JP2013111062A - 茶生葉の迅速加熱乾燥方法及び装置 - Google Patents

茶生葉の迅速加熱乾燥方法及び装置 Download PDF

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亮平 辻
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Abstract

【課題】従来の煎茶の製造のように、茶生葉の加熱乾燥と形状を整えるための多段の工程を経ることなく、茶生葉を急速に加熱乾燥し、乾燥茶葉を製造する、乾燥茶葉の迅速製造方法及び装置において、急速な乾燥によっても、色度、香味の低下を来すことなく、色度や香味に優れた乾燥茶葉を製造する乾燥茶葉の迅速製造方法及び装置を提供すること。
【解決手段】装置内に設けられたベルトと加熱ドラムの少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトとドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱するか、或いは、乾燥室内に設けられた加熱手段により加熱された金属板に近接する通気性ネットコンベア上に茶生葉を投入し、加熱するかして、茶生葉の殺青処理及び/又は加熱乾燥処理を行う茶生葉加熱乾燥方法において、茶生葉の殺青処理工程の後に、殺青処理茶葉を切断処理する工程を設けたことにより、急速な乾燥による茶葉の乾燥不足、色度低下、香味不足という色度、香味の低下を改善して、煎茶のような色度や香味に優れた乾燥茶葉を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、従来の煎茶の製造のように茶生葉の蒸熱、揉捻及び加熱乾燥による茶葉の揉捻、乾燥と形状を整えるための多段の工程を経ることなく、茶生葉を迅速に加熱乾燥し、しかも、液色及び香味を整えて、高香味及び高色度の乾燥茶葉を迅速に製造する方法及びそのための装置に関する。すなわち、茶飲料を容易に飲用可能としたティーバッグや、容器詰め飲料製造のための茶原料、或いは食品添加物としての茶の需要等に対応し、該茶の需要に即した香味、色度の良いお茶を、茶生葉の短時間の処理で効率的かつ迅速に製造する方法及びそのための装置に関する。
従来より、煎茶の加工工程は、蒸熱工程、粗揉工程、揉捻工程、中揉工程、精揉工程、乾燥工程の6つの工程からなり、それぞれの工程において異なる機械により、バッチで茶の製造処理を実施している(「茶の化学」村松敬一郎、朝倉書店(1991年)p52−p67)。かかる製茶の機械を備えた製茶施設では、旧来の人手による茶製造を機器で模倣して大型化・自動化されるとともに、高価な機械を複数そろえなければ茶の製造を行うことができず、設備コストがかかり、機械、設備に要する費用も巨額となり、広大な場所を確保する必要が生じてきた。そして、かかる煎茶の製造においては、設備コストがかかるだけではなく、該製茶の機械を用いた煎茶の製造に要する時間及び製造後の機械の洗浄時間も長時間で、かつ、複雑な機械の操作が必要になった。例えば、従来の、煎茶の製造では、蒸熱工程から乾燥工程まで、3時間程度かかり、また、蒸熱処理や揉捻処理の条件の微妙な調整操作が要求された。
近年、外出先や勤務先等で簡便に茶飲料を飲用したいとするニーズが著しく上昇し、家庭内における急須等を用いて淹れる煎茶としての利用が主であった茶の消費形態が大きく変化し、ティーバッグや、容器詰め飲料製造のための茶原料或いは食品添加物としての茶の需要が増大した。従来の蒸し製緑茶(煎茶)は、まっすぐに成型された伸び形であるが、ティーバッグや容器詰め飲料茶というような利用形態においては、従来の煎茶の製造において重要であった、製品茶葉の形状を整えるという要件が必ずしも必要でなくなったため、茶の利用形態に即した、従来の煎茶の加工工程にこだわらない新しい製茶機の開発が行われた。
例えば、特公平05−70410号公報には、互いに反対方向に回転する2個のローラーを用い、適宜の加熱手段によって表面温度150〜250℃に加熱した収穫した茶葉類を、該ローラーの系合面間に供給把持せしめ、茶葉類を高温高圧下に、数秒以下の極短時間熱処理を施し、把持圧から解放することによって急冷、乾燥せしめ、次いで、粉砕機で微粉末にすることにより、飲用或いは飲食品等の添加物として利用できる粉末茶類を短時間で製造する方法が開示されている。
また、最近、従来の複数の機械を用いて複数の工程により行なわれた緑茶等の加工を一台の機械で行うオールインワン製茶機の開発がおこなわれている(農業機械学会、第57回大会、講演要旨集、p195−196、平成10年4月;特開平11−169076号公報)。この製茶機は、その少なくとも一方を通気可能な状態として張設したベルトと該ベルトの一部に圧接するドラムと、前記ベルトとドラムを駆動するための駆動手段と、前記ベルトとドラムを加熱する加熱手段とより構成され、ベルトとドラムの間に茶葉を投入し、加熱、圧接することにより、ベルトと圧接するドラム間で茶葉を熱伝導加熱乾燥を行い、短時間の機械の操作で乾燥茶葉を製造する製茶装置となっている。この茶製造装置を用いた方法により、単一の装置にて短時間で茶を製造することができ、その操作も簡便であることから、茶製造におけるコストダウンをはかることができるというメリットがある。しかしながら、この製茶機で得られた茶は乾燥むらや乾燥不足が発生する場合があり、更に、製品に青臭さが残り、香味上満足することができる茶製品を製造するまでには至っていなかった。また、処理に長時間を要するため処理能力の低さが実用化を妨げる欠点として指摘されていた。
