JP2011086885A - 極端紫外光利用装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 極端紫外光利用装置に関し、反射光学部材に劣化を生ずることなく、炭素汚染をその場クリーニングで効率的に除去する。
【解決手段】 処理室と、前記処理室の内部に配置され、100nm以下の波長を発生する極端紫外光源と、前記処理室に収容され、前記極端紫外光を反射する反射光学部材と、処理室内において不飽和炭化水素とオゾンとを反応させて発生した活性種によって反射光学部材の炭素汚染をクリーニングするクリーニング機構とを備える。
【選択図】 図4

Description

本発明は極端紫外光利用装置に関するものであり、例えば、EUV光の照射に伴う炭素汚染を除去するためのクリーニング機構を備えた極端紫外光利用装置に関する。
半導体製造工程において現在主流の真空紫外光源によるリソグラフィーは、年々進行する加工寸法の縮小に伴い限界を迎え、より波長の短い極端紫外(EUV)光源を用いたリソグラフィー技術の開発が行なわれている。EUV光は大気中を透過しないため、EUVリソグラフィーは真空中で行なわれる。
また、同様にEUV光を透過させるガラス材が存在しないため、光学系は全て反射型で構成される。EUVリソグラフィーにおいてはマスクもまた反射型であり、ミラーの表面にEUV光を吸収する材料でパターンを描いたようなものとなっている。これらの反射型光学素子は屈折率の異なる物質の積層多層膜、例えば、Si/Mo多層膜で構成される。
EUVリソグラフィーの露光装置は、放射光光源あるいはスズやキセノン等を媒体とした放電プラズマもしくはレーザ生成プラズマ等を光源として用い、光源からのEUV光を照明光学系を用いてマスクに照射し、その反射光を投影光学系によりレジストを塗布したウェーハ上に結像させる構成となっている。
EUVリソグラフィーに用いられる露光装置では、真空中の炭化水素等の残留ガスが光学素子の表面に吸着し、その炭化水素等の分子がEUV光で光化学分解を起こして、光学素子表面に炭素系薄膜として堆積する。或いは、EUV光により発生した光電子もしくはその2次電子により分解反応を起こして、光学素子表面に炭素系薄膜として堆積する。これが本考案で言う炭素汚染である。
この炭素汚染はEUV光を吸収し光学素子の反射率低下ひいてはリソグラフィープロセスのスループット低下を引き起こす。この炭素汚染は露光装置に限らず、程度の差はあれ、EUV検査装置やEUV顕微鏡、光源として用いられる放射光のビームライン、その他EUV光学系を利用するあらゆる装置においてスループットの低下や信号/雑音比の低下などの問題を引き起こす虞がある。したがってある程度堆積した炭素汚染は除去しなければならない。
ここで、図9を参照して、従来のEUV露光装置を説明する。図9は従来のEUV露光装置の概念的構成図であり、ここでは、一般的なEUV露光装置のマスクおよび投影光学系部分の模式図を示す。EUV露光装置は、筐体11、EUVマスク13を走査するマスク走査機構12、投影ミラー14〜19、ウェーハ21を走査するウェーハ走査機構20を備えている。また、迷光を遮蔽する迷光遮蔽板22〜25が設けられている。
また、筐体11の内部を10−6Pa程度の超高真空にするためのドライポンプ系26が設けられている。このドライポンプ系26は、ターボ分子ポンプ27〜27とドライポンプ28〜28を連結したもので、仕切弁29〜29を介して筐体11と結合している。
これらの各ポンプの位置や個数などはそれぞれの露光機により異なるが、一般にEUVマスク13およびマスク走査機構12、投影ミラー14〜19部分、ウェーハ21およびウェーハ走査機構20部分など、各部分相互の影響を防ぐため、適宜仕切が設けられて実質的に別室となっており、それぞれを排気する構造とすることが多い。図9は、現在主流である6枚光学系露光機の説明であるが、次世代の8枚系などでも本質的な部分は同じである。
EUV光源から照明光学系(図示は省略)によって整形されて所定の方向から入射したEUV光30は迷光遮蔽板22に設けたスリットを介してEUVマスク13に入射する。EUVマスク13に形成されたパターンに応じて反射されたEUV光30は投影ミラー14〜投影ミラー19を多重反射したのち、ウェーハ21上に縮小投影される。
EUVマスク13はマスク走査機構12により走査されてEUV光30が順次全面に当たるようになっている。EUVマスク13の移動に同期してウェーハ21もウェーハ走査機構20により走査され、EUVマスク13のパターン全体がウェーハ21に縮小転写される仕組みとなっている。
以上のようにEUV露光装置は多数の排気装置を装備し可能な限り真空度を高める努力がされているが、微量の炭化水素ガスは排気しきれず、それが投影ミラー14〜19の表面に吸着し、EUV光で分解して炭素汚染として堆積する。
次に、図10を参照して従来の位相欠陥検査装置を説明する。図10は、従来の位相欠陥検査装置の概念的構成図であり、EUV光源40、EUV光源40とスペクトル純化フィルタ41を介して結合された照明光学系チャンバー42、照明光学系チャンバー42と結合管43を介して結合された検査チャンバー44を備える。
