図1は、実施例1の画質検査システムの一例を示す説明図、図2は、画質検査装置及び被試験体の一例を示すブロック図である。図1に示す画質検査システム1は、画質検査装置2と、被試験体3とを有する。被試験体3は、例えば、15.6インチのLCD(Liquid Crystal Display)31を備えたノート型パーソナルコンピュータ等である。画質検査装置2は、製造ラインの検査工程に設置され、例えば、ベルトコンベア4で搬送される被試験体3の検査対象であるLCD31の表示画面を連続撮像する。更に、画質検査装置2は、撮像された画面上の検査パターンを用いて画質検査を実行する。
画質検査装置2は、撮像部11Aと、制御部12とを有する。撮像部11Aは、被試験体3のLCD31の全領域が撮像可能な撮像エリアQ内に存在する場合に、LCD31の画面を連続撮像する。尚、画質検査装置2は、ベルトコンベア4に隣接して配置された撮像センサ5を用いて、被試験体3のLCD31の全領域が撮像可能な撮像エリアQ内に被試験体3が存在することを認識する。撮像エリアQは、暗所内に配置される。撮像部11Aは、被試験体3が撮像エリアQ内に存在する時間や、撮像部11Aの撮像速度や撮像周期に依存するが、少なくとも2枚以上の画面を連続的に撮像する。尚、撮像エリアQは、例えば、490mm×325mmとする。また、LCD31の1画素のサイズは、例えば、0.094mm×0.094mmとする。更に、撮像部11Aのカメラの仕様は、例えば、1800万画素である。図3は、カメラ画素とLCD画素との対応関係を示す説明図である。LCD画素βの1画素は、図3に示すように、例えば、カメラ画素αの約2.6画素×約2.6画素で換算できる。
図2に示す被試験体3は、LCD31と、通信部32と、制御部33とを有する。通信部32は、画質検査装置2と接続して通信するためのものである。制御部33は、LCD31の画面を表示制御するLCD制御部33Aを有する。LCD制御部33Aは、通信部32を通じて画質検査装置2からの表示指示に応じてLCD31の画面を画素単位で表示制御できる。LCD制御部33Aは、画質検査装置2から、例えば、白色パターンや黒色パターン等の検査パターンの表示指示に応じて、LCD31上に検査パターンを画面表示する。
また、画質検査装置2の撮像部11Aは、撮像エリアQ内の暗所で被試験体3のLCD31の画面を撮像して撮像画面を取得する。尚、撮像画面は、撮像エリアQが暗所のため、その表示画面の背景が黒色の画面となる。また、白色パターンは、LCD31の画面が全面白地ベースである。また、黒色パターンは、LCD31の画面が全面黒地ベースである。また、白色パターンは、例えば、LCD31のRGBの256階調の設定値で定義した場合、R値、G値及びB値はそれぞれ最大値である「255」となる。これに対して、黒色パターンは、R値、G値及びB値はそれぞれ最小値である「0」となる。また、ベルトコンベア4が、例えば、14mm/秒の一定の速度で被試験体3を搬送する。
図2に示す画質検査装置2は、入力部11と、制御部12と、表示部13と、通信部14と、記憶部15とを有する。入力部11は、前述した撮像部11Aの他に、キーボード11Bと、マウス11Cとを有する。キーボード11B及びマウス11Cは、各種指令等の入力を受け付けるものである。表示部13は、各種情報を画面表示するものである。通信部14は、被試験体3と接続して通信するためのものである。
記憶部15は、各種情報を記憶するものである。記憶部15は、パラメータ格納領域15Aと、画像格納領域15Bと、異常フラグ格納領域15Cと、輝点検出フラグ格納領域15Dと、輝点座標格納領域15Eと、候補エリア情報格納領域15Fとを有する。パラメータ格納領域15Aは、例えば、被試験体3のLCD31の幅寸法、縦寸法や画素数と、撮像部11Aの画素分解能(mm/画素)等との各種パラメータを格納する。また、パラメータ格納領域15Aには、1種類の被試験体3のパラメータだけではなく、複数種の被試験体3のパラメータを格納しても良い。
画像格納領域15Bは、撮像画面からLCD31の表示画面の画像データを格納するものである。異常フラグ格納領域15Cは、白色パターンの撮像画面上の各画素のR値、G値及びB値毎に、その色値が、例えば、128未満であるか否かを示す異常フラグを格納したものである。尚、色値であるR値、G値及びB値は、最大値255から最小値0の範囲内である。輝点検出フラグ格納領域15Dは、黒色パターンの撮像画面上の各画素のR値、G値及びB値毎に、その色値が、例えば、128以上であるか否かを示す輝点検出フラグを格納したものである。
輝点座標格納領域15Eは、黒色パターンの撮像画面上の輝点異常の画素座標を格納したものである。候補エリア情報格納領域15Fは、候補エリアの開始座標及び連続画素数等の候補エリア情報を格納するものである。候補エリアは、例えば、R値、G値及びB値(RGB値)夫々128未満の画素で構成する、異物付着又は画素欠陥のおそれのあるエリアである。開始座標は、後述するXY座標系における候補エリア内のY座標毎の最小X座標側の画素のXY座標である。連続画素数は、候補エリア内の開始座標の画素からX座標方向に連続する、例えば、RGB値が夫々128未満の画素、すなわち異常画素の画素数である。更に、候補エリア情報には、候補エリアの開始座標及び連続画素数の他に、輝点異常の有無や後述するRGB値差等を含むものである。
制御部12は、画面処理部12Aと、演算部12Bとを有する。画面処理部12Aは、撮像部11Aの撮像画面に各種処理を施すものである。画面処理部12Aは、候補エリア抽出部21と、輝点異常検出部22と、暗点異常検出部23と、異常識別部24とを有する。候補エリア抽出部21は、例えば、抽出部であって、後述する候補エリア抽出処理を実行する。輝点異常検出部22は、例えば、第1の取得部であって、後述する輝点異常検出処理を実行する。暗点異常検出部23は、例えば、第2の取得部であって、後述する暗点異常検出処理を実行する。また、異常識別部24は、例えば、識別部であって、後述する暗点異常検出処理を実行する。
図4及び図5は、候補エリア抽出処理に関わる動作の一例を示す説明図である。尚、図4に示すLCD31は、ガラス基板31Aと、カラーフィルタ31Bと、液晶セル(画素)31Cとを有する。候補エリア抽出部21は、通信部14を通じて被試験体3に対して白色パターンの画面表示を指示する。尚、候補エリア抽出部21は、白色パターンに対応したRGB設定値(R:255,G:255,B:255)を被試験体3に対して指示する。また、候補エリア抽出部21は、撮像画面からLCD31の白色パターンを切り取り、切り取られた白色パターンの画像データを画像格納領域15Bに格納する。尚、候補エリア抽出部21は、パラメータ格納領域15Aに格納中のLCD31の幅寸法及び縦寸法に基づき、撮像画面から白色パターンを切り取る。
