JP2009204608A - 欠陥検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体ウェハなどのパターンが形成された試料の欠陥検査において、多種の製造工程と注目欠陥に対して、高スループットかつ高感度の欠陥検査装置を提供することにある。
【解決手段】パターンが形成された試料に光を照明し、該試料の像を反射型光学系を介して画像センサに結像し、欠陥の有無を判定する欠陥検査装置において、該反射型光学系は共役な2組のフーリエ変換光学系を有し、該反射型光学系の収差は光軸外で補正され、該試料面における非直線形状のスリット状の視野とを有する。また、光学系は反射型で、共役な2組のフーリエ変換光学系を含み、視野は非直線形状のスリット状であり、試料に応じて最適な波長帯域を選定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体デバイスの製造におけるウェハなどの、パターンが形成された試料の欠陥検査装置に係り、特に光学式欠陥検査装置における光学系に関する。
半導体デバイスの製造は、フロントエンド工程とバックエンド工程に分けられる。フロントエンド工程は、アイソレーション形成,ウェル形成,ゲート形成,ソース/ドレイン形成,層間絶縁膜形成、及び平坦化などから成る。バックエンド工程は、コンタクトプラグ形成,層間絶縁膜形成,平坦化,メタル配線形成を繰り返し、最後にパッシベーション膜形成を行う。
上記の製造工程の途中では、ウェハを抜き取り、欠陥検査が行われる。ここで欠陥とは、ウェハ表面の異物やスクラッチ、及びパターンの欠陥(ショート,オープン,ビア非開口など)である。欠陥検査の目的は、第一に製造装置の状態を管理すること、第二に不良発生工程とその原因を特定することにある。半導体デバイスの微細化に伴い、欠陥検査装置には高い検出感度が要求されている。
1枚のウェハには、例えば、同一のパターンを有する数百個の半導体デバイス(チップと呼ぶ)が作製される。そこで、欠陥検査装置では、隣接あるいは近接するチップ間で画像を比較する方法が主に用いられている。
ウェハに光を照明し、暗視野画像を比較する欠陥検査装置は、スループットが高いので、インライン検査に広く使用されている。
第一の従来技術として、紫外領域の暗視野欠陥検査装置に関して、レンズから成る屈折型光学系を使用することが知られている。この技術に関連するものとして、例えば特表2005−517906号公報(特許文献1)がある。特許文献1には、光学系の視野は直線形状のスリット状で、長辺サイズは数mmである。ウェハを短辺方向に走査することにより、高スループットの欠陥検査が可能であることが記載されている。
一方、第二の従来技術として、可視光領域から真空紫外領域にわたる広波長帯域の欠陥検査装置に関して、ミラーから成る反射型光学系を使用することが知られている。この第二の従来技術では、反射型光学系は色収差が無いので、広波長帯域で使用できる。製造工程と注目欠陥に応じて波長帯域を選定することにより、高感度の欠陥検査が可能である。この技術に関連するものとして、例えば特表2008−534963号公報(特許文献2)がある。
特表2005−517906号公報 特表2008−534963号公報
半導体デバイスの微細化に伴い、欠陥検査装置に対して、スループットを維持あるいは向上させつつ、検出感度の向上が求められている。多種の製造工程と注目欠陥について、この課題を解決するには、二つの条件を同時に満足する必要がある。第一の条件は、光学系の視野(特に長辺サイズ)を十分に大きくすることである。第二の条件は、製造工程と注目欠陥に応じて、最適な波長帯域を選定することである。
第一の従来技術は、第一の条件を満足しつつ、遠紫外領域に適用が可能である。しかし、屈折型光学系は色収差があるので、広波長帯域での使用は非常に難しいという課題がある。また、真空紫外領域ではレンズによる吸収が大きいので、屈折型光学系の使用は現状では不可能であるという課題がある。