照明光学系チャンバー42には楕円ミラー45が格納されている。また、検査チャンバー44には、被検査マスク47を保持・走査するマスク走査ステージ46が収容されるとともに、複数枚のEUVミラーで構成されるシュヴァルツシルト型拡大ミラー48、及び、折り返しミラー49が収容されている。また、検査チャンバー44には、被検査マスク47からの反射光をシュヴァルツシルト型拡大ミラー48を介して受光するCCDカメラ50が装備されている。
また、EUV光源40、照明光学系チャンバー42及び検査チャンバー44のそれぞれに個別にターボ分子ポンプ51〜51とドライポンプ52〜52を連結した真空排気系が接続され10−6Pa程度の超高真空に引く。
EUV光源40のプラズマ発光点53から発したEUV光54は、まず多数の波長を含むプラズマ発光から不要なスペクトルをカットするためのスペクトル純化フィルタ41を通って照明光学系の楕円ミラー45に入射する。入射したEUV光は楕円ミラー45で集光されつつ検査チャンバー44に導入され、折り返しミラー49で折り返されて被検査マスク47上に直入射される。
被検査マスク47に位相欠陥が無い場合は、反射光は入射光と同じ光路を通り光源方面へと戻っていくが、位相欠陥がある場合、EUV光54は散乱されて被検査マスク47の上部に位置するシュヴァルツシルト型拡大ミラー48へと進む。シュヴァルツシルト型拡大ミラー48の結像点にはCCDカメラ50が取り付けられ、位相欠陥を輝点として検出する。
この位相欠陥検査装置においても、EUV反射光学系に炭素汚染が堆積し、被検査マスク47に欠陥があった場合にCCDカメラ50に入射する光強度が低下して検出感度が落ちてしまうという問題がある。
そこで、多くのEUV反射光学系を利用する装置では光学系の調整に高い精度が必要であり、再組立て後の調整の手間と時間を考慮すると、分解―クリーニング―再組立てという方法は現実的でなく、必然的にその場クリーニングが要求される。
一方、炭素汚染の性質をみると、反射光学部材表面に堆積した直後は有機高分子的だったものが、EUV光照射量が増えるとともに薄膜内部での化学反応が進行し、水素が脱離すると共に炭素―炭素間結合が発達する。つまり、化学変化を起こして最終的にはアモルファスカーボン様薄膜となる。
このようなアモルファスカーボン様薄膜は、原料である炭化水素ガスや堆積した直後の有機高分子的な薄膜とは化学的に全く異なった無機的物質である。例えば、炭素系無機材料のひとつであるアモルファスカーボンあるいはガラス状炭素は、高分子樹脂を高温で焼成して作製したものである。これらは、化学的に安定で耐食性や耐薬品性、耐熱性がきわめて高いことで知られ、プラズマエッチャーや電解装置の電極、坩堝などに利用されている。
EUV光(光子エネルギーが100eV,温度換算で10K程度) に照射され続けた炭素汚染膜もそれに近い状態となっていると考えられ、アモルファスカーボン同様に化学的反応性にきわめて乏しい。
この炭素汚染のクリーニング方法を検討すると、高エネルギー粒子による物理的なエッチングは、表面荒れによる反射率低下を引き起こす可能性があるため実質上適用不可能である。また、EUV反射光学部材を構成する多層膜は熱的に不安定であるため、クリーニングにおいては極力温度上昇を避けなければならない。
さらに、EUV利用装置の反射光学系は高精度に組み立てられ、わずかな温度上昇でも光学系のゆがみを引き起こすため、光学系が組み立てられた状態でのクリーニングの際の温度要求は非常に厳しいものになる。
炭素汚染による悪影響を解消するため、これまでにも様々なEUV光学系あるいは反射光学部材の炭素汚染クリーニング手法が提案されている。例えば、オゾン等の酸化性の反応性ガスの導入によるクリーニングが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、酸素や水素、窒素などのラジカルによるクリーニングも提案されおり、ラジカルの発生方法としては通常のプラズマによる方法のほか、熱触媒体を用いて分子を解離して用いる方法が示されている(例えば、特許文献2乃至特許文献5参照)。
また、酸素プラズマによるマスククリーニング(例えば、特許文献6参照)や、グロー放電酸素プラズマによるミラークリーニングも提案されている(例えば、特許文献7参照)。或いは、荷電粒子による物理スパッタおよび化学スパッタも提案されている(例えば、特許文献8参照)。
また、ガスとともに光を使う方法は特に多く、分子酸素、水、窒素酸化物、オゾン等とともに紫外光や露光にも使われるEUV光を照射して光洗浄を行なう方法が提案されている(例えば、特許文献9乃至特許文献16参照)。
このガスとともに光を使う方法は、大きく分けて2つの方法がある。第1は露光に用いるEUV光を照射中にクリーニングガスを供給することによりクリーニングする方法である。第2の方法は、所謂UVオゾン法に代表されるクリーニングガスを供給すると同時にクリーニング用の光を照射する方法である。なお、UVオゾン法は、酸素ガス含有雰囲気下で紫外光を照射することにより、酸素ガスの光解離により生成される酸素ラジカルやオゾンと照射される紫外光とによる表面光化学反応でクリーニングする方法である。