そこで、オールインワン製茶機を用いた茶製造における上記にある乾燥むらや香味特徴の問題を解決するために、オールインワン製茶機の実用改良試作機が開発されている(農業機械学会、第58回大会、講演要旨集、p309−310、平成11年4月;茶研報87、p150−151、1998)。この改良機は、上記オールインワン製茶機における、茶芽の葉と茎の厚みや含水率差に起因する乾燥むらなどの問題点を解決するために、(1)茎を加熱部に圧着させるドラムを設け、(2)加熱ドラムをもう1つ追加して乾燥不足を補い、(3)大型化に対応して水分排出用の穴をドラムからベルトに移した構造のものとなっている。この改良機では、茶の乾燥むらや乾燥不足がほとんど発生することはなく、排出用穴をドラムからベルトに配置変えしたことにより、茶葉乾燥時の水分排出効果を高くすることが可能となった。更に、ドラムを1段から2段としたことで、乾燥茶葉の香味バリエーションが付与され、改良前よりも青臭さが少なく香味をある程度は改善することができた。しかしながら、該改良機を用いた茶の製造においても、まだ茶葉の青臭さが残っており、香味上満足する茶製品の製造結果が得られず、実用化にはいたっていなかった。
また、オールインワン製茶機を用いた茶製造における問題を解決するために、オールインワン製茶機の改良試作機が開発されている(農業機械学会、第59回大会、講演要旨集、p127−128、平成12年4月)。この改良機は、上記オールインワン製茶機の実用改良試作機において、茶葉材料の供給と加熱方法を改良するために、(1)メイン加熱ドラムにガスバーナが一本追加され、(2)生葉を供給するベルトコンベヤが追加された。しかしながら、この改良機を用いた茶の製造においても、まだ香味上満足する茶製品の製造結果が得られず、また、処理能力の低さが依然として指摘され、実用化にはまだ問題が残されていた。
更に、オールインワン製茶機を用いた乾燥茶葉の製造において、製造する乾燥茶葉の香味及び液色を向上するために、該製茶機に投入する茶葉の前処理として、茶葉の蒸し及び/又は揉み処理する手段を設けた、改良オールインワン製茶機が開発されている(特開2010−259387号公報)。この改良機は、装置内に設けられたベルトとドラムの少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトとドラムの間に茶葉を投入し、加熱手段により加熱して、ベルトと圧接するドラム間で茶葉を熱伝導加熱乾燥を行うオールインワン製茶機において、該製茶機に投入する茶葉の前処理として、茶葉の蒸し及び/又は揉み処理する手段を設けた構造の製茶機からなる。
一方で、茶生葉の殺青処理及び/又は加熱乾燥処理を、筺体内に設けられた加熱手段により加熱された金属板に近接する通気性ネットコンベア上に茶生葉を投入して行うタイプの茶生葉加熱乾燥装置が開発されている(特開2009−142235号公報)。この装置は、通気性のネットコンベア本体を張設した速度変更可能なネットコンベアの始端側から所望の厚さにて茶生葉を連続して加熱処理するものであり、該ネットコンベア上に茶生葉加熱室を有する筐体と、該ネットコンベア下面に接する、加熱手段により加熱された金属板とを配置した構造からなるものである。この装置は、茶生葉加熱について、自由に処理時間の設定、変更が任意にでき且つ構造が簡単で安価に製作でき、しかも使い易い構造とした装置であり、水分の多い軟らかな芽でも、凝縮水が付着することを無くし、硬葉においても、充分に殺青を進めることができるように改良されている。
上記のように、乾燥茶葉の新しいニーズに伴い、従来の煎茶の製造のように多段の工程により茶葉の乾燥と整形を行う乾燥茶葉の製造ではなく、製品茶葉の形状を整えることなく、茶生葉を加熱乾燥して、迅速に乾燥茶葉を製造する各種の方法及び装置が開発されている。そして、それらの改良もなされている。しかしながら、多段の工程及び長時間をかけて、乾燥茶葉の製造を行う煎茶の製造に比較して、短時間の加熱乾燥により乾燥茶葉の製造を行う上記のような迅速茶生葉加熱乾燥では、急速な乾燥による乾燥不足、色度低下、香味不足という色度、香味への影響が避けられない。すなわち、上記のような製茶機を用いた乾燥茶葉の製造においては、依然として従来から問題となっていた青臭さの問題が残されており、また、乾燥不足も指摘されて、該製茶機を用い、従来の煎茶のような色度、香味の乾燥茶葉を製造するには、依然として課題が残っている。
特公平05−70410号公報。 特開平11−169076号公報。 特開2009−142235号公報。 特開2010−259387号公報。
