JP2013076773A - 偏光子保護フィルム及びその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】高ヘイズであり、さらには全光線透過率も高い偏光子保護フィルム及びその利用技術を提供する。
【解決手段】屈折率の差が0.01以上である熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとを含む組成物からなり、ヘイズが40%以上である偏光子保護フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、偏光子保護フィルム及びその利用に関し、特に高ヘイズと高透過率とを兼ね備えた偏光子保護フィルム及びその利用に関するものである。
液晶表示装置には、視認性向上のために、位相差フィルム、偏光子保護フィルム、拡散フィルム等の種々の光学フィルムが用いられている。
図2に、一般的な液晶表示装置の画像表示部の概略構造を模式的に示す。同図に示すように、液晶表示装置50は、液晶セル54、2つの偏光板62・63、バックライトユニット64を備えている。2つの偏光板62・63は、液晶セル54の両側に配置される。偏光板62・63は、通常、ヨウ素などの二色性物質を吸着させたポリビニルアルコールフィルムを一軸延伸した偏光子52(56)の両面に、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムなどの偏光子保護フィルム51・53(55・57)を積層する構成である。バックライトユニット64は、プリズムシート58及び輝度向上フィルム59等の、いわゆる拡散フィルムと拡散板60とを積層した拡散部材と、光源61とで構成される、拡散部材は、光源61の光を均一に拡散させて偏光板63に到達させるものである。
近年、液晶表示装置の薄型化、製造工程の短縮によるコスト削減を目的として、液晶表示装置の部材を削減する試みがなされている。例えば、特許文献1には、位相差フィルムの機能を偏光子保護フィルムに付与し、位相差フィルムと偏光子保護フィルムを一層化した光学フィルムが開示されている。
特開2008−299096号公報(2008年12月21日公開)
液晶表示装置の薄型化等のためには、上記特許文献1以外にも、まだ改良の余地が残されている。例えば、バックライトユニット64側の偏光板63に、拡散部材の機能を付与することができれば、バックライトユニット64において、拡散フィルムとして機能するプリズムシート58及び輝度向上フィルム59等の光学フィルムを省略することができると本願発明者らは考える。
しかしながら、拡散フィルムの機能を有する偏光子保護フィルムは、ヘイズと全光線透過率とがともに高くなければならないが、これまでこのような光学特性を有する偏光子保護フィルムは開発されていない。例えば、上記特許文献1に記載される偏光子保護フィルムは、全光線透過率は高い一方、ヘイズが5%以下である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高ヘイズであり、さらには全光線透過率も高い偏光子保護フィルム及びその利用技術を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、屈折率の差が所定の値以上である少なくとも2種類の樹脂を含む樹脂組成物から得た偏光子保護フィルムが、高
ヘイズで、かつ全光線透過率も高いという新規知見を見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、以下の構成からなるものである。
(1)屈折率の差が0.01以上である熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとを含む組成物からなり、ヘイズが40%以上である偏光子保護フィルム。
(2)全光線透過率が50%以上95%以下であり、膜厚が10μm以上200μm以下である(1)に記載の偏光子保護フィルム。
(3)さらに紫外線吸収剤を含む(1)又は(2)に記載の偏光子保護フィルム。
(4)上記熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bは、いずれも膜厚100μmのフィルムに成形して測定した場合の全光線透過率が85%以上99%以下である(1)〜(3)のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
(5)上記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの混合比率(重量部)は、99.5:0.5〜0.5:99.5である(1)〜(4)のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
(6)上記熱可塑性樹脂Aは、アクリル系樹脂又はスチレン系樹脂であり、上記熱可塑性樹脂Bは、オレフィン系樹脂である(1)〜(5)のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
(7)上記アクリル系樹脂は、主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂である(1)〜(6)のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
(8)上記スチレン系樹脂は、アクリロニトリル―スチレン共重合体又はアクリロニトリル―スチレン―マレイミド共重合体である(1)〜(7)のいずれかに記載の偏光子保護フィルム。
(9)上記オレフィン系樹脂は、下記一般式(1)で表される構造単位を含む環状オレフィン系樹脂である(1)〜(8)のいずれかに記載の偏光子保護フィルム:
Figure 2013076773
(Xは独立に式:―CH=CH−で表される基又は式:−CHCH−で表される基。R〜Rは各々独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウ若しくはケイ素を
含む連結基を有していてもよい置換又は非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;又は極性基を表す。また、R〜Rのうち任意の2つが互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。)
(10)ヘイズが40%以上である偏光子保護フィルム。
(11)偏光子と、(1)〜(10)のいずれかに記載の偏光子保護フィルムと、を備える偏光板。
(12)(11)に記載の偏光板を備える画像表示装置。
本発明に係る偏光子保護フィルムは、高ヘイズであり、さらには全光線透過率も高いものである。このため、拡散フィルムの機能を付与した偏光子保護フィルムとして使用することができる。本発明に係る偏光子保護フィルムを用いることにより、例えば、画像表示装置において、別途拡散フィルムを設ける必要がなくなるため、液晶表示装置の薄型化、部材品数の削減及び製造工程の短縮によるコスト削減を達成することができる。
本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の概略構造を模式的に示す断面図である。 一般的な液晶表示装置の画像表示部の概略構造を模式的に示す断面図である。を示す図である。
本発明の実施の一形態について、以下に詳細に説明する。本明細書中に記載された学術文献及び特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意味する。
<1.偏光子保護フィルム>
本発明に係る偏光子保護フィルムは、屈折率の差が0.01以上である熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとを含む組成物からなり、ヘイズが40%以上であればよい。また、他の局面では、本発明に係る偏光子保護フィルムは、ヘイズが40%以上であるものであってもよい。
偏光子保護フィルムにおけるヘイズは45%以上(例えば、50%以上、55%以上、60%以上)であることが好ましい。上限については特に規定しないが、99%を超えると全光線透過率が低下するおそれがあるので99%以下(例えば、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下)が好ましい。ヘイズが上記範囲内であれば、良好な光拡散機能を付与することができる。ヘイズの測定方法としては、後述する実施例に記載の手法を好適に利用できる。
上記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの屈折率の差は、0.01以上であることが好ましいが、熱可塑性樹脂A,Bのいずれが高くても構わない。熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの屈折率の差は、0.015以上であることがより好ましく、さらには0.03以上であることが好ましい。上限については特に設定されないが、0.15以下であればよい。熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの「屈折率」の測定方法については、後述する実施例に記載の手法を好適に利用できる。
