JP2013080810A - Euvマスク検査装置及びeuvマスク検査方法 - Google Patents

Euvマスク検査装置及びeuvマスク検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】位相欠陥と表面異物とを識別できるEUVマスク検査装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るEUVマスク検査装置は、EUV光を出射するEUV光源100aと、EUV光を伝播する第1多層膜楕円面鏡103a、第2多層膜楕円面鏡103b、落とし込みEUVミラー105を含む光学系と、EUV光の光軸と同軸に導入され、光学系で伝播される紫外光を出射するArFエキシマレーザ100dとを備える。紫外光は、EUV光の光軸上に挿入された振り込みミラー113により反射され、EUV光と同軸に導入される。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製造工程におけるリソグラフィ工程としてEUVリソグラフィ(Extremely Ultraviolet Lithography)で利用されるEUVマスクの基板あるいはブランクスの欠陥を検出するEUVマスク検査装置、EUVマスク検査方法に関する。
半導体の微細化を担うリソグラフィ技術に関しては、現在、露光波長193nmのArFエキシマレーザを露光光源としたArFリソグラフィが量産適用されている。また、露光装置の対物レンズとウエハとの間を水で満たして、解像度を高める液浸技術(ArF液浸リソグラフィと呼ばれる。)や、一つのレイヤーのパターン形成に2種のマスクを用いるダブルパターニング技術も量産に利用され始めている。さらに一層の微細化を実現するために、露光波長13.5nmのEUVLの実用化に向けて様々な技術開発が行われている。
EUVマスクの構造に関しては、図5に示したように、低熱膨張性ガラスから成る基板10上に、EUV光を反射させるための多層膜11が付けられている。多層膜11は、通常、モリブデンとシリコンを交互に数十層積み重ねた構造になっている。これによって、波長13.5nmのEUV光を垂直で約65%も反射させることができる。多層膜11上にはEUV光を吸収する吸収体13が付けられ、ブランクスが形成される。ただし、吸収体13と多層膜11の間には保護膜12(キャッピングレイヤーと呼ばれる膜)が付けられる。実際に露光に使うためにレジストにパターン形成させることで、パターン付きEUVマスクが完成する。なお、レジストが塗布された状態でもパターン形成前はブランクスと呼ばれる。
ブランクスの欠陥としては、ブランクスの多層膜11が不完全であることに起因する位相欠陥と、パーティクル等の表面異物に大別される。位相欠陥に関しては、図6に示したように、基板10上に異物14aが残っていた場合に、そこをカバーするように多層膜11が形成されることに起因する場合、基板10自体に窪み15等がある場合、あるいは多層膜11の形成中に異物14bが混入する場合等が原因として考えられている。
位相欠陥は、表面には突起も窪みも見られない場合や非常に小さい場合があり、従来の可視あるいは紫外のレーザを用いた検査装置では検出が難しくなっている。特に検出が困難な理由としては、可視あるいは紫外のレーザ光は、多層膜の内部まで侵入しないからである。
そこで、検査光としてEUV光、すなわち波長13.5nmの露光光と同じ波長の照明光が用いられている。これにより、多層膜内部にも照明光が侵入し、その反射光には位相の乱れが含まれる。この反射光によって形成される拡大投影像をCCD等で観察することで、位相欠陥を検出できる。
露光光と同じ波長で検査することは、アクティニック(Actinic)検査と呼ばれている。特にEUVマスクの基板及びブランクスの検査には、アクティニック検査が不可欠になっている。なお、EUVマスクのブランクスを対象としたアクティニックブランクス検査装置(以下、ABI(Actinic Blanks Inspection)装置と呼ぶ。)に関しては、例えば、特許文献1、2、3、あるいは非特許文献1において示されている。
なお、ブランクス表面に付着した異物はアクティニック検査でも検出できるが、従来の紫外のレーザを用いた検査装置でも検出できる。その理由としては、図7に示したように、EUV光、紫外のレーザ光のいずれが入射しても、異物14cのところは反射しないため、容易に判別できるからである。
EUV露光装置やEUV検査装置における大きな課題としては、内部で使われているEUVミラー(EUVマスクと同様に多層膜が形成されたミラーである。)が直ぐに汚れてしまうことである。これらの装置内はEUV光を伝搬させるために真空にしておく必要があるが、真空中に微量な有機系の不純物が漂っていると、EUV光によって分解して、EUVミラーの表面に付着するからである。これは通常カーボンコンタミと呼ばれている。
