JP2013117616A - 光走査装置、及び画像形成装置 - Google Patents

光走査装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザビームの光軸の傾きの補正に関して、手動操作により光軸を調整することと、手動操作無しで光軸を調整する。
【解決手段】露光ユニット1には、第2fθレンズ37を変位させてレーザビームの光軸を調整する調整装置40が設けられている。調整装置40は、手動操作により光軸を調整する手動光軸調整と、調整装置40(駆動部57)の駆動により光軸を調整する自動光軸調整と、を切り替え自在とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、光走査装置、および光走査装置を備えた画像形成装置に関する。
電子機器である画像処理装置として、記録用紙に画像を形成する画像形成装置(例えば、複合機(MFP)や、プリンター、ファクシミリ等)がある。画像形成装置は、コピーモード、ファクシミリモード、プリンタモード、およびスキャナモード等のように、複数の基本的な動作モードを備える。
このような画像形成装置では、画像情報に基づいた所望の画像を得るために、感光体を帯電装置で帯電した後、画像情報に応じて、光走査装置によって感光体ドラム上をレーザビームで走査して、感光体ドラム表面に静電潜像を形成する。ここでいう光走査装置には、その筐体内に、レーザビームを出射する発光源からの光を感光体に収束させるための結像レンズ等の各種レンズと、レーザビームを所定の経路に導く各種ミラーとが設けられ、結像レンズとして、主走査方向に長軸を有する長尺レンズが用いられている。長尺レンズは、その長軸(長手)方向と感光体ドラムの軸方向とが平行になるように筐体内において位置決めされている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の画像形成装置では、長尺レンズを含む光走査装置を画像形成装置に組み込む際に、光走査装置の長尺レンズを手動で回転移動させて光軸(走査線)の傾き(ズレ)を補正することができる。この走査線の傾きは、外力などによってズレることがあるが、走査線の傾きの補正は、光走査装置を画像形成装置から取り出し、取り出した光走査装置の長尺レンズを手動で回転移動させて行う。その結果、走査線が傾くことによって画像自体が傾いたり、画像がズレるといった画質劣化を防止することができる。
特開2010−8761号公報 特開2008−139352号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、光走査装置を画像形成装置に組み込んだ後の光軸の傾きの補正を手動で行うので、光走査装置を画像形成装置から取り出す必要がある。そのため、特許文献1の技術では、光軸の傾きの補正に手間がかかる。
この特許文献1の技術による課題を解決したものに、特許文献2の技術がある。特許文献2の技術は、モータを駆動源として、モータの平歯車とウオームギヤによりカムを回転させてレンズの傾きを調整するものである。この特許文献2の技術によれば、外部からの操作無し(自動)で光軸の調整を行うことができ、また、光軸の傾きの補正を行う場合であっても光走査装置を画像形成装置から取り出す必要がない。
しかしながら、この特許文献2の技術では、特許文献1の技術と異なり、光軸の傾きの補正を外部からの操作(手動)で行うことができず、光軸の傾きの補正の自由度が高いとはいえない。
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、レーザビームの光軸の傾きの補正に関して、手動操作(外部からの操作)により光軸を調整することと、手動操作無し(外部からの操作無し)で光軸を調整することとができ、光軸の傾きの補正の自由度が高い光走査装置、および画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明にかかる光走査装置は、光学部材を介して被走査体にレーザビームを照射する光走査装置において、前記光学部材を変位させてレーザビームの光軸を調整する調整装置が設けられ、前記調整装置は、手動操作により光軸を調整する手動光軸調整と、前記調整装置の駆動により光軸を調整する自動光軸調整と、を切り替え自在とすることを特徴とする。
本発明によれば、前記調整装置が、前記手動光軸調整と前記自動光軸調整とを切り替え自在とし、前記調整装置により、前記レンズを変位させて前記レンズから出射するレーザビームの光軸の傾きを調整するので、レーザビームの光軸の傾きの補正に関して、手動操作(外部からの操作)で光軸を調整することと、手動操作無し(外部からの操作無し)で光軸を調整することとが可能となり、光軸調整の自由度が高い光走査装置を実現できる。
前記構成において、前記手動光軸調整と前記自動光軸調整とのいずれの光軸調整でも用いる共用光軸調整部が設けられてもよい。
この場合、前記手動光軸調整と前記自動光軸調整とのいずれの光軸調整でも用いる共用光軸調整部が設けられるので、前記手動光軸調整用の調整部と前記自動光軸調整用の調整部とを各々設ける必要がなく、光軸調整用の機構が複雑にならずにコンパクト化が図れる。
前記構成において、調整装置には、前記光学部材に近づく第1方向、および前記光学部材から離れる第2方向の双方向それぞれに、回動しながら移動する軸部と、前記軸部を支え、かつ、前記軸部の回動に伴って前記軸部を移動させる軸支持部と、前記軸部を回動させる回動部と、前記回動部を回動させる駆動部と、手動操作により光軸調整を行う手動調整部と、が設けられ、前記共用光軸調整部は、前記回動部に設けられ、前記自動光軸調整時、前記駆動部により前記共用光軸調整部を介して前記軸部を回動させ、前記手動光軸調整時、前記手動調整部により前記共用光軸調整部を介して前記軸部を回動させてもよい。
この場合、前記自動光軸調整時、前記駆動部により前記共用光軸調整部を介して前記軸部を回動させて、手動操作無しで前記自動光軸調整を行うことが可能となり、前記手動光軸調整時、前記手動調整部により前記共用光軸調整部を介して前記軸部を回動させて、手動操作により前記手動光軸調整を行うことが可能となる。
前記構成において、前記手動調整部には、手動操作で回動自在な手動軸部と、手動軸部の回動に同期する手動ギアとから構成され、前記手動軸部は、当該光走査装置の筺体の外部から内部に挿通し、前記手動軸部の先端部が前記筺体の内部に配され、前記手動軸部の基端部が前記筺体の外部に配され、前記手動軸部を、前記基端部から前記先端部に向けて押すことで、前記手動ギアが前記回動部に嵌合してもよい。
