JP2013108575A - 摩擦ローラ式減速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前記中間ローラ19aを支持する為の自転軸を、ボルト49とする。前記両支持腕部36a、36bの先端部に円形の通孔とねじ孔とを、互いに同心に設ける。このうちの通孔に前記ボルト49の中間部を構成する円柱部を挿通すると共に、前記ねじ孔にこのボルト49の先端部を構成する雄ねじ部を螺合し更に締め付ける。そして、前記両支持腕部36a、36bの先端部同士を結合して、これら両支持腕部36a、36bの先端部同士の間隔が拡がるのを防止する。
【選択図】図1
Description
近年普及し始めている電気自動車の利便性を向上させるべく、充電1回当りの走行可能距離を長くする為に、電動モータの効率を向上させる事が重要である。この効率を向上させるには、高速回転する小型の電動モータを使用し、この電動モータの出力軸の回転を減速してから駆動輪に伝達する事が効果がある。この場合に使用する減速機のうち、少なくとも前記電動モータの出力軸に直接繋がる第一段目の減速機は、運転速度が非常に速くなるので、運転時の振動及び騒音を抑える為に、摩擦ローラ式減速機を使用する事が考えられる。この様な場合に使用可能な摩擦ローラ式減速機として、例えば特許文献1〜3に記載されたものが知られている。このうちの特許文献3に記載された従来構造に就いて、図10〜12により説明する。
このうちの太陽ローラ4は、軸方向に分割された1対の太陽ローラ素子8a、8bを前記入力軸2の周囲に、互いの先端面同士の間に隙間を介在させた状態で互いに同心に、且つ、このうちの太陽ローラ素子8aを前記入力軸2に対する相対回転を可能に配置して成る。前記両太陽ローラ素子8a、8bの外周面は、それぞれの先端面に向かうに従って外径が小さくなる方向に傾斜した傾斜面であって、これら両傾斜面を転がり接触面としている。従ってこの転がり接触面の外径は、軸方向中間部で小さく、両端部に向かうに従って大きくなる。
又、前記各遊星ローラ6、6は、前記太陽ローラ4の外周面と前記環状ローラ5の内周面との間の環状空間9の円周方向複数箇所に配置している。前記各遊星ローラ6、6は、それぞれが前記入力軸2及び前記出力軸3と平行に配置された、自転軸である遊星軸10、10の周囲に、ラジアルニードル軸受を介して、回転自在に支持している。これら各遊星軸10、10の基端部は、前記出力軸3の基端部に結合固定された、支持フレームであるキャリア11に、支持固定されている。前記各遊星ローラ6、6の外周面は、母線形状が部分円弧状の凸曲面で、それぞれ前記太陽ローラ4の外周面と前記環状ローラ5の内周面とに転がり接触している。
上述の様な事情に鑑み、ローディングカム装置の軸方向に関する厚さの変化に伴う中間ローラの変位を円滑に行わせる事ができ、優れた伝達効率を得られる摩擦ローラ式減速機として、特願2011−57869に係る発明がある。本発明は、この先発明に係る摩擦ローラ式変速機を改良したものであり、多くの構造部分は共通するから、先ず、この先発明の実施の形態の構造の1例に就いて、図13〜22により説明する。
即ち、電動モータにより前記入力軸2aを回転駆動すると、この入力軸2aに外嵌した前記両カム板15a、15aが回転し、前記両太陽ローラ素子8c、8cが、前記各玉16、16と前記各カム面17、18との係合に基づき、互いに近づく方向に押圧されつつ、前記入力軸2aと同方向に同じ速度で回転する。そして、前記両太陽ローラ素子8c、8cにより構成される前記太陽ローラ4aの回転が、前記各中間ローラ19、19を介して前記環状ローラ5aに伝わり、前記出力軸3aから取り出される。前記摩擦ローラ式減速機1aの運転時に、前記ハウジング21内には、トラクションオイルを循環させる為、前記各ローラ4a、19、5aの周面同士の転がり接触部(トラクション部)には、トラクションオイルの薄膜が存在する状態となる。又、これら各トラクション部の面圧は、前記各圧縮コイルばね46、46の弾力に基づいて発生するカム部押圧力により、前記摩擦ローラ式減速機1aの起動の瞬間から或る程度確保される。従って、この起動の瞬間から、前記各トラクション部で過大な滑りを発生させる事なく、動力伝達が開始される。
特に、本発明の摩擦ローラ式減速機に於いては、前記各中間ローラの自転軸の軸方向両端部を、これら各中間ローラ毎に独立して設けた揺動フレームの先端部に支持している。又、これら各揺動フレームを支持フレームに対し、前記各自転軸と平行で、前記太陽ローラの回転方向に関する位相がこれら各自転軸から外れた部分に存在する揺動軸を中心とする揺動変位を可能に支持している。そして、前記各自転軸を前記太陽ローラ及び前記環状ローラの径方向の変位を可能に支持している。
