JP2013086501A - バリアーフィルム、バリアーフィルムの製造方法及び電子機器 - Google Patents

バリアーフィルム、バリアーフィルムの製造方法及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】高い水蒸気バリアー性能を有するバリアーフィルムとその製造方法及びそのバリアーフィルムを用いた電子機器を実現する。
【解決手段】基材1上にガスバリアー層2を備えたバリアーフィルム10を製造する場合、基材1上にポリシラザンを含有した塗布液を塗布して成膜した塗膜に、真空紫外光を照射する処理を施した後に、100℃以上250℃以下の加熱処理を施すことによって、水分透過率の低下を図ったガスバリアー層2を形成するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、バリアーフィルム、バリアーフィルムの製造方法及びバリアーフィルムを用いた電子機器に関する。
従来、各種ガスの遮断が可能な包装材料として、例えば、表面にアルミ薄膜が形成されたフィルム材料(アルミ蒸着フィルム)が広く用いられている。このアルミ蒸着フィルムは基本的には不透明であるため、包装した内容物を確認することができないという問題があるほか、使用後の廃棄処理が問題となることがあった。更に、フィルム材料の透明性が求められている用途には、全く適用することができなかった。
また近時、プラスチック基板やフィルムの表面に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素等の金属酸化物を含む薄膜(ガスバリアー層)を形成したバリアーフィルムが、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装や、食品や工業用品及び医薬品等の変質を防止するための包装用途に採用されている。また、光透過性を有しているバリアーフィルムは包装用途以外に、液晶表示素子、太陽電池、有機EL素子等の電子デバイスを封止する用途にも使用されている。
そして、液晶表示素子や太陽電池等への適用が進んでいる透明なバリアーフィルムは、軽量化、大型化しやすく、ロールツゥロール方式での生産が可能であることに加え、ガスバリアー性の向上が図られたことによって、重く割れやすく大面積化が困難なガラス基材に代わって、フレキシブルで形状の自由度が高い透明基材としての需要が高まっている。
しかしながら、プラスチック材料を主体とするバリアーフィルムは、ガラス基材に比べればガスバリアー性が劣るという問題がある。例えば、有機EL素子(有機ELパネル)の基板にバリアーフィルムを適用した場合、そのバリアーフィルムのガスバリアー性が不十分であると、水蒸気や空気が浸透し、EL材料が劣化するなどして性能が経時的に低下してしまうという問題がある。
ところで、簡便な塗布プロセスでガスバリアー層を形成可能な方法として、ポリシラザン等の珪素化合物を含む塗布液を基材上に塗布した塗膜に改質処理を施すことで、シリカ膜からなるガスバリアー層を形成する方法がいくつか知られている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
例えば、特許文献2では、ポリシラザン塗膜を大気圧下における酸素プラズマ放電処理によってシリカ膜に改質するプロセスに関する開示があり、真空プロセスを必要とせずにガスバリアー層の形成が可能となっている。しかしながら、得られたガスバリアー層の水蒸気透過率は0.35g/(m・24h)程度であり、前述したデバイスを封止する用途に適用するには不十分なレベルのガスバリアー性であった。一般的に、デバイスを封止するために求められるガスバリアー層の水蒸気透過率は、1×10−2g/(m・24h)を大きく下回る必要があるといわれている。
また、特許文献3、特許文献4では、ポリシラザンを改質して緻密なシリカ膜を形成する方法として、ポリシラザン塗膜に紫外線を照射する方法が開示されている。この方法によれば、脱水縮合を経由しない直接酸化によって反応が進行すると考えられるため、より低温でのシリカ転化が可能となり、樹脂製のフィルム材料上にガスバリアー層を形成する上で、大変有効な方法といえる。しかしながら、紫外線照射により緻密なシリカ膜に改質されるのは表層の数十nmの範囲であり、深部下層には塗膜含有水分の影響のためにシラノールが多く形成され、緻密な膜構造になっていないのが現状である。
特開2000−246830号公報 特開2007−237588号公報 特開平10−279362号公報 特開2008−159824号公報
上記した従来技術のように、大気圧下における酸素プラズマ放電処理によって改質されたガスバリアー層や、紫外線照射処理によって表層側のみ緻密なシリカ膜に改質されたガスバリアー層では、所望する高レベルのガスバリアー性を得ることが困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、高い水蒸気バリアー性能を有するバリアーフィルムとその製造方法及びそのバリアーフィルムを用いた電子機器を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
基材上にガスバリアー層を備えたバリアーフィルムであって、
前記ガスバリアー層は、ポリシラザンを含有した塗布液を塗布して成膜した塗膜に真空紫外光を照射した後に、100℃以上250℃以下の加熱処理を施して形成された層であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバリアーフィルムにおいて、
前記ガスバリアー層は、1Pa以上1000Pa以下の減圧下で、前記加熱処理が施されて形成されたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のバリアーフィルムにおいて、
前記ガスバリアー層は、前記基材の両面に形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のバリアーフィルムにおいて、
前記ガスバリアー層を覆う保護層を備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、
基材上にガスバリアー層が形成されたバリアーフィルムの製造方法であって、
前記基材上に、ポリシラザンを含有した塗布液を塗布して塗膜を形成する工程と、
前記塗膜に真空紫外光を照射する処理を施し、次いで前記塗膜を100℃以上250℃以下で加熱する加熱処理を施して、前記塗膜をガスバリアー層に改質する工程と、
を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のバリアーフィルムの製造方法において、
前記塗膜をガスバリアー層に改質する工程において、1Pa以上1000Pa以下の減圧下で前記加熱処理を施すことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、電子機器であって、
請求項1〜4の何れか一項に記載のバリアーフィルム、または請求項5又は6に記載のバリアーフィルムの製造方法によって得られたバリアーフィルムと、前記バリアーフィルムによって封止された電子デバイスを備えることを特徴とする。
本発明によれば、高い水蒸気バリアー性能を有するバリアーフィルムとその製造方法及びそのバリアーフィルムを用いた電子機器を得ることができる。
本発明に係るバリアーフィルムの一例を示す説明図(a)(b)(c)(d)である。 バリアーフィルムを用いて有機EL素子を封止した有機ELパネルの一例を示す断面図である。
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本発明に係るバリアーフィルム(10、11、12、13)は、樹脂フィルムなどのガス透過性を有する基材1上に、少なくとも1層のガスバリアー層2を備え、好ましくは、そのガスバリアー層2を覆うように積層された少なくとも1層の保護層3を備えている。
ガスバリアー層2は、ポリシラザンを含有した塗布液を塗布し乾燥して成膜した塗膜に真空紫外光を照射した後、100℃以上250℃以下の加熱処理を施して形成した層である。特に、塗膜に真空紫外光を照射した後、1Pa以上1000Pa以下の減圧下で加熱処理を塗膜に施してガスバリアー層2を形成することが好ましい。
保護層3は、ガスバリアー層2を保護するために形成された層である。
また、基材1の平滑性や基材1に対するガスバリアー層2の密着性を向上させるための中間層として、平滑層4やアンカーコート層を基材表面に設けてもよい。
また、基材1に傷や汚れが付くことを防止するため耐傷層や、基材1が加熱された際に内部から表面へモノマー、オリゴマー等の低分子量成分が析出する、いわゆるブリードアウトを抑制する目的でのブリードアウト防止層5を基材表面に設けてもよい。
具体的に、本発明に係るバリアーフィルム10は、例えば、図1(a)に示すように、基材1と、その基材1の一方の面に形成された平滑層4と、平滑層4上に積層されたガスバリアー層2を備え、さらに基材1の他方の面にブリードアウト防止層5を備えている。
また、本発明に係るバリアーフィルム11は、例えば、図1(b)に示すように、基材1と、その基材1の一方の面に形成された平滑層4と、平滑層4上に積層されたガスバリアー層2と保護層3を備え、さらに基材1の他方の面にブリードアウト防止層5を備えている。
また、本発明に係るバリアーフィルム12は、例えば、図1(c)に示すように、基材1と、その基材1の一方の面に形成された平滑層4と、平滑層4上に積層されたガスバリアー層2を備え、さらに基材1の他方の面に形成されたブリードアウト防止層5と、ブリードアウト防止層5上に積層されたガスバリアー層2を備えている。
また、本発明に係るバリアーフィルム13は、例えば、図1(d)に示すように、基材1と、その基材1の一方の面に形成された平滑層4と、平滑層4上に積層されたガスバリアー層2と保護層3を備え、さらに基材1の他方の面に形成されたブリードアウト防止層5と、ブリードアウト防止層5上に積層されたガスバリアー層2と保護層3を備えている。
以下、本発明のバリアーフィルム(10、11、12、13)の構成について詳細に説明する。
(基材)
本実施形態のバリアーフィルム(10、11、12、13)における基材1は、ガス透過性を有し、可撓性を有する折り曲げ可能なフィルム基材である。この基材1は、ガスバリアー層2や保護層3を保持することができるフィルム状の基材であれば、特に限定されるものではない。
