JP2013092693A - 感光性樹脂組成物、感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の感光性樹脂組成物は、分散度が1.6以下のバインダーポリマーと、ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物及びジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する。
【選択図】なし
Description
本実施形態の感光性樹脂組成物は、分散度が1.6以下のバインダーポリマーと、ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物及びジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する。
まず、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下のバインダーポリマー(以下「(A)成分」ともいう。)について説明する。
次に、光重合性化合物(以下「(B)成分」ともいう。)について説明する。
次に、光重合開始剤(以下「(C)成分」ともいう。)について説明する。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、増感色素(以下「(D)成分」ともいう。)を含有することができる。
アミン系化合物(以下「(E)成分」ともいう。)としては、例えば、ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]メタン、ビス[4−(ジエチルアミノ)フェニル]メタン及びロイコクリスタルバイオレットが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物等)、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等を含有してもよい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。これらの含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、それぞれ0.01〜20質量部程度とすることが好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物を有機溶剤に溶解して、固形分30〜60質量%程度の溶液(塗布液)として用いることができる。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びこれらの混合溶剤が挙げられる。
図1は、本発明の感光性エレメント1の好適な実施形態を示す模式断面図である。
上記感光性樹脂組成物を用いて、レジストパターンを形成することができる。本実施形態に係るレジストパターンの形成方法は、(i)上記感光性樹脂組成物を用いて形成された感光性樹脂組成物層を基板上に積層する積層工程と、(ii)感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射してその所定部分を露光させ、硬化させる露光工程と、(iii)感光性樹脂組成物層の上記所定部分以外の部分を基板上から除去することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する現像工程と、を有する。
まず、感光性樹脂組成物を用いて形成された感光性樹脂組成物層を基板上に積層する。基板としては、絶縁層と該絶縁層上に形成された導体層とを備えた基板(回路形成用基板)を用いることができる。
次に、基板上の感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射してその所定部分を露光させ、硬化させる。この際、感光性樹脂組成物層上に存在する支持フィルムが活性光線に対して透過性である場合には、支持フィルムを通して活性光線を照射することができるが、支持フィルムが遮光性である場合には、支持フィルムを除去した後に感光性樹脂組成物層に活性光線を照射する。
さらに、感光性樹脂組成物層の上記所定部分以外の部分を基板上から除去することにより、基板上に、感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する。感光性樹脂組成物層上に支持フィルムが存在している場合には、支持フィルムを除去してから、上記所定部分(露光部分)以外の部分(未露光部分)の除去(現像)を行う。現像方法には、ウェット現像とドライ現像とがあるが、ウェット現像が広く用いられている。
上記方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきすることにより、プリント配線板を製造することができる。基板のエッチング又はめっきは、形成されたレジストパターンをマスクとして、基板の導体層等に対して行われる。
表2及び表3に示す(A)〜(E)成分を、同表に示す配合量(g)で混合することにより、実施例1〜15及び比較例1〜12の感光性樹脂組成物の溶液を調製した。表2及び表3に示す(A)成分の配合量は不揮発分の質量(固形分量)である。表2及び表3に示す各成分の詳細については、以下のとおりである。
[バインダーポリマー(A−1)及び(A−2)]
バインダーポリマー(A−1)及び(A−2)としては、リビングラジカル重合(精密重合)により合成したものを使用した。合成手法としては、例えば、特開2009−19165公報に記載の手法が挙げられる。
重合性単量体(モノマー)であるメタクリル酸150g、メタクリル酸ベンジル125g、メタクリル酸メチル25g及びスチレン200g(質量比30/25/5/40)と、アゾビスイソブチロニトリル9.0gとを混合して得た溶液を「溶液a」とした。
GPC条件
ポンプ:日立 L−6000型((株)日立製作所製、製品名)
カラム:Gelpack GL−R420、Gelpack GL−R430、Gelpack GL−R440(以上、日立化成工業(株)製、製品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI((株)日立製作所製、製品名)
重合性単量体(モノマー)として、表1に示す材料を同表に示す質量比で用いたほかは、バインダーポリマー(A−3)の溶液を得るのと同様にしてバインダーポリマー(A−4)〜(A−8)の溶液を得た。
A−DPH−12E(新中村化学工業(株)製、サンプル名):EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(エチレンオキサイド平均12mol付加物)
