JP2008268715A - ミラー機構、露光装置、及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
ミラー機構、露光装置、及びこれを備えた画像形成装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】露光装置からの光を反射ミラーによって感光ドラムの母線に沿って主走査する際の、走査線の湾曲を、簡単に、高い精度で補正する。
【解決手段】左右方向に長い保持部材88の左端側及び右端側における上部に設けた支点部材102(100),103(101)から下方に向けて、支点106(104),107(105)を突設する。これら支点と板ばね90,91の押圧部133,143との間で、反射ミラー87の左側,右側を挟持する。ピニオン116を回転させることで、第1のラック部材、第2のラック部材118を介して、板ばね90,91を同時に長手方向中央側、又は長手方向両端部側に移動させて押圧部133,143の位置を変更することで、反射ミラー87の湾曲の方向、及び湾曲に程度を調整する。
【選択図】図5
【解決手段】左右方向に長い保持部材88の左端側及び右端側における上部に設けた支点部材102(100),103(101)から下方に向けて、支点106(104),107(105)を突設する。これら支点と板ばね90,91の押圧部133,143との間で、反射ミラー87の左側,右側を挟持する。ピニオン116を回転させることで、第1のラック部材、第2のラック部材118を介して、板ばね90,91を同時に長手方向中央側、又は長手方向両端部側に移動させて押圧部133,143の位置を変更することで、反射ミラー87の湾曲の方向、及び湾曲に程度を調整する。
【選択図】図5
Description
本発明は、被照射面における走査線の湾曲を補正する機能を備えたミラー機構、露光装置、及び画像形成装置に関する。
プリンタ,複写機等の電子写真方式の画像形成装置において、露光装置としてレーザスキャナが使用される。レーザスキャナの半導体レーザで発生された光は、ポリゴンミラーで反射され、fθレンズ等を通って反射ミラーで反射され、最終的に均一帯電後の感光ドラム表面を母線方向に沿って主走査し、さらに感光ドラムの回転により副走査を行う。
上述の主走査によって感光ドラム表面に形成される走査線は、湾曲することがある。その原因の1つとして、反射ミラーの湾曲(反り)があげられる。反射ミラーを高い精度で反りがないように製造することは困難であり、また、組み付け時に反りが発生することもある。走査線が湾曲した場合には、露光によって感光ドラム上に形成された静電潜像が歪み、さらにはトナー像が歪み、最終的なシート上の画像が歪んでしまう。特に、4個の感光ドラムを有する4色のタンデム方式の画像形成装置にあっては、各色の感光ドラム上の走査線の湾曲が色ずれとなって顕著に現れる。
このような走査線の湾曲を防止するための技術が、特許文献1に記載されている。このものによると、反射ミラーの長手方向の一端部と他端部とを、それぞれ2つの支持部材によって支持し、さらに2つの支持部材との間で反射ミラーを挟持するように、2つの押圧部材によって反射ミラーを押圧する。押圧部材はそれぞれ長手方向に移動可能になっていて、支持部材による支点に対して、押圧部材による力点の位置を変更することにより、反射ミラーを凹状に又は凸状に湾曲させる。このとき、支点に対する力点の位置(外側か内側か)及び距離を適宜に調整することで、湾曲の向き及び湾曲の程度を調整することができる。これにより、最終的に感光ドラム表面に形成される走査線が湾曲しないようにしている。
特開2006−65310号公報
しかしながら、上述の従来例によれば、反射ミラーの長手方向の一端部と他端部との双方に押圧部材が配設されていて、それぞれを個別に調整することが必要であるため、調整作業が煩雑であるという問題があった。また、それぞれが個別に設けられているため、それぞれの支持部材(支点)に対してそれぞれの押圧部材(力点)を均等に移動させることが困難であり、高い精度での湾曲の補正が難しいという問題があった。
そこで、本発明は、調整作業が容易であり、しかも高い精度で湾曲の補正を行うことができるミラー機構、露光装置、及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る発明は、一方向に長く形成された長板状の反射ミラーを備え、前記反射ミラーに入射された光を反射して被照射面を主走査するミラー機構に関する。この発明に係るミラー機構は、前記反射ミラーの長手方向に沿っての一端部及び他端部における、前記被照射面に対向する表面にそれぞれ当接する2つの支点を有し、前記反射ミラーを支持する保持部材と、前記反射ミラーの前記一端部及び前記他端部における背面側をそれぞれ前記表面側に向けて押圧部を介して押圧しながら前記反射ミラーの長手方向に沿って移動可能な2つの押圧部材と、前記2つの押圧部材を、前記反射ミラーの長手方向中央側に同期させて移動させ、又は長手方向端部側に同期させて移動させる移動機構と、を備え、前記2つの押圧部材を移動させて、それぞれの前記押圧部をそれぞれの前記支点よりも外側に配置することで前記反射ミラーを前記被照射面に向けて凹状に湾曲させ、それぞれの前記押圧部をそれぞれの前記支点よりも内側に配置することで前記反射ミラーを前記被照射面に向けて凸状に湾曲させる、ことを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1に係るミラー機構において、前記保持部材に対し、前記反射ミラー、前記押圧部材、前記移動機構を一体的に組み込んでミラーユニットを構成する、ことを特徴としている。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係るミラー機構において、前記保持部材は、前記反射ミラーに沿って長い底部と、前記底部の幅方向の両端に立設された側壁とにより、長手方向に直交する断面が「コ」字形に形成されるとともに、開口部に前記反射ミラーが配設され、前記底部に前記押圧部材の移動をガイドするガイド部が形成されている、ことを特徴としている。
