JP2010151762A - 欠陥検出方法および欠陥検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】欠陥検出方法は、撮像画像に対して欠陥強調処理を行う欠陥強調処理工程と、欠陥を検出する欠陥検出工程とを有している。欠陥強調処理工程ST2は、明欠陥と暗欠陥の一方の欠陥成分にマスク処理を行う欠陥マスク処理工程ST21と検査対象画素を選定する検査対象画素選定工程ST22と、検査対象画素の周囲に比較対象画素を設定する比較対象画素群設定工程ST23と、検査対象画素と比較対象画素との輝度差データを求め、最小輝度差を求める最小輝度差算出工程と、各比較対象画素群に対して算出された最小輝度差の値が最大値を欠陥強調値とする欠陥強調値算出工程ST33とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明によれば、欠陥強調処理工程では、まず、明欠陥および暗欠陥のうちいずれか一方の欠陥成分の領域にマスク処理を実施する欠陥マスク処理工程を実施する。ここでマスク処理される領域とは、当該欠陥検出方法により暗欠陥を検出する場合では、明欠陥であり、当該欠陥検出方法により明欠陥を検出する場合では、暗欠陥である。そして、最小輝度差算出工程では、検査対象画素選定工程で選定された検査対象画素の輝度値と、比較対象画素群設定工程において設定された比較対象画素群の各比較対象画素の輝度値との差分を演算する。このとき、最小輝度差算出工程では、これらの検査対象画素および比較対象画素のうちいずれか一方が、欠陥マスク処理工程においてマスク処理された領域に含まれる場合、すなわち検査対象画素または比較対象画素がマスク画素である場合、輝度差の算出を実施しない。したがって、最小輝度差算出工程では、マスク画素以外の画素を対象として輝度差が演算され、各比較対象画素群における輝度差のうち最小値が求められる。
そして、欠陥強調値算出工程では、これら各比較対象画素群のそれぞれに対して算出された最小輝度差のうち、最大値を選択し、検査対象画素の欠陥強調値とする。
このような本発明の欠陥検出方法では、明欠陥と暗欠陥が混在するような撮像画像に対して、明欠陥および暗欠陥のうちいずれか一方をマスクすることで、マスクされていない他方の欠陥を精度良く検出することが可能となる。すなわち、欠陥マスク処理工程を実施しない場合、例えば、明欠陥の検出において、比較対象画素に暗欠陥があり、検査対象画素が正常な輝度値である場合では、比較対象画素と検査対象画素の輝度値の差が大きくなるため、検査対象画素が明欠陥であると検出される不都合がある。これに対して、本発明では、上記のように、欠陥マスク処理工程により暗欠陥がマスク処理されるため、比較対象画素群に暗欠陥を無視して検査対象画素と比較対象画素との輝度差データを算出することができる。したがって、暗欠陥が混在することによる精度低下を回避することができ、精度のよい欠陥検出を実施することができる。暗欠陥を検出する場合も同様であり、明欠陥をマスク処理することにより、明欠陥を無視した暗欠陥検出処理を実施することができ、測定精度を向上させることができる。
すなわち、検査対象画素部分に欠陥がなく、周囲の画素と輝度差が無い場合には、前記最小輝度差は非常に小さい値になる。また、検査対象画素に欠陥があっても、その欠陥がいずれかの比較対象画素部分まで広がっている場合には、その欠陥部分に含まれる検査対象画素および比較対象画素の輝度差は殆ど無いため、前記最小輝度差も非常に小さい値になる。
一方、検査対象画素に欠陥が存在し、かつ、周囲の比較対象画素には欠陥が無い場合、つまりシミ欠陥が比較対象画素で囲まれるエリア内に納まっている場合には、検査対象画素の輝度値は、いずれの比較対象画素の輝度値とも差があるため、最小輝度差も比較的大きな値になる。これにより、比較対象画素で囲まれるエリア内に納まる大きさのシミ欠陥が存在する場合に、最小輝度差は比較的大きな値となり、欠陥が強調されることになる。