候補エリア抽出部21は、図4及び図5の(A)に示すように画像データの白色パターン内の各画素のR値が128未満の画素を探索する。候補エリア抽出部21は、白色パターン内のXY座標系の原点座標(0,0)から同一Y座標上のX座標を+1単位でインクリメントして画素を指定し、指定画素のR値が128未満の画素を順次探索する。尚、候補エリア抽出部21は、指定画素のR値が128未満である否かを判定し、指定画素のR値が128未満の場合、図5の(B)に示すように、その指定画素に対応したR値の異常フラグを“1”に設定する。また、候補エリア抽出部21は、指定画素のR値が128未満でない場合、その指定画素に対応したR値の異常フラグを“0”に設定する。そして、候補エリア抽出部21は、白色パターン上の指定画素のR値に対応した異常フラグを異常フラグ格納領域15Cに格納する。
また、候補エリア抽出部21は、指定画素のR値の判定動作が完了した後、同一指定画素のG値が128未満であるか否かを判定し、指定画素のG値が128未満の場合、その指定画素に対応したG値の異常フラグを“1”に設定する。また、候補エリア抽出部21は、指定画素のG値が128未満でない場合、その指定画素に対応したG値の異常フラグを“0”に設定する。そして、候補エリア抽出部21は、白色パターン上の指定画素のG値に対応した異常フラグを異常フラグ格納領域15Cに格納する。
また、候補エリア抽出部21は、指定画素のG値の判定動作が完了した後、同一指定画素のB値が128未満であるか否かを判定し、指定画素のB値が128未満の場合、その指定画素に対応したB値の異常フラグを“1”に設定する。また、候補エリア抽出部21は、指定画素のB値が128未満でない場合、その指定画素に対応したB値の異常フラグを“0”に設定する。そして、候補エリア抽出部21は、白色パターン上の指定画素のB値に対応した異常フラグを異常フラグ格納領域15Cに格納する。
そして、候補エリア抽出部21は、指定画素のR値、G値及びB値、すなわちRGB値の判定動作が完了した場合、図5の(A)に示すように、X座標を+1インクリメントして次の画素を指定する。また、候補エリア抽出部21は、指定画素のX座標が最大X座標M1を超えた場合、Y座標を+1インクリメントして次の画素を指定する。また、候補エリア抽出部21は、指定画素のY座標が最大Y座標M2を超えた場合、画素の指定を終了する。候補エリア抽出部21は、Y座標毎に、図5の(B)に示すように、全てのR値、G値及びB値、すなわち全てのRGB値の異常フラグが“1”の指定画素の内、同一Y座標のX座標が最小値0に最も近い座標を開始座標とする。そして、候補エリア抽出部21は、その開始座標からX座標方向に、全てのRGB値の異常フラグが“1”の画素が連続する連続画素数をカウントする。尚、図5の例では、同一Y座標上で異常フラグ“1”の連続画素数は“9”となる。その結果、候補エリア抽出部21は、異常フラグ“1”の同一Y座標上をX座標方向に連続する画素を候補エリアArとして抽出する。
図6は、候補エリア抽出処理に関わる候補エリア情報の一例を示す説明図である。候補エリア抽出部21は、図6に示すように、候補エリアAr内のY座標毎の異常フラグ“1”の画素の開始座標及び連続画素数を候補エリア情報として候補エリア情報格納領域15Fに格納する。制御部12は、候補エリア情報格納領域15Fに格納中の候補エリア情報に基づき、撮像画面上の候補エリアArの位置座標を認識できる。
図7及び図8は、輝点異常検出処理に関わる動作の一例を示す説明図である。輝点異常検出部22は、通信部14を通じて被試験体3に対して黒色パターンの画面表示を指示する。尚、輝点異常検出部22は、黒色パターンに対応したRGB設定値(R:0,G:0,B:0)を被試験体3に対して指示する。また、輝点異常検出部22は、撮像画面から黒色パターンを切り取り、切り取られた黒色パターンの画像データを画像格納領域15Bに格納する。尚、輝点異常検出部22は、パラメータ格納領域15Aに格納中のLCD31の幅寸法及び縦寸法等に基づき、撮像画面から黒色パターンを切り取る。
輝点異常検出部22は、図7及び図8の(A)に示すように、画像データの黒色パターン内の各画素のR値が128以上の画素を探索する。輝点異常検出部22は、黒パターン内のXY座標系の原点座標(0,0)から同一Y座標上のX座標を+1単位でインクリメントして画素を指定し、指定画素のR値が128以上の画素を順次探索する。尚、輝点異常検出部22は、指定画素のR値が128以上である否かを判定し、指定画素のR値が128以上の場合、図8の(B)に示すように、その指定画素に対応したR値の輝点検出フラグを“1”に設定する。また、輝点異常検出部22は、指定画素のR値が128以上でない場合、その指定画素に対応したR値の輝点検出フラグを“0”に設定する。そして、輝点異常検出部22は、黒色パターン上の各画素のR値に対応した輝点検出フラグを輝点検出フラグ領域15Dに格納する。
また、輝点異常検出部22は、指定画素のR値の判定動作が完了した後、同一指定画素のG値が128以上であるか否かを判定し、指定画素のG値が128以上の場合、その指定画素に対応したG値の輝点検出フラグを“1”に設定する。また、輝点異常検出部22は、指定画素のG値が128以上でない場合、その指定画素に対応したG値の輝点検出フラグを“0”に設定する。そして、輝点異常検出部22は、黒色パターン上の指定画素のG値に対応した輝点検出フラグを輝点検出フラグ格納領域15Dに格納する。
また、輝点異常検出部22は、指定画素のG値の判定動作が完了した後、同一指定画素のB値が128以上であるか否かを判定し、指定画素のB値が128以上の場合、その指定画素に対応したB値の輝点検出フラグを“1”に設定する。また、輝点異常検出部22は、指定画素のB値が128以上でない場合、その指定画素に対応したB値の輝点検出フラグを“0”に設定する。そして、輝点異常検出部22は、黒色パターン上の各画素のB値に対応した輝点検出フラグを輝点検出フラグ格納領域15Dに格納する。