「茶の化学」村松敬一郎、朝倉書店(1991年)p52−p67。 農業機械学会、第57回大会、講演要旨集(平成10年4月)、p195−196。 農業機械学会、第58回大会、講演要旨集(平成11年4月)、p309−310。 茶研報87、p150−151、1998。 農業機械学会、第59回大会、講演要旨集(平成12年4月)、p127−128。
本発明の課題は、従来の煎茶の製造のように、茶生葉の蒸熱、揉捻及び加熱乾燥による茶葉の揉捻、乾燥と形状を整えるための多段の工程を経ることなく、茶生葉を急速に加熱乾燥し、短時間のうちに乾燥茶葉を製造する、乾燥茶葉の迅速製造方法及び装置において、急速な乾燥による茶葉の乾燥不足、色度低下、香味不足という色度、香味の低下を改善して、煎茶のような色度や香味に優れた乾燥茶葉を短時間の加熱乾燥により製造する乾燥茶葉の迅速製造方法及び装置を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、装置内に設けられたベルトと加熱ドラムの少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトと加熱ドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱するか、或いは、乾燥室内に設けられた加熱手段により加熱された金属板に近接する通気性ネットコンベア上に茶生葉を投入し、短時間の加熱乾燥処理により茶生葉の殺青処理及び/又は加熱乾燥処理を行って、乾燥茶葉を製造する茶生葉加熱乾燥方法において、急速な乾燥による茶葉の乾燥不足、色度低下、香味不足という色度、香味の低下を改善する方法について鋭意検討する中で、茶生葉の殺青処理工程の後に、殺青処理茶葉を切断処理する工程を設けることにより、急速な乾燥による方法によっても、効果的な乾燥が得られ、しかも、色度、香味の低下を改善し、液色に優れ、香味良好な乾燥茶葉を製造することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、装置内に設けられたベルトと加熱ドラムの少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトとドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱するか、或いは、乾燥室内に設けられた加熱手段により加熱された金属板に近接する通気性ネットコンベア上に茶生葉を投入し、加熱するかして、茶生葉の殺青処理及び/又は加熱乾燥処理を行う茶生葉加熱乾燥方法において、茶生葉の殺青処理工程の後に、殺青処理茶葉を切断処理する工程を設けたことを特徴とする茶生葉加熱乾燥方法からなる。
本発明の茶生葉加熱乾燥方法は、基本的には、(1)装置内に設けられたベルトと加熱ドラムの少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトとドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱するか、或いは、乾燥室内に設けられた加熱手段により加熱された金属板に近接する通気性ネットコンベア上に茶生葉を投入し、加熱するかして、茶生葉の殺青処理及び加熱乾燥処理を行う第1の茶生葉加熱乾燥工程、(2)殺青処理及び加熱乾燥処理を行った茶生葉を茶生葉カッターで切断する茶葉切断工程、(3)切断した茶葉をドラムドライヤー、コンベア式熱風乾燥機、スチームチューブドライヤー、凍結乾燥機又は気流式乾燥機等から選ばれる茶葉乾燥に適用可能な任意の加熱乾燥処理手段により加熱乾燥処理を行う第2の茶生葉加熱乾燥工程、から構成される。
本発明の茶生葉加熱乾燥方法においては、茶葉切断工程と、第2の茶生葉加熱乾燥工程の間に、茶葉の揉捻処理を施す茶葉揉捻処理工程を設けることによって、茶葉の加熱乾燥処理をより効果的に行うことができる。
本発明は、装置内に設けられたベルトと加熱ドラム(D1)の少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトと加熱ドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱するか、或いは、乾燥室(R1)内に設けられた加熱手段(H1)により加熱された金属板(M1)に近接する通気性ネットコンベア(X)上に茶生葉を投入し、加熱するかして、茶生葉の殺青処理及び加熱乾燥処理を行う第1の茶生葉加熱乾燥手段;殺青処理及び加熱乾燥処理を行った茶生葉を茶生葉カッター(C)で切断する茶葉切断手段;ドラムドライヤー、コンベア式熱風乾燥機、スチームチューブドライヤー、凍結乾燥機または気流式乾燥機等から選ばれる茶葉乾燥に適用可能な任意の加熱乾燥手段により加熱乾燥処理を行う第2の茶生葉加熱乾燥手段を設けた茶生葉加熱乾燥装置を包含する。
本発明の茶生葉加熱乾燥装置においては、茶生葉カッター(C)等の茶葉切断手段と、第2の茶生葉加熱乾燥手段の間に、茶葉を揉捻ローラーにより揉捻処理を施す茶葉揉捻処理手段を設けることにより、茶葉の加熱乾燥処理をより効果的に行うことができるとともに茶の抽出効率を顕著に向上させることができる。
