JP6451058B2 - 感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線板の製造分野においては、エッチング、めっき等に用いられるレジスト材料として、感光性樹脂組成物、及び、この感光性樹脂組成物を用いて形成される層(以下、「感光性樹脂組成物層」という)を支持体上に積層し、感光性樹脂組成物層上に保護層を配置させた構造を有する感光性エレメント(積層体)が広く用いられている(例えば、特許文献1及び2参照)。
従来、プリント配線板は上記感光性エレメントを用いて、例えば、以下の手順で製造されている。すなわち、まず、感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を銅張り積層板等の回路形成用基板上にラミネートする。このとき、感光性樹脂組成物層の支持体に接触している面(以下、感光性樹脂組成物層の「下面」という)と反対側の面(以下、感光性樹脂組成物層の「上面」という)が回路形成用基板の回路を形成すべき面に密着するようにする。そのため、保護層を感光性樹脂組成物層の上面に配置している場合、保護層を剥がしながらラミネートを行う。ラミネート方法としては、例えば、感光性樹脂組成物層を下地の回路形成用基板に加熱圧着する方法(常圧ラミネート法)が知られている。
次に、マスクフィルムなどを通して感光性樹脂組成物層を所定のパターンで露光することで、感光性樹脂組成物層の露光領域が硬化する。このとき、露光前又は露光後の何れかのタイミングで支持体を剥離する。その後、未露光部を現像液で溶解又は分散除去する。次に、エッチング処理又はめっき処理を施して配線のパターンを形成させ、最終的に硬化部分を剥離除去する。
ここでエッチング処理とは、現像後に形成した硬化レジストによって被覆されていない金属面をエッチング除去した後、レジストを剥離する方法である。一方、めっき処理とは、現像後に形成した硬化レジストによって被覆されていない金属面に銅及び半田等のめっき処理を行った後、レジストを除去し、レジストによって被覆されていた金属面をエッチングする方法である。
上述のパターン露光方法では、従来、光源として水銀灯を用いてフォトマスクを介して露光していたが、パターンのデジタルデータを直接感光性樹脂組成物層に描画する直接描画露光法が提案されている。直接描画露光法はフォトマスクを介した露光よりも位置合わせ精度が良好であり、かつファインパターンが得られることから高密度パッケージ基板作製のために導入されている。
直接描画露光法では、水銀灯を光源とした従来の露光法で使用する感光性エレメントと同程度の感度を有する感光性エレメントを使用した場合、露光時間を長くしなければならない傾向がある。そこで、生産のスループット向上のためには露光時間をなるべく短縮する必要があり、そのためには露光装置側の照度を上げる、感光性樹脂組成物の感度を上げることなどが必要である。
また、生産のスループット向上のためには、硬化後のレジスト剥離時間を短縮する必要もある。更にレジストの剥離片が配線パターン等へ再付着することを防いで生産歩留まりを向上させるために、剥離片のサイズを小さくする必要もある。このように、硬化後のレジスト剥離特性(剥離時間、剥離片サイズ等)にも優れた感光性樹脂組成物が要求されている。
しかしながら、従来の感光性樹脂組成物を直接描画露光法に適用した場合、感度、解像度及びレジストの剥離特性が充分ではなかった。感度、解像度及びレジストの剥離特性を改善するために、これまでバインダー樹脂、光重合開始剤等について様々な検討がされている(例えば、特許文献3及び4参照)。
また、近年の電子機器の高性能化に伴い、プリント配線板の高集積化が年々進んでいる。プリント配線板の製造に用いられる感光性樹脂組成物には、更なる微細な配線パターンの形成に対応するため、L/S(ライン幅/スペース幅)が10/10(単位:μm)以下のパターンが形成できる程度に解像度及び密着性に優れることが要求されている。
特開2004−177597号公報 特開2004−191585号公報 特開2006−234995号公報 特開2005−122123号公報
しかしながら、上述の特許文献1〜3等に記載された従来の感光性樹脂組成物から形成される感光性樹脂組成層は、感度、解像度、密着性及びレジストの剥離特性を充分に満足しているとはいえず、高い解像性又は密着性を有するレジストパターンを形成する場合、レジストパターンにうねり、欠け、剥がれ等の不良が発生する場合があった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、感度、解像度、密着性及びレジストの剥離特性に優れた感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、(A)(メタ)アクリル酸ベンジル又は(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体に基づく構造単位を有するアルカリ可溶性バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)下記一般式(1)で表される化合物を含有する感光性樹脂組成物を提供する。
Figure 0006451058

[式(1)中、Rは有機基を示し、aは1〜4の整数を示し、Ma+はa価の金属イオン又はアンモニウムイオンを示す。]
本発明の感光性樹脂組成物は、上記構成を有することにより、優れた感度、解像度、密着性及びレジストの剥離特性を得ることができる。
上記一般式(1)中のRは、上記本発明の効果をより充分に得る観点から、アリール基、置換基を有するアリール基、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、主鎖炭素原子間に1以上の酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキルエーテル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基又は炭素数1〜4のハロアルキル基であることが好ましい。
上記一般式(1)中のMa+は、上記本発明の効果をより充分に得る観点から、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、IIIB族金属イオン、IVB族金属イオン、IB族金属イオン、VIII族金属イオン、IVA族金属イオン、VA族金属イオン、VIA族金属イオン、VIIA族金属イオン又はアンモニウムイオンであることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において、上記(D)成分は、下記一般式(5)で表される化合物であることが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物はより優れた感度、解像度、密着性及びレジストの剥離特性を得ることができる。
Figure 0006451058

[式(5)中、R、R、R、R10及びR11は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基(−OR12、−SR13及び−N(R14)(R15)からなる群から選ばれる1以上で置換されていてもよい)、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、−OR12、−SR13、−S(O)R13、−SO13、又は−N(R14)(R15)で表される基を示し;R12は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、置換された炭素数2〜6のアルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有する炭素数2〜6のアルキルエーテル基、炭素数2〜8のアルカノイル基、−(CHCHO)H(nは1〜20の整数を示す)で表される基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、シクロヘキシル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、又は−Si(R16(R173−r(R16は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R17はフェニル基を示し、rは1〜3の整数を示す)を示し;R13は水素原子、炭素数1〜12の未置換アルキル基、炭素数3〜12のアルケニル基、シクロヘキシル基、炭素数2〜6の置換アルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するアルキルエーテル基、主鎖原子間に1個以上の硫黄原子を有する炭素数2〜12のアルキルスルフィド基、置換又は未置換のフェニル基、または炭素数7〜9のフェニルアルキル基を示し;R14及びR15は相互に独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数2〜3のアルカノイル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基を示すか、あるいはR14とR15が一体化された炭素数2〜6のアルキレン基を示し;Ma+はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、IIIB族金属イオン、IVB族金属イオン、IB族金属イオン、VIII族金属イオン、IVA族金属イオン、VA族金属イオン、VIA族金属イオン、VIIA族金属イオン又はアンモニウムイオンを示し;aは1〜4の整数を示す。]
本発明の感光性樹脂組成物において、上記(C)光重合開始剤は、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体を含むことが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物は、より優れた密着性及び感度を得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(E)増感色素をさらに含有することが好ましい。これにより、直接描画露光法の露光光に対する感光性樹脂組成物の感度をより向上させることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(F)水素供与体をさらに含有することが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物の露光時に、露光部分と未露光部分とのコントラストをより向上させることができる。
本発明はまた、支持体と、該支持体上に上記本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成された感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメントを提供する。かかる感光性エレメントは、感光性樹脂組成物層が上記本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成されたものであるため、優れた感度、解像度、密着性及びレジストの剥離特性を得ることができる。