この場合、当該光走査装置の筺体の外部に前記手動軸部の基端部が配されているので、前記基端部を使用者が押すこと(手動操作)で、前記手動光軸調整を行うことが可能となる。また、前記基端部を使用者が押さない手動操作無しの場合、前記自動光軸調整を行うことが可能となる。
また、本構成によれば、前記手動ギアが前記回動部と常に嵌合することはなく、必要な時に嵌合させることが可能となる。その結果、前記自動光軸調整を行う際に、前記手動ギアと前記回動部との嵌合を考慮せずに前記軸部の回動に必要なトルクのみによって前記駆動部を駆動させて前記自動光軸調整を行うことが可能となる。
前記構成において、当該光走査装置の筺体の外部に配された前記手動調整部の前記端部には、手動付勢部材が設けられ、前記手動付勢部材により、前記手動軸部が前記先端部から前記基端部に向かう方向に付勢されてもよい。
この場合、前記手動付勢部材により、前記手動軸部が前記先端部から前記基端部に向かう方向に付勢されるので、前記手動光軸調整が必要ない時、前記手動ギアと前記回動部との嵌合を防ぎ、前記手動光軸調整時のみ、前記手動ギアと前記回動部との嵌合を行うことが可能となる。
前記構成において、前記軸部に、ねじの溝が形成されたねじ部が設けられ、軸支持部に、前記軸部のねじ部に回動自在に嵌合するねじ部が設けられてもよい。
この場合、前記軸部に前記ねじ部が設けられ、前記軸支持部に前記ねじ部が設けられ、前記軸部のねじ部と前記軸支持部のねじ部とが前記回動減衰部となるので、前記軸部のねじ部と、軸支持部のねじ部との嵌合により、外力によって前記軸部にかかる回動力を減衰させ、かつ、前記駆動部により回動部を介して前記軸部を回動させて前記光学部材を変位させることが可能となる。つまり、不必要な軸部の回動を防止して、必要な軸部の回動のみを行うことが可能となる。その結果、前記軸部の必要な回動量のみに応じて前記光学部材の変位量を調整することが可能となる。
前記構成において、前記調整装置には、前記光学部材を予め設定した方向に付勢する付勢部が設けられ、前記付勢部の付勢により前記光学部材と前記軸部とが対抗してもよい。
この場合、前記付勢部による付勢により前記レンズと前記軸部とが対抗するので、前記レーザビームの光軸の傾きの補正が不必要な時には前記レンズを変位させないようにすることが可能となる。
前記構成において、前記回動部には、前記軸部を回動軸とし、前記軸部に係合して前記軸部を回動させる第1回動部と、前記第1回動部の回動軸と交差する軸を回動軸とし、前記第1回動部を回動させる第2回動部と、が設けられ、前記駆動部は、第2回動部を回動させてもよい。
この場合、前記第1回動部の回転軸(前記軸部)の軸方向と、前記第2回動部の回動軸の軸方向とが直交した状態となっている。前記第1回動部(特に前記軸部)にかかる外力は、前記軸部の軸方向には伝わり易いが、それ以外の方向(望ましくは前記軸部の軸方向に直交する方向)には伝わり難い。そのため、前記第1回動部にかかる外力が、前記第2回動部に伝わるのを減衰させることが可能となり、その結果、前記第1回動部から前記第2回動部を介して前記駆動部に外力がかかるのを抑える(防止する)ことが可能となる。また、前記駆動部の駆動により前記第2回動部を回動させ、前記第2回動部の回動により前記第1回動部を回動させるので、前記駆動部が前記軸部に直接連結されない。そのため、前記第1回動部にかかる外力が前記駆動部に伝わるのを抑制することが可能となる。
また、本構成によれば、光軸を自動調整する時にのみ前記駆動部を駆動させる形態とすることが可能となるので、前記駆動部を励磁しない時間を増やすことが可能となり、前記光学部材の光軸を自動調整する時以外(例えば、前記手動光軸調整時や、待機中など)における励磁による前記駆動部の発熱を防止することが可能となる。
前記構成において、前記駆動部の励磁が切り替えられ、少なくとも、前記光学部材を変位させてレーザビームの光軸を調整する状態以外では前記駆動部は励磁しなくてもよい。
この場合、前記光学部材の光軸を自動調整する時のみ、前記駆動部の励磁を行うことが可能となり、前記光学部材の光軸を自動調整する時以外(例えば、前記手動光軸調整時や、待機中など)における励磁による前記駆動部の発熱を防止することが可能となる。
前記構成において、前記駆動部は、当該光走査装置の筺体の外部に設けられてもよい。
この場合、前記駆動部から発生する熱が当該光走査装置の筺体の内部に充満するのを抑制することが可能となる。
上記の目的を達成するため、本発明にかかる画像形成装置は、本発明にかかる光走査装置が設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、本発明にかかる光走査装置が設けられるので、前記手動光軸調整と前記自動光軸調整とを切り替え自在であり、その結果、レーザビームの光軸の傾きの補正に関して、手動操作(外部からの操作)で光軸を調整することと、手動操作無し(外部からの操作無し)で光軸を調整することとが可能となり、光軸調整の自由度が高い光走査装置を実現できる。また、本発明によれば、当該画像形成装置から前記光走査装置を取り出さずに光軸の傾きの補正(前記手動光軸調整や前記自動光軸調整)を容易に行うことが可能となる。
本発明にかかる光走査装置、および画像形成装置よれば、レーザビームの光軸の傾きの補正に関して、手動操作により光軸を調整することと、手動操作無しで光軸を調整することとができる。
図1は、本実施の形態にかかる画像形成装置の全体構成を示す概略構成図であり、正面より視た概略断面図である。 図2は、図1に示す露光ユニットを上面から見た、筐体内部の要部を概略的に示す図である。 図3は、第2fθレンズの配置を示した露光ユニットの概略斜視図である。 図4は、第2fθレンズと調整装置との関係を示した露光ユニットの要部拡大斜視図である。 図5は、図4に対応する調整装置を平面から見た、調整装置の概略構成を示し、自動光軸調整時の調整装置の模式図である。 図6は、図4に対応する調整装置を平面から見た、調整装置の概略構成を示し、手動光軸調整時の調整装置の模式図である。 図7は、他の実施の形態にかかる、第2fθレンズと調整装置との関係を示した露光ユニットの要部拡大斜視図である。 図8は、図5に対応した、他の実施の形態にかかる調整装置を平面から見た、調整装置の概略構成を示した模式図である。 図9は、図4に対応した、他の実施の形態にかかる、第2fθレンズと調整装置との関係を示した露光ユニットの要部拡大斜視図である。 図10は、図4に対応した、他の実施の形態にかかる、第2fθレンズと調整装置との関係を示した露光ユニットの要部拡大斜視図である。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して説明する。