本発明に係る偏光子保護フィルムは、さらに、全光線透過率が50%以上95%以下で
あることが好ましい。さらには、全光線透過率は、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上であることがより好ましい。全光線透過率が上記範囲内であれば、偏光子保護フィルムとして優れた機能を発揮できる。透明性の目安であり、50%未満であると透明性が低下し、光学フィルムとして適さない。「全光線透過率」の測定方法については、後述する実施例に記載の手法を例示できる。
また、偏光子保護フィルムの膜厚は10μm以上200μm以下であることが好ましい。上記「ヘイズ」及び「全光線透過率」は、上記膜厚の範囲内で測定した値である。
また、上記熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bは、いずれも単独でフィルムに成形して測定した場合、膜厚100μmのフィルムに成形して測定した場合の全光線透過率が85%以上99%以下であることが好ましい。この範囲内であれば、2種の樹脂を混合した場合に高い全光線透過率を達成できる。なお、樹脂をフィルム化するための手法については公知の手法を利用できる。
また、上記熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bは、いずれも単独で膜厚100μmのフィルムに成形して測定した場合、ヘイズが10%以下であることが好ましく、さらには5%以下であることが好ましい。この範囲内であれば、2種の樹脂を混合した場合に高い全光線透過率を達成できる。
上記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの混合比率(重量部)は、99.5:0.5〜0.5:99.5であることが好ましい。特に、上記熱可塑性樹脂Aが99〜70であって熱可塑性樹脂Bが1〜30、または上記熱可塑性樹脂Aが1〜30であって熱可塑性樹脂Bが99〜70であることが好ましく、上記熱可塑性樹脂Aが99〜90であって熱可塑性樹脂Bが1〜10、または上記熱可塑性樹脂Aが1〜10であって熱可塑性樹脂Bが99〜90であることがさらに好ましい。上記数値範囲内であれば、2種の樹脂を混合した場合に、効果的にヘイズを高くすることができる。
上記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとは、相溶性がよくないものであることが好ましい。相溶性の程度については一概には定義できないが、上記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとを混合した場合、完全に混じり合い均一な透明性の高い状態となるのではなく、上記熱可塑性樹脂Aの中に熱可塑性樹脂Bが、あるいは上記熱可塑性樹脂Bの中に熱可塑性樹脂Aが分散した状態となることが好ましい。これにより、全光線透過率を高く保ちつつ、ヘイズを高くすることができる。
以下、上記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bについて説明する。
<1−1.熱可塑性樹脂A>
上記熱可塑性樹脂Aは、アクリル系樹脂又はスチレン系樹脂であることが好ましい。
<1−1−1.アクリル系樹脂>
アクリル系樹脂とは、アクリル系重合体と交換可能に使用できる用語であり、(メタ)アクリル酸エステルを主成分として含有する単量体組成物を重合した樹脂であれば特に限定されない。また、2種類以上のアクリル系樹脂を主成分とするものでもよい。
具体的には、上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、一般式(2)
Figure 2013076773
(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の有機残基を示す。)
で表される構造を有する化合物(単量体)、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルなどのメタクリル酸エステル;などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、耐熱性、透明性が優れる点から、上記一般式(2)で表される構造を有する化合物、メタクリル酸メチルがより好ましい。
一般式(2)で表される構造を有する化合物としては、例えば、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸ノルマルブチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸ターシャリーブチルなどが挙げられる。これらの中でも、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルが好ましく、耐熱性向上効果が高い点で、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルが特に好ましい。一般式(2)で表される化合物は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記アクリル系樹脂は、上述した(メタ)アクリル酸エステルを重合した構造以外の構造を有していてもよい。(メタ)アクリル酸エステルを重合した構造以外の構造としては、特には限定されないが、水酸基含有単量体、不飽和カルボン酸、下記一般式(3)
Figure 2013076773
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Yは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、−OAc基、−CN基、−CO−R基、または−C−O−R基を表し、Ac基はアセチル基を表し、R及びRは水素原子または炭素数1〜20の有機残基を表す。)
で表される単量体から選ばれる少なくとも1種を重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)が好ましい。
水酸基含有単量体としては、一般式(2)で表される単量体以外の水酸基含有単量体であれば特に限定されないが、例えば、メタリルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシメチル−1−ブテンなどのアリルアルコール、α−ヒドロキシメチルスチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチルなどの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル;2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸などの2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸;などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−置換アクリル酸、α−置換メタクリル酸などが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、本発明の効果を十分に発揮させる点で、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
一般式(3)で表される化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニルなどが挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、本発明の効果を十分に発揮させる点で、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
重合方法は特に限定されず、公知の重合方法を用いることができる。使用する単量体(単量体組成物)の種類、使用比率等に応じて、適宜適した方法を採用すればよい。
上記アクリル系樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が、好ましくは110℃〜200℃、より好ましくは115℃〜200℃、さらに好ましくは120℃〜200℃、特に好ましくは125℃〜190℃、最も好ましくは130℃〜180℃である。
また、上記アクリル系樹脂は、主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂であることが好ましい。例えば、主鎖中(重合体の主骨格中、または分子鎖中ともいう。)にラクトン環構造、グルタル酸無水物構造、グルタルイミド構造などを導入したものを挙げることができる。なかでも、主鎖にラクトン環構造を持つものが好ましい。主鎖中のラクトン環構造に関しては、4〜8員環でもよいが、構造の安定性から5〜6員環の方がより好ましく、6員環が更に好ましい。また、主鎖中のラクトン環構造が6員環である場合、下記一般式(4)で表される構造を挙げることができる。