ここで、本発明におけるガス透過性を有する基材1とは、モコン法に従いMOCON社製PERMATRAN−W3/33を用いて、JIS規格のK7129法(温度40℃、湿度90%RH)に基づいて測定した水蒸気透過率が、モコン法の測定で0.5g/m/日以上であるものと定義される。
基材1に適用可能な樹脂基材としては、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(Ny)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の樹脂材料からなる樹脂フィルム、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルム(製品名シルプラス、新日鐵化学株式会社製)、さらには上記したフィルム材料を2層以上積層して成る樹脂フィルム等を用いることができる。
これら樹脂フィルムのうち、コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等のフィルムが好ましく用いられる。
また、デバイスを封止する加工工程で高温処理が必要な場合には、耐熱性と透明性を両立した透明ポリイミドのフィルム、例えば東洋紡株式会社製、透明ポリイミド系フィルム・タイプHMや、三菱瓦斯化学株式会社製、透明ポリイミド系フィルム・ネオプリムL L−3430などを好ましく用いることができる。
この基材1の厚さは5〜500μm程度が好ましく、さらに好ましくは25〜250μmである。
また、基材1は透明であることが好ましい。基材1が透明であって基材1上に形成する各種層も透明にすれば、光透過性を有するバリアーフィルムとすることが可能となる。基材1が光透過性を有すれば、有機EL素子の発光光を透過させたり、太陽電池へ向かう太陽光を通過させたりすることが可能になるので、有機EL素子や太陽電池を封止する封止フィルム(透明基板)として好適に用いることができる。
また、上記の樹脂材料を用いた基材1は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
また、上記の樹脂材料からなる基材1は、従来公知の一般的な製法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍であることが好ましい。
(アンカーコート層)
また、本実施形態における基材1の表面には、ガスバリアー層2との密着性を向上させるためのアンカーコート層を形成してもよい。
このアンカーコート層に用いられるアンカーコート剤としては、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂、及びアルキルチタネート等を、1種または2種以上併せて使用することができる。これらのアンカーコート剤には、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、上記のアンカーコート剤は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法により基材上にコーティングし、溶剤、希釈剤等を乾燥除去することによりアンカーコート層を形成することができる。
このアンカーコート剤の塗布量としては、乾燥状態で0.1〜5g/m程度が好ましい。
(平滑層)
また、本実施形態における基材1の表面には平滑層4を設けてもよい。平滑層4は、例えば基材1の一方の面上に形成されている。
平滑層4は、微小な突起等が存在する基材1の粗面を平坦化し、基材表面の突起等によって基材1に成膜する塗膜(ガスバリアー層2)などに凹凸やピンホールが生じないようにするために設けられる。このような平滑層4は、例えば、感光性樹脂を硬化させて形成される。
この平滑層4の形成に用いられる感光性樹脂としては、例えば、ラジカル反応性不飽和結合を有するアクリレート化合物を含有する樹脂組成物、アクリレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物を含有する樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールメタクリレート等の多官能アクリレートモノマーを溶解させた樹脂組成物等が挙げられる。また、上記のような樹脂組成物の任意の混合物を使用することも可能であり、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する反応性モノマーを含有している感光性樹脂であれば特に制限はない。反応性モノマーは、1種または2種以上の混合物として、あるいは、その他の化合物との混合物として使用することができる。
また、感光性樹脂の組成物は、光重合開始剤を含有する。光重合開始剤は、1種または2種以上の組み合わせで使用することができる。
この平滑層4を基材1の表面に形成する方法は、特に制限はないが、例えば、スピンコーティング法、スプレー法、ブレードコーティング法、ディップ法等のウェットコーティング法、あるいは、蒸着法等のドライコーティング法により形成することが好ましい。
また、平滑層4を形成する際に必要に応じて、上記した感光性樹脂に酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の添加剤を加えることができる。また、形成した平滑層4への成膜性向上や、平滑層4に成膜された膜のピンホール発生防止等のために適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。
なお、感光性樹脂を溶媒に溶解または分散させた塗布液を用いて平滑層4を形成する際に使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−テルピネオール等のテルペン類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、シクロヘキシルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等の酢酸エステル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、安息香酸メチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
また、平滑層4を形成する際に加える添加剤としての好ましい態様のひとつは、感光性樹脂中に、表面に光重合反応性を有する感光性基が導入された反応性シリカ粒子(以下、単に「反応性シリカ粒子」ともいう)を含むものである。ここで、光重合性を有する感光性基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基に代表される重合性不飽和基等を挙げることができる。また感光性樹脂は、この反応性シリカ粒子の表面に導入された光重合反応性を有する感光性基と光重合反応可能な化合物、例えば、重合性不飽和基を有する不飽和有機化合物を含むものであってもよい。また感光性樹脂としては、このような反応性シリカ粒子や重合性不飽和基を有する不飽和有機化合物に適宜汎用の希釈溶剤を混合することによって固形分を調整したものを用いることができる。
ここで、反応性シリカ粒子の平均粒子径としては、0.001〜0.1μmの平均粒子径であることが好ましい。平均粒子径をこのような範囲にすることにより、後述する平均粒子径1〜10μmの無機粒子からなるマット剤と組合せて用いることによって、防眩性と解像性とをバランスよく満たす光学特性と、ハードコート性とを兼ね備えた平滑層4を形成し易くなる。なお、このような効果をより得易くする観点からは、さらに平均粒子径が0.001〜0.01μmの反応性シリカ粒子を用いることがより好ましい。
本実施形態における平滑層4中には、上述の様な無機粒子を質量比として20%以上60%以下含有することが好ましい。20%以上添加することで、ガスバリアー層2との密着性が向上する。一方60%を超えると、フィルムを湾曲させたり、加熱処理を行った場合にクラックが生じたり、バリアーフィルムの透明性や屈折率等の光学的物性に影響を及ぼすことがある。
なお、本実施形態では、重合性不飽和基修飾加水分解性シランが、加水分解性シリル基の加水分解反応によって、シリカ粒子との間に、シリルオキシ基を生成して化学的に結合しているようなものを、反応性シリカ粒子として用いることができる。加水分解性シリル基としては、例えば、アルコキシリル基、アセトキシリル基等のカルボキシリレートシリル基、クロシリル基等のハロゲン化シリル基、アミノシリル基、オキシムシリル基、ヒドリドシリル基等が挙げられる。重合性不飽和基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニイル基、シンナモイル基、マレート基、アクリルアミド基等が挙げられる。
本実施形態において、平滑層4の厚さとしては、1〜10μm、好ましくは2〜7μmであることが望ましい。1μm以上にすることにより、平滑層4を有するバリアーフィルムとしての平滑性を十分なものにし易くなり、10μm以下にすることにより、バリアーフィルムの光学特性のバランスを調整し易くなると共に、平滑層4をバリアーフィルムの一方の面にのみ設けた場合におけるそのバリアーフィルムのカールを抑え易くすることができるようになる。
(ブリードアウト防止層)
また、本実施形態における基材1の下面側の表面には、ブリードアウト防止層5を形成してもよい。
ブリードアウト防止層5は、平滑層4を有するフィルムを加熱した際に、基材1中から表面に未反応のオリゴマー等が移行して、フィルム表面を汚染する現象を抑制する目的で、平滑層4を有する基材1の反対面に設けられる。ブリードアウト防止層5は、この機能を有していれば、基本的に平滑層4と同じ構成をとっても構わない。
ブリードアウト防止層5に含ませることが可能な重合性不飽和基を有する不飽和有機化合物としては、分子中に2個以上の重合性不飽和基を有する多価不飽和有機化合物、あるいは分子中に1個の重合性不飽和基を有する単価不飽和有機化合物等を挙げることができる。
