JP2006258713A - シミ欠陥検出方法及び装置 - Google Patents

シミ欠陥検出方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 シミ欠陥を高精度に検出できるシミ欠陥検出方法及び装置を提供する。
【課題手段】 シミ欠陥検出方法は、撮像した画像の各画素に対してシミ欠陥強調フィルタをかけてシミ欠陥を強調するシミ欠陥強調処理工程S5と、前記シミ欠陥強調処理工程で得られた各画素のシミ欠陥強調値に基づいてシミ欠陥を検出するシミ欠陥検出工程とを有する。シミ欠陥強調処理工程S5は、撮像画像において選択された対象画素から所定距離離れてかつ対象画素の周囲に配置された各輝度比較画素を、対象画素を挟んで対称位置に配置された2つの輝度比較画素毎のセットに分け、対象画素の輝度値と各セットの2つの輝度比較画素の平均輝度値との差の値を求め、各セットの差の値のうち、絶対値が最小となる値を対象画素のシミ欠陥強調値とする。そして、各画素のシミ欠陥強調値を所定の閾値と比較してシミ欠陥候補の画素を抽出してシミ欠陥を検出する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液晶パネル等の表示デバイスやその応用製品であるプロジェクタ等の製造における検査工程等の各種製品の検査工程において、シミ欠陥を精度よく自動的に検出するシミ欠陥検出方法及び装置に関する。
TFTパネル等のLCDパネル検査においてシミやムラと呼ばれる面系欠陥は、形状が不定でありコントラストも低いため、検査装置で自動検出することは困難であった。このため、検査は未だ検査員の目視で行われているのが現状であり、製造コスト削減のために検査の自動化が急務になっている。
なお、シミやムラ欠陥とは、表示画面のある領域が他の領域と輝度の差がある状態であり、ある程度の範囲で、周りに比べて明るい部分や暗い部分がある状態をいう。なお、通常、欠陥面積が比較的狭い場合をシミ欠陥、比較的大きい場合をムラ欠陥と呼ぶことが多い。但し、厳密な定義はないため、本発明では、シミ欠陥やムラ欠陥などの面系欠陥を総称してシミ欠陥と称する。
従来、シミ欠陥の検出を自動化する方法として、2次微分フィルタを用いて強調処理することでシミ欠陥を検出する方法が既に提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開2004−53477号公報 特開2003−14580号公報 特開2001−243473号公報 特開2000−111492号公報
しかしながら、特許文献1,4では、2次微分フィルタで考慮されているのは、画面における縦方向および横方向の成分のみであり、斜め方向の成分は考慮されていないため、処理時間を短縮できるが、シミ欠陥の検出精度を向上させることができないという問題があった。
また、特許文献2では、縦方向および横方向だけでなく、斜め方向も考慮されているが、輝度の変化が大きい部分に反応するようにフィルタが設定されているため、エッジ部分にも反応してしまい、シミでない部分も同時に検出してしまうため、シミ欠陥の検出精度が低下するという問題があった。

さらに、特許文献3では、シミ欠陥の平均輝度とその外周の平均輝度値との差をとり、その輝度差をシミ検出閾値と比較して検出しているため、点状ムラの周辺部付近で、検出すべきシミ欠陥の成分とは逆方向成分が発生し、これを誤検出する可能性がある(例えば白いシミ欠陥の場合には黒いシミ欠陥を検出)。また、同じ画面上にスジ状欠陥が存在する場合、シミ欠陥と同時にスジ状欠陥も検出する可能性があり、シミ欠陥の検出精度を上げられないという問題点がある。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、シミ欠陥を高精度に検出することができるシミ欠陥検出方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明のシミ欠陥検出方法は、撮像した画像の各画素に対してシミ欠陥強調フィルタをかけてシミ欠陥を強調するシミ欠陥強調処理工程と、前記シミ欠陥強調処理工程で得られた各画素のシミ欠陥強調値に基づいてシミ欠陥を検出するシミ欠陥検出工程とを有し、前記シミ欠陥強調処理工程は、撮像画像において選択された対象画素から所定距離離れてかつ対象画素の周囲に配置された各輝度比較画素を、前記対象画素を挟んで対称位置に配置された2つの輝度比較画素毎のセットに分け、前記対象画素の輝度値と各セットの2つの輝度比較画素の平均輝度値との差の値を求め、各セットの差の値のうち絶対値が最小となるものを対象画素のシミ欠陥強調値とするシミ欠陥強調フィルタを用いてシミ欠陥を強調し、前記シミ欠陥検出工程は、前記各画素のシミ欠陥強調値を所定の閾値と比較してシミ欠陥候補の画素を抽出してシミ欠陥を検出することを特徴とする。
本発明では、シミ欠陥強調処理工程において、対象画素から所定距離離れて、かつ、対象画像の周囲に配置された輝度比較画素の輝度値に基づいてシミ欠陥を強調するシミ欠陥強調フィルタを用いて処理しているので、例えば、輝度比較画素を対象画素に対して上下左右のみに配置した場合に比べて、面状に広がるシミを確実に検出することができる。
また、本発明のシミ欠陥強調フィルタは、前記各輝度比較画素を、前記対象画素を挟んで対称位置に配置された2つの輝度比較画素毎のセットに分け、前記対象画素の輝度値と各セットの2つの輝度比較画素の平均輝度値との差の値を求めている。
このため、例えば、前記各輝度比較画素内に周囲に比べて明るいシミ欠陥が生じている場合、前記対象画素の輝度値は、各輝度比較画素の輝度平均値に比べて大きくなり、それらの差の絶対値も大きな値になる。