ABI装置では、照明光をブランクスに照射させる際に導く数枚のEUVミラーのうち最後のEUVミラー(ブランクスに対して、上側から照明光を落とし込むように照射するため、以下、落とし込みEUVミラーと呼ぶ。)が面積的に他に比べて非常に小さい。その結果、落とし込みEUVミラーの単位面積当たりの照明光のパワー(すなわちパワー密度)が非常に高くなるため、カーボンコンタミが発生しやすいと考えられている。
EUVミラーのカーボンコンタミを除去するには、EUVミラーを取り出して洗浄すれば良い。一方、EUVミラーを取り出さず、装置内に装着された状態で、EUVミラー面のカーボンコンタミを除去する手法も様々に検討されている。この手法としては、おもに水素ラジカルを用いる還元法と、オゾンを利用する酸化法とに大別される。水素ラジカルを用いる手法では、水素ラジカルがカーボンと反応するため、コンタミが分解するとされている。これに関しては、例えば、非特許文献2において説明されている。
オゾンを利用するカーボンコンタミ除去法の一つとしては、波長200nm以下の紫外光を発生できる光源を用いて、取り出される紫外光を酸素に照射する手法がある。酸素が紫外光を吸収して分解する際に、オゾンと励起酸素(1Dと表わされる。)が生成され、励起酸素がカーボンと反応することでコンタミが分解すると考えられている。紫外光として波長180nm以下の真空紫外光(以下、VUV(Vacuum Ultraviolet)光と呼ぶ。)と酸素を用いる手法は、広くUVオゾン法と呼ばれており、例えば、非特許文献3において示されている。
また、UVオゾン法における波長180nm以下の光源としては、波長172nmのVUV光を発生させるキセノンエキシマランプが広く利用されているが、より強い紫外光を容易に発生できるエキシマレーザを用いても良い。これに関しては、特許文献4、5等において提案されている。
特開2003−114200号公報 特開2006−80437号公報 特開2010−272553号公報 特開2001−300450号公報 特開2001−300453号公報
Tsuneo Terasawa, et.al., "EUVL Mask Inspection and Metrology Capability,"The 2009 Lithography Workshop, June 30, 2009. 原子状水素によるEUVマスククリーニング、半導体MIRAIプロジェクト成果報告会資料2008年 K. Hamamoto, Y. Tanaka, and T. Watanabe, "Cleaning of extreme ultraviolet lithography optics and masks using 13.5nm and 172nm radiation," Journal of Vacuum Science and Technology, B23, 2005, pp.247-251.
ABI装置では、多層膜内の位相欠陥も、ブランクス上の表面異物も検出できるが、これらを識別することは困難であった。位相欠陥は簡単には修正できないが、表面異物の大半を占めるパーティクルは、洗浄によって簡単に除去できる場合が多いため、検出した全ての欠陥から位相欠陥だけを識別する必要が生じることがある。従来のABI装置ではこの識別を行うことが極めて困難であり、ほとんど不可能であった。
本発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、本発明の目的は、位相欠陥と表面異物とを識別できるEUVマスク検査装置を提供することである。この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から明らかとなろう。
本発明の第1の態様に係るEUVマスク検査装置は、EUV光を出射するEUV光源と、前記EUV光を伝播する光学系と、前記EUV光の光軸と同軸に導入され、前記光学系で伝播される紫外光を出射する紫外光源とを備える。これにより、位相欠陥と表面異物とを識別できるEUVマスク検査装置を提供することが可能となる。
本発明の第2の態様に係るEUVマスク検査装置は、上記の装置において、前記EUV光の光軸上に挿入可能に設けられた、前記紫外光を前記EUV光の光軸と同軸に導入するミラーをさらに備える。これにより、簡単な構成で位相欠陥と表面異物とを識別することが可能となる。