特開2004−186614号公報 特開2004−200686号公報 特開2006−135307号公報 特開2007−180549号公報 特開2007−096297号公報 特開2002−015970号公報 特開2006−194690号公報 特開2004−207740号公報 特開2003−234287号公報 特開2002−261001号公報 特開2003−188096号公報 特開2005−244015号公報 特開2003−234287号公報 特開2003−243292号公報 特開2005−332972号公報 特開2004−014960号公報
K.Hamamoto,et al.,"Cleaning of extreme ultraviolet lithography optics and masks using 13.5nm and 172nm",Journal of Vacuum Science and Technologies,Vol.B23,p.247,2005 松成等,「Extreme Ultraviolet露光機多層膜ミラーの耐酸化性評価」,九州大学超高圧電子顕微鏡室・九州シンクロトロン光研究センター合同シンポジウム報告書,p.100
前述のように、炭素汚染は反応性にきわめて乏しく、除去が困難であるという特徴を持っている。そのため、これまで試みられている汚染除去方法では除去速度が遅いか、或いは、反射光学部材に損傷が生じるという問題があった。
例えば、上述のオゾンによる方法は反応に100℃程度以上、典型的には百数十℃以上の温度を必要とし、室温では実質的に反応が進行しないという問題がある。前述のごとくEUV光学系は熱に弱く、耐熱限界温度は100℃程度であるので、単純なオゾンによる方法でのクリーニングは現実にはほとんど不可能である。
また、各種ラジカルによる方法は、いかに大量のラジカルを発生させ、いかに炭素汚染に供給するかが問題となる。例えば、プラズマによりラジカルを発生させる方法は、ラジカル発生量がさほど多くないという問題がある。また、プラズマ発生部分が大掛かりになり、また高エネルギー粒子が損傷を与える可能性があることにより反射光学部材近傍には設置が難しいという問題がある。また、熱触媒体による方法は、熱触媒体からの熱輻射により反射光学部材が損傷を受ける場合があり、やはり反射光学部材近傍には設置しづらい。
以上の問題を解決するため、反射光学部材から離れた場所でラジカルを発生させて輸送する方法がある。しかし、ラジカルをある程度の距離輸送しようとすると、ラジカルは失活してしまう。例えば、水素ラジカルはきわめて活性が高く熱触媒体で発生させた水素ラジカルにより反応性に乏しい炭素膜でも典型的には1nm/分程度の速度でクリーニングすることが可能である。
しかし、水素ラジカルの場合、数10cmの輸送でラジカル密度が1桁から2桁も減少することが知られており、輸送した場合、クリーニング速度は0.01nm/分〜0.1nm/分程度以下になる。
また、プラズマによる方法や荷電粒子によるスパッタは、高エネルギー粒子による反射光学部材の損傷のため、やはり適用は困難である。
また、ガスと光とを用いる方法の内の第1のEUV光による方法は、ガスを導入するだけという簡便な方法でクリーニングできるものの、クリーニング速度が極めて遅いという問題がある。クリーニング速度は照射光強度が強いほど速くなるが、量産用露光装置を想定した高光強度照射でも、クリーニングガスとして水蒸気や酸素ガスを用いた場合、典型的には0.001nm/分以下でしかクリーニングできない。
また、第2のクリーニング用の光を用いる方法では、十分な量のクリーニングガスを供給しつつ、いかに各反射光学部材の炭素汚染部に強い光を照射するかが問題となる。例えば、上述の特許文献12においては露光装置のマスクを一時待避させ、マスクのあった位置から露光時の開口指数に相当する広がりで照射することで、投影光学系のミラー全てにクリーニング光を照射する方法を開示している。
しかしながら、クリーニングに有効な波長の光はクリーニングガスに吸収されやすいという性質を持つため伝播する過程で減衰してしまい、ミラーを十分な強度で照射することができない。一方、吸収が少なくなるようにガスの圧力を十分に小さくすると、今度はクリーニングに必要な量の活性種を発生させることができない。
この問題を解決するため、典型的な単独使用の(その場クリーニングでない)UVオゾンクリーニングではクリーニング光源を汚染から数mm程度の至近距離に位置させ、場合によっては減圧下でさらに光吸収を減らしてクリーニングする(例えば、非特許文献1参照)。ここでは、光源と汚染との距離を約1mmとして波長172nmの紫外光と酸素による炭素汚染の除去試験が報告されている。
試験結果としては、大気下で0.53nm/分で、減圧酸素雰囲気下でも2nm/分であり、現時点で知られているUVオゾン法による炭素汚染クリーニングで最高水準のクリーニング速度である。しかし、このクリーニング機構を実際の露光装置等に組み込む場合、数mmのような極限のクリーニング光源配置をとることはほぼ不可能である。したがって、仮に、露光装置の各反射光学部材ごとにクリーニング用光源を取り付けたとしても、実際のクリーニング速度は2nm/分より何桁も落ちてしまう。
したがって、本発明は、極端紫外光利用装置に備えられた反射光学部材に劣化を生ずることなく、炭素汚染をその場クリーニングで効率的に除去することを目的とする。