一方、前記対象画素およびセットとされた2つの輝度比較画素を通るスジ状欠陥が生じている場合、各画素の輝度値は殆ど同じになるため、前記差の絶対値も小さな値になる。同様に、対象画素を含む欠陥の一部が輝度比較画素にも達していると、その輝度比較画素を含むセットの輝度平均値が高くなり、対象画素の輝度平均値に近づくため、差の絶対値は小さくなる。
従って、各輝度比較画素セットの輝度平均値と対象画素の輝度値の差の値を求め、各セットの差の値のうち、その絶対値が最小になるものを選択して対象画素のシミ欠陥強調値とすれば、スジ状欠陥がある場合や、輝度比較画素の一部が欠陥に含まれている場合には、シミ欠陥強調値が小さくなり、輝度比較画素で囲まれたエリア内にシミ欠陥が納まっている場合のみシミ欠陥強調値が大きくなる。このため、シミ欠陥強調値を所定の閾値と比較すれば、シミ欠陥のみを高精度に検出することができる。
その上、対象画素を挟んで点対称の位置に配置された2つの輝度比較画素の輝度値における平均値を求めているので、背景のシェーディングの影響を軽減でき、シミ欠陥をより高精度に検出することができる。すなわち、背景のシェーディングの影響によって、対象画素を挟んで点対称の位置に配置された2つの輝度比較画素の一方は輝度値が高くなり、他方は小さくなることが多い。従って、これらの2つの輝度比較画素の平均輝度値を求めることでシェーディングの影響を平滑化でき、シミ欠陥をより高精度に検出することができる。
本発明のシミ欠陥検出方法においては、前記シミ欠陥強調処理工程の後に、メディアンフィルタを掛けてノイズを除去した後、前記シミ欠陥検出工程を実行することが好ましい。
メディアンフィルタとしては、例えば3×3の9画素の各輝度値のメディアン値(中央値)を3×3の中心に位置する対象画素の輝度値とするようなメディアンフィルタを利用すればよい。
このようなメディアンフィルタを用いることで、シミ欠陥以外のノイズを除去することができ、シミ欠陥をより高精度に検出することができる。
本発明のシミ欠陥検出方法において、前記シミ欠陥強調処理工程の前に、検査対象を撮像する撮像工程と、撮像した画像から予め作成しておいた背景画像との差をとる背景画像差分処理工程と、画像から表示エリアの抽出を行う表示エリア抽出工程と、抽出された画像に対して縮小画像を作成する縮小画像作成工程とを実行し、前記シミ欠陥強調処理工程は、前記縮小画像作成工程で作成された縮小画像に対してシミ欠陥強調フィルタをかけることが好ましい。
ここで、背景画像とは、検査対象に生じる欠陥以外のシミ等の影響を除去するために用意されるものであり、例えば、20枚程度の良品サンプル画像を平均化したものなどが利用される。
本発明では、背景画像差分処理工程、表示エリア抽出工程により、検査対象以外の影響、例えば、撮像するために用いられる照明やレンズ等の検査対象以外のものによって生じるシミムラ等の影響を無くすことができ、シミ欠陥を効果的に検出できる。また、縮小画像作成工程で縮小画像を作成できるので、シミ欠陥強調フィルタに対する相対的なシミ欠陥サイズを変更することができ、シミ欠陥のサイズに応じた複数種類のフィルタを用意しなくても、各種サイズのシミ欠陥を検出できる。
本発明のシミ欠陥検出方法において、前記シミ欠陥検出工程は、前記シミ欠陥強調処理工程で得られる各画素のシミ欠陥強調値を所定の閾値と比較してシミ欠陥候補の画素を抽出するシミ欠陥抽出処理工程と、前記シミ欠陥候補の特性値を求めるblob処理を行うblob処理工程と、前記blob処理工程により求められたシミ欠陥候補の特性値に基づいてシミ欠陥のランクを分類する欠陥ランク分類工程と、を備えることが好ましい。
シミ欠陥強調値を所定の閾値と比較してシミ欠陥候補の画素を抽出しているので、欠陥候補の判定を短時間で容易に行うことができる。また、抽出されたシミ欠陥候補の情報に基づいてシミ欠陥を評価しているので、欠陥を客観的に評価でき、ランク付けも行うことができるので、不良品を容易に判定できる。
本発明のシミ欠陥検出方法において、前記シミ欠陥強調処理工程は、前記対象画素から輝度比較画素までの距離が異なる複数種類のシミ欠陥強調フィルタを各画素に対して適用し、各フィルタによって得られるシミ欠陥強調値のうち、その絶対値が最大のものをその対象画素のシミ欠陥強調値とすることが好ましい。
シミ欠陥強調フィルタは、対象画素と輝度比較画素の距離を適宜設定することで、検出可能なシミ欠陥の大きさを設定できるので、検出したいサイズのシミ欠陥を容易に検出できる。その上、シミ欠陥強調値の絶対値が最大となるものを抽出しているので、各シミ欠陥強調フィルタの強調結果を合成した際に、各サイズのシミ欠陥を確実に検出することができる。このため、各シミ欠陥強調フィルタの強調結果を個別に評価する必要が無く、合成結果のみを評価すればよいので、様々なサイズのシミ欠陥を容易に検出・評価することができる。
本発明のシミ欠陥検出方法において、前記シミ欠陥強調処理工程前に、撮像画像の複数段階の縮小画像を作成する縮小画像作成工程を実施し、前記シミ欠陥強調処理工程は、縮小画像作成工程で作成された各縮小画像に対して前記シミ欠陥強調フィルタを適用し、各フィルタによって得られる各縮小画像における各画素のシミ欠陥強調値のうち、その絶対値が最大のものをその画素のシミ欠陥強調値とすることが好ましい。
複数段階の縮小画像を作成すれば、同一のシミ欠陥のサイズをそれぞれ異ならせることができる。このため、1種類のシミ欠陥強調フィルタを用いても、複数段階の縮小画像に適用することで、様々なサイズのシミ欠陥を検出することができる。
本発明のシミ欠陥検出装置は、撮像した画像の各画素に対してシミ欠陥強調フィルタをかけてシミ欠陥を強調するシミ欠陥強調処理手段と、前記シミ欠陥強調処理手段で得られた各画素のシミ欠陥強調値に基づいてシミ欠陥を検出するシミ欠陥検出手段とを有し、前記シミ欠陥強調処理手段は、撮像画像において選択された対象画素から所定距離離れてかつ対象画素の周囲に配置された各輝度比較画素を、前記対象画素を挟んで対称位置に配置された2つの輝度比較画素毎のセットに分け、前記対象画素の輝度値と各セットの2つの輝度比較画素の平均輝度値との差の値を求め、各セットの差の値のうち、その絶対値が最小となるものを選択して対象画素のシミ欠陥強調値とするシミ欠陥強調フィルタを用いてシミ欠陥を強調し、前記シミ欠陥検出手段は、前記各画素のシミ欠陥強調値を所定の閾値と比較してシミ欠陥候補の画素を抽出してシミ欠陥を検出することを特徴とする。
