標ガタ詰め方向が現在のガタ詰め方向と異なる。
2b)シフト位置がPレンジまたはNレンジであり、かつ勾配値の絶対値が所定値以上である。
2a)目標ガタ詰め方向が現在のガタ詰め方向と異なる。
2b)シフト位置がPレンジまたはNレンジであり、かつ勾配値の絶対値が所定値以上である。
ガタ詰め完了判定部62は、ガタ詰めが未完了であると判定した場合、シフト位置がPレンジまたはNレンジであれば、ガタ詰め方向にゼロを設定する。
ガタ詰めトルク出力判定部63は、ガタ詰めのトルクをモータ4に出力させるか否かを判定する。
ガタ詰めトルク出力判定部63は、例えば、以下の条件の全てが成立した場合、ガタ詰めを実施するためのトルクをモータ4に出力させる。
3a)シフト位置がDレンジ、Bレンジ、Rレンジの何れかであること。
3b)ガタ詰め完了フラグが未完了を示していること。
3c)車両1の車速が所定値未満(車両1が停止していることを示す値)であること。
3a)シフト位置がDレンジ、Bレンジ、Rレンジの何れかであること。
3b)ガタ詰め完了フラグが未完了を示していること。
3c)車両1の車速が所定値未満(車両1が停止していることを示す値)であること。
ガタ詰めトルク出力判定部63は、ガタ詰めのトルクをモータ4に出力させると判定した場合、例えば、マップ等によりモータ4に出力させるトルクや、トルクを出力させる時間などを読み出し、読み出した値に従ってインバータ3にトルク要求を送信してモータ4にトルクを出力させる。
以上のように構成された本実施例に係る電動車両の駆動制御装置によるガタ詰め制御処理について、図3を参照して説明する。なお、以下に説明するガタ詰め制御処理は、ECU6が動作を開始すると開始され、予め設定された時間間隔で実行される。
ステップS1において、ECU6は、例えば、車速センサ12や、角速度センサ13、シフト位置センサ14などの各種センサ類からの入力を取得する。ステップS2において、ECU6は、シフト位置センサ14が検出したシフト位置から上述の方法で目標ガタ詰め方向を設定する。
ステップS3において、ECU6は、上述の2a)から2b)の何れかが成立しているか否かでガタ詰めの未完了条件が成立したか否かを判定する。ガタ詰めの未完了条件が成立したと判定した場合、ステップS4において、ECU6は、ガタ詰め完了フラグに未完了を設定して、ステップS7に処理を進める。この場合、車両1は、坂道などでシフト位置がPレンジまたはNレンジに変更されてガタ詰めが解除されガタ詰めが未完了な状態か、ガタ詰めが完了している方向とは逆方向の走行レンジにシフト位置が変更されてガタ詰めが未完了な状態であると推測される。
ガタ詰めの未完了条件が成立していないと判定した場合、ステップS5において、ECU6は、上述の1a)または1b)の何れかが成立しているか否かでガタ詰めの完了条件が成立したか否かを判定する。ガタ詰めの完了条件が成立したと判定した場合、ステップS6において、ECU6は、ガタ詰めが完了した状態になったと判定し、ガタ詰め完了フラグに完了を設定して、ステップS7に処理を進める。ガタ詰めの完了条件が成立していないと判定した場合、ECU6は、ステップS7に処理を進める。
ステップS7において、ECU6は、上述の3a)から3c)の全てが成立しているか否かでガタ詰めトルクの出力条件が成立したか否かを判定する。ガタ詰めトルクの出力条件が成立していないと判定した場合、ECU6は、処理を終了する。この場合、車両1は、シフト位置が変更された方向にガタ詰めが完了している状態か、シフト位置が走行レンジではない状態か、車両1が停車していない状態か、の何れかの状態であり、ガタ詰めを行なう必要がないと推測される状態である。
ガタ詰めトルクの出力条件が成立していると判定した場合、ステップS8において、ECU6は、モータ4に出力させるトルクや、トルクを出力させる時間などを求め、モータ4にガタ詰めトルクを出力させる。
このようなガタ詰め制御処理による動作について図4及び図5を参照して説明する。図4は、車両1の始動時からのフラグ等の変化を示すタイムチャートである。
図4に示すように、シフト位置がPレンジの状態からタイミングt1においてシフト位置がDレンジに変更されると、目標ガタ詰め方向に1(前進方向)が設定され、ガタ詰め完了フラグがゼロ(未完了)であるので、車両1の車速が所定値未満であればガタ詰めトルクが目標ガタ詰め方向である前進方向に出力される。
タイミングt2において、ガタ詰めが完了したと判定されると、ガタ詰め完了フラグに1(完了)が設定され、ガタ詰め方向に1(前進方向)が設定される。