本発明はまた、回路形成用基板上に、上記本発明の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層を形成する工程と、上記感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる工程と、上記感光性樹脂組成物層の上記露光部以外の部分を除去する工程と、を含むレジストパターンの形成方法を提供する。
本発明はまた、回路形成用基板上に、上記本発明の感光性エレメントを、上記感光性樹脂組成物層が密着するようにして積層する工程と、上記感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる工程と、上記感光性樹脂組成物層の上記露光部以外の部分を除去する工程と、を含むレジストパターンの形成方法を提供する。
これらのレジストパターンの形成方法によれば、上記本発明の感光性樹脂組成物又は感光性エレメントを用いているため、感光性樹脂組成物層の感度、解像度及び密着性に優れるとともに、剥離特性に優れたレジストパターンを形成することができる。
本発明はさらに、上記本発明のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成された回路形成用基板を、エッチング又はめっきする工程を含む、プリント配線板の製造方法を提供する。
本発明によれば、感度、解像度、密着性及びレジストの剥離特性に優れた感光性樹脂組成物、これを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造方法を提供することができる。
本発明の感光性エレメントの一実施形態を示す模式断面図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリロイル」とは「アクリロイル」及びそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。
また、本明細書において、(ポリ)オキシエチレン基とは、オキシエチレン基(「エチレンオキサイド」ともいう)又は2以上のエチレン基がエーテル結合で連結したポリオキシエチレン基を意味し、(ポリ)オキシプロピレン基とは、オキシプロピレン基(「プロピレンオキサイド」ともいう)又は2以上のプロピレン基がエーテル結合で連結したポリオキシプロピレン基を意味する。また、「EO変性」とは、(ポリ)オキシエチレン基を有する化合物であることを意味し、「PO変性」とは、(ポリ)オキシプロピレン基を有する化合物であることを意味し、「EO・PO変性」とは、(ポリ)オキシエチレン基及び(ポリ)オキシプロピレン基の双方を有する化合物であることを意味する。
また、本明細書において、「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。
また、本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
また、本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
(感光性樹脂組成物)
先ず、感光性エレメントの感光性樹脂組成物層の構成材料となる感光性樹脂組成物について説明する。本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)(メタ)アクリル酸ベンジル又は(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体に基づく構造単位を有するアルカリ可溶性バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)下記一般式(1)で表される化合物を含有するものである。
Figure 0006451058

[式(1)中、Rは有機基を示し、aは1〜4の整数を示し、Ma+はa価の金属イオン又はアンモニウムイオンを示す。]
<(A)成分:(メタ)アクリル酸ベンジル又は(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体に基づく構造単位を有するアルカリ可溶性バインダーポリマー>
(A)バインダーポリマーは、感光性樹脂組成物を構成材料とする感光性樹脂組成物層の回路形成用基板に対する密着性及び剥離特性を共に良好にする観点から、(メタ)アクリル酸ベンジル又は(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体に基づく構造単位を有する。ここで、(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体としては、(メタ)アクリル酸ベンジルのベンジル基の芳香環上に炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基が置換した化合物等が挙げられる。
(A)バインダーポリマーにおいて、(メタ)アクリル酸ベンジル又は(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体に基づく構造単位の含有量は、密着性及びレジストの剥離特性をより向上させる観点から、(A)バインダーポリマーの固形分の全質量を基準として、5〜60質量%であることが好ましく、10〜55質量%であることがより好ましく、13〜50質量%であることが更に好ましく、15〜45質量%であることが特に好ましい。この含有量を5質量%以上とすることで解像性がさらに向上する傾向があり、60質量%以下とすることで現像性がより良好になる傾向がある。なお、上記含有量は、(A)バインダーポリマーが(メタ)アクリル酸ベンジルに基づく構造単位及び(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体に基づく構造単位の双方を有する場合には、その合計の含有量を意味する。
(A)バインダーポリマーは、アルカリ溶解性を向上する観点から、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸誘導体に基づく構造単位をさらに有することが好ましい。
(A)バインダーポリマーにおいて、(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸誘導体に基づく構造単位は、アルカリ溶解性、レジストの剥離特性及び解像性の観点から、(A)バインダーポリマーの固形分の全質量を基準として、10〜60質量%であることが好ましく、15〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることが更に好ましく、25〜35質量%であることが特に好ましい。この含有量を10質量%以上とすることでアルカリ溶解性が良好になり、剥離片が小さくなり、剥離時間が短くなる傾向がある。一方、この含有量を60質量%以下とすることで解像性が良好になる傾向がある。なお、上記含有量は、(A)バインダーポリマーが(メタ)アクリル酸に基づく構造単位及び(メタ)アクリル酸誘導体に基づく構造単位の双方を有する場合には、その合計の含有量を意味する。
(A)成分であるバインダーポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく構造単位をさらに有していてもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、下記一般式(6)で表される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物などが挙げられる。ただし、下記一般式(6)中、R20は水素原子又はメチル基を示し、R21は炭素数1〜12のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。
CH=C(R20)−COOR21 (6)
上記一般式(6)中のR21で示される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。上記一般式(6)で表される単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
(A)バインダーポリマーにおいて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく構造単位は、レジストの剥離特性及び解像性の観点から、(A)バインダーポリマーの固形分の全質量を基準として、1〜15質量%であることが好ましく、1.3〜13質量%であることがより好ましく、1.5〜10質量%であることが更に好ましく、1.8〜8質量%であることが特に好ましい。この含有量を1質量%以上とすることでレジストの剥離特性が向上する傾向があり、15質量%以下とすることで解像性が向上する傾向がある。
(A)バインダーポリマーは、スチレン又はスチレン誘導体に基づく構造単位を有していることが好ましい。なお、本明細書において、「スチレン誘導体」とは、スチレンにおける水素原子が置換基(アルキル基等の有機基、ハロゲン原子など)で置換されたものをいう。スチレン誘導体として具体的には、α−メチルスチレン;スチレンの芳香環上に炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基が置換した化合物等が挙げられる。
(A)バインダーポリマーにおいて、スチレン又はスチレン誘導体に基づく構造単位の含有量は、(A)バインダーポリマーの固形分の全質量を基準として、10〜60質量%であることが好ましく、12〜58質量%であることがより好ましく、14〜56質量%であることが更に好ましく、16〜54質量%であることが特に好ましい。この含有量が10質量%以上であることで解像性がより良好になる傾向があり、60質量%以下であると剥離片が小さくなり、剥離時間が短くなる傾向がある。
上述した(A)バインダーポリマーを用いて感光性樹脂組成物層を形成する場合、1種類のバインダーポリマーを単独で使用してもよく、2種類以上のバインダーポリマーを任意に組み合わせて使用してもよい。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上の(異なる繰り返し単位を構成成分として含む)バインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーなどが挙げられる。また、特開平11−327137号公報に記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用することもできる。さらに、(メタ)アクリル酸ベンジル又は(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体に基づく構造単位を有するバインダーポリマーと、(メタ)アクリル酸ベンジル又は(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体に基づく構造単位を有さない(すなわち(A)成分に該当しない)バインダーポリマーとを組み合わせて用いてもよい。
