以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態について説明する。図1乃至図7は、本実施の形態に係る貨幣処理システムを示す図である。このうち、図1は、本実施の形態における貨幣処理システムの構成の概略を示す概略構成図である。また、図2は、図1に示す貨幣処理システムにおける硬貨釣銭機、紙幣釣銭機およびPOSレジスタの外観を示す斜視図であり、図3は、図1等に示す貨幣処理システムの制御ブロック図である。また、図4は、図1等に貨幣処理システムにおいて、複数の操作者が貨幣釣銭機を取り扱う場合における操作者の交代時の動作を示すフローチャートである。また、図5および図6は、図4のフローチャートに示すような動作が行われる際に操作表示部に表示される画面をそれぞれ示す図である。また、図7は、操作表示部に表示される、操作者の担当期間内の取引の詳細の内容を示す図である。
まず、本実施の形態の貨幣処理システム1の全体構成について図1および図2を用いて説明する。図1および図2に示すように、貨幣処理システム1は、硬貨釣銭機100と、紙幣釣銭機200と、POSレジスタ300とを備えている。硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200は、それぞれ硬貨や紙幣の入出金処理を行うようになっている。また、図2に示すように、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200は左右方向に並べて配置される。以下、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200をまとめて貨幣釣銭機ともいう。
また、図1に示すように、POSレジスタ300は店舗サーバ400に通信接続されている。そして、POSレジスタ300から店舗サーバ400に売上金情報等が送信されるようになっている。また、各種設定情報が、店舗サーバ400からPOSレジスタ300(複数台でも可)に配信されるようになっている。
図1に示すように、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200は、それぞれ制御部130、230を有しており、これらの制御部130、230は互いに通信接続されている。また、POSレジスタ300も制御部330を有しており、硬貨釣銭機100の制御部130はPOSレジスタ300の制御部330に通信接続されている。そして、POSレジスタ300は、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200の上面に載置される。
以下、硬貨釣銭機100、紙幣釣銭機200およびPOSレジスタ300について図1および図2を用いて詳述する。
まず、硬貨釣銭機100の構成について具体的に説明する。図1および図2に示すように、硬貨釣銭機100は、前部上面にタッチパネル等の操作表示部112を有する筐体110を備えている。筐体110の前部には硬貨受入部114および硬貨払出部116が設けられている。
硬貨受入部114は、受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ機体内に取り込むようになっている。硬貨受入部114には、当該硬貨受入部114により機体内に取り込まれた硬貨を搬送する入金搬送部103が接続されている。
この入金搬送部103の途中には、硬貨の識別を行う硬貨識別部101と、分岐部104とがそれぞれ設けられている。分岐部104は、硬貨識別部101による硬貨の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の、硬貨払出部116から払い出されるべき硬貨を出金搬送部108へ案内(搬送)するようになっている。
一方、正常硬貨等の機体内に収納されるべき硬貨は入金搬送部103により硬貨収納部106へ搬送されるようになっている。硬貨収納部106は硬貨を金種別に収納するようになっている。具体的には、例えば入金搬送部103の上流側から高額順に硬貨が収納される。
出金搬送部108は、硬貨収納部106から繰り出された硬貨を硬貨払出部116へ搬送するようになっている。また、出金搬送部108は、分岐部104から案内されたリジェクト硬貨等を硬貨払出部116へ搬送するようになっている。
次に、紙幣釣銭機200の構成について具体的に説明する。図1および図2に示すように、紙幣釣銭機200は、筐体210と、この筐体210内の略中央部に設けられた環状の周回搬送部203aとを備えている。また、紙幣受入部214、3つの紙幣収納部206、紙幣払出部216、出金リジェクト部204、および紙幣回収カセット207が、周回搬送部203aから外周を取り囲むように配置されている。
また、紙幣釣銭機200の筐体210の内部には、紙幣受入部214、各紙幣収納部206、紙幣払出部216、出金リジェクト部204、および紙幣回収カセット207と、周回搬送部203aとの間をそれぞれ接続する複数の接続搬送部203bが形成されている。また、周回搬送部203aには紙幣識別部201が設けられており、この紙幣識別部201は、当該紙幣識別部201を通過する紙幣の識別を行うようになっている。