<画像形成装置の全体構成>
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を示す概略正面図であり、正面より視た概略断面図である。
図1に示す画像形成装置1は、画像形成を行う画像データに応じ、記録用紙等のシート(以下、記録用紙という)に対して、少なくとも1色以上(複数色または単色)からなる画像を形成するカラー画像形成装置である。
画像形成装置1は、電子写真方式により記録用紙に画像を形成するものであり、動作モードとして、コピーモード、ファクシミリモード、ドキュメントファイリングモード(スキャンした画像を画像形成装置1内部に記憶するモード)、メールモード(スキャンした画像を電子メールに添付する形式で送信するモード)、ネットワークプリンタモードなどを備える。なお、画像形成装置1の動作モードは、これらに限定されるものではなく、任意に設定可能である。
画像形成装置1では、その装置本体11に、原稿等のシート(以下、原稿という)を読み取るための原稿読取装置12と、原稿の画像を形成する画像形成部13と、用紙を搬送する用紙搬送系14とが設けられている。
画像形成部13は、露光ユニット2、複数の現像ユニット3、複数のトナーカートリッジユニット5、中間転写ベルトユニット6、及び定着ユニット7などを備えている。この画像形成装置1において扱われる画像データでは、複数色(ここではブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色)を用いている。そのため、現像ユニット3やトナーカートリッジユニット5などは、各色に応じた複数種類(ここでは4種類)の画像を形成するようにそれぞれ複数個(ここでは4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)設けられ、これらによって各色毎(ここでは4つ)に画像ステーションが構成されている。
露光ユニット2は、レーザ出射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成された光走査装置であり、各種光学部品(下記参照)を介して感光体ドラム4(本発明でいう被走査体)にレーザビームを照射し光走査する。
現像ユニット3は、それぞれの感光体ドラム4上に形成された静電潜像を4色(Y、M、C、K)のトナーにより顕像化するものである。
中間転写ベルトユニット6は、中間転写体として作用する中間転写ベルト61、駆動ローラ62、従動ローラ63、複数の中間転写ローラ64及びクリーニングユニット65を備えている。感光体ドラム4から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム4に接触するように設けられている。中間転写ベルト61は、感光体ドラム4に形成された各色のトナー像を順次重ねて転写することによって、表面にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。駆動ローラ62は、従動ローラ63及び中間転写ローラ64と共に中間転写ベルト61を張架し、回動駆動することで、中間転写ベルト61が移動方向(図1中矢印M方向)に周回移動し、それに伴い従動ローラ63及び中間転写ローラ64が従動回動する。中間転写ローラ64は、Y、M、C、Kの各色に対応して4本設けられている。クリーニングユニット65は、中間転写ベルト61に残存したトナー像を除去するためのものである。
トナーカートリッジユニット5は、トナーを収容するユニットであり、トナーカートリッジユニット5から現像ユニット3の現像槽へトナーを供給する。
定着ユニット7は、未定着トナー像を記録用紙に定着するものであり、定着ローラとして作用するヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えている。ヒートローラ71が回動駆動し、この回動駆動に加圧ローラ72が従動する。ヒートローラ71は、加圧ローラ72と共に記録用紙を挟持しつつ記録用紙を搬送するようになっている。
既述のとおり、各感光体ドラム4上で各色毎に応じて顕像化されたトナー像は、中間転写ベルト61上で積層される。中間転写ベルト61上で積層されたトナー像は、中間転写ベルト61の周回移動によって、記録用紙と中間転写ベルト61との接触位置に配置された二次転写機構部を構成する転写ローラ8によって記録用紙上に転写される。
用紙搬送系14は、給紙トレイ91、手差し給紙トレイ92、及び排紙トレイ93を備えている。
給紙トレイ91は、画像形成(印刷)される記録用紙を予め収容しておくトレイであり、装置本体11における露光ユニット2の下方に設けられている。
手差し給紙トレイ92には、画像形成(印刷)される記録用紙を載置する。
排紙トレイ93は、装置本体11における画像形成部13の上方に設けられており、画像形成(印刷)済みの記録用紙をフェイスダウンで集積する。
この装置本体11には、給紙トレイ91及び手差し給紙トレイ92から送られてきた記録用紙を転写ローラ8及び定着ユニット7を経て、排紙トレイ93に送るための用紙搬送路21が設けられている。この用紙搬送路21には、記録用紙の両面(表面および裏面)への印刷を行うための反転搬送路22が含まれる。
このように構成された画像形成装置1において、記録用紙にして片面印刷が要求されたときには、給紙トレイ91および手差し給紙トレイ92から供給された記録用紙は、用紙搬送路21に沿って搬送され、駆動ローラ62および転写ローラによって記録用紙上にトナー像が転写される。その後、記録用紙は定着ユニット7を通過することによって記録用紙上の未定着トナーが熱で溶融固着され、定着ユニット7において未定着トナーが固着された記録用紙は、排紙トレイ93上に排出される。
また、記録用紙に対して両面印刷が要求された時には、前記の片面印刷が終了して定着ユニット7を記録用紙が通過した後に、記録用紙の搬送方向を逆にして、用紙搬送路21の反転搬送路22に導かれる。そして、再度、記録用紙が駆動ローラ62と転写ローラ8との間の転写ニップに搬送される。転写ニップに搬送された記録用紙の裏面に対して、トナー像が転写され、定着ユニット7において未定着トナーが固着される。このように記録用紙の裏面の印刷を終えた後に、記録用紙は排紙トレイ93に排出される。
次に、画像形成装置1の光走査装置である露光ユニット2について図面を用いて詳説する。
<画像形成装置1の露光ユニット2>