すなわち具体的には本発明は、(1)茶生葉の殺青処理及び/又は加熱乾燥処理を行う茶生葉加熱乾燥方法において、茶生葉の殺青処理工程の後に、殺青処理茶葉を切断処理する工程を設けたことを特徴とする茶生葉加熱乾燥方法や、(2)装置内に設けられたベルトと加熱ドラムの少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトとドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱するか、或いは、乾燥室内に設けられた加熱手段により加熱された金属板に近接する通気性ネットコンベア上に茶生葉を投入し、加熱するかして、茶生葉の殺青処理及び/又は加熱乾燥処理を行う茶生葉加熱乾燥方法において、茶生葉の殺青処理工程の後に、殺青処理茶葉を切断処理する工程を設けたことを特徴とする上記(1)記載の茶生葉加熱乾燥方法からなる。
また、本発明は、(3)装置内に設けられたベルトと加熱ドラムの少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトとドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱するか、或いは、乾燥室内に設けられた加熱手段により加熱された金属板に近接する通気性ネットコンベア上に茶生葉を投入し、加熱するかして、茶生葉の殺青処理及び加熱乾燥処理を行う第1の茶生葉加熱乾燥工程;殺青処理及び加熱乾燥処理を行った茶生葉を茶生葉カッターで切断する茶葉切断工程;切断した茶葉を第1の茶生葉加熱乾燥工程と同じ、ベルトと加熱ドラム或いは金属板と通気性ネットコンベアからなる加熱乾燥処理手段により加熱乾燥処理を行う第2の茶生葉加熱乾燥工程;により茶生葉の殺青処理及び/又は加熱乾燥処理を行うことを特徴とする上記(2)記載の茶生葉加熱乾燥方法や、(4)茶葉切断工程と、第2の茶生葉加熱乾燥工程の間に、茶葉を揉捻ローラーにより揉捻処理を施す茶葉揉捻処理工程を設けたことを特徴とする上記(3)記載の茶生葉加熱乾燥方法からなる。
更に、本発明は、(5)装置内に設けられたベルトと加熱ドラムの少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトと加熱ドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱するか、或いは、乾燥室内に設けられた加熱手段により加熱された金属板に近接する通気性ネットコンベア上に茶生葉を投入し、加熱するかして、茶生葉の殺青処理及び加熱乾燥処理を行う第1の茶生葉加熱乾燥手段;殺青処理及び加熱乾燥処理を行った茶生葉を茶生葉カッターで切断する茶葉切断手段;切断した茶葉を第1の茶生葉加熱乾燥手段と同じ、ベルトと加熱ドラム或いは金属板と通気性ネットコンベアからなる加熱乾燥手段により加熱乾燥処理を行う第2の茶生葉加熱乾燥手段;を設けたことを特徴とする茶生葉加熱乾燥装置や、(6)茶葉茶葉切断手段と、第2の茶生葉加熱乾燥手段の間に、茶葉を揉捻ローラーにより揉捻処理を施す茶葉揉捻処理手段を設けたことを特徴とする上記(5)記載の茶生葉加熱乾燥装置からなる。
茶飲料を容易に飲用可能としたティーバッグや、容器詰め飲料製造のための茶原料、或いは食品添加物としての茶の需要等に対応して、従来の煎茶の製造のように、茶生葉の蒸熱、揉捻及び加熱乾燥による茶葉の揉捻、乾燥と形状を整えるための多段の工程を経ることなく、茶生葉を急速に加熱乾燥し、短時間のうちに乾燥茶葉を製造する乾燥茶葉の迅速製造方法及び装置において、本発明は、かかる乾燥茶葉の迅速製造方法及び装置における、急速な乾燥にもかかわらず、乾燥不足や、茶葉の青臭さのような香味の低下或いは色度低下を来すことなく、液色に優れ、香味良好な、高香味及び高色度の乾燥茶葉を製造できる乾燥茶葉の迅速製造方法及び装置を提供する。
図1は、特開2010−259387号公報に開示された、本発明の生葉加熱乾燥装置の基本構造の装置である、装置内に設けられたベルトと加熱ドラムの少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトとドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱するオールインワン形式の製茶機の基本構造を示す図である。 図2は、特開2009−142235号公報に開示された、本発明の生葉加熱乾燥装置の基本構造の装置である、乾燥室内に設けられた加熱手段により加熱された金属板に近接する通気性ネットコンベア上に茶生葉を投入し、加熱する形式の茶生葉加熱処理装置の基本構造を示す図である。 図3は、本発明の実施例における、装置内に設けられたベルトと加熱ドラムの少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトとドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱するオールインワン形式の製茶機に、茶生葉の殺青処理工程の後に、殺青処理茶葉を切断処理する手段を設けた構造の茶生葉加熱乾燥装置を示す図である。 