請求項4に係る発明は、請求項3に係るミラー機構において、前記支点は、前記側壁の先端から前記開口部に向かって突設されている、ことを特徴としている。
請求項5に係る発明は、請求項3又は4に係るミラー機構において、前記ガイド部は、前記押圧部材の移動に伴って前記押圧部が前記支点に対応する近傍を通過する際に押圧力を低減するための逃がし部を有する、ことを特徴としている。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に係るミラー機構において、前記移動機構は、長手方向外側部分に一方の前記押圧部材が取り付けられるとともに長手方向中央側に延びる第1のラック部を有する第1のラック部材と、長手方向外側部分に他方の前記押圧部材が取り付けられるとともに長手方向中央側に延びる第2のラック部を有する第2のラック部材と、前記第1のラック部及び第2のラック部とに噛合するピニオンとを有する、ことを特徴としている。
請求項7に係る発明は、画像情報に応じてレーザ光を発光するレーザ発振器と、前記レーザ発振器から発光されたレーザ光を反射させて被照射面を主走査する反射部材とを備えた露光装置に関する。この発明に係る露光装置は、前記反射部材が、請求項1乃至6のいずれか1項に係るミラー機構によって構成されている、ことを特徴としている。
請求項8に係る発明は、被照射面に静電潜像が形成される感光体と、前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像を現像する現像装置と、現像された現像剤像を他部材に転写する転写装置とを備えた画像形成装置に関する。この発明に係る画像形成装置は、前記露光装置が、請求項7に係る露光装置である、ことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、長手方向の一端部側の押圧部材と他端部側の押圧部材とが、移動機構により、それぞれ長手方向中央側に同期して移動し、又はそれぞれ長手方向端部側に同期して移動するので、両者を個別に移動させる場合と比較して、反射ミラーの湾曲の方向及び湾曲の程度を調整する調整作業が容易である。また、2つの押圧部材は同期して、それぞれが対応する支点に対して、内側又は外側に移動するので、高い精度で湾曲の補正を行うことができる。
請求項2の発明によれば、保持部材、反射ミラー、押圧部材、移動機構が一体となってミラーユニットを構成しているので、反射ミラーの長手方向の傾斜については、ミラーユニット全体を傾斜させることで容易に対応することができる。
請求項3の発明によれば、押圧部材は、底部のガイド部と、開口部に配設された反射ミラーとの間にはさまれた安定した状態で、反射ミラーの長手方向に沿って移動することができる。
請求項4の発明によれば、簡単な構成で、保持部材に支点を設けることができる。
請求項5の発明によれば、押圧部が支点を通過する際に、支点に対して大きな力が作用することを防止することができる。
請求項6の発明によれば、ラック&ピニオンによって2つの押圧部材を同期させて移動させることができる。
請求項7の発明によれば、露光装置において、被照射面の主走査線の湾曲を防止して、露光不良を防止することができる。
請求項8に発明によれば、露光装置における走査線の湾曲に起因する画像不良を防止することができる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づき詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同じ構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
<実施形態1>
図1〜図3を参照して、本発明に係るミラー機構80を備えた画像形成装置1について説明する。なお、図1〜図3においては、画像形成装置1における上下前後左右の方向を矢印で示している。図1〜図3のうち、図1は、画像形成装置1の全体を、その前側の左斜め上方から見た斜視図である。また、図2は、画像形成装置1の全体を、その左側の後斜め上方から見た斜視図である。また、図3は、左側から見た画像形成装置1の内部の構造を模式的に示す図である。
図1〜図3を参照して、本発明に係るミラー機構80を備えた画像形成装置1について説明する。なお、図1〜図3においては、画像形成装置1における上下前後左右の方向を矢印で示している。図1〜図3のうち、図1は、画像形成装置1の全体を、その前側の左斜め上方から見た斜視図である。また、図2は、画像形成装置1の全体を、その左側の後斜め上方から見た斜視図である。また、図3は、左側から見た画像形成装置1の内部の構造を模式的に示す図である。
ここで、画像形成装置1としては、プリンタ,複写機,ファクシミリ,及びこれらの複合機等があげられるが、以下の説明では、画像形成装置1がプリンタである場合を例に説明する。同図に示す画像形成装置1は、電子写真方式、中間転写方式、タンデム方式を採用した、4色フルカラーの画像形成装置1である。
図1,図2を参照して、画像形成装置1の全体を外側から見た構成について説明する。画像形成装置1は、ほぼ箱型(直方体状)の画像形成装置本体2と、この画像形成装置本体2によって開閉自在に支持された前面カバー3とを備えている。
画像形成装置本体2は、前面が、前面カバー3によって覆われ、左側面及び右側面が合成樹脂製の左外装パネル4及び右外装パネル5によって覆われている。画像形成装置本体2の後面は、構造物として本体フレーム6を構成する板金の一部7が露出されている。画像形成装置本体2の上面は、前部が前面カバー3によって覆われ、中間部から後部にかけてが、後上がりのシート積載面8を有する排紙トレイ10によって覆われている。