開示する一観点からは、処理室と、前記処理室の内部に配置され、100nm以下の波長を発生する極端紫外光源と、前記処理室に収容され、前記極端紫外光を反射する反射光学部材と、前記処理室内において前記不飽和炭化水素とオゾンとを反応させて発生した活性種によって前記反射光学部材の炭素汚染をクリーニングするクリーニング機構とを備えた極端紫外光利用装置が提供される。
開示の極端紫外光利用装置によれば、オゾンと不飽和炭化水素との反応により発生する活性種を用いたクリーニング機構を装置に備えているので、反射光学部材に劣化を生ずることなく、炭素汚染をその場クリーニングで効率的に除去することができる。
活性種のクリーニング能力を評価するために用いた炭素汚染除去処理装置の概念的断面図である。 炭素汚染除去速度の説明図である。 本発明の実施の形態の極端紫外光使用装置に用いられる反射光学部材の概念的断面図である。 本発明の実施例1のクリーニング機構内蔵EUV露光装置の概念的構成図である。 本発明の実施例2のクリーニング機構内蔵EUV露光装置の概念的構成図である。 本発明の実施例3のクリーニング機構内蔵EUV露光装置に用いる複合ノズルの概念的断面図である。 本発明の実施例4のクリーニング機構内蔵位相欠陥検査装置の概念的断面図である。 本発明の実施例5のミラークリーニング機構の概念的断面図である。 従来のEUV露光装置の概念的構成図である。 従来の位相欠陥検査装置の概念的構成図である。
ここで、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態を説明する。本発明は、オゾンガスと不飽和炭化水素ガスとの反応で発生する活性種を用いて炭素汚染を酸化除去するクリーニング機構を極端紫外光利用装置自体に具備したものである。
即ち、本発明者は鋭意研究の結果、不飽和炭化水素とオゾンガスとを反応させて発生させた活性種を利用することによって、室温で70nm/分〜80nm/分で高速にアモルファスカーボン膜を除去することができることを見出した。また、EUV反射光学部材の耐熱限界温度に近い基板温度100℃では150nm/分〜200nm/分と極めて高速にアモルファスカーボン薄膜を除去することができることを確認した。
図1は、活性種のクリーニング能力を評価するために用いた炭素汚染除去処理装置の概念的断面図である。図に示すように、被処理反射光学部材3を載置する試料台2を収容する処理容器1、処理容器1にオゾン発生器5からオゾンガスを導入するノズル4、処理容器1に不飽和炭化水素源7から不飽和炭化水素ガスを供給するガス導入管6を備える。また、処理容器1には、除害装置8を介して排気装置9が接続されている。
処理容器1、試料台2及びノズル4はステンレス製であり、試料台2はヒーターが組み込まれ昇温できるようになっている。また、試料台2には水平方向、即ち、X−Y方向への移動機構が備えられている。なお、ノズル4の噴出孔の直径は、1/4インチ(=6.35mm)である。
処理容器1は排気装置9により真空に排気される。処理容器1には不飽和炭化水素源7からの不飽和炭化水素ガスが満たされた状態で、オゾン発生器5からノズル4を介して被処理反射光学部材3上の炭素汚染膜10上にオゾンガスが供給される。ノズル4から噴出したオゾンガスは充満している不飽和炭化水素ガスと反応して活性種を発生させ、この活性種が炭素汚染膜10に作用して除去する。
この場合の典型的な処理条件は、不飽和炭化水素ガスとしてエチレンガスを用いた場合には、エチレンガス及びオゾンをそれぞれ100sccmで供給して流量比を1:1とし、ガス圧を数100Paして処理する。また、オゾン発生器5としては、95%以上の高純度のオゾンガスの供給が可能な、例えば、明電ピュアオゾンジェネレータ(明電舎製商品名)を用いる。但し、95%以上の高純度オゾンガスに限られるものではなく、例えば、10%以下程度の濃度の通常のオゾンガスを用いても効率は落ちるものの、同様の効果が得られる。
余剰のエチレンガスならびにオゾンガス、及び、反応により発生したケトン、アルデヒド、アルコール等は除害装置8により燃焼除害され、最終的に炭酸ガスと水等となって排気装置9で排気される。
図2は、炭素汚染除去速度の説明図であり、ここでは、シリコン基板上に堆積した模擬炭素汚染の除去例を示す。模擬汚染はフェナントレンガスと電子線による電子線誘起化学蒸着法により作製した炭素膜を使用し、原子間力顕微鏡(AFM)で測定した模擬炭素汚染表面の断面形状を示した。
図2から明らかなように、初期膜厚が20nm〜230nmの模擬汚染を室温で1分間処理したところ、初期膜厚80nm以下の模擬汚染は全て除去された。また、初期膜厚が230nmの模擬汚染は膜厚が160nmまで減少した。したがって、本発明の実施例1においては、室温で1分間に70nm〜80nmの炭素汚染を除去することができた。なお、基板温度を100℃とした場合には、除去速度を150nm/分〜200nm/分と加速することができた。
また、使用する不飽和炭化水素としては、エチレンガスに限られものではなく、炭素原子同士の二重結合或いは三重結合を有するものであれば良く、例えば、アセチレンガス、プロペンガス、或いは、ブテンガスが挙げられる。この炭素原子同士の二重結合或いは三重結合にO3 が作用して二重結合或いは三重結合を開き、さらに、それが分解して活性種が生成される。