本発明の第3の態様に係るEUVマスク検査装置は、上記の装置において、前記光学系は、モリブデンとシリコンとから成る前記EUV光を反射する多層膜鏡を含み、前記紫外光は、波長が150〜250nmの間であることを特徴とする。本発明はこのような場合に特に有効である。
本発明の第4の態様に係るEUVマスク検査装置は、上記の装置において、前記紫外光源は、エキシマレーザであることを特徴とする。これにより、紫外光による検査に係る時間を短縮することができる。
本発明の第5の態様に係るEUVマスク検査装置は、上記の装置において、前記光学系が配置されるチャンバと、前記チャンバ内にオゾン又は酸素を供給する供給部とをさらに備える。これにより、オゾン又は酸素を供給して、光学系に紫外光を照射することにより、In Situで光学系の洗浄を行うことが可能となる。
本発明の第6の態様に係るEUVマスク検査方法は、EUV光源から出射されるEUV光を光学系により伝播してEUVマスクに照射して第1検査を行うステップと、前記EUV光の光軸と同軸に紫外光源から出射される紫外光を導入し、前記光学系により前記紫外光を伝播して前記EUVマスクに照射して第2検査を行い、位相欠陥と表面異物とを識別するステップとを備える。これにより、位相欠陥と表面異物とを識別できるEUVマスク検査装置を提供することが可能となる。
本発明の第7の態様に係るEUVマスク検査方法は、上記の方法において、前記EUV光の光軸上にミラーを挿入し、前記紫外光を反射させることにより、前記EUV光と同軸に前記紫外光を導入することを特徴とする。これにより、簡単な構成で位相欠陥と表面異物とを識別することが可能となる。
本発明の第8の態様に係るEUVマスク検査方法は、上記の方法において、チャンバ内に配置された前記EUVマスクを取りだすステップと、前記EUVマスクを前記チャンバ内から取り出した後に、当該チャンバ内にオゾン又は酸素を供給するステップと、前記光学系に対し前記紫外光源から前記紫外光を照射し、前記光学系を洗浄するステップと、を備える。これにより、オゾン又は酸素を供給して、光学系に紫外光を照射することにより、In Situで光学系の洗浄を行い、光学系の反射率の低下を抑制することができる。
本発明によれば、EUVマスクブランクスの位相欠陥と表面異物を識別できる機能を備えるEUVマスク検査装置及びEUVマスク検査方法を提供することができる。
実施の形態1に係るEUVマスク検査装置の構成を示す模式図である。 多層膜鏡の反射率の波長特性を示すグラフである。 実施の形態2に係るEUVマスク検査装置の構成を示す模式図である。 本発明のEUVマスク検査装置におけるDUV光の導入位置を説明するための図である。 EUVマスクブランクスの構成の一例を示す断面図である。 EUVマスクブランクスの位相欠陥を示す図である。 EUVマスクブランクス上の表面異物を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明は、本発明の実施の形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。
本発明は、半導体製造工程におけるリソグラフィ工程としてEUVリソグラフィ(Extremely Ultraviolet Lithography)で利用されるEUVマスクの基板あるいはブランクスの欠陥を検出するEUVマスク検査装置に関する。本発明に係るEUVマスク検査装置は、位相欠陥と表面異物を識別できる機能を備えている。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係るEUVマスク検査装置について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係るEUVマスク検査装置100の構成を示す模式図である。図1に示すように、EUVマスク検査装置100は、EUV光源100a、第1チャンバ100b、第2チャンバ100c、ArFエキシマレーザ100dを備える。ただし、図1では電源や制御装置等は省略してある。
EUV光源100aと第1チャンバ100bとはダクト101により繋がれている。EUV光源100aから発生したEUV光1は、ダクト101内を通って第1チャンバ100b内に入る。これをEUV光2とする。第1チャンバ100b内には、EUV用フィルタ102、第1多層膜楕円面鏡103aが設けられている。EUV光2は厚さ約100nmのEUV用フィルタ102を透過し、第1多層膜楕円面鏡103aに当たる。第1多層膜楕円面鏡103aは、モリブデンとシリコンとから成るEUV用の多層膜鏡からなる。