前面カバー3は、前外装パネル11と、この内側に組み込まれた後述のシート搬送部24(図3参照)の一部とによって構成されている。前外装パネル11は、前パネル12と、この上端に続く後上がりの上パネル13と、逆「L」字形の左パネル14及び右パネル15とが一体に構成されている。前パネル12には、長方形状の手差しトレイ16が配設されている。手差しトレイ16は、下端側に揺動中心を有していて、図1に示す、起立姿勢の閉鎖位置あっては、前パネル12の一部を構成するとともに、上端側が前方に引き出された後下がりの開放位置(不図示)にあっては、上面にシートを載せる給紙台となる。上パネル13には、操作パネル(操作部)17が配置されている。操作パネル17は、画像形成装置1の正面側に立って操作する操作者(例えば、ユーザ)が見やすいように、後端側が少し高くなるようにゆるく傾斜してほぼ上向きに配置されている。操作パネル17には、タッチパネル式の液晶表示部や、各種ボタンが配置されていて、操作者は、画像形成装置1の正面に立った状態で、この操作パネル17により画像形成装置1の全体を操作することができるようになっている。左パネル14及び右パネル15は、前面カバー3の内側に組み込まれたシート搬送部24の一部をそれぞれ左側及び右側から覆うように配設されている。
前面カバー3は、下端側が画像形成装置本体2によって揺動自在に支持されていて、全体が開閉自在となっている。前面カバー3を開放する際に操作する解除レバー(解除部材)74は、図2に示すように、左パネル14の上端側でかつ後端側の内側(右側)と、右パネル15の上端側でかつ後端側の内側(左側)とに配設されている。解除レバー74は、下端側に支点を有し、上端に配置されたボタン75を手前側に押すことで、前面カバー3に支持されて画像形成装置本体2側に係合されているロック部材(不図示)を解除して、前面カバー3の開放を可能にする。上述の構成の前面カバー3は、操作者が、画像形成装置1の正面側から前面カバー3を手前側に開いて開放することで、ジャム処理(紙詰まりを起こしたシートを除去する作業)を行うことが可能である。さらに、後述するように、画像形成対象となるシートが収納される給紙カセット25(図3参照)を、同じく正面側から着脱できるようになっている。このように、操作者は、操作パネル17を使用しての画像形成装置1の操作全般、ジャムが発生したときのそのジャム処理、シートがなくなったときの給紙カセット25に対するシートの補給等をすべて画像形成装置1の正面側から行うことができるようになっている。
以上で、画像形成装置1の全体を外側から見た構成についての説明を終了する。
次に、図3を参照して、画像形成装置1の内部の構造について説明する。画像形成装置1には、画像形成装置本体2の下側から上側かけて順に、シート収納部20、基板収納部21、画像形成部22、トナー補給部23、排紙トレイ10が設けられている。また、画像形成装置本体2の前側と、前面カバー3との間には、シート搬送部24が設けられている。
シート収納部20には、給紙カセット25が配設されている。給紙カセット25は、複数枚のシートを積層状態で収納しており、底部に配設されたリフト板26によって積層状態のシートの先端側(同図中の右側)を上方に付勢している。これにより、給紙カセット25内の最上位のシートが、後述するシート搬送部24のピックアップローラ27によって給紙され、さらに給送ローラ28、リタードローラ30によって重送が防止されて1枚だけ下流側に給送される。この給紙カセット25は、画像形成装置1の正面側から抜差しできるようになっている。給紙カセット25の上方には基板収納部21が配設されている。
基板収納部21には、画像形成装置1の全体を制御する基板や電装品等(不図示)が配設されている。基板収納部21の上方には、画像形成部22が配設されている。
画像形成部22には、中間転写ベルト(他部材)31と、この中間転写ベルト31の回転方向(矢印R31方向)に沿って同様な構成の4つ(4色)の画像形成ステーション、すなわちイエロー(Y)の画像形成ステーション32,マゼンタ(M)の画像形成ステーション33,シアン(C)の画像形成ステーション34,ブラック(Bk)の画像形成ステーション35が配設されている。イエローの画像形成ステーション32は、感光ドラム(感光体)36と、感光ドラム36の周囲にその回転方向(矢印方向)に沿って配設された、帯電装置37、露光装置38、現像装置40、1次転写ローラ(転写装置)41、ドラムクリーナ42等を有している。感光ドラム36は矢印方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。感光ドラム36の表面(被照射面)は、帯電装置37によって所定の極性・電位に一様(均一)に帯電された後、パーソナルコンピュータ(不図示)等から送られてきた画像情報に基づく露光装置38の露光によって露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置40によって現像剤中のトナーが付着されてトナー像として現像される。なお、本実施形態では、現像剤は、トナーとキャリヤとを主成分とする2成分現像剤が使用されている。
上述のようにして感光ドラム36の表面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト31に転写される。中間転写ベルト31は、駆動ローラ43と従動ローラ44とに張架されており、駆動ローラ43の矢印方向の回転によって矢印R31方向に回転する。感光ドラム36上に形成されたイエローのトナー像は、1次転写部T1において、1次転写ローラ41により、中間転写ベルト31上に1次転写される。トナー像の1次転写後に感光ドラム36の表面に残ったトナー(1次転写残トナー)は、ドラムクリーナ42によって除去される。
残りの3色(シアン,マゼンタ,ブラック)の画像形成ステーション33,34,35も上述のイエローの画像形成ステーション32と同様の構成であり、これらの画像形成ステーション33,34,35の感光ドラム36の表面にも同様にして、シアン,マゼンタ,ブラックの各色のトナー像が形成され、中間転写ベルト31上に順次に1次転写される。こうして、4色のトナー像は、中間転写ベルト31上で重ね合わされる。これら中間転写ベルト31上の4色のトナー像は、後述するシート搬送部24によって搬送されるシートに、2次転写部T2において、2次転写ローラ45によって一括で2次転写される。トナー像の2次転写後に中間転写ベルト31の表面に残ったトナー(2次転写残トナー)は、従動ローラ44の近傍に配置されたベルトクリーナ46によって除去される。画像形成部22の上方には、トナー補給部23が設けられている。