Figure 2013076773
(式中、R10、R11、R12は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の有機残基を表す。なお、有機残基は酸素原子を含んでいてもよい。)
その他の主鎖中のラクトン環構造が6員環としては、特開2004−168882号公報で表される構造などが挙げられるが、主鎖にラクトン環構造を導入する前の重合体を合
成する上において重合収率が高い点や、ラクトン環構造の含有割合の高い重合体を高い重合収率で得易い点や、メタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステルとの共重合性がよい点で、一般式(4)で表される構造であることが好ましい。
なお、上記一般式(4)における有機残基は、炭素数が1〜20の範囲内であれば特には限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数が1〜20の範囲のアルキル基(直鎖若しくは分岐状);エテニル基、プロペニル基などの炭素数が1〜20の範囲の不飽和脂肪族炭化水素基(直鎖若しくは分岐状);フェニル基、ナフチル基などの炭素数が1〜20の範囲の芳香族炭化水素基;炭素数が1〜20の範囲のアルキレン基(直鎖若しくは分岐状);上記アルキル基、上記不飽和脂肪族炭化水素基及び上記芳香族炭化水素基において、水素原子の一つ以上が、水酸基、カルボキシル基、エーテル基及びエステル基から選ばれる少なくとも1種の基により置換された基;である。
上記アクリル系重合体中の上記ラクトン環構造の含有割合は、好ましくは5〜90重量%の範囲内、より好ましくは20〜90重量%の範囲内、さらに好ましくは30〜90重量%の範囲内、さらに好ましくは35〜90重量%の範囲内、特に好ましくは40〜80重量%の範囲内、最も好ましくは45〜75重量%の範囲内である。上記ラクトン環構造の含有割合が90重量%よりも多いと、成形加工性に乏しくなる。また、得られたフィルムの可撓性が低下する傾向があり、好ましくない。上記ラクトン環構造の含有割合が5重量%よりも少ないと、耐熱性、耐溶剤性、表面硬度が不十分になることがあり、好ましくない。
ラクトン環含有重合体において、一般式(4)で表されるラクトン環構造以外の構造の含有割合は、(メタ)アクリル酸エステルを重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは10〜95重量%の範囲内、より好ましくは10〜80重量%の範囲内、さらに好ましくは10〜65重量%の範囲内、特に好ましくは20〜60重量%の範囲内、最も好ましくは25〜55重量%の範囲内である。水酸基含有単量体を重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは0〜30重量%の範囲内、より好ましくは0〜20重量%の範囲内、さらに好ましくは0〜15重量%の範囲内、特に好ましくは0〜10重量%の範囲内である。不飽和カルボン酸を重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは0〜30重量%の範囲内、より好ましくは0〜20重量%の範囲内、さらに好ましくは0〜15重量%の範囲内、特に好ましくは0〜10重量%の範囲内である。一般式(3)で表される単量体を重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは0〜30重量%の範囲内、より好ましくは0〜20重量%の範囲内、さらに好ましくは0〜15重量%の範囲内、特に好ましくは0〜10重量%の範囲内である。
ラクトン環含有重合体の製造方法については、特に限定はされないが、好ましくは、重合工程によって分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体を得た後に、得られた重合体を加熱処理することによりラクトン環構造を重合体に導入するラクトン環化縮合工程を行うことによってラクトン環含有重合体を得ることができる。
上記主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂、特にラクトン環構造を有するアクリル系樹脂としては、例えば、上記特許文献1に記載のものを好適に用いることができる。本明細書では上記特許文献1の記載を援用し、説明を省略する。また、特許文献1以外にも、例えば、特開2006−96960号公報(WO2006/025445号公報)、特開2006−171464号公報あるいは特開2007−63541号公報に記載の方法により製造できる。
また、アクリル系樹脂の耐熱性を挙げる点で、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマ
レイミド、メチルマレイミドなどのN−置換マレイミドを共重合してもよい。
<1−1−2.スチレン系樹脂>
スチレン系樹脂は、スチレン系重合体と交換可能な用語であり、スチレン系単量体に由来する構成単位(スチレン単位)を含む公知のスチレン系樹脂を使用できる。スチレン系単量体としては特に限定されず、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、α−ヒドロキシメチルスチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン、クロロスチレンなどが挙げられる。スチレン系樹脂のスチレン単位の含有量は10重量%以上が好ましく、更に好ましくは30重量%以上、特に好ましくは50重量%以上である。
スチレン系樹脂の具体的な種類は特に限定されないが、例えば、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−マレイミド共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を挙げることができる。なかでもアクリロニトリルに由来する構成単位を含むスチレン系重合体がより好ましく、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−マレイミド共重合体が特に好ましい。また、アクリロニトリル−スチレン−マレイミド共重合体は高耐熱性を示すため、耐熱性を付与する場合はより好ましい。
スチレン系樹脂として、アクリロニトリル−スチレン共重合体を使用する場合、当該共重合体の全構成単位におけるスチレン単位が占める割合は特に限定されないが、通常、60〜80重量%の範囲であればよい。
また、スチレン系樹脂として、アクリロニトリル−スチレン−マレイミド共重合体を使用する場合、当該共重合体の全構成単位におけるスチレン単位が占める割合は特に限定されないが、通常、55〜80重量%の範囲であればよい。
スチレン系樹脂は、グラフト鎖にスチレン系重合体を有するゴム質重合体を含んでいてもよい。グラフト鎖にスチレン系重合体を有するゴム質重合体は、特に限定されないが、例えば、微粒子のアクリルゴムやブタジエンゴムなどの存在下にスチレン系単量体を含む単量体を重合することによって製造が可能である。
グラフト鎖にスチレン系重合体を有するゴム質重合体としては、グラフト鎖にアクリロニトリルに由来する構成単位を含むスチレン系重合体を有するゴム質重合体が好ましい。具体的には、アクリルゴムやブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴムにアクリロニトリル−スチレン共重合体をグラフトしたASA樹脂やABS樹脂、AES樹脂が挙げられる。
スチレン系樹脂の重量平均分子量は、好ましくは10,000〜500,000、より好ましくは150,000〜300,000である。
アクリロニトリル−スチレン共重合体としては、例えば、市販されているスタイラックAS783(旭化成ケミカルズ製)を好適に利用できる。また、アクリロニトリル−スチレン−マレイミド共重合体としては、市販されているSAM2(UMG ABS株式会社製)を好適に利用できる。
<1−2.熱可塑性樹脂B>
上記熱可塑性樹脂Bは、オレフィン系樹脂であることが好ましい。オレフィン系樹脂としては公知のものを利用できるが、特に環状オレフィン系樹脂であることが好ましい。
環状オレフィン系樹脂としては、下記一般式(1)で表される構造単位を含む環状オレ
フィン系樹脂を挙げることができる。
Figure 2013076773
(Xは独立に式:―CH=CH−で表される基又は式:−CHCH−で表される基。R〜Rは各々独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウ若しくはケイ素を含む連結基を有していてもよい置換又は非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;又は極性基を表す。また、R〜Rのうち任意の2つが互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。)