図3は、本発明の実施の形態の極端紫外光使用装置に用いられる反射光学部材の概念的断面図であり、典型的にはEUV反射ミラーである。EUV反射ミラー80は低熱膨張材料であるLTEM(極低膨張ガラス)81を研磨して平面あるいは凹面もしくは凸面の反射鏡の形状をつくる。次いで、その上に反射させたい波長とミラーへの入射角に応じて膜厚がそれぞれ数nmの例えばMo/Siからなる多層膜反射層82を形成する。
EUV反射ミラー80はこの多層膜反射層82によるEUV光の干渉により高い反射率を実現している。ここで、多層膜反射層82が酸化すると、周期構造の破壊や表面粗さの増加、酸化膜による散乱や吸収などにより反射率低下を引き起こすため、多層膜表面はキャップ層83と呼ばれる薄膜で被覆する必要がある。
キャップ層83の材料は一般にRu金属などが用いられるが、Ruは耐酸化性が比較的高いが、本発明のオゾンと不飽和炭化水素との反応で発生する活性種に対する耐酸化性は大きくない。
そこで、クリーニング工程におけるキャップ層83の活性種による酸化や劣化を防止するため、キャップ層83を本発明で利用する活性種に対して安定で、かつ、緻密で酸素透過率が低い材料で構成する。これは貴金属やその合金、既に酸化していてそれ以上酸化劣化しない酸化膜を用いる。
例えば、シリコン酸化物(自然酸化膜を含む)やバルブメタル酸化物などが該当するが、これに限らない。また、なるべく反射損失を防ぐためEUV光吸収率が低いものが望ましいが、膜厚を薄くすることにより、ある程度EUV光吸収率が高いものでも使用可能である。具体的な耐酸化性キャップ層材料としてはシリコン酸化物の他に、金属酸化物ではチタン酸化物、バナジウム酸化物、クロム酸化物、ニオブ酸化物、セリウム酸化物などが挙げられる。
また、本発明の構成が適用される極端紫外線利用装置としては、典型的には、EUV露光装置、EUV検査装置やEUV顕微鏡、光源として用いられる放射光のビームライン等が挙げられる。
以上を前提として、次に、図4を参照して、本発明の実施例1のクリーニング機構内蔵EUV露光装置を説明する。図4は本発明の実施例1のクリーニング機構内蔵EUV露光装置の概念的構成図であり、露光に関する基本的な構成は図9に示した従来のEUV露光装置と全く同様であり、同じ部材は同じ符号を付している。
本発明の実施例1のEUV露光装置は、従来のEUV露光装置にクリーニング機構を具備したものである。このクリーニング機構は、不飽和炭化水素ガス供給機構とオゾンガス供給機構と、除害機構とにより構成される。不飽和炭化水素ガス供給機構は、不飽和炭化水素源31とガス供給管32からなり、不飽和炭化水素源から不飽和炭化水素ガスを筐体11の内部全体に充満させる。
オゾンガス供給機構は、高純度オゾン源33、ノズル34、高純度オゾン33とノズル34を接続するフレキシブル管35、ノズル34を水平方向及び鉛直方向に移動させるノズル移動機構36を備えている。また、除害機構は、真空弁37と、除害装置38と、ドライポンプ39から構成される。
次に、クリーニングの基本的な手順を説明する。まず、仕切弁29〜29を閉じてターボ分子ポンプ27〜27を保護すると共に、排気を停止する。次に、真空弁37を開けて除害装置38及びドライポンプ39を動作させる。
その後、露光機内に不飽和炭化水素源31から不飽和炭化水素ガスを導入する。ここでは、エチレンガスを用いるエチレンガスの導入速度をマスフローコントローラ(図示は省略)で制御し、筐体11内のエチレン圧を10Pa〜500Pa、例えば、200Paとする。
この状態で高純度オゾン源33からのオゾンガスをノズル34から炭素汚染膜の付着した投影ミラー、ここでは、投影ミラー14に供給すると、オゾンとエチレンとの反応により活性種が発生し、投影ミラー14の炭素汚染膜が除去される。
なお、この条件では活性種の到達範囲は、筐体11内のエチレン圧が100Paの場合、概ね数cm程度であるため、投影ミラーの面積が大きい場合はノズル34を複数設ける。或いは、ノズル34を走査してミラー全面をクリーニングする。クリーニングの度合いは、予め処理時間を設定しておいてもかまわないし、ノズル34付近などに取り付けた、例えば、紫外あるいは可視光等を用いた反射率や偏光度等を測定するセンサーその他炭素汚染量を評価する機構によりクリーニングの終点を判定してもかまわない。
ノズル34はノズル移動機構36により投影ミラー上で汚染の付着した部分を走査すると共に、クリーニング時以外は露光の障害にならない場所へと退避する。これらノズル34およびノズル移動機構36は6枚のミラーそれぞれに装備しても良いし、ノズル移動機構36を大きく動かせるように構成して、ミラーの総枚数より少ない数のノズル34およびノズル移動機構36でクリーニングを行なっても良い。
ノズル34より供給されたオゾンガスのうち余剰のものは筐体11内に満たされたエチレンガスと反応することにより活性種を生じた後、さらにその活性種が安定な物質へと転換されるため、露光機内の部品を劣化させることはない。また、オゾンとエチレンとの反応生成物および余剰のエチレンは除害装置38によって無害化された後にドライポンプ39により排気される。
このように、クリーニン機構をEUV露光装置に具備しているので、炭素汚染膜の付着した反射光学部材を、光学系を分解することなく、かつ、反射光学部材自体および露光装置の他の部分になんらの損傷を与えることなく、高速にクリーニングすることができる。これにより、炭素汚染で低下したEUV露光装置のスループットを回復することができる。