トナー補給部23には、各色のトナーをそれぞれ個別に収納した4つのトナーコンテナ、すなわちイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのトナーコンテナ47,48,50,51が配設されている。上述の各色の現像装置40には、トナーの濃度(トナー/現像剤の重量比)を検知するための濃度センサ(不図示)が配設されていて、この濃度センサが、現像装置40内のトナー量が所定値よりも少なくなったことを検知したときに、各色のトナーコンテナ47,48,50,51から各色の現像装置40にトナーが補給されるようになっている。トナー補給部23の上方には、排紙トレイ10が設けてある。
排紙トレイ10は、画像形成装置本体2の上面を覆うように形成されていて、前後方向の中間部は、後端側が上方に位置するように傾斜しており、後端側はこの中間部に連続するように平らに形成されている。この排紙トレイ10の上面のシート積載面8には、次に説明するシート搬送部24のシート排出口55から後方に向かって排出されたシートが積載される。
シート搬送部24は、本実施形態においては、画像形成装置本体2の前側と前面カバー3との間に設けられていて、下方から上方に向かうシートをガイドするシート搬送路52と、このシート搬送路52よりも前側に配設されて、上方から下方に向かうシートをガイドするシート再搬送路53とを有しており、さらに、手差し給送部54を有している。なお、本実施形態においては、シート再搬送路53は、上述の前面カバー3の開放によって直接開放されるシート搬送路ということになる。これに対し、シート搬送路52は、前面カバー3の開放により、後述の搬送ユニット73を介して間接的に開放されるシート搬送路ということになる。
シート搬送路52は、上述の給送ローラ28の近傍から上方に立ち上がり、後方に凸状にゆるく湾曲しながら上方に延び、中間転写ベルト31の近傍で、湾曲方向を前方に向かえて上方に延び、後方に向けて斜め上方に延びて、シート排出口55に至る。シート搬送路52は、相互に対面する後側ガイド52aと前側ガイド52bとによって構成されており、前側ガイド52bの一部が後述する搬送ユニット73に形成されている。シート搬送路52には、下方から順に、ピックアップローラ27、給送ローラ28、リタードローラ30、搬送路ローラ対56、レジストローラ対57、上述の中間転写ベルト31を駆動ローラ43との間に挟みこむ2次転写ローラ45、定着ローラ対58、搬送ローラ対60、切り換えフラッパ61、排紙ローラ対62等が配設されている。上述の定着ローラ対58は、ヒータ(不図示)を内蔵した定着ローラ63とこれに当接されて間に定着ニップ部を構成する加圧ローラ64とを有している。
上述の給紙カセット25からピックアップローラ27、給送ローラ28、リタードローラ30によって1枚だけ給送されたシートは、搬送ローラ対56、レジストローラ対57によって搬送され、2次転写部T2において、中間転写ベルト31上の4色のトナー像が一括で2次転写され、定着ニップ部を通過する際に加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。トナー像定着後のシートは、搬送ローラ対60によって切り換えフラッパ61の下面にガイドされて排紙ローラ対62に搬送され、排紙ローラ対62によって、背面側を向いたシート排出口55から後方に向けて排出されて、排紙トレイ10のシート積載面8上に積載させる。なお、同図では、排紙ローラ対62のすぐ下流側に配置された排紙センサのセンサフラグ65が、排出中のシートPによって動作している状態を示している。
シート再搬送路53は、上述のシート排出口55の少し上から前側に向かって傾斜して延び、緩やかに湾曲しながら、急勾配で後側に傾斜して延び、下端部において下方に凸状に湾曲しながら、上述のシート搬送路52に合流する。シート再搬送路53は相互に対面する後側ガイド53aと前側ガイド53bとによって構成されている。後側ガイド53aの一部は、後述する搬送ユニット73に形成されている。また、前側ガイド53bは、そのほとんどが外装パネル11の内側(後端側)に組み込まれて、外装パネル11とともに前面カバー3を構成している。シート再搬送路53には、シートの再搬送時に上流側となる上方から順に、反転ローラ対66、切り換えフラッパ61、第1,第2,第3,第4の再搬送ローラ対67,68,70,71が配設されている。
シートの両面に画像を形成する場合には、切り換えフラッパ61が二点鎖線で示す位置に切り換えられ、表面にトナー像が定着されたシートは、搬送ローラ対60に搬送されて、切り換えフラッパ61の上面に沿って搬送され、さらに反転ローラ対66によって後方に向けて搬送される。そして、シートの後端が搬送ローラ対60を抜けて、反転ローラ対66を抜ける前に反転ローラ対66が逆回転され、第1〜第4の再搬送ローラ対67,68,70,71によって下方に搬送され、シート搬送路52に搬送される。そして、シートはその裏面に、表面のときと同じようにしてトナー像が転写され、定着され、シート排出口55から後方に向けて排出されて、排紙トレイ10のシート積載面8に積載される。なお、シート搬送部24における搬送ローラ対56のすぐ前側には、手差し給送ローラ72が配設されていて、閉鎖状態においては前面カバー3の一部を構成する手差しトレイ16が引き出され、この手差しトレイ16上にセットされたシートを、搬送ローラ対56側に向けて給紙するようになっている。
上述のシート搬送部24においては、その一部が開閉可能な搬送ユニット73を構成している。搬送ユニット73は、シート搬送路52とシート再搬送路53との間に配置されていて、シート搬送路52における前側ガイド52bの一部と、シート再搬送路53における後側ガイド53aの一部と、レジストローラ対57の一方のローラ57a、2次転写ローラ45、第3,第4の再搬送ローラ対70,71のそれぞれの一方のローラ70a,71aとが一体に構成されている。この搬送ユニット73は、下端側に揺動中心を有していて、画像形成装置本体2によって開閉自在に支持されている。搬送ユニット73は、前面カバー3が開放されることにより、上端側が前側に開放されて、シート搬送路52の一部及びシート再搬送路53の一部を開放するようになっている。
