JP2005003474A - カラー表示パネルの評価方法及びその装置並びにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】カラー表示パネルの欠陥を高S/Nで検出するとともに欠陥の態様を検出することを可能にしたカラー表示パネルの評価方法及びその装置並びにプログラムを提供する。
【解決手段】検査対象の表示パネル22を撮像するカメラ10と、制御PC16とを含む。制御PC16に内蔵された演算装置は、撮像信号の内、カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求め、その輝度情報及び色度情報に基づいて、良品のカラー表示パネルにおいてそれらの情報を適宜組合わせて求めた複数の小分類の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求め、その距離に基づいて検査対象の表示パネル22の画素を評価する。
【選択図】 図1
【解決手段】検査対象の表示パネル22を撮像するカメラ10と、制御PC16とを含む。制御PC16に内蔵された演算装置は、撮像信号の内、カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求め、その輝度情報及び色度情報に基づいて、良品のカラー表示パネルにおいてそれらの情報を適宜組合わせて求めた複数の小分類の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求め、その距離に基づいて検査対象の表示パネル22の画素を評価する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカラー表示パネルの評価方法及びその装置並びにプログラムに関し、特にパターン認識技術(マハラノビスの距離)を用いたカラー表示パネルの画素の評価に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば被検査対象を撮像してその画像信号から欠陥を検出する処理方法として、例えば「試料から得た第1画像を走査して母材より暗い部分,明るい部分を認識し、母材以外の座標を記憶する。試料から得た第2画像を走査して母材の色範囲を指定し母材以外の座標を記憶する。第1,第2画像の座標を重ね、これらによって指定される画素を異物,ボイドの座標と認識する。異物,ボイドとして認識された画素の内、同一の異物,ボイドとして判断される集団毎に、色相,彩度,明度の平均および分布を計算する。次に、各異物,ボイド毎に予め計算した色相,彩度,明度の平均および分布と、上記集団毎に計算された色相,彩度,明度の平均および分布とのマハラノビスの距離をそれぞれ算出し、最もマハラノビスの距離が短い集団をもって、各集団の異物の種類を決定する。」というものがある(特許文献1の要約参照)。
【0003】
また、画像異常の判定をするための基準を定量化し、客観的な評価を効率的に行うために、例えば「…予め、所定の画像データから抽出した所定の特徴量を用いて、マハラノビス空間を設定し、評価対象画像から読み取った画像データを用いて前記マハラノビス空間におけるマハラノビス距離を算出し、該算出されたマハラノビス距離を所定の閾値と比較することにより前記評価対象画像の異常の判定を行う…」というものがある(特許文献2の要約参照)
【0004】
【特許文献1】
特開平6−288936号公報
【特許文献2】
特開2000−275757号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術は何れもパターン認識技術(マハラノビスの距離)を用いたものであるが、上記の特許文献1において提案されている処理方法はカラー表示パネルに適用することができ、画素の欠陥を検出することができるが、その画素の欠陥がどのような態様(例えばムラ、黒点、ゴミ)のものであるかを検出することができないという問題点があった。また、上記の特許文献2においては、カラー表示パネルを対象としておらず、その処理方法をそのままカラー表示パネルに適用することができなかった。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、カラー表示パネルの欠陥を高S/Nで検出するとともに欠陥の態様を検出することを可能にしたカラー表示パネルの評価方法及びその装置並びにプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、検査対象のカラー表示パネルを撮像する工程と、撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める工程と、前記輝度情報及び色度情報に基づいて、基準のカラー表示パネルにおいてそれらの情報を適宜組合わせて求めた複数の小分類の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める工程とを備えたものである。本発明においては、検査対象のカラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報を項目として適宜組合わせて小分類を形成し、その小分類の項目に基づいて、基準のカラー表示パネルの該当する小分類の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求めるようにしているので、カラー表示パネルの画素の欠陥を高S/Nで検出することができるとともに、上記の項目の組合わせに対応して検査対象のカラー表示パネルの画素の欠陥の態様についても検出することが可能になっている。
【0008】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、検査対象のカラー表示パネルを撮像する工程と、撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める工程と、前記輝度情報及び色度情報を初期の項目として、基準のカラー表示パネルにおける多段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める工程とを備えたものである。本発明においてはM(マルチ)−MT法を使用し、多段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を求めているので、各段階の単位空間におけるマハラノビスの距離に基づいてカラー表示パネルの欠陥を高S/Nで検出することができるとともに、上記の項目をの組合わせに対応して検査対象のカラー表示パネルの画素の欠陥の態様についても検出することが可能になっている。
【0009】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、検査対象のカラー表示パネルを撮像する工程と、撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める工程と、前記輝度情報及び色度情報を項目として、基準のカラー表示パネルにおいてそれらの情報を適宜組合わせて求めた複数の小分類の第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める工程と、前記第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を項目として、それらの前記第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を項目とした基準のカラー表示パネルの第2段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める工程とを備えたものである。本発明においては、2段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を求めているので、各段階の単位空間におけるマハラノビスの距離によりカラー表示パネルの欠陥を高S/Nで検出することができるとともに、上記の項目の組合わせに対応して検査対象のカラー表示パネルの画素の欠陥の態様についても検出することが可能になっている。
【0010】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、前記マハラノビスの距離に基づいて前記カラー表示パネルの画素を評価する工程を更に備えたものである。本発明においてはマハラノビスの距離が定量的に求められるので、欠陥の有無だけでなく欠陥の程度についても求めることができる。また、欠陥が無い場合においても、良品としての程度についても把握することができる。
【0011】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める工程においては、1画素の画像信号を複数に区分してそれぞれの輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める。本発明においては、1画素の画像信号を複数に区分してそれぞれの輝度情報及び色度情報を求めるようにしているので、1画素のどの部位に欠陥があるかを追跡することが可能になっている。
【0012】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報を求める工程においては、1画素の画像信号を上中下に区分し、且つ各区分を更に細分化し、その細分化された区分の輝度情報を項目とする。本発明においては、1画素の画像信号を上中下に区分し、更にその区分を細分化しているので、例えば欠陥が1画素の上中下のどの部位にあるか、或いは更にその区分内のどの部位にあるかを追跡することが可能になっている。なお、1画素の画像信号を上中下に区分したことにより人間の眼の分解能に対応させている。
【0013】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報を求める工程においては、1画素の画像信号を上中下に区分し、その区分の輝度情報を項目とする。本発明においては、1画素の画像信号を上中下に区分して色度情報を求めるようにしているので、例えば欠陥が1画素の上中下のどの部位にあるかを追跡することが可能になっている。
【0014】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報の項目に、画素面積、画素の寸法及び画素ピッチの何れかを少なくとも項目として加える。本発明においては、画素面積、画素の寸法及び画素ピッチの何れかを少なくとも項目として加えているので、これらの情報に関連した欠陥についても適切に検出することが可能になっている。
【0015】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、基準のカラー表示パネルにおいて画素の欠陥の種類に対応した複数の単位空間を予め求めておき、前記複数の単位空間における検査対象のカラー表示パネルのマハラノビスの距離を求め、そのマハラノビスの距離に基づいて、欠陥の種類を判別する。本発明においては、画素の欠陥の種類に対応した項目の組み合わせに基づいて、基準のカラー表示パネルの複数の単位空間を予め求めておく。そして、特定の欠陥がある画素について、その単位空間おけるマハラノビスの距離を求めると、その距離が顕著に大きなものとなる。したがって、画素の欠陥の種類に対応して設定された単位空間におけるマハラノビスの距離を求めることに欠陥の種類を判別するようにしたので、欠陥の種類を精度よく判別することができる。このため、上記の単位空間を欠陥の種類を検出するためのフィルタとして機能させることができる。
【0016】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、前記単位空間を形成する画素の部位に応じて欠陥部位を判別する。本発明においては、単位空間を形成する際の画素情報が位置情報をもっているので、例えば上記の例のように、1画素の画像信号が上中下に区分され、その「上」の画像信号に基づいて単位空間を形成し、その単位空間におけるマハラノビスの距離が大である場合には、画素の上部に欠陥があるという判断がなされる。