次に、図5を参照して、本発明の実施例2のEUV露光装置を説明する。図5は本発明の実施例2のクリーニング機構内蔵EUV露光装置の概念的構成図であり、露光に関する基本的な構成は図9に示した従来のEUV露光装置と全く同様であり、同じ部材は同じ符号を付している。
本発明の実施例2のEUV露光装置は、従来のEUV露光装置に実施例1とは異なった構成のクリーニング機構を具備したものである。このクリーニング機構は、不飽和炭化水素ガス供給機構として、実施例1におけるガス供給管32による筐体11の内部全体へのガスの充満の代わりに、ノズル61を用いて不飽和炭化水素ガスをクリーニング部位へ局所的に供給するものである。
即ち、不飽和炭化水素ガス供給機構は、不飽和炭化水素源31とノズル61と、不飽和炭化水素源31とノズル61とを結合するフレキシブル管62とからなり、ノズル61が、オゾンを供給するノズル34を移動させるノズル移動機構36に支持・固定される。したがって、不飽和炭化水素ガスを供給するノズル61は、オゾンを供給するノズル34と連動して移動し、クリーニング部位で活性種を局所的に発生させることになる。
この実施例2においては、不飽和炭化水素ガスをオゾンガスと共に必要量だけ供給することにより、不飽和炭化水素ガスの使用量および除害装置の負荷を低減することができる。また、クリーニング終了後に装置内から不飽和炭化水素を排気する時間を短縮するとともに、不飽和炭化水素による装置汚染の可能性を減少させることが可能となる。
次に、図6を参照して、本発明の実施例3のクリーニング機構内蔵EUV露光装置を説明するが、基本的な構成は上記の実施例2と同じであり、ガス供給部の構成が異なるだけであるので、ガス供給部の構成のみを説明する。図6(a)は、本発明の実施例3のクリーニング機構内蔵EUV露光装置に用いる複合ノズルの概念的断面図である。
この複合ノズル63は、ノズルの中央部にオゾンガス噴出孔64を有し、このオゾンガス噴出孔64を囲むように同心円環管状の不飽和炭化水素ガス噴出孔65を設けたものである。例えば、ここでは、オゾンガス噴出孔64の直径を2.0mmとし、不飽和炭化水素ガス噴出孔65の開口幅を0.5mmとし、オゾンガス噴出孔64から5.0mm離れた位置に設ける。
このように、中央から噴出するオゾンガスを不飽和炭化水素ガスで包み込むので、オゾンガスと不飽和炭化水素ガスとの反応効率を高めるとともに、オゾンの一部が未反応のままEUV露光装置内に流出することを抑制することができる。それによって、EUV露光装置内の各種部品の損傷を防止することができる。
図6(b)は、改良型複合ノズルの概念的断面図である。この複合ノズル66は、ノズルの中央部にオゾンガス噴出孔64を有し、このオゾンガス噴出孔64を囲むように同心円環管状の不飽和炭化水素ガス噴出孔65を設け、さらに、その周囲を囲むように同心円環管状のガードガス噴出孔67を設けたものである。
例えば、ここでは、オゾンガス噴出孔64の直径を2.0mmとし、不飽和炭化水素ガス噴出孔65の開口幅を0.5mmとし、オゾンガス噴出孔64から3mm離れた位置に設ける。また、ガードガス噴出孔67の開口幅を0.5mmとし、不飽和炭化水素ガス噴出孔65から3mm離れた位置に設ける。なお、ガードガスとしては不活性ガスが望ましく、典型的にはArガスを用いる。
このように、オゾンガスおよび不飽和炭化水素ガスの周囲をさらにガードガスで囲むことによって不飽和炭化水素ガスの必要量を低減することができ、除害装置の負荷および装置汚染を低減することが可能となる。
次に、図7を参照して、本発明の実施例4のEUVリソグラフィー用マスク多層膜基板の位相欠陥検査装置を説明するが、位相欠陥検査に関する基本的な構成は図10に示した従来の位相欠陥検査装置と全く同様であり、同じ部材は同じ符号を付している。なお、ここでは、説明を簡単にするために、照明光学系チャンバーと検査チャンバーのみを示している。
本発明の実施例4の位相欠陥検査装置は、従来の位相欠陥装置にクリーニング機構を具備したものである。このクリーニング機構は、不飽和炭化水素ガス供給機構とオゾンガス供給機構と、除害機構とにより構成される。なお、除害機構は実施例1の除害機構と同じであり、それぞれ照明光学系チャンバーと検査チャンバーに別個に設けられるが、ここでは、図示を省略する。
不飽和炭化水素ガス供給機構とオゾンガス機構は、それぞれクリーニング部位に対してオゾンガス導入管71〜71と不飽和炭化水素ガス導入管73〜73とが対になって固定配置される。この場合、EUV光の光路は一定であるので、EUV光の光路を遮らない位置にオゾンガス導入管71〜71と不飽和炭化水素ガス導入管73〜73を配置すれば良い。
また、オゾンガス導入管71〜71と不飽和炭化水素ガス導入管73〜73の先端にはそれぞれマイクロキャピラリーアレイ72〜72,74〜74が取り付けられ、装置に導入するガスの発散を防ぐ仕組みになっている。これらにより、オゾンガス導入管71〜71及び不飽和炭化水素ガス導入管73〜73と各ミラーとの距離が離れていても効率良く活性種を供給することができる。
図7(a)は、実施例4の位相欠陥検査装置を構成する照明光学系チャンバーの概念的構成図であり、オゾンガス導入管71と不飽和炭化水素ガス導入管73とからなるノズル対を楕円ミラー45に対向するように配置する。この場合、上述のように、EUV光の光路を遮らない位置に配置する。