A−DPH−6P(新中村化学工業(株)製、サンプル名):PO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(プロピレンオキサイド平均6mol付加物)
ATM−4(新中村化学工業(株)製、サンプル名):EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(エチレンオキサイド平均4mol付加物)
ATM−35(新中村化学工業(株)製、製品名):EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(エチレンオキサイド平均35mol付加物)
ATM−20B(新中村化学工業(株)製):BO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(ブチレンオキサイド平均20mol付加物)
ATM−20E6P6B(新中村化学工業(株)製):EO・PO・BO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(エチレンオキサイド平均20mol、プロピレンオキサイド平均6mol、ブチレンオキサイド平均6mol付加物)
PET−9E:EO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート(エチレンオキサイド平均9mol付加物)
PET−6E3P:EO・PO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート(エチレンオキサイド平均6mol、プロピレンオキサイド平均3mol付加物)
PET−6E3B:EO・BO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート(エチレンオキサイド平均6mol、ブチレンオキサイド平均3mol付加物)
FA−321M(日立化成工業(株)製、製品名):2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン
FA−024M(日立化成工業(株)製、製品名):上記一般式(6)において、R7及びR8=メチル基、r3=6(平均値)、s2+s3=12(平均値)であるビニル化合物
FA−023M(日立化成工業(株)製、製品名):上記一般式(5)において、R5及びR6=メチル基、r1+r2=6(平均値)、s1=12(平均値)であるビニル化合物
TMPT21E(日立化成工業(株)製、サンプル名):EO変性トリメチロールプロパントリメタクリレート(エチレンオキサイド平均21mol付加物)
M−114(東亞合成(株)製、製品名):4−ノルマルノニルフェノキシオクタエチレングリコールアクリレート
APG−400(新中村化学工業(株)製、製品名):
ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート(プロピレンオキサイド平均7mol付加物)
APG−700(新中村化学工業(株)製、製品名):ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート(プロピレンオキサイド平均12mol付加物)
B−CIM(Hampford社製、製品名):2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾール
PYR−1((株)日本化学工業所製):1−フェニル−3−(4−メトキシスチリル)−5−(4−メトキシフェニル)ピラゾリン
DBA(川崎化成工業(株)製、製品名):9,10−ジブトキシアントラセン
EAB(保土ヶ谷化学工業(株)製、製品名):4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
J205(日本蒸溜工業(株)製、製品名):下記式(11a)で表されるトリフェニルアミン誘導体
LCV(山田化学(株)製、製品名):ロイコクリスタルバイオレット
MKG(大阪有機化学工業(株)製、製品名):マラカイトグリーン
上記感光性樹脂組成物の溶液を、それぞれ厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人(株)製、製品名「HTF−01」)上に均一に塗布し、70℃及び110℃の熱風対流式乾燥器で乾燥して、乾燥後の膜厚が25μmである感光性樹脂組成物層を形成した。この感光性樹脂組成物層上に保護フィルム(タマポリ(株)製、製品名「NF−15」)を貼り合わせ、ポリエチレンテレフタレートフィルム(支持フィルム)と、感光性樹脂組成物層と、保護フィルムとが順に積層された感光性エレメントを得た。
ガラスエポキシ材と、その両面に形成された銅箔(厚さ16μm)とからなる銅張積層板(日立化成工業(株)製、製品名「MCL−E−679F」)の銅表面を、メック(株)社製CZ処理液で粗化した。この粗化銅基板(以下、「基板」という。)を加熱して80℃に昇温させた後、実施例1〜15及び比較例1〜12に係る感光性エレメントを、基板の銅表面にラミネート(積層)した。ラミネートは、保護フィルムを除去しながら、各感光性エレメントの感光性樹脂組成物層が基板の銅表面に密着するようにして、温度120℃、ラミネート圧力4kgf/cm2の条件下で行った。このようにして、基板の銅表面上に感光性樹脂組成物層及びポリエチレンテレフタレートフィルムが積層された積層基板を得た。
得られた積層基板を放冷し、23℃になった時点で、積層基板のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、濃度領域0.00〜2.00、濃度ステップ0.05、タブレットの大きさ20mm×187mm、各ステップの大きさが3mm×12mmである41段ステップタブレットを有するフォトツールを密着させた。波長405nmの青紫色レーザダイオードを光源とする日立ビアメカニクス社製直描機「DE−1UH」(製品名)を使用して、80mJ/cm2のエネルギー量(露光量)でフォトツール及びポリエチレンテレフタレートフィルムを介して感光性樹脂組成物層に対して露光を行った。なお、照度の測定は、405nm対応プローブを適用した紫外線照度計(ウシオ電機(株)製、製品名「UIT−150」)を用いて行った。
ライン幅(L)/スペース幅(S)(以下、「L/S」と記す。)が3/3〜30/30(単位:μm)である描画パターンを用いて、41段ステップタブレットの残存段数が16段となるエネルギー量で上記積層基板の感光性樹脂組成物層に対して露光(描画)を行った。露光後、上記感度の評価と同様の現像処理を行った。