露光ユニット2は、図1,2に示すように、各色に対応した4つのレーザ出射部30からレーザビームを回転多面鏡35などを介して感光体ドラム4に出射するレーザスキャニングユニット(LSU)として構成された光走査装置であり、入力された画像データに応じて、帯電された感光体ドラム4をそれぞれ露光することにより、画像データに応じた静電潜像をそれぞれの感光体ドラム4の表面に形成する。
この露光ユニット2のレーザ出射部30から感光体ドラム4までの光路には、種々の光学部品に配置されている。具体的には、レーザ出射部30側から順に、4つのコリメートレンズ31、4つの第1反射ミラー32、シリンドリカルレンズ33、第2反射ミラー34、回転多面鏡35、第1fθレンズ36、折り返しミラー37、および第2fθレンズ38(本発明でいう光学部材)が順に配設されている。
4つのレーザ出射部30は、レーザビームを出射するビーム出射手段であり、各色にそれぞれ対応したものである。
4つのコリメートレンズ31は、4つのレーザ出射部30にそれぞれ対応し、レーザ出射部30から射出したレーザビームを平行ビームに変換する。
4つの第1反射ミラー32は、4つのコリメートレンズ31にそれぞれ対応し、コリメートレンズ31で変換したレーザビームを反射しシリンドリカルレンズ33に入射させる。
シリンドリカルレンズ33では、4つの第1反射ミラー32から入射した4つのレーザビームを感光体ドラム4に対して副走査方向に集束する。
第2反射ミラー34は、シリンドリカルレンズ33から出射される4つのレーザビームを反射し、回転多面鏡35に入射させる。
回転多面鏡35では、その反射面の高さ方向中央域にレーザビームを照射し、回転多面鏡35の反射面により反射したレーザビームを回転多面鏡35から感光体ドラム4に導く。特に、レーザビームの副走査方向について、シリンドリカルレンズ33に入射したレーザビームを、回転多面鏡35の反射面の表面でほぼ収束させ、主走査方向について、シリンドリカルレンズ33に入射したレーザビームを、回転多面鏡35の反射面に入射させ、回転多面鏡35の反射面により反射したレーザビームを回転多面鏡35から感光体ドラム4に導く。
第1fθレンズ36では、主走査方向において、回転多面鏡35から出射した平行光のレーザビームを、感光体ドラム4の表面で所定のビーム径となるように収束させ、副走査方向において、回転多面鏡35から出射した拡散光のレーザビームを平行光に変換する。また、第1fθレンズ36は、回転多面鏡35の等角速度運動により主走査方向に等角速度で移動するレーザビームを、感光体ドラム4上の走査ライン上で等線速で移動するように変換する機能を有している。
折り返しミラー37は、回転多面鏡35で分離し第1fθレンズ36を通過したレーザビームを反射させて第2fθレンズ38に入射させる。
第2fθレンズ38は、出射面側に突出する凸形状のレンズ面(図示省略)を有し、例えば、ポリカーボネートの樹脂から構成される。この第2fθレンズ38は、主走査方向に長い長尺レンズである(図2,3参照)。この第2fθレンズ38は、副走査方向について、平行光で入射するレーザビームを感光体ドラム4上で所定のビーム径となるように収束させ、主走査方向については、第1fθレンズ36で収束光となったレーザビームをそのまま感光体ドラム4上へ収束させる。
この露光ユニット2には、第2fθレンズ38を介して感光体ドラム4に照射するレーザビームの光軸を調整する調整装置40が設けられている。調整装置40によれば、第2fθレンズ38の一端部38aを軸にして、他端部38b側を回動移動させて第2fθレンズ38から出射するレーザビームの光軸の傾きを調整し、感光体ドラム4の像面(ドラム表面)上の走査線の傾きを補正する。
調整装置40は、図3〜6に示すように、第2fθレンズ38を搭載する支持体41と、第2fθレンズ38を変位させる変位部50とから構成される。
支持体41は、例えば、樹脂材料で射出成形された長尺部材であり、図4に示すように、板ばね42によって第2fθレンズ38が固定されている。また、図3に示すように、第2fθレンズ38の一端部38aの取付け部分となる支持体41の一端部43には、露光ユニット2の筺体2aに軸支するための軸孔44が形成され、露光ユニット2の筺体2aの突起部2bが軸孔44に挿入され、露光ユニット2の筺体2aに支持体41の一端部43が固定されている。
変位部50は、支持体41の一端部43を軸にして支持体41の他端部48を回動自在とさせる機構であり、第2fθレンズ38の他端部38bの取付け部分となる支持体41の他端部48に設けられ、支持体41の一端部43を軸にして支持体41の他端部48を反時計回りに付勢するキックバネ51と、支持体41(の他端部48)の外に設けられ、レーザビームの光軸を調整する調整部52とから構成される。なお、本実施の形態では、支持体41の一端部43が第2fθレンズ38の一端部38aの側に対応し、支持体41の他端部48が第2fθレンズ38の他端部38bの側に対応する。また、本実施の形態では、キックバネ51は、支持体41の一端部43を軸にして支持体41の他端部48を反時計回りに付勢しているが、これに限定されるものではなく、実施の形態に合わせて付勢方向を予め設定すればよい。
キックバネ51は、第2fθレンズ38を予め設定した方向に付勢する(支持体41の一端部43を軸にして支持体41の他端部48を反時計回りに付勢する)ものである。このキックバネ51の付勢によって、支持体41(第2fθレンズ38)と軸部53とが対抗する。また、このキックバネ51は、第2fθレンズ38を支持した支持体41を付勢するだけでなく、第2fθレンズ38の他端部38bの側を押圧する。本実施の形態では、支持体41の他端部48が第2fθレンズ38の他端部38bの側に対応する。
調整部52は、図3〜6に示すように、回動自在な軸部53と、軸部53を支える軸支持部54と、軸部53を回動軸とし、軸部53に係合して軸部53を回動させる第1ギア55(本発明でいう第1回動部)と、第1ギア55の回動軸(軸部53)と交差する軸(仮想の軸)を回動軸とし、第1ギア55に嵌合して第1ギア55を回動させる第2ギア56(本発明でいう第2回動部)と、第2ギア56を回動駆動させる駆動部57とから構成される。本実施の形態では、第1ギア55と第2ギア56との組み合わせにより、回動部が構成され、回動部は駆動部57によって回動し、軸部53は回動部によって回動する。