また、本発明では、前記複数の比較対象画素を、複数の比較対象画素群に分けているので、シミ欠陥のほかに線欠陥も検出できる。すなわち、複数の比較対象画素の少なくとも一つと、検出対象画素と重なる線欠陥がある場合、その線欠陥上の各画素の輝度値の差は小さいため、前記最小輝度差も小さな値となり、欠陥を検出することができない。
一方、本発明のように、複数の比較対象画素を、複数の比較対象画素群に分け、各比較対象画素群毎に最小輝度差を算出している場合、各比較対象画素の位置が異なるため、一方の比較対象画素群の比較対象画素に線欠陥が重なってその線欠陥を検出できなくても、他の比較対象画素群の比較対象画素は前記線欠陥と重ならず、その線欠陥を検出できる。
このため、複数の比較対象画素群で算出された各最小輝度差の最大値を、検査対象画素の欠陥強調値とすれば、シミ欠陥および線欠陥の両方の欠陥を強調できる。特に、線欠陥は、いずれかの比較対象画素群で検出できなくても、他の比較対象画素群で検出できるため、線欠陥の角度による検出感度のムラは生じず、検出感度を向上することができる。
また、本発明では、シミ欠陥および線欠陥の両方を同時に検出できるため、シミ欠陥検出フィルタと線欠陥検出フィルタとを別々に用意して検出する場合に比べて、欠陥検出時間も短縮できる。
この比較画素群に含まれる比較対象画素としては、例えば、検査対象画素からの距離が、比較対象画素設定工程にて設定された比較対象画素とは異なる距離に位置する画素を選択するなどすればよい。これには、例えば、検査対象画素に対する比較対象画素の位置を設定するためのフィルタを複数用意し、比較対象画素再設定工程では、比較対象画素設定工程において選択されたフィルタ以外のフィルタを選択することで、容易に比較対象画素群を設定することができる。
このような欠陥検出方法では、上記のように、各比較対象画素群におけるマスク数が所定閾値以上となった場合でも、異なる比較対象画素を設定することで、測定精度の低下などの不都合を防止することができ、測定精度の更なる向上を図ることができる。
一方、当該欠陥検出方法において、明欠陥および暗欠陥の双方を検出する場合、明欠陥および暗欠陥のうちいずれか一方を先に検出し、その後他方を検出することとなる。このとき、本発明では、先に暗欠陥および明欠陥のいずれか一方の検出が完了すると、他方の欠陥検出処理の際、先に出された検出結果に基づいて欠陥マスク処理工程を実施する。
例えば、本発明の欠陥検出方法により、暗欠陥を検出した後、明欠陥を検出する場合、まず、従来の方法を用いて明欠陥を予備検出し、欠陥マスク処理工程では、検出された明欠陥に対してマスク処理を実施し、上述した各工程により精度良く暗欠陥を検出する。その後、明欠陥を検出する際、欠陥マスク処理工程では、先に検出した暗欠陥に対してマスク処理を実施し、上述した各工程により精度良く明欠陥を検出する。このような欠陥検出方法では、後に実施される欠陥検出処理(上記例では、明欠陥検出処理時)において、先に実施した欠陥検出の検出結果を利用することができるため、予備欠陥検出処理が不要となる。このため、処理時間を短縮することができ、処理負荷の低減も図ることができる。
従って、例えば、8個の比較対象画素が設けられている場合には、検査対象画素を中心とする円周方向に45度間隔で配置すればよい。この場合、検査対象画素を中心とする円周方向に1つおきに選択した4つの検査対象画素つまり90度間隔で配置された4つの検査対象画素により第1比較対象画素群を構成し、これらの第1比較対象画素群に含まれない他の4つの検査対象画素により第2比較対象画素群を構成すればよい。
同様に、12個の比較対象画素が設けられている場合には、検査対象画素を中心とする円周方向に30度間隔で配置すればよい。この場合、検査対象画素を中心とする円周方向に2つおきに選択した4つの検査対象画素つまり90度間隔で配置された4つの検査対象画素により第1〜3の比較対象画素群をそれぞれ構成すればよい。