本発明では、シミ欠陥強調処理手段において、対象画素から所定距離離れて、かつ、対象画像の周囲に配置された輝度比較画素の輝度値に基づいてシミ欠陥を強調するシミ欠陥強調フィルタを用いて処理しているので、面状に広がるシミを確実に検出することができる。
また、前記各輝度比較画素を、前記対象画素を挟んで対称位置に配置された2つの輝度比較画素毎のセットに分け、前記対象画素の輝度値と各セットの2つの輝度比較画素の平均輝度値との差の値を求め、各セットの差の値のうち、絶対値が最小になるものを選択しているので、スジ状欠陥がある場合や、輝度比較画素の一部が欠陥に含まれている場合には、シミ欠陥強調値が小さくなり、輝度比較画素で囲まれたエリア内にシミ欠陥が納まっている場合のみシミ欠陥強調値が大きくすることができる。このため、シミ欠陥強調値を所定の閾値と比較すれば、シミ欠陥のみを高精度に検出することができる。
その上、対象画素を挟んで点対称の位置に配置された2つの輝度比較画素の輝度値における平均値を求めているので、背景のシェーディングの影響を軽減でき、シミ欠陥をより高精度に検出することができる。
本発明のシミ欠陥検出装置においては、検査対象を撮像する撮像手段と、撮像した画像から予め作成しておいた背景画像との差をとる背景画像差分処理手段と、画像から表示エリアの抽出を行う表示エリア抽出手段と、縮小画像を作成する縮小画像作成手段とを備え、前記シミ欠陥強調処理手段は、前記縮小画像作成手段で作成された縮小画像に対してシミ欠陥強調フィルタをかけることが好ましい。
本発明では、背景画像差分処理手段、表示エリア抽出手段により、検査対象以外の影響、例えば、撮像するために用いられる照明やレンズ等の検査対象以外のものによって生じるシミムラ等の影響を無くすことができ、シミ欠陥を効果的に検出できる。また、縮小画像作成工程で縮小画像を作成できるので、シミ欠陥強調フィルタに対する相対的なシミ欠陥サイズを変更することができ、シミ欠陥のサイズに応じた複数種類のフィルタを用意しなくても、各種サイズのシミ欠陥を検出できる。
図1は本発明の実施の形態に係るシミ欠陥検出装置の構成を示すブロック図である。
図1において、1は検査対象である液晶パネル(液晶ライトバルブ)、2は画像投影装置であるプロジェクタであり、液晶パネル1を外部からセットできるようになっている。3は液晶パネル1に各種パターンを出力するパターン生成装置であるパターンジェネレータ、4はスクリーン、5はスクリーン4に投影された画像を撮影する撮像手段であるCCDカメラであり、液晶パネル1の解像度以上の解像度を有するCCDを搭載している。6はパターンジェネレータ3及びCCDカメラ5を制御し、液晶パネル1のシミ欠陥を検出する画像処理手段であるコンピュータ装置、7はコンピュータ装置6に接続された表示装置である。
コンピュータ装置6は、画像入力手段60と、背景画像差分処理手段61と、表示エリア抽出手段62と、縮小画像作成手段63と、シミ欠陥強調処理手段64と、ノイズ除去手段65と、シミ欠陥抽出処理手段66と、blob処理手段67と、欠陥ランク分類処理手段68とから構成されている。
コンピュータ装置6の画像入力手段60には、CCDカメラ5で撮像された取込画像の画像データが入力される。その取込画像は図示しない記憶手段に記憶される。従って、画像入力手段60によってCCDカメラ5を用いて検査対象を撮像する撮像工程(画像入力工程)が実施される。
背景画像差分処理手段61は、入力画像と予め作成された背景画像との差を取って検査対象以外のものによって生じる欠陥状の輝度変化を除去した背景差分画像を得る背景画像差分処理工程を実施する。表示エリア抽出手段62は、背景差分画像から被検査部の画像部分だけを抽出する表示エリア抽出工程を実施する。CCDカメラ5で検査対象であるTFTパネルを撮像した際に、TFTパネル全体を撮像するにはパネル周囲も多少写さなければならない。このため撮像画像におけるパネル投影画像の周囲には、パネルとは関係のないデータが存在し、また投影画像も長方形ではなく歪んでいる。このため、表示エリア抽出手段62は、TFTパネル投影画像の部分のみを切り出す処理を行い、検査対象画像を作成する。
縮小画像作成手段63は、表示エリア抽出手段62で抽出された画像から縮小画像を作成する縮小画像作成工程を実施する。例えば、縮小画像作成手段63は、撮像画像において比較的大きなシミ欠陥を検出するために、撮像した画像を1/8サイズに縮小する処理を行う。後述するように、シミ欠陥強調処理手段64で使用するシミ欠陥強調フィルタは、それぞれ強調可能なシミの大きさがある程度決められている。このため、同一のシミ欠陥強調フィルタを利用していても、画像自体を縮小してシミ欠陥の大きさも小さくすることで、画像を縮小しない場合に比べて、相対的に大きなシミ欠陥を検出することができる。なお、小さなシミ欠陥を検出する場合には、縮小画像作成手段63による縮小画像作成工程を実施しなくてもよい。
シミ欠陥強調処理手段64は、画像に対してシミ欠陥強調フィルタ(シミ欠陥検出フィルタ)を適用してシミ欠陥を強調して検出するシミ欠陥強調処理工程を実施する。
ノイズ除去手段65は、シミ欠陥強調処理手段64で得られた結果に対してメディアンフィルタを適用してノイズを除去するノイズ除去工程を実施する。
シミ欠陥抽出処理手段66は、ノイズ除去手段65で処理された結果を所定の閾値と比較してシミ欠陥候補を抽出する。なお、シミ欠陥には、他の画素部分に対して輝度値が高い白シミ欠陥と、輝度値が低い黒シミ欠陥とがある。このため、閾値としては、白シミ欠陥閾値と、黒シミ欠陥閾値とが設定され、白シミ欠陥閾値と比較することで白シミ欠陥候補が抽出され、黒シミ欠陥閾値と比較することで黒シミ欠陥候補が抽出される。