一方、第二の従来技術は、第二の条件を満足している。しかし、スループット向上の課題がある。
本発明の一つの目的は、多種の製造工程と注目欠陥に対して、高スループットかつ高感度の欠陥検査装置を提供することにある。
本発明の一つの特徴は、パターンが形成された試料に光を照明し、該試料の像を反射型光学系を介して画像センサに結像し、欠陥の有無を判定する欠陥検査装置において、該反射型光学系は共役な2組のフーリエ変換光学系を有し、該反射型光学系の収差は光軸外で補正され、該試料面における非直線形状のスリット状の視野とを有することである。
また、本発明のその他の特徴は、該フーリエ変換光学系のフーリエ変換面に、空間フィルタを含むことである。
また、本発明のさらに他の特徴は、該試料のパターンからの回折光を該空間フィルタにより遮光することである。
また、本発明のさらに他の特徴は、該試料からの散乱光の一部を該空間フィルタにより遮光することである。
また、本発明のさらに他の特徴は、該フーリエ変換光学系のフーリエ変換面に、偏光フィルタを含むことである。
また、本発明のさらに他の特徴は、該反射型光学系の該試料面における視野が円弧形状のスリット状であることである。
また、本発明のさらに他の特徴は、該反射型光学系の光軸が該試料面の法線方向に対して傾きをなし、該試料面における視野が楕円の一部のスリット状であることである。
また、本発明のさらに他の特徴は、該反射型光学系のスリット状視野の短辺方向に、該試料を走査するステージを含むことである。
また、本発明のさらに他の特徴は、該ステージの走査誤差を計測し、該試料の画像の位置ずれを補正することである。
また、本発明は、可視光領域から真空紫外領域の範囲で、該試料に応じて所定の単一の波長帯域の光を選定し、該試料を照明することである。
また、本発明のさらに他の特徴は、可視光領域から真空紫外領域の範囲で、該試料に応じて所定の複数の波長帯域の光を選定し、該試料を照明することである。
また、本発明のさらに他の特徴は、該複数の波長帯域の光を単一の画像センサに結像することである。
また、本発明のさらに他の特徴は、該複数の波長帯域の光を複数の画像センサに結像することである。
また、本発明のさらに他の特徴は、単一の光源から所定の波長帯域の光を選定し、該試料を照明することである。
また、本発明のさらに他の特徴は、複数の光源から所定の波長帯域の光を選定し、該試料を照明することである。
また、本発明のさらに他の特徴は、該試料に極端紫外領域の光を照明することである。
また、本発明のさらに他の特徴は、該試料を照明する光に対して、該試料のパターンより下層の領域が実質的に不透明であることである。
また、本発明のさらに他の特徴は、検査領域の画像と、検査領域と隣接または近接する領域の画像とを比較して、欠陥の有無を判定することである。
また、本発明のさらに他の特徴は、検査領域の画像と、該試料のパターン形状データからシミュレーションで得た画像とを比較して、欠陥の有無を判定することである。
また、本発明のさらに他の特徴は、該画像センサが時間遅延積分型画像センサであることである。
また、本発明のさらに他の特徴は、該時間遅延積分型画像センサの出力配列と、該反射型光学系の視野内の位置とを対応付けることである。
本発明の一つの態様によれば、広波長帯域で収差補正された反射型光学系を用いて、非直線形状のスリット状視野にて十分大きな長辺サイズを確保し、多種の製造工程と欠陥に応じて、最適な波長帯域を選定することにより、高スループットかつ高感度の欠陥検査が可能となる。
また、本発明の他の態様によれば、光学素子数の低減が可能であり、光学系の簡素化の効果も得られる。
本発明の上記特徴及び上記以外の特徴は、以下の記載により、説明される。
