JP6655279B2 - 緑茶の製造方法 - Google Patents

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本発明は、茶生葉の萎凋方法および緑茶の製造方法に関する。
中国や台湾で製造される烏龍茶は、摘採した茶生葉を日干萎凋、室内萎凋、回転撹拌をして萎凋香味から発酵香味を発揚し、釜炒り、揉捻をして製品化されている。
萎凋とは、摘採した茶生葉を自然環境下もしくは管理環境下で放置して、茶葉を萎れさせる処理をいい、萎凋処理により、花のようなフルーティーな香味(以下、萎凋香味ともいう)が発揚する。
一方、緑茶は、製品化の工程で、摘採した茶生葉を速やかに水蒸気で蒸して酸化・発酵を抑えるため、萎凋香味は発揚しない。近年、緑茶において萎凋香を発揚する方法が提案されている。たとえば、非特許文献1は、茶生葉に、生葉管理装置を用いて15℃の低温除湿空気を通風して16時間萎凋処理を行うと、萎凋香味が発揚することを報告する。
海外への輸出拡大を目指す新香味茶「萎凋香緑茶」、日本茶の輸出拡大を目指した栽培・加工技術集 第2版、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構、2012年11月
烏龍茶の製品化の過程で行われる萎凋処理は、日干萎凋、室内萎凋、回転撹拌の複雑な工程を経ているため、かかる萎凋処理を緑茶に適用することは大量生産に適していない。また、本発明者らは、非特許文献1に記載される萎凋処理を行った場合、得られる緑茶抽出液の萎凋香が単調で十分でないことに気づいた。そこで、本発明は、強い萎凋香味を発揚する緑茶抽出液を提供することができる緑茶を簡便な方法で製造することを目的とする。
本発明者らは、茶生葉を切断した後に萎凋させると、萎凋香味の強い緑茶抽出液を製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
茶生葉を5〜50mmの長さに切断する工程と、
それに続いて、切断された茶生葉を萎凋させる工程と、
萎凋工程後に、茶生葉を製茶する工程と
を含み、
前記萎凋工程は、室内萎凋であるか、または、水分補給を含む装置内萎凋であり、10〜32℃の温度で3〜30時間かけて行うことを特徴とする緑茶の製造方法を提供する。
更に別の側面によれば、本発明は、前述の緑茶の製造方法により製造されることを特徴とする緑茶を提供する。
本発明によれば、強い萎凋香味を発揚する緑茶抽出液を提供することができる緑茶を簡便な方法で製造することができる。
以下、本発明について説明する。
本発明の茶生葉の萎凋方法は、
茶生葉を切断する工程と、
切断された茶生葉を萎凋させる工程と
を含む。
茶生葉は、摘採後の茶葉であって、蒸熱されていない茶葉を意味する。本発明で使用される茶生葉は、摘採直後の茶生葉であってもよいし、摘採後、生葉管理機で保管された茶生葉であってもよい。茶生葉としては、任意の品種の茶を使用することができ、たとえば、やぶきた、さみどり、ごこう、おくらみどり、こまかげ、うじひかり、またはこれらの混合品種などを使用することができる。
本発明において、茶生葉は、任意の切断サイズに切断され、これにより、その後の萎凋処理が促進される。茶生葉は、たとえば5mm〜50mmの切断間隔(以下、長さという)で切断することができる。茶生葉は、好ましくは10mm〜30mmの長さ、より好ましくは15mm〜20mmの長さに切断することができる。茶生葉を所定の長さに切断するために、茶生葉を所定の長さに切断する生葉カッターやフードスライサーを用いることができる。茶生葉は、茶生葉の任意の方向で切断されてもよく、茶生葉の向き(主脈の向き)を揃えて切断する必要はない。
切断された茶生葉は、好ましくは、速やかに萎凋処理に移される。
萎凋処理は、切断された茶生葉を室内に広げて静置させること(室内萎凋)により行うことができる。あるいは、萎凋処理は、切断された茶生葉を生葉管理装置内で通風環境下に置くこと(装置内萎凋)により行うことができる。