EUV光2は、第1多層膜楕円面鏡103aで反射すると上方に絞られながら進み、ピンホール104を通過して第2チャンバ100c内に入る。これをEUV光3とする。第2チャンバ100c内には、第2多層膜楕円面鏡103b、落とし込みEUVミラー105、シュバルツシルト拡大光学系107、振り込みミラー113が設けられている。第2多層膜楕円面鏡103b、落とし込みEUVミラー105は、モリブデンとシリコンとから成るEUV用の多層膜鏡からなる。振り込みミラー113は、EUV光3の光路中に平行移動可能に設けられている。
EUV光源100aからのEUV光によりブランク106の検査を行う場合には、振り込みミラー113はEUV光3の光路上には配置されない。EUV光3は第2多層膜楕円面鏡103bに当たり、右方向に反射して、絞られながら進む。これをEUV光4とする。EUV光4は落とし込みEUVミラー105に当たり、ここで下方に反射して(これをEUV光5とする。)、ブランク106上の微小領域内に集光する。
ブランク106上にEUV光4が集光する微小領域内に適当な大きさの位相欠陥や表面異物が存在する場合、欠陥によって散乱されたEUV光は、散乱光Sのように、EUV光5とは異なる方向に進む。散乱光Sは、凹面と凸面とで構成されるシュバルツシルト拡大光学系107を経由して、CCD114面において集光する。これにより、CCD114から信号が発生し、欠陥検査が行われる。従って、ブランク106に位相欠陥や表面異物が存在すれば、これらはCCD114により検出される。
なお、第1チャンバ100bと第2チャンバ100cとはそれぞれダクト108a、108bが繋がれており、図示されていない真空ポンプによって常時排気されている。
ここで、本発明者らは、第1多層膜楕円面鏡103a、第2多層膜楕円面鏡103b、落とし込みEUVミラー105等のモリブデンとシリコンとから成るEUV用の多層膜鏡が、EUV光以外に紫外光に対しても高い反射率を有することを見出した。図2に、EUVの一般的な多層膜鏡の反射率の波長特性を示す。図2において、横軸が波長を示しており、縦軸が反射率を示している。
図2に示すように、多層膜鏡は、波長13.5nmのEUV光以外でも、波長150nmから250nmの紫外光に対しても80%程度の高い反射率を有する。従って、紫外光は多層膜鏡に入射すると反射して進み、ブランクスまで到達できる。このため、EUV光を伝播する光学系を用いて、紫外光をEUV光の光軸と同軸上に伝搬させることができる。
そこで、実施の形態1に係るEUVマスク検査装置100には、小型のArFエキシマレーザ100dが備えられている。ArFエキシマレーザ100dは、第2チャンバ100cとダクト110で繋がれている。ダクト110内には、凸レンズ111、ウインド112が設けられている。
ArFエキシマレーザ100dから取り出される波長193nmの紫外光(図1中にDUV光と示した。)は、凸レンズ111を通り、絞られながら進み、ウインド112を透過して、第2チャンバ100c内に進む。紫外光源としてエキシマレーザを用いることにより、パワー密度が高いため、検査にかかる時間を短縮することができる。
ArFエキシマレーザ100dを用いて検査を行う場合は、図1中に矢印で示したように振り込みミラー113が平行移動し、光路中に挿入される。その結果、DUV光は振り込みミラー113に当たって上方に反射する。振り込みミラー113により反射されたDUV光は、第2多層膜楕円面鏡103bで反射され、EUV光4と同様に絞られながら進み、落とし込みEUVミラー105に当たって、下方に反射され、ブランク106上で集光する。なお、DUV光が進んでいくビーム形状を図1中に点線で示したが、DUV光の光路は、前述したEUV光とほぼ同じようになる。
ブランク106上でDUV光が照射されている検査領域において、表面異物が存在する場合は、散乱光Sが発生し、前述したEUV光の散乱光Sと同様に、シュバルツシルト拡大光学系107を経由してCCD114上に集光する。これにより、CCD114から信号が発生し、この表面異物が検出される。しかしながら、DUV光はブランク106の内部まで浸透しないため、ブランク106の内部に位相欠陥が存在する場合でも散乱光は発生しない。この場合、CCD114から信号は得られず、位相欠陥は検出されない。なお、CCD114の代わりにTDI(Time Delay Integration)動作を行うカメラを用いてもよい。
このように、紫外光はEUV光に比べると、多層膜の内部には極めて浸透しにくいことから、ブランクス内部の位相欠陥を検出することなく、ブランクス表面に付着している異物のみをおもに検出することになる。従って、最初にEUV光による欠陥検出を行った後で、紫外光によるパーティクル検査を行い、両方で検出された欠陥は高い確率で表面異物であると判断でき、それ以外は位相欠陥であると判断できる。