blob処理手段67は、欠陥候補として抽出した領域の面積と、平均輝度を求めるblob処理工程を実施する。
欠陥ランク分類処理手段68は、blob処理手段67で求めた面積および平均輝度に基づいてシミ欠陥のランクを評価し、今回の検査対象がどの欠陥ランクに該当するかを分類する欠陥ランク分類工程を実施する。
従って、本実施形態では、シミ欠陥抽出処理手段66、blob処理手段67、欠陥ランク分類処理手段68により、シミ欠陥検出手段が構成されている。
次に、本発明の実施の形態によるシミ欠陥検出装置の動作について説明する。
図2はこの実施の形態のシミ欠陥検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。図2に示す動作はコンピュータ装置6上で実行されるプログラムにより実現されている。
まず、プロジェクタ2に検査対象の液晶パネル1をセットし、コンピュータ装置6によりパターンジェネレータ3を制御して液晶パネル1上に特定の明るさのパターンを表示させ、それをプロジェクタ2によりスクリーン4に投影する。そして、スクリーン4上に投影された画像をCCDカメラ5で撮影し、その撮影データの画像をコンピュータ装置6に出力し、コンピュータ装置6によりシミ欠陥検出処理を行い、液晶パネル1のシミ欠陥の検出結果を表示装置7に表示する。
ここで、コンピュータ装置6によるシミ欠陥検出の動作について図2のフローチャートに基づいて説明する。
まず、スクリーン4上に投影された画像をCCDカメラ5で撮影し、その撮影データの画像がコンピュータ装置6の画像入力手段60に取り込まれ、画像入力工程(撮像工程)が行われる(ステップS1)。このとき撮影データは、図示しないA/D変換器により、4096階調(12ビット)のデジタルデータとして、コンピュータ装置6に取り込まれる。
次に、背景画像差分処理手段61は、取り込まれた画像データの中から、照明やレンズなど液晶パネル以外のものによって生じる欠陥状の輝度変化を除去するための背景画像差分処理工程を行う(ステップS2)。
この背景画像差分処理工程は、図3(A)に示す入力画像(投影画像)から図3(B)に示す背景画像を減算して、図3(C)に示す背景差分画像を作成する。背景画像は、液晶パネル1を除いた光学系の輝度変化の画像である。投影ランプや投射レンズによる欠陥上の輝度変化は、入力画像および背景画像の両方に生じるため、入力画像から背景画像を減算すれば、背景差分画像においては、投影ランプや投射レンズなど液晶パネル以外のものによって生じる欠陥上の輝度変化成分は除去される。
続いて、表示エリア抽出手段62は、被検査部の画面部分だけを抽出する表示エリア抽出処理工程を行う(ステップS3)。
表示エリア抽出処理工程は、図4(A)に示す被検査部画像(背景差分画像)の四隅の座標をパターンマッチング処理(画像データの四隅付近の数十画素×数十画素の4つの小領域に対して、それぞれ予め用意した4つの隅基準画像とパターンマッチング処理を行い、四隅の座標を特定する)により検出し、この四隅の座標の位置関係が長方形になるようにアフィン変換することで表示エリアを抽出する。これによって、図4(B)に示すように、スクリーン4上の周囲の縁部が除去され、且つ正確な長方形とされた画面部分だけが抽出される。
次に、縮小画像作成手段63は、表示エリア抽出処理された検査対象画像を縮小する縮小画像作成処理工程を行う(ステップS4)。
この縮小画像作成処理工程は、検査対象画像から所定サイズ、例えば1/4サイズに縮小した画像を作成する。具体的には、1/4サイズの縮小画像を作成する場合には、検査対象画像の4画素の平均値を1画素とすることで1/2サイズの縮小画像を作成し、この1/2の縮小画像の4画素の平均値を1画素とすることで1/4サイズの縮小画像を作成する。
従って、平坦化処理された原画像が1300×1000の130万画素とすると、1/2の縮小画像は650×500の32.5万画素、1/4の縮小画像は325×250の8万1250画素を有することになる。
このように、所定サイズの縮小画像を作成するのは、後述するシミ欠陥強調フィルタは所定の大きさのシミ欠陥を強調するように設計されており、画像サイズを縮小することで、縮小前の画像サイズのままでは後述するシミ欠陥強調フィルタで強調できない比較的大きなシミを、画像サイズを縮小することで強調できるようにするためのものである。
次に、シミ欠陥強調処理手段64は、作成された縮小画像に対してシミ欠陥を強調するシミ欠陥強調処理工程を行う(ステップS5)。このシミ欠陥強調処理工程は、そのままでは微少なレベルの白シミ欠陥・黒シミ欠陥の検出が難しいために、画像の中のシミ欠陥のみを強調するものである。
なお、所定サイズのシミ欠陥のみを検出する場合には、作成された縮小画像に対して、1種類のシミ欠陥強調フィルタを適用すればよいが、サイズの異なるシミ欠陥も検出する場合には、検出対象となるシミ欠陥のサイズが異なる複数種類のシミ欠陥強調フィルタを適用し、所定サイズのシミ欠陥を検出すればよい。
シミ欠陥強調フィルタは、図5に示すように、設定した検出領域の中心画素を対象画素とし、この対象画素の周囲に略円状に配置され、かつ対象画素から所定長さ離れて配置された輝度比較画素を設けている。
そして、対象画素を挟んで対称位置に配置された2つの輝度比較画素を1セットとし、すべての輝度比較画素をセットに分ける。そして、対象画素の輝度値から各セットの輝度比較画素の平均輝度値を引いて差Fを求める。すなわち、対象画素の輝度値を「O」、輝度比較画素の各輝度値を「S1〜S32」とした際に、以下の式1〜16を用いて差F1〜F16を算出する。
F1=O−(S1 + S17)/ 2 (式1)