【0017】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、検査対象のカラー表示パネルを撮像する際にはカラー表示パネルを白色表示させる。検査対象のカラー表示パネルを白色表示させると、赤、緑及び青の各画素がバランス良く表示されるので検査をする際の表示態様として適切なものとなる。
【0018】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置は、検査対象のカラー表示パネルを撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求め、前記輝度情報及び色度情報に基づいて、基準のカラー表示パネルにおいてそれらの情報を適宜組合わせて求めた複数の小分類の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める演算装置とを備えたものである。本発明においては、演算装置が、検査対象のカラー表示パネルの画素について、複数の小分類の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求めるようにしているので、検査対象のカラー表示パネルの欠陥を高S/Nで検出することができるとともに、上記の項目の組合わせに対応して検査対象のカラー表示パネルの画素の欠陥の態様についても検出することが可能になっている。
【0019】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置は、検査対象のカラー表示パネルを撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める工程と、赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報を初期の項目として、基準のカラー表示パネルにおける多段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める演算装置とを備えたものである。本発明においては、演算装置が、多段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を求めているので、各段階の単位空間におけるマハラノビスの距離により、カラー表示パネルの欠陥を高S/Nで検出することができるとともに、上記の項目の組合わせに対応して検査対象のカラー表示パネルの画素の欠陥の態様についても検出することが可能になっている。
【0020】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置は、検査対象のカラー表示パネルを撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求め、前記輝度情報及び色度情報を項目として、基準のカラー表示パネルにおいてそれらの情報を適宜組合わせた複数の小分類の第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求め、更に、前記第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を項目として、それらの前記第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を項目とした基準のカラー表示パネルの第2段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める演算手段とを備えたものである。本発明においては、2段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を求めているので、各段階の単位空間におけるマハラノビスの距離によりカラー表示パネルの欠陥を高S/Nで検出することができるとともに、上記の項目の組合わせに対応して検査対象のカラー表示パネルの画素の欠陥の態様についても検出することが可能になっている。
【0021】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置において、前記演算装置は、前記マハラノビスの距離に基づいて前記検査対象のカラー表示パネルの画素を評価する。本発明においては、前記マハラノビスの距離が定量的に求められるので、欠陥の有無だけでなく欠陥の程度についても求めることができる。また、欠陥が無い場合においても、良品としての程度についても把握することができる。
【0022】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置において、前記演算装置は、前記検査対象のカラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める際には、1画素の画像信号を複数に区分してそれぞれの輝度情報及び色度情報を求める。本発明においては、1画素の画像信号を複数に区分してそれぞれの輝度情報及び色度情報を求めるようにしているので、1画素のどの部位に欠陥があるかを追跡することが可能になっている。
【0023】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置において、前記演算装置は、前記検査対象のカラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報を求める際には、1画素の画像信号を上中下に区分し、且つ各区分を更に細分化し、その細分化された区分の輝度情報を項目としてマハラノビスの距離を求める。本発明においては、1画素の画像信号を上中下に区分し、更にその区分を細分化しているので、例えば欠陥が1画素の上中下のどの部位にあるか、或いは更にその区分内のどの部位にあるかを追跡することが可能になっている。
【0024】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置において、前記演算装置は、前記検査対象のカラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報を求める際には、1画素の画像信号を上中下に区分し、その区分の輝度情報を項目とする。本発明においては、1画素の画像信号を上中下に区分して色度情報を求めるようにしているので、例えば欠陥が1画素の上中下のどの部位にあるかを追跡することが可能になっている。
【0025】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置において、前記演算装置は、前記輝度情報及び色度情報の項目の他に、画素面積、画素の寸法及び画素ピッチの何れかの項目を少なくとも含む。本発明においては、画素面積、画素の寸法及び画素ピッチの何れかを少なくとも項目として加えているので、これらの情報に関連した欠陥を適切に検出することが可能になっている。
【0026】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置において、前記演算装置は、画素の欠陥の種類に対応して設定された基準のカラー表示パネルの複数の単位空間における検査対象のカラー表示パネルのマハラノビスの距離を求め、そのマハラノビスの距離に基づいて欠陥の種類を判別する。本発明においては、画素の欠陥の種類に対応した項目の組み合わせに基づいて、基準のカラー表示パネルの複数の単位空間を予め求めておく。そして、特定の欠陥がある画素について、その単位空間おけるマハラノビスの距離を求めると、その距離が顕著に大きなものとなる。したがって、画素の欠陥の種類に対応して設定された単位空間におけるマハラノビスの距離を求めることにより欠陥の種類を判別するようにしたので、欠陥の種類を精度よく判別することができる。
【0027】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置において、前記演算装置は、前記単位空間を形成する画素の部位に応じて欠陥部位を判別する。本発明においては、単位空間を形成する際の画素情報が位置情報をもっていると、例えば上記の例のように、1画素の画像信号が上中下に区分され、その「上」の画像信号に基づいて単位空間を形成し、その単位空間におけるマハラノビスの距離が大である場合には、画素の上部に欠陥があるという判断がなされる。
【0028】
また、本発明に係るプログラムは、上記のカラー表示パネルの評価方法における各処理をコンピュータに行わせるものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施形態1.
図1は本発明の実施形態1に係る画像処理装置及びその関連設備の構成を示したブロック図である。図1において、3CCDカメラ(以下カメラという)10には顕微鏡12が装備されており、カメラ10は顕微鏡12により拡大された被写体を撮像する。カメラ10にはカメラコントローラ14が接続されており、カメラコントローラ14はカメラ10を駆動するとともに撮像信号を制御PC16に送り出す。制御PC16はその撮像信号を後述の演算処理を施して画素の欠陥等を検出するための演算処理をする。また、この制御PC16は、ステージコントローラ18を介してXYステージ20を位置制御する。XYステージ20には被写体となる表示パネル(例えば液晶パネル)22が載置され、表示パネル22には電源24から駆動電圧が供給されて例えば白色の表示状態になっているものとし、表示パネル22とカメラ10との相対位置はXYステージ20により制御される。
【0030】
図2は制御PC16の機能を本実施形態1に即して概念的に示したブロック図である。制御PC16は、平均値・標準偏差、基準化値、逆行列(単位空間)、マハラノビス距離(MD)、検査判断等を含む各種の演算処理をするための演算装置(CPU)30、演算装置30の演算処理を規定するためプログラムや各種のデータが格納される記憶装置32、入力インターフェース(以下、入力IFという)34、入力装置36及び表示装置38を備えている。入力IF34は、カメラ10の撮像信号をカメラコントローラ14を介して制御PC16に取り込むための処理を行うものである。
【0031】
図3はカメラ10の撮像信号の説明図である。同図に示されるように、撮像信号には、表示パネル22のR画素、G画素、及びB画素にそれぞれ対応した画像信号が含まれており、そして、それらの画像信号は、R出力画像、G出力画像、及びB出力画像にそれぞれ分離されて出力され、カメラコントローラ14を介して制御PC16に取り込まれる。
【0032】
図4は図2の演算装置30の演算処理の過程を示したフローチャートである。このフローチャートに従って表示パネル22の画素欠陥の有無等の判定方法を説明する。なお、本実施形態においては、後述の図9及び図10のパターン2、パターン3、パターン4−1〜4−3について各処理をそれぞれ行ってそれぞれのパターンに対応した画素の欠陥を検出するが、ここではまずパターン2の例について説明するものとする。
【0033】
(S11)まず、予め良品と分かっている表示パネル22の画像信号を取得する。即ち、予め良品と分かっている基準となる表示パネル22をXYステージ20に載置してカメラ10により撮像する。このとき、表示パネル22の全域に亘って撮像するために、XYステージ20を適宜制御して表示パネル22とカメラ10との相対位置を調整する。演算装置30は、画像信号を入力IF34を介して取り込むと記憶装置32に格納する。
【0034】
(S12)演算装置30は、R出力画像、G出力画像、及びB出力画像(図3参照)に基づいて各画素の輝度及び色度をそれぞれ計算する。演算装置30は、輝度については、画像信号の例えばR出力画像に着目したときには、そのカメラ出力値(R)を輝度値として用いる。他の色の場合についても同様である。色度については、測定対象に合わせたマトリックス演算を用いて、相対的なRGB値を絶対的なXYZへ変換して色度を求める。具体的には次の(1)式により求められる。なお、次の(1)式において、R、G、Bはそれぞれカメラの出力値であり、x,yは色度である。
