JP2013102726A - 醤油加工品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】塩分濃度が低く、美味しい醤油加工品の製造方法を提供する。
【解決手段】生醤油を90℃以上で加熱したのち(第1の加熱工程;ステップS101)、冷却、ろ過し、第1のろ液を回収する(第1のろ過工程;ステップS102)。次いで、第1のろ液に調味料を加え、83℃以上で加熱したのち(第2の加熱工程;ステップS103)、冷却、ろ過し、第2のろ液を回収する(第2のろ過工程;ステップS104)。続いて、15℃以下において、第2のろ液にりんご果汁を混合したのち(混合工程;ステップS105)、ろ過し(第3のろ過工程;ステップS106)、容器に収納して75℃以上で加熱する(第3の加熱工程;ステップS107)。
【選択図】図1
【解決手段】生醤油を90℃以上で加熱したのち(第1の加熱工程;ステップS101)、冷却、ろ過し、第1のろ液を回収する(第1のろ過工程;ステップS102)。次いで、第1のろ液に調味料を加え、83℃以上で加熱したのち(第2の加熱工程;ステップS103)、冷却、ろ過し、第2のろ液を回収する(第2のろ過工程;ステップS104)。続いて、15℃以下において、第2のろ液にりんご果汁を混合したのち(混合工程;ステップS105)、ろ過し(第3のろ過工程;ステップS106)、容器に収納して75℃以上で加熱する(第3の加熱工程;ステップS107)。
【選択図】図1
Description
本発明は、りんご果汁を用いた醤油加工品の製造方法に関する。
古くから、醤油は調味料の一つとして広く使用されている。標準的な醤油の塩分濃度は17%程度であるが、近年では、塩分の取りすぎを防止するために、8.5%から9%程度まで塩分濃度を低くした減塩醤油等も使用されている。しかし、減塩醤油は塩分濃度が低いので味気なく、味の改善が図られてはいるものの(特許文献1参照)、更なる改善が求められていた。また、塩分濃度を更に低くすることができればより好ましい。
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、塩分濃度が低く、美味しい醤油加工品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の醤油加工品の製造方法は、生醤油を90℃以上の温度で加熱する第1の加熱工程と、第1の加熱工程ののち、加熱した生醤油を冷却し、ろ過により第1のろ液を回収する第1のろ過工程と、第1のろ過工程ののち、第1のろ液に調味料を加え、83℃以上の温度で加熱する第2の加熱工程と、第2の加熱工程ののち、調味料を加えた第1のろ液を冷却し、ろ過により第2のろ液を回収する第2のろ過工程と、第2のろ過工程ののち、15℃以下の温度において、第2のろ液にりんご果汁を混合する混合工程と、混合工程ののち、混合液をろ過し、第3のろ液を回収する第3のろ過工程と、第3のろ過工程ののち、第3のろ液を容器に収納し、75℃以上の温度で加熱する第3の加熱工程とを含むものである。
本発明の醤油加工品の製造方法によれば、生醤油を90℃以上の温度で加熱するようにしたので、醤油くささを取ることができ、りんごの風味を引き出すことができる。また、加熱した生醤油を冷却、ろ過し、調味料を加えて、83℃以上の温度で加熱するようにしたので、調味料が良く溶け、味を調えることができる。更に、調味料を加え加熱した第1のろ液を冷却、ろ過し、15℃以下の温度において、りんご果汁を混合するようにしたので、カビの発生を抑制し、かつ、りんごの風味を生かすことができる。加えて、混合液をろ過し、容器に収納して75℃以上の温度で加熱するようにしたので、りんごのうまみを逃がさずに、カビの発生を抑制することができる。よって、りんごの風味により、塩分濃度を7%と低くしても、美味しい醤油加工品を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る醤油加工品の製造方法の流れを表すものである。この醤油加工品の製造方法は、醤油にリンゴ果汁を混合し、りんごの風味により、塩分濃度を低くしても、美味しくすることができるものである。この醤油加工品の製造方法では、まず、例えば、生醤油を90℃以上の温度で加熱し、殺菌する(第1の加熱工程;ステップS101)。生醤油というのは、もろみをしぼったままで熱を加えていない醤油である。通常の醤油の場合、70℃から80℃程度で殺菌を行うが、90℃以上で加熱するのは、醤油くささを取り、後で混合するりんごの風味を引き出すためである。なお、加熱温度は沸騰温度未満であることが好ましく、例えば、95℃以下が好ましい。加熱時間は、例えば、90℃以上で15分から20分程度が好ましい。