(A)バインダーポリマーの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる(標準ポリスチレンを用いた検量線による換算)。
この測定法によれば、バインダーポリマーのMwは、5000〜300000であることが好ましく、30000〜150000であることがより好ましい。Mwを5000以上とすることで耐現像液性が向上する傾向があり、300000以下とすることで現像時間が短くなる傾向がある。
上記(A)バインダーポリマーは、分散度(Mw/Mn)が1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.5であることがより好ましい。分散度を3.0以下とすることで密着性及び解像度が向上する傾向がある。
また、上記(A)バインダーポリマーには、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂を併用することもできる。
(A)バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。また、(A)バインダーポリマーを製造する際には、上述の重合性単量体以外の重合性単量体を併用することもできる。重合性単量体としては、例えば、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
(A)バインダーポリマーは、アルカリ性水溶液を用いてアルカリ現像を行う場合の現像性の見地から、カルボキシル基を有するポリマーの1種又は2種以上からなることが好ましい。このような(A)バインダーポリマーは、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体とをラジカル重合させることにより製造することができる。
(A)バインダーポリマーの酸価は、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、45〜150mgKOH/gであることがより好ましい。この酸価が30mgKOH/g以上であることで現像時間が短くなる傾向があり、200mgKOH/g以下であることで光硬化したレジストの耐現像液性が向上する傾向がある。また、現像工程として溶剤現像を行う場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体を少量に調製することが好ましい。
また、(A)バインダーポリマーは必要に応じて感光性を有する特性基をその分子内に有していてもよい。
感光性樹脂組成物における(A)バインダーポリマーの含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して30〜70質量部とすることが好ましく、35〜65質量部とすることがより好ましく、40〜60質量部とすることが特に好ましい。この含有量が30質量部以上であることで良好なレジスト形状が得られやすい傾向があり、70質量部以下であることで良好な感度及び解像性が得られやすい傾向がある。(A)バインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
<(B)成分:光重合性化合物>
(B)光重合性化合物は、光重合が可能な化合物であれば特に制限はないが、ラジカル重合性化合物であることが好ましく、エチレン性不飽和結合を有する化合物であることがより好ましい。(B)光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート、フタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用される。耐めっき性、密着性の観点から、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物または分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物を必須成分とすることが好ましい。また、分子内に一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性不飽和化合物と、分子内に二つ以上の重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性不飽和化合物とを組み合わせて用いることが、本発明の効果をより確実に得る観点より好ましい。なお、(B)成分としてカチオン重合可能な化合物、アニオン重合可能な化合物を含んでいてもよい。カチオン重合可能な化合物としては、例えば、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する化合物(オキセタン化合物等)が挙げられる。
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14でありプロピレン基の数が2〜14であるポリエチレン・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO・PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用される。
上記ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物としては、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業株式会社製、製品名)、FA−321M(日立化成株式会社製、製品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業株式会社製、製品名)として商業的に入手可能である。上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンの1分子内のエチレンオキサイド基の数は4〜20であることが好ましく、8〜15であることがより好ましい。これらは単独で、または2種類以上を任意に組み合わせて使用される。
上記分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、β位にOH基を有する(メタ)アクリルモノマーとジイソシアネート化合物(イソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等)との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、UA−11(新中村化学工業株式会社製、製品名)が挙げられる。また、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、UA−13(新中村化学工業株式会社製、製品名)が挙げられる。これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用される。
上記ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレートとしては、例えば、ノニルフェノキシテトラエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシペンタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシヘキサエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシヘプタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシノナエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシデカエチレンオキシアクリレート、ノニルフェノキシウンデカエチレンオキシアクリレートが挙げられる。これらは単独で、または2種類以上を任意に組み合わせて使用される。
上記フタル酸系化合物としては、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β’−(メタ)アクリロルオキシアルキル−o−フタレート等が挙げられる。これらは単独で、または2種類以上を任意に組み合わせて使用される。
(B)成分は、感度及び解像度を向上できる観点から、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましく、剥離時間を短縮できる観点から、分子内に1つのエチレン性不飽和基を有する化合物を含むことが好ましい。
また、(B)成分には、硬化膜の可とう性を向上できる観点から、分子内にオキシエチレン基及びオキシプロピレン基の双方を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが含まれていることが好ましい。このポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートは、分子内のオキシアルキレン基として、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基の双方を有していれば特に制限はない。なお、オキシプロピレン基は、n−プロピレンに基づく構造であってもよく、イソプロピレンに基づく構造であってもよい。また、この(メタ)アクリレートは、さらにn−ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイド、n−ペンチレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド、これらの構造異性体等である炭素数4〜8のアルキレンオキシ基を有していてもよい。
上記オキシエチレン基及びオキシプロピレン基が複数である場合、複数のオキシエチレン基及びオキシプロピレン基は各々連続してブロック的に存在する必要性はなく、ランダムに存在してもよい。また、上記イソプロイレンに基づくオキシプロピレン基において、プロピレン基の2級炭素が酸素原子に結合していてもよく、1級炭素が酸素原子に結合していてもよい。
これら(B)成分中の、少なくとも1つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有し、かつ分子内にオキシエチレン基及びオキシプロピレン基の双方を有するポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記一般式(7):
Figure 0006451058

(式中、2つのR30は各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示し、m、m及びnは各々独立に1〜30の整数である)で表される化合物、下記一般式(8):
Figure 0006451058

(式中、2つのR30は各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示し、m、n及びnは各々独立に1〜30の整数である)で表される化合物、及び下記一般式(9):