上記一般式(1)中、R及びRが水素原子または炭素数1〜10、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基であり、R2及びR4が水素原子または一価の有機基であって、R及びRの少なくとも一つは水素原子及び炭化水素基以外の極性を有する極性基であることが好ましい。かかる構造であれば、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くかつ機械的強度も優れたものとなる点で好ましい。
上記極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基はメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの中では、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましい。
さらに、R及びRの少なくとも一つが式−(CHCOORで表される極性基である場合は、環状オレフィン系樹脂が高いガラス転移温度と低い吸湿性、各種材料との優れた密着性を有するものとなる点で好ましい。上記の特定の極性基にかかる式において、Rは炭素原子数1〜12、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基、好ましくはアルキル基である。また、nは、通常、0〜5であるが、nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くなるので好ましく、さらにnが0である合成が容易である点で好ましい。
また、上記一般式(1)において、R又はRがアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、さらに好ましくは1〜2のアルキル基、特にメチル基であることが好ましく、特に、このアルキル基が上記の式−(CHCOORで表される特定の極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合されていることが、環状オレフィン系樹脂の吸湿性を低くできる点で好ましい。
上記一般式(1)に記載の具体的な環状オレフィン系樹脂としては、例えば、特開2008−107534号公報に記載のものを好適に利用可能である。よって、本明細書では、上記一般式(1)に記載の具体的な環状オレフィン系樹脂の原料となる単量体、触媒、溶媒のほか、製造方法等については、特開2008−107534号公報の記載を援用するものとし、その説明を省略する。
上記環状オレフィン系樹脂としては、例えば、JSR(株)製アートンRX4500等が市販されており、好適に利用可能である。
<1−3.その他の成分>
本発明に係る偏光子保護フィルムは、上記熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bを含んでいればよいが、本発明の所望の効果を阻害しない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。上記熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂B以外の成分は、特に限定されない。
上記熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂B以外の成分としては、例えば、弾性有機微粒子や、その他の樹脂成分として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等のオレフィン系ポリマー;塩化ビニル、塩素化ビニル樹脂等の含ハロゲン系ポリマー;ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド;ポリアセタール;ポリカーボネート;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリサルホン;ポリエーテルサルホン;ポリオキシベンジレン;ポリアミドイミド;等を挙げることができる。
本発明に係る偏光子保護フィルム中において、上記その他の成分の含有割合は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜40重量%、さらに好ましくは0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは0〜10重量%である。
また、本発明に係る偏光子保護フィルムは、その他の添加剤を含んでいてもよい。その他の添加剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;耐光安定剤、耐候安定剤、熱安定剤等の安定剤;ガラス繊維、炭素繊維等の補強材;紫外線吸収剤;近赤外線吸収剤;トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、トリアリルホスフェート、酸化アンチモン等の難燃剤;アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤等の帯電防止剤;無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤;有機フィラーや無機フィラー;樹脂改質剤;有機充填剤や無機充填剤;可塑剤;滑剤;帯電防止剤;難燃剤;などが挙げられる。
本発明に係る偏光子保護フィルム中において、その他の添加剤の含有割合は、好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0〜2重量%、さらに好ましくは0〜0.5重量%である。
<1−3−1.紫外線吸収剤>
本発明に係る偏光子保護フィルムは、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニルトリアジン骨格を有するものを好適に用いることができる。例えば、紫外線吸収剤の分子量は500以上であることが好ましい。当該分子量は600以上、700以上、また800以上がより好ましく、900以上がさらに好ましい。一方、当該分子量が10000を超えると、熱可塑性樹脂A,Bとの相溶性が低下するこ
とで、最終的に得られる樹脂成形品の色相、濁度などの光学的特性が低下する。このため、紫外線吸収剤の分子量の上限は、8000以下が好ましく、5000以下がより好ましい。
紫外線吸収剤は、単量体に由来する繰り返し単位を含まない(即ち、重合体ではない)ことが好ましい。単量体に由来する繰り返し単位を含む場合、熱可塑性樹脂A,B中等に残留する重合開始剤あるいは連鎖移動剤によって成形時に樹脂組成物の着色が生じやすくなる。
紫外線吸収剤は、2種以上の化合物の混合物であってもよく、この場合、主成分である化合物の分子量が500以上であればよい。なお、本明細書における主成分とは、最も含有量(含有率)が多い成分を意味し、その含有率は典型的には50%以上である。
紫外線吸収剤は、室温で固体であっても液体であってもよいが、固体のUVAは成形時の昇華が問題となりやすいため、室温で液体であることが好ましい。
紫外線吸収剤における、波長300nmから380nmの範囲の光に対する最大吸収波長のモル吸光係数は、クロロホルム溶液中において10000(L・mol−1・cm−1)以上であることが好ましい。
紫外線吸収剤の構造は、分子量が500以上である限り特に限定されないが、ヒドロキシフェニルトリアジン骨格を有することが好ましい。ヒドロキシフェニルトリアジン骨格は、トリアジンと、トリアジンに結合した3つのヒドロキシフェニル基とからなる骨格((2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン骨格)である。ヒドロキシフェニル基における水酸基の水素原子は、トリアジンの窒素原子とともに水素結合を形成し、形成された水素結合は、フェニルトリアジンの発色団としての作用を増大させる。紫外線吸収剤では、上記水素結合が3つ形成されるため、フェニルトリアジンが有する発色団としての作用をより増大でき、少ない添加量で高い紫外線吸収能を得ることができる。なお、紫外線吸収剤が2種以上の化合物の混合物からなる場合、少なくとも主成分である化合物がヒドロキシフェニルトリアジン骨格を有することが好ましい。
ヒドロキシフェニルトリアジン骨格におけるヒドロキシフェニル基には、アルキル基、アルキルエステル基などの置換基が結合していてもよいが、当該置換基中に上記熱可塑性樹脂A,Bとの架橋点となりうる構造を有さないことが好ましい。架橋点となりうる構造は、例えば、水酸基、チオール基、アミン基などの官能基あるいは二重結合である。なお、アルキルエステル基は、式「−CH(−R13)C(=O)OR14」により示される基であることが好ましく、上記式において、R13は水素原子またはメチル基であり、R14は直鎖または分岐を有するアルキル基である。