F2=O−(S2 + S18)/ 2 (式2)
F3=O−(S3 + S19)/ 2 (式3)
F4=O−(S4 + S20)/ 2 (式4)
F5=O−(S5 + S21)/ 2 (式5)
F6=O−(S6 + S22)/ 2 (式6)
F7=O−(S7 + S23)/ 2 (式7)
F8=O−(S8 + S24)/ 2 (式8)
F9=O−(S9 + S25)/ 2 (式9)
F10=O−(S10 + S26)/ 2 (式10)
F11=O−(S11 + S27)/ 2 (式11)
F12=O−(S12 + S28)/ 2 (式12)
F13=O−(S13 + S29)/ 2 (式13)
F14=O−(S14 + S30)/ 2 (式14)
F15=O−(S15 + S31)/ 2 (式15)
F16=O−(S16 + S32)/ 2 (式16)
シミ欠陥強調フィルタは、以上の計算を行ったあと、F1からF16の各値の中から絶対値が最小となるものを選択し、その値をシミ強調の結果とする。
例えば、輝度比較画素で囲まれたエリア内に欠陥が存在しない場合、対象画素の輝度値と各輝度比較画素の輝度値は殆ど差が無い状態になる。従って、上記F1からF16は、いずれも小さな値になる。
一方、図6に示すように、輝度比較画素で囲まれたエリア内に他の部分に比べて明るい白シミ欠陥70が存在し、対象画素がその一部である場合、対象画素に比べて各輝度比較画素の輝度値は低くなる。従って、上記F1からF16は、シミ欠陥70が無い場合に比べて、大きな値になる。
また、図7に示すように、対象画素とともに、一部の輝度比較画素がシミ欠陥70に含まれている場合には、シミ欠陥70に含まれる輝度比較画素を有するセットの輝度平均値は、シミ欠陥70に含まれる輝度比較画素が無いセットの輝度平均値に比べて大きくなり、その分、対象画素の輝度値との差は小さくなる。
同様に、図8に示すように、スジ状欠陥71が存在している場合には、スジ状欠陥71に含まれる輝度比較画素を有するセットの輝度平均値=(S2+S18)/2は、スジ状欠陥71に含まれる対象画素の輝度値Oとほぼ同じとなるため、それらの差は小さくなる。
従って、図6に示すように、輝度比較画素で囲まれたエリア内にシミ欠陥70が存在する場合には、上記F1からF16はいずれも比較的大きな値になる。一方、シミ欠陥が存在しない場合や、図8のようにスジ状欠陥71が存在する場合、さらには図7のように輝度比較画素で囲まれたエリア内にシミ欠陥70が納まっていない場合には、上記F1からF16の少なくとも1つは小さな値になる。このため、上記F1からF16の値から絶対値が最小となるものを選択すれば、対象画素を含み、かつ、輝度比較画素で囲まれたエリア内に納まるシミ欠陥70が存在するか否かを検出できるので、この絶対値の最小となる値を各対象画素のシミ欠陥強調値として記憶すればよい。
なお、図5に示すシミ欠陥強調フィルタは、対象画素から上下、左右の輝度比較画素までの距離が6画素分であり、対象画素と他の輝度比較画素との間の距離もおおむね6画素分である。本実施形態のシミ欠陥強調フィルタは、輝度比較画素で囲まれた面積よりも一回り小さい面積のシミ欠陥の抽出に適している。すなわち、シミ欠陥強調フィルタは、各輝度比較画素で囲まれたエリア内の面積に比べて測定対象のシミの面積が大きいと、その輪郭部分のみが強調され、シミ部分全体を強調することができない。従って、対象画素と輝度比較画素間の距離によって検出可能なシミ欠陥のサイズが異なる。このため、以下の説明において、各シミ欠陥強調フィルタにおいて、対象画素と輝度比較画素間の距離がnのものを距離n画素フィルタと呼ぶ。例えば、図5に示すシミ欠陥強調フィルタは、距離6画素フィルタである。
なお、距離6画素のフィルタでは、16個のセットで2次差分処理を行っているが、この数はフィルタの距離nが変わると変わることになる。
この処理を画面全体に適用することで、シミ欠陥を強調した画像を得ることができる。但し、前述したように、対象画素と輝度比較画素との距離が1種類のフィルタだけでは、様々な欠陥サイズに対応できない。例えば、図5で示す距離6画素フィルタでは、直径11までのサイズのシミ欠陥しか検出できない。このため、本実施形態では、対象画素と輝度比較画素との距離を何段階か変えて処理を行い、様々なサイズのシミ欠陥に対応した強調画像を得るようにしている。
具体的には、距離3、距離6、距離12画素フィルタの3つのフィルタを用いて、シミ欠陥強調処理を行っている。すなわち、距離12画素フィルタを使えば、直径23のシミ欠陥まで検出可能ということになるが、フィルタに対して十分に小さい欠陥では、対象と比較している画素との距離が遠く、正確な結果が出ない。このため、距離3及び距離6画素フィルタを併用し、シミ欠陥検出精度を向上させている。
この処理で3枚のシミ強調画像を得ることができるので、最後にそれぞれの画像の同ポイントの処理結果画素の輝度比較を行い、絶対値が最大となる値をシミ欠陥強調結果とすることで、1枚のシミ強調画像として合成する。
ここで、本実施形態のシミ欠陥強調処理工程S5の処理を説明する。本実施形態では、1/4に縮小された画像に対して3種類のシミ欠陥強調フィルタを適用している。具体的には、距離3,6,12画素フィルタの各シミ欠陥強調フィルタを適用している。そして、距離3,6,12画素フィルタのシミ欠陥強調フィルタの適用結果を合成して合成処理結果を求めている。
ここで、距離の異なる複数のシミ欠陥強調フィルタを用いているのは、前述の通り、様々なサイズのシミ欠陥を検出するためである。すなわち、処理対象画素からの距離が6画素のシミ欠陥強調フィルタのみを用いると、検出できるシミ欠陥のサイズが限定されてしまう(約12画素サイズ近辺のシミ欠陥までしか検出できない)。
そこで、本実施形態では、画面内に存在する様々なサイズのシミ欠陥に対応するため、3画素、6画素、12画素と、3段階に距離を変えて強調処理を行うことにより、様々なサイズのシミ欠陥を強調している。