そして、輝点異常検出部22は、指定画素のR値、G値及びB値、全てのRGB値の判定動作が完了した場合、図8の(A)に示すように、X座標を+1インクリメントして次の画素を指定する。また、輝点異常検出部22は、指定画素のX座標が最大X座標M1を超えた場合、Y座標を+1インクリメントして次の画素を指定する。また、輝点異常検出部22は、指定画素のY座標が最大Y座標M2を超えた場合、画素の指定を終了する。輝点異常検出部22は、Y座標毎に、図8の(B)に示すように、全てのR値、G値及びB値、すなわち全てのRGB値の輝点検出フラグが“1”の指定画素の内、同一Y座標のX座標が最小0に最も近い座標を開始座標とする。更に、輝点異常検出部22は、その開始座標からX座標方向に、全てのRGB値の輝点検出フラグが“1”の画素が連続する連続画素数をカウントする。尚、図8の例では、同一Y座標上で輝点検出フラグ“1”の連続画素数は“1”となる。その結果、輝点異常検出部22は、輝点検出フラグ“1”の同一Y座標上をX座標方向に連続する画素を輝点異常の画素として抽出する。
図9は、輝点異常検出処理に関わる輝点座標情報の一例を示す説明図である。そして、輝点異常検出部22は、図9に示すように、RGB値の輝点検出フラグが“1”の画素のXY座標(開始座標)及び連続画素数の輝点座標情報を輝点座標格納領域15Eに格納する。制御部12は、輝点座標格納領域15Eに格納中の輝点座標情報に基づき、撮像画面上の輝点異常の画素の座標位置を認識できる。
また、輝点異常検出部22は、候補エリア情報格納領域15Fに格納中の候補エリア情報内の開始座標及び連続画素数に基づき、全てのRGB値の輝点検出フラグが“1”の画素を含む候補エリアArがあるか否かを判定する。図10は、輝点異常検出処理に関わる動作の一例を示す説明図である。輝点異常検出部22は、全てのRGB値の輝点検出フラグが“1”の画素を含む候補エリアArがある場合、図10に示すように候補エリアArの各画素のRGB値と、当該候補エリアArに関わる所定周囲内の各画素のRGB値とに基づき、RGB値差を算出する。尚、所定周囲は、例えば、候補エリアArの同一Y座標上の前後10画素、すなわち開始座標からX座標方向の前10画素と、開始座標から連続画素数に相当する終了座標からX座標方向の後10画素とで構成する。
尚、輝点異常検出部22は、図10に示すように、同一Y座標上の候補エリアArの画素のRGB値と前後10画素のRGB値とを夫々抽出する。輝点異常検出部22は、Y座標毎に候補エリアArの各画素のR値及び、当該候補エリアArの前後10画素のR値の内、最大値及び最小値を抽出する。そして、輝点異常検出部22は、候補エリアAr及び前後10画素のR値の最大値と最小値との間の差分を算出する。同様に、輝点異常検出部22は、同一Y座標上の候補エリアAr内の画素及び前後10画素のG値の内、最大値及び最小値を抽出する。そして、輝点異常検出部22は、候補エリアAr及び前後10画素のG値の最大値と最小値との間の差分を算出する。また、同様に、輝点異常検出部22は、同一Y座標上の候補エリアAr内の画素及び前後10画素のB値の内、最大値及び最小値を抽出する。そして、輝点異常検出部22は、候補エリアAr及び前後10画素のB値の最大値と最小値との間の差分を算出する。そして、輝点異常検出部22は、これら算出されたR値の差分、G値の差分及びB値の差分、すなわちRGB値差を得る。
そして、輝点異常検出部22は、RGB値差が所定の基準値、例えば、10以上の場合、候補エリアAr内の画素に輝点異常ありと判定する。図11は、輝点異常検出処理に関わる候補エリア情報の一例を示す説明図である。輝点異常検出部22は、輝点異常ありと判定されると、候補エリア情報格納領域15Fに格納中の該当候補エリアArの候補エリア情報に対応付けて、図11に示すように、輝点異常あり、そのRGB値差を候補エリア情報格納領域15Fに格納する。輝点異常ありは、図11の輝点有無に相当する。制御部12は、候補エリア情報格納領域15Fに格納中の候補エリア情報に基づき、輝点異常の画素を含む候補エリアArの座標位置を認識できる。
図12は、暗点異常検出処理に関わる動作の一例を示す説明図である。暗点異常検出部23は、通信部14を通じて被試験体3に対して黒色パターンの画面表示を指示する。暗点異常検出部23は、黒色パターンを画面表示した後、候補エリアAr内の画素の内、1個の画素を指定する。暗点異常検出部23は、通信部14を通じて被試験体3に対して指定画素の白色表示を指示する。また、暗点異常検出部23は、撮像画面から黒色パターンを切り取り、切り取られた黒色パターンの画像データを画像格納領域15Bに格納する。
暗点異常検出部23は、図12の(A)及び(B)に示すように輝点異常の画素を含む候補エリアArがあるか否かを判定する。暗点異常検出部23は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがある場合、輝点異常の該当候補エリア情報のRGB値差を候補エリア情報格納領域15Fから読み出す。暗点異常検出部23は、候補エリアArの各画素のRGB値と、当該候補エリアArに関わる所定周囲(前後10画素)内の各画素のRGB値とに基づき、RGB値差を算出する。
尚、暗点異常検出部23は、同一Y座標上の候補エリアAr内の画素と、当該候補エリアArの前後10画素のRGB値とを夫々抽出する(図10参照)。暗点異常検出部23は、Y座標毎に候補エリアArの各画素のR値及び、当該候補エリアArの前後10画素のR値の内、最大値及び最小値を抽出する。そして、暗点異常検出部23は、候補エリアAr及び前後10画素のR値の最大値及び最小値を抽出すると、これら最大値と最小値との間のR値の差分を算出する。
また、暗点異常検出部23は、同一Y座標上の候補エリアAr内の画素のG値及び、候補エリアArの前後10画素のG値の内、最大値及び最小値を抽出する。そして、暗点異常検出部23は、候補エリアAr及び前後10画素のG値の最大値と最小値との間のG値の差分を算出する。また、暗点異常検出部23は、同一Y座標上の候補エリアAr内の画素のB値及び、候補エリアArの前後10画素のB値の内、最大値及び最小値を抽出する。そして、暗点異常検出部23は、候補エリアAr及び前後10画素に関わるB値の最大値と最小値との間のB値の差分を算出する。そして、暗点異常検出部23は、これら算出されたR値の差分、G値の差分及びB値の差分、すなわち今回のRGB値差を算出する。
そして、異常識別部24は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがある場合に、今回のRGB値差が、候補エリア情報格納領域15Fに格納中の輝点異常検出時のRGB値差を超えた場合、候補エリアが異物付着による異常と識別する。また、異常識別部24は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがある場合に、今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値差を超えなかった場合、候補エリアArを暗点異常の画素欠陥による異常と識別する。