室内萎凋は、一般的には10〜32℃の温度、好ましくは15〜32℃の温度で3〜30時間かけて行うことができる。室内萎凋の処理温度は、室温であってもよいし、エアコンなどの空調設備により制御されてもよい。たとえば、室内萎凋は、15〜25℃の温度で、10〜24時間かけて行うことができる。
大量の茶生葉の萎凋処理を行う場合は特に、生葉管理装置内で装置内萎凋を行うことが好ましい。生葉管理装置は、茶葉を収穫してから、茶葉の呼吸熱による葉焼けを防止する目的で、温度や湿度を調整した環境下で送風しながら茶葉を保管するための装置である。装置内萎凋は、一般的には10〜32℃の温度、好ましくは15〜32℃の温度で3〜30時間かけて行うことができる。装置内萎凋は、温度や湿度;通風の間欠、時間、風量;水分の供給量を制御することにより茶葉の呼吸熱による葉焼けや蒸れ、葉傷みを防止しながら行うことができる。たとえば、装置内萎凋は、15〜25℃の温度で、15分の通風と15〜30分の通風休止との通風サイクルで通風するかもしくは低速で常時通風して、適宜水分供給を行いながら、10〜24時間かけて行うことができる。
萎凋処理は、爽快な花様の芳香(萎凋香)が発揚するのに必要な所定時間にわたって行う必要がある。また、萎凋処理は、萎凋香が発酵香へ変化し、発酵香が強く発揚するほどの長い時間にわたって行うことは望ましくない。
萎凋時間は、茶生葉の切断サイズが小さいほど短くすることができる。また、萎凋時間は、処理温度が高いほど短くすることができる。
萎凋処理を行った茶葉は、その後、通常の製茶工程に晒され、緑茶が製造される。
すなわち、本発明の緑茶の製造方法は、
茶生葉を切断する工程と、
切断された茶生葉を萎凋させる工程と、
萎凋工程後に、茶生葉を製茶する工程と
を含む。
通常の製茶工程では、蒸機による蒸熱工程→粗揉機による粗揉工程→揉捻機による揉捻工程→中揉機による中揉工程→精揉機による精揉工程→乾燥機による乾燥工程を経て荒茶が製造され、その後、火入機による火入工程を含む仕上げ工程を経て煎茶が製造される。
緑茶は、0〜100℃の水での抽出により、たとえば冷水抽出もしくは熱湯抽出により緑茶抽出液とすることができる。本明細書において、緑茶は、緑茶抽出液を提供するために熱湯により抽出される茶葉を意味し、荒茶および煎茶の両方を含む。
上記方法に従って製造された緑茶は、茶生葉を切断することなく萎凋処理を行うことにより製造された緑茶と比べて、強い萎凋香味を有する緑茶抽出液を提供することができる。
以下に本発明の例を示し、本発明の効果について具体的に説明する。
1.緑茶の製造
下記表1−1〜表1−2に示されるとおり、各サンプルの緑茶を製造した。
Figure 0006655279
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(1)試験区1
試験区1では、切断(カット)工程が、萎凋香味に影響を及ぼすかを確認するため、カット処理なしのサンプルと、10mmカット長のサンプルと、16mmカット長のサンプルを調製した。また、試験区1では、萎凋温度および萎凋時間についても検討した。
(1−1)材料
5月12日に福寿園CHA研究センター内で1番茶のごこう、おぐらみどり、こまかげ、うじひかり、さみどりの京都品種を摘採し、混合して均一な茶生葉26kgを作った。
(1−2)切断
茶生葉のカットは、フードスライサー(EMURA社製)を用いて行った。茶生葉は、10mmの長さまたは16mmの長さに切断した。
(1−3)萎凋
試験区1のサンプルNo.1は、萎凋処理を行わなかった。
試験区1のサンプルNo.2〜13は、室内萎凋処理を行った。萎凋処理は、茶生葉を竹籠に薄く広げて静置することにより行った。萎凋温度は、室内を暖房して22℃に設定するか、あるいは冷蔵庫内で17℃に設定した。温度記録計を茶葉表面に置き、実温度平均を算出した。萎凋時間は、18時間または24時間とした。
(1−4)製茶