以上で、画像形成装置1の内部の構造についての説明を終える。
次に、本発明に係る露光装置38及びミラー機構80について詳述する。図3のイエローの画像形成ステーション32に示すように、本実施形態では、露光装置38として、レーザスキャナを使用している。レーザスキャナは、画像情報に基づいて半導体レーザ等のレーザ光発振器(不図示)から発光したレーザ光Lをコリメータレンズ、シリンドリカルレンズ(いずれも不図示)を通して、図3に示す、高速回転するポリゴンミラー81に照射し、その反射光をfθレンズ82,83を通して、第1反射ミラー84,第2反射ミラー85,第3反射ミラー86で反射して、均一帯電後の感光ドラム36の表面(被帯電面)をその母線に沿って主走査するものである。上述でイエローの画像形成ステーション32の露光装置38について説明したが、イエロー以外のマゼンタ,シアン,ブラックの画像形成ステーションの露光装置38についても同様であるので、説明は省略する。
上述の各色の画像形成ステーション32,33,34,35の露光装置38において、第1反射ミラー84,第2反射ミラー85,第3反射ミラー85がその長手方向(画像形成装置1を基準としたときには左右方向)に沿って湾曲している場合には、レーザ光Lによって感光ドラム36の表面を主走査したときの走査線が母線にたいして湾曲してしまう。そこで、本実施形態では、本発明に係るミラー機構80を、レーザ光Lの光路に沿っての感光ドラム36に直近の反射ミラー、つまり第3反射ミラー86に適用することで、走査線の湾曲を補正するようにしている。この理由は、例えば、第1反射ミラー84や第2反射ミラー85に湾曲が発生している場合であっても、第3反射ミラー86の湾曲の向きや、湾曲の程度を適宜に調整することで、最終的に感光ドラム36の表面での走査線の湾曲をなくすように補正することができるからである。
図4〜図8を参照して、ミラー機構80について詳述する。このうち、図4は、ミラー機構80の全体の斜視図である。また、図5は、ミラー機構80の長手方向に直交する方向(以下適宜「幅方向」という。)の中心を通る平面で切った縦断面を示す図である。また、図6は、反射ミラー87を単体として示す斜視図である。また、図7は、保持部材88を単体として示す斜視図である。また、図8は、移動機構92の全体を示す斜視図である。
ミラー機構80は、図4,図5に示すように、一方向に長く形成された長板状の反射ミラー(反射部材)87を備えている。ここで、一方向とは、感光ドラム36の表面の母線の方向(主走査方向)に対して平行な方向をいう。なお、この方向は、図1〜図3に示す画像形成装置1における左右方向と一致するので、以下では適宜「左右方向」といい、また、反射ミラー等の長手方向に対応するので適宜「長手方向」ともいう。つまり、説明の便宜上、「主走査方向」と「長手方向」と「左右方向」とを適宜使い分けるが、これらはいずれも同じ方向を意味している。ミラー機構80は、さらに、反射ミラー87を保持する保持部材88と、反射ミラー87の左右方向に沿っての左端部(一端部)87a及び右端部(他端部)87bにそれぞれ配設された押圧部材としての2つの板ばね90,91と、これら板ばね90,91を反射ミラー87の左右方向に沿って移動させる移動機構92とを備えている。
反射ミラー87は、図4,図6に示すように、長板状のガラス板93と、このガラス板93の表面(感光ドラム36に対向する面)に蒸着されたアルミニウムによって形成された反射面94とによって構成されている。反射面94は、ガラス板93の表面よりも、長手方向の寸法及び幅方向の寸法が小さくなるように形成されていて、後述する支点104〜107は、ガラス板93の表面における、幅方向に沿っての反射面94の外側部分93aに当接するようになっている。反射ミラー87は、その長手方向を、感光ドラム36の母線に対して平行に配置した状態で、後述の保持部材88によって保持されている。
保持部材88は、図4,図7に示すように、反射ミラー87の左右方向に沿って長く形成されている。保持部材88は、長板状の底部95と、この底部95の幅方向の両端に立設された側壁96,97とを有していて、左右方向に直交する断面がほぼ「コ」字形に形成されている。保持部材88は、2つの側壁96,97のそれぞれの先端96a,97aの間に形成される開口部Kをその長手方向が感光ドラム36の母線に平行になるように、また、その幅方向が感光ドラムの表面に斜めに向くようにして配設されている。保持部材88の開口部Kには、上述の反射ミラー87が配設されている。
保持部材88の2つの側壁96,97のうちの一方の側壁96の左端部(一端部)96b及び右端部(他端部)96cにおける上端96aには、それぞれ開口部Kに向けて、舌片状の支点部材100,101が突設されている。同様に、他方の側壁97の一端部97b及び他端部97cにおける上端97aには、上述の側壁96側の支点部材100,101に対応する位置にそれぞれ開口部Kに向けて舌片状の支点部材102,103が突設されている。これら4つの支点部材100,101,102,103の先端には、背面側に向けて支点104,105,106,107が突設されている。これらの4つの支点104〜107に対して、上述の反射ミラー87の表面が、底部95側から当接されている。このとき4つの支点104〜107のうち、一対の支点104,106(以下「支点104等」という。)には、反射ミラー87の表面における左端が当接され、他の一対の支点105,107(以下「支点105等」という。」には、反射ミラー87の表面における右端が当接される。さらに、これら支点104等,105等は、反射面94に当接しないように、つまり、表面のうちの、幅方向に沿っての反射面94の外側に位置する外側部分93aに当接するようになっている。保持部材88の側壁96,97の左右方向の中央部には、左右方向に長いスリット状の透孔108,110が穿設されている。これら透孔108,109からは、後述する板ばね90,91を移動させるためのピニオン116の一部が突出されるようになっている。