図4は、本発明の実施例における、乾燥室内に設けられた加熱手段により加熱された金属板に近接する通気性ネットコンベア上に茶生葉を投入し、加熱する形式の茶生葉加熱処理装置において、第1の茶生葉加熱乾燥手段、殺青処理及び加熱乾燥処理を行った茶生葉を茶生葉カッターで切断する茶葉切断手段、茶葉を揉捻ローラーにより揉捻処理を施す茶葉揉捻処理手段、及び、第2の茶生葉加熱乾燥手段を設けた構造の茶生葉加熱乾燥装置を示す図である。 図5は、本発明の茶葉切断(カット)工程を設けた茶生葉加熱乾燥方法を用いて製造した容器詰茶飲料について、官能評価試験を行った結果について示した図である。
本発明は、装置内に設けられたベルトと加熱ドラムの少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトとドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱するか、或いは、乾燥室内に設けられた加熱手段により加熱された金属板に近接する通気性ネットコンベア上に茶生葉を投入し、加熱するかして、茶生葉の殺青処理及び/又は加熱乾燥処理を行う茶生葉加熱乾燥方法において、茶生葉の殺青処理工程(或いは手段)の後に、殺青処理茶葉を切断処理する工程(或いは手段)を設けた茶生葉加熱乾燥方法及び茶生葉加熱乾燥装置からなる。茶生葉加熱乾燥方法及び茶生葉加熱乾燥装置を以下、図面によって説明する。
本発明の方法を実施するための第1の実施の形態の装置を、図3に示す。図3に示される茶生葉加熱乾燥装置は、装置内に設けられたベルトと加熱ドラムの少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトとドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱するオールインワン形式の製茶機であり、本発明において茶生葉の殺青処理工程の後に、殺青処理茶葉を切断処理する手段を設けた点を除いて、基本的構造は、特開2010−259387号公報に開示されている。該装置は、装置内に設けられたベルトと加熱ドラム(D1、D2)の少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトと加熱ドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱する構造の第1及び第2の2つの茶生葉加熱乾燥手段を有し、第1の茶生葉加熱乾燥手段の後には、殺青処理及び加熱乾燥処理を行った茶生葉を茶生葉カッター(C)で切断する茶葉切断手段が設けられている。
該装置を用いて茶生葉加熱乾燥を行うには、フィーダーから装置内に設けられたベルト(図1及び図3ではネットコンベア(X)が用いられている)と第1加熱ドラム(D1)とで構成される第1の茶生葉加熱乾燥手段に、生茶葉を投入し、生茶葉の殺青処理及び加熱乾燥処理を行う。殺青処理及び加熱乾燥処理を行った茶生葉は、茶生葉カッター(C)を装備した茶葉切断手段で切断する。かかる茶生葉カッター(C)としては、従来、生茶葉の切断や、荒茶の整形のために用いられている公知の茶葉切断装置を適宜、用いることができる(特開平11−196768号公報、特開2000−236811号公報、特開2002−125592号公報、特開2004−195641号公報)。茶葉の切断(カット)のサイズは、特に限定されないが、10〜30mmの大きさに切断されることが好ましい。茶葉切断手段によって、切断処理を行った茶葉は、ドラムドライヤー、コンベア式熱風乾燥機、スチームチューブドライヤー、凍結乾燥機または気流式乾燥機等から選ばれる茶葉乾燥に適用可能な任意の第2の茶生葉加熱乾燥手段により更に加熱乾燥処理が施され、乾燥茶葉が製造される。該茶生葉加熱乾燥装置においては、茶生葉カッター(C)を装備した茶葉切断手段の後に、茶葉を揉捻ローラーにより揉捻処理を施す茶葉揉捻処理工程(図示せず)を設けることができる。また、該茶生葉加熱乾燥装置においては、該装置に投入する茶葉の前処理として、生茶葉を蒸し及び/又は揉み処理する工程を設けて、生茶葉の殺青を促進することができる。