Figure 0006451058

(式中、2つのR30は各々独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、POはオキシプロピレン基を示し、m及びnは各々独立に1〜30の整数である)で表される化合物等が挙げられる。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記一般式(7)、一般式(8)及び一般式(9)における炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
上記一般式(7)、一般式(8)及び一般式(9)におけるオキシエチレン基の繰り返し数の総数(m+m、m及びm)は各々独立に1〜30の整数であり、1〜10の整数であることが好ましく、4〜9の整数であることがより好ましく、5〜8の整数であることが特に好ましい。この繰り返し数が30以下であるとテント信頼性及びレジスト形状がより良好となる傾向がある。
上記一般式(7)、一般式(8)及び一般式(9)におけるオキシプロピレン基の繰り返し数の総数(n、n+n及びn)は各々独立に1〜30の整数であり、5〜20の整数であることが好ましく、8〜16の整数であることがより好ましく、10〜14の整数であることが特に好ましい。この繰り返し数が30以下であると解像度が向上し、スラッジの発生を抑制できる傾向がある。
上記一般式(7)で表される化合物の具体例としては、例えば、R30=メチル基、m+m=4(平均値)、n=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成株式会社製、商品名FA−023M)等が挙げられる。上記一般式(8)で表される化合物の具体例としては、例えば、R30=メチル基、m=6(平均値)、n+n=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成株式会社製、商品名FA−024M)等が挙げられる。上記一般式(9)で表される化合物の具体例としては、例えば、R30=水素原子、m=1(平均値)、n=9(平均値)であるビニル化合物(新中村化学工業株式会社製、サンプル名NKエステルHEMA−9P)等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
感光性樹脂組成物における(B)光重合性化合物の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して30〜70質量部とすることが好ましく、35〜65質量部とすることがより好ましく、40〜60質量部とすることが特に好ましい。この含有量が30質量部以上であることで良好な感度及び解像性が得られやすい傾向があり、70質量部以下であることで良好なレジスト形状が得られやすい傾向がある。(B)光重合性化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
<(C)成分:光重合開始剤>
(C)光重合開始剤は、(B)成分を重合させることができるものであれば特に制限されない。(C)光重合開始剤としては、例えば、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、アルキルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体(ヘキサアリールビイミダゾール誘導体)、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体などが挙げられる。なお、(B)成分として、ラジカル重合性化合物を含有する場合、(C)成分としてラジカル重合開始剤を含有することが好ましいが、(C)成分としてカチオン重合開始剤、アニオン重合開始剤を含んでいてもよい。
また、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、密着性及び感度の見地からは、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体がより好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
感光性樹脂組成物における(C)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、2〜6質量部とすることがより好ましく、3.5〜5質量部とすることが特に好ましい。この含有量を0.1質量部以上とすることで感度及び解像度が優れる傾向があり、10質量部以下とすることで良好なレジスト形状を得やすい傾向がある。
<(D)成分:一般式(1)で表される化合物>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(D)成分として下記一般式(1)で表される化合物を含有する。
Figure 0006451058

[式(1)中、Rは有機基を示し、aは1〜4の整数を示し、Ma+はa価の金属イオン又はアンモニウムイオンを示す。]
本実施形態の感光性樹脂組成物において、(A)成分、(B)成分及び(C)成分と共に(D)成分を組み合わせて用いることによって、感光性樹脂組成物の解像度、密着性及び剥離特性が向上する。上記効果が生じる理由は定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。まず、感光性樹脂組成物を用いて形成した感光性樹脂組成物層に対して露光した場合、未露光部に対して僅かな漏れ光が照射される。僅かな漏れ光が照射されることで、光重合開始剤がラジカルを発生させるため、重合反応が進行し、未露光部であっても硬化される傾向がある。未露光部が硬化されれば、現像後のレジストパターンの解像度が悪化する。(D)成分であるニトロソ基含有化合物がラジカルを捕捉する機能を有しており、本実施形態の感光性樹脂組成物は、(D)成分として一般式(1)で表される化合物を含有することで、(D)成分が重合禁止剤として作用し、未露光部の硬化を抑制すると考えられる。また、露光部では、一般式(1)で表される化合物の重合禁止剤としての作用が適度に抑制され、硬化されるため、優れた解像度が得られると考えられる。また、(D)成分に含まれる窒素原子と、基板上の銅等の金属とが化学的に相互作用することで、密着性が向上すると考えられる。
本発明の上記効果をより向上させる観点から、上記一般式(1)中のRが、アリール基、置換基を有するアリール基、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、主鎖炭素原子間に1以上の酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキルエーテル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基及び炭素数1〜4のハロアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。なお、置換基を有するアリール基としては、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子及び下記一般式(2)〜(4)で表される基から選ばれる置換基の1個以上を有するアリール基が挙げられる。また、置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基としては、1以上の水酸基で置換された炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。
−OR (2)
−SR (3)
−N(R)(R)(4)
[式(2)〜(4)中、Rは水素原子、炭素数1〜12の未置換アルキル基、置換基を有する炭素数2〜6のアルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有する炭素数2〜6のアルキルエーテル基、炭素数2〜8のアルカノイル基、−(CHCHO)H(nは1〜20の整数を示す)、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、シクロヘキシル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、または−Si(R(R3−r(Rは炭素数1〜8のアルキル基を示し、Rはフェニル基を示し、rは1〜3の整数を示す)を示し;Rは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のアルケニル基、シクロヘキシル基、置換された炭素数2〜6のアルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有する炭素数2〜12のアルキルエーテル基、主鎖炭素原子間に1個以上の硫黄原子を有する炭素数2〜12のアルキルスルフィド基、置換又は未置換のフェニル基、または炭素数7〜9のフェニルアルキル基を示し;RおよびRは相互に独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数2〜3のアルカノイル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基を示すか、あるいはRおよびRが一体化した炭素数2〜6のアルキレン基を示す。]
上記一般式(1)中のMa+は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、IIIB族金属イオン、IVB族金属イオン、IB族金属イオン、VIII族金属イオン、IVA族金属イオン、VA族金属イオン、VIA族金属イオン、VIIA族金属イオン及びアンモニウムイオンからなる群から選ばれる1種であることがより好ましい。
本発明の上記効果をさらに向上させる観点から、(D)成分は下記一般式(5)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0006451058