その後、タイミングt3において、シフト位置がRレンジに変更されると、目標ガタ詰め方向に2(後進方向)が設定され、目標ガタ詰め方向とガタ詰め方向が異なるためガタ詰め完了フラグにゼロが設定される。このため、車両1の車速が所定値未満であればガタ詰めトルクが目標ガタ詰め方向である後進方向に出力される。
タイミングt4において、ガタ詰めが完了したと判定されると、ガタ詰め完了フラグに1が設定され、ガタ詰め方向に2(後進方向)が設定される。
その後、タイミングt5において、シフト位置がDレンジに変更されると、目標ガタ詰め方向に1が設定され、目標ガタ詰め方向とガタ詰め方向が異なるためガタ詰め完了フラグにゼロが設定される。このため、車両1の車速が所定値未満であればガタ詰めトルクが目標ガタ詰め方向である前進方向に出力される。
タイミングt6において、ガタ詰めが完了したと判定されると、ガタ詰め完了フラグに1が設定され、ガタ詰め方向に1が設定される。
その後、タイミングt7において、シフト位置がPレンジに変更されると、目標ガタ詰め方向は現在の値を維持され、目標ガタ詰め方向とガタ詰め方向が同じであるため、ガタ詰め完了フラグもそのままの値となる。
その後、タイミングt8において、シフト位置がDレンジに変更されても、目標ガタ詰め方向は現在の値のままで、目標ガタ詰め方向とガタ詰め方向が同じであるため、ガタ詰め完了フラグもそのままの値となり、ガタ詰めトルクは出力されない。
このように、車両1が停車している状態からシフト位置が走行レンジに切り替えられると、その走行レンジに対応して目標ガタ詰め方向が設定され、目標ガタ詰め方向とガタ詰め方向が一致していて、かつガタ詰め完了フラグが完了を示していると、ガタ詰めトルクの出力は行われない。
図5は、平坦な場所と傾斜のある場所でのフラグ等の変化の違いを示すタイムチャートである。
図5に示すように、Dレンジでガタ詰め完了状態から、タイミングt11でシフト位置がPレンジに変更されると、目標ガタ詰め方向は現在の値のままで、目標ガタ詰め方向とガタ詰め方向が同じであり、かつ勾配値の絶対値は所定値未満であるため、ガタ詰め完了フラグもそのままの値となり、ガタ詰めトルクは出力されない。
その後、タイミングt12において、シフト位置がDレンジに変更されても、目標ガタ詰め方向は現在の値のままで、目標ガタ詰め方向とガタ詰め方向が同じであり、かつ勾配値の絶対値は所定値未満であるため、ガタ詰め完了フラグもそのままの値となり、ガタ詰めトルクは出力されない。
その後、タイミングt13において、シフト位置がPレンジに変更されると、勾配値の絶対値が所定値以上となっているためガタ詰め完了フラグが未完了になり、目標ガタ詰め方向とガタ詰め方向もゼロにリセットされる。
その後、タイミングt14において、シフト位置がDレンジに変更されると、目標ガタ詰め方向に1が設定され、目標ガタ詰め方向とガタ詰め方向が異なっているため、ガタ詰め完了フラグはゼロが維持され、車両1の車速が所定値未満であればガタ詰めトルクが目標ガタ詰め方向である前進方向に出力される。
タイミングt15において、ガタ詰めが完了したと判定されると、ガタ詰め完了フラグに1が設定され、ガタ詰め方向に1が設定される。
このように、シフト位置がPレンジまたはNレンジで勾配値の絶対値が所定値以上の場合、ガタ詰め完了フラグを未完了にしているので、坂道で車両1に力がかかり、かつ運転者がブレーキを離した場合などのガタ詰めが解除されてしまう場合には、DレンジからPレンジに変更後Dレンジに変更されてもガタ詰めトルクが出力される。
このように、上述の実施例では、車両1が停車している状態からシフト位置が走行レンジに切り替えられたとき、その走行レンジに対応する進行方向にガタ詰めが完了していると、ガタ詰めトルクの出力を禁止するECU6を備える。
これにより、ガタ詰めが完了している状態で、さらにガタ詰めを行なうことを防ぐことができ、ガタ詰めを行なうための消費電力を節約することができる。
また、ECU6は、シフト位置がDレンジまたはBレンジからNレンジまたはPレンジへ切り替わり、その後、NレンジまたはPレンジからDレンジまたはBレンジに切り替わると、ガタ詰めトルクの出力を禁止する。
これにより、前進方向にガタ詰めが完了している状態で、さらに前進方向にガタ詰めを行なうことを防ぐことができ、ガタ詰めを行なうための消費電力を節約することができる。
また、ECU6は、シフト位置がRレンジからNレンジまたはPレンジへ切り替わり、その後、NレンジまたはPレンジからRレンジに切り替わると、ガタ詰めトルクの出力を禁止する。