後述するように、本発明の偏光子保護フィルムは、上記熱可塑性樹脂A,Bとを含むが、樹脂組成物としてのTgは110℃以上であり、成形(例えば押出成形)に必要な温度が高いため、成形時にゲルが生じることがある。ゲルは成形温度が高くなるほど生じやすい。すなわち、上記熱可塑性樹脂A,Bが主鎖に環構造を有する場合など、組成物のTgが高くなるほど必要な成形温度が高くなり、ゲルが生じやすくなる。
ヒドロキシフェニルトリアジン骨格におけるヒドロキシフェニル基の置換基中に上記熱可塑性樹脂A,Bとの架橋点となりうる構造が存在すると、樹脂組成物の成形時にゲルが発生する可能性が増大する。換言すれば、当該置換基中に上記熱可塑性樹脂A,Bとの架橋点となりうる構造を有さない紫外線吸収剤とすることによって、樹脂組成物の成形時におけるゲルの発生を抑制でき、光学的な欠点が少ない偏光子保護フィルムが得られる。ま
た、ゲルの発生が抑制されることで組成物の成形温度をより高くできるため、(1)成形時における組成物の溶融粘度が低下して樹脂成形品の生産性が向上する、(2)ゲルなどの異物の除去を目的として成形時にポリマーフィルタによる濾過を実施する場合には、ゲルの発生が抑制されることでフィルタの交換周期が長くなる、などの効果が得られる。
なお、ヒドロキシフェニル基には置換基として水酸基が存在するが、ベンゼン環に直接結合した水酸基は、上記熱可塑性樹脂A,Bと架橋構造を形成しないため、上記熱可塑性樹脂A,Bとの架橋点となりうる構造とは扱わない。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、以下の式(5)により示される構造を有するものを好適に利用可能である。
Figure 2013076773
上記式(5)中、R15は炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基、炭素原子数3〜8のアルケニル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜18のアルキルアリール基又は炭素原子数7〜18のアリールアルキル基を表す。ただし、これらのアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜12のアルキル基又はアルコキシ基で置換されていてもよく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されていてもよい。また、上記の置換及び中断は組み合わされてもよい。R16は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数3〜8のアルケニル基を表す。特に、上記一般式(5)におけるR1が炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐のアルキル基(ただし、これらのアルキル基はヒドロキシ基、ハロゲン原子又はアルコキシ基で置換されていてもよく、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、エステル基、アミド基又はイミノ基で中断されていてもよい。)であり、R16が水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基であることが好ましい。かかる紫外線吸収剤としては、例えば、特開2009−098701号公報に記載
のものを好適に利用することができる。
上記式(5)により示される紫外線吸収剤を主成分として含む市販の紫外線吸収剤には、例えば、チヌビン477(BASF製)等がある。
上記熱可塑性樹脂Aは、上記紫外線吸収剤との相溶性を向上させるために、紫外線吸収能を有する構成単位(UVA単位)を有していてもよい。この場合、樹脂組成物ならびに当該組成物を成形して得た樹脂成形品(偏光子保護フィルム等)の紫外線吸収能がさらに向上する。かかるUVA単位の構造については、特開2009−052021号公報に記載されているものを利用できる。
本発明に係る偏光子保護フィルム中において、紫外線吸収剤の含有割合は、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%、さらに好ましくは0.5〜2重量%である。
なお、後述する実施例に示すように、紫外線吸収剤を配合することにより、ヘイズが高くなる傾向があるため、より優れた光拡散機能を有する偏光子保護フィルムを得ることができる。
<1−4.偏光子保護フィルムのその他の特性と製造方法>
本発明に係る偏光子保護フィルムは、短波長(青色の光)の透過率は低く、長波長(赤色の光)の透過率が高いという特性を有するため、光学フィルター等としての使用も可能であり、また色調のコントロールも可能である。後述する実施例5で製造した偏光子保護フィルムは、波長400nmの透過率が約10%である一方、波長700nmの透過率は45%以上となる。このため、本発明に係る偏光子保護フィルムは色調を有するものであるといえる。
本発明に係る偏光子保護フィルムは、ガラス転移温度が110℃〜200℃であることが好ましい。より好ましくは115℃〜200℃、さらに好ましくは120℃〜200℃、特に好ましくは125℃〜190℃、最も好ましくは130℃〜180℃である。110℃未満であると、厳しくなる使用環境に対して耐熱性が不足し、フィルムが変形して位相差のムラが発生しやすくなることがあるため好ましくない。また、200℃を超えると、超高耐熱性の偏光子保護フィルムとなるが、該フィルムを得るための成形加工性が悪かったり、フィルムの可撓性が大きく低下したりする場合があるため好ましくない。
なお、本明細書においては、ガラス転移温度(Tg)は、後述する実施例に示すように、示差走査熱熱量計(DSC)によって、JIS−K7121に準拠して、始点法で求めた温度と定義する。
本発明に係る偏光子保護フィルムは、可撓性を有することが好ましい。フィルム面内の任意の直交する2方向に対して可撓性を有することがより好ましく、具体的には、25℃、65%RH(relative humidity:相対湿度)の雰囲気下、折り曲げ
半径1mmにおいて、フィルム面内の遅相軸と平行方向及びフィルム面内の遅相軸と垂直方向に180°折り曲げた際、どちらの方向でもクラックを生じないことが好ましい。ここで、折り曲げ半径とは、フィルムの折り曲げの中心から屈曲部の最端部までの距離を意味する。折り曲げ半径1mmにおいて180°折り曲げた際、クラックを生じない偏光子保護フィルムは、取り扱いが非常に容易であり、工業的に有用である。25℃で65%RHの雰囲気下、折り曲げ半径1mmにおいて180°折り曲げた際、クラックを生じるフィルムは、可撓性が不十分であり、取り扱いが困難である。尚、折り曲げ試験は、JISに準拠して行えばよい。例えば、K5600−5−1(1999年)に準拠して行うこと
が好ましい。上記クラックの形状は、特には限定されず、例えば、長さが1mm以上の割れのことを意味する。
また、本発明に係る偏光子保護フィルムは、25℃、65%RH(relative
humidity:相対湿度)の雰囲気下、折り曲げ半径1mmにおいて、フィルム面内の遅相軸と平行方向及びフィルム面内の遅相軸と垂直方向に180°折り曲げた際、どちらの方向でもフィルムが折り曲げ部を境界として部分的にまたは全体的に分離しない(割れない)ことが好ましい。この場合、フィルムが折り曲げ部を境界として分離するに至らない程度の微小な割れが生じてもよいが、そのような微小な割れが生じないことがより好ましい。
また、本発明に係る偏光子保護フィルムは、上記熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bと、必要により、その他の樹脂成分やその他の添加剤等を、従来公知の混合方法にて混合し、フィルム状に成形することで得られる。また、延伸することによって延伸フィルムとしてもよい。位相差性能を発現させるためには、偏光子保護フィルム中の分子鎖を配向させることが重要であり、分子鎖の配向が可能であれば如何なる方法を用いることも可能である。例えば、延伸、圧延、引き取り等の各種方法を用いることができる。これらの中でも、生産効率が高いため、延伸により位相差性能を発現させることが好ましい。延伸の手法としては、例えば、上記特許文献1に記載の手法を好適に利用できる。
また、上記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとを、混合する方法としては、溶融混練などの公知の方法により実施できる。例えば、上記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとを、ドライブレンドした後、20mmφのスクリューを有する二軸押出機や後述する実施例に記載のブラストミルを用いて、バレル温度200℃〜300℃、好ましくは250℃〜260℃において溶融混練する方法を挙げることができる。また、必要に応じて、ペレタイザーなどによりペレット化してもよい。