[式(5)中、R、R、R、R10及びR11は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基(−OR12、−SR13及び−N(R14)(R15)からなる群から選ばれる1以上で置換されていてもよい)、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、−OR12、−SR13、−S(O)R13、−SO13、又は−N(R14)(R15)で表される基を示し;R12は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、置換された炭素数2〜6のアルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有する炭素数2〜6のアルキルエーテル基、炭素数2〜8のアルカノイル基、−(CHCHO)H(nは1〜20の整数を示す)で表される基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、シクロヘキシル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、または−Si(R16(R173−r(R16は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R17はフェニル基を示し、rは1〜3の整数を示す)を示し;R13は水素原子、炭素数1〜12の未置換アルキル基、炭素数3〜12のアルケニル基、シクロヘキシル基、炭素数2〜6の置換アルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するアルキルエーテル基、主鎖原子間に1個以上の硫黄原子を有する炭素数2〜12のアルキルスルフィド基、置換又は未置換のフェニル基、又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を示し;R14及びR15は相互に独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数2〜3のアルカノイル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基を示すか、あるいはR14とR15が一体化された炭素数2〜6のアルキレン基を示し;Ma+はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、IIIB族金属イオン、IVB族金属イオン、IB族金属イオン、VIII族金属イオン、IVA族金属イオン、VA族金属イオン、VIA族金属イオン、VIIA族金属イオン又はアンモニウムイオンを示し;aは1〜4を示す。]
(D)成分のより好ましい例としては、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)のアルミニウム塩、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩、トリス(N−ニトロソ−1−ナフチルヒドロキシアミン)のアルミニウム塩、N−ニトロソ−1−ナフチルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩、トリス(N−ニトロソ−p−クロロフェニルヒドロキシルアミン)のアルミニウム塩、N−ニトロソ−p−クロロフェニルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩、トリス(N−ニトロソ−p−ブロモフェニルヒドロキシアミン)のアルミニウム塩、N−ニトロソ−p−ブロモフェニルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、入手のしやすさの観点から、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)のアルミニウム塩及びN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩が好ましく、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)のアルミニウム塩がより好ましい。
感光性樹脂組成物における(D)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.001〜0.5質量部であることが好ましく、0.005〜0.2質量部であることがより好ましく、0.01〜0.1質量部とするのが特に好ましい。この含有量を0.001質量部以上とすることで解像度及び密着性が優れたものとなる傾向があり、0.5質量部以下とすることで感度が優れたものとなる傾向がある。
<(E)成分:増感色素>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(E)成分として少なくとも1種の増感色素を含有することが好ましい。増感色素を含有することで、用いる活性光線のエネルギーをより有効に利用できる。
増感色素としては、極大吸収波長が340〜430nmである化合物が好ましく、370〜420nmである化合物がより好ましい。本実施形態では、このような増感色素を用いることにより、直接描画露光法の露光光に対して、感光性樹脂組成物層の感度を向上することができる。増感色素の極大吸収波長が340nm以上であると、直接描画露光法の露光光に対する感度が向上する傾向があり、430nm以下であると、イエロー光環境下でも安定性が向上する傾向がある。
(E)増感色素としては、例えば、ピラゾリン類、アントラセン類、クマリン類、キサントン類、オキサゾール類、ベンゾオキサゾール類、チアゾール類、ベンゾチアゾール類、トリアゾール類、スチルベン類、トリアジン類、チオフェン類、ナフタルイミド類などが挙げられる。ピラゾリン類としては例えば、1−フェニル−3−(4−tert−ブチルスチリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−メトキシスチリル)−5−(4−メトキシフェニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−イソプロピルスチリル)−5−(4−イソプロピルフェニル)ピラゾリン、1,3−ジフェニル−5−(4−イソプロピルフェニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(2−チエニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(2−チエニル)−5−(2−チエニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(2−チエニル)−5−スチリルピラゾリンなどが挙げられる。アントラセン類としては例えば、9,10−ジブトキシアントラセン及びその誘導体などが挙げられる。特に340nm〜430nmの活性光線を用いて感光性樹脂組成物層を露光する場合には、感度及び密着性の観点から、(E)成分は、ピラゾリン類、クマリン類及びアントラセン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の増感色素を含むことが好ましく、ピラゾリン類を含有することがより好ましい。
感光性樹脂組成物における(E)増感色素の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.01〜10質量部とすることが好ましく、0.05〜5質量部とすることがより好ましく、0.1〜2質量部とすることが特に好ましい。この含有量が0.01質量部以上であると感度及び解像性をより向上しやすい傾向があり、10質量部以下であるとより良好なレジスト形状が得られやすい傾向がある。(E)増感色素は、それぞれ単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。
<(F)成分:水素供与体>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、露光部分と未露光部分とのコントラスト(「イメージング性」ともいう。)をより優れたものとするために、(F)成分として露光部の反応時に水素を与えることができる少なくとも1種の水素供与体をさらに含有することが好ましい。(F)成分としては、ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]メタン、ビス[4−(ジエチルアミノ)フェニル]メタン、ロイコクリスタルバイオレットなどが挙げられる。
感光性樹脂組成物における(F)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.01〜10質量部とすることが好ましく、0.05〜5質量部とすることがより好ましく、0.1〜2質量部とすることが特に好ましい。この含有量を0.01質量部以上とすることで感度を向上することができる傾向があり、10質量部以下とすることでフィルム形成後、異物として(F)成分が析出しにくくなる傾向がある。(F)水素供与体は、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。
<その他の成分>
感光性樹脂組成物には、必要に応じて、マラカイトグリーン等の染料、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部程度含有させることができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、粘度を調整するために、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に各成分を溶解又は分散させて固形分30〜60質量%程度の溶液としてもよい。この溶液を感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を形成するための塗布液として使用することができる。
また、上記の塗布液は、後述の支持体上に塗布及び乾燥させて感光性エレメントの感光性樹脂組成物層を形成させるために使用してもよいが、金属板等の表面、例えば、銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス等の鉄系合金、好ましくは銅、銅系合金、鉄系合金の表面上に、液状レジストとして塗布して乾燥後、保護層を被覆して用いてもよい。
また、感光性樹脂組成物層の層厚は、感光性エレメントの用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μm程度であることが好ましい。上述の液状レジストに保護層を被覆して用いる場合は、保護層として、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムを用いることができる。
(感光性エレメント)
本実施形態の感光性エレメントは、支持体と、該支持体の一面上に本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて形成された感光性樹脂組成物層と、を備える。このような感光性エレメントによれば、本実施形態の感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂組成物層を備えるため、優れた感度及び解像度を有するとともに、回路形成用基板に対して充分な密着性を有し、かつ優れた剥離特性を有するレジストパターンを効率的に形成することができる。感光性エレメントは、必要に応じて保護層を備えていてもよい。
図1は、感光性エレメントの一実施形態を示す模式断面図である。図1に示した感光性エレメント10は、支持体2上に感光性樹脂組成物層4が形成され、さらに感光性樹脂組成物層4の支持体2と反対側の面に保護層6を積層した構造を有する。感光性樹脂組成物層4は、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて形成された層である。