本発明に係る欠陥検査装置の一実施形態を示す図である。 本発明実施例の反射型光学系のウェハ上の視野を示す図である。 本発明実施例のウェハの繰り返しパターンからの回折光を遮光する空間フィルタを示す図である。 本発明実施例のウェハからの散乱光の一部を遮光する空間フィルタを示す図である。 本発明実施例の反射型光学系のTDIセンサ上の視野を示す図である。 本発明に係る欠陥検査装置の一実施形態を示す図である。 本発明に係る欠陥検査装置の一実施形態を示す図である。 本発明実施例の欠陥からの散乱光の強度分布を示す図である。 本発明に係る欠陥検査装置の一実施形態を示す図である。 本発明に係る欠陥検査装置の一実施形態を示す図である。 本発明実施例のレジストパターン検査におけるウェハの断面構造を示す図である。 本発明実施例のシステマティック欠陥の判定方法を示す図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施例を説明する。
本発明の実施形態として、半導体ウェハを対象とする暗視野欠陥検査装置について説明する。
図1に、欠陥検査装置の概略構成を示す。主要な構成要素は、ウェハ1を搭載するステージ2,可視光レーザ31,紫外レーザ32,遠紫外レーザ33,アッテネータ41,42,43,照明光学系5,反射型光学系6,空間フィルタ7,画像センサ8,画像処理部9,全体制御部10、及び入出力操作部11である。
ウェハ1を欠陥検査装置に装填する時、オペレータは製造工程や注目欠陥などの情報を入出力操作部11に入力する。全体制御部10はこの情報を用いて、シミュレーションや実験などにより事前に蓄積したデータベースを参照して、後述のように最適な波長帯域を選定する。
レーザ31,32,33は安定な出力を得るために、常時発光している。アッテネータ41,42,43の調整により、選定した波長帯域の光を通過させ、照明光学系5を介して、ウェハ上の所定の領域を斜方から照明する。
反射型光学系6は、ミラー6枚から成り、光軸(ウェハの法線方向と平行)に対して回転対称に構成されている。光学設計のパラメータはミラーの形状や面間隔などであり、収差は光軸から所定の距離離れた位置で補正されている。反射型光学系6の収差を補正するためには、例えば非球面ミラーを有することが望ましい。
また、光学系は回転対称なので、収差が補正された領域は円弧形状となる。反射型光学系は原理的に色収差が無いので、可視光領域から真空紫外領域にわたる広波長帯域で、良好な結像性能が維持される。
照明光学系5により、前記の円弧形状のスリット状視野に、斜方から光を照明する。ウェハ1からの正反射光は反射型光学系の開口外に出射するので、暗視野像が得られる。視野の長辺方向のサイズは5mm以上である。屈折型光学系で同程度の視野サイズを実現するには、通常20枚以上のレンズが必要である。本実施例の反射型光学系6は、ミラー6枚と簡素な構成になっている。
前記の反射型光学系6は、共役な2組のフーリエ変換光学系で構成される。フーリエ変換面に、空間フィルタ7が配置されている。空間フィルタ7を透過した光は、画像センサ8に結像する。
画像センサ8は時間積分型(Time Delay Integration:TDIと呼ぶ)である。電荷転送方向とステージ2の走査方向は、スリット状視野の短辺方向と一致しており、電荷転送速度とステージ走査速度とを一致させて、検査画像を取得する。検査画像は、A/D変換器(図示しない)によりデジタル信号に変換され、画像処理部9に記録される。画像処理部9には、検査チップと隣接または近接し、同一パターンを有するチップで取得した参照画像が記録されている。検査画像と参照画像に対して、位置合わせなどの処理を行った後、両者の差画像を出力する。この差画像の明るさを予め設定した閾値と比較し、欠陥の有無を判定する。欠陥の判定結果は、全体制御部10に送信され、所定の検査終了後に、表示装置を有する入出力操作部11に表示される。
図2は、反射型光学系のウェハ上の視野13を模式的に示したものである。ウェハ1上に反射型光学系6が配置されている。反射型光学系の光軸12から所定の距離離れた位置に反射型光学系のウェハ上の視野13が位置し、その場所において収差が補正されている。前記のように、視野の長辺方向サイズを十分大きくして、ウェハ1を視野の短辺方向(図2中の走査方向の矢印の方向)に走査することにより、高スループットを達成している。しかしながら、ウェハを搭載するステージは、走査速度の変動,走査方向に垂直方向の位置ずれ、およびヨーイングなどの走査誤差を伴う。そこで、ステージの走査誤差をレーザ干渉計で計測し、検査画像の位置ずれを補正した後、隣接画像と比較する。