フィルム成形の方法としては、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法(プレス成形法)等、公知のフィルム成形方法が挙げられる。これらの中でも、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法が好ましい。
溶液キャスト法(溶液流延法)に用いられる溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタンなどの塩素系溶媒;トルエン、キシレン、ベンゼン、及びこれらの混合溶媒などの芳香族系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ジオキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、ジエチルエーテル;などが挙げられる。これら溶媒は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶液キャスト法(溶液流延法)を行うための装置としては、例えば、ドラム式キャスティングマシン、バンド式キャスティングマシン、スピンコーターなどが挙げられる。
溶融押出法としては、Tダイ法、インフレーション法などが挙げられ、その際の、フィルムの成形温度は、好ましくは150℃〜350℃、より好ましくは200℃〜300℃である。
本発明に係る偏光子保護フィルムは、偏光子と貼り合せた偏光板単独での使用以外に、同種光学材料及び/又は異種光学材料と積層して用いることにより、さらに光学特性を制御あるいは付与することができる。この際に積層される光学材料としては、特には限定されないが、例えば、ポリカーボネート製や環状ポリオレフィン製延伸配向フィルムなどの
位相差板やその他光学フィルム等が挙げられる。
<2.偏光板>
本発明に係る偏光板は、偏光子と、上記偏光子保護フィルムを含むものであればよく、その他の構成については特に限定されない。本発明に係る偏光板は、偏光子と、上記偏光子保護フィルムを少なくとも1枚含んでいればよく、偏光子の片面あるいは両面に、上記偏光子保護フィルムを積層して得られるものである。上記偏光子保護フィルム以外は、公知の構成が可能であり、公知の製法を用いて製造が可能である。
本発明の偏光板の好ましい実施形態としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムを二色性物質(ヨウ素や二色性染料など)で染色して一軸延伸した偏光子の片面あるいは両面に、接着剤層あるいは易接着層を介して偏光子保護フィルムを接着してなる形態である。
上記偏光子としては、特定の振動方向をもつ光のみを透過する機能を有する偏光子であれば如何なるものでもよく、例えばポリビニルアルコール系フィルム等を延伸し、ヨウ素や二色性染料などで染色したポリビニルアルコール系偏光子;ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系偏光子;多層積層体あるいはコレステリック液晶を用いた反射型偏光子;薄膜結晶フィルム系偏光子;等が挙げられ、これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムを二色性物質で染色して一軸延伸した偏光子が好適に用いられる。これら偏光子の厚さは特に制限されず、一般的に、5μm〜100μm程度である。
本発明に係る偏光板においては、上記偏光子保護フィルムが上記偏光子に接着剤層を介して接着されてなることが好ましい。好ましい接着剤としては、例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアクリル系等の接着剤やアクリル系、シリコン系、ゴム系等の粘着剤が挙げられる。なお、偏光子の偏光機能が低下しない条件で加熱圧着してもよいことはいうまでもなく、その場合は、ゆるやかな加熱圧着条件で接着することができる。
接着する方法は、通常一般に知られているものでよく、例えば、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などにより、偏光フィルム及び/又は接合されるフィルムの接着面に接着剤を塗布し、両者を重ね合わせる方法が挙げられる。流延法とは、被塗布物であるフィルムを、概ね垂直方向、概ね水平方向、又は両者の間の斜め方向に移動させながら、その表面に接着剤を流下して拡布させる方法である。接着剤を塗布した後、偏光フィルムとそれに接合されるフィルムをニップロールなどにより挟んで、貼り合わせる。
上記偏光子保護フィルムは、偏光子と接する面に接着性向上のために易接着処理を施すことができる。易接着処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理やアンカー層を形成する方法が挙げられ、これらを併用することもできる。これらの中でも、コロナ処理、アンカー層を形成する方法、及びこれらを併用する方法が好ましい。
また、本発明に係る偏光板において、偏光子の上記偏光子保護フィルムの反対側の面に、本発明に係る偏光子保護フィルム以外のフィルムを積層することもできる。他樹脂からなるフィルムとしては、例えばトリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、環状ポリオレフィンフィルム、(メタ)アクリル系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリナフタレンテレフタレートフィルム、等が挙げられる。
本発明に係る偏光板は、表面性、耐傷付き性を向上させる為に、少なくとも一層以上の
ハードコート層を積層することができる。該ハードコート層としては、例えばシリコン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、紫外線硬化型樹脂、ウレタン系ハードコート剤等よりなるハードコート層が挙げられる。紫外線硬化型樹脂としては、例えば紫外線硬化型アクリルウレタン、紫外線硬化型エポキシアクリレート、紫外線硬化型(ポリ)エステルアクリレート、紫外線硬化型オキセタン等から選ばれる一種類以上の紫外線硬化樹脂が挙げられる。ハードコート層の厚みは、0.1μm〜100μmである。また、ハードコート層の間にプライマー処理をすることもできる。また、反射防止や低反射処理など公知の防眩処理を行うこともできる。
本発明に係る偏光板は、最外層の少なくとも一方として粘着剤層を有していてもよい。他の光学フィルムや液晶セル等の他部材と接着するための粘着剤層を設けることができる。粘着剤層を形成する粘着剤は、特に限定されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。
上記粘着剤層の付設は、適宜な方式で行いうる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10重量%〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で偏光板上または光学フィルム上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着剤層を形成してそれを偏光子保護フィルム面に移着する方式などが挙げられる。
上記偏光子保護フィルムと上記粘着剤層との間の密着性を向上させるために、その層間にアンカー層を設けることも可能である。上記アンカー層としては、好ましくは、ポリウレタン、ポリエステル、分子中にアミノ基を含むポリマー類から選ばれるアンカー層が用いられ、特に好ましくは分子中にアミノ基を含んだポリマー類が使用される。分子中にアミノ基を含んだポリマーは、分子中のアミノ基が、粘着剤中のカルボキシル基や、導電性ポリマー中の極性基と反応もしくはイオン性相互作用などの相互作用を示すため、より好な密着性が確保される。
分子中にアミノ基を含むポリマー類としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリジン、前述アクリル系粘着剤の共重合モノマーで示したジメチルアミノエチルアクリレート等の含アミノ基含有モノマーの重合体などを挙げることができる。
本発明の偏光板は、液晶セルの視認側、バックライト側のどちらか片側に設けても、両側に設けてもよく、特に限定されないが、拡散フィルムを省略できる点において優れた効果を奏するため、バックライト側に設けられることが好ましい。さらに、その際、本発明に係る偏光子保護フィルムがバックライト側に配置されるように、本発明に係る偏光板を設けることが好ましい。
<3.画像表示装置>
本発明に係る画像表示装置は、上記偏光板を備えるものであればよく、その他の構成については特に限定されない。上記偏光板を、各種の画像表示装置に組み込むことによって、種々の視認性に優れた画像表示装置を作製することができる。