このように、実施の形態1に係るEUVマスク検査装置100では、EUV光源100aと、ArFエキシマレーザ100dとを設け、EUV光、DUV光を同軸に伝播させることにより、簡易な構成でブランク106に存在する位相欠陥と表面異物とを識別することが可能となる。
ところで、EUVマスク検査装置100では、位相欠陥を検出するために、EUV光源100aを動作させてEUV光を導いていると、光学系にカーボンコンタミが付着していき、反射率が徐々に低下するという問題がある。特に、落とし込みEUVミラー105は、サイズが第1多層膜楕円面鏡103a、第2多層膜楕円面鏡103bと比較して小さく、EUV光のパワーが強くなるため、反射率の低下が顕著である。
そこで、EUVマスク検査装置100では、以下に説明するように落とし込みEUVミラー105を取り外さずにIn Situで洗浄することができる。ここで、落とし込みEUVミラー105の洗浄方法について説明する。なお、ブランク106の保護膜がRuからなる場合、保護膜が酸化されやすいため、クリーニング中はブランク106を第2チャンバ100c内から取り出す。
そして、ブランク106が第2チャンバ100c内に配置されていないときに、EUVマスク検査装置100cに取り付けられたガス注入管109からオゾン(O3)を数十から数百パスカルの圧力になるまで注入する。その後、ArFエキシマレーザ100dを動作させて、DUV光を落とし込みEUVミラー105に照射させる。これにより、オゾンから励起酸素が発生し、これがカーボンを分解するため、カーボンコンタミが除去される。
すなわち、本発明のEUVマスク検査装置100では、オゾンと紫外光を利用したEUVミラーのUVオゾン法と同様の洗浄方法が利用できる。これに必要な紫外光の光源として、前述した表面異物検査に用いるためのArFエキシマレーザが利用できる。このため、EUVマスク検査装置100では、洗浄のために余分な光源を搭載する必要がないことが大きな特徴である。
また、EUVマスク検査装置100、紫外光をEUV光の光軸と同軸上に伝送できるため、ブランクスを第2チャンバ100cから取り出した状態で、第2チャンバ100c内部にオゾンを注入してから紫外光を照射することで、多層膜鏡に対して洗浄効果が生じる。その結果、特にコンタミの付着が激しい落とし込みEUVミラー105を洗浄することが可能である。
落とし込みEUVミラー105のクリーニングが終わった後に、ダクト108a、ダクト108bにより、第1チャンバ100b、第2チャンバ100c内を排気して、上述のようにEUV光とDUV光とを用いて位相欠陥、表面異物の識別検査を行うことができる。これにより、多層膜鏡におけるEUV光、DUV光の反射率を向上させ、欠陥検出感度を向上させることが可能となる。
第2チャンバ100c内のオゾンの圧力は、EUV光源100a内部の圧力よりも低いことが好ましい。これにより、オゾンがEUV光源100a内に流れ込むのを防止することができる。
また、ピンホール104にシャッターを設けてもよい。クリーニング中は、シャッターを閉じることにより、オゾンが第1チャンバ100b側に流れ込まないようにすることができる。また、第2チャンバ100cにおけるオゾンの圧力を高くすることができるため、短時間で落とし込みEUVミラー105のクリーニングを完了させることが可能である。
このように、本発明によれば、EUV光源と紫外光光源とを備え、多層膜鏡により同軸にEUV光とDUV光とを伝播させることにより、EUVマスクブランクスの位相欠陥と表面異物を識別できる機能を備えるだけでなく、EUV光とDUV光とを伝播させる光学系を取り出さずに洗浄することも可能となる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係るEUVマスク検査装置200について、図3を用いて説明する。図3は、実施の形態2に係るEUVマスク検査装置200の構成を示す模式図である。図3に示すように、EUVマスク検査装置200は、実施の形態1と同様に、EUV光源200a、第1チャンバ200b、第2チャンバ200c、ArFエキシマレーザ200dを備えている。
EUV光源200aと第1チャンバ200bとはダクト201により繋がれている。EUV光源200aから発生したEUV光21は、ダクト201内を通って第1チャンバ200b内に入る。これをEUV光22とする。第1チャンバ200b内には、EUV用フィルタ202、第1多層膜楕円面鏡203aが設けられている。EUV光22は厚さ約100nmのEUV用フィルタ202を透過し、第1多層膜楕円面鏡203aに当たる。