保持部材88の底部95における左右方向中央部には、後述する移動機構92のピニオン116を回転自在に支持するための円形の透孔111が穿設されている。また、底部95におけるこの透孔111の左側及び右側には、それぞれガイド溝(ガイド部)112,113が形成されている。ガイド溝112,113は、それぞれ底部95の幅方向の中心に配置されていて、底部の左右方向中央部近傍から左右方向両端部近傍まで延びるように形成されている。このガイド溝112,113は、後述する移動機構92の板ばね90,91の移動をガイドするものである。それぞれのガイド溝112,113における左右方向端部側には、逃がし部114,115が形成されている。逃がし部114,115は、ガイド溝112,113の両側に位置する端縁の一部を押し下げるようにして形成されており、後述するように、板ばね90,91の押圧部133,143が支点104等,支点105等の近傍を通過する際に、板ばね90,91を下方に逃がして、押圧部133,143による反射ミラー87の背面に対する押圧力を低減させるものである。
移動機構92は、図4,図5,図8に示すように、上述の保持部材88の底部95と反射ミラー87との間に配設されていて、ピニオン116とこれに噛合された一対のラック部材(第1のラック部材117,第2のラック部材118)とを備えている。
ピニオン116は、図5に示すように、下側から順に、ボス部120と、歯部121と、操作部122とを有していて、ボス部120は、上述の保持部材88の底部95の中央部に形成された透孔111によって回動自在に支持されている。また、歯部121は、後述する第1のラック部材117の第1のラック部123,第2のラック部材118の第2のラック部126のそれぞれに噛合している。また、操作部122は、歯部121よりも大径の円板状に形成されていて、その外周縁の一部を、上述の保持部材88の2つの側壁97,97の透孔108,110から突出されている。作業者は、操作部122のこの突出部分を手で回して、後述する板ばね90,91を移動させて、反射ミラー87の湾曲を調整することになる。
第1のラック部材117,第2のラック部材118は、同形に形成されており、上述のピニオン116の中心を基準に点対称の位置に配設されている。第1のラック部材117は、保持部材88の底部95の幅方向の一方の端部側(側壁96側)において、保持部材88の左右方向中央部側から左端部側に延びるラック部(第1のラック部)123と、このラック部123の左端部において、幅方向の中央側に板状に延びる取付部124とを有している。ラック部123は、幅方向の外側に、補強用の屈曲部123aが形成されており、また、幅方向内側には、左右方向に沿って多数の歯が形成された歯部125が形成されている。この歯部125は、上述のピニオン116の歯部121に噛合している。第2のラック部材118は、上述の第1のラック部材117と同様に形成されている。すなわち、第2のラック部材118は、保持部材88の底部95の幅方向の一方の端部側(側壁97側)において、保持部材88の左右方向中央部側から右端部側に延びるラック部(第2のラック部)126と、このラック部126の右端部において、幅方向の中央側に板状に延びる取付部127とを有している。ラック部126は、幅方向の外側に、補強用の屈曲部126aが形成されており、また、幅方向内側には、左右方向に沿って多数の歯が形成された歯部128が形成されている。この歯部128は、上述のピニオン116の歯部121に噛合している。
第1のラック部材117と第2のラック部材118とは、上述のように、ピニオン116の中心を基準に点対称に配置されていて、それぞれのラック部123,126の歯部125,128における左右方向内側端部近傍をピニオン116に噛合させている。したがって、それぞれのラック部材117,118の取付部124,127は、ピニオン116を図4中の矢印a方向に回転させると、それぞれ相互に遠ざかるように左右方向端部側に向けて移動する。これに対して、ピニオン116を図4中の反対方向、つまり矢印b方向に回転させると、それぞれ相互に近づくように左右方向中央部側に向けて移動する。この取付部124,127の動作に伴って後述する板ばね90,91も同方向に移動する。
押圧部材としての板ばね90,91は、図4,図5,図8に示すように、上述の第1のラック部材117,第2のラック部材118の取付部124,127に固定されている。このうち、取付部124に固定される左の板ばね90は、例えば、ばね板材を屈曲させることで、板ばね本体130と、板ばね本体130の先端側(長手方向中央部側)を開口部K側(上側)に折り返して第1の傾斜部131を形成し、さらにこの第1の傾斜部131の先端側を底部95側(下側)に折り返して第2の傾斜部132を形成して、第1の傾斜部131と第2の傾斜部132との間に、凸状で、幅方向に長い押圧部133を形成している。この押圧部133は、上述の反射ミラー87の左端部87aを背面側から押圧して、反射面94を有する表面側を上述の支点部材102,104の支点104等に当接させるものである。板ばね90の板ばね本体130の左端には、補強用の屈曲部134が立設されている。
板ばね本体130の裏面には、右端側及び左端側に、それぞれ下方に向けた係合凸部135,136が、上述の保持部材88の底部95のガイド溝112に対応する位置に形成されている。板ばね90は、図5に示すように、保持部材88の底部95と反射ミラー87の背面との間に、弾性変形した状態で配設されている。すなわち板ばね90は、その板ばね本体130の裏面を底部95に接触させ、係合凸部135,136を底部95のガイド溝112に係合させ、さらに、押圧部133を反射ミラー87の背面に押圧させて弾性変形した状態で配置されている。この状態では、反射ミラー87の左端を支点部材100,102の支点104等と、板ばね90の押圧部133とによって挟持している。
板ばね90は、板ばね本体130が取付部124の裏面に固定されることで、第1のラック部材117によって保持されており、第1のラック部材117の左右方向の移動に伴って、ガイド溝112にガイドされ、反射ミラー87の背面を押圧しながら、左右方向にスライドするようになっている。