軸部53は、第2fθレンズ38に近づく第1方向Z1(図4〜6参照)、および第2fθレンズ38から離れる第2方向Z2(図4〜6参照)の双方向それぞれに、回動しながら移動するものであり、キックバネ51の付勢により、一端部43を軸に反時計回り方向に他端部48に力がかかっている(押圧されている)支持体41(支持体41に搭載した第2fθレンズ38)に対抗する。この軸部53では、キックバック51の付勢方向(半時計回りの方向)に反する方向に力を加えることができる。また、軸部53と支持体41(第2fθレンズ38)とは、力の均衡が保たれた状態で配されている。軸部53の先端は、半球面状になり、支持体41に接した状態で配される。また、軸部53の先端部53aに、雄ねじの溝が形成された雄ねじ部53b(本発明でいう軸部のねじ部)が設けられている。また、軸部53の少なくとも基端部53cが、断面視D形状(以下、D形状とする)とされ、第1ギア55の貫通孔55aに嵌められている(下記参照)。このように、軸部53の基端部53cを、D形状とすることで、軸部53と第1ギア55の回動の影響を受けずに第1ギア55との係合を保持することができる。
軸支持部54は、軸部53を支え、かつ、軸部53の回動に伴って軸部53自体を移動させるものであり、図4〜6に示すように、底面部54aと2つの壁部54b,54cとから構成される。軸支持部54の一方の壁部54bには、軸部53を挿通する挿通部54dが設けられ、他方の壁部54cには、軸部53を挿通し、かつ、軸部53の雄ねじ部53bに回動自在に嵌合する雌ねじ部54e(本発明でいう軸支持部のねじ部)が設けられている。この軸支持部54の雌ねじ部54eと軸部53の雄ねじ部53bとの嵌合により、軸部53を軸支持部54に固定することができる。
第1ギア55は、図4〜6に示すように、軸部53を回動軸とし、軸部53に係合して軸部53を回動させるクラウンギアであり、第1ギア55の中央部の貫通孔55aに軸部53が挿設され、第1ギア55の回動に軸部53が同期して軸部53が回動する。なお、この第1ギア55は、手動光軸調整と自動光軸調整とのいずれの光軸調整でも用いる共用の単一部材であり、共用光軸調整部とされる。
第2ギア56は、図4〜6に示すように、第1ギア55を回動させる平歯車であり、その回動の軸(仮想の軸)となる回転軸の軸方向が、第1ギア55の回転軸(軸部53)の軸方向に直交した交差状態となっている。この第2ギア56は、第1ギア55に嵌合し、駆動部57の駆動によって回動する。
駆動部57は、図4〜6に示すように、モータであり、露光ユニット2の筺体2aの外部に設けられる。この駆動部57は、第2ギア56を回動させるものであり、励磁のオン/オフが切り替えられる。そのため、駆動部57は、常に励磁しているものではなく、少なくとも、第2fθレンズ38の光軸調整を行う際に励磁する。つまり、第2fθレンズ38の光軸を自動調整する時のみ、駆動部57の励磁を行うことができ、第2fθレンズ38の光軸を自動調整する時以外の、第2fθレンズ38を変位させてレーザビームの光軸を調整しない状態では、駆動部57への励磁は行わずに駆動部57のモータの発熱を防止することができる。
調整部52では、図5に示すように、駆動部57の駆動によって第2ギア56が回動し、第2ギア56の回動により第1ギア55が回動し、第1ギア55の回動により軸部53が回動する。そして、軸部53の雄ねじ部53bと軸支持部54の雌ねじ部54eとが回動自在に嵌合しているため、第1ギア55の回動方向に基づいて軸部53が支持体41に近づく方向(第1方向Z1)と支持体41に遠ざかる方向(第2方向Z2)とのいずれかの方向に移動する。この軸部53の移動によって、支持体41の一端部43を軸にして、軸部53の先端に接する支持体41の他端部48が回動し、支持体41に搭載した第2fθレンズ38を変位させる。この第2fθレンズ38の変位により、第2fθレンズ38から感光体ドラム4に照射するレーザビームの光軸を調整する。なお、第1ギア55と第2ギア56と駆動部57とによる光軸調整を、使用者による手動操作(外部からの操作)を必要としない自動光軸調整という。
また、調整装置40(具体的には調整部52)には、上記のレーザビームの光軸を手動操作無しで調整する機構(自動光軸調整の機構)以外に、レーザビームの光軸を外部からの操作(使用者による手動操作)により調整する手動調整部58(手動光軸調整の機構)が設けられ、調整装置40は、手動光軸調整と自動光軸調整とを切り替え自在とする。
手動調整部58は、露光ユニット2の筺体2aの外部から手動操作可能であり、図4〜6に示すように、露光ユニット2の筺体2aの外部からの手動操作で回動自在な手動軸部58aと、手動軸部58aの回動に同期する手動ギア58bとから構成される。なお、手動軸部58aは、手動ギア58bの回動軸となる。
手動軸部58aは、露光ユニット2の筺体2aの外部から内部にかけて設けられ、筺体2aに形成された貫通孔2dを挿通し、手動軸部58aの先端部58cが筺体2aの内部に配され、中央部58dが貫通孔2dに配され、基端部58eが筺体2aの外部に配されている。また、手動軸部58aの先端部58cには、2つのEリング58fを用いた手動ギア58bが設けられている。また、露光ユニット2の筺体2aの外部に配された手動軸部58aの基端部58eには、圧縮バネ58g(本発明でいう手動付勢部材)が軸周りに巻回され、圧縮バネ58gにより、手動軸部58aは、その先端部58cから基端部58eに向かう方向(Z3方向)に付勢されている。
手動ギア58bは、第1ギア55に嵌合可能なギアであり、図5に示すように手動操作無しで手動軸部58aが圧縮バネ58gによりZ3方向に付勢されている時は、手動軸部58aと第1ギア55とが離間した状態で嵌合されていない。一方、使用者の手動操作により、手動軸部58aを圧縮バネ58gの付勢に抗して基端部58eから先端部58cに向けて押すことで、手動ギア58bは図5に示す位置から図6に示す位置に変位し、図6に示すように回動部の第1ギア55に手動ギア58bが嵌合する。この手動ギア58bが第1ギア55に嵌合した状態の時に、手動軸部58aを使用者が回動させ、手動ギア58b(回動部)を介して第1ギア55を回動させることにより、レーザビームの光軸を調整することができる。つまり、調整装置40によれば、使用者による手動光軸調整を行うことができる。
上記の通り、調整装置40によれば、軸部53と、軸支持部54と、第1ギア55と、第2ギア56と、駆動部57と、手動調整部58とが設けられているので、手動操作無しで自動でレーザビームの光軸を調整する時(自動光軸調整時)、図5に示すように、手動調整部58の手動ギア58bを第1ギア55から離間させた状態で手動ギア58bを第1ギア55とを嵌合させずに光軸調整を行い、また、手動操作でレーザビームの光軸を調整する時(手動光軸調整時)、図6に示すように、手動調整部58の手動ギア58bを第1ギア55に嵌合させて光軸調整を行うことができる。このように、本実施の形態にかかる調整装置40によれば、自動光軸調整と手動光軸調整とを切り替え可能とし、光軸調整の自由度が高い露光ユニット2を実現している。