また、周回搬送部203aと各接続搬送部203bとの間で紙幣の搬送経路を切り換える経路切換部(図示せず)が、周回搬送部203aに沿って配置されている。
図1および図2に示すように、筐体210の前面には、紙幣受入部214の紙幣受入口214aと、紙幣払出部216の紙幣取出口216aとがそれぞれ設けられている。また、紙幣回収カセット207は筐体210に対して着脱可能に取り付けられ、錠機構が設けられている。
紙幣受入部214は、投入された紙幣を検知すると駆動され、紙幣受入口214aに挿入された入金紙幣を一括で取り込んで、周回搬送部203a側へ1枚ずつ繰り出すようになっている。各紙幣収納部206は、紙幣識別部201の識別結果に基づいて紙幣を金種別に収納する。紙幣払出部216は、各紙幣収納部206から周回搬送部203aに繰り出された紙幣を紙幣取出口216aより機外へ放出するようになっている。
出金リジェクト部204は、紙幣収納部206から繰り出された紙幣のうち、斜行等の搬送異常により紙幣識別部201で識別することができない紙幣を出金リジェクト紙幣として収納する。また、紙幣受入部214から機体内に取り込まれた紙幣のうち、汚損等により紙幣識別部201で識別することができない紙幣は入金リジェクト紙幣として紙幣払出部216に返却されるようになっている。
次に、POSレジスタ300の構成について具体的に説明する。POSレジスタ300は、商品の購入情報を登録するとともに、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に対して硬貨や紙幣の入出金処理を行わせるようになっている。
POSレジスタ300の制御部330は、図1に示すように、硬貨釣銭機100の制御部130に通信接続されているとともに、店舗サーバ400にも通信接続されている。そして、この制御部330は、硬貨釣銭機100の制御部130や紙幣釣銭機200の制御部230に指令を送ることにより硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に対して硬貨や紙幣の入出金処理を行わせるようになっている。また、制御部330は、硬貨釣銭機100の制御部130や紙幣釣銭機200の制御部230から、これらの硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況に係る情報を受け取るようになっている。
操作部304は、操作者が操作することができるようになっており、制御部330に対して様々な指令を与えることができるようになっている。また、表示部302は、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高を表示するようになっている。また、POSレジスタ300には追加の表示部302aが設けられており、様々な情報を表示部302に表示させる代わりに、あるいは表示部302における表示に加えて、追加の表示部302aにおいて表示が行われるようになっていてもよい。また、POSレジスタ300にはカードリーダ336および印字部338が設けられている(図3参照、図1および図2では図示せず)。カードリーダ336は、操作者のIDカードを読み取ることにより操作者のIDや権限等に関する情報を取得するようになっている。また、印字部338は例えばプリンタから構成され、取引に関する情報や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納された硬貨や紙幣の在高等の様々な情報を印字するようになっている。
図3に、上述のような構成からなる貨幣処理システム1の制御ブロック図を示す。図3に示すように、硬貨釣銭機100の制御部130には、インターフェース132、硬貨受入部114、入金搬送部103、硬貨識別部101、分岐部104、硬貨収納部106、出金搬送部108、硬貨払出部116、操作表示部112、記憶部134等がそれぞれ接続されており、硬貨識別部101から制御部130に硬貨の識別結果が送られるとともに、制御部130から硬貨受入部114、入金搬送部103、分岐部104、硬貨収納部106、出金搬送部108、硬貨払出部116等の各々に対して様々な指令が送られるようになっている。また、硬貨釣銭機100の制御部130は、インターフェース132により、紙幣釣銭機200の制御部230やPOSレジスタ300の制御部330に対して信号の送受信を行うようになっている。また、操作者により操作表示部112に入力された指令が当該操作表示部112から制御部130に送られるとともに、制御部130は操作表示部112に指令を送ることにより当該操作表示部112に様々な情報を表示させるようになっている。より詳細には、操作表示部112には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高を表示するようになっている。また、記憶部134には、硬貨釣銭機100における硬貨の処理状況や、硬貨釣銭機100の内部に収納された硬貨の在高等の様々な情報が記憶されるようになっている。記憶部134に記憶される情報の詳細については後述する。