【0035】
【数1】
【0036】
(S13)演算装置30は単位空間のデータを得るための項目の選択をする。なお、この項目の選択はパターン(図9、図10)に対応して異なったものになるが、ここではパターン2(図9参照)についての距離を求めるので、それに対応した項目を選択する(後述の表2参照)。表示パネル22はRGB画素の輝度比率を変えることにより様々な色表現が可能である。したがって、RGB画素のバランスがパネル全体の表示品質に影響する。そこで、本実施形態においてはRGBの3画素を1組の画素として、その画素の輝度及び色度を単位空間のデータとしている。また、理想的な状態は白を表示した場合とし表示パネル22は白を表示させている。
【0037】
図5は上記の基準の表示パネルの1画素分に対応するデータを区分して良品データの項目の切り出しを行う際の説明図である。1画素分のデータを、上下方向に3分割して上中下と区分し、その上中下の各区分を横方向(x方向)に5区分し、縦方向に4区分する。そして、輝度については、上中下の各区分について20項目(5×4)のデータを得る。色度については、上中下の各区分について2項目(x,y)のデータを得る。したがって、項目は、各画素の出力画像から輝度を60項目(60項目=1画素内の上20項目+中20項目+下20項目)、色度を6項目それぞれ抽出する。そして、RGBの3画素を1組分とし、全項目を198項目としている。そして、これらの項目を表示パネル22の全画素数(例えばn=856画素)について抽出する。それらを纏めたのが次の表1であり、表1に示された項目が単位空間を求めるのに使用されることになる。
【0038】
【表1】
【0039】
図6は表1の或る画素についてのRGBの3画素の各項目とそれに対する輝度又は色度の関係を示した特性図である。演算装置30は図9のパターン2についての距離を求めるが、その際にはRGBの各出力画像について順次処理を行う。ここはまず赤(R)の輝度と色度とを項目として抽出して選択する。
【0040】
次の表2は赤(R)の輝度と色度とを項目として抽出した際のリストを示した表(パターン2に対応)であり、輝度及び色度の各データをYijで表している。赤(R)の画素の個数(例えばn=856)のそれぞれについて項目数が66個(輝度が60個、色度が6個)ある。
【0041】
【表2】
【0042】
(S14)演算装置30は単位空間を作成してマハラノビスの距離(MD)を計算する。単位空間を求める計算処理自体は既知の事項であるが、ここで簡単に説明する。
【0043】
図7はマハラノビスの距離(MD)を求める際の処理過程を示したフローチャートである。まず、表2の輝度及び色度の各項目Yijについての平均値miを求める(S14a)。表2のデータをYijとし、項目数をi=1,2,…k(この例ではk=66)とし、データ数をj=1,2,…n(この例ではn=856)とすると、後述の(2)式により求められる。そして、各項目についての標準偏差σiを後述の(3)式により求める(S14b)。更に、ここで求められた平均値mi及び標準偏差σiに基づいて個々の項目についての基準化値yijを後述の(4)式により求める(S14c)。それによって全ての項目において、「1」を中心として均等に分布するデータに変換することが可能になる。上記の(2)式〜(4)式は次のとおりであり、また、ここで求められた基準化値yijは表3に示されるようになる。なお、上記の平均値mi及び標準偏差σiは記憶装置32に格納される。
【0044】
【数2】
【0045】
【表3】
【0046】
次に、基準化値yijを用いて、個々の項目の相関を示す相関行列Rを求める(S14d)。データが基準化されていることにより相関行列Rは次の(5)式及び(6)式により求められる。自分自身に対する相関は1なので、斜め成分は全て1である
【0047】
【数3】
【0048】
演算装置30は、上記の相関行列Rの逆行列R−1を次の(7)式により求める(S14e)。この逆行列R−1が単位空間である。最初のループにおいては赤(R)の単位空間が求められることになる。この逆行列R−1(単位空間)についても記憶装置32に格納される。
【0049】
【数4】
【0050】
次に、この赤(R)の単位空間を用いて赤(R)の画素1〜画素nのマハラノビスの距離DR1 2〜DRn 2を次の(8)式により求める(S14f)。このときは上記の基準化値データを用いて計算する。マハラノビスの距離が求められると、図4の処理(S15)に移行する。
【0051】
【数5】
【0052】
(S15)演算装置30は、上記にて計算されたマハラノビスの距離(MD)DR1 2〜DRn 2を記憶装置32に格納する。
(S16)演算装置30は、マハラノビスの距離(MD)の計算が終了したかどうかを判断する。この段階では、まだ、赤(R)の画素しか計算していないので、緑(G)及び青(B)についても同様に上記の処理を繰り返して、DG1 2〜DGn 2、DB1 2〜DBn 2を求める。このようにして、赤(R)、緑(G)、青(B)の各画像出力についてのマハラノビスの距離(MD)が求められて記憶装置32に格納されることになる。このときの赤(R)、緑(G)、青(B)の各画素のマハラノビスの距離(MD)は例えば表4に示されるようになる。なお、本発明においては、赤(R)、緑(G)、青(B)についての上記の各単位空間を第1段階の単位空間と称する。
【0053】
【表4】
【0054】
(S17)演算装置30は、上記において求められた赤(R)、緑(G)、青(B)の各画素のマハラノビスの距離(MD)を記憶装置32から読み出す。
(S18)演算装置30は、赤(R)、緑(G)、青(B)の各画素のマハラノビスの距離(MD)を項目とした単位空間を作成し、更に、その単位空間に対応したマハラノビスの距離(MD)を求める。
【0055】
この計算方法は、上記において第1段階の単位空間を作成し、更に、第1段階のマハラノビスの距離(MD)を求めたときと同様である。この例においては、表4に示されるように、項目は3個であり、データの個数nは856であり、これらの第1段階のマハラノビスの距離(MD)(DR1 2〜DRn 2 、DG1 2〜DGn 2、DB1 2〜DBn 2)を、上記の輝度及び色度の代えて、上記の(2)〜(8)式に適用して同様の処理を行って、平均値m2i、標準偏差σ2i、基準化値y2ijをそれぞれ求め、更に、単位空間(本発明においては第2段階の単位空間と称される。)R2 −1を求めるとともに、画素1〜画素nについてそれぞれ最終のマハラノビスの距離(MD)(D1 2〜Dn 2 )を求める。このようにして基準の表示パネルの単位空間及びマハラノビスの距離(MD)が求められて記憶装置32に格納される。
【0056】
(S19)次に、検査対象となる表示パネル22をXYステージ20上に載置する。記憶装置32はカメラ10からの各画素の画像信号を取り込んで記憶装置32に格納する。
(S20)演算装置30は、検査対象となる表示パネル22のR出力画像、G出力画像及びB出力画像に基づいて各画素の輝度及び色度を、上記の基準の表示パネルの演算処理の場合と同様に、それぞれ計算して記憶装置32に格納する。
(S21)演算装置30は、上記において求められた輝度及び色度と、基準の表示パネルのデータとに基づいて上記の第2段階の単位空間のマハラノビスの距離(MD)を求める。
【0057】
図8は上記の処理(S21)の詳細を示したフローチャートである。演算装置30は、上記の処理(S20)により表示パネル22の画素の輝度及び色度を記憶装置32から読み出して入力するとともに(S21a)、既に上記の処理(S14a,14b)で求めた平均値mi及び標準偏差σiを記憶装置32から読み出して入力する(S21b)。そして、検査対象となる表示パネル22の画素の輝度及び色度についての基準化値ycijを上記の平均値mi及び標準偏差σiを用いて求める(S21c)(上記の(4)式参照)。そして、上記の単位空間に相当する逆行列式R−1を記憶装置32から読み出して入力し(S21d)、まず、第1段階のマハラノビスの距離(MD)を求める(S21e)。この第1段階のマハラノビスの距離(MD)は、基準の表示パネルの場合と同様に、赤(R)、緑(G)及び青(B)の各画素毎に求めるものとし、DcR1 2〜DcRm 2 、DcG1 2〜DcGm 2、DcB1 2〜DcBm 2とする。なお、mは検査対象の表示パネルの画素数(データ数)である。その距離の基準化値を上記にて求めた第2段階の平均値m2i及び標準偏差σ2iを用いて求める。そして、その距離の基準化値と、上記にて求めた第2段階の逆行列式R2 −1(単位空間)とに基づいて、検査対象の表示パネル22の画素の第2段階のマハラノビスの距離Dc1 2〜Dcm 2を求める。以上のようにして検査対象の表示パネル22の最終のマハラノビスの距離(MD)が求められると、図4の処理(S22)に移行する。
【0058】
(S22)演算装置30は、上記の第1段階及び第2段階のハラノビスの距離(MD)(DcR1 2〜DcRm 2 、DcG1 2〜DcGm 2、DcB1 2〜DcBm 2、Dc1 2〜Dcm 2)に基づいて検査対象の表示パネル22の画素を評価する。即ち、画素に欠陥があるかどうか、更に、欠陥の種類について評価する。この画素の評価方法の説明に先立って、単位空間を求める際の項目の組み合わせ方法について説明する。
【0059】
図9及び図10は項目の組み合わせについてのパターンを示した説明図である。上記の説明においては、パターン2の例について説明したが、同様にして、パターン1、パターン3、パターン4−1、パターン4−2、パターン4−3においても同様にしてマハラノビスの距離(MD)を求めることができる。パターン1は比較例として挙げたものであり、輝度及び色度の全てのデータに基づいて単位空間を作成する例である。パターン3は、画素をパターン1,2と同様に上中下に区分し、且つ各画素の輝度と色度とを対としたものであり、ここでは6個の小分類として、6個の単位空間を作成し、更に、その6個の単位空間に対応するマハラノビスの距離(MD)を求めて、そのマハラノビスの距離(MD)を項目して最終的な単位空間を作成する。また、パターン4−1は、画素を上記と同様に上中下に区分し、各画素の輝度(上中下)及び色度(上中下)をそれぞれ小分類として6個の小分類を分類し、6個の単位空間を作成し、更に、その6個の単位空間に対応するマハラノビスの距離(MD)に基づいて最終的な単位空間を作成する。
【0060】
また、パターン4−2は、パターン4−1と同様に分類して6個の単位空間を作成するが、その後に、それらの6個の単位空間を内、輝度に関する単位空間に基づいた距離を項目として次の単位空間を生成するとともに、色度に関する単位空間に基づいた距離を項目として次の単位空間を生成する。そして、このようにして形成された2個の単位空間に対応するマハラノビスの距離(MD)を求めて、更に最終的な単位空間を作成する。
【0061】
また、パターン4−3は、パターン4−2と同様に分類して6個の単位空間を作成するが、その後に、それらの6個の単位空間を内、RGBの各画素の輝度と色度を組とする3個の単位空間を生成して、その単位空間に対するマハラノビスの距離(MD)を求めて更に最終的な単位空間を作成する。
【0062】
上記の各パターンにおけるの最終的な単位空間及びそれに対するマハラノビスの距離(MD)の計算方法は、上記のパターン2における処理と同様であり、その詳細は省略する。
【0063】
ここで、上記の6個のパターンに単位空間に対して、ムラ、黒点及びゴミの3つの不良品データを当てはめ、マハラノビスの距離(MD)を計算した結果を表5に示し、表5のデータをグラフ化したものを図11に示す。パターン1の分割無しのSN比(η)は高いが、感度(S)が低いためセンサーとしては問題があることが分かる。パターン2の条件が直線性及び感度的に良い分割方法であることが分かる。また、多段にすることにより感度が更に大きくなることが確認できる(今回の例では約2倍)。
【0064】