その他の添加剤として、マット剤を含有してもよい。マット剤としては、平均粒子径が0.1〜5μm程度の無機粒子が好ましい。このような無機粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム等の1種または2種以上を併せて使用することができる。なお、無機粒子からなるマット剤は、ハードコート剤の固形分100質量部に対して2質量部以上、好ましくは4質量部以上、より好ましくは6質量部以上、20質量部以下、好ましくは18質量部以下、より好ましくは16質量部以下の割合で混合されていることが望ましい。
また、ブリードアウト防止層5には、ハードコート剤及びマット剤の他の成分として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、光重合開始剤等を含有させてもよい。
熱可塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール系樹脂、アクリル樹脂及びその共重合体、メタクリル樹脂及びその共重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、線状ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化性ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂としては、光重合性プレポリマーもしくは光重合性モノマー等の1種または2種以上を混合した電離放射線硬化塗料に、電離放射線(紫外線または電子線)を照射することで硬化するものを使用することができる。ここで光重合性プレポリマーとしては、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化することにより3次元網目構造となるアクリル系プレポリマーが特に好ましく使用される。このアクリル系プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート等が使用できる。また光重合性モノマーとしては、上記に記載した多価不飽和有機化合物等が使用できる。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾインベンゾエート、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパン、α−アシロキシムエステル、チオキサンソン類等が挙げられる。
以上のようなブリードアウト防止層5は、ハードコート剤、マット剤及び必要に応じて添加される他の成分を配合して、所定の希釈溶剤を加えて塗布液として調製し、その塗布液を基材1の表面に従来公知の塗布方法によって塗布した後、電離放射線を照射して硬化させることにより形成することができる。なお、電離放射線を照射する方法としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する手法、または走査型やカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線を照射する手法により行うことができる。
本実施形態におけるブリードアウト防止層5の厚さとしては、1〜10μm、好ましくは2〜7μmであることが望ましい。1μm以上にすることにより、バリアーフィルムとしての耐熱性を十分なものにし易くなり、10μm以下にすることにより、バリアーフィルムの光学特性のバランスを調整し易くなると共に、平滑層4をバリアーフィルムの一方の面に設けた場合におけるそのバリアーフィルムのカールを抑え易くすることができるようになる。
(ガスバリアー層)
本発明において、基材1上あるいは基材1上に形成した中間層(例えば平滑層4)上にガスバリアー層2を形成する方法として、水蒸気バリアー性を有するポリシラザン改質層を形成する方法を適用することができる。この方法は、ポリシラザンを含有した塗布液を湿式塗布法により基材1上あるいは基材1上の中間層上に塗布し乾燥して塗膜を成膜し、その塗膜に真空紫外光を照射した後に100℃以上250℃以下の加熱処理を施すことによって、塗膜をポリシラザン改質層に転化してガスバリアー層2を形成する方法である。
(ポリシラザンを含む液体の塗布)
本発明で用いられる「ポリシラザン」とは、珪素−窒素結合を持つポリマーで、Si−N、Si−H、N−H等の結合を有するSiO、Si及び両方の中間固溶体SiO等のセラミック前駆体無機ポリマーである。
そのポリシラザンを含む液体を塗布する塗布方法としては、従来公知の適切な方法が採用され得る。具体例としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。塗布厚さは、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、塗布厚さは、乾燥後の厚さが1nm〜100μm程度であることが好ましく、さらに好ましくは10nm〜10μm程度、最も好ましくは10nm〜1μm程度である。
また、ポリシラザンとしては、基材1の性状を損なわないように塗布するために、比較的低温でセラミック化してシリカに変性する化合物が好ましく、例えば、特開平8−112879号公報に記載の下記一般式(1)で表される単位からなる主骨格を有する化合物が好ましい。
Figure 2013086501
上記一般式(1)において、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基などを表す。
本発明では、得られるガスバリアー層2としての緻密性の観点から、R、R、及びRの全てが水素原子であるパーヒドロポリシラザンが特に好ましい。
また、そのSiと結合する水素原子部分の一部がアルキル基等で置換されたオルガノポリシラザンは、メチル基等のアルキル基を有することにより下地である基材1との接着性が改善され、かつ硬くてもろいポリシラザンによるセラミック膜に靭性を持たせることができ、より膜厚(平均膜厚)を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる利点がある。そこで用途に応じて適宜、パーヒドロポリシラザンとオルガノポリシラザンを選択してよく、混合して使用することもできる。
パーヒドロポリシラザンは、直鎖構造と、6及び8員環を中心とする環構造が存在した構造と推定されている。その分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)で、液体または固体の物質があり、その状態は分子量により異なる。これらは有機溶媒に溶解した溶液状態で市販されており、市販品をそのままポリシラザン含有塗布液として使用することができる。
低温でセラミック化するポリシラザンの他の例としては、上記一般式(1)で表される単位からなる主骨格を有するポリシラザンに、珪素アルコキシドを反応させて得られる珪素アルコキシド付加ポリシラザン(例えば、特開平5−238827号公報参照)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(例えば、特開平6−122852号公報参照)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(例えば、特開平6−240208号公報参照)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(例えば、特開平6−299118号公報参照)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(例えば、特開平6−306329号公報参照)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(例えば、特開平7−196986号公報参照)等が挙げられる。
ポリシラザンを含有する塗布液を調製する有機溶媒としては、ポリシラザンと容易に反応するようなアルコール系や水分を含有するものを用いることは好ましくない。従って、具体的には、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒や、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類が使用できる。詳しくは、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン等の炭化水素、塩化メチレン、トリクロロエタン等のハロゲン炭化水素、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等がある。これらの有機溶媒は、ポリシラザンの溶解度や有機溶媒の蒸発速度等の特性にあわせて選択し、複数の有機溶媒を混合してもよい。
ポリシラザン含有の塗布液中におけるポリシラザン濃度は、目的とするポリシラザン改質層の膜厚や塗布液のポットライフによっても異なるが、0.2〜35質量%程度であることが好ましい。
ポリシラザン含有の塗布液中には、酸化珪素化合物への転化を促進するため、アミンや金属の触媒を添加することもできる。具体的には、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製のアクアミカ NAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL150A、NP110、NP140、SP140等が挙げられる。
本発明に用いるポリシラザン含有の塗布液により形成されたポリシラザン改質層は、改質処理前または改質処理中に含まれる水分の量が制御されていることが好ましい。
改質処理前または改質処理中にポリシラザン改質層中に入りうる水分の供給としては、例えば塗布基材表面からの移行、あるいは雰囲気中の水蒸気の吸収がある。基材側からポリシラザン改質層中に移行する水分の制御は、ポリシラザン含有の塗布液を塗布する前に基材を一定の温度湿度環境下で保存して、含水量を所望の値に制御することができる。所望の値は、後述の雰囲気中の湿度によって異なるが、通常、重量として1000ppm以下、好ましくは、300ppm以下である。
ポリシラザン含有の塗布液を基材上に塗布乾燥する工程においては、主に有機溶媒を取り除くため、乾燥条件を熱処理等の方法で適宜決めることができ、熱処理温度は迅速処理の観点から高い温度であることが好ましいが、樹脂フィルムである基材1に対する熱ダメージを考慮し、温度と処理時間を適宜決定することが好ましい。例えば、基材1として、ガラス転位温度(Tg)が70℃のポリエチレンテレフタレート基材を用いる場合には、熱処理温度は150℃以下を設定することができる。