図7(b)は、実施例4の位相欠陥検査装置を構成する検査チャンバーの概念的構成図であり、オゾンガス導入管71と不飽和炭化水素ガス導入管73とからなるノズル対を折り返しミラー49の左右に配置する。また、オゾンガス導入管71と不飽和炭化水素ガス導入管73とからなるノズル対をシュヴァルツシルト拡大ミラー48を構成する凹面ミラー48の左右に配置する。さらに、オゾンガス導入管71と不飽和炭化水素ガス導入管73とからなるノズル対をシュヴァルツシルト拡大ミラー48を構成する凸面ミラー48の左右に配置する。
なお、図においては、全ての反射光学部材にガス導入管を取り付けているが、炭素汚染が少ない反射光学部材に取り付ける必要が無いのはもちろんである。逆に、シュヴァルツシルト型拡大ミラー48の凹面ミラー48及び凸面ミラー48は面積が広いため、ガス導入管を2方向だけではなく、さらに多方面に設けても良い。
本発明の実施例4においては、位相欠陥検査装置にオゾンと不飽和炭化水素ガス反応で発生する活性種によるクリーニング機構を組み込んでいるので、光学系を分解することなく反射光学部材の炭素汚染を除去することができる。
また、オゾンと不飽和炭化水素ガス反応で発生する活性種を用いているので、反射光学部材自体および露光装置の他の部分になんらの損傷を与えることなく、室温(20℃)〜100℃の温度で高速にクリーニングすることが可能になる。これにより、炭素汚染で低下した位相欠陥検査装置の検出感度を回復する効果を得ることが可能となる。
次に、図8を参照して、本発明の実施例5のEUV露光装置を説明するが、露光に関する基本的な構成は図9に示した従来のEUV露光装置と全く同様である。なお、この実施例5においては、各EUV反射ミラー、即ち、投影ミラーを保持するミラー保持部材自体にガス供給機構を設けたものであるので、投影ミラーとミラー保持部材の構成のみを説明する。
図8(a)は、本発明の実施例5のミラークリーニング機構の概念的断面図であり、ここでは、投影ミラー14を例に説明する。この実施例5においては、投影ミラー14を保持するミラー保持部材75にオゾンノズル76,76と不飽和炭化水素ノズル77,77からなるノズル対を嵌入する。なお、図においては、ノズル対を2対図示しているが、EUV反射ミラーのサイズに応じて、4対或いは8対設けても良い。
なお、オゾンノズル76,76と不飽和炭化水素ノズル77,77の位置関係については、不飽和炭化水素ノズル77,77を投影ミラー14から相対的に離れた部分に位置するように構成する。各ノズルから噴出されるオゾンガスおよび不飽和炭化水素ガスとの流量を調整することにより、活性種の濃度および濃度分布を変化させることが可能であり、それによりミラーの周縁部から中心部に渡り効率よくクリーニングすることが可能になる。
図8(b)は、改良ミラークリーニング機構の概念的断面図であり、上記の図8(a)に示したミラークリーニング機構に可動式のシャッター78を設けたものである。ミラークリーニング工程において可動式のシャッター78により投影ミラー14を囲う閉鎖空間を構成し、この閉鎖空間にオゾンと不飽和炭化水素ガスを供給する。両者の反応により発生した活性種はシャッター78により閉鎖空間に閉じ込められるので活性種の散逸が抑制される。
本発明の実施例5においては、各EUV反射ミラーにクリーニング機構を組み込んでいるので、クリーニングノズルを込み入ったEUV露光装置内に挿入しなくてもすむようになる。また、図8(b)に示すように、シャッターを設けた場合には、より少量のガスで、他の部品の損傷や露光機の汚染を気にせずクリーニング可能となる。なお、各ガス供給手段としてはノズルの代わりに、投影ミラー囲むようにスリット組を設けても良い。
以上、本発明の各実施例を説明してきたが、本発明は、各実施例に示した構成及び条件に限られるものではない。例えば、以上の説明はEUV露光装置及び位相欠陥検査装置の反射光学系についてのものであるが、これらに限定されるものではない。
例えば、EUV露光装置の照明光学系の反射光学部材や、プラズマ光源のコレクタミラー等の反射光学部材、光路中の各種フィルタ、EUVマスクなど、任意の反射光学部材のその場クリーニングにも適用可能であることは言うまでもない。
さらに、EUV光を利用した他の検査装置やEUV顕微鏡、放射光のビームライン光学系などEUV反射光学部材を利用した任意の装置にも適用可能である。それにより、それぞれ信号/雑音比の回復による検査精度あるいはコントラスト等の復旧や、照射強度の復旧および炭素汚染による共鳴的吸収で引き起こされるスペクトル異常の解消などの効果を得ることができる。
ここで、実施例1乃至実施例5を含む本発明の実施の形態に関して、以下の付記を開示する。
(付記1) 処理室と、前記処理室の内部に配置され、100nm以下の波長を発生する極端紫外光源と、前記処理室に収容され、前記極端紫外光を反射する反射光学部材と、前記処理室内において前記不飽和炭化水素とオゾンとを反応させて発生した活性種によって前記反射光学部材の炭素汚染をクリーニングするクリーニング機構と
を備えた極端紫外光利用装置。
(付記2) 前記反射光学部材のクリーニングの開始或いは完了の少なくとも一方を検知するための、炭素汚染状況検知手段を備えている付記1に記載の極端紫外光利用装置。