また、異常識別部24は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがない場合に、今回のRGB値差が所定の基準値、例えば、10を超えた場合、候補エリアArが異物付着による異常と識別する。また、異常識別部24は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがない場合に、今回のRGB値差が所定の基準値を超えなかった場合、候補エリアArを暗点異常の画素欠陥による異常と識別する。
制御部12は、白色パターン及び黒色パターンを用いて、被試験体3のLCD31の画質検査を実行する。制御部12は、白色パターンを使用して、例えば、部分的な表示の異常を示す部分表示異常、暗点(暗線)の異常、輝度の異常、色ムラの異常や左右の歪みの検査を実行する。また、制御部12は、黒色パターンを使用して、輝点(輝線)の異常の検査を実行する。
次に画質検査システム1の動作について説明する。図13は、異常識別処理に関わる画質検査装置2の制御部12の処理動作の一例を示すフローチャートである。図13において制御部12は、被試験体3のLCD31に画面表示された白色パターンの撮像画面から候補エリアArを抽出する、図14に示す候補エリア抽出処理を実行する(ステップS11)。更に、制御部12は、候補エリア抽出処理を実行した後、被試験体3のLCD31に画面表示された黒色パターンの撮像画面から輝点異常を検出する、図15に示す輝点異常検出処理を実行する(ステップS12)。更に、制御部12は、輝点異常検出処理を実行した後、LCD31に画面表示された黒色パターンの撮像画面から異物付着又は暗点異常の画素欠陥による異常を識別する、図16に示す暗点異常検出処理を実行し(ステップS13)、この処理動作を終了する。
図14は、候補エリア抽出処理に関わる画質検査装置2の制御部12の処理動作の一例を示すフローチャートである。図14に示す候補エリア抽出処理は、白色パターンの撮像画面から候補エリアArを抽出する処理である。図14において制御部12内の候補エリア抽出部21は、通信部14を通じて被試験体3に対して白色パターンの画面表示を指示する(ステップS21)。尚、被試験体3のLCD制御部33Aは、画質検査装置2からの白色パターンの表示指示に応じて、白色パターンをLCD31に画面表示する。候補エリア抽出部21は、撮像部11Aを通じて被試験体3のLCD31に画面表示中の白色パターンの画面を撮像したか否かを判定する(ステップS22)。候補エリア抽出部21は、LCD31の画面を撮像した場合(ステップS22肯定)、撮像画面からLCD31の画面サイズの画像を切り取り(ステップS23)、切り取られた画像を画像格納領域15Bに格納する(ステップS24)。
候補エリア抽出部21は、画像内の全画素のRGB値で異常フラグを設定する(ステップS25)。尚、候補エリア抽出部21は、図5の(B)に示すように、画像内の各画素のR値、G値及びB値毎に色値が128未満であるか否かを判定し、色値が128未満の場合に異常フラグを“1”に設定し、色値が128以上の場合に異常フラグを“0”に設定する。そして、候補エリア抽出部21は、これら全画素のRGB値の異常フラグを異常フラグ格納領域15Cに格納する。
候補エリア抽出部21は、全画素のRGB値の異常フラグに基づき、候補エリアArを抽出したか否かを判定する(ステップS26)。候補エリア抽出部21は、候補エリアArを抽出した場合(ステップS26肯定)、候補エリアAr内のY座標毎に開始座標及び連続画素数を候補エリア情報として候補エリア情報格納領域15Fに格納し(ステップS27)、図14に示す処理動作を終了する。
また、候補エリア抽出部21は、被試験体3のLCD31の画面を撮像していない場合(ステップS22否定)、LCD31の画面の撮像を監視すべく、ステップS22に移行する。また、候補エリア抽出部21は、全画素のRGB値の異常フラグに基づき、候補エリアArを抽出しなかった場合(ステップS26否定)、図14に示す処理動作を終了する。
図14に示す候補エリア抽出処理では、被試験体3のLCD31に画面表示された白色パターンの撮像画面からRGB値が小さい異物付着又は画素欠陥の候補エリアArを抽出する。その結果、画質検査装置2は、撮像画面上で異物付着又は画素欠陥の候補エリアArを特定できる。
図15は、輝点異常検出処理に関わる画質検査装置2の制御部12の処理動作の一例を示すフローチャートである。図15に示す輝点異常検出処理は、黒色パターンの撮像画面から候補エリアArを抽出する処理である。図15において制御部12の輝点異常検出部22は、通信部14を通じて被試験体3に対して黒色パターンの画面表示を指示する(ステップS31)。尚、被試験体3のLCD制御部33Aは、画質検査装置2からの黒色パターンの表示指示に応じて、黒色パターンをLCD31の画面上に画面表示する。輝点異常検出部22は、撮像部11Aを通じて被試験体3のLCD31に画面表示中の黒色パターンの画面を撮像したか否かを判定する(ステップS32)。輝点異常検出部22は、LCD31の画面を撮像した場合(ステップS32肯定)、撮像画面からLCD31の画面サイズの画像を切り取り(ステップS33)、切り取られた画像を画像格納領域15Bに格納する(ステップS34)。
更に、輝点異常検出部22は、画像内の全画素のRGB値で輝点検出フラグを設定する(ステップS35)。尚、輝点異常検出部22は、図8の(B)に示すように、画像内の各画素のR値、G値及びB値毎に色値が128以上であるか否かを判定し、色値が128以上の場合に輝点検出フラグを“1”に設定する。また、輝点異常検出部22は、色値が128未満の場合に輝点検出フラグを“0”に設定する。そして、輝点異常検出部22は、これら全画素のRGB値の輝点検出フラグを輝点検出フラグ格納領域15Dに格納する。そして、輝点異常検出部22は、全画素のRGB値の輝点検出フラグに基づき、輝点異常の画素に関わる輝点座標情報を輝点座標格納領域15Eに格納する(ステップS36)。