【表5】
【0065】
ところで、評価対象の良し悪しといった評価だけでなく、その不良の原因を探りたい場合が存在する。そのような場合には、最終的なマハラノビスの距離(MD)に纏める前の段階のマハラノビスの距離(MD)からその原因追求が可能であり、表6は上記のパターン2における第1段階のマハラノビスの距離(MD)を示したものである。この表6の内容から、ムラは赤(R)の画素に顕著に表れ、黒点は緑(G)の画素に顕著に表れ、ごみは緑(G)画素に大きな分布があり、青(B)の画素にも影響があることが分かる。したがって、本実施形態においては、最終的なマハラノビスの距離(MD)でなく、各パターン(パターン2〜パターン4−3)の途中の段階のマハラノビスの距離(MD)をも含めて評価するようにしている。
【0066】
【表6】
【0067】
以上のように本実施形態1によれば、表示パネルの欠陥の有無を判定する際に、表示パネルを撮像した際の各画素(R、G、B)に対応した出力画像の輝度及び色度を項目とし、その項目を欠陥に対応して適宜組合わせた小分類の単位空間を求め、更に、その小分類の単位空間に対するマハラノビスの距離に基づいて次段移行の単位空間を求めるようにし、検査対象の表示パネルの各画素(R、G、B)についてそれらの単位空間に対するマハラノビスの距離を求めるようにしたので、画素の欠陥を検出するだけでなく、その欠陥の程度を判別することができる。また、その欠陥がどのような種類のものであるかを判別することができる。また、検査対象の表示パネルの各画素に欠陥がない場合においても、その基準の程度を把握することができる。また、マハラノビスの距離の分布によって、不良画素の多さ、その具合(各画素の良画素からの距離の分布具合等)等に基づく各装置(製品)のグレード(品質)も判断することができ、ランク分けを行うこともできる。更に、欠陥を検出した単位空間の画素のデータ(図6参照)を追跡することにより画素のどの部位(上中下の区分、各区分の細分化されて部位)に欠陥があるかを把握するこことができる。
【0068】
実施形態2.
なお、上記の実施形態1においては輝度及び色度を項目とする例について説明したが、例えば画素面積、画素寸法(大きさ)及び画素ピッチの少なくとも1個(又は全部)を項目として抽出するようにしてもよい。また、小分類を形成する項目の組合わせや基準空間の段階数は、上記の例に限定されるものではなく必要に応じて適宜設定されるものである。
【0069】
また、上記の実施形態1においては各画素を上中下に3区分し、それぞれの区分について20個のデータを切り出す例(輝度の場合)について説明したが、このデータの切り出し方法(場所)においても次のような他の態様がある。
(a)画素(又は画素の区分された領域)の中心のデータを切り出す(データ量を減らすため)。この中心のデータは平均値であってよい。
(b)画素を区分せずに(上記の実施形態1のように上中下に区分しない)画素全体のデータを切り出す。
(c)データ量を減らすために(画素を区分する場合及び区分しない場合の双方において)、例えば撮像信号を取り出すCCD素子の間隔を空けて、とびとびにデータを切り出す(所定の素子間隔でデータを切り出す)。
(d)画素を区分する方法として、例えば縦方向に2つ又は4つ以上に区分してもよく(上下)、或いは、それに代えて又はそれに加えて、横方向に複数(2、3、4以上)に区分するようにしてもよい。
【0070】
また、上記の実施形態1においては、3画素(RGB)を一纏めとする例について説明したが、面での評価をするために、例えば6画素、9画素、12画素、15画素といったように、広い領域を基準(一纏め)としてデータを切り出すようにしてもよい。
また、画素を評価するに際しては、上記のマハラノビスの距離による評価方法に、各画素についての、各測定点(測定点1箇所)、縦横直線上及び面としての測定データによる従来の評価方法を加えて総合的に評価するようにしてもよい。また、上記の実施形態1においては、表示パネル22の例として液晶パネルの例について説明したが、プラズマ、有機EL等の他のカラーパネルであっても本発明は同様に適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る画像処理装置及びその関連設備の構成を示したブロック図。
【図2】制御PCを概念的に示したブロック図。
【図3】カメラ10の出力画像の説明図である。
【図4】演算装置30の演算処理の過程を示したフローチャート。
【図5】表示パネルの1画素分のデータの切り出しの説明図。
【図6】RGBの3画素の各項目の値を示した特性図。
【図7】図4の処理(S14)の処理過程を示したフローチャート。
【図8】図4の処理(S21)の処理過程を示したフローチャート。
【図9】項目の組合わせ例の説明図(その1)。
【図10】項目の組合わせ例の説明図(その2)。
【図11】計測結果を示した特性図。
【符号の説明】
10 カメラ、12 顕微鏡、14 カメラコントローラ、18 ステージコントローラ、20 XYステージ、22 表示パネル、24 電源、30 演算装置、32 記憶装置、36 入力装置、38 表示装置。
【発明の属する技術分野】
本発明はカラー表示パネルの評価方法及びその装置並びにプログラムに関し、特にパターン認識技術(マハラノビスの距離)を用いたカラー表示パネルの画素の評価に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば被検査対象を撮像してその画像信号から欠陥を検出する処理方法として、例えば「試料から得た第1画像を走査して母材より暗い部分,明るい部分を認識し、母材以外の座標を記憶する。試料から得た第2画像を走査して母材の色範囲を指定し母材以外の座標を記憶する。第1,第2画像の座標を重ね、これらによって指定される画素を異物,ボイドの座標と認識する。異物,ボイドとして認識された画素の内、同一の異物,ボイドとして判断される集団毎に、色相,彩度,明度の平均および分布を計算する。次に、各異物,ボイド毎に予め計算した色相,彩度,明度の平均および分布と、上記集団毎に計算された色相,彩度,明度の平均および分布とのマハラノビスの距離をそれぞれ算出し、最もマハラノビスの距離が短い集団をもって、各集団の異物の種類を決定する。」というものがある(特許文献1の要約参照)。
【0003】
また、画像異常の判定をするための基準を定量化し、客観的な評価を効率的に行うために、例えば「…予め、所定の画像データから抽出した所定の特徴量を用いて、マハラノビス空間を設定し、評価対象画像から読み取った画像データを用いて前記マハラノビス空間におけるマハラノビス距離を算出し、該算出されたマハラノビス距離を所定の閾値と比較することにより前記評価対象画像の異常の判定を行う…」というものがある(特許文献2の要約参照)
【0004】
【特許文献1】
特開平6−288936号公報
【特許文献2】
特開2000−275757号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術は何れもパターン認識技術(マハラノビスの距離)を用いたものであるが、上記の特許文献1において提案されている処理方法はカラー表示パネルに適用することができ、画素の欠陥を検出することができるが、その画素の欠陥がどのような態様(例えばムラ、黒点、ゴミ)のものであるかを検出することができないという問題点があった。また、上記の特許文献2においては、カラー表示パネルを対象としておらず、その処理方法をそのままカラー表示パネルに適用することができなかった。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、カラー表示パネルの欠陥を高S/Nで検出するとともに欠陥の態様を検出することを可能にしたカラー表示パネルの評価方法及びその装置並びにプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、検査対象のカラー表示パネルを撮像する工程と、撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める工程と、前記輝度情報及び色度情報に基づいて、基準のカラー表示パネルにおいてそれらの情報を適宜組合わせて求めた複数の小分類の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める工程とを備えたものである。本発明においては、検査対象のカラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報を項目として適宜組合わせて小分類を形成し、その小分類の項目に基づいて、基準のカラー表示パネルの該当する小分類の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求めるようにしているので、カラー表示パネルの画素の欠陥を高S/Nで検出することができるとともに、上記の項目の組合わせに対応して検査対象のカラー表示パネルの画素の欠陥の態様についても検出することが可能になっている。
【0008】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、検査対象のカラー表示パネルを撮像する工程と、撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める工程と、前記輝度情報及び色度情報を初期の項目として、基準のカラー表示パネルにおける多段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める工程とを備えたものである。本発明においてはM(マルチ)−MT法を使用し、多段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を求めているので、各段階の単位空間におけるマハラノビスの距離に基づいてカラー表示パネルの欠陥を高S/Nで検出することができるとともに、上記の項目をの組合わせに対応して検査対象のカラー表示パネルの画素の欠陥の態様についても検出することが可能になっている。
【0009】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、検査対象のカラー表示パネルを撮像する工程と、撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める工程と、前記輝度情報及び色度情報を項目として、基準のカラー表示パネルにおいてそれらの情報を適宜組合わせて求めた複数の小分類の第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める工程と、前記第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を項目として、それらの前記第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を項目とした基準のカラー表示パネルの第2段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める工程とを備えたものである。本発明においては、2段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を求めているので、各段階の単位空間におけるマハラノビスの距離によりカラー表示パネルの欠陥を高S/Nで検出することができるとともに、上記の項目の組合わせに対応して検査対象のカラー表示パネルの画素の欠陥の態様についても検出することが可能になっている。
【0010】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、前記マハラノビスの距離に基づいて前記カラー表示パネルの画素を評価する工程を更に備えたものである。本発明においてはマハラノビスの距離が定量的に求められるので、欠陥の有無だけでなく欠陥の程度についても求めることができる。また、欠陥が無い場合においても、良品としての程度についても把握することができる。