(付記3) 前記クリーニング機構が、前記不飽和炭化水素ガスを前記処理室内全体に導入する手段と、前記オゾンガスを局所的に供給する可動式ノズルとを備えた付記1または付記2に記載の極端紫外光利用装置。
(付記4) 前記クリーニング機構が、前記不飽和炭化水素ガスを局所的に供給する第1の可動式ノズルと、前記オゾンガスを局所的に供給する第2の可動式ノズルを備え、前記第1の可動ノズルと前記第2の可動ノズルとが互いに一定の間隔で近接してノズル対をなす付記1または付記2に記載の極端紫外光利用装置。
(付記5) 前記クリーニング機構が、前記オゾンガスを局所的に供給するオゾン噴出孔と、前記オゾン噴出孔を同心円環状に包囲して不飽和炭化水素ガスを供給する同心円環管状噴出孔とを備えた複合ノズルを備えた付記1または付記2に記載の極端紫外光利用装置。
(付記6) 前記同心円環管状噴出孔をさらに同心円環状に包囲して不活性ガスをガードガスとして供給する第2の同心円環管状噴出孔を備えた付記5に記載の極端紫外光利用装置。
(付記7) 前記クリーニング機構が、前記複数の反射光学部材に対して個別に設けた付記1または2に記載の極端紫外光利用装置。
(付記8) 前記クリーニング機構が前記反射光学部材の保持部材を兼ねるとともに、オゾンガス供給口と不飽和炭化水素ガス供給口とを有し、前記オゾンガス供給口が不飽和炭化水素ガス供給口より前記反射光学部材に近い位置に配置された付記7に記載の極端紫外光利用装置。
(付記9) 前記オゾンガス供給口からのオゾンガス供給量と前記不飽和炭化水素ガス供給口からの不飽和炭化水素ガス供給量の少なくとも一方を制御することにより、前記活性種の生成位置を制御する生成位置制御手段を備えた付記8に記載の極端紫外光利用装置。
(付記10) 前記反射光学部材の少なくとも表面が、シリコン、チタン、バナジウム、クロム、ニオブ、セリウムのいずれかの酸化物、或いは、それらの合金の酸化物のいずれかで被覆されている付記1乃至付記9のいずれか1に記載の極端紫外光利用装置。
1 処理容器
2 試料台
3 被処理反射光学部材
4 ノズル
5 オゾン発生器
6 ガス導入管
7 不飽和炭化水素源
8 除害装置
9 排気装置
10 炭素汚染膜
11 筐体
12 マスク走査機構
13 EUVマスク
14〜19 投影ミラー
20 ウェーハ走査機構
21 ウェーハ
22〜25 迷光遮蔽板
26 ドライポンプ系
27〜27 ターボ分子ポンプ
28〜28 ドライポンプ
29〜29 仕切弁
30 EUV光
31 不飽和炭化水素源
32 ガス供給管
33 高純度オゾン源
34 ノズル
35 フレキシブル管
36 ノズル移動機構
37 真空弁
38 除害装置
39 ドライポンプ
40 EUV光源
41 スペクトル純化フィルタ
42 照明光学系チャンバー
43 結合管
44 検査チャンバー
45 楕円ミラー
46 マスク走査ステージ
47 被検査マスク
48 シュヴァルツシルト型拡大ミラー
48 凹面ミラー
48 凸面ミラー
49 折り返しミラー
50 CCDカメラ
51〜51 ターボ分子ポンプ
52〜52 ドライポンプ
53 プラズマ発光点
54 EUV光
61 ノズル
62 フレキシブル管
63,66 複合ノズル
64 オゾンガス噴出孔
65 不飽和炭化水素ガス噴出孔
67 ガードガス噴出孔
71〜71 オゾンガス導入管
72〜72 マイクロキャピラリーアレイ
73〜73 不飽和炭化水素ガス導入管
74〜74 マイクロキャピラリーアレイ
75 ミラー保持部材
76,76 オゾンノズル
77,77 不飽和炭化水素ノズル
78 シャッター
80 EUV反射ミラー
81 LTEM
82 多層膜反射層
83 キャップ層

Claims (5)

  1. 処理室と、
    前記処理室の内部に配置され、100nm以下の波長を発生する極端紫外光源と、
    前記処理室に収容され、前記極端紫外光を反射する反射光学部材と、
    前記不飽和炭化水素とオゾンとを反応させて発生した活性種によって前記反射光学部材の炭素汚染をクリーニングするクリーニング機構と
    を備えた極端紫外光利用装置。
  2. 前記反射光学部材のクリーニングの開始或いは完了の少なくとも一方を検知するための、炭素汚染状況検知手段を備えている請求項1に記載の極端紫外光利用装置。
  3. 前記クリーニング機構が、
    前記不飽和炭化水素ガスを局所的に供給する第1の可動式ノズルと、
    前記オゾンガスを局所的に供給する第2の可動式ノズルを備え、
    前記第1の可動ノズルと前記第2の可動ノズルとが互いに一定の間隔で近接してノズル対をなす請求項1または請求項2に記載の極端紫外光利用装置。
  4. 前記クリーニング機構が、
    前記オゾンガスを局所的に供給するオゾン噴出孔と、
    前記オゾン噴出孔を同心円環状に包囲して不飽和炭化水素ガスを供給する同心円環管状噴出孔と
    からなる複合ノズルを備えた請求項1または請求項2に記載の極端紫外光利用装置。
  5. 前記クリーニング機構が、前記複数の反射光学部材に対して個別に設けられた請求項1または2に記載の極端紫外光利用装置。
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