上記偏光板が適用可能な画像表示装置の具体例としては、反射型、透過型、半透過型LCDあるいはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型、IPS型等の各種駆動方式の液晶表示装置(LCD)で好ましく用いられ、また、エレクトロルミネッセンス(E
L)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)の各種画像表示装置にも好ましく用いられる。
液晶表示装置の場合、偏光板は液晶セルの両側に配置されるが、本発明に係る偏光板は、バックライトと液晶セルとの間に配置されることが好ましい。さらには、上記偏光板に設けられる本発明に係る偏光子保護フィルムがバックライト側に設けられる、すなわち本発明に係る偏光子保護フィルムが、バックライトと対向するように、本発明に係る偏光板が、バックライトと液晶セルとの間に配置される構成が好ましい。バックライト側から順に構成をいうと、バックライトユニット、偏光板(本発明に係る偏光子保護フィルム、偏光子、偏光子保護フィルムの順)、液晶セル、偏光板(偏光子保護フィルム、偏光子、偏光子保護フィルム)となることが好ましい。なお、液晶表示装置の形成に際しては、例えば位相差板、光学補償シート、バックライト部(光源、反射シート、導光板、拡散板等)などの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
次に、本発明の画像表示装置の一実施形態として、液晶表示装置を例に挙げて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を模式的に示す図である。同図に示すように、液晶表示装置10は、液晶セル4、2つの偏光板11・12、バックライトユニット13を備える。液晶セル4は、液晶層、ガラス基板、透明電極、配向膜、等を含むものである(不図示)。2つの偏光板11・12は、液晶セル4を挟んで配置されている。バックライトユニット13は、拡散板8、光源9を備える。
偏光板11は、2つの偏光子保護フィルム1・3に挟まれた偏光子2の3層構造である。偏光板12も同様に、2つの偏光子保護フィルム5・7に挟まれた偏光子6の3層構造であるが、偏光子保護フィルム7として、本発明に係る偏光子保護フィルムを採用している。それ以外の3つの偏光子保護フィルム1・3・5は、従来公知の偏光子保護フィルムを用いている。なお、必要に応じて、液晶セル4と偏光板11・12の間に、位相差板や光学補償シートを設置することができる。
上記の構成によれば、偏光板12に設けられた偏光子保護フィルム7が拡散フィルムとしても機能するため、光源からの光を拡散するための光学フィルムを省略できる。このため、画像表示装置において、装置の薄型化、部材品数の削減及び製造工程の短縮によるコスト削減を達成することができる。
本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、明細書に記載した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
〔全光線透過率〕
偏光子保護フィルムの全光線透過率は、濁度計(日本電色工業製、NDH5000)を用いて測定した。
〔ヘイズ〕
偏光子保護フィルムのヘイズは、濁度計(日本電色工業製、NDH5000)を用いて測定した。
〔屈折率〕
樹脂の屈折率は、樹脂を250℃でプレス成形してフィルム化し、屈折計(ATAGO製、DR−M2)を用いて測定した。
〔重量平均分子量〕
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下の測定条件に従って求めた:
・測定システム:東ソー製GPCシステムHLC-8220
・展開溶媒:クロロホルム(和光純薬工業製、特級)
・溶媒流量:0.6mL/分
・標準試料:TSK標準ポリスチレン(東ソー製、PS−オリゴマーキット)
・測定側カラム構成:ガードカラム(東ソー製、TSK-GEL SuperHZ-L、4.6X35、1本)、
・分離カラム(東ソー製、TSK-GEL Super HZM-M、6.0X150、2本直列接続)
・リファレンス側カラム構成:リファレンスカラム(東ソー製、TSK-GEL SuperH-RC、6.0X150、2本直列接続)
・カラム温度:40℃。
〔ガラス転移温度(Tg)〕
樹脂のTgは、JIS K7121の規定に準拠して求めた。具体的には、示差走査熱量計(リガク製、DSC−8230)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを常温から200℃まで昇温(昇温速度20℃/分)して得られたDSC曲線から、始点法により評価した。リファレンスには、α−アルミナを用いた。
(実施例1)
攪拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、40重量部のメタクリル酸メチル(MMA)、10重量部の2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、及び重合溶媒として50重量部のトルエンを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤として0.05重量部のt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富製、商品名:ルペロックス570)を添加するとともに、0.10重量部の上記t−アミルパーオキシイソノナノエートを2時間かけて滴下しながら、約105℃〜110℃の還流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の熟成を行った。
次に、得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として0.05重量部のリン酸2−エチルヘキシル(堺化学工業製、Phoslex A-8)を加え、約90℃〜110℃
の還流下において2時間、ラクトン環構造を形成するための環化縮合反応を進行させた。続いて、得られた重合溶液を熱交換器に通して240℃まで昇温し、当該温度において環化縮合反応をさらに進行させた後、その重合溶液を、バレル温度240℃、減圧度13.3hPa〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個及びフォアベント数4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)であり、先端部にギアポンプとリーフディスク型のポリマーフィルタ(濾過精度5μm、濾過面積0.5m)が配置されたベントタイプスクリュー二軸押出機(φ=47mm、L/D=52)に、樹脂量換算で27重量部/時の処理速度で導入し、脱揮を行った。脱揮時には、別途準備しておいた酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液を、0.26重量部/時の投入速度で第1ベントの後ろから、イオン交換水を、0.40重量部/時の投入速度で第2及び第3ベントの後ろから、それぞれ投入した。酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液には、酸化防止剤として、2.5重量部のイルガノックス1010(BASF製)、2.5重量部のアデカスタブAO−412S(ADEKA製)を、環化触媒失活剤として用いた95重量部のオクチル酸亜鉛(日本化学産業製、商品名:ニッカオクチクス亜鉛 亜鉛18%)10重量%トルエン溶液に溶解させた溶液を用いた。
脱揮完了後、押出機内に残された熱溶融状態の重合体を、押出機の先端から、ポリマーフィルタによる濾過を行いながら排出し、ペレタイザーによりペレット化して、主鎖にラクトン環構造を有するアクリル重合体(A−1)のペレットを得た。アクリル重合体(A−1)のTgは131℃、重量平均分子量は13.1万、屈折率は1.4987であった
次に、得られたペレット(A−1)90重量部と、環状オレフィン系重合体ペレット(JSR(株)製アートンRX4500、屈折率1.5152)(B−1)10重量部とを、ラボプラストミル(東洋精機製、R−60H)を用いて溶融混練して、樹脂組成物(C−1)を得た。次いで、得られた組成物(C−1)を250℃でプレス成形して、厚さ149μmのフィルム(F−1)を作製した。フィルム(F−1)の全光線透過率は91.1%、ヘイズは55.1%であった。
(実施例2)
実施例1で作製した樹脂組成物(C−1)を250℃でプレス成形して、厚さ110μmのフィルム(F−2)を作製した。フィルム(F−2)の全光線透過率は91.7%、ヘイズは47.4%であった。
(実施例3)
市販のアクリロニトリル−スチレン共重合体ペレット(旭化成ケミカルズ製、スタイラックAS783、屈折率1.5676)90重量部と、環状オレフィン系重合体ペレット(JSR(株)製アートンRX4500、屈折率1.5152)(B−1)10重量部とを、ラボプラストミル(東洋精機製、R−60H)を用いて溶融混練して、樹脂組成物(C−2)を得た。次に、得られた組成物(C−2)を250℃でプレス成形して、厚さ72μmのフィルム(F−3)を作製した。フィルム(F−3)の全光線透過率は91.3%、ヘイズは86.4%であった。