支持体2は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。また、支持体(重合体フィルム)2は、厚みが1〜100μmであることが好ましい。この厚みが1μm以上では現像前の支持体剥離の際に支持体2が破れにくくなる傾向があり、100μm以下とすることで解像度が向上する傾向がある。なお、重合体フィルムは、一つを感光性樹脂組成物層4の支持体2として、他の一つを感光性樹脂組成物層4の保護層6として感光性樹脂組成物層4の両面に積層して使用してもよい。
保護層6は、感光性樹脂組成物層4及び支持体2間の接着力よりも、感光性樹脂組成物層4及び保護層6間の接着力の方が小さくなるものが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムが好ましい。なお、「フィッシュアイ」とは、材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティング法等によりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、酸化劣化物等がフィルム中に取り込まれたものである。
保護層6としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムを用いることができる。市販のものとして、例えば、王子製紙社製のアルファンMA−410、E−200C、信越フィルム社製等のポリプロピレンフィルム、帝人社製のPS−25等のPSシリーズなどのポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられるが、これに限られたものではない。
保護層6は、厚みが1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることが更に好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。この厚みが1μm以上ではラミネートの際、保護層が破れにくくなる傾向があり、100μm以下であると廉価性に優れる傾向がある。
感光性樹脂組成物層4は、上述した本実施形態の感光性樹脂組成物を先に述べたような溶剤に溶解して固形分30〜60質量%程度の溶液(塗布液)とした後に、係る溶液(塗布液)を支持体2上に塗布して乾燥することにより形成することが好ましい。塗布は、例えば、ロールコート、コンマコート、グラビアコート、エアーナイフコート、ダイコート、バーコート等の公知の方法で行うことができる。塗布した後の乾燥は、塗布した感光性樹脂組成物から有機溶剤の少なくとも一部を除去することができれば特に制限はないが、例えば、70〜150℃で5〜30分間乾燥を行うことが好ましい。また、感光性樹脂組成物中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する点から、2質量%以下とすることが好ましい。
また、感光性樹脂組成物層4の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることがより好ましい。この厚みが1μm以上であることで工業的に塗工がしやすい傾向があり、100μm以下とすることで密着性及び解像度が向上する傾向がある。
また、感光性樹脂組成物層4は、波長365nmの紫外線に対する透過率が5〜75%であることが好ましく、7〜60%であることがより好ましく、10〜40%であることが特に好ましい。この透過率が5%以上とすることで密着性が向上する傾向があり、75%以下とすることで解像度が向上する傾向がある。上記透過率は、UV分光計により測定することができ、上記UV分光計としては、株式会社日立製作所製の228A型Wビーム分光光度計等が挙げられる。
本実施形態の感光性エレメントは、更にクッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層等を有していてもよい。また、得られた感光性エレメントは、シート状、又は巻芯にロール状に巻き取って保管することができる。なお、この際、支持体が1番外側になるように巻き取られることが好ましい。上記ロール状の感光性エレメントロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法として、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。上記巻芯としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。
(レジストパターンの形成方法)
次に、本実施形態のレジストパターンの形成方法について説明する。本実施形態のレジストパターンの形成方法は、回路形成用基板上に感光性樹脂組成物層を形成する第1工程と、感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる第2工程と、次いで、感光性樹脂組成物層の露光部以外の未露光部を除去する第3工程と、を少なくとも含んでいること、を特徴とするものである。なお、「回路形成用基板」とは、絶縁層と絶縁層上に形成された導体層とを備えた基板をいい、配線のパターンは、導体のパターンともいう。
第1工程における回路形成用基板上への感光性樹脂組成物層の形成方法としては、上記感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥して溶剤等を揮発させて塗膜(感光性樹脂組成物層)を形成する方法、上述の感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層を基板上に転写(ラミネート)する方法等が挙げられる。
感光性樹脂組成物を基板上に塗布する方法としては、例えば、ロールコート、コンマコート、グラビアコート、エアーナイフコート、ダイコート、バーコート等の公知の方法で行うことができる。
感光性エレメントを用いる場合、保護層を除去した後、感光性樹脂組成物層を加熱しながら感光性樹脂組成物層を回路形成用基板に圧着することにより、感光性樹脂組成物層を回路形成用基板上に形成する(ラミネートする)方法が挙げられる。なお、この作業は、密着性及び追従性の見地から減圧下で積層することが好ましい。感光性エレメントのラミネートは、感光性樹脂組成物層及び/又は回路形成用基板を70〜130℃に加熱して行うことが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa(1〜10kgf/cm)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。また、感光性樹脂組成物層を上記のように70〜130℃に加熱すれば、予め回路形成用基板を加熱処理することは必要ではないが、ラミネートしやすさをさらに向上させるために、回路形成用基板の予熱処理を行うこともできる。
第2工程における露光部を形成する方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像上に照射する方法(マスク露光法)が挙げられる。この際、感光性エレメントを用いて、感光性樹脂組成物層上に存在する支持体が活性光線に対して透明である場合には、支持体を通して活性光線を照射することができ、支持体が遮光性である場合には、支持体を除去した後に感光性樹脂組成物層に活性光線を照射する。また、レーザ直接描画露光法、DLP(Digital Light Processing)露光法などの直接描画法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、アルゴンレーザなどのガスレーザ、YAGレーザなどの固体レーザ、半導体レーザ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。
次いで、露光後、第3工程における感光性樹脂組成物層の露光部以外の部分を除去する方法としては、まず、感光性樹脂組成物層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去し、その後、ウェット現像、ドライ現像等で感光性樹脂組成物層の露光部以外の部分を除去して現像する方法が挙げられる。これによりレジストパターンが形成される。
例えば、ウェット現像の場合は、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液等の感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、例えば、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スラッピング等の公知の方法により現像する。
現像液としては、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられる。上記アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられる。
また、現像に用いるアルカリ性水溶液としては、0.1〜5質量%炭酸ナトリウム水溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウム水溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウム水溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウム水溶液が好ましい。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
上記水系現像液としては、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなる現像液が挙げられる。ここでアルカリ性水溶液の塩基としては、先に述べた物質以外に、例えば、ホウ砂、メタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2、モルホリン等が挙げられる。現像液のpHは、レジストの現像が充分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。
また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入することもできる。単独で用いる有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
上記有機溶剤としては、例えば、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。
これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加することが好ましい。また、必要に応じて2種以上の現像方法を併用してもよい。