次に、空間フィルタについて説明する。空間フィルタは、例えば、2次元的に配列したセルから成り、任意形状の遮光部を設定可能になっている。ウェハのパターンからの回折光は背景雑音になるので、欠陥検出の信号対雑音比を低下させる。半導体デバイスでは繰り返しパターンが多いが、この場合、回折光はフーリエ変換面で点状または直線状になる。
そこで、図3に示すように、空間フィルタに直線状の遮光部を設定することにより、繰り返しパターンからの回折光を遮光し、信号対雑音比を向上させることができる。また、ウェハ表面の粗さやパターン側壁の粗さによる散乱光も背景雑音になり、信号対雑音比を低下させる。このような散乱光は、特定の方向に強く生じることが分かっている。
そこで、図4に示すように、空間フィルタの特定の部分に遮光部を設定することにより、不要な散乱光を遮光し、信号対雑音比を向上させることができる。
また、欠陥による散乱光と、ウェハ表面の粗さやパターン側壁の粗さなどによる散乱光とは、互いに偏光状態が異なることが多い。この場合、フーリエ変換面に偏光フィルタを配置し、欠陥の信号対雑音比を向上させることができる。
前記のように、本実施例では、工程と注目欠陥に応じて、波長帯域の選定を可能としている。以下、詳細を説明する。
酸化膜上の異物を検査する場合、酸化膜は透明なので、薄膜干渉が生じる。その結果、酸化膜の膜厚むらによって欠陥の散乱光強度と下地パターンの散乱光強度が著しく変動する。このような薄膜干渉の悪影響を軽減するには、複数の波長帯域の光を同時に照明するのが非常に有効である。そこで、全体制御部は前記データベースを参照して、遠紫外光と紫外光の組合せ、または遠紫外光と可視光の組合せ、または紫外光と可視光の組合せを選定する。さらに、それぞれの波長帯域の強度比の最適値を選定し、アッテネータの透光率を自動調整する。
一方、金属膜上の異物を検査する場合、波長が短いほど、欠陥からの散乱光強度は増加するが、金属膜表面の粗さやパターン側壁の粗さによる散乱光強度も増加する。そこで、全体制御部は、前記データベースを参照して、信号対雑音比が最大となるように、波長帯域を選定する。被検査ウェハがデータベースに含まれない場合、オペレータは手動で波長帯域を選定し、条件出しを試行することもできる。
また、上記実施例では光源として、可視光レーザと紫外レーザ及び遠紫外レーザを搭載しているが、可視光レーザと紫外レーザを搭載、または可視光レーザと遠紫外レーザを搭載、あるいは紫外レーザと遠紫外レーザを搭載しても、多種の製造工程と注目欠陥に対して、検出感度向上の効果が得られる。
次に、センサについて説明する。反射型光学系の視野が円弧形状のスリット状(2次元)であるのに対し、TDIセンサの出力配列はライン状(1次元)である。この相違は欠陥有無を判定するには問題にならないが、欠陥の位置座標を特定するには、TDIセンサの出力配列を、視野内の位置に対応付ける必要がある。
図5は、TDIセンサ上の視野を示したもので、X方向が長辺方向、Y方向が短辺方向である。符号14は反射型光学系のTDIセンサ上の視野、符号15はTDIセンサの出力配列を示す。図5中の桝目はTDIセンサの画素に対応している。TDIセンサの長辺方向をX軸とし短辺方向をY軸として座標系としている。TDIセンサ上の円弧の半径をRとすると、視野内の位置(X,Y)は(数1)式の演算により対応付けが可能である。
Y=R(1−cos(sin-1(X/R))) (数1)
また、上記実施例では画像センサはTDIセンサであるが、CCDセンサなどの2次元センサを使用してもよい。CCDセンサはTDIセンサに比べて、感度は低いが、低コストである。また、CCDセンサの画素と反射型光学系の視野内の位置は1対1に対応しているので、上記の対応付けの演算は不要である。