本発明の方法を実施するための第2の実施の形態の装置を、図4に示す。図4に示される茶生葉加熱乾燥装置は、乾燥室(R1)内に設けられた加熱手段(H1)により加熱された金属板(M1)に近接する通気性ネットコンベア(X)上に茶生葉を投入し、加熱して、茶生葉の殺青処理及び加熱乾燥処理を行う第1の茶生葉加熱乾燥手段;殺青処理及び加熱乾燥処理を行った茶生葉を茶生葉カッター(C)で切断する茶葉切断手段;切断した茶葉を揉捻ローラー(L)により揉捻処理を施す茶葉揉捻処理手段;揉捻処理を施した茶葉を第2乾燥室(R2)内に設けられた加熱手段(H2)により加熱された金属板(M2)に近接する通気性ネットコンベア(X)上に投入し、加熱して、更に茶葉の加熱乾燥処理を行う第2の茶生葉加熱乾燥手段から構成されている。該装置の基本構造は、第1の茶生葉加熱乾燥手段の後に、殺青処理及び加熱乾燥処理を行った茶生葉を茶生葉カッター(C)で切断する茶葉切断手段、及び切断した茶葉を揉捻ローラー(L)により揉捻処理を施す茶葉揉捻処理手段を設けた点を除いて、特開2009−142235号公報に開示されている。本発明の実施の形態において、図4の装置において、茶葉を揉捻ローラー(L)により揉捻処理を施す茶葉揉捻処理手段は、これを適宜省略することができる。また、図4の装置において、茶葉揉捻処理手段の後に、茶生葉を茶生葉カッター(C)で切断する茶葉切断手段を追加することもできる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
<試験方法>
[試験1:カット→殺青→揉捻→乾燥;カッターミル・スリット;30]
原料茶葉としては、試験当日に摘採した緑茶「やぶきた品種」の生葉を用いた。
(1)茶生葉カット:増幸産業(株)製カッターミルを用いた。茶生葉をカッターミル(スリット径φ30mm)で破断後、直ちに本発明機に投入した。
(2)加熱:カット茶生葉を本発明機に投入後、ネット型ベルトコンベア上で加熱する装置にて180℃、150秒間加熱し、殺青処理を行った。
(3)揉捻:加熱後、殺青茶葉がネット型ベルトコンベアから揉捻ローラーに流入し、揉捻ローラーにより圧搾及び揉みこみを行った。
(4)乾燥:揉捻ローラーから熱風乾燥機に流入した茶葉を100℃、30分間乾燥した。
[試験2:殺青→カット→揉捻→乾燥;カッターミル・スリット;30]
原料茶葉としては、試験当日に摘採した緑茶「やぶきた品種」の生葉を用いた。
(1)加熱:茶生葉を本発明機に投入後、ネット型ベルトコンベア上で加熱する装置にて180℃、150秒間加熱し、殺青処理を行った。
(2)茶葉カット:殺青後の茶葉を増幸産業(株)製カッターミルを用いて破断した(カッターミル(スリット径φ30mm))。破断後、直ちに揉捻ローラーに投入した。
(3)揉捻:殺青及びカット後の茶葉を揉捻ローラーに投入し、揉捻ローラーにより圧搾及び揉みこみを行った。
(4)乾燥:揉捻ローラーから粗揉機型巻き上げ式熱風乾燥機に流入した茶葉を100℃、30分間乾燥した。
[試験3:カット→殺青→揉捻→乾燥;カッターミル・スリット;12]
原料茶葉としては、試験当日に摘採した緑茶「やぶきた品種」の生葉を用いた。
(1)茶生葉カット:増幸産業(株)製カッターミルを用いた。茶生葉をカッターミル(スリット径φ12mm)で破断後、直ちに本発明機に投入した。
(2)加熱:カット茶生葉を本発明機に投入後、ネット型ベルトコンベア上で加熱する装置にて180℃、150秒間加熱し、殺青処理を行った。
(3)揉捻:加熱後、殺青茶葉がネット型ベルトコンベアから揉捻ローラーに流入し、揉捻ローラーにより圧搾及び揉みこみを行った。
(4)乾燥:揉捻ローラーから粗揉機型巻き上げ式熱風乾燥機に流入した茶葉を100℃、30分間乾燥した。
[試験4:殺青→カット→揉捻→乾燥;カッターミル・スリット;12]
原料茶葉としては、試験当日に摘採した緑茶「やぶきた品種」の生葉を用いた。
(1)加熱:茶生葉を本発明機に投入後、ネット型ベルトコンベア上で加熱する装置にて180℃、150秒間加熱し、殺青処理を行った。
(2)茶葉カット:殺青後の茶葉を増幸産業(株)製カッターミルを用いて破断した(カッターミル(スリット径φ12mm))。破断後、直ちに揉捻ローラーに投入した。
(3)揉捻:殺青及びカット後の茶葉を揉捻ローラーに投入し、揉捻ローラーにより圧搾及び揉みこみを行った。
(4)乾燥:揉捻ローラーから粗揉機型巻き上げ式熱風乾燥機に流入した茶葉を100℃、30分間乾燥した。
[試験5:カットなし;殺青→揉捻→乾燥]
原料茶葉としては、試験当日に摘採した緑茶「やぶきた品種」の生葉を用いた。
(1)加熱:茶生葉を本発明機に投入後、ネット型ベルトコンベア上で加熱する装置にて180℃、150秒間加熱し、殺青処理を行った。
(3)揉捻:加熱後、殺青茶葉がネット型ベルトコンベアから揉捻ローラーに流入し、揉捻ローラーにより圧搾及び揉みこみを行った。
(4)乾燥:揉捻ローラーから粗揉機型巻き上げ式熱風乾燥機に流入した茶葉を100℃、30分間乾燥した。
[試験6:揉捻なし;殺青→カット→乾燥;カッターミル・スリット;30]
原料茶葉としては、試験当日に摘採した緑茶「やぶきた品種」の生葉を用いた。
(1)加熱:茶生葉を本発明機に投入後、ネット型ベルトコンベア上で加熱する装置にて180℃、150秒間加熱し、殺青処理を行った。
(2)茶葉カット:殺青後の茶葉を増幸産業(株)製カッターミルを用いて破断した(カッターミル(スリット径φ30mm))。破断後、直ちに乾燥機に投入した。
(3)乾燥:粗揉機型巻き上げ式熱風乾燥機に流入した茶葉を100℃、30分間乾燥した。
[試験7:殺青→揉捻→カット→乾燥;カッターミル・スリット;30]
原料茶葉としては、試験当日に摘採した緑茶「やぶきた品種」の生葉を用いた。
(1)加熱:茶生葉を本発明機に投入後、ネット型ベルトコンベア上で加熱する装置にて180℃、150秒間加熱し、殺青処理を行った。