EUV光22は、第1多層膜楕円面鏡203aで反射すると上方に絞られながら進み、ピンホール204を通過して第2チャンバ200c内に入る。これをEUV光23とする。第2チャンバ200c内には、第2多層膜楕円面鏡203b、落とし込みEUVミラー205、シュバルツシルト拡大光学系207、振り込みミラー213が設けられている。
EUV光23は第2多層膜楕円面鏡203bに当たり、右方向に反射して、絞られながら進む。これをEUV光24とする。振り込みミラー213は、EUV光24の光路中に平行移動可能である。
EUV光源200aからのEUV光によりブランク206の検査を行う場合には、振り込みミラー213はEUV光24の光路上には配置されない。EUV光24は落とし込みEUVミラー205に当たり、ここで下方に反射して(これをEUV光25とする。)、ブランク206上の微小領域内に集光する。
ブランク206上にEUV光24が集光する微小領域内に適当な大きさの位相欠陥や表面異物が存在する場合、欠陥によって散乱されたEUV光は、散乱光Sのように、EUV光25とは異なる方向に進む。散乱光Sは、シュバルツシルト拡大光学系207を経由して、CCD214面において集光する。これにより、CCD214から信号が発生し、欠陥検査が行われる。従って、ブランク206に位相欠陥や表面異物が存在すれば、これらは検出される。
なお、第1チャンバ200bと第2チャンバ200cとはそれぞれダクト208a、208bが繋がれており、図示されていない真空ポンプによって常時排気されている。
また、EUVマスク検査装置200にも小型のArFエキシマレーザ200dが備えられている。ArFエキシマレーザ200dと第2チャンバ200cとはダクト210で繋がれている。ただし、EUVマスク検査装置200におけるArFエキシマレーザ200dは、第1の実施の形態と異なり、第2チャンバ200cの上に配置されている。
ダクト210内には、凸レンズ211、ウインド212、折り返しミラー213が配置されている。ArFエキシマレーザ200dから取り出される波長193nmのDUV光は、折り返しミラー213で下方に反射され、凸レンズ211を通り絞られながら進み、ウインド212を透過して、第2チャンバ200c内に進む。
ArFエキシマレーザ200dを動作させる際は、図中に矢印で示したように上下に平行移動できる振り込みミラー214がEUV光24の光路中に挿入される。DUV光は振り込みミラー214に当たって右に反射していく。落とし込みEUVミラー205に当たって、下方に反射し、ブランク206上で集光する。
ブランク206上でDUV光が照射されている検査領域において、表面異物が存在する場合は、散乱光Sが発生し、前述したEUV光の散乱光と同様に、シュバルツシルト拡大光学系207を経由してCCD207上に集光する。これにより、CCD207から信号が発生し、この表面異物は検出される。しかしながら、DUV光はブランク206の内部まで浸透しないため、ブランク206の内部に位相欠陥が存在する場合でも散乱光は発生しない。その結果、CCD207から信号は得られず、位相欠陥は検出されない。
また、EUVマスク検査装置200においても、実施の形態1と同様に、落とし込みEUVミラー105を取り外さずにIn Situで洗浄することができる。まず、ブランク106が第2チャンバ100c内に配置されていないときに、EUVマスク検査装置100cに取り付けられたガス注入管209からオゾン(O3)を数十から数百パスカルの圧力になるまで注入する。
その後、ArFエキシマレーザ200dを動作させて、DUV光を落とし込みEUVミラー205に照射させる。これにより、オゾンから励起酸素が発生し、これがカーボンを分解するため、カーボンコンタミが除去される。
第2の実施の形態にかかるEUVマスク検査装置200の特徴としては、ArFエキシマレーザ200dから取り出されるDUV光が、多層膜楕円面鏡203bを経由せずに、落とし込みEUVミラー205を照射している。このため、落とし込みEUVミラー205に到達するまでのDUV光の反射損失を低減でき、短時間でクリーニングを完了することが可能となる。
上述したように、本発明のEUVマスク検査装置では、ArFエキシマレーザから取り出されるDUV光を、EUV光の光軸に沿って導入できるようになっている。DUV光の導入位置に関して、図4を用いて補足説明する。図4は、DUV光の導入位置を説明する図である。
振り込みミラーはEUV光源内の発光点と一番目の多層膜楕円面鏡との間、あるいは実施の形態1で示したように、一番目の多層膜楕円面鏡と二番目の多層膜楕円面鏡との間、あるいは実施の形態2で示したように、二番目の多層膜楕円面鏡と落とし込みEUVミラーとの間のいずれでも良い。DUV光の光軸が、EUV光の光軸と同軸になるように導入すれば良い。これによって、DUV光で暗視野照明による表面異物検査を行って、EUV光を用いた異物検査結果と比較することにより、異物の識別が行えるだけでなく、オゾンを供給することで落とし込みEUVミラーの洗浄も行えるようになる。