【0011】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める工程においては、1画素の画像信号を複数に区分してそれぞれの輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める。本発明においては、1画素の画像信号を複数に区分してそれぞれの輝度情報及び色度情報を求めるようにしているので、1画素のどの部位に欠陥があるかを追跡することが可能になっている。
【0012】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報を求める工程においては、1画素の画像信号を上中下に区分し、且つ各区分を更に細分化し、その細分化された区分の輝度情報を項目とする。本発明においては、1画素の画像信号を上中下に区分し、更にその区分を細分化しているので、例えば欠陥が1画素の上中下のどの部位にあるか、或いは更にその区分内のどの部位にあるかを追跡することが可能になっている。なお、1画素の画像信号を上中下に区分したことにより人間の眼の分解能に対応させている。
【0013】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報を求める工程においては、1画素の画像信号を上中下に区分し、その区分の輝度情報を項目とする。本発明においては、1画素の画像信号を上中下に区分して色度情報を求めるようにしているので、例えば欠陥が1画素の上中下のどの部位にあるかを追跡することが可能になっている。
【0014】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報の項目に、画素面積、画素の寸法及び画素ピッチの何れかを少なくとも項目として加える。本発明においては、画素面積、画素の寸法及び画素ピッチの何れかを少なくとも項目として加えているので、これらの情報に関連した欠陥についても適切に検出することが可能になっている。
【0015】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、基準のカラー表示パネルにおいて画素の欠陥の種類に対応した複数の単位空間を予め求めておき、前記複数の単位空間における検査対象のカラー表示パネルのマハラノビスの距離を求め、そのマハラノビスの距離に基づいて、欠陥の種類を判別する。本発明においては、画素の欠陥の種類に対応した項目の組み合わせに基づいて、基準のカラー表示パネルの複数の単位空間を予め求めておく。そして、特定の欠陥がある画素について、その単位空間おけるマハラノビスの距離を求めると、その距離が顕著に大きなものとなる。したがって、画素の欠陥の種類に対応して設定された単位空間におけるマハラノビスの距離を求めることに欠陥の種類を判別するようにしたので、欠陥の種類を精度よく判別することができる。このため、上記の単位空間を欠陥の種類を検出するためのフィルタとして機能させることができる。
【0016】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、前記単位空間を形成する画素の部位に応じて欠陥部位を判別する。本発明においては、単位空間を形成する際の画素情報が位置情報をもっているので、例えば上記の例のように、1画素の画像信号が上中下に区分され、その「上」の画像信号に基づいて単位空間を形成し、その単位空間におけるマハラノビスの距離が大である場合には、画素の上部に欠陥があるという判断がなされる。
【0017】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価方法は、検査対象のカラー表示パネルを撮像する際にはカラー表示パネルを白色表示させる。検査対象のカラー表示パネルを白色表示させると、赤、緑及び青の各画素がバランス良く表示されるので検査をする際の表示態様として適切なものとなる。
【0018】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置は、検査対象のカラー表示パネルを撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求め、前記輝度情報及び色度情報に基づいて、基準のカラー表示パネルにおいてそれらの情報を適宜組合わせて求めた複数の小分類の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める演算装置とを備えたものである。本発明においては、演算装置が、検査対象のカラー表示パネルの画素について、複数の小分類の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求めるようにしているので、検査対象のカラー表示パネルの欠陥を高S/Nで検出することができるとともに、上記の項目の組合わせに対応して検査対象のカラー表示パネルの画素の欠陥の態様についても検出することが可能になっている。
【0019】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置は、検査対象のカラー表示パネルを撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める工程と、赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報を初期の項目として、基準のカラー表示パネルにおける多段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める演算装置とを備えたものである。本発明においては、演算装置が、多段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を求めているので、各段階の単位空間におけるマハラノビスの距離により、カラー表示パネルの欠陥を高S/Nで検出することができるとともに、上記の項目の組合わせに対応して検査対象のカラー表示パネルの画素の欠陥の態様についても検出することが可能になっている。
【0020】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置は、検査対象のカラー表示パネルを撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求め、前記輝度情報及び色度情報を項目として、基準のカラー表示パネルにおいてそれらの情報を適宜組合わせた複数の小分類の第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求め、更に、前記第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を項目として、それらの前記第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を項目とした基準のカラー表示パネルの第2段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める演算手段とを備えたものである。本発明においては、2段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を求めているので、各段階の単位空間におけるマハラノビスの距離によりカラー表示パネルの欠陥を高S/Nで検出することができるとともに、上記の項目の組合わせに対応して検査対象のカラー表示パネルの画素の欠陥の態様についても検出することが可能になっている。
【0021】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置において、前記演算装置は、前記マハラノビスの距離に基づいて前記検査対象のカラー表示パネルの画素を評価する。本発明においては、前記マハラノビスの距離が定量的に求められるので、欠陥の有無だけでなく欠陥の程度についても求めることができる。また、欠陥が無い場合においても、良品としての程度についても把握することができる。
【0022】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置において、前記演算装置は、前記検査対象のカラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める際には、1画素の画像信号を複数に区分してそれぞれの輝度情報及び色度情報を求める。本発明においては、1画素の画像信号を複数に区分してそれぞれの輝度情報及び色度情報を求めるようにしているので、1画素のどの部位に欠陥があるかを追跡することが可能になっている。
【0023】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置において、前記演算装置は、前記検査対象のカラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報を求める際には、1画素の画像信号を上中下に区分し、且つ各区分を更に細分化し、その細分化された区分の輝度情報を項目としてマハラノビスの距離を求める。本発明においては、1画素の画像信号を上中下に区分し、更にその区分を細分化しているので、例えば欠陥が1画素の上中下のどの部位にあるか、或いは更にその区分内のどの部位にあるかを追跡することが可能になっている。
【0024】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置において、前記演算装置は、前記検査対象のカラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報を求める際には、1画素の画像信号を上中下に区分し、その区分の輝度情報を項目とする。本発明においては、1画素の画像信号を上中下に区分して色度情報を求めるようにしているので、例えば欠陥が1画素の上中下のどの部位にあるかを追跡することが可能になっている。
【0025】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置において、前記演算装置は、前記輝度情報及び色度情報の項目の他に、画素面積、画素の寸法及び画素ピッチの何れかの項目を少なくとも含む。本発明においては、画素面積、画素の寸法及び画素ピッチの何れかを少なくとも項目として加えているので、これらの情報に関連した欠陥を適切に検出することが可能になっている。
【0026】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置において、前記演算装置は、画素の欠陥の種類に対応して設定された基準のカラー表示パネルの複数の単位空間における検査対象のカラー表示パネルのマハラノビスの距離を求め、そのマハラノビスの距離に基づいて欠陥の種類を判別する。本発明においては、画素の欠陥の種類に対応した項目の組み合わせに基づいて、基準のカラー表示パネルの複数の単位空間を予め求めておく。そして、特定の欠陥がある画素について、その単位空間おけるマハラノビスの距離を求めると、その距離が顕著に大きなものとなる。したがって、画素の欠陥の種類に対応して設定された単位空間におけるマハラノビスの距離を求めることにより欠陥の種類を判別するようにしたので、欠陥の種類を精度よく判別することができる。
【0027】
また、本発明に係るカラー表示パネルの評価装置において、前記演算装置は、前記単位空間を形成する画素の部位に応じて欠陥部位を判別する。本発明においては、単位空間を形成する際の画素情報が位置情報をもっていると、例えば上記の例のように、1画素の画像信号が上中下に区分され、その「上」の画像信号に基づいて単位空間を形成し、その単位空間におけるマハラノビスの距離が大である場合には、画素の上部に欠陥があるという判断がなされる。
【0028】
また、本発明に係るプログラムは、上記のカラー表示パネルの評価方法における各処理をコンピュータに行わせるものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施形態1.