同様に、16個の比較対象画素が設けられている場合には、検査対象画素を中心とする円周方向に22.5度間隔で配置すればよい。この場合、検査対象画素を中心とする円周方向に3つおきに選択した4つの検査対象画素つまり90度間隔で配置された4つの検査対象画素により第1〜4の比較対象画素群をそれぞれ構成すればよい。
4個の比較対象画素を備える2つの比較対象画素群を設定すれば、最小限の比較対象画素によってシミ欠陥および線欠陥を検出できる。このため、フィルタによる欠陥検出処理も短時間で行うことができる。
この欠陥検出装置においても前記欠陥検出方法と同様の作用効果を奏することができる。
本実施形態の欠陥検出装置は、フレキシブル基板や、液晶パネル(TFTパネル)、半導体ウェハなどの被検査物1の欠陥を検出するものである。被検査物1は、XYステージ2上に載置され、平面的に移動可能に構成されている。
欠陥検出装置は、顕微鏡4、CCDカメラ5、コンピューター装置6、表示装置7を備えていえる。
CCDカメラ5は、顕微鏡4を介して被検査物1を撮影する撮像手段である。
コンピューター装置6は、CCDカメラ5を制御し、被検査物1を検出する画像処理手段である。表示装置7は、コンピューター装置6に接続された液晶ディスプレイなどの表示装置である。
すなわち、欠陥マスク領域設定手段615は、明欠陥、暗欠陥の混在する撮像画像においてフィルタ処理による誤検出を低減させるため、所定条件を満たす画素に対してフィルタ処理を行わないようにマスクを設定する。
具体的には、欠陥マスク領域設定手段615は、撮像画像内の明欠陥を検出する場合、撮像画像から暗欠陥成分の存在する領域における輝度データをマスク値で置き換え、マスク画素とする。マスク値としては、マスク画素として認識可能な値であれば特に限定されないが、実施形態では「−1」を採用する。なお、マスク値としては、「−1」に限られず、マスク画素であると容易に認識可能な値であれば、いかなる値に設定されていてもよい。例えば、CCDカメラでは通常、画像の輝度を0から255までの値を数値化するが、カメラによっては0の値は出力されないため、この「0」値をマスク値としてもよい。また、マスクされている画素と、マスクされていない画素の差が明確になればよいため、例えば、マスク専用の画素を用意して、その画素でマスク位置を管理する構成としても良い。
具体的には、比較対象画素群設定手段612は、図5に示すような欠陥強調フィルタを用いて、比較対象画素を設定する。この図5は、撮像画像における検査対象画素に対して設定される比較対象画素の配置位置を示す欠陥強調フィルタの一例を示す図である。このような欠陥強調フィルタは、図示しない記憶手段に予め記憶されているものであり、比較対象画素群設定手段612により適宜読み出されて撮像データに適用される。
また、欠陥強調フィルタとして、図5には、検査対象画素からの比較対象画素までの距離が7画素である欠陥強調フィルタの例を示すが、検査対象画素から比較対象画素までの距離が6画素以内である欠陥強調フィルタや、検査対象画素から比較対象画素までの距離が8画素以上離れている欠陥強調フィルタなどが複数記憶手段に記憶されている。そして、比較対象画素群設定手段612は、比較対象画素群に欠陥マスク領域設定手段615によりマスク処理されたマスク画素が所定閾値以上含まれている場合、記憶手段から現在選択されている欠陥強調フィルタとは異なる他の欠陥強調フィルタを読み出し、撮像データに適用して比較対象画素群を設定する。
最小輝度差算出手段613は、比較対象画素群に含まれる各比較対象画素の輝度値と、前記検査対象画素の輝度値との差である輝度差データを求め、それらの輝度差データのうち、値が最小となる最小輝度差を比較対象画素群毎に求める最小輝度差算出工程を実施するものである。
欠陥強調値算出手段614は、比較対象画素群毎に算出された最小輝度差のうち、値が最大となる最小輝度差を前記検査対象画素の欠陥強調値とする欠陥強調値算出工程を実施するものである。