板ばね91は、上述の板ばね90と同様に形成されている。すなわち、板ばね90の板ばね本体130、第1の傾斜部131、第2の傾斜部132、押圧部133、屈曲部134、係合凸部135,136と同様の、板ばね本体140、第1の傾斜部141、第2の傾斜部142、押圧部143、屈曲部144、係合凸部145,146を有している。そして、係合凸部145,146を底部95のガイド溝113に係合させ、さらに、押圧部143を反射ミラー87の背面に押圧させて弾性変形した状態で配置されている。この状態では、反射ミラー87の右端を支点部材101,103の支点105等と、板ばね91の押圧部143とによって挟持している。
板ばね91は、板ばね本体140が第2のラック部材118の取付部127の裏面に固定されることで、第2のラック部材118によって保持されており、第2のラック部材118の左右方向の移動に伴って、ガイド溝113にガイドされ、反射ミラー87の背面を押圧しながら、左右方向にスライドするようになっている。
ここで、反射ミラー87の左右方向(長手方向)に沿っての板ばね90,91の位置について、図5に示すように、押圧部133,143がそれぞれ支点104等,105等と一致する位置をホームポジショHPとすると、板ばね90,91は、ホームポジションHPを基準としてこのホームポジションHPに位置するときには、上述の保持部材88の底部95のガイド溝112,113に形成した逃がし部114,115に落ち込んで、反射ミラー87に対する押圧部133,143の押圧力が弱くなるようにしている。これにより、板ばね90,91のスライド動作、ひいては反射ミラー87の湾曲動作が円滑に行われるよう担っている。
以上のような構成のミラー機構80は、例えば、板ばね90,91がホームポジションHPに配置された状態において、ピニオン116を、図4中の矢印a方向に回転させると、第1のラック部材117が左方に移動し、また、第2のラック部材118が右方に移動し、これに伴って、板ばね90,91の押圧部133,143がそれぞれ支点104等,105等よりも外側に位置することになる。これにより、押圧部133,143によって上方に押圧された反射ミラー87は、その表面の反射面94が支点104等,105等を基準として、図5中の一点鎖線で示すように、左右方向(長手方向)中央部が下がった凹状に湾曲する。これに対し、例えば、板ばね90,91がホームポジションHPに配置された状態において、ピニオン116を、図4中の矢印b方向に回転させると、第1のラック部材117が右方に移動し、また、第2のラック部材118が左方に移動し、これに伴って、板ばね90,91の押圧部133,143がそれぞれ支点104等,105等よりも内側に位置することになる。これにより、押圧部133,143によって上方に押圧された反射ミラー87は、その表面の反射面94が支点104等,105等を基準として、図5中の点線で示すように、左右方向(長手方向)中央部が上がった凸状に湾曲する。なお、図5では、説明の便宜上、凹状及び凸状の湾曲の程度を誇張して図示している。
上述の反射ミラー87の反射面94の凹状及び凸状の湾曲の程度は、板ばね90,91を移動させて、支点104等,105等と、押圧部133,143との距離を調整することにより、適宜に設定することができる。
本実施形態においては、ピニオン116の回転により、それぞれ押圧部133,143を有する2つの板ばね90,91をそれぞれが相互に遠ざかるように同期させて移動させることができ、また、この逆に、2つの板ばね90,91をそれぞれが相互に近づくように同期させて移動させることができるので、それぞれの板ばね90,91を個別に移動させる場合と比較して、反射ミラー87の湾曲の方向及び湾曲の程度を調整するための調整作業が容易である。また、2つの板ばね90,91は、同期して、それぞれが対応する支点104等,105等に対して、内側又は外側に移動するので、高い精度で湾曲の補正を行うことができる。
また、上述のように、保持部材88の底部95のガイド溝112,113には、逃がし部114,115が形成されているので、板ばね90,91の押圧部133,143が支点104等,105等の近傍を通過する際の押圧力を低減させることができるので、ピニオン116の軽い回転操作で、板ばね90,91を円滑に移動させて、反射ミラー87の湾曲の向き、及び湾曲の程度を微調整することができる。これにより、最終的に感光ドラム36の表面の走査線の湾曲を、直線状に補正することができる。
なお、反射ミラー87自体の湾曲に起因して感光ドラム36上の走査線が湾曲している場合には、上述の補正により、板ばね90,91をホームポジションHPに配置して反射ミラー87の反射面94を平面状に補正することで、走査線の湾曲を補正することができる。これに対し、例えば、図3に示す第1反射ミラー84,第2反射ミラー85,結像レンズ83等が原因で走査線が湾曲する場合には、反射ミラー87の反射面94を平面状にするのではなく、反射ミラー87を積極的に凹状又は凸状に湾曲させて、最終的に感光ドラム36上の走査線が直線状になるようにすることができる。
図3に示す画像形成装置では、4つの画像形成ステーション32〜35において、光路に沿っての感光ドラム36に直近の第3反射ミラー86を上述のミラー機構80で構成することにより、各色ごとに感光ドラム36上の走査線の湾曲をなくして直線状とし、これにより各色の位置ずれを防止することができる。なお、走査線の湾曲は実際には、ごくわずかなものである。したがって、例えば、4色のうちの1色で画像形成を行う場合には、実用上なんら問題がない場合もある。このような場合には、色ずれの補正に際し、ある1色を基準とし、この色の走査線が精度よく直線状になっているか、又はわずかに湾曲しているかにかかわらず、この基準の色に対して、残りの3色が実際に色ずれを起こさないように、それぞれのミラー機構80を調整すれば十分である。