また、紙幣釣銭機200の制御部230には、インターフェース232、紙幣受入部214、周回搬送部203a、接続搬送部203b、紙幣識別部201、紙幣収納部206、出金リジェクト部204、紙幣払出部216、記憶部234等がそれぞれ接続されており、紙幣識別部201から制御部230に紙幣の識別結果が送られるとともに、制御部230から紙幣受入部214、周回搬送部203a、接続搬送部203b、紙幣収納部206、出金リジェクト部204、紙幣払出部216等の各々に対して様々な指令が送られるようになっている。また、紙幣釣銭機200の制御部230は、インターフェース232により、硬貨釣銭機100の制御部130に対して信号の送受信を行うようになっている。また、記憶部234には、紙幣釣銭機200における紙幣の処理状況や、紙幣釣銭機200の内部に収納された紙幣の在高等の様々な情報が記憶されるようになっている。記憶部234に記憶される情報の詳細については後述する。
また、POSレジスタ300の制御部330には、表示部302、操作部304、記憶部334、インターフェース332、カードリーダ336、印字部338等がそれぞれ接続されており、操作者により操作部304に入力された指令が当該操作部304から制御部330に送られたり、カードリーダ336により読み取られた操作者のIDカードに係る情報が制御部330に送られたりするようになっている。また、制御部330は表示部302に指令を送ることにより当該表示部302に様々な情報を表示させるようになっている。なお、制御部330は、表示部302に様々な情報を表示させる代わりに、あるいは表示部302における表示に加えて、追加の表示部302aにおいて表示を行わせるようになっていてもよい。また、制御部330は印字部338に指令を送ることにより当該印字部338により様々な情報を印字させるようになっている。また、POSレジスタ300の制御部330は、インターフェース332により、硬貨釣銭機100の制御部130や店舗サーバ400に対して信号の送受信を行うようになっている。また、記憶部334には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200から送信された、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高等の様々な情報が記憶されるようになっている。記憶部334に記憶される情報の詳細については後述する。
また、本実施の形態による貨幣処理システム1の硬貨釣銭機100において、各硬貨収納部106に収納されている各金種の硬貨について在高異常の可能性が生じたときにこのことを検出する在高異常検出部140が設けられている(図3参照)。より詳細には、図1に示すように出金搬送部108における硬貨払出部116近傍の箇所には通過センサ108aが設けられており、各硬貨収納部106から出金搬送部108に繰り出された硬貨が通過センサ108aにより検出されなかった場合には、この硬貨は硬貨払出部116まで搬送されずに出金搬送部108でジャムが生じたとして、在高異常検出部140により当該硬貨収納部106に対応する金種の硬貨について在高異常の可能性が生じたことが検出される。また、硬貨釣銭機100の筐体110の内部から、各硬貨収納部106を含むユニットが手前側に引き出されたときには、在高異常検出部140は、全ての金種の硬貨について在高異常の可能性が生じたことを検出する。
また、本実施の形態による貨幣処理システム1の紙幣釣銭機200において、各紙幣収納部206に収納されている各金種の紙幣について在高異常の可能性が生じたときにこのことを検出する在高異常検出部240が設けられている(図3参照)。より詳細には、図1に示すように接続搬送部203bにおける紙幣払出部216近傍の箇所には通過センサ203cが設けられており、各紙幣収納部206から周回搬送部203aに繰り出された紙幣が通過センサ203cにより検出されなかった場合には、この紙幣は紙幣払出部216まで搬送されずに周回搬送部203aや接続搬送部203bでジャムが生じたとして、在高異常検出部240により当該紙幣収納部206に対応する金種の紙幣について在高異常の可能性が生じたことが検出される。また、紙幣釣銭機200の筐体210の内部から、各紙幣収納部206を含むユニットが手前側に引き出されたときには、在高異常検出部240は、全ての金種の紙幣について在高異常の可能性が生じたことを検出する。
在高異常検出部140、240により在高異常の可能性が生じたことが検出されたときには、このことが検出時刻とともに記憶部134や記憶部234、あるいは記憶部334に記憶される。
次に、このような構成からなる貨幣処理システム1の動作について説明する。なお、以下に示す貨幣処理システム1の動作は、硬貨釣銭機100の制御部130や紙幣釣銭機200の制御部230、あるいはPOSレジスタ300の制御部330が、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の各構成要素をそれぞれ制御することにより行われる。