図1は本発明の実施形態1に係る画像処理装置及びその関連設備の構成を示したブロック図である。図1において、3CCDカメラ(以下カメラという)10には顕微鏡12が装備されており、カメラ10は顕微鏡12により拡大された被写体を撮像する。カメラ10にはカメラコントローラ14が接続されており、カメラコントローラ14はカメラ10を駆動するとともに撮像信号を制御PC16に送り出す。制御PC16はその撮像信号を後述の演算処理を施して画素の欠陥等を検出するための演算処理をする。また、この制御PC16は、ステージコントローラ18を介してXYステージ20を位置制御する。XYステージ20には被写体となる表示パネル(例えば液晶パネル)22が載置され、表示パネル22には電源24から駆動電圧が供給されて例えば白色の表示状態になっているものとし、表示パネル22とカメラ10との相対位置はXYステージ20により制御される。
【0030】
図2は制御PC16の機能を本実施形態1に即して概念的に示したブロック図である。制御PC16は、平均値・標準偏差、基準化値、逆行列(単位空間)、マハラノビス距離(MD)、検査判断等を含む各種の演算処理をするための演算装置(CPU)30、演算装置30の演算処理を規定するためプログラムや各種のデータが格納される記憶装置32、入力インターフェース(以下、入力IFという)34、入力装置36及び表示装置38を備えている。入力IF34は、カメラ10の撮像信号をカメラコントローラ14を介して制御PC16に取り込むための処理を行うものである。
【0031】
図3はカメラ10の撮像信号の説明図である。同図に示されるように、撮像信号には、表示パネル22のR画素、G画素、及びB画素にそれぞれ対応した画像信号が含まれており、そして、それらの画像信号は、R出力画像、G出力画像、及びB出力画像にそれぞれ分離されて出力され、カメラコントローラ14を介して制御PC16に取り込まれる。
【0032】
図4は図2の演算装置30の演算処理の過程を示したフローチャートである。このフローチャートに従って表示パネル22の画素欠陥の有無等の判定方法を説明する。なお、本実施形態においては、後述の図9及び図10のパターン2、パターン3、パターン4−1〜4−3について各処理をそれぞれ行ってそれぞれのパターンに対応した画素の欠陥を検出するが、ここではまずパターン2の例について説明するものとする。
【0033】
(S11)まず、予め良品と分かっている表示パネル22の画像信号を取得する。即ち、予め良品と分かっている基準となる表示パネル22をXYステージ20に載置してカメラ10により撮像する。このとき、表示パネル22の全域に亘って撮像するために、XYステージ20を適宜制御して表示パネル22とカメラ10との相対位置を調整する。演算装置30は、画像信号を入力IF34を介して取り込むと記憶装置32に格納する。
【0034】
(S12)演算装置30は、R出力画像、G出力画像、及びB出力画像(図3参照)に基づいて各画素の輝度及び色度をそれぞれ計算する。演算装置30は、輝度については、画像信号の例えばR出力画像に着目したときには、そのカメラ出力値(R)を輝度値として用いる。他の色の場合についても同様である。色度については、測定対象に合わせたマトリックス演算を用いて、相対的なRGB値を絶対的なXYZへ変換して色度を求める。具体的には次の(1)式により求められる。なお、次の(1)式において、R、G、Bはそれぞれカメラの出力値であり、x,yは色度である。
【0035】
【数1】
【0036】
(S13)演算装置30は単位空間のデータを得るための項目の選択をする。なお、この項目の選択はパターン(図9、図10)に対応して異なったものになるが、ここではパターン2(図9参照)についての距離を求めるので、それに対応した項目を選択する(後述の表2参照)。表示パネル22はRGB画素の輝度比率を変えることにより様々な色表現が可能である。したがって、RGB画素のバランスがパネル全体の表示品質に影響する。そこで、本実施形態においてはRGBの3画素を1組の画素として、その画素の輝度及び色度を単位空間のデータとしている。また、理想的な状態は白を表示した場合とし表示パネル22は白を表示させている。
【0037】
図5は上記の基準の表示パネルの1画素分に対応するデータを区分して良品データの項目の切り出しを行う際の説明図である。1画素分のデータを、上下方向に3分割して上中下と区分し、その上中下の各区分を横方向(x方向)に5区分し、縦方向に4区分する。そして、輝度については、上中下の各区分について20項目(5×4)のデータを得る。色度については、上中下の各区分について2項目(x,y)のデータを得る。したがって、項目は、各画素の出力画像から輝度を60項目(60項目=1画素内の上20項目+中20項目+下20項目)、色度を6項目それぞれ抽出する。そして、RGBの3画素を1組分とし、全項目を198項目としている。そして、これらの項目を表示パネル22の全画素数(例えばn=856画素)について抽出する。それらを纏めたのが次の表1であり、表1に示された項目が単位空間を求めるのに使用されることになる。
【0038】
【表1】
【0039】
図6は表1の或る画素についてのRGBの3画素の各項目とそれに対する輝度又は色度の関係を示した特性図である。演算装置30は図9のパターン2についての距離を求めるが、その際にはRGBの各出力画像について順次処理を行う。ここはまず赤(R)の輝度と色度とを項目として抽出して選択する。
【0040】
次の表2は赤(R)の輝度と色度とを項目として抽出した際のリストを示した表(パターン2に対応)であり、輝度及び色度の各データをYijで表している。赤(R)の画素の個数(例えばn=856)のそれぞれについて項目数が66個(輝度が60個、色度が6個)ある。
【0041】
【表2】
【0042】
(S14)演算装置30は単位空間を作成してマハラノビスの距離(MD)を計算する。単位空間を求める計算処理自体は既知の事項であるが、ここで簡単に説明する。
【0043】
図7はマハラノビスの距離(MD)を求める際の処理過程を示したフローチャートである。まず、表2の輝度及び色度の各項目Yijについての平均値miを求める(S14a)。表2のデータをYijとし、項目数をi=1,2,…k(この例ではk=66)とし、データ数をj=1,2,…n(この例ではn=856)とすると、後述の(2)式により求められる。そして、各項目についての標準偏差σiを後述の(3)式により求める(S14b)。更に、ここで求められた平均値mi及び標準偏差σiに基づいて個々の項目についての基準化値yijを後述の(4)式により求める(S14c)。それによって全ての項目において、「1」を中心として均等に分布するデータに変換することが可能になる。上記の(2)式〜(4)式は次のとおりであり、また、ここで求められた基準化値yijは表3に示されるようになる。なお、上記の平均値mi及び標準偏差σiは記憶装置32に格納される。
【0044】
【数2】
【0045】
【表3】
【0046】
次に、基準化値yijを用いて、個々の項目の相関を示す相関行列Rを求める(S14d)。データが基準化されていることにより相関行列Rは次の(5)式及び(6)式により求められる。自分自身に対する相関は1なので、斜め成分は全て1である
【0047】
【数3】
【0048】
演算装置30は、上記の相関行列Rの逆行列R−1を次の(7)式により求める(S14e)。この逆行列R−1が単位空間である。最初のループにおいては赤(R)の単位空間が求められることになる。この逆行列R−1(単位空間)についても記憶装置32に格納される。
【0049】
【数4】
【0050】
次に、この赤(R)の単位空間を用いて赤(R)の画素1〜画素nのマハラノビスの距離DR1 2〜DRn 2を次の(8)式により求める(S14f)。このときは上記の基準化値データを用いて計算する。マハラノビスの距離が求められると、図4の処理(S15)に移行する。
【0051】
【数5】
【0052】
(S15)演算装置30は、上記にて計算されたマハラノビスの距離(MD)DR1 2〜DRn 2を記憶装置32に格納する。
(S16)演算装置30は、マハラノビスの距離(MD)の計算が終了したかどうかを判断する。この段階では、まだ、赤(R)の画素しか計算していないので、緑(G)及び青(B)についても同様に上記の処理を繰り返して、DG1 2〜DGn 2、DB1 2〜DBn 2を求める。このようにして、赤(R)、緑(G)、青(B)の各画像出力についてのマハラノビスの距離(MD)が求められて記憶装置32に格納されることになる。このときの赤(R)、緑(G)、青(B)の各画素のマハラノビスの距離(MD)は例えば表4に示されるようになる。なお、本発明においては、赤(R)、緑(G)、青(B)についての上記の各単位空間を第1段階の単位空間と称する。