(実施例4)
市販の高耐熱AS樹脂(UMG ABS株式会社製、SAM2、屈折率1.5824)95重量部と、環状オレフィン系重合体ペレット(JSR(株)製アートンRX4500、屈折率1.5152)(B−1)5重量部とを、ラボプラストミル(東洋精機製、R−60H)を用いて溶融混練して、樹脂組成物(C−3)を得た。次に、得られた組成物(C−3)を250℃でプレス成形して、厚さ110μmのフィルム(F−4)を作製した。フィルム(F−4)の全光線透過率は92.0%、ヘイズは90.3%であった。
(実施例5)
市販の高耐熱AS樹脂(UMG ABS株式会社製、SAM2、屈折率1.5824)97重量部と、環状オレフィン系重合体ペレット(JSR(株)製アートンRX4500、屈折率1.5152)(B−1)3重量部とを、ラボプラストミル(東洋精機製、R−60H)を用いて溶融混練して、樹脂組成物(C−4)を得た。次に、得られた組成物(C−4)を250℃でプレス成形して、厚さ88μmのフィルム(F−5)を作製した。フィルム(F−5)の全光線透過率は90.9%、ヘイズは66.1%であった。
(実施例6)
実施例1で作製したアクリル重合体ペレット(A−1)90重量部と、環状オレフィン系重合体ペレット(JSR(株)製アートンRX4500、屈折率1.5152)(B−1)10重量部と、紫外線吸収剤として1.5重量部のチヌビン477(BASF製)とを、ラボプラストミル(東洋精機製、R−60H)を用いて溶融混練して、樹脂組成物(C−5)を得た。次に、得られた組成物(C−5)を250℃でプレス成形して、厚さ156μmのフィルム(F−6)を作製した。フィルム(F−6)の全光線透過率は91.2%、ヘイズは66.4%であった。
(実施例7)
実施例1で作製したアクリル重合体ペレット(A−1)90重量部と、環状オレフィン
系重合体ペレット(JSR(株)製アートンRX4500、屈折率1.5152)(B−1)10重量部と、紫外線吸収剤として0.6重量部のアデカスタブLA−F70(ADEKA製)とを、ラボプラストミル(東洋精機製、R−60H)を用いて溶融混練して、樹脂組成物(C−6)を得た。次に、得られた組成物(C−6)を250℃でプレス成形して、厚さ156μmのフィルム(F−7)を作製した。フィルム(F−7)の全光線透過率は91.8%、ヘイズは72.9%であった。
(実施例8)
市販のアクリロニトリル−スチレン共重合体ペレット(旭化成ケミカルズ製、スタイラックAS783、屈折率1.5676)90重量部と、環状オレフィン系重合体ペレット(JSR(株)製アートンRX4500、屈折率1.5152)(B−1)10重量部と、紫外線吸収剤として1.5重量部のチヌビン477(BASF製)とを、ラボプラストミル(東洋精機製、R−60H)を用いて溶融混練して、樹脂組成物(C−7)を得た。次に、得られた組成物(C−7)を250℃でプレス成形して、厚さ111μmのフィルム(F−8)を作製した。フィルム(F−8)の全光線透過率は91.5%、ヘイズは93.8%であった。
(実施例9)
市販のアクリロニトリル−スチレン共重合体ペレット(旭化成ケミカルズ製、スタイラックAS783、屈折率1.5676)90重量部と、環状オレフィン系重合体ペレット(JSR(株)製アートンRX4500、屈折率1.5152)(B−1)10重量部と、紫外線吸収剤として0.6重量部のアデカスタブLA−F70(ADEKA製)とを、ラボプラストミル(東洋精機製、R−60H)を用いて溶融混練して、樹脂組成物(C−8)を得た。次に、得られた組成物(C−8)を250℃でプレス成形して、厚さ86μmのフィルム(F−9)を作製した。フィルム(F−9)の全光線透過率は91.2%、ヘイズは88.6%であった。
(比較例1)
実施例1で得たアクリル重合体(A−1)のペレットをプレス成形して、厚さ100μmのフィルム(F−10)を作製した。フィルム(F−10)の全光線透過率は92.9%、ヘイズは2.7%であった。
(比較例2)
市販のアクリロニトリル−スチレン共重合体ペレット(旭化成ケミカルズ製、スタイラックAS783)をプレス成形して、厚さ100μmのフィルム(F−11)を作製した。フィルム(F−11)の全光線透過率は91.3%、ヘイズは4.1%であった。
(比較例3)
市販の高耐熱AS樹脂(UMG ABS株式会社製、SAM2)をプレス成形して、厚さ100μmのフィルム(F−12)を作製した。フィルム(F−12)の全光線透過率は91.3%、ヘイズは3.1%であった。
(比較例4)
環状オレフィン系重合体ペレット(JSR(株)製アートンRX4500)(B−1)をプレス成形して、厚さ100μmのフィルム(F−13)を作製した。フィルム(F−13)の全光線透過率は92.3%、ヘイズは2.8%であった。
以下、上記実施例1〜9、比較例1〜4の膜厚、ヘイズ、全光線透過率を一覧で示す。
Figure 2013076773
本発明は、液晶表示装置(LCD)をはじめとする画像表示装置に幅広く使用できる。本発明に係る偏光子保護フィルムの使用により、画像表示装置における薄型化、コスト削減を達成できる。
1,3,5 偏光子保護フィルム
2,6 偏光子
4 液晶セル
7 偏光子保護フィルム(本発明に係る偏光子保護フィルム)
8 拡散板
9 光源
10 液晶表示装置
11,12 偏光板
13 バックライトユニット

Claims (12)

  1. 屈折率の差が0.01以上である熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとを含む組成物からなり、ヘイズが40%以上であることを特徴とする偏光子保護フィルム。
  2. 全光線透過率が50%以上95%以下であり、膜厚が10μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の偏光子保護フィルム。
  3. さらに紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の偏光子保護フィルム。
  4. 上記熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bは、いずれも膜厚100μmのフィルムに成形して測定した場合の全光線透過率が85%以上99%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
  5. 上記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの混合比率(重量部)は、99.5:0.5〜0.5:99.5であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
  6. 上記熱可塑性樹脂Aは、アクリル系樹脂又はスチレン系樹脂であり、
    上記熱可塑性樹脂Bは、オレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
  7. 上記アクリル系樹脂は、主鎖に環構造を有するアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
  8. 上記スチレン系樹脂は、アクリロニトリル―スチレン共重合体又はアクリロニトリル―スチレン―マレイミド共重合体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム。
  9. 上記オレフィン系樹脂は、下記一般式(1)で表される構造単位を含む環状オレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルム:
    Figure 2013076773
    (Xは独立に式:―CH=CH−で表される基又は式:−CHCH−で表される基。R〜Rは各々独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウ若しくはケイ素を
    含む連結基を有していてもよい置換又は非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;又は極性基を表す。また、R〜Rのうち任意の2つが互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。)
  10. ヘイズが40%以上であることを特徴とする偏光子保護フィルム。
  11. 偏光子と、請求項1〜10のいずれか1項に記載の偏光子保護フィルムと、を備えることを特徴とする偏光板。
  12. 請求項11に記載の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置。
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