まず、硬貨釣銭機100に硬貨を入金する場合の動作について以下に説明する。硬貨釣銭機100の硬貨受入部114に硬貨が受け入れられると、硬貨受入部114は、受け入れた硬貨を1層1列状態で1枚ずつ機体内に取り込み、取り込まれた硬貨は入金搬送部103により搬送される。そして、入金搬送部103により搬送される硬貨は硬貨識別部101により硬貨の識別が行われる。硬貨識別部101による硬貨の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の、硬貨払出部116から払い出されるべき硬貨であると識別された硬貨は、分岐部104により出金搬送部108へ案内(搬送)され、出金搬送部108により硬貨払出部116に搬送される。一方、硬貨識別部101による硬貨の識別結果に基づいて、正常硬貨等の機体内に収納されるべき硬貨であると識別された硬貨は、入金搬送部103により硬貨収納部106へ搬送され、当該硬貨収納部106に金種別に収納される。
また、硬貨釣銭機100から釣銭としての硬貨を出金する場合には、操作者は操作表示部112により出金されるべき硬貨の金種別の枚数や合計金額等を入力する。あるいは、POSレジスタ300の制御部330から出金指令が硬貨釣銭機100の制御部130に送られることにより、硬貨釣銭機100から釣銭としての硬貨が出金されるようになる。硬貨釣銭機100の制御部130に対して出金指令が与えられると、硬貨収納部106に収納されている硬貨が当該硬貨収納部106から繰り出され、繰り出された硬貨は出金搬送部108により硬貨払出部116へ搬送される。このようにして、操作者は、硬貨払出部116から硬貨を取り出すことができるようになる。
次に、紙幣釣銭機200に紙幣を入金する場合の動作について以下に説明する。紙幣受入部214の紙幣受入口214aに紙幣が挿入されると、紙幣受入部214は、紙幣受入口214aに挿入された入金紙幣を一括で取り込んで、周回搬送部203a側へ1枚ずつ繰り出す。そして、周回搬送部203a側へ繰り出された紙幣は当該周回搬送部203aにより搬送され、この際に紙幣識別部201により紙幣の識別が行われる。紙幣識別部201により正常な紙幣であると識別された紙幣は、各紙幣収納部206に金種別に収納される。一方、紙幣受入部214から取り込まれた紙幣のうち、汚損や搬送異常等により紙幣識別部201で識別することができない紙幣は入金リジェクト紙幣として紙幣払出部216に返却される。
また、当該紙幣釣銭機200から釣銭としての紙幣を出金する場合には、操作者は操作表示部112により出金されるべき紙幣の金種別の枚数や合計金額等を入力する。あるいは、POSレジスタ300の制御部330から出金指令が硬貨釣銭機100経由で紙幣釣銭機200の制御部230に送られることにより、紙幣釣銭機200から釣銭としての紙幣が出金されるようになる。紙幣釣銭機200の制御部230に対して出金指令が与えられると、紙幣収納部206に収納されている紙幣が当該紙幣収納部206から繰り出され、繰り出された紙幣は紙幣識別部201により識別された後、周回搬送部203aにより紙幣払出部216に送られる。そして、紙幣払出部216は、紙幣収納部206から送られた紙幣を紙幣取出口216aより筐体210外へ放出する。このようにして、操作者は、紙幣釣銭機200から出金された紙幣を得ることができるようになる。なお、紙幣収納部206から繰り出された紙幣のうち、斜行等の搬送異常により紙幣識別部201で識別することができない紙幣は、出金リジェクト紙幣として出金リジェクト部204に収納される。
次に、本実施の形態の貨幣処理システム1において、複数の操作者が貨幣釣銭機を取り扱う場合における操作者の交代時の動作について図4に示すフローチャートを用いて以下に説明する。なお、以下に示すような動作は、硬貨釣銭機100の制御部130や紙幣釣銭機200の制御部230、あるいはPOSレジスタ300の制御部330が、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の各構成要素をそれぞれ制御することにより行われる。
本実施の形態の貨幣処理システム1によれば、操作者交代の指令が制御部130や制御部230、あるいは制御部330に与えられたときに、記憶部134や記憶部234、あるいは記憶部334に記憶された情報に基づいて、現操作者の担当期間内において在高異常の可能性が生じているかを確認し、その確認結果に基づく情報を硬貨釣銭機100の操作表示部112やPOSレジスタ300の表示部302等に表示するようになっている。なお、現操作者の担当期間とは、営業時間内において、当該操作者が担当し始めてから終了するまで、あるいは、担当の途中であればその時点までの期間を指す。また、操作者の交代とは、現操作者の担当が終了することを指し、次に別の操作者が担当する場合だけでなく、貨幣処理システム1の稼働を停止させたり、メンテナンス処理を開始したりする場合も含む。