これにより、後進方向にガタ詰めが完了している状態で、さらに後進方向にガタ詰めを行なうことを防ぐことができ、ガタ詰めを行なうための消費電力を節約することができる。
また、ECU6は、シフト位置がDレンジまたはBレンジからNレンジまたはPレンジへ切り替わったときに、車両1の傾きが所定量以上であることを検出した場合、その後、NレンジまたはPレンジからDレンジまたはBレンジに切り替わると、前記ガタ詰めトルクの出力を許可する。
これにより、坂道などで車両1の傾きが所定量以上になって前進方向のガタ詰めが解除されてしまった場合には、前進方向にガタ詰めを行なって、異音やショックが発生しないようにすることができる。
これにより、坂道などで車両1の傾きが所定量以上になって前進方向のガタ詰めが解除されてしまった場合には、前進方向にガタ詰めを行なって、異音やショックが発生しないようにすることができる。
また、ECU6は、シフト位置がRレンジからNレンジまたはPレンジへ切り替わったときに、車両1の傾きが所定量以上であることを検出した場合、その後、NレンジまたはPレンジからRレンジに切り替わると、前記ガタ詰めトルクの出力を許可する
これにより、坂道などで車両1の傾きが所定量以上になって後進方向のガタ詰めが解除されてしまった場合には、後進方向にガタ詰めを行なって、異音やショックが発生しないようにすることができる。
これにより、坂道などで車両1の傾きが所定量以上になって後進方向のガタ詰めが解除されてしまった場合には、後進方向にガタ詰めを行なって、異音やショックが発生しないようにすることができる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 車両
4 モータ(電動機)
5 減速機(動力伝達系)
6 ECU(制御部)
10 駆動軸
13 角速度センサ
14 シフト位置センサ
61 目標ガタ詰め方向判定部
62 ガタ詰め完了判定部
63 ガタ詰めトルク出力判定部
64 モータトルク算出部
4 モータ(電動機)
5 減速機(動力伝達系)
6 ECU(制御部)
10 駆動軸
13 角速度センサ
14 シフト位置センサ
61 目標ガタ詰め方向判定部
62 ガタ詰め完了判定部
63 ガタ詰めトルク出力判定部
64 モータトルク算出部
Claims (5)
- 電動機の駆動力を駆動軸へ伝達する複数の歯車で構成される動力伝達系を備え、少なくとも前記電動機の駆動力によって走行する電動車両の駆動制御装置であって、
運転者が車両の進行方向を指示するシフト操作によって選択されたシフト位置を検出し、前記車両が停車している状態から前記シフト位置が走行レンジに切り替えられると、前記電動機に当該走行レンジに対応する進行方向にガタ詰めトルクを出力させることによってガタ詰めを行なわせる制御部を備え、
前記制御部は、前記車両が停車している状態から前記シフト位置が走行レンジに切り替えられたときに当該走行レンジに対応する進行方向に前記ガタ詰めが完了している場合、前記ガタ詰めトルクの出力を禁止する電動車両の駆動制御装置。 - 前記制御部は、前記シフト位置が前進走行レンジから停車レンジまたは駐車レンジへ切り替わり、その後、前記停車レンジまたは駐車レンジから前記前進走行レンジに切り替わると、前記ガタ詰めトルクの出力を禁止する請求項1に記載の電動車両の駆動制御装置。
- 前記制御部は、前記シフト位置が後進走行レンジから停車レンジまたは駐車レンジへ切り替わり、その後、前記停車レンジまたは駐車レンジから前記後進走行レンジに切り替わると、前記ガタ詰めトルクの出力を禁止する請求項1または請求項2に記載の電動車両の駆動制御装置。
- 前記制御部は、前記車両の傾きが所定量以上である場合に前記シフト位置が前進走行レンジから停車レンジまたは駐車レンジへ切り替わり、その後、前記停車レンジまたは駐車レンジから前記前進走行レンジに切り替わると、前記ガタ詰めトルクの出力を許可する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電動車両の駆動制御装置。
- 前記制御部は、前記車両の傾きが所定量以上である場合に前記シフト位置が後進走行レンジから停車レンジまたは駐車レンジへ切り替わり、その後、前記停車レンジまたは駐車レンジから前記後進走行レンジに切り替わると、前記ガタ詰めトルクの出力を許可する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電動車両の駆動制御装置。
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