また、上記の調整装置40では、軸部53(特に雄ねじ部53b)と、軸支持部54(特に雌ねじ部54e)とにより、外部から調整装置40にかかる外力(振動や衝撃など)によって軸部53にかかる回動力を減衰させることができる。例えば、外力が軸部53にかかっても、外力の少なくとも一部が雄ねじ部53bと雌ねじ部54eとの嵌合する感動箇所において摩擦力や対抗力に変換される。その結果、外力によって軸部53を移動させる移動力(具体的には、軸部53にかかる回動力)を減衰させることができる。このような作用効果を有する本実施の形態にかかる調整装置40では、軸部53(特に雄ねじ部53b)と、軸支持部54(特に雌ねじ部54e)との嵌合により、外力によって軸部53にかかる回動力を減衰させ、かつ、駆動部57により回動部を介して軸部53を回動させて第2fθレンズ38を変位させることができる。つまり、不必要な軸部53の回動を防止して、必要な軸部53の回動のみを行うことができる。その結果、軸部53の必要な回動量のみに応じて第2fθレンズ38の変位量を調整することができる。
また、第1ギア55の回転軸(軸部53)の軸方向と、第2ギア56の回動軸(本実施の形態では仮想の軸)の軸方向とが直交した状態となっている。この第1ギア55(特に軸部53)にかかる外力は、軸部53の軸方向には伝わり易いが、それ以外の方向(特に軸部53の軸方向に直交する方向)には伝わり難い。そのため、第1ギア55にかかる外力が、第2ギア56に伝わるのを減衰させることができ、その結果、第1ギア55から第2ギア56を介して駆動部57に外力がかかるのを抑える(防止する)ことができる。また、駆動部57の駆動により第2ギア56を回動させ、第2ギア56の回動により第1ギア55を回動させるので、駆動部57が軸部53に直接連結されない。そのため、第1ギア55にかかる外力が駆動部57に伝わるのを抑制することができる。また、本実施の形態では、光軸を自動調整する時にのみ駆動部57を駆動させることができるので、駆動部57を励磁しない時間を増やすことができ、第2fθレンズ38の光軸を自動調整する時以外における励磁による駆動部57の発熱を防止することができる。
上記の雄ねじ部53bと雌ねじ部54eとの組み合わせや、第1ギア55と第2ギア56との組み合わせによって、外力によって軸部53にかかる回動力(不要な軸部53の移動力)を減衰させる回動減衰部が構成される。
上記のように、本実施の形態にかかる露光ユニット2によれば、調整装置40が、手動光軸調整と自動光軸調整とを切り替え自在とし、調整装置40により、第2fθレンズ38を変位させて第2fθレンズ38から出射するレーザビームの光軸の傾きを調整するので、レーザビームの光軸の傾きの補正に関して、手動操作により光軸を調整すること(手動光軸調整)と、手動操作無しの自動で光軸を調整すること(自動光軸調整)とができ、光軸調整の自由度が高い光走査装置である露光ユニット2を実現できる。
また、本実施の形態にかかる画像形成装置1によれば、光走査装置である露光ユニット2が設けられるので、手動光軸調整と自動光軸調整とを切り替え自在であり、その結果、レーザビームの光軸の傾きの補正に関して、手動操作で光軸を調整することと、手動操作無しで光軸を自動調整することとができ、光軸調整の自由度が高い。
また、本実施の形態によれば、画像形成装置1から露光ユニット2を取り出さずに光軸の傾きの補正(手動光軸調整や自動光軸調整)を容易に行うことができる。
また、手動光軸調整と自動光軸調整とのいずれの光軸調整でも用いる共用光軸調整部(本実施の形態では第1ギア55)が設けられるので、手動光軸調整用の調整部と自動光軸調整用の調整部とを各々設ける必要がなく、光軸調整用の機構が複雑にならずにコンパクト化が図れる。
また、自動光軸調整時、駆動部57により第1ギア55を介して軸部53を回動させて、手動操作無しで自動光軸調整を行うことができ、手動光軸調整時、手動調整部58により第1ギア55を介して軸部53を回動させて、手動操作により手動光軸調整を行うことができる。
また、露光ユニット2の筺体2aの外部に手動軸部58aの基端部58eが配されているので、基端部58eを使用者が押すこと(手動操作)で、手動光軸調整を行うことができる。また、使用者が何もしない状態(手動操作無し)の場合、自動光軸調整を行うことができる。その結果、画像形成装置1から露光ユニット2を取り出さずに光軸の傾きの補正を手動および自動で容易に行うことができる。
また、本構成によれば、(圧縮バネ58gにより)手動ギア58bが回動部と常に嵌合することはなく、必要な時に嵌合させることができる。その結果、自動光軸調整を行う際に、手動ギア58bと回動部との嵌合を考慮せずに軸部53の回動に必要なトルクのみによって駆動部57を駆動させて自動光軸調整を行うことができる。
また、手動付勢部材である圧縮バネ58gにより、手動軸部58aが先端部58cから基端部58eに向かう方向に付勢されるので、手動光軸調整が必要ない時、手動ギア58bと回動部(第1ギア55)との嵌合を防ぎ、手動光軸調整時のみ、手動ギア58bと第1ギア55との嵌合を行うことができる。
また、軸部53に雄ねじ部53bが設けられ、軸支持部54に雌ねじ部54eが設けられ、軸部53の雄ねじ部53bと軸支持部54の雌ねじ部54eとが回動減衰部となるので、軸部53の雄ねじ部53bと軸支持部54の雌ねじ部54eとの嵌合により、外力によって軸部53にかかる回動力(具体的には、軸部53が移動することに伴う回動による回動力)を減衰させ、かつ、駆動部57により回動部を介して軸部53を回動させて第2fθレンズ38を変位させることができる。つまり、不必要な軸部53の回動を防止して、必要な軸部53の回動のみを行うことができる。その結果、軸部53の必要な回動量のみに応じて第2fθレンズ38の変位量を調整することができる。
また、キックバネ51による付勢により第2fθレンズ38と軸部53とが対抗するので、レーザビームの光軸の傾きの補正が不必要な時には第2fθレンズ38を変位させないようにすることができる。また、外力によって第2fθレンズ38と軸部53との力の均衡が保てない状態であっても、回動減衰部により外力を減衰させることができ、駆動部57に外力が伝わるのを防ぐことができる。
また、第1ギア55の回転軸(軸部53)の軸方向と、第2ギア56の回動軸の軸方向とが直交した状態となっている。第1ギア55(特に軸部)にかかる外力は、軸部53の軸方向には伝わり易いが、それ以外の方向(望ましくは軸部53の軸方向に直交する方向)には伝わり難い。そのため、第1ギア55にかかる外力が、第2ギア56に伝わるのを減衰させることができ、その結果、第1ギア55から第2ギア56を介して駆動部57に外力がかかるのを抑える(防止する)ことができる。また、駆動部57の駆動により第2ギア56を回動させ、第2ギア56の回動により第1ギア55を回動させるので、駆動部57が軸部53に直接連結されない。そのため、第1ギア55にかかる外力が駆動部57に伝わるのを抑制することができる。