試験区1のサンプルNo.1は、萎凋処理を行うことなく、蒸熱をして標準煎茶製茶法(粗揉→揉捻→中揉→精揉→乾燥)で標準品の緑茶を作った。試験区1のサンプルNo.2〜13は、萎凋処理を行った後、サンプルNo.1と同様、標準煎茶製茶法で緑茶を作った。
(2)試験区2
試験区2では、茶生葉のカット後の室内萎凋の効果を確認するとともに、茶生葉のカット後の装置内萎凋の効果を確認した。
(2−1)材料
5月14日に福寿園CHA研究センター内で2番茶のさみどりを30kg摘採して試験材料とした。
(2−2)切断
茶生葉のカットは、フードスライサー(EMURA社製)を用いて行った。茶生葉は、16mmの長さに切断した。
(2−3)萎凋
試験区2のサンプルNo.2〜5は、試験区1と同様、室内萎凋の処理を行った。萎凋時間は、17時間とした。
試験区2のサンプルNo.6〜10は、生葉管理機を用いて装置内萎凋の処理を行った。生葉管理機は、生葉コンテナ100K(カワサキ機工社製)を用いた。生葉管理機の設定は、15分送風と30分送風停止の繰り返し、水分補給有とした。萎凋温度は、室温とした。温度記録計を茶葉表面に置き、実温度平均を算出した。萎凋時間は、17時間から21.5時間までの範囲で変化させた。
(2−4)製茶
試験区2のサンプルNo.1は、2kgを計量し、萎凋処理を行うことなく、蒸熱をして標準煎茶製法(粗揉→揉捻→中揉→精揉→乾燥)で標準品の緑茶を作った。試験区2のサンプルNo.2〜10は、萎凋処理を行った後、サンプルNo.1と同様、標準煎茶製茶法で緑茶を作った。
(3)試験区3
試験区3では、荒茶工場において、茶生葉のカット後の装置内萎凋の効果を確認した。
(3−1)材料
5月28日に奈良県月ヶ瀬村 小西氏ヤブキタ茶園より70kgを摘採して、実際の荒茶工場で実証試験を行った。
(3−2)切断
茶生葉のカットは、フードスライサー(EMURA社製)を用いて行った。茶生葉は、16mmの長さに切断した。
(3−3)萎凋
試験区3は、生葉管理機を用いて装置内萎凋の処理を行った。生葉管理機は、生葉コンテナ100K(カワサキ機工社製)を用いた。生葉管理機の設定は、15分送風と30分送風停止の繰り返し、水分補給有とした。萎凋温度は工場内気温とした。温度記録計を生葉表面に置き、実温度平均を算出した。萎凋時間は、サンプルNo.2が19時間とし、サンプルNo.3が18時間とした。
(3−4)製茶
試験区3のサンプルNo.1は、奈良県月ヶ瀬村 長引中央製茶組合で120kg1ライン寺田式製茶機械を使って、摘採2時間後に蒸熱して製茶した。
試験区3のサンプルNo.2およびNo.3は、奈良県山添村緑茶加工研修施設の35kgラインを使って標準煎茶製法により製茶を行なった。蒸機はSKD−B型(宮村鉄工所)、粗柔機はKS−35(寺田製作所)、揉捻機はカワサキ35K(カワサキ機工)、中柔機はC−35 3型(寺田製作所)、精柔機はHAS−25(寺田製作所)、乾燥機はND4−60(寺田製作所)を用いた。
2.蒸熱直前の茶生葉の香り
各試験区において、萎凋処理を終え、蒸熱処理が行われる直前の茶生葉の香りを嗅いだ。
本発明の例(試験区1のサンプルNo.2〜5、8〜11;試験区2のサンプルNo.2〜3、6〜10;試験区3のサンプルNo.2)では、カット処理後に萎凋処理を行ったため、萎凋香を比較的強く感じることができた。一方、比較例(試験区1のサンプルNo.6〜7;試験区2のサンプルNo.4〜5;試験区3のサンプルNo.3)では、カット処理を行うことなく萎凋処理を行ったため、萎凋香を感じることができないか、または僅かしか萎凋香を感じることができなかった。
3.官能試験
試験区1〜3で製造された緑茶3gを、100℃の熱湯200mLで5分間抽出し、緑茶抽出液とした。
各サンプルの緑茶抽出液を官能評価した。官能評価は、福寿園CHA研究センター内の研究員5名を評価員として行った。「形状」、「色沢」及び「水色」の評価項目については、各試験区のサンプルNo.1の標準品を10点とし、その評価より良いものは加点し、劣るものは減点して評価した。「香気」、「滋味」の評価項目については、目標の萎凋香、萎凋味に近いものを10点満点として評価した。各評価員の官能評価点数を平均して、官能評価の結果とした。その結果を下記の表に示す。