ポリシラザン含有の塗布液を基材上に塗布乾燥する工程における雰囲気は、比較的低湿に制御されていることが好ましいが、低湿度環境における湿度は温度により変化するので、温度と湿度の関係は露点温度の規定により好ましい形態が示される。好ましい露点温度は4℃以下(温度25℃/湿度25%)で、より好ましい露点温度は−8℃(温度25℃/湿度10%)以下、さらに好ましい露点温度は−31℃(温度25℃/湿度1%)以下である。また、水分を取り除きやすくするため、減圧乾燥してもよい。減圧乾燥における圧力は常圧〜0.1Paを選ぶことができる。
(ポリシラザンの改質処理・真空紫外光照射処理)
本発明におけるポリシラザンの改質処理とは、ポリシラザン化合物の一部または全部が、酸化珪素または酸化窒化珪素への転化する反応をいう。
この改質処理は、ポリシラザンの転化反応に基づく公知の方法を選ぶことができる。例えば、ポリシラザン化合物の置換反応による酸化珪素膜または酸化窒化珪素膜の形成には450℃以上の高温が必要であり、樹脂フィルムを基材1に用いたフレキシブル基板においては、適応が難しい。従って、本発明のバリアーフィルムを作製するに際しては、プラスチック基板への適応という観点から、より低温での転化反応が可能な紫外光の照射処理を利用することが好ましい。
本発明におけるバリアーフィルムの製造方法において、水分が取り除かれたポリシラザン塗膜(ポリシラザン層)は紫外光照射による処理で改質される。紫外線(紫外光と同義)によって生成されるオゾンや活性酸素原子は高い酸化能力を有しており、低温で高い緻密性と絶縁性を有する酸化珪素膜または酸化窒化珪素膜を形成することが可能である。
この紫外光照射により、セラミックス化に寄与するOとHOや、紫外線吸収剤、ポリシラザン自身が励起、活性化される。そして、励起したポリシラザンのセラミックス化が促進され、得られるセラミックス膜が緻密になる。紫外光照射は、塗膜形成後であればいずれの時点で実施しても有効である。
本発明での真空紫外光照射処理には、常用されているいずれの紫外線発生装置を使用することが可能である。なお、本発明でいう紫外光とは、一般には、真空紫外光とよばれる10〜200nmの波長を有する電磁波を含む紫外光をいう。
真空紫外光の照射は、照射される改質前の塗膜であるポリシラザン層を担持している基材1がダメージを受けない範囲で、照射強度や照射時間を設定することが好ましい。
基材1にプラスチックフィルムを用いた場合を例にとると、例えば、2kW(80W/cm×25cm)のランプを用い、基材表面の強度が20〜300mW/cm、好ましくは50〜200mW/cmになるように基材−紫外線照射ランプ間の距離を設定し、0.1秒〜10分間の照射を行うことができる。
一般に、紫外線照射処理時の基材温度が150℃以上になると、プラスチックフィルム等の場合には、基材1が変形したりその強度が劣化したりするなど、基材1の特性が損なわれることになる。しかしながら、ポリイミド等の耐熱性の高いフィルムなどの場合には、より高温での改質処理が可能である。従って、この紫外線照射時の基材温度としては、一般的な上限はなく、基材1の種類によって当業者が適宜設定することができる。また、紫外線照射雰囲気に特に制限はなく、空気中で実施すればよい。
このような紫外線の発生手段としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、エキシマランプ、UV光レーザー等が挙げられるが、特に限定されない。また、発生させた紫外線を改質前のポリシラザン層に照射する際には、効率向上と均一な照射を達成する観点から、発生源からの紫外線を反射板で反射させてから改質前のポリシラザン層に当てることが望ましい。
紫外線照射は、バッチ処理にも連続処理にも適合可能であり、使用する基材1の形状によって適宜選定することができる。ポリシラザン改質層を有する基材1が長尺フィルム状である場合には、これを搬送させながら上記のような紫外線発生源を具備した乾燥ゾーンで連続的に紫外線を照射することによりセラミックス化することができる。紫外線照射に要する時間は、使用する基材1やポリシラザン改質層の組成、濃度にもよるが、一般に0.1秒〜10分であり、好ましくは0.5秒〜3分である。
また、真空紫外光(VUV)を照射する際の、酸素濃度は300ppm〜10000ppm(1%)とすることが好ましく、更に好ましくは、500ppm〜5000ppmである。このような酸素濃度の範囲に調整することにより、酸素過多のガスバリアー層2の生成を防止してバリアー性の劣化を防止することができる。
真空紫外光(VUV)照射時にこれら酸素以外のガスとしては乾燥不活性ガスを用いることが好ましく、特にコストの観点から乾燥窒素ガスにすることが好ましい。
酸素濃度の調整は照射庫内へ導入する酸素ガス、不活性ガスの流量を計測し、流量比を変えることで調整可能である。
具体的に、本発明においてポリシラザン層(塗膜)を改質する処理における第1の改質処理工程は、真空紫外光を照射する工程である。真空紫外光を照射する処理は、ポリシラザン化合物内の原子間結合力より大きい100〜200nmの波長の光のエネルギーを用い、好ましくは100〜180nmの波長の光エネルギーを用い、原子の結合を光量子プロセスと呼ばれる光子のみの作用により、直接切断しながら活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させる改質処理であり、真空紫外光の光エネルギーによって比較的低温で酸化珪素膜の形成を行うための処理・方法である。これに必要な真空紫外光源としては、希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。
なお、Xe、Kr、Ar、Ne等の希ガスの原子は化学的に結合して分子を作らないため、不活性ガスと呼ばれる。しかし、放電等によりエネルギーを得た希ガスの原子(励起原子)は他の原子と結合して分子を作ることができる。希ガスがキセノンの場合には、
e+Xe→e+Xe
Xe+Xe+Xe→Xe +Xe
となり、励起されたエキシマ分子であるXe が基底状態に遷移するときに172nmのエキシマ光(真空紫外光)を発光する。
エキシマランプの特徴としては、放射が一つの波長に集中し、必要な光以外がほとんど放射されないので効率が高いことが挙げられる。また、余分な光が放射されないので、対象物の温度を低く保つことができる。さらには始動・再始動に時間を要さないので、瞬時の点灯点滅が可能である。
エキシマ発光を得るには、誘電体バリアー放電を用いる方法が知られている。誘電体バリアー放電とは、両電極間に誘電体(エキシマランプの場合は透明石英)を介してガス空間を配し、電極に数10kHzの高周波高電圧を印加することによりガス空間に生じる雷に似た非常に細いmicro dischargeと呼ばれる放電である
また、効率よくエキシマ発光を得る方法としては、誘電体バリアー放電以外には無電極電界放電も知られている。無電極電界放電とは、容量性結合による放電であり、別名RF放電とも呼ばれる。ランプと電極及びその配置は、基本的には誘電体バリアー放電と同じでよいが、両極間に印加される高周波は数MHzで点灯される。無電極電界放電はこのように空間的にまた時間的に一様な放電が得られる。
そして、Xeエキシマランプは、波長の短い172nmの紫外線を単一波長で放射することから発光効率に優れている。この光は、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素でラジカルな酸素原子種やオゾンを高濃度で発生することができる。また、有機物の結合を解離させる波長の短い172nmの光のエネルギーは能力が高いことが知られている。この活性酸素やオゾンと紫外線放射が持つ高いエネルギーによって、短時間でポリシラザン膜の改質を実現できる。従って、波長185nm、254nmの紫外線を発する低圧水銀ランプやプラズマ洗浄と比べて、高スループットに伴うプロセス時間の短縮や設備面積の縮小、熱によるダメージを受けやすい有機材料やプラスチック基板、樹脂フィルム等への照射を可能としている。
また、エキシマランプは光の発生効率が高いため、低い電力の投入で点灯させることが可能である。また、光による温度上昇の要因となる波長の長い光は発せず、紫外線領域で単一波長のエネルギーを照射するため、照射対象物の表面温度の上昇が抑えられる特徴を有する。このため、熱の影響を受けやすいとされるポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムを基材1とするバリアーフィルムへの照射に適している。
(ポリシラザンの改質処理・加熱処理)
また、本発明において、ポリシラザン層(塗膜)を改質する処理における第2の改質処理工程は、真空紫外光照射後(第1の改質処理工程後)に行う加熱処理工程である。
真空紫外光照射処理後のポリシラザン層に100℃以上250℃以下の加熱処理を施すことで、水分透過率が低く水蒸気バリアー性に優れたガスバリアー層2を形成することができる。
第1の改質処理工程で真空紫外光照射処理が施されたポリシラザン層は改質され、特にポリシラザン層の表面はより緻密な構造をとるように改質されている。
その表面が緻密な構造に改質されたポリシラザン層を100℃以上に加熱することで、そのポリシラザン層(ガスバリアー層2)の水分透過率がより一層低下し、水蒸気バリアー性が向上するということが、発明者による鋭意研究の結果判明した。
これは、真空紫外光照射処理によって水分透過率の低い緻密な膜が表面に生成したポリシラザン層に100℃以上の加熱処理を施したことによって、そのポリシラザン層が含有する内部水分が膨張してポリシラザン層の内部圧力が上がり、ポリシラザン層中のシラノール縮合反応等が進行して改質が進んだことで、ポリシラザン層の内部まで緻密な構造に改質されたためと推認される。
なお、ポリシラザン層を250℃よりも高温に加熱すると、含有水分が急激に膨張するなどのために、ポリシラザン層(ガスバリアー層2)にひびなどの損傷が生じ、水分透過率が上がって水蒸気バリアー性が低下してしまうので、加熱処理は100℃以上250℃以下であることが好ましい。より好ましくは100℃以上200℃以下、更に好ましくは100℃以上180℃以下である。
また、加熱処理時間は、10分以上5時間以下が好ましく、より好ましくは30分以上2時間以下である。
また、真空紫外光照射処理後のポリシラザン層に100℃以上250℃以下の加熱処理を施す際、大気圧下での加熱処理でもよいが、減圧下で加熱処理を施すことが好ましい。