次に、図6を用いて、ウェハに複数の注目欠陥種が存在する場合に好適な、本発明の実施形態を説明する。図1と同じ符号は同一物又は相当物を示す。ここでは、反射光学系6の出射側に回折光学素子16を配置し、波長帯域別に光を分離している。回折光学素子としては、回折格子やプリズムなどを使用できる。分離された光は、波長帯域別に画像センサ81,画像センサ82に結像する。それぞれの注目欠陥種ごとに、最適な波長帯域を選定できるので、信号対雑音比の高い画像が得られる。
次に、図7を用いて、本発明の別の実施形態を説明する。図1と同じ符号は同一物又は相当物を示す。ここでは可視光領域から遠紫外領域にわたる広波長帯域で発光するランプ17を光源として使用し、波長フィルタ18により所定の波長帯域の光を通過させる。ランプはレーザに比べて、波長帯域当りの出力は小さいが、連続スペクトル光を発光するので、波長帯域をより精細に選定することができる。全体制御部10からの指令に基づき波長フィルタ18において波長帯域をより精細に選定することができる。本実施形態は、薄膜干渉の悪影響を軽減するのに非常に有効である。また、複数のレーザを搭載するよりも、装置構成が簡素になる。
酸化膜上の欠陥からの散乱光の強度分布は、酸化膜厚によって大きく異なる。図8は、散乱光の強度分布を、ウェハ法線に垂直な観察面上で濃淡表示したものである。(a)のようにウェハ面の法線方向に強く散乱する場合と、(b)のように斜方に強く散乱する場合がある。
図9を用いて、欠陥による散乱光が斜方に強く生じる場合に好適な、本発明の実施形態を説明する。図1と同じ符号は同一物又は相当物を示す。ここでは反射型光学系6の光軸をウェハ面の法線方向に対して傾けることにより、斜方散乱光を捕捉している。反射型光学系6の収差は光軸に垂直な面内の円弧状領域で補正されているので、本実施例ではウェハ上の収差補正領域は楕円状となる。このため、照明光学系5により、楕円の一部のスリット状視野に光を照明している。反射型光学系6の収差補正するためには、例えば非球面ミラーを用いることが望ましい。
次に、図10を用いて、本発明の別の実施形態として、真空紫外光を使用する欠陥検査装置を説明する。図1と同じ符号は同一物又は相当物を示す。真空ポンプ21により真空状態を実現する真空チャンバ20の中に、ウェハ1を搭載するステージ2,照明光学系5,反射型光学系6,画像センサ8を有する。
真空紫外光源19として真空紫外レーザが用いられる。例えば波長126nmのArレーザを使用する。空気による光の吸収を避けるため、光路は真空チャンバ19の内部に配置する。また、波長157nmのF2レーザを使用してもよい。波長157nmでは、真空の必要はなく、酸素による光の吸収を避けるため、窒素雰囲気でよい。真空紫外領域のミラーのコート材料としては、AlやAuなどの金属膜を使用する。直入射(0度近い入射角)でも、反射率は高いので、センサに結像する光のパワーは十分に得られる。
上記実施例によるリソグラフィ工程のレジストパターン欠陥検査について、説明する。リソグラフィ工程ではパターンの微細化が進むにつれ、プロセスマージンが小さい特定箇所(ホットスポットと呼ぶ)に発生するシステマティック欠陥が重大な問題になっている。ホットスポット欠陥は、狭い間隙のショートやパターン寸法の微小な変化などであり、波長266nmの遠紫外光を用いた従来の欠陥検査装置では検出が困難になってきた。光学系の解像度は波長に逆比例するので、真空紫外光を用いることにより、欠陥検出感度が向上する。真空紫外光ではさらに、次に説明する効果も得られる。
図11は、レジストパターン欠陥検査におけるウェハ断面構造を示す。図11には、下地となる下地層,下地層上に形成されるハードマスク,ハードマスク上に形成される反射防止膜,反射防止膜に形成されるレジストのパターンを有する構造が示される。通常の下地は表面の粗さが大きく、その散乱光が背景雑音となって欠陥検出を阻害している。真空紫外光は遠紫外光に比べて、反射防止膜やハードマスクで吸収され易いので、下地からの散乱光が大幅に減少する。以上により、試料を検査する欠陥検査装置において、該試料を照明する光に対して、該試料のパターンより下層の領域は実質的に不透明であることとなり、その結果、信号対雑音比が向上し、欠陥検出が容易になる。