更に、輝点異常検出部22は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがあるか否かを判定する(ステップS37)。輝点異常検出部22は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがある場合(ステップS37肯定)、輝点異常の画素を含む候補エリアArの開始座標及び連続画素数を格納する(ステップS38)。輝点異常検出部22は、輝点異常の画素を含む候補エリアArの開始座標及び連続画素数を格納した後、候補エリアAr及び所定周囲の画素のRGB値差を算出する(ステップS39)。
尚、輝点異常検出部22は、候補エリアAr内のY座標上の開始座標から連続画素数に対応した終点座標までの各画素のRGB値と、開始座標からX座標上の前10画素のRGB値と、終点座標からX座標上の後10画素のRGB値とを抽出する(図10参照)。そして、輝点異常検出部22は、これら抽出されたR値、G値、B値毎に最小値及び最大値を抽出し、これら抽出されたR値、G値及びB値毎に、最大値と最小値との間の差分を算出する。そして、輝点異常検出部22は、これらR値の差分、G値の差分及びB値の差分で、当該候補エリアAr及び所定周囲(前後10画素)に関わるRGB値差を算出する。
輝点異常検出部22は、輝点異常の画素を含む候補エリアAr及び所定周囲のRGB値差を算出した後、算出されたRGB値差が所定の基準値、例えば、10を超えたか否かを判定する(ステップS40)。輝点異常検出部22は、RGB値差が所定の基準値を超えた場合(ステップS40肯定)、候補エリアAr内に輝点異常ありと判定する(ステップS41)。
輝点異常検出部22は、候補エリアAr内に輝点異常ありと判定されると、候補エリア情報格納領域15Fに格納中の該当候補エリア情報内に輝点異常ありを更新する(ステップS42)。更に、輝点異常検出部22は、当該候補エリア情報内にRGB値差を格納し(ステップS43)、図15に示す処理動作を終了する。
また、輝点異常検出部22は、被試験体3のLCD31の画面を撮像していない場合(ステップS32否定)、LCD31の画面の撮像を継続監視すべく、ステップS32に移行する。また、輝点異常検出部22は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがない場合(ステップS37否定)、又は、RGB値差が所定の基準値を超えなかった場合(ステップS40否定)、図15に示す処理動作を終了する。
図15に示す輝点異常検出処理では、被試験体3のLCD31に画面表示された黒色パターンの撮像画面から輝点異常の画素を検出し、輝点異常の画素の座標を格納する。その結果、画質検査装置2は、輝点異常の画素の座標位置を識別できる。
また、輝点異常検出処理では、輝点異常の画素を含む候補エリアArがある場合、候補エリアAr及び所定周囲のRGB値差を算出し、RGB値差が所定の基準値を超えた場合、候補エリアArに関わる候補エリア情報内に輝点異常あり及びRGB値差を格納する。その結果、画質検査装置2は、輝点異常の画素を含む候補エリアArの座標位置を識別できる。
図16は、暗点異常検出処理に関わる画質検査装置2の制御部12の処理動作の一例を示すフローチャートである。図16に示す暗点異常検出処理では、抽出された候補エリアArが異物付着又は暗点異常の画素欠陥の異常を識別する処理である。図16において制御部12の暗点異常検出部23は、通信部14を通じて被試験体3に対して黒色パターンの画面表示を指示する(ステップS51)。尚、被試験体3のLCD制御部33Aは、画質検査装置2からの黒色パターンの表示指示に応じて、黒色パターンをLCD31の画面上に画面表示する。
更に、暗点異常検出部23は、候補エリアAr内の画素の内、1個の画素を指定し(ステップS52)、指定画素に対応したカメラ座標をLCD座標に変換する(ステップS53)。暗点異常検出部23は、通信部14を通じて被試験体3に対して指定画素のLCD座標に白色表示を指示する(ステップS54)。その結果、LCD制御部33Aは、LCD31に黒色パターンを画面表示したまま、指定画素を白色表示する。
暗点異常検出部23は、黒色パターンを画面表示したまま、指定画素を白色表示したLCD31の画面を撮像部11Aで撮像したか否かを判定する(ステップS55)。暗点異常検出部23は、LCD31の画面を撮像した場合(ステップS55肯定)、撮像画面からLCD31の画面サイズの画像を切り取り(ステップS56)、切り取られた画像を画像格納領域15Bに格納する(ステップS57)。
更に、暗点異常検出部23は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがあるか否かを判定する(ステップS58)。暗点異常検出部23は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがある場合(ステップS58肯定)、輝点異常の画素を含む候補エリアArのRGB値差、すなわち輝点異常検出時のRGB値差を候補エリア情報格納領域15Fから読み出す(ステップS59)。暗点異常検出部23は、輝点異常検出時のRGB値差を読み出した後、輝点異常の画素を候補エリアAr及び所定周囲(前後10画素)の今回のRGB値差を算出する(ステップS60)。
異常識別部24は、該当する候補エリアAr及び所定周囲に関わる今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値差を超えたか否かを判定する(ステップS61)。尚、異常識別部24は、候補エリアAr内の指定画素毎に今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値差を超えたか否かを判定するものである。異常識別部24は、今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値差を超えた場合(ステップS61肯定)、候補エリアArを異物付着による異常と識別する(ステップS62)。更に、暗点異常検出部23は、全候補エリアAr内の全画素の指定が完了したか否かを判定する(ステップS63)。
また、異常識別部24は、今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値差を超えなかった場合(ステップS61否定)、候補エリアArを暗点の画素欠陥による異常と識別する(ステップS64)。異常識別部24は、候補エリアArを暗点の画素欠陥による異常と識別されると、全画素の指定が完了したか否かを判定すべく、ステップS63に移行する。また、暗点異常検出部23は、全画素の指定が完了しなかった場合(ステップS63否定)、被試験体3のLCD31に黒色パターンの表示を指示すべく、ステップS51に移行する。