Figure 0006655279
Figure 0006655279
(1)試験区1
サンプルNo.1(カット処理なし、萎凋処理なし)に対して、サンプルNo.6(カット処理なし、22℃・18時間萎凋処理)およびサンプルNo.7(カット処理なし、17℃・18時間萎凋処理)はともに萎凋香味は僅かであった。
一方、10mmのカット長でカット処理を行ったサンプルNo.2(10mmカット処理、22℃・18時間萎凋処理)およびサンプルNo.3(10mmカット処理、17℃・18時間萎凋処理)は、強い萎凋香と強い萎凋味と渋味が感じられた。
16mmのカット長でカット処理を行ったサンプルNo.4(16mmカット処理、22℃・18時間萎凋処理)およびサンプルNo.5(16mmカット処理、17℃・18時間萎凋処理)は、10mmカット処理のサンプルNo.2および3よりも萎凋香味は少ないが、強い萎凋香と強い萎凋味とともに華やかな香味と青味が感じられた。
カット処理をすることなく24時間の萎凋処理を行ったサンプルNo.12(カット処理なし、22℃・24時間萎凋処理)およびサンプルNo.13(カット処理なし、17℃・24時間萎凋処理)はともに、カット処理をすることなく18時間の萎凋処理を行ったサンプルNo.6および7よりも萎凋香味は強かったが僅かであった。
一方、10mmのカット長でカット処理を行ったサンプルNo.8(10mmカット処理、22℃・24時間萎凋処理)およびサンプルNo.9(10mmカット処理、17℃・24時間萎凋処理)は、強い萎凋香味が感じられた。
16mmカット長のカット処理と24時間の萎凋処理とを行ったサンプルNo.10(16mmカット処理、22℃・24時間萎凋処理)およびサンプルNo.11(16mmカット処理、17℃・24時間萎凋処理)は、強い萎凋香と適度で華やかな萎凋香味が感じられ、10mmカット長のカット処理と18時間の萎凋処理とを行ったサンプルNo.2および3とほぼ同等の良好な評価を得た。
試験区1の実験から、次の事が解った。
(i)茶生葉をカットした後に萎凋処理を行うことで、格段に強い萎凋香味を得ることが出来た。
(ii)カット長を短かくすると、最適な萎凋時間は短くなり、渋味が出やすくなる。
(iii)カット長を長くすると、最適な萎凋時間は長くなり、適度で華やかな萎凋香味が得られやすくなる。
(iv)萎凋温度は17℃または22℃で行ったが、10℃〜32℃までの温度範囲とすることができ、好ましくは15℃〜32℃、より好ましくは15℃〜25℃である。
(v)萎凋時間は、18時間または24時間で行ったが、気温が高ければ最適な萎凋時間は短くなり、気温が低ければ最適な萎凋時間は長くなる。萎凋時間は、気温により3時間〜30時間までの時間範囲とすることができ、好ましくは5時間〜30時間、より好ましくは10時間〜24時間である。
(2)試験区2
サンプルNo.1(カット処理なし、萎凋処理なし)に対して、サンプルNo.4(カット処理なし、23℃・17時間室内萎凋処理)およびサンプルNo.5(カット処理なし、18℃・17時間室内萎凋処理)は、僅かに萎凋香味が感じられた。
一方、カット処理を行ったサンプルNo.2(16mmカット処理、23℃・17時間室内萎凋処理)およびサンプルNo.3(16mmカット処理、18℃・17時間室内萎凋処理)は、著しく萎凋香味が強くなり、サンプルNo.2では果実様の香味を感じて評点が高く、サンプルNo.3ではすっきりとして爽やかな萎凋香が感じられた。
試験区2のサンプルNo.1〜5の結果においても、試験区1の結果と同様、茶生葉をカットすることにより、その後の萎凋処理効果を高めることができることが実証された。
次に大量生産のために、生葉管理機を使って室内気温の通風を行って萎凋処理を行い、茶生葉カットの効果を実証した。
サンプルNo.6〜No.10では、17時間から21.5時間まで萎凋処理時間を変化させて、萎凋処理時間が萎凋香味に及ぼす効果を確認した。