また、欠陥強調処理手段61で処理された画像に対し、メディアンフィルタなどを適用してノイズ除去処理を行ってから、欠陥抽出手段62による欠陥候補抽出処理を実行してもよい。
次に、本発明の実施の形態による欠陥検出装置の動作について説明する。
図2はこの実施の形態の欠陥検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。図2に示す動作はコンピューター装置6上で実行されるプログラムにより実現されている。
なお、被検査物1が液晶パネルなどの表示パネルの場合、表示パネル上に特定の画像パターンを表示させ、欠陥を検出しやすいようにしてもよい。例えば、暗欠陥を検出しやすいように全画面を白表示する全白画面パターン、明欠陥を検出しやすいように全画面を黒表示する全黒画面パターン、中間調の画面パターン等があり、検出したい欠陥種類に応じて適宜設定すればよい。
この欠陥マスク領域設定工程では、明欠陥を検出する場合は予め暗欠陥にマスクを施し、暗欠陥を検出する場合は予め明欠陥にマスクを施す。なお、本実施形態では、まず、暗欠陥を検出する暗欠陥検出処理を実施し、暗欠陥検出処理の後に明欠陥検出処理を実施するものとする。したがって、欠陥マスク領域設定工程において、まず、明欠陥に対してマスクを施す処理を実施する。
この欠陥マスク領域設定工程では、マスク処理を実施するための画素を検出する予備欠陥検出工程を実施した後、検出された欠陥に対してマスク処理を実施する欠陥マスク処理工程を実施する。ここで、予備欠陥検出工程としては、従来の明欠陥検出方法を利用することができるが、本実施形態では、図4に示すST211〜ST218による予備欠陥検出工程を実施する。
本実施形態では、CCDカメラ5の各撮像画素単位で対象画素を選定するようにされている。
すなわち、欠陥強調処理手段61は、図5に示すような欠陥強調フィルタを撮像データに適用し、検査対象画素Oを中心とする円周方向に8個の比較対象画素S1〜S8を設定し、さらに、これらの比較対象画素S1〜S8を2つの比較対象画素群に分けて設定する。
具体的には、検査対象画素Oを挟んで上下(縦方向)に比較対象画素S1,S5が配置され、検査対象画素Oを挟んで左右(横方向)に比較対象画素S7,S3が配置されている。また、検査対象画素Oを挟んで斜め方向(右斜め上から左斜め下方向)に比較対象画素S2,S6が配置され、検査対象画素Oを挟んで斜め方向(左斜め上から右斜め下方向)に比較対象画素S8,S4が配置されている。
そして、各比較対象画素S1およびS5、比較対象画素S2およびS6、比較対象画素S3およびS7、比較対象画素S4およびS8は、検査対象画素Oを中心とした点対称位置に設定されている。
F3=O−S3 (式2)
F5=O−S5 (式3)
F7=O−S7 (式4)
D1=Min(F1,F3,F5,F7) (式5)
さらに、最小輝度差算出手段613は、以下の式10を用いて、第2の比較対象画素群の各輝度差データF2,F4,F6,F8のうち、値が最小となる最小輝度差D2を求める。
F4=O−S4 (式7)
F6=O−S6 (式8)
F8=O−S8 (式9)
D2=Min(F2,F4,F6,F8) (式10)
F3=S3−O (式12)
F5=S5−O (式13)
F7=S7−O (式14)
F2=S2−O (式15)
F4=S4−O (式16)
F6=S6−O (式17)
F8=S8−O (式18)
すなわち、欠陥抽出手段62は、明欠陥強調画像における明欠陥を切り出す閾値を設定し、明欠陥候補の領域を切り出す。この際、欠陥抽出手段62は、明欠陥強調結果に対しては明欠陥閾値以上の領域を明欠陥領域として検出する。
ここで、各閾値は、画像の状況に合わせて最適な値を設定すればよい。例えば、欠陥強調画像の平均値と、その標準偏差を求め、以下の式で閾値を設定してもよい。
ここで、計数手段616は、第1の比較対象画素群に含まれるでマスク画素の数(第1マスク数)をカウントする第1計数工程と、第2の比較対象画素群に含まれるマスク画素の数(第2マスク数)をカウントする第2計数工程を実施する。