また、暗点異常検出部23は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがない場合(ステップS58否定)、輝点異常の画素を含む候補エリアAr及び所定周囲のRGB値差を算出する(ステップS65)。異常識別部24は、輝点異常の画素を含む候補エリアAr及び所定周囲の今回のRGB値差を算出すると、今回のRGB値差が所定の基準値、例えば10を超えたか否かを判定する(ステップS66)。尚、異常識別部24は、候補エリアAr内の指定画素毎に今回のRGB値差が所定の基準値を超えたか否かを判定するものである。異常識別部24は、今回のRGB値差が所定の基準値を超えた場合(ステップS66肯定)、候補エリアArを異物付着による異常と識別し(ステップS67)、全画素の指定が完了したか否かを判定すべく、ステップS63に移行する。
また、異常識別部24は、今回のRGB値差が所定の基準値を超えなかった場合(ステップS66否定)、候補エリアArを暗点の画素欠陥による異常と識別し(ステップS68)、全画素の指定が完了したか否かを判定すべく、ステップS63に移行する。また、暗点異常検出部23は、LCD31の画面を撮像できない場合(ステップS55否定)、LCD31の画面の撮像を継続監視すべく、ステップS55に移行する。
図16に示す暗点異常検出処理では、黒色パターンを表示したまま、候補エリアAr内の画素内の1個の画素を順次指定して、当該指定画素の白色表示を被試験体3のLCD31に順次指示する。更に、暗点異常検出処理では、輝点異常の画素を含む候補エリアArであり、候補エリアAr及び所定周囲の今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値差を超えた場合、候補エリアArを異物付着による異常と識別する。その結果、画質検査装置2は、輝点異常の画素を含む候補エリアArを異物付着による異常と識別できる。
また、暗点異常検出処理では、輝点異常の画素を含む候補エリアArであり、候補エリアAr及び所定周囲の今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値差を超えなかった場合、候補エリアArを暗点異常の画素欠陥による異常と識別する。その結果、画質検査装置2は、輝点異常の画素を含む候補エリアArを暗点異常の画素欠陥による異常と識別できる。
また、暗点異常検出処理では、輝点異常の画素を含まない候補エリアArであり、候補エリアAr及び所定周囲の今回のRGB値差が所定の基準値を超えた場合、候補エリアArを異物付着による異常と識別する。その結果、画質検査装置2は、輝点異常の画素を含まない候補エリアArでも、異物付着による異常と識別できる。
また、暗点異常検出処理では、輝点異常の画素を含まない候補エリアArがあり、候補エリアAr及び所定周囲の今回のRGB値差が所定の基準値を超えなかった場合、候補エリアArを暗点異常の画素欠陥による異常と識別する。その結果、画質検査装置2は、輝点異常の画素を含まない候補エリアArでも、暗点異常の画素欠陥による異常と識別できる。
実施例1の画質検査装置2は、検査対象のLCD31に白色パターンを表示させて、撮像された白色パターンから色異常の候補エリアを抽出する。更に、画質検査装置2は、LCD31に黒色パターンを表示させて、黒色パターンから輝点異常の画素を含む候補エリアAr及び所定周囲に関わる輝点異常検出時のRGB値差を取得する。更に、画質検査装置2は、LCD31に黒色パターンを表示させたまま、当該候補エリアAr内の画素を白表示させて、候補エリアAr及び所定周囲に関わる今回のRGB値差を取得する。更に、画質検査装置2は、今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値差を超えた場合に、候補エリアArを異物付着による異常と識別する。また、画質検査装置2は、今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値差を超えなかった場合に、当該候補エリアArを暗点の画素欠陥による異常と識別する。その結果、候補エリアArを検査対象の画面上の異物付着による異常又は画素欠陥による異常と識別できる。
また、実施例1の画質検査装置2は、輝点異常の画素を含まない候補エリアArであって、候補エリアAr及び所定周囲に関わる今回のRGB値差が所定の基準値を超えた場合に、候補エリアArが異物付着による異常と識別する。また、画質検査装置2は、今回のRGB値差が所定の基準値を超えなかった場合に、当該候補エリアArが暗点の画素欠陥による異常と識別する。その結果、輝点異常の画素を含まない候補エリアArでも、検査対象の画面上の異物付着による異常又は画素欠陥による異常と識別できる。
また、実施例1の画質検査装置2は、候補エリアAr及び所定周囲内の画素毎のRGB値を抽出し、これら抽出された各画素のRGB値の内、最大値と最小値との間の差分で、候補エリアAr及び所定周囲に関わるRGB値差を算出して取得する。その結果、画質検査装置2は、候補エリアAr及び所定周囲に関わるRGB値差を取得するため、このRGB値差を用いて高精度な識別動作を実現できる。
尚、上記実施例1の暗点異常検出処理では、候補エリアAr内の指定画素単位で候補エリアArの異物付着又は暗点異常の画素欠陥を識別する判定処理(ステップS61及びS66)を実行した。しかしながら、候補エリアAr内の同一Y座標上の画素群単位で候補エリアArの異物付着又は暗点異常の画素欠陥を識別する判定処理を実行するようにしても良く、この場合の実施の形態につき、実施例2として以下に説明する。尚、実施例1の画質検査システム1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
暗点異常検出部23は、候補エリアAr内の同一Y座標上のX座標方向に連続する画素、すなわち開始座標から連続画素数の終了座標までの各画素を順次指定する。そして、暗点異常検出部23は、被試験体3に対して指定画素毎に白色の表示を順次指示し、その撮像画面上の当該候補エリアAr及び所定周囲(前後10画素)に関わるRGB値差を順次算出する。暗点異常検出部23は、候補エリアAr内の同一Y座標上の連続画素数分のRGB値差を算出すると、これら連続画素数分のRGB値差の内、最大値及び最小値を抽出する。そして、暗点異常検出部23は、最大値と最小値との間の差分を候補エリアArの画素群の今回のRGB値差として算出する。