ところで、一般にシステマティック欠陥は複数チップの同一位置で発生するので、チップ比較による欠陥判定は困難である。
そこで、図12を用いて、チップ比較によらない欠陥判定方法を説明する。通常、ホットスポットのレジストパターン形状は、パターン設計において、リソグラフィシミュレーションにより得られている。そこで、このレジストパターン形状のデータと、レジスト材料などの材料屈折率のデータ、および照明光の波長,入射角,反射型光学系の開口数などの光学条件である画像取得条件のデータを用いて、欠陥が無いパターンの画像をシミュレーションにより求めておく。このシミュレーション画像を参照画像として、検査画像と比較することにより、システマティック欠陥の有無を判定することができる。上記の欠陥判定方法は、反射型光学系に限定されず、光学式欠陥検査装置全般に適用可能である。
また、ウェハ上のレジストパターンを検査することにより、リソグラフィ用マスクの欠陥を検出することも可能である。特に極端紫外光リソグラフィでは、マスクを保護するペリクルを使用できないので、マスクへの異物付着をモニタするのに有効である。
次に、本発明の別の実施形態として、真空紫外光よりも短波長の極端紫外光を使用する欠陥検査装置について説明する。極端紫外光源としては、例えばレーザ励起プラズマ光源やガス放電プラズマ光源を使用できる。空気による光の吸収を避けるため、光路は真空チャンバに配置される。一般に、極端紫外領域では、金属膜ミラーの直入射反射率は非常に小さい。しかし、波長13nmでは、MoとSiを交互に数十層積層した多層膜ミラーにより、高い反射率が得られる。また、ウェハに対しては照明光の入射角を大きくすることにより、欠陥からの散乱光量を増加させることができる。
極端紫外領域の光学系の解像度は真空紫外領域より1桁高いので、非常に微細な欠陥を検出することが可能である。
以上の実施形態では、半導体ウェハの暗視野欠陥検査装置について説明したが、本発明は暗視野欠陥検査装置に限定されるものではなく、明視野欠陥検査装置にも適用可能である。
また、本発明の反射型光学系は、ミラーの他に、ビームスプリッタなどの光学素子を含んでもよい。
また、本発明の欠陥検査装置は、半導体リソグラフィ用マスクや、液晶デバイスなどの、パターンが形成された試料の検査にも適用可能である。
以上述べたように、例えば、光学系は反射型で、共役な2組のフーリエ変換光学系を含み、視野は非直線形状のスリット状であり、試料に応じて最適な波長帯域を選定することにより、半導体ウェハなどのパターンが形成された試料の欠陥検査において、高スループットかつ高感度の欠陥検査装置を提供することができる。
1 ウェハ
2 ステージ
31 可視光レーザ
32 紫外レーザ
33 遠紫外レーザ
41,42,43 アッテネータ
5 照明光学系
6 反射型光学系
7 空間フィルタ
8,81,82 画像センサ
9,91,92 画像処理部
10 全体制御部
11 入出力操作部
12 反射型光学系の光軸
13 反射型光学系のウェハ上の視野
14 反射型光学系のTDIセンサ上の視野
15 TDIセンサの出力配列
16 回折光学素子
17 ランプ
18 波長フィルタ
19 真空紫外光源
20 真空チャンバ
21 真空ポンプ

Claims (23)

  1. パターンが形成された試料に光を照明し、該試料の像を反射型光学系を介して画像センサに結像し、欠陥の有無を判定する欠陥検査装置であって、
    該反射型光学系は共役な2組のフーリエ変換光学系を含み、該反射型光学系の収差は光軸外で補正され、該試料面における視野は非直線形状のスリット状であることを特徴とする欠陥検査装置。
  2. 請求項1記載の欠陥検査装置において、
    該フーリエ変換光学系のフーリエ変換面に、空間フィルタを含むことを特徴とする欠陥検査装置。
  3. 請求項2記載の欠陥検査装置において、