F3=S3−O (式20)
F5=S5−O (式21)
F7=S7−O (式22)
D1=Min(F1,F3,F5,F7) (式23)
F4=S4−O (式25)
F6=S6−O (式26)
F8=S8−O (式27)
D2=Min(F2,F4,F6,F8) (式28)
また、このST32の後、欠陥強調処理手段61は、再び計数工程ST24から、最小輝度差算出処理(ST25〜ST32)を実施する。
以上により欠陥強調処理工程ST2が終了する。
この欠陥候補抽出工程では、上述したST217と略同様の処理により、欠陥候補を抽出することができる。
欠陥判別手段63で求められた欠陥ランクは、表示装置7に表示され、検査員は被検査物1の欠陥ランクを容易に把握することができる。
すなわち、上記ST1〜ST4により暗欠陥が検出されている場合では、明欠陥検出時に、ST211〜217の予備欠陥検出工程を実施する必要がなく、ST1〜ST4により検出された暗欠陥に対して、ST218の処理、すなわち暗欠陥をマスク処理してマスク画素とすることができ、処理の迅速化を計ることができる。
本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)コンピューター装置6において、欠陥強調処理手段61の欠陥マスク領域設定手段615は、明欠陥および暗欠陥のうち、検査対象となる欠陥以外の画素、例えば暗欠陥を検出する際には、明欠陥を、明欠陥を検出する際には暗欠陥をマスク処理してマスク画素とする。そして、検査対象画素選定手段611は、検査対象画素Oを選択する。また、比較対象画素群設定手段612は、検査対象画素Oの周囲に複数の上記比較対象画素S1〜S8を配置し、かつ、これらの上記比較対象画素S1〜S8を2つの比較対象画素群に分けて設定する。さらに、最小輝度差算出手段613は、各比較対象画素群のうち、マスク画素でない比較対象画素S1〜S8と、前記検査対象画素Oの輝度値との輝度値との差を求め、比較対象画素群ごとに輝度差データが最も小さい最小輝度差D1,D2を算出する。そして、欠陥強調値算出手段614は、これらの最小輝度差D1,D2のうち、値が大きいものを検査対象画素Oの欠陥強調値としている。
このため、撮像データ内に、明欠陥および暗欠陥が混在している場合でも、検査対象以外の欠陥をマスク処理することで、通常画素が欠陥と見なされる誤検出などを防止でき、欠陥検出精度を向上させることができる。また、明欠陥と暗欠陥とが混在しないため、欠陥強調値の絶対値のみにより、明欠陥候補を容易に検出することができる。
これに加え、各比較対象画素群において最小輝度差を求めることで、各比較対象画素群において、前記検査対象画素Oを含み、かつ、比較対象画素で囲まれる領域内にあるシミ欠陥と、各検査対象画素Oおよびいずれかの比較対象画素を通る線欠陥以外の線欠陥とを強調することができる。また、各比較対象画素群は、比較対象画素の位置が互いに異なるため、一方の比較対象画素群では強調できない線欠陥も、他方の比較対象画素群において強調できるため、各比較対象画素群の最小輝度差のうち、値が大きいものを検査対象画素Oの欠陥強調値とすることで、シミ欠陥および線欠陥を強調して検出することができる。
比較対象画素にマスク画素が多い場合、最小輝度差D1,D2を求めるための輝度差データの数が減少し、測定精度や信頼性が悪化する。これに対して、上記実施形態では、このような場合、最小輝度差D1,D2を求めず、0に設定することで、測定精度や信頼性の低下を防止することができる。
また、上記したように、シミ欠陥がある場合においても、シミ欠陥の面積に応じた適切な欠陥強調フィルタを選択することができ、シミ欠陥に対する測定精度を向上させることができる。
このため、ST211〜ST217の予備欠陥検出工程を省略することができ、処理の迅速化を図ることができる。