現像の方式には、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等があり、高圧スプレー方式が解像度向上のためには最も適している。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃の加熱又は0.2〜10J/cmのエネルギー量での露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化してもよい。また、現像後に行われる金属面のエッチングには、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。
(プリント配線板の製造方法)
次に、本実施形態のプリント配線板の製造方法について説明する。本実施形態のプリント配線板の製造方法は、上記本実施形態のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンの形成された回路形成用基板を、エッチング又はめっきする工程を含むものである。
回路形成用基板のエッチング及びめっきは、形成されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の導体層等に対して行われる。エッチングを行う場合のエッチング液としては、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素エッチング液が挙げられ、これらの中では、エッチファクターが良好な点から塩化第二鉄溶液を用いることが好ましい。また、めっきを行う場合のめっき方法としては、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっき等の銅めっき、ハイスローはんだめっき等のはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケル等のニッケルめっき、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなどが挙げられる。
エッチング又はめっき終了後、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液より更に強アルカリ性の水溶液でレジストパターンを剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられ、浸漬方式及びスプレー方式を単独で使用してもよいし、併用してもよい。また、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。以上によりプリント配線板が得られる。
以下、本発明の好適な実施例について更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[バインダーポリマー(ポリマー1)の合成]
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブとトルエンとの混合溶液(メチルセロソルブ:トルエン=3:2(質量比)、以下、「溶液A」という)450gを加え、窒素ガスを吹き込みながら撹拌して、80℃まで加熱した。一方、共重合単量体としてメタクリル酸150g、メタクリル酸メチル25g、メタクリル酸ベンジル125g及びスチレン200gと、アゾビスイソブチロニトリル9.0gとを混合した溶液(以下、「溶液B」という)を用意した。上述した方法で予め用意した溶液A450gに、上記溶液Bを4時間かけて滴下速度を一定にして滴下した後、80℃で2時間撹拌した。さらに、新たに用意した溶液A100gにアゾビスイソブチロニトリル1.2gを溶解した溶液を、10分間かけてフラスコ内に滴下速度を一定にして滴下した。滴下後の溶液を80℃で3時間撹拌した後、30分間かけて90℃に加温した。90℃で2時間保温した後、冷却してバインダーポリマー(ポリマー1)の溶液を得た。バインダーポリマー(ポリマー1)の溶液の不揮発分(固形分)は47.8質量%であり、重量平均分子量は30,000であり、酸価は196mgKOH/gであった。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件は、以下に示す。また、酸価は、ポリマー1g中に含有する酸の量を中和するのに必要なKOH量として計算で求めた。
(GPC条件)
ポンプ:日立 L−6000型(株式会社日立製作所製、商品名)
カラム:以下の計3本、カラム仕様:10.7mmφ×300mm
Gelpack GL−R420
Gelpack GL−R430
Gelpack GL−R440(計3本)(以上、日立化成株式会社製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:固形分が47.8質量%のバインダーポリマー(ポリマー1〜6)の溶液を120mg採取し、5mLのテトラヒドロフランに溶解して試料を調製した。
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI(株式会社日立製作所製、商品名)
[バインダーポリマー(ポリマー2〜6)の合成]
上述したバインダーポリマー(ポリマー1)の合成方法と同様の方法で、下記表1に示される共重合単量体の組成(単位:質量部)となるように、バインダーポリマー(ポリマー2〜6)を合成し、バインダーポリマー(ポリマー2〜6)の溶液を得た。バインダーポリマー(ポリマー2〜6)の溶液の不揮発分(固形分)は、いずれも47.8質量%であった。また、ポリマー2〜6の重量平均分子量及び酸価を、ポリマー1と同様の方法で測定した。重量平均分子量及び酸価の測定結果を表1に示す。
Figure 0006451058
(実施例1〜5及び比較例1〜4)
[感光性樹脂組成物の調製]
表2に示す(A)〜(F)成分及び染料を同表に示す配合量(単位:g)で、トルエン9g、アセトン5g及びメタノール5gとともに混合することにより、実施例1〜5及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物をそれぞれ調製した。表2に示す(A)成分の配合量は、不揮発分の質量(固形分量)である。表2に示す各成分の詳細については、以下のとおりである。なお、表2における「−」は未配合を意味する。
(B)光重合性化合物
(B−1):2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン)(日立化成株式会社製、商品名「FA−321M」)
(B−2):上記一般式(8)で表される化合物において、R30=メチル基、m=6(平均値)、n+n=12(平均値)である化合物)(日立化成株式会社製、商品名「FA−024M」)
(B−3):EO変性ビスフェノールA系メタクリレート(オキシエチレン基の繰り返し総数が4)(新中村化学工業株式会社製、商品名「BPE−200」)
(B−4):(2−ヒドロキシ−3−クロロ)プロピル−2−メタクリロイルオキシエチルフタレート(日立化成株式会社製、商品名「FA−MECH」)
(C)光重合開始剤
(C−1):2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾール(Hampford社製、商品名「B−CIM」)
(D)上記一般式(1)で表される化合物
(D−1):トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)のアルミニウム塩(和光純薬工業株式会社製、商品名「Q−1301」)
(E)増感色素
(E−1):1−フェニル−3−(4−メトキシスチリル)−5−(4−メトキシフェニル)ピラゾリン(株式会社日本化学工業所製、商品名「PYR−1」)
(F)水素供与体(発色剤:アミン化合物)
(F−1):ロイコクリスタルバイオレット(山田化学株式会社製、商品名「LCV」)
Figure 0006451058
[感光性エレメントの作製]
上述の方法で得られた感光性樹脂組成物の溶液を、16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上に厚みが均一になるように塗布し、70℃及び110℃の熱風対流式乾燥器で乾燥して、感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の膜厚は25μmであった。
[積層基板の作製]
ガラスエポキシ材と、その両面に形成された銅箔(厚さ35μm)とからなる銅張積層板(日立化成株式会社製、製品名「MCL−E−67」)の銅表面を#600相当のブラシを持つ研磨機(三啓株式会社製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥させ、銅張積層板(基板)を得た。次いで、銅張積層板を80℃に加温した後、銅張積層板上に各感光性エレメント(実施例1〜5及び比較例1〜4)を用いて、各感光性樹脂組成物層が銅張積層板の表面上に密着するようにして、温度120℃、ラミネート圧力4kgf/cmの条件でラミネート(積層)し、積層基板を得た。
[感度の評価]
得られた積層基板を23℃まで冷却した。積層基板のポリエチレンテレフタレート面に、濃度領域0.00〜2.00、濃度ステップ0.05、タブレットの大きさ20mm×187mm、各ステップの大きさが3mm×12mmである41段ステップタブレットを有するフォトツールを配置した。405nmの青紫色レーザダイオードを光源とする直描露光機(日立ビアメカニクス株式会社製、商品名「DE−1UH」)を使用して80mJ/cmのエネルギー量(露光量)でフォトツール及び支持体を介して感光性樹脂組成物層に対して露光した。なお、照度の測定には、405nm対応プローブを適用した紫外線照度計(ウシオ電機社製、商品名「UIT−150」)を用いた。
露光後、積層基板から支持体を剥離し、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を60秒間スプレーすることで、未露光部分を除去した。このようにして、基板の銅表面上に感光性樹脂組成物の硬化物からなるレジストパターンを形成した。レジストパターン(硬化膜)として得られたステップタブレットの残存段数(ステップ段数)を測定することにより、感光性樹脂組成物の感度を評価した。感度は、ステップ段数で示され、ステップ段数が高いほど、感度が良好であることを示す。結果を表4に示す。
[解像度及び密着性の評価]
ライン幅/スペース幅が3/3〜30/30(単位:μm)である描画パターンを用いて、41段ステップタブレットの残存段数が16段となるエネルギー量で上記積層基板の感光性樹脂組成物層に対して露光した。露光後、上記感度の評価と同様の現像処理を行った。
現像後、現像処理によってスペース部分(未露光部)が残渣なくきれいに除去することができ、なおかつライン部(露光部)が蛇行及びカケ等の不良を生じることなく形成されたレジストパターンにおけるライン幅/スペース幅のうちの最小値により、解像度及び密着性を評価した。この数値が小さいほど、解像度及び密着性が共に良好であることを意味する。なお、得られたレジストパターンは、顕微鏡を用いて、倍率1000倍で拡大して観察することで不良の有無を確認した。結果を表4に示す。
[レジスト形状の評価]