【0053】
【表4】
【0054】
(S17)演算装置30は、上記において求められた赤(R)、緑(G)、青(B)の各画素のマハラノビスの距離(MD)を記憶装置32から読み出す。
(S18)演算装置30は、赤(R)、緑(G)、青(B)の各画素のマハラノビスの距離(MD)を項目とした単位空間を作成し、更に、その単位空間に対応したマハラノビスの距離(MD)を求める。
【0055】
この計算方法は、上記において第1段階の単位空間を作成し、更に、第1段階のマハラノビスの距離(MD)を求めたときと同様である。この例においては、表4に示されるように、項目は3個であり、データの個数nは856であり、これらの第1段階のマハラノビスの距離(MD)(DR1 2〜DRn 2 、DG1 2〜DGn 2、DB1 2〜DBn 2)を、上記の輝度及び色度の代えて、上記の(2)〜(8)式に適用して同様の処理を行って、平均値m2i、標準偏差σ2i、基準化値y2ijをそれぞれ求め、更に、単位空間(本発明においては第2段階の単位空間と称される。)R2 −1を求めるとともに、画素1〜画素nについてそれぞれ最終のマハラノビスの距離(MD)(D1 2〜Dn 2 )を求める。このようにして基準の表示パネルの単位空間及びマハラノビスの距離(MD)が求められて記憶装置32に格納される。
【0056】
(S19)次に、検査対象となる表示パネル22をXYステージ20上に載置する。記憶装置32はカメラ10からの各画素の画像信号を取り込んで記憶装置32に格納する。
(S20)演算装置30は、検査対象となる表示パネル22のR出力画像、G出力画像及びB出力画像に基づいて各画素の輝度及び色度を、上記の基準の表示パネルの演算処理の場合と同様に、それぞれ計算して記憶装置32に格納する。
(S21)演算装置30は、上記において求められた輝度及び色度と、基準の表示パネルのデータとに基づいて上記の第2段階の単位空間のマハラノビスの距離(MD)を求める。
【0057】
図8は上記の処理(S21)の詳細を示したフローチャートである。演算装置30は、上記の処理(S20)により表示パネル22の画素の輝度及び色度を記憶装置32から読み出して入力するとともに(S21a)、既に上記の処理(S14a,14b)で求めた平均値mi及び標準偏差σiを記憶装置32から読み出して入力する(S21b)。そして、検査対象となる表示パネル22の画素の輝度及び色度についての基準化値ycijを上記の平均値mi及び標準偏差σiを用いて求める(S21c)(上記の(4)式参照)。そして、上記の単位空間に相当する逆行列式R−1を記憶装置32から読み出して入力し(S21d)、まず、第1段階のマハラノビスの距離(MD)を求める(S21e)。この第1段階のマハラノビスの距離(MD)は、基準の表示パネルの場合と同様に、赤(R)、緑(G)及び青(B)の各画素毎に求めるものとし、DcR1 2〜DcRm 2 、DcG1 2〜DcGm 2、DcB1 2〜DcBm 2とする。なお、mは検査対象の表示パネルの画素数(データ数)である。その距離の基準化値を上記にて求めた第2段階の平均値m2i及び標準偏差σ2iを用いて求める。そして、その距離の基準化値と、上記にて求めた第2段階の逆行列式R2 −1(単位空間)とに基づいて、検査対象の表示パネル22の画素の第2段階のマハラノビスの距離Dc1 2〜Dcm 2を求める。以上のようにして検査対象の表示パネル22の最終のマハラノビスの距離(MD)が求められると、図4の処理(S22)に移行する。
【0058】
(S22)演算装置30は、上記の第1段階及び第2段階のハラノビスの距離(MD)(DcR1 2〜DcRm 2 、DcG1 2〜DcGm 2、DcB1 2〜DcBm 2、Dc1 2〜Dcm 2)に基づいて検査対象の表示パネル22の画素を評価する。即ち、画素に欠陥があるかどうか、更に、欠陥の種類について評価する。この画素の評価方法の説明に先立って、単位空間を求める際の項目の組み合わせ方法について説明する。
【0059】
図9及び図10は項目の組み合わせについてのパターンを示した説明図である。上記の説明においては、パターン2の例について説明したが、同様にして、パターン1、パターン3、パターン4−1、パターン4−2、パターン4−3においても同様にしてマハラノビスの距離(MD)を求めることができる。パターン1は比較例として挙げたものであり、輝度及び色度の全てのデータに基づいて単位空間を作成する例である。パターン3は、画素をパターン1,2と同様に上中下に区分し、且つ各画素の輝度と色度とを対としたものであり、ここでは6個の小分類として、6個の単位空間を作成し、更に、その6個の単位空間に対応するマハラノビスの距離(MD)を求めて、そのマハラノビスの距離(MD)を項目して最終的な単位空間を作成する。また、パターン4−1は、画素を上記と同様に上中下に区分し、各画素の輝度(上中下)及び色度(上中下)をそれぞれ小分類として6個の小分類を分類し、6個の単位空間を作成し、更に、その6個の単位空間に対応するマハラノビスの距離(MD)に基づいて最終的な単位空間を作成する。
【0060】
また、パターン4−2は、パターン4−1と同様に分類して6個の単位空間を作成するが、その後に、それらの6個の単位空間を内、輝度に関する単位空間に基づいた距離を項目として次の単位空間を生成するとともに、色度に関する単位空間に基づいた距離を項目として次の単位空間を生成する。そして、このようにして形成された2個の単位空間に対応するマハラノビスの距離(MD)を求めて、更に最終的な単位空間を作成する。
【0061】
また、パターン4−3は、パターン4−2と同様に分類して6個の単位空間を作成するが、その後に、それらの6個の単位空間を内、RGBの各画素の輝度と色度を組とする3個の単位空間を生成して、その単位空間に対するマハラノビスの距離(MD)を求めて更に最終的な単位空間を作成する。
【0062】
上記の各パターンにおけるの最終的な単位空間及びそれに対するマハラノビスの距離(MD)の計算方法は、上記のパターン2における処理と同様であり、その詳細は省略する。
【0063】
ここで、上記の6個のパターンに単位空間に対して、ムラ、黒点及びゴミの3つの不良品データを当てはめ、マハラノビスの距離(MD)を計算した結果を表5に示し、表5のデータをグラフ化したものを図11に示す。パターン1の分割無しのSN比(η)は高いが、感度(S)が低いためセンサーとしては問題があることが分かる。パターン2の条件が直線性及び感度的に良い分割方法であることが分かる。また、多段にすることにより感度が更に大きくなることが確認できる(今回の例では約2倍)。
【0064】
【表5】
【0065】
ところで、評価対象の良し悪しといった評価だけでなく、その不良の原因を探りたい場合が存在する。そのような場合には、最終的なマハラノビスの距離(MD)に纏める前の段階のマハラノビスの距離(MD)からその原因追求が可能であり、表6は上記のパターン2における第1段階のマハラノビスの距離(MD)を示したものである。この表6の内容から、ムラは赤(R)の画素に顕著に表れ、黒点は緑(G)の画素に顕著に表れ、ごみは緑(G)画素に大きな分布があり、青(B)の画素にも影響があることが分かる。したがって、本実施形態においては、最終的なマハラノビスの距離(MD)でなく、各パターン(パターン2〜パターン4−3)の途中の段階のマハラノビスの距離(MD)をも含めて評価するようにしている。
【0066】
【表6】
【0067】
以上のように本実施形態1によれば、表示パネルの欠陥の有無を判定する際に、表示パネルを撮像した際の各画素(R、G、B)に対応した出力画像の輝度及び色度を項目とし、その項目を欠陥に対応して適宜組合わせた小分類の単位空間を求め、更に、その小分類の単位空間に対するマハラノビスの距離に基づいて次段移行の単位空間を求めるようにし、検査対象の表示パネルの各画素(R、G、B)についてそれらの単位空間に対するマハラノビスの距離を求めるようにしたので、画素の欠陥を検出するだけでなく、その欠陥の程度を判別することができる。また、その欠陥がどのような種類のものであるかを判別することができる。また、検査対象の表示パネルの各画素に欠陥がない場合においても、その基準の程度を把握することができる。また、マハラノビスの距離の分布によって、不良画素の多さ、その具合(各画素の良画素からの距離の分布具合等)等に基づく各装置(製品)のグレード(品質)も判断することができ、ランク分けを行うこともできる。更に、欠陥を検出した単位空間の画素のデータ(図6参照)を追跡することにより画素のどの部位(上中下の区分、各区分の細分化されて部位)に欠陥があるかを把握するこことができる。
【0068】
実施形態2.