(2)揉捻:殺青後の茶葉を揉捻ローラーに投入し、揉捻ローラーにより圧搾及び揉みこみを行った。
(3)茶葉カット:殺青後及び揉捻後の茶葉を増幸産業(株)製カッターミルを用いて破断した(カッターミル(スリット径φ30mm))。破断後、直ちに乾燥機に流入させた。
(4)乾燥: 揉捻ローラーを通過し、カット後に粗揉機型巻き上げ式熱風乾燥機に流入した茶葉を100℃、30分間乾燥した。
<結果>
茶生葉カッター処理が茶葉の乾燥に与える影響を調べるために、茶葉の最終の含水率を測定した結果を表1に示す。表1に示すように、茶生葉の殺青前後に関わらず、茶葉をカットするほうが(試験区1〜4,6,7)、カットしない場合(試験区5)に比較して、明らかな乾燥効率の向上が確認された。この傾向は茶生葉の加熱処理のタイミングおよび揉捻ローラーの有無およびそのタイミングによらないことが明らかとなった。これにより、加熱装置による殺青処理の前または後に茶をカットすることで、より短い乾燥時間で適切に乾燥された茶葉を製造できることが判明した。
<容器詰茶飲料の製造と官能評価試験>
実施例1で得られた茶葉を使用し、パイロットプラントにおいて容器詰緑茶飲料(スチール缶飲料とPET飲料)を通常の方法(「最新・ソフトドリンクス」p487−p495参照(平成15年発行;(株)光琳))により製造した。尚、容器詰緑茶飲料はそれぞれのサンプルでタンニン値を合わせて調合した。尚、タンニン値は酒石酸鉄試薬を利用した比色定量法で測定した。尚、缶飲料ではレトルト殺菌、PET飲料ではUHT殺菌を実施した。製造した緑茶抽出液のBrix値を測定することで、抽出効率を測定すると共に、液色を色差計によりa値とb値を測定し、それぞれの項目についてコントロールと比較した。なお、緑茶飲料の色度のコントロールとして、通常の方法で得られた茶葉より抽出した容器詰緑茶飲料を用いた。
<結果>
結果を、表2および図6に示す。尚、図中の数字は実施例1で製茶を行った試験区に相当するものとする。
(1)抽出効率に関して:表2に示すように、本願の製茶法で製茶した場合、揉捻ローラーを使用しなかったとき以外の条件において、通常の製茶と比較して、より抽出効率がよくなることが判明した。茶葉を揉捻ローラーにかけずに製茶した場合(試験区6)、揉捻ローラーをかけたとき(試験区1〜5,7)と比較して、抽出効率が大きく低下することが判明した。よって、揉捻ローラーをかけることで、より効率よく成分を抽出できる茶葉を製造できることが明らかとなった。
(2)容器詰飲料の液色に関して:図5に示すように、茶葉をカットせずに製茶をすると、Ctrlと比較して、a値もb値も大きく異なった値を示す(試験区5を参照)。また、殺青処理を行う前に茶葉をカットした場合、カットしなかったときと比較して、更にa値もb値も大きな値となる(試験区1および3を参照)。これは茶葉をカットすることによって萎凋(発酵)が進んでしまったことによるものと考えられる。その一方で、殺青後にカットした茶葉を使用した場合、カットしなかったときと比較して、試験区2を除き、a値もb値も明らかにCtrlに近い値を示す(試験区4,6,7を参照)。すなわち、殺青処理後に茶葉をカットすることにより、緑茶として良好な液色となる茶葉を製造できることが判明した。
実施例1で得られた茶葉を使用し、実施例2と同様の方法により、パイロットプラントにおいて容器詰緑茶飲料を製造し、抽出効率を測定すると共に、液色を色彩色度計によりa値とb値を測定し、それぞれの項目についてコントロールと比較した。なお、緑茶飲料の色度のコントロールとして、通常の方法で得られた茶葉より抽出した容器詰緑茶飲料を用いた。
<容器詰茶飲料の製造と官能評価試験>
実施例1で得られた茶葉を使用し、実施例2と同様の方法により、パイロットプラントにおいて容器詰緑茶飲料を製造し、官能評価により、製造された緑茶の評価を行った。
<評価方法>
(1)官能評価は香味に敏感なパネリスト10名を選定し実施した。
(2)容器詰飲料を作成ののち、スチール缶の場合はレトルト殺菌を、PETボトルの場合はUHT殺菌を行い、1週間20℃で保管した後に官能評価した。
(3)官能評価基準:
「香気」:1〜5点の5段階評価とした。評価基準は1点:明らかに足りない;5点:十分ある、とした。
「呈味の濃さ」:1〜5点の5段階評価とした。評価基準は1点:明らかに足りない;5点:十分ある、とした。
「萎凋香の強さ」:1〜5点の5段階評価とした。評価基準は1点:萎凋香がかなり感じられる;5点:萎凋香が感じられない、とした。
<結果>
結果を、表3に示す。
(1)茶生葉カッター処理およびそのタイミングが茶飲料の香味に与える影響:
表3に示すように、官能評価を行った結果、試験区1または試験区3で得られた茶葉は萎凋香がかなり感じられることが明らかとなったが、試験区2または試験区4の茶葉から抽出した浸出液には萎凋香が感じられなかった。これは加熱装置によって酸化酵素を失活させる前に茶葉をカットしたことによって萎凋(発酵)が進んでしまったことによるものと考えられる。また、加熱処理後に茶生葉カッター処理を行った試験区2,4の茶葉は、カッターを用いない試験区5と比較しても、香味に大きな影響を与えなかった。これより、加熱装置による殺青処理後に茶葉をカットすることで不快な萎凋(発酵)香のなく、緑茶として十分な香味を兼ね備えた飲料となるような茶葉を製造できることが判明した。実施例1と同様に10人で官能評価を行った結果、明らかに試験区2または試験区4の茶葉を使用した容器詰飲料(スチール缶飲料とPET飲料)が試験区1または試験区3で得られた茶葉の場合よりも萎凋香が少ないことを確認した。
(2)揉捻ローラー処理およびそのタイミングが茶飲料の香味に与える影響:
表3に示すように、官能評価を行った結果、揉捻ローラーを使用しない茶葉(試験区6)および揉捻ローラー処理のタイミングを変えて製造した茶葉(試験区2および7)を使用した容器詰飲料(スチール缶飲料とPET飲料)において、いずれの試験区でも香味、呈味に大きな影響はなく、緑茶として十分な香味を兼ね備えた飲料となるような茶葉を製造できることが判明した。これより、加熱装置によって殺青された茶葉を揉捻ローラーに通すことで、より抽出効率のよい茶葉を作成できるのと同時に、加熱装置による殺青のあとにカットすることで緑茶として良好な香味を持つ茶葉を製造できることが判明した。
本発明は、茶飲料を容易に飲用可能としたティーバッグや、容器詰め飲料製造のための茶原料、或いは食品添加物としての茶の需要等に対応して、従来の煎茶の製造のような多段の工程を経ることなく、茶生葉を急速に加熱乾燥し、かかる急速な乾燥にもかかわらず、乾燥不足や、茶葉の青臭さのような香味の低下或いは色度低下を来すことなく、液色に優れ、香味良好な、高香味及び高色度の乾燥茶葉を製造できる乾燥茶葉の迅速製造方法及び装置を提供する。
C 茶生葉カッター
D1 第1加熱ドラム
D2 第2加熱ドラム
H1,H2 加熱手段
M1,M2 加熱金属板
L 揉捻ローラー;
R1 第1乾燥室
R2 第2乾燥室
X ネットコンベア

Claims (6)

  1. 茶生葉の殺青処理及び/又は加熱乾燥処理を行う茶生葉加熱乾燥方法において、茶生葉の殺青処理工程の後に、殺青処理茶葉を切断処理する工程を設けたことを特徴とする茶生葉加熱乾燥方法。
  2. 装置内に設けられたベルトと加熱ドラムの少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトとドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱するか、或いは、乾燥室内に設けられた加熱手段により加熱された金属板に近接する通気性ネットコンベア上に茶生葉を投入し、加熱するかして、茶生葉の殺青処理及び/又は加熱乾燥処理を行う茶生葉加熱乾燥方法において、茶生葉の殺青処理工程の後に、殺青処理茶葉を切断処理する工程を設けたことを特徴とする請求項1記載の茶生葉加熱乾燥方法。
  3. 装置内に設けられたベルトと加熱ドラムの少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトとドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱するか、或いは、乾燥室内に設けられた加熱手段により加熱された金属板に近接する通気性ネットコンベア上に茶生葉を投入し、加熱するかして、茶生葉の殺青処理及び加熱乾燥処理を行う第1の茶生葉加熱乾燥工程;殺青処理及び加熱乾燥処理を行った茶生葉を茶生葉カッターで切断する茶葉切断工程;切断した茶葉を第1の茶生葉加熱乾燥工程と同じ、ベルトと加熱ドラム或いは金属板と通気性ネットコンベアからなる加熱乾燥処理手段により加熱乾燥処理を行う第2の茶生葉加熱乾燥工程;により茶生葉の殺青処理及び/又は加熱乾燥処理を行うことを特徴とする請求項2記載の茶生葉加熱乾燥方法。
  4. 茶葉切断工程と、第2の茶生葉加熱乾燥工程の間に、茶葉を揉捻ローラーにより揉捻処理を施す茶葉揉捻処理工程を設けたことを特徴とする請求項3記載の茶生葉加熱乾燥方法。
  5. 装置内に設けられたベルトと加熱ドラムの少なくとも一方を通気可能な状態とし、該ベルトと加熱ドラムの間に投入した茶生葉を加熱手段により加熱するか、或いは、乾燥室内に設けられた加熱手段により加熱された金属板に近接する通気性ネットコンベア上に茶生葉を投入し、加熱するかして、茶生葉の殺青処理及び加熱乾燥処理を行う第1の茶生葉加熱乾燥手段;殺青処理及び加熱乾燥処理を行った茶生葉を茶生葉カッターで切断する茶葉切断手段;切断した茶葉を第1の茶生葉加熱乾燥手段と同じ、ベルトと加熱ドラム或いは金属板と通気性ネットコンベアからなる加熱乾燥手段により加熱乾燥処理を行う第2の茶生葉加熱乾燥手段;を設けたことを特徴とする茶生葉加熱乾燥装置。
  6. 茶葉茶葉切断手段と、第2の茶生葉加熱乾燥手段の間に、茶葉を揉捻ローラーにより揉捻処理を施す茶葉揉捻処理手段を設けたことを特徴とする請求項5記載の茶生葉加熱乾燥装置。
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