以上に説明したように、本発明のEUVマスク検査装置では、EUVマスクブランクスの位相欠陥と表面異物を識別できる機能を備えるだけでなく、落とし込みEUVミラーを取り外さずに洗浄することも可能になった。その結果、従来、落とし込みEUVミラーを洗浄するために取り外して、洗浄されたものと交換する際に掛る時間を節約できるようになり、平均的な検査処理のスループットを大幅に向上することができる。
なお、上述の実施の形態では、光学系のクリーニング中にオゾンを導入したが、酸素を導入してもよい。また、ArFエキシマレーザの代わりに波長248nmのKrFエキシマレーザ、波長157nmのF2エキシマレーザを用いることも可能である。なお、紫外光の波長が短いとオゾンの吸収が強く、また、紫外光の波長が長いと検出感度が低下してしまうことが考えられるため、ArFエキシマレーザを用いることが好ましい。
100 EUVマスク検査装置
100a EUV光源
100b 第1チャンバ
100c 第2チャンバ
100d ArFエキシマレーザ
101 ダクト
102 EUV用フィルタ
103a 第1多層膜楕円面鏡
103b 第2多層膜楕円面鏡
104 ピンホール
105 落とし込みEUVミラー
106 ブランク
107 シュバルツシルト拡大光学系
108a ダクト
108b ダクト
109 ガス注入管
110 ダクト
111 凸レンズ
112 ウインド
113 振り込みミラー
114 CCD
200 EUVマスク検査装置
200a EUV光源
200b 第1チャンバ
200c 第2チャンバ
200d ArFエキシマレーザ
201 ダクト
202 EUV用フィルタ
203a 第1多層膜楕円面鏡
203b 第2多層膜楕円面鏡
204 ピンホール
205 落とし込みEUVミラー
206 ブランク
207 シュバルツシルト拡大光学系
208a ダクト
208b ダクト
209 ガス注入管
210 ダクト
211 凸レンズ
212 ウインド
213 折り返しミラー
214 振り込みミラー
215 CCD
S 散乱光
10 基板
11 多層膜
12 保護膜
13 吸収体
14a、14b、14c 異物
15 窪み

Claims (8)

  1. EUV光を出射するEUV光源と、
    前記EUV光を伝播する光学系と、
    前記EUV光の光軸と同軸に導入され、前記光学系で伝播される紫外光を出射する紫外光源と、
    を備えるEUVマスク検査装置。
  2. 前記EUV光の光軸上に挿入可能に設けられた、前記紫外光を前記EUV光の光軸と同軸に導入するミラーをさらに備える請求項1に記載のEUVマスク検査装置。
  3. 前記光学系は、モリブデンとシリコンとから成る前記EUV光を反射する多層膜鏡を含み、
    前記紫外光は、波長が150〜250nmの間であることを特徴とする請求項1又は2に記載のEUVマスク検査装置。
  4. 前記紫外光源は、エキシマレーザであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のEUVマスク検査装置。
  5. 前記光学系が配置されるチャンバと、
    前記チャンバ内にオゾン又は酸素を供給する供給部と、
    をさらに備える請求項1〜4のいずれか1項に記載のEUVマスク検査装置。
  6. EUV光源から出射されるEUV光を光学系により伝播してEUVマスクに照射して第1検査を行うステップと、
    前記EUV光の光軸と同軸に紫外光源から出射される紫外光を導入し、前記光学系により前記紫外光を伝播して前記EUVマスクに照射して第2検査を行い、位相欠陥と表面異物とを識別するステップと、
    を備えるEUVマスク検査方法。
  7. 前記EUV光の光軸上にミラーを挿入し、前記紫外光を反射させることにより、前記EUV光と同軸に前記紫外光を導入することを特徴とする請求項6に記載のEUVマスク検査方法。
  8. チャンバ内に配置された前記EUVマスクを取りだすステップと、
    前記EUVマスクを前記チャンバ内から取り出した後に、当該チャンバ内にオゾン又は酸素を供給するステップと、
    前記光学系に対し前記紫外光源から前記紫外光を照射し、前記光学系を洗浄するステップと、
    を備える請求項6又は7に記載のEUVマスク検査方法。
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