なお、上記の実施形態1においては輝度及び色度を項目とする例について説明したが、例えば画素面積、画素寸法(大きさ)及び画素ピッチの少なくとも1個(又は全部)を項目として抽出するようにしてもよい。また、小分類を形成する項目の組合わせや基準空間の段階数は、上記の例に限定されるものではなく必要に応じて適宜設定されるものである。
【0069】
また、上記の実施形態1においては各画素を上中下に3区分し、それぞれの区分について20個のデータを切り出す例(輝度の場合)について説明したが、このデータの切り出し方法(場所)においても次のような他の態様がある。
(a)画素(又は画素の区分された領域)の中心のデータを切り出す(データ量を減らすため)。この中心のデータは平均値であってよい。
(b)画素を区分せずに(上記の実施形態1のように上中下に区分しない)画素全体のデータを切り出す。
(c)データ量を減らすために(画素を区分する場合及び区分しない場合の双方において)、例えば撮像信号を取り出すCCD素子の間隔を空けて、とびとびにデータを切り出す(所定の素子間隔でデータを切り出す)。
(d)画素を区分する方法として、例えば縦方向に2つ又は4つ以上に区分してもよく(上下)、或いは、それに代えて又はそれに加えて、横方向に複数(2、3、4以上)に区分するようにしてもよい。
【0070】
また、上記の実施形態1においては、3画素(RGB)を一纏めとする例について説明したが、面での評価をするために、例えば6画素、9画素、12画素、15画素といったように、広い領域を基準(一纏め)としてデータを切り出すようにしてもよい。
また、画素を評価するに際しては、上記のマハラノビスの距離による評価方法に、各画素についての、各測定点(測定点1箇所)、縦横直線上及び面としての測定データによる従来の評価方法を加えて総合的に評価するようにしてもよい。また、上記の実施形態1においては、表示パネル22の例として液晶パネルの例について説明したが、プラズマ、有機EL等の他のカラーパネルであっても本発明は同様に適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る画像処理装置及びその関連設備の構成を示したブロック図。
【図2】制御PCを概念的に示したブロック図。
【図3】カメラ10の出力画像の説明図である。
【図4】演算装置30の演算処理の過程を示したフローチャート。
【図5】表示パネルの1画素分のデータの切り出しの説明図。
【図6】RGBの3画素の各項目の値を示した特性図。
【図7】図4の処理(S14)の処理過程を示したフローチャート。
【図8】図4の処理(S21)の処理過程を示したフローチャート。
【図9】項目の組合わせ例の説明図(その1)。
【図10】項目の組合わせ例の説明図(その2)。
【図11】計測結果を示した特性図。
【符号の説明】
10 カメラ、12 顕微鏡、14 カメラコントローラ、18 ステージコントローラ、20 XYステージ、22 表示パネル、24 電源、30 演算装置、32 記憶装置、36 入力装置、38 表示装置。
Claims (22)
- 検査対象のカラー表示パネルを撮像する工程と、
撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める工程と、
前記輝度情報及び色度情報に基づいて、基準のカラー表示パネルにおいてそれらの情報を適宜組合わせて求めた複数の小分類の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める工程と
を備えたことを特徴とするカラー表示パネルの評価方法。 - 検査対象のカラー表示パネルを撮像する工程と、
撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める工程と、
前記輝度情報及び色度情報を初期の項目として、基準のカラー表示パネルにおける複数の段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める工程とを備えたことを特徴とするカラー表示パネルの評価方法。 - 検査対象のカラー表示パネルを撮像する工程と、
撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める工程と、
前記輝度情報及び色度情報を項目として、基準のカラー表示パネルにおいてそれらの情報を適宜組合わせて求めた複数の小分類の第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める工程と、
前記第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を項目として、基準のカラー表示パネルにおいて前記第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を項目とした第2段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める工程と
を備えたことを特徴とするカラー表示パネルの評価方法。 - 前記マハラノビスの距離に基づいて前記カラー表示パネルの画素を評価する工程を更に備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のカラー表示パネルの評価方法。
- 前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める工程においては、1画素の画像信号を複数に区分してそれぞれの輝度情報及び色度情報を求めることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のカラー表示パネルの評価方法。
- 前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報を求める工程においては、1画素の画像信号を上中下に区分し、且つ各区分を更に細分化し、その細分化された区分の輝度情報をそれぞれ項目とすることを特徴とする請求項5記載のカラー表示パネルの評価方法。
- 前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報を求める工程においては、1画素の画像信号を上中下に区分し、その区分の輝度情報を項目とすることを特徴とする請求項5又は6記載のカラー表示パネルの評価方法。
- 前記輝度情報及び色度情報の項目の他に、画素面積、画素の寸法及び画素ピッチの何れかを少なくとも項目として加えることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のカラー表示パネルの評価方法。
- 基準のカラー表示パネルにおいて画素の欠陥の種類に対応した複数の単位空間を予め求めておき、前記複数の単位空間における検査対象のカラー表示パネルのマハラノビスの距離を求め、そのマハラノビスの距離に基づいて、欠陥の種類を判別することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のカラー表示パネルの評価方法。
- 前記単位空間における前記マハラノビスの距離が所定の基準よりも大であるとき、当該単位空間を形成する画素の部位に応じて欠陥部位を判別することを特徴とする特徴とする請求項4〜9の何れかに記載のカラー表示パネルの評価方法。
- 検査対象のカラー表示パネルを撮像する際にはカラー表示パネルを白色表示させることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のカラー表示パネルの評価方法。
- 検査対象のカラー表示パネルを撮像する撮像手段と、
撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求め、前記輝度情報及び色度情報に基づいて、基準のカラー表示パネルにおいてそれらの情報を適宜組合わせて求めた複数の小分類の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める演算装置と
を備えたことを特徴とするカラー表示パネルの評価装置。 - 検査対象のカラー表示パネルを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める工程と、前記輝度情報及び色度情報を初期の項目として、基準のカラー表示パネルにおける複数の段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める演算装置と
を備えたことを特徴とするカラー表示パネルの評価装置。 - 検査対象のカラー表示パネルを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像信号の内、前記カラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求め、前記輝度情報及び色度情報を項目として、基準のカラー表示パネルにおいてそれらの情報を適宜組合わせて求めた複数の小分類の第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求め、更に、前記第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を項目として、基準のカラー表示パネルにおいて前記第1段階の単位空間におけるマハラノビスの距離を項目とした第2段階の単位空間におけるマハラノビスの距離をそれぞれ求める演算手装置と
を備えたことを特徴とするカラー表示パネルの評価装置。 - 前記演算装置は、前記マハラノビスの距離に基づいて前記検査対象のカラー表示パネルの画素を評価することを特徴とする請求項12〜14の何れかに記載のカラー表示パネルの評価装置。
- 前記演算装置は、前記検査対象のカラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報をそれぞれ求める際には、1画素の画像信号を複数に区分してそれぞれの輝度情報及び色度情報を求めることを特徴とする請求項12〜15の何れかに記載のカラー表示パネルの評価装置。
- 前記演算装置は、前記検査対象のカラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報を求める際には、1画素の画像信号を上中下に区分し、且つ各区分を更に細分化し、その細分化された区分の輝度情報を項目とすることを特徴とする請求項16記載のカラー表示パネルの評価装置。
- 前記演算装置は、前記検査対象のカラー表示パネルの赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報を求める際には、1画素の画像信号を上中下に区分し、その区分の輝度情報を項目とすることを特徴とする請求項16又は17記載のカラー表示パネルの評価装置。
- 前記演算装置は、赤、緑及び青の各画素の画像信号の輝度情報及び色度情報の項目の他に、画素面積、画素の寸法及び画素ピッチの何れかの項目を少なくとも含むことを特徴とする請求項12〜18の何れかに記載のカラー表示パネルの評価装置。
- 前記演算装置は、基準のカラー表示パネルにおいて画素の欠陥の種類に対応した複数の単位空間を予め求めておき、前記複数の単位空間における検査対象のカラー表示パネルのマハラノビスの距離を求め、そのマハラノビスの距離に基づいて欠陥の種類を判別することを特徴とする請求項12〜19の何れかに記載のカラー表示パネルの評価装置。
- 前記演算装置は、前記単位空間における前記マハラノビスの距離が所定の基準よりも大であるとき、当該単位空間を形成する画素の部位に応じて欠陥部位を判別することを特徴とする特徴とする請求項16〜20の何れかに記載のカラー表示パネルの評価装置。
- 請求項1〜11の何れかに記載のカラー表示パネルの評価方法における各処理をコンピュータに行わせることを特徴とするプログラム。
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