また、強調結果を合成処理しているのは、検出精度を向上させるためである。すなわち、それぞれの強調結果からシミ欠陥を抽出して個別に評価した場合、1つのシミ欠陥が3画素と6画素の強調結果に分割されて検出されることがあり、実際のシミ欠陥と強調結果が一致しない場合がある。そこで、結果を一致させるため複数の強調結果を合成することで、分離したシミ欠陥を1つに合成して検出精度を向上させている。
図9に示す疑似シミ欠陥画像に対し、本実施形態のシミ欠陥強調フィルタを適用した結果を図10〜13に示す。
図9に示す疑似シミ欠陥は、擬似的に作成した白シミ欠陥および黒シミ欠陥である。そして、図9に示す画像を1/4サイズに縮小し、その縮小画像に対して以下の各シミ欠陥強調フィルタを適用した。
図10には、対象画素と輝度比較画素間の距離が3画素のシミ欠陥強調フィルタ(距離3画素フィルタ)を適用した場合の強調結果を示す。
図11には、対象画素と輝度比較画素間の距離が6画素のシミ欠陥強調フィルタ(距離6画素フィルタ)を適用した場合の強調結果を示す。
図12には、対象画素と輝度比較画素間の距離が12画素のシミ欠陥強調フィルタ(距離12画素フィルタ)を適用した場合の強調結果を示す。
各図10〜12に示すように、各距離のフィルタにより、それぞれのサイズに応じたシミ欠陥が最も強調される。但し、図11,12に示すように、本実施形態のシミ欠陥強調フィルタは、各フィルタの距離に比べてシミ欠陥がある程度小さくても、そのシミ欠陥を強調することができる。
図13には、図10〜12に示す距離3,6,12画素の各フィルタの強調結果を合成した結果が示されている。
合成処理は、各フィルタの強調結果において、同じ位置の画素の強調結果値を比較し、それらの中で絶対値が最大となる値をその合成結果としたものである。
なお、シミ欠陥強調フィルタの距離が、シミ欠陥の大きさに比べて非常に大きい場合、輝度比較画素が他のシミ領域に位置するとそのシミ欠陥に影響されてシミを正しく検出することができない。このため、シミ欠陥強調フィルタは、検出しようとするシミ欠陥の大きさよりも僅かに大きいもの、例えば1〜3画素程度の寸法分、大きいものを用いることが好ましい。
従って、距離3,6,12画素の各フィルタの強調結果を合成するようにすれば、距離3,6,12の各サイズに対応したシミ欠陥が強調されて検出することができる。
次に、ノイズ除去手段65は、前記シミ欠陥強調処理工程の結果に対して、メディアンフィルタを掛けて、ノイズにより分離している欠陥成分をつなげて平滑化し、シミ欠陥以外のノイズを除去するノイズ除去処理工程を実施する(S6)。メディアンフィルタとしては、例えば3×3の9画素の各輝度値のメディアン値(中央値)を3×3の中心に位置する対象画素の輝度値とするようなメディアンフィルタを利用すればよい。
次に、シミ欠陥抽出処理手段66は、ノイズが除去されたシミ欠陥強調画像に対して、白シミ欠陥を切り出す閾値と、黒シミ欠陥を切り出す閾値を設定し、各シミ欠陥候補の領域を切り出すシミ欠陥抽出処理工程を実施する(S7)。ここで、各閾値は、画像の状況に合わせて最適な値を設定すればよい。例えば、シミ欠陥強調画像(合成画像)のシミ強調値(輝度値)の平均値と、その標準偏差を求め、以下の式で閾値を設定する。
白シミ欠陥閾値 wslevel=avr+α1・σ+β1
黒シミ欠陥閾値 bslevel=avr−α2・σ+β2
ここで、avrは合成画像の平均値、σは合成画像の標準偏差、α1,α2,β1,β2は任意の数で検査対象となる画像の状況で適宜決定される。
ここで、α1,α2を3、β1,β2を0に設定して計算した白シミ欠陥閾値および黒シミ欠陥閾値で、図13の合成画像を2値化した結果を、図14,15に示す。図14は白シミ欠陥閾値で切り出した白シミ欠陥候補であり、図15は黒シミ欠陥閾値で切り出した黒シミ欠陥候補である。図14,15とも、白く表示された領域が、切り出されたシミ欠陥候補の領域である。
次に、blob処理手段67は、白シミ欠陥候補画像と、黒シミ欠陥候補画像に対し、欠陥候補として切り出した領域の面積と、平均輝度を求めるblob処理工程を実施する(S8)。
次に、欠陥ランク分類処理手段68は、算出された欠陥候補領域の面積および平均輝度により、その画像におけるシミ欠陥のランクを分類する欠陥ランク分類工程を実施する(S9)。
欠陥ランク分類処理手段68で求められた欠陥ランクは、表示装置7に表示され、検査員は検査対象の液晶パネル1の欠陥ランクを容易に把握することができる。
従って、本実施形態では、シミ欠陥抽出処理工程S7、blob処理工程S8、欠陥ランク分類工程S9により、シミ欠陥検出工程が構成されている。
この実施の形態によれば、次のような効果がある。
(1)シミ欠陥強調処理手段64は、対象画素から所定距離離れて、かつ、対象画像の周囲に配置された輝度比較画素の輝度値に基づいてシミ欠陥を強調するシミ欠陥強調フィルタを用いているので、例えば、輝度比較画素を対象画素に対して上下左右のみに配置した場合に比べて、面状に広がるシミを確実に検出することができる。
その上、シミ欠陥強調フィルタは、前記各輝度比較画素を、前記対象画素を挟んで対称位置に配置された2つの輝度比較画素毎のセットに分け、前記対象画素の輝度値と各セットの2つの輝度比較画素の平均輝度値との差の値を求め、各セットの差の値のうち、絶対値が最小となるものを選択してシミ欠陥強調値としている。このため、スジ状欠陥がある場合や、輝度比較画素の一部が欠陥に含まれている場合には、シミ欠陥強調値が小さくなり、輝度比較画素で囲まれたエリア内にシミ欠陥が納まっている場合のみシミ欠陥強調値が大きくなり、シミ欠陥強調値を所定の閾値と比較することで、スジ状欠陥などを排除でき、シミ欠陥のみを高精度に検出することができる。