そして、異常識別部24は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがある場合に、今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値差を超えた場合、候補エリアArを異物付着による異常と識別する。また、異常識別部24は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがある場合に、今回のRGB値差が輝点異常時のRGB値差を超えなかった場合、候補エリアArを暗点異常の画素欠陥による異常と識別する。
また、異常識別部24は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがなく、今回のRGB値差が所定の基準値を超えた場合、候補エリアArを異物付着による異常と識別する。また、異常識別部24は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがなく、今回のRGB値差が所定の基準値を超えなかった場合、候補エリアArを暗点異常の画素欠陥による異常と識別する。
次に、実施例2の画質検査システム1の動作について説明する。図17は、実施例2の暗点異常検出処理に関わる画質検査装置2の制御部12の処理動作の一例を示すフローチャートである。図17に示す暗点異常検出処理は、抽出された候補エリアArを異物付着又は暗点異常の画素欠陥による異常と識別する処理である。
図17において制御部12の暗点異常検出部23は、通信部14を通じて被試験体3に対して黒色パターンの画面表示を指示する(ステップS71)。尚、被試験体3のLCD制御部33Aは、画質検査装置2からの黒色パターンの表示指示に応じて、黒色パターンをLCD31の画面上に画面表示する。
更に、暗点異常検出部23は、候補エリアAr内の画素の内、1個の画素を指定し(ステップS72)、指定画素に対応したカメラ座標をLCD座標に変換する(ステップS73)。暗点異常検出部23は、通信部14を通じて被試験体3に対して指定画素のLCD座標に白色表示を指示する(ステップS74)。その結果、LCD制御部33Aは、LCD31に黒色パターンを画面表示したまま、指定画素を白色表示する。
暗点異常検出部23は、黒色パターンを画面表示したまま、指定画素を白色表示したLCD31の画面を撮像部11Aで撮像したか否かを判定する(ステップS75)。暗点異常検出部23は、LCD31の画面を撮像した場合(ステップS75肯定)、撮像画面からLCD31の画面サイズの画像を切り取り(ステップS76)、切り取られた画像を画像格納領域15Bに格納する(ステップS77)。
更に、暗点異常検出部23は、候補エリアAr及び所定周囲に関わる今回のRGB値差を算出する(ステップS78)。暗点異常検出部23は、候補エリアAr内の同一Y座標上の全画素の指定が完了したか否かを判定する(ステップS79)。暗点異常検出部23は、候補エリアAr内の同一Y座標上の全画素の指定が完了したのでない場合(ステップS79否定)、LCD31の画面を黒パターンに画面表示すべく、ステップS71に移行する。
また、暗点異常検出部23は、候補エリアAr内の同一Y座標上の全画素の指定が完了した場合(ステップS79肯定)、すなわち候補エリアAr内の終了座標までの画素の指定が完了した場合である。そして、暗点異常検出部23は、候補エリアAr内の同一Y座標上の全画素の指定が完了した場合、候補エリアAr内の同一Y座標上の全画素のRGB値差で、今回のRGB値差を算出する(ステップS80)。
暗点異常検出部23は、今回のRGB値差を算出すると、輝点異常の画素を含む候補エリアArがあるか否かを判定する(ステップS81)。暗点異常検出部23は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがある場合(ステップS81肯定)、輝点異常の画素を含む候補エリアArのRGB値差、すなわち輝点異常検出時のRGB値差を候補エリア情報格納領域15Fから読み出す(ステップS82)。
異常識別部24は、今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値を超えたか否かを判定する(ステップS83)。尚、異常識別部24は、候補エリアAr内のY座標毎に今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値差を超えたか否かを判定するものである。異常識別部24は、今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値差を超えた場合(ステップS83肯定)、候補エリアArを異物付着による異常と識別する(ステップS84)。更に、暗点異常検出部23は、全候補エリアAr内の全画素の指定が完了したか否かを判定する(ステップS85)。
また、異常識別部24は、今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値差を超えなかった場合(ステップS83否定)、候補エリアArを暗点異常の画素欠陥による異常と識別する(ステップS86)。暗点異常検出部23は、候補エリアArを暗点異常の画素欠陥による異常と識別されると、全画素の指定が完了したか否かを判定すべく、ステップS85に移行する。また、暗点異常検出部23は、全画素の指定が完了しなかった場合(ステップS85否定)、被試験体3のLCD31に黒色パターンの表示を指示すべく、ステップS71に移行する。
また、異常識別部24は、輝点異常の画素を含む候補エリアArがない場合(ステップS81否定)、候補エリアAr内の同一Y座標上の今回のRGB値差が所定の基準値を超えたか否かを判定する(ステップS87)。尚、異常識別部24は、候補エリアAr内の同一Y座標毎の今回のRGB値差が所定の基準値を超えたか否かを判定するものである。異常識別部24は、今回のRGB値差が所定の基準値を超えた場合(ステップS87肯定)、候補エリアArを異物付着による異常と識別し(ステップS88)、全画素の指定が完了したか否かを判定すべく、ステップS85に移行する。
また、異常識別部24は、今回のRGB値差が所定の基準値を超えなかった場合(ステップS87否定)、候補エリアArを暗点異常の画素欠陥による異常と識別し(ステップS89)、全画素の指定が完了したか否かを判定すべく、ステップS85に移行する。また、暗点異常検出部23は、LCD31の画面を撮像できない場合(ステップS75否定)、LCD31の画面の撮像を継続監視すべく、ステップS75に移行する。