次いで、加熱した生醤油を冷却し、静置したのち、ろ過し、第1のろ液を回収する(第1のろ過工程;ステップS102)。加熱により死んだ麹菌がおりとして沈むので、これを除去するものである。静置は、例えば、2日程度行うことが好ましい。続いて、ろ過した第1のろ液に調味料を加え、83℃以上の温度で加熱する(第2の加熱工程;ステップS103)。調味料を良く溶かすためである。なお、この工程では、調味料を溶かすことができればよいので、必要以上に高温としなくてもよく、例えば、83℃から85℃程度まで加熱すればよい。調味料としては、例えば、みりん、又は、りんご酢等が挙げられる。また、調味料に加えて、酵母エキスを添加してもよい。
次いで、調味料を加え加熱した第1のろ液を冷却し、静置したのち、ろ過により第2のろ液を回収する(第2のろ過工程;ステップS104)。おりを完全に除去するためである。静置は、例えば、1日程度でよい。続いて、15℃以下の温度において、第2のろ液にりんご果汁を混合する(混合工程;ステップS105)。15℃以下とするのは、カビの発生を抑制し、かつ、りんごの風味を生かすためである。
そののち、第2のろ液とりんご果汁との混合液をろ過し、第3のろ液を回収し(第3のろ過工程;ステップS106)、直ちに、回収した第3のろ液を瓶等の容器に収納し、75℃以上の温度で加熱する(第3の加熱工程;ステップS107)。りんごのうまみを逃さずに、カビの発生を抑制するためである。加熱温度は必要以上に高温としなくてよく、例えば、80℃以下とすることが好ましい。瓶等の容器が損傷してしまう恐れがあるからである。加熱時間は、例えば、5分から10分程度が好ましい。これにより、醤油加工品が得られる。
このように本実施の形態によれば、生醤油を90℃以上の温度で加熱するようにしたので、醤油くささを取ることができ、りんごの風味を引き出すことができる。また、加熱した生醤油を冷却、ろ過し、調味料を加えて、83℃以上の温度で加熱するようにしたので、調味料が良く溶け、味を調えることができる。更に、調味料を加え加熱した第1のろ液を冷却、ろ過し、15℃以下において、りんご果汁を混合するようにしたので、カビの発生を抑制し、かつ、りんごの風味を生かすことができる。加えて、混合液をろ過し、容器に収納して75℃以上の温度で加熱するようにしたので、りんごのうまみを逃がさずに、カビの発生を抑制することができる。よって、りんごの風味により、塩分濃度を7%と低くしても、美味しい醤油加工品を得ることができる。
(実施例1)
生醤油を90℃から95℃の温度で15分から20分間加熱したのち(第1の加熱工程;ステップS101)、冷却し、2日間静置してろ過し、第1のろ液を回収した(第1のろ過工程;ステップS102)。次いで、第1のろ液に調味料を加え、85℃まで加熱したのち(第2の加熱工程;ステップS103)、冷却し、静置してろ過し、第2のろ液を回収した(2のろ過工程;ステップS104)。続いて、15℃以下の温度において、第2のろ液にりんご果汁を混合したのち(混合工程;ステップS105)、ろ過して第3のろ液を回収し(第3のろ過工程;ステップS106)、直ちに、ガラス瓶に収納し、75℃で加熱した(第3の加熱工程;ステップS107)。これにより醤油加工品を得た。
生醤油を90℃から95℃の温度で15分から20分間加熱したのち(第1の加熱工程;ステップS101)、冷却し、2日間静置してろ過し、第1のろ液を回収した(第1のろ過工程;ステップS102)。次いで、第1のろ液に調味料を加え、85℃まで加熱したのち(第2の加熱工程;ステップS103)、冷却し、静置してろ過し、第2のろ液を回収した(2のろ過工程;ステップS104)。続いて、15℃以下の温度において、第2のろ液にりんご果汁を混合したのち(混合工程;ステップS105)、ろ過して第3のろ液を回収し(第3のろ過工程;ステップS106)、直ちに、ガラス瓶に収納し、75℃で加熱した(第3の加熱工程;ステップS107)。これにより醤油加工品を得た。
(比較例1,2)
比較例1として、第1の加熱工程における加熱温度を80℃としたことを除き、他は実施例1と同様にして醤油加工品を製造した。また、比較例2として、第3の加熱工程における加熱をガラス瓶に収納する前に行い、加熱後にガラス瓶に収納したことを除き、他は実施例1と同様にして醤油加工品を製造した。