上述した解像度及び密着性の評価において得られたレジストパターンのレジスト形状(レジストパターンの断面形状)を、日立走査型電子顕微鏡S−500Aを用いて倍率1000倍で拡大して観察した。レジスト形状が台形又は逆台形である場合、あるいはレジストの裾引き又はクラックがある場合には、レジストパターンを形成した後のエッチング処理又はめっき処理により形成された配線パターンに短絡又は断線が生じやすくなる傾向がある。従って、レジスト形状は矩形で、且つレジストの裾引き又はクラックがないことが望ましい。なお、「クラック」とは、レジストパターンのライン部分(露光部分)に、ひび又は亀裂が生じたこと、あるいはそれに伴いライン部分に欠け又は断裂が生じたことを意味する。
[剥離特性の評価]
各感光性エレメントを上記銅張積層板(基板)上にラミネートし、表3に示す条件で露光及び現像を行うことにより、基板上に硬化膜が形成された試験片(サイズ:40mm×50mm)を作製した。試験片を室温(25℃)で一昼夜放置した後、表3に示す条件で剥離した。撹拌開始から、硬化膜が基板から完全に剥離除去されるまでの時間を剥離時間とした。また、剥離後の剥離片のサイズを目視にて観察し、以下の基準で評価した。すなわち、剥離片サイズが40mm角以上のシート状の場合を「L」、30mm角以上40mm角未満の場合を「M」、30mm角より小さい場合を「S」と表記する。剥離時間が短く、剥離片サイズが小さいほど剥離特性が良好であることを意味する。結果を表4に示す。
Figure 0006451058
Figure 0006451058
実施例1〜5の感光性樹脂組成物は、解像度及び密着性の評価において、7〜9μmであり、比較例1〜4に比べて良好であった。また、実施例1〜5の感光性樹脂組成物は、感度、解像度、密着性及び剥離特性のバランスが充分に優れていることが分かった。一方、比較例1の感光性樹脂組成物は、剥離特性が良好であるものの、解像度、密着性が良好ではなく、裾引き形状であった。比較例2の感光性樹脂組成物は、解像度、密着性が比較的高いものの、剥離時間が長く、剥離片サイズが大きく、剥離特性を満足しないことが分かった。比較例3〜4は、解像度、密着性が良好ではなかった。
2…支持体、4…感光性樹脂組成物層、6…保護層、10…感光性エレメント。

Claims (17)

  1. (A)(メタ)アクリル酸ベンジル又は(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体に基づく構造単位、(メタ)アクリル酸に基づく構造単位、下記一般式(6)で表される化合物に基づく構造単位、及び、スチレン又はスチレン誘導体に基づく構造単位を有するアルカリ可溶性バインダーポリマー、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)下記一般式(1)で表される化合物を含有する感光性樹脂組成物。
    Figure 0006451058

    [式(1)中、Rは有機基を示し、aは1〜4の整数を示し、Ma+はa価の金属イオン又はアンモニウムイオンを示す。]
    CH =C(R 20 )−COOR 21 (6)
    [式(6)中、R 20 は水素原子又はメチル基を示し、R 21 は炭素数1〜12のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。]
  2. 前記一般式(1)中のRが、アリール基、置換基を有するアリール基、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、主鎖炭素原子間に1以上の酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキルエーテル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基又は炭素数1〜4のハロアルキル基である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記一般式(1)中のMa+がアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、IIIB族金属イオン、IVB族金属イオン、IB族金属イオン、VIII族金属イオン、IVA族金属イオン、VA族金属イオン、VIA族金属イオン、VIIA族金属イオン又はアンモニウムイオンである、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(D)成分が下記一般式(5)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0006451058

    [式(5)中、R、R、R、R10及びR11は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基(−OR12、−SR13及び−N(R14)(R15)からなる群から選ばれる1以上で置換されていてもよい)、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、−OR12、−SR13、−S(O)R13、−SO13、又は−N(R14)(R15)で表される基を示し;R12は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、置換された炭素数2〜6のアルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有する炭素数2〜6のアルキルエーテル基、炭素数2〜8のアルカノイル基、−(CHCHO)H(nは1〜20の整数を示す)で表される基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、シクロヘキシル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、又は−Si(R16(R173−r(R16は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R17はフェニル基を示し、rは1〜3の整数を示す)を示し;R13は水素原子、炭素数1〜12の未置換アルキル基、炭素数3〜12のアルケニル基、シクロヘキシル基、炭素数2〜6の置換アルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するアルキルエーテル基、主鎖原子間に1個以上の硫黄原子を有する炭素数2〜12のアルキルスルフィド基、置換又は未置換のフェニル基、または炭素数7〜9のフェニルアルキル基を示し;R14及びR15は相互に独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数2〜3のアルカノイル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基を示すか、あるいはR14とR15が一体化された炭素数2〜6のアルキレン基を示し;Ma+はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、IIIB族金属イオン、IVB族金属イオン、IB族金属イオン、VIII族金属イオン、IVA族金属イオン、VA族金属イオン、VIA族金属イオン、VIIA族金属イオン又はアンモニウムイオンを示し;aは1〜4の整数を示す。]
  5. 前記(C)光重合開始剤がヘキサアリールビイミダゾール誘導体を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. (E)増感色素をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. (F)水素供与体をさらに含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記(A)成分において、前記(メタ)アクリル酸ベンジル又は(メタ)アクリル酸ベンジル誘導体に基づく構造単位の含有量が、前記(A)成分の固形分の全質量を基準として5〜60質量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 前記(A)成分において、前記(メタ)アクリル酸に基づく構造単位の含有量が、前記(A)成分の固形分の全質量を基準として10〜60質量%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 前記(A)成分において、前記一般式(6)で表される化合物に基づく構造単位の含有量が、前記(A)成分の固形分の全質量を基準として1〜15質量%である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  11. 前記(A)成分において、前記スチレン又はスチレン誘導体に基づく構造単位の含有量が、前記(A)成分の固形分の全質量を基準として10〜60質量%である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  12. 前記(D)成分の含有量が、前記(A)成分及び前記(B)成分の総量100質量部に対して0.001〜0.5質量部である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  13. 前記一般式(6)で表される化合物に基づく構造単位が、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルに基づく構造単位を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
  14. 支持体と、該支持体上に請求項1〜13のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成された感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメント。
  15. 回路形成用基板上に、請求項1〜13のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物層を形成する工程と、
    前記感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる工程と、
    前記感光性樹脂組成物層の前記露光部以外の部分を除去する工程と、
    を含むレジストパターンの形成方法。
  16. 回路形成用基板上に、請求項14に記載の感光性エレメントを、前記感光性樹脂組成物層が密着するようにして積層する工程と、
    前記感光性樹脂組成物層の所定部分に活性光線を照射して露光部を光硬化せしめる工程と、
    前記感光性樹脂組成物層の前記露光部以外の部分を除去する工程と、
    を含むレジストパターンの形成方法。
  17. 請求項15又は16に記載のレジストパターンの形成方法によりレジストパターンが形成された回路形成用基板を、エッチング又はめっきする工程を含む、プリント配線板の製造方法。
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