図17に示す暗点異常検出処理では、黒色パターンを表示したまま、候補エリアAr内の画素内の1個の画素を順次指定して指定画素の白色表示を被試験体3のLCD31に順次指示する。更に、暗点異常検出処理では、輝点異常の画素を含む候補エリアArであり、候補エリアAr及び所定周囲に関わる今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値差を超えた場合、候補エリアAr内の同一Y座標上の画素群を異物付着による異常と識別する。その結果、画質検査装置2は、輝点異常の画素を含む候補エリアAr内の同一Y座標上の画素群を異物付着による異常と識別できる。
暗点異常検出処理では、輝点異常の画素を含む候補エリアArで、候補エリアAr及び所定周囲に関わる今回のRGB値差が輝点異常検出時のRGB値差を超えなかった場合、候補エリアAr内の同一Y座標上の画素群を暗点異常の画素欠陥による異常と識別する。その結果、画質検査装置2は、輝点異常の画素を含む候補エリアAr内の同一Y座標上の画素群を暗点異常の画素欠陥による異常と識別できる。
また、暗点異常検出処理では、輝点異常の画素を含まない候補エリアArであり、候補エリアAr及び所定周囲の今回のRGB値差が所定の基準値を超えた場合、候補エリアAr内の同一Y座標上の画素群を異物付着による異常と識別する。その結果、画質検査装置2は、候補エリアAr内の同一Y座標上の画素群を異物付着による異常と識別できる。
また、暗点異常検出処理では、輝点異常の画素を含まない候補エリアArがあり、候補エリアAr及び所定周囲の今回のRGB値差が所定の基準値を超えなかった場合、候補エリアAr内の同一Y座標上の画素群を暗点異常の画素欠陥による異常と識別する。その結果、画質検査装置2は、候補エリアAr内の同一Y座標上の画素群を暗点異常の画素欠陥による異常と識別できる。
実施例2の画質検査装置2は、輝点異常の画素を含む候補エリアAr内の1個の画素を順次に指定し、当該画素が指定される都度、LCD31に黒色パターンを表示させたまま、LCD31に対して当該指定された画素の白表示を指示する。そして、画質検査装置2は、当該候補エリアAr及び所定周囲(前後10画素)に関わるRGB値差を当該候補エリアAr内の全ての画素が指定されるまで順次取得する。画質検査装置2は、これら順次取得された複数のRGB値差に基づき、候補エリアArに関わる今回のRGB値差を算出して取得する。その結果、画質検査装置2は、候補エリアAr内の同一Y座標毎のRGB値差を用いて異物付着による異常及び画素欠陥による異常を識別できる。
尚、上記実施例の画質検査装置2は、撮像部11Aを内蔵したが、撮像部11Aを別体とし、外部インタフェースで撮像部11Aと接続するようにしても良い。
また、上記実施例の画質検査装置2は、候補エリアArの所定範囲を前後10画素としたが、これら数値に限定されるものではない。
また、上記実施例の画質検査装置2は、暗点異常検出処理において黒色パターンに切り替えて候補エリアAr内の画素を1個単位で白表示を指示したが、所定個数単位で白表示を指示しても良い。
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
更に、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。
ところで、本実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、上記実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図18は、画質検査プログラムを実行するコンピュータを示す説明図である。
図18に示す画質検査プログラムを実行するコンピュータ100では、HDD(Hard Disk Drive)110、RAM(Random Access Memory)120、ROM(Read Only Memory)130及びCPU140を有する。更に、コンピュータ100は、操作部150、表示部160及び通信部170を有する。そして、コンピュータ100は、HDD110、RAM120、ROM130、CPU140、操作部150、表示部160及び通信部170がバス180を介して接続される。尚、バス180は、図示せぬ外部インタフェースを通じてカメラ等と外部接続する。
そして、HDD110には、上記実施例と同様の機能を発揮する画質検査プログラムが予め記憶されている。尚、HDD110ではなく、ROM130や、図示せぬドライブでコンピュータ読取可能な記録媒体に画質検査プログラムが記録されていても良い。また、記録媒体としては、例えば、CD−ROM、DVDディスク、USBメモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等でも良い。画質検査プログラムとしては、図18に示すように、抽出プログラム110A、第1取得プログラム110B、第2取得プログラム110C及び識別プログラム110Dである。尚、プログラム110A、110B、110C及び110Dについては、図2に示した画質検査装置2の各構成要素と同様、適宜統合又は分散してもよい。
そして、CPU140が、これらのプログラム110A、110B、110C及び110DをHDD110から読み出してRAM120上で実行する。そして、図18に示すように、各プログラム110A、110B、110C及び110Dは、RAM120上で抽出プロセス120A、第1取得プロセス120B、第2取得プロセス120C及び識別プロセス120Dとして機能するようになる。
CPU140は、検査対象の画面に白色パターンを表示させて、図示せぬカメラで撮像して読み込んだ白色パターンから色異常の候補エリアを抽出する。更に、CPU140は、検査対象の画面に黒色パターンを表示させて、カメラで撮像して読み込んだ黒色パターンから輝点異常の画素を含む候補エリア及び所定周囲に関わる輝点異常検出時の色値、例えば、RGB値差を取得する。更に、CPU140は、検査対象の画面に黒色パターンを表示させて、当該候補エリア内の画素を白表示させて当該候補エリア及び所定周囲に関わる今回の色値、例えば、RGB値差を取得する。
CPU140は、今回の色値が輝点異常検出時の色値を超えた場合に、当該候補エリアを異物付着による異常と識別すると共に、今回の色値が輝点異常検出時の色値を超えなかった場合に、当該候補エリアを暗点の画素欠陥による異常と識別する。その結果、候補エリアを検査対象の画面上の異物付着による異常又は画素欠陥による異常と識別できる。