加熱処理時の減圧度・真空度は、例えば1×10−4〜1×10Paであり、好ましくは1×10−2〜1×10Pa、より好ましくは1〜1×10Paである。
なお、ポリシラザン層(塗膜)を改質する加熱処理は、保護層3の成膜前に行ってもよく、また保護層3の形成後に行ってポリシラザン層(塗膜)と保護層3をともに加熱するようにしてもよい。
(保護層)
本発明において、ガスバリアー層2上に保護層3を形成する方法として、ポリシロキサン改質層を形成する方法を適用することができる。この方法は、ポリシロキサンを含有した塗布液を湿式塗布法によりガスバリアー層2上に塗布して乾燥した後、その乾燥した塗膜に真空紫外光を照射することによってポリシロキサン改質層とした保護層3を形成する方法である。
本発明における保護層3を形成するために用いる塗布液は、主には、ポリシロキサン及び有機溶媒を含有する。
保護層3の形成に適用可能なポリシロキサンとしては、特に制限はないが、下記一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンが、特に好ましい。
本実施形態ではポリシロキサンとして、一般式(2)で表されるオルガノポリシロキサンを例に説明する。
Figure 2013086501
上記一般式(2)において、R〜Rは、各々同一又は異なる炭素数1〜8の有機基を表す。R〜Rは、アルコキシ基及び水酸基のいずれかを含む。mは1以上である。
〜Rで表される炭素数1〜8の有機基としては、例えば、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基、ビニル基、フェニル基、γ−メタクリルオキシプロピル基等の(メタ)アクリル酸エステル基、γ−グリシドキシプロピル基等のエポキシ含有アルキル基、γ−メルカプトプロピル基等のメルカプト含有アルキル基、γ−アミノプロピル基等のアミノアルキル基、γ−イソシアネートプロピル基等のイソシアネート含有アルキル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等の脂環状アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等の直鎖状若しくは分岐状アルコキシ基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロイル基等のアシル基等が挙げられる。
更に本発明では、上記一般式(2)において、mが1以上で、かつ、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜20,000であるオルガノポリシロキサンが特に好ましい。該オルガノポリシロキサンのポリスチレン換算の重量平均分子量が、1000以上であれば、形成する保護層に亀裂が生じ難く、水蒸気バリアー性を維持することができ、20,000以下であれば、形成される保護層の硬化が充分となり、そのため得られる保護層として十分な硬度が得られる。
また、保護層3の形成に適用可能な有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、非プロトン系溶媒等が挙げられる。
ここで、アルコール系溶媒としては、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどが好ましい。
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン、フェンチョンなどのほか、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタンジオンなどのβ−ジケトン類などが挙げられる。これらのケトン系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルモルホリン、N−アセチルピペリジン、N−アセチルピロリジンなどが挙げられる。これらアミド系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
エステル系溶媒としては、ジエチルカーボネート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどが挙げられる。これらエステル系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
非プロトン系溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N,N′,N′−テトラエチルスルファミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチルモルホロン、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N,N−ジメチルピペラジン、N−メチルイミダゾール、N−メチル−4−ピペリドン、N−メチル−2−ピペリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルテトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンなどを挙げることができる。以上の有機溶媒は、1種あるいは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、保護層3の形成に用いる有機溶媒としては、上記の有機溶媒のなかではアルコール系溶媒が好ましい。
保護層形成用の塗布液の塗布方法としては、スピンコート、ディッピング、ローラーブレード、スプレー法などが挙げられる。
保護層形成用の塗布液により形成する保護層3の厚さとしては、100nm〜10μmの範囲が好ましい。保護層3の膜厚が100nm以上であれば、高湿下でのバリアー性を確保することができる。また、保護層3の膜厚が10μm以下であれば、保護層形成時に安定した塗布性を得ることができ、かつ高い光線透過性を実現できる。
また、保護層3は、その膜密度が通常0.35〜1.2g/cmであり、好ましくは0.4〜1.1g/cm、さらに好ましくは0.5〜1.0g/cmである。膜密度が0.35g/cm以上であれば、十分な塗膜の機械的強度を得ることができる。
本発明における保護層3は、ポリシロキサンを含む塗布液を、湿式塗布法によりガスバリアー層2上に塗布して乾燥した後、その乾燥した塗膜(ポリシロキサン塗膜)に真空紫外光を照射することによって形成する。
この保護層3の形成に用いる真空紫外光としては、前述のガスバリアー層2の形成で説明したものと同様の真空紫外光照射処理による真空紫外光を適用することができる。
また、本発明においては、ポリシロキサン膜を改質して保護層3を形成する際の真空紫外光の積算光量としては、500mJ/cm以上、10,000mJ/cm以下であることが好ましい。真空紫外光の積算光量が500mJ/cm以上であれば十分なバリアー性能を得ることができ、10,000mJ/cm以下であれば、基材に変形を与えることなく平滑性の高い保護層3を形成することができる。
また、本発明における保護層3は、加熱温度が50℃以上、200℃以下の加熱工程を経て形成されることが好ましい。加熱温度が50℃以上であれば十分なバリアー性を得ることができ、200℃以下であれば、基材1に変形を与えることなく平滑性の高い保護層3を形成することができる。この加熱工程には、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用する加熱方法を適用することができる。また、その加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下など、いずれの条件でもよい。
なお、保護層3は、ガスバリアー層2を覆い、バリアーフィルムにおけるガスバリアー層2が損傷することを防ぐ機能を有しているが、バリアーフィルムの製造過程でガスバリアー層2が損傷することを防ぐこともできる。
例えば、ガスバリアー層2の形成に際して成膜した改質前のポリシラザン塗膜上にポリシロキサン塗膜を成膜し、ポリシラザン塗膜とポリシロキサン塗膜に同時に真空紫外光を照射した後、100℃以上250℃以下の加熱処理を施すことで、ガスバリアー層2と保護層3を形成するようにしてもよい。また、真空紫外光照射処理が施されたポリシラザン塗膜上にポリシロキサン塗膜を成膜し、ポリシロキサン塗膜に真空紫外光照射処理を施した後、100℃以上250℃以下の加熱処理を施して、ガスバリアー層2と保護層3を形成するようにしてもよい。
このように、ポリシラザン塗膜(ガスバリアー層2)を保護層3(ポリシロキサン塗膜)で覆った状態で、100℃以上の加熱処理を施す場合には、加熱処理による熱応力によってガスバリアー層2に微小なひび割れが発生することを防ぐことができ、ガスバリアー層2の水蒸気バリアー性能を安定させることができる。
(電子機器としての有機ELパネル)
本発明に係るバリアーフィルム10(11、12、13)は、太陽電池、液晶表示素子、有機EL素子等の電子デバイスを封止する封止フィルムとして用いることができる。
このバリアーフィルム10を封止フィルムとして用いた電子機器である有機ELパネル20の一例を図2に示す。
有機ELパネル20は、図2に示すように、バリアーフィルム10と、バリアーフィルム10上に形成されたITOなどの透明電極6と、透明電極6を介してバリアーフィルム10上に形成された有機EL素子7と、その有機EL素子7を覆うように接着剤層8を介して配設された対向フィルム9等を備えている。なお、透明電極6は、有機EL素子7の一部を成すともいえる。
このバリアーフィルム10(11)におけるガスバリアー層2(または保護層3)が形成された面に、透明電極6と有機EL素子7が形成されるようになっている。
また、対向フィルム9は、アルミ箔などの金属フィルムのほか、本発明に係るバリアーフィルムを用いてもよい。対向フィルム9にバリアーフィルムを用いる場合、ガスバリアー層または保護層3が形成された面を有機EL素子7に向けて、接着剤層8によって貼付するようにすればよい。
(有機EL素子)
有機ELパネル20において、バリアーフィルム10(11、12、13)で封止される有機EL素子7について説明する。
以下に有機EL素子7の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(1)陽極/発光層/陰極