(2)本実施形態では、対象画素を挟んで点対称の位置に配置された2つの輝度比較画素の輝度値における平均値を求めているので、背景のシェーディングの影響を軽減でき、シミ欠陥をより高精度に検出することができる。すなわち、対象画素を挟んで点対称の位置に配置された2つの輝度比較画素の一方は、背景のシェーディングの影響によって、輝度値が高くなり、他方は小さくなることが多い。従って、これらの2つの輝度比較画素の平均輝度値を求めることでシェーディングの影響を平滑化でき、シミ欠陥をより高精度に検出することができる。
(3)さらに、シミ欠陥強調フィルタは、対象画素と輝度比較画素の距離に応じて適宜設定することで、そのフィルタによって検出可能なシミ欠陥の大きさを設定できるので、検出したいサイズのシミ欠陥を容易に検出できる。
その上、各シミ欠陥のサイズに応じた複数のシミ欠陥強調フィルタを適用した場合も、それらの強調結果の合成結果のみを評価することで各サイズのシミ欠陥を容易に検出することができる。
(4)本実施形態では、シミ欠陥強調値は、対象画素の輝度値と、輝度比較画素の輝度平均値とで算出され、対象画素および輝度比較画素間にある画素の輝度値は利用されていない。このため、シミ欠陥が、輝度比較画素で囲まれるエリアよりも小さく、かつ対象画素を含むものであれば、シミ欠陥のサイズがある程度変化しても、従来の検査員の目視による判定と同様にシミ欠陥を検出できる。このため、フィルタの距離サイズはあまり細かく設定する必要が無く、その分、フィルタ数を少なくでき、検査時間も短縮できる。
(5)白シミ欠陥および黒シミ欠陥は、共に同じシミ欠陥強調フィルタで強調でき、シミ欠陥抽出処理手段66で白シミ欠陥用の閾値と、黒シミ欠陥用の閾値とを使い分けるだけで、白シミ欠陥および黒シミ欠陥の両方を簡単に検出することができる。このため、各種のシミ欠陥を簡単な処理で効率的に検出することができる。
(6)blob処理手段67および欠陥ランク分類処理手段68により、抽出されたシミ欠陥のランクを分類できるので、欠陥の客観的なランク付けを短時間に行うことができ、検査者はシミ欠陥の度合いを容易に判断でき、良品かどうかの判定を短時間で容易にすることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限らない。
例えば、前記実施形態では、様々なシミ欠陥サイズに対応するために、対象画素および輝度比較画素間の距離が異なる複数種類のシミ欠陥強調フィルタを利用していたが、縮小画像作成手段63において検査対象となる画像を複数段階に縮小し、縮小サイズが異なる各画像に対して所定のシミ欠陥強調フィルタをそれぞれ適用することで、様々なサイズのシミ欠陥を検出するようにしてもよい。
また、検出対象とするシミ欠陥のサイズによっては、画像縮小処理やフィルタサイズの変更を行わず、1種類のフィルタのみで処理を行ってもよい。
前記実施形態では、白シミ欠陥用および黒シミ欠陥用の各閾値を設定し、白シミ欠陥および黒シミ欠陥の両方を検出できるようにしていたが、一方の欠陥のみを検出してもよい。例えば、白シミ欠陥のみを検出すればよい場合には、黒シミ欠陥用閾値との比較処理を行わずに処理してもよい。
本発明は、シミ欠陥強調処理手段64によるシミ欠陥強調処理工程S5の前に、背景差分処理工程S2、表示エリア抽出工程S3の前処理を行っていたが、これらは撮影された画像の状態によっては実施しなくてもよい。同様に、縮小画像作成手段63による縮小画像作成工程S4も、検出するシミのサイズによっては実施しなくてもよい。また、ノイズ除去手段65によるノイズ除去処理工程S6も画像の状態が良ければ実施しなくてもよい。
また、前記実施形態では、シミ欠陥検出工程として、シミ欠陥抽出処理工程S7、blob処理工程S8、欠陥ランク分類工程S9を実施していたが、他の方法・手順でシミ欠陥を検出してもよい。要するに、シミ欠陥検出工程は、シミ欠陥強調処理工程S5で強調されたシミ欠陥に基づいてそれがシミ欠陥に該当するか否かを判断できるものであればよい。
前記実施形態では、複数のシミ欠陥強調フィルタを適用した場合には、各フィルタの結果を合成して判断していたが、各フィルタの結果毎にシミ欠陥があるか否かを個別に判断してもよい。但し、合成結果に基づいて判断したほうが、シミ欠陥を効率的に検出することができる。
シミ欠陥の検出対象としては、前記のようなTFT素子を用いた液晶ライトバルブに限られるものではなく、その他のダイオード素子を用いた液晶パネルやプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、DMD(ダイレクト・ミラー・デバイス)などの表示体部品、ならびにそれらを使用した表示装置・製品の検査に利用することができるものであり、これらに使用した場合でも本発明の範囲から除外されるものでないことはいうまでもない。
さらに、本発明は、各種表示装置の検査に限らず、例えば、印刷物、家電製品のケースや車のボディなどにシミ状の傷がある場合、これらを撮像してシミ状の欠陥がある画像が得られればそのシミを検出できるので、各種製品の表面塗装や印刷物などのシミ検査に応用することもできる。
要するに、本発明は、周囲と輝度差があるシミであれば検出できるため、輝度シミ欠陥や色シミ欠陥の検出に利用できる。
本発明の実施の形態による画面のシミ欠陥検出装置のブロック構成図。 同シミ欠陥検出装置の動作を説明するためのフローチャート。 同シミ欠陥検出装置の背景画像差分処理を示す説明図。 同シミ欠陥検出装置の表示エリア抽出処理を示す説明図。 シミ欠陥強調フィルタの例を示す図。 シミ欠陥強調フィルタで検出されるシミ欠陥の例を示す図。 シミ欠陥強調フィルタで検出されないシミ欠陥の例を示す図。 シミ欠陥強調フィルタで検出されないスジ状欠陥の例を示す図。 擬似的なシミ欠陥を設けた画像を示す図。 距離3画素フィルタを適用した結果を示す図。 距離6画素フィルタを適用した結果を示す図。 距離12画素フィルタを適用した結果を示す図。 距離3,6,12画素フィルタの適用結果を合成した状態を示す図。 合成結果を白シミ欠陥閾値で切り出した白シミ結果候補を示す図。 合成結果を黒シミ欠陥閾値で切り出した黒シミ結果候補を示す図。