図4に示すフローチャートを用いて具体的に説明すると、まず、貨幣釣銭機において取引処理を行う操作者が第1の操作者から第2の操作者に変更される場合において、第1の操作者は硬貨釣銭機100の操作表示部112を操作することにより在高確認を行うことを指示する(STEP1の「YES」)。なお、硬貨釣銭機100の操作表示部112を操作する代わりに、POSレジスタ300の操作部304を操作することにより在高確認の指示がなされるようになっていてもよい。在高確認の指示がなされると、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納されている硬貨や紙幣について在高異常の可能性がない場合には、操作表示部112には図5(a)に示すように硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200に収納された硬貨および紙幣の金種毎の枚数、ならびに出金リジェクト部204および紙幣回収カセット207に収納された紙幣の枚数が表示される。図5(a)に示すような画面において、第1の操作者が「在高」キーを押下すると、操作表示部112には図5(b)に示すように硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200に収納された硬貨および紙幣の金種毎の枚数、出金リジェクト部204および紙幣回収カセット207に収納された紙幣の枚数、ならびに合計金額が表示される(STEP2)。
一方、在高確認の指示がなされたときに、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納されている硬貨や紙幣について在高異常の可能性が生じている場合には、操作表示部112に硬貨および紙幣の金種毎の枚数等が表示されたときに、図5(c)に示すように「在高を確認してください」という表示がなされるとともに「在高」キーが色表示される(図5(c)では斜線で色表示を表現している)。より具体的には、前述したように、記憶部134や記憶部234、記憶部334には、在高異常検出部140、240により在高異常の可能性が生じたことが検出されたときにこのことが検出時刻とともに記憶されるようになっており、制御部130や制御部230、あるいは制御部330は、記憶部134や記憶部234、あるいは記憶部334に記憶された情報に基づいて、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納されている硬貨や紙幣について在高異常の可能性が生じているか否かを確認する。そして、図5(c)に示すような画面において、第1の操作者が「在高」キーを押下すると、操作表示部112に硬貨および紙幣の金種毎の枚数等が表示されたときに、図5(d)に示すように、「在高を確認してください」という表示が引き続き行われるとともに、在高異常の可能性が生じている金種の箇所が色表示される(図5(d)では斜線で色表示を表現している)。
第1の操作者により在高確認の指示がなされたときに(STEP1の「YES」)、図5(c)(d)に示すような「在高を確認してください」というメッセージが表示されるのは、この第1の操作者の担当期間中に在高異常の可能性が生じた場合に限られず、この第1の操作者の担当期間以前の他の操作者による担当期間内に在高異常の可能性が生じた場合にも同様の表示がなされる。
その後、操作表示部112に図5(b)(d)に示すような画面が表示されているときに、第1の操作者が「交代」キーを押下すると(STEP3の「YES」)、制御部130や制御部230、あるいは制御部330は、現操作者(すなわち、第1の操作者)の担当期間内において在高異常の可能性が生じているか否かを確認(チェック)する(STEP4)。そして、現操作者の担当期間内において在高異常の可能性が生じていない場合には(STEP5の「NO」)、操作表示部112には図6(a)に示すように正常表示がなされる(STEP10)。この際に、図6(a)に示すように、「異常なし」というメッセージが表示される。この際に、第1の操作者の担当期間も表示される(図6(a)における「11月7日19:22−11月7日19:24」という表示を参照)。一方、現操作者の担当期間内において在高異常の可能性が生じている場合には(STEP5の「YES」)、図6(b)に示すように異常表示がなされる(STEP6)。具体的には、図6(b)に示すように「確認必要」というメッセージが色表示される。
そして、操作表示部112に図6(b)に示すような画面が表示されているときに、第1の操作者が「重要操作」キーを押下すると(STEP7の「YES」)、図6(c)に示すように、障害発生や重要操作の状況の履歴が時系列順に詳細に表示される(STEP8)。この際に、第1の操作者の担当期間内および担当期間外の両方における障害発生や重要操作の状況の履歴が表示される。図6(c)では、障害発生の履歴を枠で囲って表示している。すなわち、図6(c)に示す表示では、11月7日19:26:25に硬貨の在高異常の可能性が生じている。なお、第1の操作者が「重要操作」キーを押下したときに、第1の操作者の担当期間内および担当期間外の両方の期間における障害発生や重要操作の状況の履歴が表示される代わりに、第1の操作者の担当期間内のみにおける障害発生や重要操作の状況の履歴が時系列順に詳細に表示されるようになっていてもよい。あるいは、第1の操作者が「重要操作」キーを押下したときに、第1の操作者の担当期間内および担当期間外の両方の期間における障害発生や重要操作の状況の履歴が表示されるが、第1の操作者の担当期間内の障害発生や重要操作の状況の履歴を、担当期間外の障害発生や重要操作の状況の履歴から区別可能に表示するようになっていてもよい。