また、本構成によれば、光軸を自動調整する時にのみ駆動部57を駆動させる形態とすることができるので、駆動部57を励磁しない時間を増やすことができ、第2fθレンズ38の光軸を自動調整する時以外(例えば、手動光軸調整時や、待機中など)における励磁による駆動部57の発熱を防止することができる。
また、キックバネ51が第2fθレンズ38の他端部38bの側を押圧するので、キックバネ51によりレーザビームの光軸の傾きの補正が不必要な時に第2fθレンズ38を変位しないようにするだけでなく、さらに、キックバネ51により、第2fθレンズ38の他端部38bの側を固定することなく第2fθレンズ38を配置することができる。
また、第2fθレンズ38の一端部38aの側を軸にして、第2fθレンズ38の他端部38bの側を回動自在とするので、調整装置40により第2fθレンズ38の他端部38bの側のみを回動させることで第2fθレンズ38を変位させることができ、容易にレーザビームの光軸を調整することができる。
また、駆動部57は、露光ユニット2の筺体2aの外部に設けられるので、駆動部57から発生する熱が露光ユニット2の筺体2aの内部に充満するのを抑制することができる。
なお、本実施の形態では、光学部材として第2fθレンズ38を適用しているが、これに限定されるものではなく、被走査体(感光体ドラム4)にレーザビームを照射するために介在させる光学部材であれば、他の形態であってもよい。
また、本実施の形態では、軸部53に、雄ねじの溝が形成された雄ねじ部53bが設けられ、軸支持部54に、軸部53の雄ねじ部53bに嵌合する雌ねじ部54eが設けられているが、これらのねじ部の形態はこれに限定されるものではなく、軸部53に、雌ねじの溝が形成された雌ねじ部54eが設けられ、軸支持部54に、軸部53の雌ねじ部54eに嵌合する雄ねじ部53bが設けられてもよい。つまり、軸部53に、ねじの溝が形成されたねじ部が設けられ、軸支持部54に、軸部53のねじ部に回動自在に嵌合するねじ部が設けられていればよい。
また、本実施の形態では、第1ギア55の軸方向と、第2ギア56の軸方向とが直交した状態となっているが、これは好適な形態である。そのため、例えば、第1ギア55の軸方向と、第2ギア56の軸方向とが90度±10度の角度を有した場合(略直交した状態)であってもよい。
また、本実施の形態にかかる露光ユニット2では、第2fθレンズ38が支持体41に搭載されているが、これに限定されるものではなく、図7に示すように、支持体41が無い第2fθレンズ38単体の構成であってもよい。
図7に示す第2fθレンズ38では、その一端部38aに、支持体41の軸孔44に対応する軸孔38cが形成され、露光ユニット2の筺体2aの突起部2bが軸孔38cに挿入され、露光ユニット2の筺体2aに第2fθレンズ38の一端部38aが固定されている。また、第2fθレンズ38の他端部38bにキックバネ51が設けられている。なお、図7に示す実施の形態では、第2fθレンズ38の一端部38aが第2fθレンズ38の一端部38aの側に対応し、第2fθレンズ38の他端部38bが第2fθレンズ38の他端部38bの側に対応する。
また、本実施の形態では、軸部53を回動させるための回動部が、第1ギア55と第2ギア56と駆動部57とから構成されているが、これに限定されるものではなく、駆動部57による駆動力を回動力に変換できる回動部であれば、例えば、図8に示すように第2ギア56を無くした形態であってもよい。
図8に示す回動部は、第1ギア55と、駆動部57と、軸部53を駆動部57の駆動軸57aに連結させる連結部59とから構成される。また、この図8に示す軸部53では、上記の本実施の形態にかかる軸部53に対して、基端部53cが軸方向に延長して成形されている。また、連結部59はカップリングであり、駆動部57はモータである。この図8に示す回動部では、軸部53と駆動部57の軸部53とが連結部59によって連結され、駆動部57の駆動軸57aと連結部59と軸部53とによって駆動部57の駆動力が軸部53の回転力に変換され、駆動部57により軸部53が回動する。
この図8に示す回動部によれば、回動減衰部となる第1ギア55と連結部59とが設けられるので、第1ギア55の回動軸(軸部53)と駆動部57の駆動軸57aとを連結する連結部59により、第1ギア55にかかる外力を連結部59で減衰させることができる。その結果、外力が駆動部57にかかるのを減衰(望ましくは防止)させることができ、具体的には、外力によって第1ギア55から連結部59にかかる外力を減衰させ、連結部59から駆動部57に外力がかかるのを防止することができる。そのため、第1ギア55にかかる外力を駆動部57に伝えることを防止することができる。
また、本実施の形態では、キックバネ51を用いているが、これに限定されるものではなく、支持体41の一端部43を軸にして支持体41の他端部48を反時計回りに付勢する付勢部であれば、他の形態であってもよく、例えば、図9,10に示すバネであってもよい。
図9に示す付勢部は、支持体41の外部に設けられた圧縮バネ51aであり、図9に示す矢印X方向に付勢される。この圧縮バネ51aを用いることで、キックバネ51を用いなくてもよく、支持体41の他端部48には、露光ユニット2の筺体2aへ配置するための位置決め用突起部2cを挿入するための軸孔47が形成されている。
図10に示す付勢部は、支持体41の外部となる軸支持部54の壁部54cに設けられた引っ張りバネ51bであり、図10に示す矢印X方向に付勢される。この引っ張りバネ51bを用いることで、キックバネ51を用いなくてもよく、支持体41の他端部48には、露光ユニット2の筺体2aへ配置するための位置決め用突起部2cを挿入するための軸孔47が形成されている。
なお、本実施の形態を例示として示す本発明にかかるカラー画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ機等の画像形成装置に適用することもできる。また、本実施の形態では、光走査装置である露光ユニット2を、画像形成装置1に適用しているが、これに限定されるものではなく、光走査装置を必要とする装置であれば、レーザビームを用いて画像データなどのデータを表示する表示装置などの他の形態であってもよい。
また、本発明は、その精神や主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、光走査装置に適用できる。