(2)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(3)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(4)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(5)陽極/陽極バッファー層(正孔注入層)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極バッファー層(電子注入層)/陰極
(陽極)
有機EL素子7における陽極(透明電極6)としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。
陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜として形成し、その薄膜をフォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。
この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましい。また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。また、陽極の膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
(陰極)
有機EL素子7における陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が陰極として好適である。
陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。また、陰極の膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子7の陽極または陰極のいずれか一方が透明または半透明であれば、発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極の説明で挙げた上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
(注入層:電子注入層、正孔注入層)
注入層には電子注入層と正孔注入層があり、電子注入層と正孔注入層を必要に応じて設け、陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させる。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、特開平9−260062号公報、特開平8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、特開平9−17574号公報、特開平10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的には、ストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるが、その膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
(発光層)
有機EL素子7における発光層は、電極(陰極、陽極)または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
有機EL素子7の発光層には、以下に示すドーパント化合物(発光ドーパント)とホスト化合物(発光ホスト)が含有されることが好ましい。これにより、より一層発光効率を高くすることができる。
(発光ドーパント)
発光ドーパントは、大きく分けて蛍光を発光する蛍光性ドーパントとリン光を発光するリン光性ドーパントの2種類がある。
蛍光性ドーパントの代表例としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、または希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
リン光性ドーパントの代表例としては、好ましくは元素の周期表で8属、9属、10属の金属を含有する錯体系化合物であり、更に好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
発光ドーパントは複数種の化合物を混合して用いてもよい。
(発光ホスト)
発光ホスト(単にホストとも言う)とは、2種以上の化合物で構成される発光層中にて混合比(質量)の最も多い化合物のことを意味し、それ以外の化合物については「ドーパント化合物(単に、ドーパントとも言う)」という。例えば、発光層を化合物A、化合物Bという2種で構成し、その混合比がA:B=10:90であれば化合物Aがドーパント化合物であり、化合物Bがホスト化合物である。更に発光層を化合物A、化合物B、化合物Cの3種から構成し、その混合比がA:B:C=5:10:85であれば、化合物A、化合物Bがドーパント化合物であり、化合物Cがホスト化合物である。
発光ホストとしては構造的には特に制限はないが、代表的にはカルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、芳香族ボラン誘導体、含窒素複素環化合物、チオフェン誘導体、フラン誘導体、オリゴアリーレン化合物等の基本骨格を有するもの、またはカルボリン誘導体やジアザカルバゾール誘導体(ここで、ジアザカルバゾール誘導体とは、カルボリン誘導体のカルボリン環を構成する炭化水素環の少なくとも一つの炭素原子が窒素原子で置換されているものを表す。)等が挙げられる。中でも、カルボリン誘導体、ジアザカルバゾール誘導体等が好ましく用いられる。
そして、発光層は上記化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜化法により成膜して形成することができる。発光層としての膜厚は特に制限はないが、通常は5nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で選ばれる。この発光層はドーパント化合物やホスト化合物が1種または2種以上からなる一層構造であってもよいし、あるいは同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
正孔輸送層は上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
(電子輸送層)
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する電子輸送材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送材料としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
(有機EL素子の作製方法)
有機EL素子7の作製方法について説明する。
ここでは有機EL素子7の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製方法について説明する。
まず、バリアーフィルム10(11)上に所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング、プラズマCVD等の方法により形成させ、陽極を作製する。
次に、その上に有機EL素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の有機化合物薄膜を形成させる。この有機化合物薄膜の成膜方法としては、蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があるが、均質な膜が得られやすく、且つピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法が特に好ましい。更に層毎に異なる成膜法を適用してもよい。成膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10−6〜10−2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚0.1nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより所望の有機EL素子が得られる。
この有機EL素子7の作製は、一回の真空引きで一貫して陽極、正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる成膜法を施しても構わない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。また、作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。
このようにして得られた有機EL素子7を備える多色の表示装置(有機ELパネル20)に、直流電圧を印加する場合には、陽極をプラス、陰極をマイナスの極性として電圧2〜40V程度を印加すると発光が観測できる。また、交流電圧を印加してもよい。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明のバリアーフィルムを詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
(実施例1)
実施例1では、図1(a)に示すバリアーフィルム10と同様の層構成を有するバリアーフィルムを作製し、その評価を行った。
[バリアーフィルム1−1の作製]
《基材の作製》
耐熱性基材として、両面に易接着加工が施された厚さ200μmの透明ポリイミド系フィルム(三菱瓦斯化学株式会社製、ネオプリムL)を用い、下記に示すように、その基材の両面に平滑層を形成したものを、バリアー基材とした。
《平滑層の形成・バリアー基材の作製》
〈平滑層塗布液の作製〉
トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(エポライト100MF 共栄社化学社製)を8.0g、エチレングリコールジグリシジルエーテル(エポライト40E 共栄社化学社製)を5.0g、オキセタニル基を有するシルセスキオキサン:OX−SQ−H(東亞合成社製)を12.0g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを32.5g、Al(III)アセチルアセトネートを2.2g、メタノールシリカゾル(日産化学社製、固形分濃度30質量%)を134.0g、BYK333(ビックケミー・ジャパン社製、シリコン系界面活性剤)を0.1g、ブチルセロソルブを125.0g、0.1モル/Lの塩酸水溶液を15.0g混合し、充分に攪拌した。これを室温でさらに静置脱気して、平滑層塗布液を得た。
〈第1平滑層の形成〉
上記耐熱性基材の一方の面側に、定法によりコロナ放電処理を施した後、上記平滑層塗布液を、乾燥後の膜厚が4.0μmとなる条件で塗布した後、80℃で3分間乾燥した。更に、120℃で10分間の加熱処理を施して、第1平滑層を形成した。
〈第2平滑層の形成〉
上記耐熱性基材の第1平滑層を形成した面とは反対側の面に、上記第1平滑層の形成方法と同様にして、第2平滑層を形成した。つまり、耐熱性基材の両面に平滑層を形成したものがバリアー基材である。なお、第1平滑層と第2平滑層の一方はブリードアウト防止層であるともいえる。
そして、形成した第1平滑層及び第2平滑層の表面粗さを、JIS B 0601で規定される方法に準拠して測定した結果、Rzで約20nmであった。なお、表面粗さは、SII社製のAFM(原子間力顕微鏡)SPI3800N DFMを用いて測定した。一回の測定範囲は80μm×80μmとし、測定箇所を変えて三回の測定を行い、それぞれの測定で得られたRzの値を平均したものを測定値とした。
《ガスバリアー層の形成》
バリアー基材上に、下記ポリシラザン化合物を含有する塗布液を塗布し、スピンコーターを用いてドライ膜厚150nmとなるよう製膜し、100℃×2分で乾燥させてポリシラザン塗膜を形成した。その後、下記方法で塗膜に真空紫外光を照射する処理を施して、バリアーフィルム1−1を得た。
〈ポリシラザン化合物含有塗布液の調製〉
無触媒のパーヒドロポリシラザンを20質量%含むジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製アクアミカ NN120−20)と、アミン触媒を固形分で5質量%含有するパーヒドロポリシラザンの20質量%ジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製アクアミカ NAX120−20)を混合して用い、アミン触媒を固形分として1質量%になるように調整した後、ジブチルエーテルで希釈して総固形分量が10質量%のジブチルエーテル溶液とした、ポリシラザン化合物含有塗布液を調製した。
〈真空紫外光照射処理〉
塗膜を乾燥した後の上記試料に対し、下記の装置、条件で真空紫外光照射処理を施して、ポリシラザン塗膜を改質した。
・改質処理装置
(株)エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MECL−M−1−200
波長:172nm
ランプ封入ガス:Xe
・改質処理条件
エキシマ光強度 :130mW/cm(172nm)
試料と光源の距離 :2mm
ステージ加熱温度 :95℃
照射装置内の酸素濃度:0.2%
エキシマ光照射時のステージ搬送速度:10mm/秒
エキシマ光照射時のステージ搬送回数:6往復
[バリアーフィルム1−2の作製]
バリアーフィルム1−1と同様のバリアー基材を用いた。
バリアー基材上に、上記したポリシラザン化合物含有塗布液を塗布し、スピンコーターを用いてドライ膜厚150nmとなるよう製膜し、100℃×2分で乾燥させてポリシラザン塗膜を形成した。
続いて、ポリシラザン塗膜に200℃×1時間の加熱処理を施した後、上記した方法で真空紫外光照射処理を施し、バリアーフィルム1−2を得た。
[バリアーフィルム1−3〜1−9の作製]
バリアーフィルム1−1と同様に、バリアー基材上にポリシラザン化合物含有塗布液を塗布してポリシラザン塗膜を形成し、そのポリシラザン塗膜に真空紫外光照射を行った後、表1に示す温度、圧力(真空度)の条件で、真空オーブンを用いた加熱処理を1時間施し、バリアーフィルム1−3〜1−9を得た。
(バリアーフィルムの評価)
以上のように作製したバリアーフィルムの試料1−1〜1−9について、バリアーフィルムとしての性能評価を行った。
バリアーフィルムの性能評価に関し、水蒸気バリアー性の評価として、各試料(1−1〜1−9)の水分透過率を計測した。
水蒸気バリアー性の評価を行うにあたって、以下の装置と材料を使用した。
〈使用装置〉
蒸着装置:日本電子(株)製真空蒸着装置JEE−400
恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M
〈評価材料〉
水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
水蒸気不透過性の金属:アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)
〈水蒸気バリアー性評価用試料の作製〉
真空蒸着装置(JEE−400)を用い、作製したバリアーフィルム(試料1−1〜1−9)のガスバリアー層表面に、マスクを通して12mm×12mmのサイズで金属カルシウムを蒸着させた。
その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面にアルミニウムを蒸着させて仮封止をした。次いで、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下に移して、アルミニウム蒸着面に封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス社製)を介して厚さ0.2mmの石英ガラスを張り合わせ、紫外線を照射して樹脂を硬化接着させて本封止することで、水蒸気バリアー性評価用試料を作製した。
そして、恒温恒湿度オーブンを用い、得られた評価用試料を40℃、90%RHの高温高湿下で保存し、特開2005−283561号公報に記載の方法に基づき、金属カルシウムの腐食量からセル内に透過した水分量を計算し、水分透過率を計測した。
なお、バリアーフィルム面以外からの水蒸気の透過がないことを確認するために、比較試料としてバリアーフィルム試料の代わりに、厚さ0.2mmの石英ガラス板を用いて金属カルシウムを蒸着した試料を、同様に40℃、90%RHの高温高湿下保存を行い、10000時間経過後でも金属カルシウム腐食が発生しないことを確認した。
本実施例では、試料1−1の水分透過率を基準にし、その基準値に対する各試料の水分透過率値の比率を求めて、表1に示した。
Figure 2013086501
表1に示した評価結果から明らかなように、真空紫外光照射処理のみ施したガスバリアー層を有するバリアーフィルム(試料1−1)に比べ、真空紫外光照射処理前に加熱処理を施したもの(試料1−2)や、真空紫外光照射処理後に低温加熱処理を施したもの(試料1−3)では、水分透過率が殆ど変化していないことがわかる。また、真空紫外光照射処理後に高温の加熱処理を施したもの(試料1−4)では、ガスバリアー層にひび割れなどの損傷が生じたためと考えられる水分透過率の大幅な上昇が見られた。
一方、本発明のように、ポリシラザン塗膜に真空紫外光照射処理を行った後、100℃以上250℃以下の加熱処理を施してガスバリアー層を形成したバリアーフィルム(試料1−5,1−6)では、水分透過率が低下し、水蒸気バリアー性が向上したことがわかる。また、真空紫外光照射処理後の加熱処理を減圧下で行ったもの(試料1−7,1−8,1−9)では、更に水分透過率が低下し、より一層水蒸気バリアー性が向上したことがわかる。
(実施例2)
実施例2では、図1(c)に示すバリアーフィルム12と同様の層構成を有するバリアーフィルムを作製し、その評価を行った。
[バリアーフィルム2−1の作製]
バリアーフィルム1−1と同様のバリアー基材を用い、バリアー基材の一方の面上に上記したバリアーフィルム1−1と同様の方法でガスバリアー層を形成した後、バリアー基材の他方の面にも同様にガスバリアー層を形成して、バリアーフィルム2−1を得た。
[バリアーフィルム2−2〜2−6の作製]
バリアーフィルム2−1と同様の方法でバリアー基材の両面にガスバリアー層を形成した後、表2に示す温度、圧力(真空度)の条件で、真空オーブンを用いた加熱処理を1時間施し、バリアーフィルム2−2〜2−6を得た。
(バリアーフィルムの評価)
以上のように作製したバリアーフィルムの試料2−1〜2−6について、バリアーフィルムとしての性能評価を行った。
バリアーフィルムの性能評価に関し、水蒸気バリアー性の評価として、前述した実施例1と同様の方法で、各試料(2−1〜2−6)の水分透過率を計測した。
本実施例では、試料2−1の水分透過率を基準にし、その基準値に対する各試料の水分透過率値の比率を求めて、表2に示した。
Figure 2013086501
表2に示した評価結果から明らかなように、基材の両面にガスバリアー層が設けられたバリアーフィルムの場合でも、真空紫外光照射処理のみ施したガスバリアー層を有するバリアーフィルム(試料2−1)に比べ、真空紫外光照射処理後に低温加熱処理を施したもの(試料2−2)では、水分透過率が殆ど変化していないことがわかる。また、真空紫外光照射処理後に高温の加熱処理を施したもの(試料2−3)では、ガスバリアー層にひび割れなどの損傷が生じたためと考えられる水分透過率の大幅な上昇が見られた。
一方、本発明のように、ポリシラザン塗膜に真空紫外光照射処理を行った後、100℃以上250℃以下の加熱処理を施してガスバリアー層を形成したバリアーフィルム(試料2−4,2−5,2−6)では、水分透過率が低下し、水蒸気バリアー性が向上したことがわかる。特に、水分透過率が低下した割合が表1に示した結果よりも大きいことから、基材の両面にガスバリアー層を形成したバリアーフィルムは、その水蒸気バリアー性能がより一層優れたものであることがわかる。
(実施例3)
実施例3では、図1(d)に示すバリアーフィルム13と同様の層構成を有するバリアーフィルムを作製し、その評価を行った。
[バリアーフィルム3−1の作製]
バリアーフィルム1−1と同様のバリアー基材を用い、バリアー基材の一方の面上に上記したバリアーフィルム1−1と同様の方法でガスバリアー層を形成した後、下記の方法で保護層を形成した。続いて、バリアー基材の他方の面にも同様にガスバリアー層と保護層を積層した後に、200℃、100Paの条件で1時間の加熱処理を施し、バリアーフィルム3−1を得た。