比較例1として、第1の加熱工程における加熱温度を80℃としたことを除き、他は実施例1と同様にして醤油加工品を製造した。また、比較例2として、第3の加熱工程における加熱をガラス瓶に収納する前に行い、加熱後にガラス瓶に収納したことを除き、他は実施例1と同様にして醤油加工品を製造した。
(結果)
得られた実施例1及び比較例1,2の醤油加工品について試食した。その結果、実施例1の醤油加工品は、りんごの風味及びうまみがあり美味しかった。これに対して、比較例1の醤油加工品は、醤油の香りが強く、りんごの風味があまり感じられなかった。また、比較例2の醤油加工品は、りんごのうまみがあまり感じられなかった。また、実施例1の醤油加工品について塩分濃度を測定したところ、7質量%であった。よって、第1の加熱工程において90℃以上で加熱し、第3の加熱工程において容器に収納した後に75℃以上で加熱するようにすれば、塩分濃度が低く、りんごの風味及びうまみがあり美味しい醤油加工品ができることが分かった。
得られた実施例1及び比較例1,2の醤油加工品について試食した。その結果、実施例1の醤油加工品は、りんごの風味及びうまみがあり美味しかった。これに対して、比較例1の醤油加工品は、醤油の香りが強く、りんごの風味があまり感じられなかった。また、比較例2の醤油加工品は、りんごのうまみがあまり感じられなかった。また、実施例1の醤油加工品について塩分濃度を測定したところ、7質量%であった。よって、第1の加熱工程において90℃以上で加熱し、第3の加熱工程において容器に収納した後に75℃以上で加熱するようにすれば、塩分濃度が低く、りんごの風味及びうまみがあり美味しい醤油加工品ができることが分かった。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では各工程について具体的に説明したが、全ての工程を含んでいなくても、また、他の工程を含んでいてもよい。
りんご果汁を用いた醤油加工品の製造に用いることができる。
Claims (1)
- 生醤油を90℃以上の温度で加熱する第1の加熱工程と、
第1の加熱工程ののち、加熱した生醤油を冷却し、ろ過により第1のろ液を回収する第1のろ過工程と、
第1のろ過工程ののち、第1のろ液に調味料を加え、83℃以上の温度で加熱する第2の加熱工程と、
第2の加熱工程ののち、調味料を加えた第1のろ液を冷却し、ろ過により第2のろ液を回収する第2のろ過工程と、
第2のろ過工程ののち、15℃以下の温度において、第2のろ液にりんご果汁を混合する混合工程と、
混合工程ののち、混合液をろ過し、第3のろ液を回収する第3のろ過工程と、
第3のろ過工程ののち、第3のろ液を容器に収納し、75℃以上の温度で加熱する第3の加熱工程と
を含むことを特徴とする醤油加工品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011248366A JP2013102726A (ja) | 2011-11-14 | 2011-11-14 | 醤油加工品の製造方法 |
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JP2013102726A true JP2013102726A (ja) | 2013-05-30 |
Family
ID=48622770
Family Applications (1)
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JP2011248366A Pending JP2013102726A (ja) | 2011-11-14 | 2011-11-14 | 醤油加工品の製造方法 |
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JP (1) | JP2013102726A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015000034A (ja) * | 2013-06-14 | 2015-01-05 | ハウス食品グループ本社株式会社 | フルーツ感を付加した加熱殺菌済み食品の製造方法 |
JP2016140321A (ja) * | 2015-02-03 | 2016-08-08 | キッコーマン株式会社 | 低分子エステル類を含む醤油様調味料又は醤油の風味改善剤 |
-
2011
- 2011-11-14 JP JP2011248366A patent/JP2013102726A/ja active Pending
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