すなわち、検査対象画素Oがマスク画素である場合は、どのようなフィルタに変更した場合でも、上記式19〜27による計算が実施されず、0が出力される。このような場合、欠陥強調フィルタを複数回変更することは、処理時間の無駄となる。これに対して、本実施形態では、検査対象画素Oがマスク画素である場合には、ST32のフィルタ変更処理を実施せず、最小輝度値D1,D2として0を出力するので、処理の迅速化を図ることができる。
(6)本実施形態では、欠陥強調値は、検査対象画素Oの輝度値と、比較対象画素S1〜S8の輝度値との差で算出され、検査対象画素Oおよび比較対象画素S1〜S8間にある点の輝度値は利用されていない。このため、シミ欠陥が、比較対象画素S1〜S8で囲まれるエリアよりも小さく、かつ検査対象画素Oを含むものであれば、欠陥のサイズがある程度変化しても、従来の検査員の目視による判定と同様に欠陥を検出できる。このため、検査対象画素Oおよび比較対象画素S1〜S8の距離サイズはあまり細かく設定する必要が無く、容易に設定できる。
例えば、欠陥を強調するための欠陥強調フィルタにおける検査対象画素Oと比較対象画素S1〜S8との距離は、上述したように、いかなる距離に設定されていてもよく、検出対象となるシミ欠陥の大きさに応じて設定すればよい。
さらに、比較対象画素が円周方向に沿って配置される欠陥強調フィルタ例を示したが、例えば、楕円形状に沿って比較対象画素が配置される欠陥強調フィルタや、矩形形状に沿って比較対象画素が配置される欠陥強調フィルタなど、比較対象画素がランダム配置された欠陥強調フィルタなどを用いてもよい。
例えば、図6に示すように、12個の比較対象画素S11〜S14,S21〜S24,S31〜S34を設け、検査対象画素Oを中心とする円周方向において90度間隔で配置された各比較対象画素S11〜S14,S21〜S24,S31〜S34毎に比較対象画素群を構成して、3つの比較対象画素群を設けた欠陥強調フィルタを用いてもよい。
この場合、各比較対象画素群において各比較対象画素S11〜S18、S21〜S28は45度間隔で配置されるため、90度間隔で配置される前記実施形態などに比べると、検出できる線欠陥の幅寸法が小さくなる。つまり、線欠陥を検出する場合には、線欠陥が各比較対象画素間の隙間を通る必要がある。このため、45度間隔で比較対象画素が配置されると、それらの隙間を通る線欠陥の幅寸法も小さくなる。従って、検出する線欠陥の幅寸法を制限する場合には、図8のようなフィルタを利用すればよい。
Claims (9)
- 被検査物を撮像した撮像画像に対して欠陥強調処理を行う欠陥強調処理工程と、
前記欠陥強調処理工程で得られた各画素の欠陥強調値に基づいて欠陥を検出する欠陥検出工程と、を有し、
前記欠陥強調処理工程は、前記撮像画像の明欠陥および暗欠陥のうちいずれか一方の欠陥成分の領域にマスク処理を行う欠陥マスク処理工程と
前記撮像画像において検査対象画素を順次選定する検査対象画素選定工程と、
選定された検査対象画素の中心から所定距離離れた比較対象画素を検査対象画素の周囲に複数配置し、これらの比較対象画素を複数の比較対象画素群に分けて設定する比較対象画素群設定工程と、
前記比較対象画素群に含まれる各比較対象画素のうち、前記欠陥マスク処理工程でマスク処理されなかった比較対象画素の輝度値と、前記検査対象画素の輝度値との差である輝度差データを求め、それらの輝度差データのうち、値が最小となる最小輝度差を比較対象画素群毎に求める最小輝度差算出工程と、
比較対象画素群毎に算出された最小輝度差のうち、値が最大となる最小輝度差を前記検査対象画素の欠陥強調値とする欠陥強調値算出工程と、
を備えることを特徴とする欠陥検出方法。 - 請求項1に記載の欠陥検出方法において
前記比較対象画素群設定工程により設定された各比較対象画素群に含まれる前記比較対象画素のうち、前記欠陥マスク処理工程においてマスク処理されたマスク画素の数をカウントする計数工程を備え、
前記最小輝度差算出工程は、前記計数工程によりカウントされる前記マスク画素の数が、所定閾値未満である場合、この比較対象画素群に対する前記最小輝度差を算出する