    該試料のパターンからの回折光を該空間フィルタにより遮光することを特徴とする欠陥検査装置。
  4. 請求項2記載の欠陥検査装置において、
    該試料からの散乱光の一部を該空間フィルタにより遮光することを特徴とする欠陥検査装置。
  5. 請求項1記載の欠陥検査装置において、
    該フーリエ変換光学系のフーリエ変換面に、偏光フィルタを含むことを特徴とする欠陥検査装置。
  6. 請求項1記載の欠陥検査装置において、
    該試料面における視野は円弧形状のスリット状であることを特徴とする欠陥検査装置。
  7. 請求項1記載の欠陥検査装置において、
    該反射型光学系の光軸は該試料面の法線方向に対して傾きをなし、該試料面における視野は楕円の一部のスリット状であることを特徴とする欠陥検査装置。
  8. 請求項1記載の欠陥検査装置において、
    該試料面におけるスリット状視野の短辺方向に、該試料を走査するステージを含むことを特徴とする欠陥検査装置。
  9. 請求項8記載の欠陥検査装置において、
    該ステージの走査誤差を計測し、該試料の画像の位置ずれを補正することを特徴とする欠陥検査装置。
  10. 請求項1記載の欠陥検査装置において、
    可視光領域から真空紫外領域の範囲で、該試料に応じて所定の単一の波長帯域の光を選定し、該試料を照明することを特徴とする欠陥検査装置。
  11. 請求項1記載の欠陥検査装置において、
    可視光領域から真空紫外領域の範囲で、該試料に応じて所定の複数の波長帯域の光を選定し、該試料を照明することを特徴とする欠陥検査装置。
  12. 請求項11記載の欠陥検査装置において、
    該複数の波長帯域の光を単一の画像センサに結像することを特徴とする欠陥検査装置。
  13. 請求項11記載の欠陥検査装置において、
    該複数の波長帯域の光を複数の画像センサに結像することを特徴とする欠陥検査装置。
  14. 請求項10から請求項13のいずれか記載の欠陥検査装置において、
    単一の光源から所定の波長帯域の光を選定し、該試料を照明することを特徴とする欠陥検査装置。
  15. 請求項10から請求項13のいずれか記載の欠陥検査装置において、
    複数の光源から所定の波長帯域の光を選定し、該試料を照明することを特徴とする欠陥検査装置。
  16. 請求項1の欠陥検査装置において、
    該試料に極端紫外領域の光を照明することを特徴とする欠陥検査装置。
  17. 請求項1記載の欠陥検査装置において、
    該試料を照明する光に対して、該試料のパターンより下層の領域は実質的に不透明であることを特徴とする欠陥検査装置。
  18. 請求項1記載の欠陥検査装置において、
    検査領域の画像と、検査領域と隣接または近接する領域の画像とを比較して、欠陥の有無を判定することを特徴とする欠陥検査装置。
  19. パターンが形成された試料に光を照明し、該試料の像を光学系を介して画像センサに結像し、欠陥の有無を判定する欠陥検査装置において、
    検査領域の画像と、該試料のパターン形状データからシミュレーションで得た画像とを比較して、欠陥の有無を判定することを特徴とする欠陥検査装置。
  20. 請求項1記載の欠陥検査装置において、
    検査領域の画像と、該試料のパターン形状データからシミュレーションで得た画像とを比較して、欠陥の有無を判定することを特徴とする欠陥検査装置。
  21. 請求項1記載の欠陥検査装置において、
    該画像センサは時間遅延積分型画像センサであることを特徴とする欠陥検査装置。
  22. 請求項21記載の欠陥検査装置において、
    該時間遅延積分型画像センサの出力配列と、該反射型光学系の視野内の位置とを対応付けることを特徴とする欠陥検査装置。
  23. 請求項1記載の欠陥検査装置において、
    該反射型光学系の収差を光軸外で補正する非球面ミラーを有することを特徴とする欠陥検査装置。
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