又、前記各揺動フレームは、それぞれ、基部と、この基部の軸方向両端部から互いに同方向に且つ(製造誤差に基づく微小な傾斜を除いて)実質的に平行に延出した1対の支持腕とを備えた二股構造である。
更に、前記自転軸は、軸方向中間部に円柱部を、先端部にこの円柱部よりも小径の雄ねじ部を、基端部にこの円柱部よりも大径の頭部を、それぞれ備えたボルトである。そして、このボルトを、前記各揺動フレームを構成する1対ずつの支持腕部の先端部に互いに同心に配置した円形の通孔とねじ孔とのうちの通孔に前記円柱部を挿通すると共に、前記雄ねじ部をこのねじ孔に螺合し更に締め付けて、前記1対ずつの支持腕部同士の間に支持固定すると共に、これら1対ずつの支持腕部同士の間隔が拡がるのを防止している。
或いは、請求項3に記載した発明の様に、前記各揺動フレームを、前記基部と前記両支持腕のうちの一方の支持腕とを一体とした第一素子と、同じく他方の支持腕を構成する第二素子とを、前記基部に挿通した第二ボルトにより結合固定して成るものとする。
この様な請求項3に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記第二ボルトを、前記揺動軸よりも前記各揺動フレームの先端寄り部分に設ける。或いは、請求項5に記載した発明の様に、前記第二ボルトを中空円管状とし、この第二ボルトを前記揺動軸の周囲に設ける。
図1〜3は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて本発明の特徴は、二股状の揺動フレームを構成する1対の支持腕の先端部同士の間隔が拡がらない様に、これら両支持腕の剛性を向上させる為の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図12〜21又は図23に示した先発明に係る構造と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
図4〜6は、請求項1、3、4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、揺動フレーム35bを、第一素子58と第二素子59とを第二ボルト60により結合固定する事で構成している。このうちの第一素子58は、金属製の素材に削り加工或いは鍛造加工を施して成るもので、基部37bと一方の支持腕36aとを一体としている。又、前記第二素子59は、金属材により平板状としており、前記基部37bの軸方向端面に突き合わされる結合板部61と他方の支持板部36bとを備える。それぞれが上述の様な構成を有する、前記第一、第二両素子58、59は、揺動軸39aよりも前記揺動フレーム35bの先端寄りで前記基部37bに挿通した、前記第二ボルト60により結合固定して、前記揺動フレーム35bとしている。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
図7〜9は、請求項1、3、5に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合も、上述した実施の形態の第2例の場合と同様に、揺動フレーム35cを、第一素子58と第二素子59とを第二ボルト60aにより結合固定する事で構成している。特に、本例の構造の場合には、この第二ボルト60aとして、中空円管状のものを使用している。そして、この第二ボルト60aを、揺動軸39aの周囲に設けている。言い換えれば、この揺動軸39aを、前記両素子58、59を結合固定している、前記第二ボルト60aの内側に挿通している。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
2、2a、2b 入力軸
3、3a 出力軸
4、4a、4b 太陽ローラ
5、5a 環状ローラ
6 遊星ローラ
7、7a ローディングカム装置
8a、8b、8c、8d 太陽ローラ素子
9、9a 環状空間
10 遊星軸
11 キャリア
12 止め輪
13 支え環
14 皿ばね
15、15a カム板
16 玉
17 被駆動側カム面
18 駆動側カム面
19、19a 中間ローラ
20 自転軸
21 ハウジング
22 入力側小径円筒部
23 多列玉軸受ユニット
24 出力側小径円筒部
25 複列玉軸受ユニット
26 ラビリンスシール
27 円形凹部
28 転がり軸受
29 連結部
30 大径円筒部
31 端板
32 支持フレーム
33a、33b リム部
34 ステー