操作表示部112に図6(c)に示すような画面が表示されているときに、第1の操作者が「戻る」キーを押下すると(STEP9の「YES」)、操作表示部112における表示内容は図6(b)に示すようなものに戻る。その後、操作表示部112に図6(a)または図6(b)に示すような画面が表示されているときに、第1の操作者が「締め」キーを押下すると(STEP11の「YES」)、第1の操作者により行われた取引について締め処理(所定期間)が行われる(STEP12)。具体的には、操作表示部112には、図6(d)に示すような画面が表示され、第1の操作者が「決定」キーを押下すると、第1の操作者の担当期間である11月7日19:22−11月7日19:53のデータが前区間のデータに移行される。その後、第2の操作者がIDカードをPOSレジスタ300のカードリーダ336により読み取らせることにより、第2の操作者がログインすると(STEP13の「YES」)、第2の操作者による取引が開始される。
なお、本実施の形態では、図4のフローチャートに示すような操作者の交代時の動作が、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200からなる貨幣釣銭機単体で行われるようになっていてもよい。この場合には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納されている硬貨や紙幣について、在高異常検出部140、240により在高異常の可能性が生じたことが検出されたときには、このことは記憶部134や記憶部234に記憶される。また、操作者交代の指令は、第1の操作者が硬貨釣銭機100の操作表示部112により制御部130や制御部230に入力することとなり、これらの制御部130や制御部230が、記憶部134や記憶部234に記憶された情報に基づいて、現操作者の担当期間内において在高異常の可能性が生じているかを確認し、その確認結果に基づく情報を操作表示部112に表示するようになる。
あるいは、図4のフローチャートに示すような操作者の交代時の動作は、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200からなる貨幣釣銭機と、POSレジスタ300とが協働することにより行われるようになっていてもよい。この場合には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納されている硬貨や紙幣について、在高異常検出部140、240により在高異常の可能性が生じたことが検出されたときには、このことは記憶部134や記憶部234、あるいは記憶部334に記憶される。また、操作者交代の指令は、第1の操作者が硬貨釣銭機100の操作表示部112により制御部130や制御部230に入力するか、あるいは第1の操作者がPOSレジスタ300の操作部304により制御部330に入力することとなり、制御部130、230、330のうちのいずれかの制御部が、記憶部134や記憶部234、あるいは記憶部334に記憶された情報に基づいて、現操作者の担当期間内において在高異常の可能性が生じているかを確認し、その確認結果に基づく情報を硬貨釣銭機100の操作表示部112やPOSレジスタ300の表示部302に表示するようになる。
あるいは、図4のフローチャートに示すような操作者の交代時の動作は、POSレジスタ300が主体となって行うようになっていてもよい。この場合には、営業中のログデータは全てPOSレジスタ300の記憶部334に記憶されるようになる。また、この場合には、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納されている硬貨や紙幣について在高異常の可能性が生じたときにこのことを検出する在高異常検出部もPOSレジスタ300に設けられるようになる。そして、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200に収納されている硬貨や紙幣について、POSレジスタ300に設けられた在高異常検出部により在高異常の可能性が生じたことが検出されたときには、このことが記憶部334に記憶されるようになる。また、POSレジスタ300の制御部330が、記憶部334に記憶された情報に基づいて、現操作者の担当期間内において在高異常の可能性が生じているかを確認し、その確認結果に基づく情報をPOSレジスタ300の表示部302に表示したり、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の制御部130、230に送信したりするようになる。