上述では、本発明をタンデム方式の4色フルカラーの画像形成装置1に適用した場合を例に説明したが、本発明は、もちろん、1つの感光ドラムに対して4色分の現像装置が配設された4色フルカラーの画像形成装置や、モノクロの画像形成装置に対しても同様に適用することが可能であり、この場合にも、同様に、感光ドラム上の走査線を直線状にすることができるという効果をそうする。
さらに、本実施形態では、ミラー機構80全体が、保持部材88に対して、反射ミラー87、板ばね90,91、移動機構92を一体的に組み込んで、ミラーユニットを構成しているので、例えば、保持部材88を画像形成装置本体2側の取付ベース(不図示)に取り付ける際に、この取付ベースに対して保持部材88の左端側と右端側とをそれぞれ独立に高さ調整(取付ベースに対する反射ミラー87の厚さ方向の位置の調整)できるように構成しておけば、反射ミラー87の左右方向(長手方向)の傾斜を簡単に補正することができる。具体的には、例えば、保持部材88の底部95における左右の両端部近傍に、それぞれ調整ねじ(不図示)を螺合させ、さらにこれら調整ねじの端部を取付ベースに当接させるように構成する。そして、これら調整ねじの、底部95からの突出量を適宜に調整することで、ミラーユニット全体の傾斜を補正することが可能である。ミラーユニットの傾斜を補正するための他の構成としては、例えば、保持部材88の底部95の左右方向の一方の端部を揺動自在に支持し、他方の端部を端部の高さを掴む部材(不図示)によって調整するようにしてもよい。
上述では、本発明を露光装置のミラー機構に適用する場合について説明したが、本発明はこの外、一方向に長いミラーを使用して光学系を構成する一般的な場合にも同様に適用することができる。
1……画像形成装置、2……画像形成装置本体、20……シート収納部、22……画像形成部、24……シート搬送部、31……中間転写ベルト(他部材)、36……感光ドラム(感光体)、38……露光装置、40……現像装置、41……1次転写ローラ(転写装置)、80……ミラー機構、87……反射ミラー(反射部材)、87a……反射ミラーの左端部(一端部)、87b……反射ミラーの右端部(他端部)、88……保持部材、92……移動機構、90,91……板ばね(押圧部材)、95……底部、96,97……側壁、104〜107……支点、112,113……ガイド溝(ガイド部)、114,115……逃がし部、116……ピニオン、117……ラック部材(第1のラック部材)、118……ラック部材(第2のラック部材)、123……ラック部(第1のラック部)、126……ラック部(第2のラック部)、133,143……押圧部、K……開口部
Claims (8)
- 一方向に長く形成された長板状の反射ミラーを備え、前記反射ミラーに入射された光を反射して被照射面を主走査するミラー機構において、
前記反射ミラーの長手方向に沿っての一端部及び他端部における、前記被照射面に対向する表面にそれぞれ当接する2つの支点を有し、前記反射ミラーを支持する保持部材と、
前記反射ミラーの前記一端部及び前記他端部における背面側をそれぞれ前記表面側に向けて押圧部を介して押圧しながら前記反射ミラーの長手方向に沿って移動可能な2つの押圧部材と、
前記2つの押圧部材を、前記反射ミラーの長手方向中央側に同期させて移動させ、又は長手方向端部側に同期させて移動させる移動機構と、を備え、
前記2つの押圧部材を移動させて、それぞれの前記押圧部をそれぞれの前記支点よりも外側に配置することで前記反射ミラーを前記被照射面に向けて凹状に湾曲させ、それぞれの前記押圧部をそれぞれの前記支点よりも内側に配置することで前記反射ミラーを前記被照射面に向けて凸状に湾曲させる、
ことを特徴とするミラー機構。 - 前記保持部材に対し、前記反射ミラー、前記押圧部材、前記移動機構を一体的に組み込んでミラーユニットを構成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のミラー機構。 - 前記保持部材は、前記反射ミラーに沿って長い底部と、前記底部の幅方向の両端に立設された側壁とにより、長手方向に直交する断面が「コ」字形に形成されるとともに、開口部に前記反射ミラーが配設され、前記底部に前記押圧部材の移動をガイドするガイド部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のミラー機構。 - 前記支点は、前記側壁の先端から前記開口部に向かって突設されている、
ことを特徴とする請求項3に記載のミラー機構。 - 前記ガイド部は、前記押圧部材の移動に伴って前記押圧部が前記支点に対応する近傍を通過する際に押圧力を低減するための逃がし部を有する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のミラー機構。 - 前記移動機構は、長手方向外側部分に一方の前記押圧部材が取り付けられるとともに長手方向中央側に延びる第1のラック部を有する第1のラック部材と、長手方向外側部分に他方の前記押圧部材が取り付けられるとともに長手方向中央側に延びる第2のラック部を有する第2のラック部材と、前記第1のラック部及び第2のラック部とに噛合するピニオンとを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のミラー機構。 - 画像情報に応じてレーザ光を発光するレーザ発振器と、前記レーザ発振器から発光されたレーザ光を反射させて被照射面を主走査する反射部材とを備えた露光装置において、
前記反射部材が、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のミラー機構によって構成されている、
ことを特徴とする露光装置。 - 被照射面に静電潜像が形成される感光体と、前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像を現像する現像装置と、現像された現像剤像を他部材に転写する転写装置とを備えた画像形成装置において、
前記露光装置が、請求項7に記載の露光装置である、
ことを特徴とする画像形成装置。
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2007
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