35、35a、35b、35c 揺動フレーム
36、36a、36b 支持腕
37、37a、37b 基部
38 玉軸受
39、39a 揺動軸
40 支持孔
41 鍔部
42 凹部
43 幅広部
44 幅狭部
45 受板部
46 圧縮コイルばね
47 通孔
48 ねじ孔
49 ボルト
50 円柱部
51 雄ねじ部
52 頭部
53 先端側段差面
54 基端側段差面
55 ラジアルニードル軸受
56 貫通孔
57 凹部
58 第一素子
59 第二素子
60、60a 第二ボルト
61 結合板部
Claims (5)
- 入力軸と、出力軸と、太陽ローラと、環状ローラと、複数個の中間ローラと、ローディングカム装置とを備え、
このうちの太陽ローラは、軸方向に分割された1対の太陽ローラ素子を前記入力軸の周囲に、互いの先端面同士の間に隙間を介在させた状態で互いに同心に、且つ、この入力軸に対する相対回転を可能に配置して成るもので、前記両太陽ローラ素子の外周面は、それぞれの先端面に向かうに従って外径が小さくなる方向に傾斜した傾斜面であって、これら両傾斜面を転がり接触面としており、
前記環状ローラは、前記太陽ローラの周囲にこの太陽ローラと同心に配置されたもので、内周面を転がり接触面としており、
前記各中間ローラは、前記太陽ローラの外周面と前記環状ローラの内周面との間の環状空間の円周方向複数箇所に、それぞれが前記入力軸と平行に配置された自転軸を中心とする回転自在に支持された状態で、それぞれの外周面を前記太陽ローラの外周面と前記環状ローラの内周面とに転がり接触させており、
前記ローディングカム装置は、前記両太陽ローラ素子のうちの少なくとも一方の太陽ローラ素子である可動太陽ローラ素子と前記入力軸との間に設けられて、この入力軸の回転に伴ってこの可動太陽ローラ素子を相手方の太陽ローラ素子に向けて軸方向に押圧しつつ回転させるものであって、この可動太陽ローラ素子の基端面の円周方向複数箇所に設けられた被駆動側カム面と、前記入力軸の一部に固定されてこの入力軸と共に回転するカム板のうちで前記可動太陽ローラ素子の基端面に対向する片側面の円周方向複数箇所に設けられた駆動側カム面との間に転動体を挟持して成るもので、これら各駆動側カム面及び前記各被駆動側カム面はそれぞれ、軸方向に関する深さが円周方向に関して漸次変化して端部に向かうに従って浅くなる形状を有するものであり、
前記環状ローラと前記各自転軸を支持した部材とのうちの一方の部材を、前記太陽ローラを中心とする回転を阻止した状態で支持し、他方の部材を前記出力軸に結合して、この他方の部材によりこの出力軸を回転駆動自在とした摩擦ローラ式減速機に於いて、
前記各中間ローラの自転軸の軸方向両端部を、これら各中間ローラ毎に独立して設けた揺動フレームの先端部に支持すると共に、これら各揺動フレームを支持フレームに対し、前記各自転軸と平行で、前記太陽ローラの回転方向に関する位相がこれら各自転軸から外れた部分に存在する揺動軸を中心とする揺動変位を可能に支持して、前記各自転軸を前記太陽ローラ及び前記環状ローラの径方向の変位を可能に支持しており、
前記各揺動フレームは、それぞれ、基部と、この基部の軸方向両端部から互いに同方向に且つ実質的に平行に延出した1対の支持腕とを備えた二股構造であり、
前記自転軸は、軸方向中間部に円柱部を、先端部にこの円柱部よりも小径の雄ねじ部を、基端部にこの円柱部よりも大径の頭部を、それぞれ備えたボルトであり、このボルトを、前記各揺動フレームを構成する1対ずつの支持腕部の先端部に互いに同心に配置した円形の通孔とねじ孔とのうちの通孔に前記円柱部を挿通すると共に、前記雄ねじ部をこのねじ孔に螺合し更に締め付けて、前記1対ずつの支持腕部同士の間に支持固定すると共に、これら1対ずつの支持腕部同士の間隔が拡がるのを防止している事を特徴とする摩擦ローラ式減速機。 - 前記各揺動フレームが、前記基部と前記両支持腕とを一体とした一体構造である、請求項1に記載した摩擦ローラ式変速機。
- 前記各揺動フレームが、前記基部と前記両支持腕のうちの一方の支持腕とを一体とした第一素子と、同じく他方の支持腕を構成する第二素子とを、前記基部に挿通した第二ボルトにより結合固定して成るものである、請求項1に記載した摩擦ローラ式変速機。
- 前記第二ボルトが前記揺動軸よりも前記各揺動フレームの先端寄り部分に設けられている、請求項3に記載した摩擦ローラ式変速機。
- 前記第二ボルトが中空円管状であって、この第二ボルトが前記揺動軸の周囲に設けられている、請求項3に記載した摩擦ローラ式変速機。
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