《保護層の形成》
ガスバリアー層上に、下記ポリシロキサン化合物を含有する塗布液を、スピンコーターを用いて、ドライ膜厚が1μmとなる条件で塗布し、120℃×2分で乾燥させてポリシロキサン塗膜を形成した。その後、下記条件でポリシロキサン塗膜に真空紫外光を照射して保護層を形成した。
〈ポリシロキサン化合物含有塗布液の調製〉
JSR株式会社製の「グラスカHPC7003」と「グラスカHPC404H」を10:1の割合で混合する。その混合液をブタノールで2倍に希釈し、更に、その混合液にブチルセロソルブを5%添加したものを塗布液とした(固形分量10%の塗布液)。
〈真空紫外線照射処理〉
上記したポリシラザン塗膜に対する真空紫外光照射処理におけるステージ搬送回数を2往復に変更した以外は同様にして、ポリシロキサン塗膜に対して真空紫外線照射処理を行った。
(バリアーフィルムの評価)
以上のように作製したバリアーフィルムの試料3−1について、バリアーフィルムとしての性能評価を行った。
このバリアーフィルムの試料3−1を10サンプル作製し、前述した実施例1と同様の方法で、試料3−1の水分透過率を計測した。その結果、試料3−1の10サンプルは、均一にCaの腐食が進行することを確認でき、各サンプルの水分透過率のばらつきは5%以内であった。
これに対し、バリアーフィルムの試料2−6を10サンプル作製して同様の計測を行ったところ、10サンプル中、2つのサンプルにおいて特定位置から急激なCaの腐食が進行した事象が確認され、また各サンプルの水分透過率のばらつきは30%以上と大きかった。
このような結果から明らかなように、ガスバリアー層が最表面に配されたバリアーフィルムよりも、ガスバリアー層を覆う保護層が設けられたバリアーフィルムの方が、水分透過率のばらつきを抑えることができ、バリアーフィルムの水蒸気バリアー性能が安定することがわかる。
(実施例4)
実施例4では、図1(d)に示すバリアーフィルム13と同様の層構成を有するバリアーフィルムを用いた有機EL素子・有機ELパネルを作製し、その発光斑に関する評価を行った。
なお、本実施例では、実施例3のバリアーフィルム3−1と、バリアーフィルム3−1の作製過程で200℃・100Pa×1時間の加熱処理を行わなかったバリアーフィルム3−2を用いて、有機EL素子・有機ELパネルを作製した。
バリアーフィルム3−1と、バリアーフィルム3−2の保護層上に、それぞれ以下の方法により透明導電膜を作製した。なお、バリアーフィルム3−1の保護層上に透明導電膜を作製した試料が試料4−1、バリアーフィルム3−2の保護層上に透明導電膜を作製した試料が試料4−2となる。
・透明導電膜の形成
プラズマ放電装置としては電極が平行平板型のものを用い、この電極間に上記各試料のバリアーフィルムを載置し、且つ混合ガスを導入して薄膜形成を行った。なお、アース(接地)電極としては、200mm×200mm×2mmのステンレス板に高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆し、その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行い、このようにして被覆した誘電体表面を研磨し、平滑にしてRmaxが5μmとなるように加工した電極を用いた。また、印加電極としては、中空の角型の純チタンパイプに対し、アース電極と同様の条件にて誘電体を被覆した電極を用いた。印加電極は複数作製し、アース電極に対向して設け放電空間を形成した。また、プラズマ発生に用いる電源としては、パール工業(株)製高周波電源CF−5000−13Mを用い、周波数13.56MHzで、5W/cmの電力を供給した。
そして、電極間に以下の組成の混合ガスを流し、プラズマ状態とし、上記のバリアーフィルムを大気圧プラズマ処理し、保護層上に錫ドープ酸化インジウム(ITO)膜を100nmの厚さで成膜し、透明導電膜付の試料4−1,4−2を得た。
放電ガス:ヘリウム 98.5体積%
反応性ガス1:酸素 0.25体積%
反応性ガス2:インジウムアセチルアセトナート 1.2体積%
反応性ガス3:ジブチル錫ジアセテート 0.05体積%
・有機EL素子の作製
得られた透明導電膜付の試料4−1,4−2の100mm×100mmを基板とし、これにパターニングを行った後、このITO透明電極を設けたバリアーフィルム基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥した。この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにα−NPD(下記の式(3))を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにホスト化合物としてCBP(下記の式(4))を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにバソキュプロイン(BCP(下記の式(5)))を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにIr−1(下記の式(6))を100mg入れ、更に別のモリブデン製抵抗加熱ボートにAlq(下記の式(7))を200mg入れ、真空蒸着装置に取付けた。
Figure 2013086501
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次いで、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明支持基板に蒸着し、正孔輸送層を設けた。
更にCBPとIr−1の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、それぞれ蒸着速度0.2nm/秒、0.012nm/秒で前記正孔輸送層上に共蒸着して発光層を設けた。なお、蒸着時の基板温度は室温であった。
更にBCPの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記発光層の上に蒸着して膜厚10nmの正孔阻止層を設けた。
その上に、更にAlqの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記正孔阻止層の上に蒸着して、更に膜厚40nmの電子輸送層を設けた。なお、蒸着時の基板温度は室温であった。
引き続き、フッ化リチウム0.5nm及びアルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、それぞれ透明導電膜付の試料4−1,4−2を用いた有機EL素子試料4−1,4−2を作製した。
・有機EL素子試料の封止
窒素ガス(不活性ガス)によりパージされた環境下で、有機EL素子試料4−1,4−2のアルミニウム蒸着面と、厚さ100μmのアルミ箔を対面させる様にして、ナガセケムテックス社製エポキシ系接着剤を用いて接着させて封止を行った。
・有機EL素子試料の評価
封止された有機EL素子試料4−1,4−2を40℃、90%RHの環境下で通電を行い、120日経過後の非発光部分のサイズを測定した。
その結果、有機EL素子試料4−2の非発光部分のサイズに対し、有機EL素子試料4−1の非発光部分のサイズは1/10以下であり、バリアーフィルム3−1を用いた有機EL素子試料4−1は、バリアーフィルム3−2を用いた有機EL素子試料4−2よりも、ダークスポット耐性及び輝度ムラ耐性に優れた発光特性を備えていることを確認することができた。
つまり、バリアーフィルムを電子機器に用いる場合であっても、バリアーフィルムのガスバリアー層に加熱処理を施すことに有用性があることがわかった。
以上のように、本発明に係るバリアーフィルムは、ポリシラザンを含有した塗布液を塗布して成膜した塗膜に真空紫外光を照射した後に、100℃以上250℃以下の加熱処理を施したことで水分透過率の低下を図ったガスバリアー層2を備えているので、高い水蒸気バリアー性能を有するバリアーフィルムとして用いることができる。
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 基材
2 ガスバリアー層
3 保護層
4 平滑層
5 ブリードアウト防止層
7 有機EL素子(電子デバイス)
10〜13 バリアーフィルム
20 有機ELパネル(電子機器)

Claims (7)

  1. 基材上にガスバリアー層を備えたバリアーフィルムであって、
    前記ガスバリアー層は、ポリシラザンを含有した塗布液を塗布して成膜した塗膜に真空紫外光を照射した後に、100℃以上250℃以下の加熱処理を施して形成された層であることを特徴とするバリアーフィルム。
  2. 前記ガスバリアー層は、1Pa以上1000Pa以下の減圧下で、前記加熱処理が施されて形成されたことを特徴とする請求項1に記載のバリアーフィルム。
  3. 前記ガスバリアー層は、前記基材の両面に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバリアーフィルム。
  4. 前記ガスバリアー層を覆う保護層を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のバリアーフィルム。
  5. 基材上にガスバリアー層が形成されたバリアーフィルムの製造方法であって、
    前記基材上に、ポリシラザンを含有した塗布液を塗布して塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜に真空紫外光を照射する処理を施し、次いで前記塗膜を100℃以上250℃以下で加熱する加熱処理を施して、前記塗膜をガスバリアー層に改質する工程と、
    を備えることを特徴とするバリアーフィルムの製造方法。
  6. 前記塗膜をガスバリアー層に改質する工程において、1Pa以上1000Pa以下の減圧下で前記加熱処理を施すことを特徴とする請求項5に記載のバリアーフィルムの製造方法。
  7. 請求項1〜4の何れか一項に記載のバリアーフィルム、または請求項5又は6に記載のバリアーフィルムの製造方法によって得られたバリアーフィルムと、前記バリアーフィルムによって封止された電子デバイスを備えることを特徴とする電子機器。
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