以上のように本実施の形態による貨幣釣銭機や貨幣処理システム1によれば、硬貨釣銭機100の硬貨収納部106や紙幣釣銭機200の紙幣収納部206に収納されている紙幣や硬貨について在高異常の可能性が生じたときには在高異常検出部140、240によりこのことが検出され、在高異常検出部140、240により在高異常の可能性が生じたことが検出されたときにこのことが記憶部134、234、334に記憶されるようになっている。そして、操作者交代の指令が制御部130、230、330に与えられたときに、記憶部134、234、334に記憶された情報に基づいて、現操作者の担当期間内において在高異常の可能性が生じているかを確認し、その確認結果に基づく情報を出力するようになっている。出力された情報は、例えば硬貨釣銭機100の操作表示部112に表示されるようになっている。このことにより、複数の操作者が交代で貨幣釣銭機を取り扱う場合において操作者が交代するときに、現操作者の担当期間内において在高異常の可能性が生じていたときにこのことを確認することができる。すなわち、従来の貨幣釣銭機では、貨幣釣銭機の収納部に収納されている貨幣について在高異常が生じた場合であっても、このような在高異常の発生は早くても店舗の営業終了後等に貨幣釣銭機の締め処理を行う際にしか確認することができなかった。これに対して、本実施の形態による貨幣釣銭機および貨幣処理システムによれば、各操作者の担当期間内に在高異常の発生の有無を操作者の交代時に確認し、貨幣釣銭機の収納部に収納されている貨幣について在高異常が生じたときにはこのことを迅速に認識することができるようになる。
また、本実施の形態の貨幣釣銭機や貨幣処理システム1では、操作表示部112により操作者交代の指令が硬貨釣銭機100の制御部130や紙幣釣銭機200の制御部230に入力されるようになっている。あるいは、硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200の制御部130や制御部230が主体となって各構成要素の制御を行う場合には、貨幣釣銭機(硬貨釣銭機100や紙幣釣銭機200)とは別に設けられた外部装置(具体的には、POSレジスタ300)から硬貨処理機100の制御部130や紙幣釣銭機200の制御部230に対して操作者交代の指令が送信されるようになっている。
また、本実施の形態の貨幣釣銭機や貨幣処理システム1では、前述したように、制御部130や制御部230、あるいは制御部330は、操作者交代の指令が与えられたときに、記憶部134、234、334に記憶された情報に基づいて、現操作者の担当期間外において在高異常の可能性が生じているかを確認し、その確認結果に基づく情報も操作表示部112に表示することができるようになっている。具体的には、図6(c)に示すように、操作者交代の指令を入力した操作者の担当期間内および担当期間外の両方の期間における障害発生や重要操作の状況の履歴が操作表示部112に表示される。
なお、本実施の形態による貨幣釣銭機やこの貨幣釣銭機が設けられた貨幣処理システム1は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。
例えば、制御部130、230、330が現操作者の担当期間内において在高異常の可能性が生じているかを確認し、その確認結果を操作表示部112に表示するのは、複数の操作者が交代で貨幣釣銭機を取り扱う場合において操作者が交代するときに限定されることはない。操作者が自分の担当期間中における在高異常の発生の有無を確認したいときに、在高異常の可能性の有無確認の指令を操作表示部112等により制御部130や制御部230、あるいは制御部330に入力したときにも、図4のフローチャートに示すような動作と同様の動作が行われるようになっていてもよい。このときには、ある操作者が自分の担当期間中における在高異常の発生の有無を確認した後に、同じ担当者が貨幣釣銭機で取引を続行する場合もある。また、ある操作者が自分の担当期間中における在高異常の発生の有無を確認した後に、新たな操作者が貨幣釣銭機の取引を担当することなく、全体の締め処理を行い、業務を終了する場合もある。
操作者が自分の担当期間中における在高異常の発生の有無を確認する動作についてより詳細に説明すると、在高異常の可能性の有無確認の指令が操作者により操作表示部112等を介して制御部130、230、330に与えられたときに、これらの制御部130、230、330は、記憶部134、234、334に記憶された情報に基づいて、現操作者の担当期間内において在高異常の可能性が生じているかを確認し、その確認結果に基づく情報を出力するようになる。そして、出力された情報は、例えば硬貨釣銭機100の操作表示部112に表示されるようになる。このことにより、操作者が自分の担当期間中における在高異常の発生の有無を確認したいときに、現操作者の担当期間内において在高異常の可能性が生じていたときにこのことを確認することができる。すなわち、従来の貨幣釣銭機では、貨幣釣銭機の収納部に収納されている貨幣について在高異常が生じた場合であっても、このような在高異常の発生は早くても店舗の営業終了後等に貨幣釣銭機の締め処理を行う際にしか確認することができなかった。これに対して、上述のような態様によれば、操作者は自分の担当期間内における在高異常の発生の有無をいつでも確認することができるようになり、貨幣釣銭機の収納部に収納されている貨幣について在高異常が生じたときにはこのことを迅速に認識することができるようになる。