ことを特徴とする欠陥検出方法。 - 請求項2に記載の欠陥検出方法において、
全ての前記比較対象画素群に対して前記マスク画素数が、前記閾値以上である場合、前記比較対象画素設定工程にて設定された前記比較対象画素群とは異なる画素位置の比較対象画素を複数配置した比較対象画素群を設定する比較対象画素再設定工程を備える
ことを特徴とする欠陥検出方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の欠陥検出方法において、
前記欠陥マスク処理工程は、当該欠陥検出方法に検出された明欠陥および暗欠陥のうちいずれか一方に対してマスク処理を実施する
ことを特徴とする欠陥検出方法。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の欠陥検出方法において、
前記比較対象画素群設定工程は、
前記複数の比較対象画素として、4×n個(nは2以上の整数)の比較対象画素を選定し、
これらの比較対象画素を、検査対象画素を中心とする円周方向において90度間隔で配置された4個の比較対象画素毎に選択して各比較対象画素群を設定する
ことを特徴とする欠陥検出方法。 - 請求項5に記載の欠陥検出方法において、
前記比較対象画素群設定工程は、
前記複数の比較対象画素として、検査対象画素を中心とする円周方向において45度間隔で配置された8個の比較対象画素を選定し、
これらの8個の比較対象画素を、検査対象画素を中心とする円周方向において90度間隔で配置された4個の比較対象画素毎に選択して第1比較対象画素群および第2比較対象画素群を設定する
ことを特徴とする欠陥検出方法。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の欠陥検出方法において、
前記最小輝度差算出工程は、
欠陥部分の輝度が、周囲の輝度よりも高くなる明欠陥を検出する場合には、前記検査対象画素の輝度値から比較対象画素の輝度値を引いて輝度差データを求め、それらの輝度差データの最小輝度差を求め、
欠陥部分の輝度が、周囲の輝度よりも低くなる暗欠陥を検出する場合には、前記比較対象画素の輝度値から検査対象画素の輝度値を引いて輝度差データを求め、それらの輝度差データの最小輝度差を求めることを特徴とする欠陥検出方法。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の欠陥検出方法において、
前記欠陥検出工程は、前記検査対象画素での欠陥強調値を所定の閾値と比較して欠陥候補画素を抽出し、その欠陥候補画素によって構成される欠陥候補領域の特徴量から欠陥内容を判別することを特徴とする欠陥検出方法。 - 被検査物を撮像した撮像画像に対して欠陥強調処理を行う欠陥強調処理手段と、
前記欠陥強調処理手段で得られた各画素の欠陥強調値に基づいて欠陥を検出する欠陥検出手段と、を有し、
前記欠陥強調処理手段は、前記撮像画像の明欠陥および暗欠陥のうちいずれか一方の欠陥成分の領域にマスク処理を行う欠陥マスク処理手段と
前記撮像画像において検査対象画素を順次選定する検査対象画素選定手段と、
選定された検査対象画素の中心から所定距離離れた比較対象画素を検査対象画素の周囲に複数配置し、これらの比較対象画素を複数の比較対象画素群に分けて設定する比較対象画素群設定手段と、
前記比較対象画素群に含まれる各比較対象画素のうち、前記欠陥マスク処理工程でマスク処理されなかった比較対象画素の輝度値と、前記検査対象画素の輝度値との差である輝度差データを求め、それらの輝度差データのうち、値が最小となる最小輝度差を比較対象画素群毎に求める最小輝度差算出手段と、
比較対象画素群毎に算出された最小輝度差のうち、値が最大となる最小輝度差を前記検査対象画素の欠陥強調値とする欠陥強調値算出手段と、
を備えることを特徴とする欠陥検出装置。
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