1 画像形成装置
2 露光ユニット
2a 露光ユニットの筺体
2b 露光ユニットの筺体の突起部
2c 露光ユニットの筺体の位置決め用突起部
2d 露光ユニットの筺体の貫通孔
3 現像ユニット
4 感光体ドラム
5 トナーカートリッジユニット
6 中間転写ベルトユニット
7 定着ユニット
8 転写ローラ
11 画像形成装置の装置本体
12 原稿読取装置
13 画像形成部
14 用紙搬送系
21 用紙搬送路
22 反転搬送路
30 レーザ出射部
31 コリメートレンズ
32 第1反射ミラー
33 シリンドリカルレンズ
34 第2反射ミラー
35 回転多面鏡
36 第1fθレンズ
37 折り返しミラー
38 第2fθレンズ
38a 第2fθレンズの一端部
38b 第2fθレンズの他端部
38c 軸孔
40 調整装置
41 支持体
42 板ばね
43 支持体の一端部
44 軸孔
47 軸孔
48 支持体の他端部
50 変位部
51 キックバネ
51a 圧縮バネ
51b 引っ張りバネ
52 調整部
53 軸部
53a 軸部の先端部
53b 雄ねじ部
53c 軸部の基端部
53d 軸部の凹部
53e 軸部の中央部
54 軸支持部
54a 底面部
54b,54c 壁部
54d 挿通部
54e 雌ねじ部
55 第1ギア
55a 貫通孔
56 第2ギア
57 駆動部
57a 駆動軸
58 手動調整部
58a 手動軸部
58b 手動ギア
58c 手動軸部の先端部
58d 手動軸部の中央部
58e 手動軸部の基端部
58f Eリング
58g 圧縮バネ
59 連結部
61 中間転写ベルト
62 駆動ローラ
63 従動ローラ
64 中間転写ローラ
65 クリーニングユニット
71 ヒートローラ
72 加圧ローラ
91 給紙トレイ
92 手差し給紙トレイ
93 排紙トレイ

Claims (11)

  1. 光学部材を介して被走査体にレーザビームを照射する光走査装置において、
    前記光学部材を変位させてレーザビームの光軸を調整する調整装置が設けられ、
    前記調整装置は、手動操作により光軸を調整する手動光軸調整と、前記調整装置の駆動により光軸を調整する自動光軸調整と、を切り替え自在とすることを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1に記載の光走査装置において、
    前記手動光軸調整と前記自動光軸調整とのいずれの光軸調整でも用いる共用光軸調整部が設けられたことを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項2に記載の光走査装置において、
    前記調整装置には、
    前記光学部材に近づく第1方向、および前記光学部材から離れる第2方向の双方向それぞれに、回動しながら移動する軸部と、
    前記軸部を支え、かつ、前記軸部の回動に伴って前記軸部を移動させる軸支持部と、
    前記軸部を回動させる回動部と、
    前記回動部を回動させる駆動部と、
    手動操作により光軸調整を行う手動調整部と、が設けられ、
    前記共用光軸調整部は、前記回動部に設けられ、
    前記自動光軸調整時、前記駆動部により前記共用光軸調整部を介して前記軸部を回動させ、
    前記手動光軸調整時、前記手動調整部により前記共用光軸調整部を介して前記軸部を回動させることを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項3に記載の光走査装置において、
    前記手動調整部には、手動操作で回動自在な手動軸部と、手動軸部の回動に同期する手動ギアとから構成され、
    前記手動軸部は、当該光走査装置の筺体の外部から内部に挿通し、前記手動軸部の先端部が前記筺体の内部に配され、前記手動軸部の基端部が前記筺体の外部に配され、
    前記手動軸部を、前記基端部から前記先端部に向けて押すことで、前記手動ギアが前記回動部に嵌合することを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項4に記載の光走査装置において、
    当該光走査装置の筺体の外部に配された前記手動調整部の前記端部には、手動付勢部材が設けられ、
    前記手動付勢部材により、前記手動軸部が前記先端部から前記基端部に向かう方向に付勢されることを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項3から請求項5のうちいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記軸部に、ねじの溝が形成されたねじ部が設けられ、
    軸支持部に、前記軸部のねじ部に回動自在に嵌合するねじ部が設けられたことを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項3乃至6のうちいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記調整装置には、前記光学部材を予め設定した方向に付勢する付勢部が設けられ、
    前記付勢部の付勢により前記光学部材と前記軸部とが対抗することを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項3から請求項7のうちいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記回動部には、前記軸部を回動軸とし、前記軸部に係合して前記軸部を回動させる第1回動部と、
    前記第1回動部の回動軸と交差する軸を回動軸とし、前記第1回動部を回動させる第2回動部と、が設けられ、
    前記駆動部は、第2回動部を回動させることを特徴とする光走査装置。
  9. 請求項3乃至8のうちいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記駆動部の励磁が切り替えられ、少なくとも、前記光学部材を変位させてレーザビームの光軸を調整する状態以外では前記駆動部は励磁しないことを特徴とする光走査装置。
  10. 請求項3から請求項9のうちいずれか1つに記載の光走査装置において、
    前記駆動部は、当該光走査装置の筺体の外部に設けられたことを特徴とする光走査装置。
  11. 画像形成装置において、
    請求項1乃至10のうちいずれか1つに記載の光走査装置が設けられたことを特徴とする画像形成装置。
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