あるいは、制御部130、230、330が現操作者の担当期間内において在高異常の可能性が生じているかを確認し、その確認結果を操作表示部112等に表示するのは、操作者交代や在高異常の可能性の有無確認の指令以外の所定の指令が制御部130、230、330に与えられたときであってもよい。この場合には、当該所定の指令が操作者により操作表示部112等を介して制御部130、230、330に与えられたときに、これらの制御部130、230、330は、記憶部134、234、334に記憶された情報に基づいて、現操作者の担当期間内において在高異常の可能性が生じているかを確認し、その確認結果に基づく情報を出力するようになる。なお、操作者交代や在高異常の可能性の有無確認の指令以外の所定の指令としては、例えば、操作者の休憩の開始指示や終了指示が挙げられる。また、予め設定された時刻になったり、予め設定された取引金額や取引件数に達したりしたときに、所定の指令が制御部130、230、330に与えられ、これらの制御部130、230、330が、記憶部134、234、334に記憶された情報に基づいて、現操作者の担当期間内において在高異常の可能性が生じているかを確認し、その確認結果に基づく情報を出力するようになっていてもよい。
また、操作者交代や在高異常の可能性の有無確認の指令等の所定の指令が制御部130、230、330に入力された後、操作表示部112等に正常表示や異常表示が表示されているときに、操作者の担当期間内の取引データの詳細も表示させることができるようになっていてもよい。より詳細には、操作表示部112に図6(a)(b)(c)に示すような画面が表示されているときに、操作者が「取引」キーを押下することにより、図7(a)に示すような操作者の担当期間内の取引内容の詳細が操作表示部112に表示されるようになる。この場合には、貨幣釣銭機における入金処理や出金処理等の様々な取引内容の履歴が時系列順に詳細に表示されるようになる。また、操作表示部112に図7(a)に示すような画面が表示されているときに、操作者が「明細」キーを押下することにより、図7(b)に示すような各取引における紙幣や硬貨の金種毎の投入枚数や投出枚数、ならびに入金金額や出金金額等が操作表示部112に表示されるようになる。なお、操作表示部112に図7(b)に示すような画面が表示されているときに、操作者が「金額」キーを押下することにより、図7(a)に示すような画面に戻るようになる。また、操作者交代や在高異常の可能性の有無確認の指令等の所定の指令が制御部130、230、330に入力された後、操作表示部112に正常表示や異常表示が表示されているときに、図7に示すような取引データ以外に、操作者の担当期間内における補充処理データ、回収処理データ、取引外入出金処理データ等の様々なデータの詳細も表示させることができるようになっていてもよい。
また、更に他の変形例として、操作者交代や在高異常の可能性の有無確認の指令等の所定の指令が制御部130、230、330に入力された後、これまでに貨幣釣銭機の取引を担当した全担当者について、各担当者の担当期間内において在高異常の可能性が生じているか否かを操作表示部112に表示できるようになっていてもよい。すなわち、ある操作者が操作者交代や在高異常の可能性の有無確認の指令等の所定の指令を制御部130、230、330に入力したときに、前任者や前々任者の担当期間内において在高異常の可能性が生じていたときにはこのことを操作表示部112に表示できるようになっていてもよい。
また、更に他の変形例として、操作者交代や在高異常の可能性の有無確認の指令等の所定の指令が制御部130、230、330に入力された後、在高異常の可能性が生じていることが操作表示部112に表示されたときには、特定の権限を有する管理者が貨幣釣銭機を操作しない限り、貨幣釣銭機は次の処理を行うことができないようになっていてもよい。
また、制御部130、230、330に操作者交代や在高異常の可能性の有無確認の指令等の所定の指令が制御部130、230、330に入力された後、記憶部134、234、334に記憶された情報に基づいて、現操作者の担当期間内において在高異常の可能性が生じているかを確認し、その確認結果に基づく情報を出力する際に、出力された情報は硬貨釣銭機100の操作表示部112やPOSレジスタ300の表示部302等に表示されることに限定されることはない。出力された情報が印字部338により印字されるようになっていてもよい。あるいは、出力された情報がPOSレジスタ300から店舗サーバ400に送信されるようになっていてもよい。あるいは、出力された情報が操作者に報知されずに単に記憶部134、234、334に記憶されるようになっていてもよい。
また、更に他の変形例としては、硬貨釣銭機100ではなく紙幣釣銭機200が操作表示部112を備えるとともにPOSレジスタ300に接続されて親機として機能し、硬貨釣銭機100が子機として紙幣釣銭機200に接続されるようになっていてもよい。また、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200が並列的にPOSレジスタ300に接続されるようになっていてもよい。また、硬貨釣銭機100および紙幣釣銭機200が一体的に構成される釣銭機がPOSレジスタ300に接続されるようになっていてもよい。また、硬貨釣銭機100あるいは紙幣釣銭機200の一方のみがPOSレジスタ300に接続され、当該POSレジスタ300により運用され、他方の釣銭機はPOSレジスタ300および一方の釣銭機から独立して運用されるようになっていてもよい。