サンプルNo.6(17時間の萎凋処理)からサンプルNo.10(21.5時間の萎凋処理)は、萎凋香味が強く、嗜好性の高い萎凋香味を有していた。
また、装置内萎凋処理を行ったサンプルNo.7(16mmカット処理、19℃・18時間装置内萎凋処理)は、室内萎凋処理を行ったサンプルNo.2(16mmカット処理、23℃・17時間室内萎凋処理)と同様の嗜好性の高い萎凋香味を感じることができた。このことから、生葉管理機での萎凋処理も、室内萎凋処理と同様に有効であることが実証できた。
試験区2の実験から次のことが解った。
(i)試験区1で実証された生葉カットの効果を、試験区2でも再実証できた。
(ii)大量生産のために、生葉管理機を使って室内気温で茶生葉カット葉の萎凋処理を行ったところ、室内萎凋処理と同様、嗜好性の高い萎凋香味を得ることが出来た。
(iii)より嗜好性の高い萎凋香味を得るためには、茶葉品質と気温、湿度から、生葉カット長、生葉管理機の水分供給量、送風時間、送風の間欠時間、風量等をコントロールすることが好ましい。
(3)試験区3
試験区3では、カット処理を行わなかった茶生葉とカット処理を行った茶生葉のそれぞれに萎凋処理を行い、その後、実際の製茶機械を使って製茶して、茶生葉カット処理の効果を実証した。
サンプルNo.1(カット処理なし、萎凋処理なし)に対して、サンプルNo.2(16mmカット処理、21℃・19時間装置内萎凋処理)およびサンプルNo.3(カット処理なし、19℃・18時間装置内萎凋処理)を官能評価したところ、サンプルNo.2は強い萎凋味が得られ、爽快な柑橘系の嗜好性の高い萎凋香味があった。しかし、サンプルNo.3は萎凋香味に乏しく、蒸れ様の香味と青さを感じ評点は良くなかった。
試験区3の実験から次の事が解った。
実用化されている生葉管理機を使って室内気温で萎凋処理を行い、実際の製茶機械を使って製茶したところ、カット処理されている茶生葉では、嗜好性の高い萎凋香味が得られることが実証された。一方、カット処理されていない茶生葉では、萎凋処理を行っても、萎凋香の発揚は少なく、従来の緑茶の風味を変えるには至らなかった。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
茶生葉を切断する工程と、
切断された茶生葉を萎凋させる工程と
を含むことを特徴とする茶生葉の萎凋方法。
[2]
前記萎凋工程が、切断された茶生葉を生葉管理装置内で通風環境下に置く工程であることを特徴とする[1]に記載の方法。
[3]
茶生葉を切断する工程と、
切断された茶生葉を萎凋させる工程と、
萎凋工程後に、茶生葉を製茶する工程と
を含むことを特徴とする緑茶の製造方法。
[4]
前記萎凋工程が、切断された茶生葉を生葉管理装置内で通風環境下に置く工程であることを特徴とする[3]に記載の方法。
[5]
[3]または[4]に記載の方法により製造されることを特徴とする緑茶。

Claims (4)

  1. 茶生葉を10〜30mmの長さに切断する工程と、
    それに続いて、切断された茶生葉を萎凋させる工程と、
    萎凋工程後に、茶生葉を製茶する工程と
    を含み、
    前記萎凋工程は、室内萎凋であるか、または、水分補給を含む装置内萎凋であり、15〜25℃の温度で10〜24時間かけて行うことを特徴とする緑茶の製造方法。
  2. 前記茶生葉を10〜16mmの長さに切断し、切断された茶生葉を17〜22℃で17〜24時間の条件下で萎凋させることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記萎凋工程が、切断された茶生葉を生葉管理装置内で通風環境下に置く工程であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法により製造されることを特徴とする緑茶。
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