符号の説明
1…液晶パネル、2…プロジェクタ、3…パターンジェネレータ、4…スクリーン、5…CCDカメラ、6…コンピュータ装置、7…表示装置、60…画像入力手段、61…背景画像差分処理手段、62…表示エリア抽出手段、63…縮小画像作成手段、64…シミ欠陥強調処理手段、65…ノイズ除去手段、66…シミ欠陥抽出処理手段、67…blob処理手段、68…欠陥ランク分類処理手段、70…シミ欠陥、71…スジ状欠陥。

Claims (8)

  1. 撮像した画像の各画素に対してシミ欠陥強調フィルタをかけてシミ欠陥を強調するシミ欠陥強調処理工程と、
    前記シミ欠陥強調処理工程で得られた各画素のシミ欠陥強調値に基づいてシミ欠陥を検出するシミ欠陥検出工程とを有し、
    前記シミ欠陥強調処理工程は、
    撮像画像において選択された対象画素から所定距離離れてかつ対象画素の周囲に配置された各輝度比較画素を、前記対象画素を挟んで対称位置に配置された2つの輝度比較画素毎のセットに分け、
    前記対象画素の輝度値と各セットの2つの輝度比較画素の平均輝度値との差の値を求め、各セットの差の値のうち、その絶対値が最小のものを対象画素のシミ欠陥強調値とするシミ欠陥強調フィルタを用いてシミ欠陥を強調し、
    前記シミ欠陥検出工程は、前記各画素のシミ欠陥強調値を所定の閾値と比較してシミ欠陥候補の画素を抽出してシミ欠陥を検出することを特徴とするシミ欠陥検出方法。
  2. 請求項1に記載のシミ欠陥検出方法において、
    前記シミ欠陥強調処理工程の後に、メディアンフィルタを掛けてノイズを除去した後、前記シミ欠陥検出工程を実行することを特徴とするシミ欠陥検出方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のシミ欠陥検出方法において、
    前記シミ欠陥強調処理工程の前に、
    検査対象を撮像する撮像工程と、
    撮像した画像から予め作成しておいた背景画像との差をとる背景画像差分処理工程と、
    画像から表示エリアの抽出を行う表示エリア抽出工程と、
    抽出された画像に対して縮小画像を作成する縮小画像作成工程とを実行し、
    前記シミ欠陥強調処理工程は、前記縮小画像作成工程で作成された縮小画像に対してシミ欠陥強調フィルタをかけることを特徴とするシミ欠陥検出方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のシミ欠陥検出方法において、
    前記シミ欠陥検出工程は、
    前記シミ欠陥強調処理工程で得られる各画素のシミ欠陥強調値を所定の閾値と比較してシミ欠陥候補の画素を抽出するシミ欠陥抽出処理工程と、
    前記シミ欠陥候補の特性値を求めるblob処理を行うblob処理工程と、
    前記blob処理工程により求められたシミ欠陥候補の特性値に基づいてシミ欠陥のランクを分類する欠陥ランク分類工程と、を備えることを特徴とするシミ欠陥検出方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のシミ欠陥検出方法において、
    前記シミ欠陥強調処理工程は、前記対象画素から輝度比較画素までの距離が異なる複数種類のシミ欠陥強調フィルタを各画素に対して適用し、各フィルタによって得られるシミ欠陥強調値のうち、その絶対値が最大のものをその対象画素のシミ欠陥強調値とすることを特徴とするシミ欠陥検出方法。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のシミ欠陥検出方法において、
    前記シミ欠陥強調処理工程前に、撮像画像の複数段階の縮小画像を作成する縮小画像作成工程を実施し、
    前記シミ欠陥強調処理工程は、縮小画像作成工程で作成された各縮小画像に対して前記シミ欠陥強調フィルタを適用し、各フィルタによって得られる各縮小画像における各画素のシミ欠陥強調値のうち、その絶対値が最大のものをその画素のシミ欠陥強調値とすることを特徴とするシミ欠陥検出方法。
  7. 撮像した画像の各画素に対してシミ欠陥強調フィルタをかけてシミ欠陥を強調するシミ欠陥強調処理手段と、
    前記シミ欠陥強調処理手段で得られた各画素のシミ欠陥強調値に基づいてシミ欠陥を検出するシミ欠陥検出手段とを有し、
    前記シミ欠陥強調処理手段は、
    撮像画像において選択された対象画素から所定距離離れてかつ対象画素の周囲に配置された各輝度比較画素を、前記対象画素を挟んで対称位置に配置された2つの輝度比較画素毎のセットに分け、
    前記対象画素の輝度値と各セットの2つの輝度比較画素の平均輝度値との差の値を求め、各セットの差の値のうち、その絶対値が最小のものを対象画素のシミ欠陥強調値とするシミ欠陥強調フィルタを用いてシミ欠陥を強調し、
    前記シミ欠陥検出手段は、前記各画素のシミ欠陥強調値を所定の閾値と比較してシミ欠陥候補の画素を抽出してシミ欠陥を検出することを特徴とするシミ欠陥検出装置。
  8. 請求項7に記載のシミ欠陥検出装置において、
    検査対象を撮像する撮像手段と、
    撮像した画像から予め作成しておいた背景画像との差をとる背景画像差分処理手段と、
    画像から表示エリアの抽出を行う表示エリア抽出手段と、
    縮小画像を作成する縮小画像作成手段とを備え、
    前記シミ欠陥強調処理手段は、前記縮小画像作成手段で作成された縮小画像に対してシミ欠陥強調フィルタをかけることを特徴とするシミ欠陥検出装置。
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