上記解像度及び密着性の評価において、得られたレジスト形状(レジストパターンの断面形状)を日立走査型電子顕微鏡S−500Aを用いて観察した。レジスト形状が台形又は逆台形である場合や、レジストの裾引き又はクラックがある場合には、その後のエッチング処理又はめっき処理により形成された回路に短絡や断線が生じやすくなる傾向がある。従って、レジスト形状は矩形(長方形)で、且つレジストの裾引き又はクラックがないことが望ましい。なお、「クラック」とは、レジストパターンのライン部分(露光部分)に、ひびや亀裂が生じ、あるいはそれに伴いライン部分に欠けや断裂が生じたことを意味する。レジスト形状が矩形で、且つレジストの裾引き又はクラックがない場合を「A」、レジストの裾引きが見られた場合を「B」として評価した。結果を表5及び表6に示す。
各感光性エレメントを上記銅張積層板(基板)上に積層し、表4に示す条件で露光及び現像を行うことにより、基板上に硬化膜が形成された試験片(40mm×50mm)を作製した。この試験片を室温で一昼夜放置した後、表4に示す条件で剥離を行った。撹拌開始から、硬化膜が基板から完全に剥離除去されるまでの時間を剥離時間(秒)とした。また、剥離後の剥離片のサイズを目視にて観察し、以下の基準で評価した。剥離時間が短く、剥離片サイズが小さいほど剥離特性が良好であることを意味する。結果を表5及び表6に示す。
剥離片サイズ
L:シート状
M:30〜40mm角
S:30mm角より小さい
1.6mm厚の銅張積層板に直径4mmの穴が3個連なって空いてある図2に示す穴破れ数測定用基板上に、実施例及び比較例で作製した感光性エレメントを温度120℃、ラミネート圧力4kgf/cm2の条件下でラミネートした。ラミネートは、保護フィルムを除去しながら、感光性エレメントの感光性樹脂層が穴破れ数測定用基板面に密着するようにして行った。次いで、現像後の残存ステップ段数が16.0段となるエネルギー量で露光を行い、露光後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、50秒の現像を2回行った。現像後、図2に示した箇所(合計18個の3連φ4mm穴)の穴破れ個数を測定し、異形テント破れ率として評価し、これをテント信頼性とした。
異形テント破れ率(%)=(穴破れ数(個)/18(個))×100
未露光の感光性樹脂組成物層からなるフィルム0.5m2を1Lの1質量%炭酸ナトリウム水溶液に溶解し、その溶液を30℃、90分間スプレー現像機で循環させた。2分間放置後、現像機の壁面に付着した油状生成物を観察し、以下に示す基準によりスカム発生性を評価した。数字が大きいほうが特性上好ましい。
4:油状生成物無し
3:油状生成物微量
2:油状生成物少量
1:油状生成物多量
上記積層基板からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、感光性樹脂組成物層を露出させ、現像後の残存ステップ段数が16.0段となるエネルギー量で露光を行い、1質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像した。次いで、脱脂液(メルテックス社製、製品名「PC−455」、25質量%)に5分間浸漬→水洗→ソフトエッチ液(過硫酸アンモニウム150g/L)に2分間浸漬→水洗→10質量%硫酸に1分間浸漬の順で前処理を行い、硫酸銅めっき浴(硫酸銅75g/L、硫酸190g/L、塩素イオン50ppm、メルテックス社製、製品名「カパーグリームPCM」5mL/L)に入れ、硫酸銅めっきを室温、2A/dm2で40分間行い、その後水洗した。
Claims (12)
- 分散度が1.6以下のバインダーポリマーと、
ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物及びジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含む光重合性化合物と、
光重合開始剤と、
を含有する感光性樹脂組成物。 - 前記バインダーポリマーが、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体、スチレン及びスチレン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合性単量体に基づく構成単位を有する、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記バインダーポリマーの酸価が90〜250mgKOH/gである、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記バインダーポリマーの重量平均分子量が10000〜100000である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記光重合性化合物が、ビスフェノールA系ジ(メタ)アクリレート化合物を更に含む、請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記光重合開始剤が、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 340〜430nmに吸収極大を有する増感色素を更に含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- アミン系化合物を更に含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 支持フィルムと、該支持フィルム上に請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメント。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された感光性樹脂組成物層を基板上に積層する積層工程と、
前記感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して前記所定部分を露光させ、硬化させる露光工程と、
前記感光性樹脂組成物層の前記所定部分以外の部分を前記基板上から除去することにより、前記基板上に、前記感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成する現像工程と、を有するレジストパターンの形成方法。 - 前記活性光線の波長が340〜430nmの範囲内である、請求項10に記載のレジストパターンの形成方法。
- 請求項10又は11に記載の方法によりレジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきする工程を含む、プリント配線板の製造方法。
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