JP2013073227A - コネクタおよびコネクタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フェルール20を後方から挿入する端子挿入孔34を有する合成樹脂製のハウジング本体30を備えたコネクタであって、端子挿入孔34にフェルール20を挿入する側である端子挿入口34Aの周縁部には、前方に配された撓み空間41に向かって弾性変形可能な弾性部42が形成されているところに特徴を有する。
【選択図】図14
Description
このような構成のコネクタによると、端子の先端部分が端子挿入孔の軸心からずれた状態で端子を端子挿入孔に挿入する場合に、端子の先端部分が弾性部に当接することで、弾性部が端子の挿入方向に弾性変形し、端子を端子挿入孔に誘い込んで挿入することができる。
前記弾性部には、前記端子挿入孔の軸心から径方向に延びる切り込みが形成されている構成としてもよい。
このような構成によると、弾性部に切り込みを入れることで、端子の挿入方向に弾性部をより弾性変形し易くすることができる。
端子挿入口の周縁を成形する成形金型を端子挿入孔の延びる方向である前後方向に型開きすることができず、端子挿入孔の延びる方向と交差する方向に型開きする成形金型を用いる場合には、前後方向に型開きすることで、端子挿入口の周縁部に誘い込み構造を設けることができなくなってしまう。ところが、上記の構成によると、前方に撓み空間を有する弾性部が端子挿入口の周縁部に形成されており、端子挿入口の周縁部には、端子の挿入方向前方に凹んだ型抜き溝が形成されているので、端子をさらに端子挿入孔に誘い込み易くすることができる。
また、弾性部の前方に撓み空間を形成するために、前方に開口した撓み空間を形成すると、端子挿入孔を径方向に大きくする必要があり、端子挿入孔内に挿入された端子が端子挿入孔内においてがたつく虞がある。ところが、上記のような構成によると、端子挿入孔の延びる方向と交差する方向に型開きする成形金型に形成された撓み空間成形ピンを端子挿入孔の延びる方向と交差する方向に引き抜くことによって弾性部の前方に撓み空間形成することができる。これにより、端子挿入孔を径方向に大きくすることなく撓み空間を形成することができる。
このような構成によると、弾性部に端子の挿入方向前方に凹んだ型抜き溝が形成されているので、端子を端子挿入孔にさらに誘い込んで挿入し易くすることができる。また、型抜き溝が撓み空間の開口方向と同一方向に開口しているので、撓み空間を成形する際に、型抜き溝を容易に形成することができる。
このような製造方法によると、撓み空間が端子挿入孔の延びる方向と交差する方向に開口しているので、成形金型に設けられた撓み空間成形ピンを撓み空間の開口方向に引き抜くことによって、端子挿入口の周縁部よりも前方に弾性部の撓み空間を形成することができる。すなわち、端子挿入孔の延びる方向と交差する方向に型開きする成形金型でありがなら、弾性部を端子の挿入方向である前方に弾性変形させることができる。これにより、端子が弾性部を前方に弾性変形させることで、端子の先端部を端子挿入孔に誘い込んで挿入させることができる。
本発明の実施形態について図1乃至図16を参照して説明する。
本実施形態は、光ケーブルWの端末に接続される光コネクタ(本発明の「コネクタ」の一例)10を例示している。
キャピラリ21の内部には、光ファイバ心線W2の被覆材を剥ぐことで露出した図示しない光ファイバが挿通されておリ、キャピラリ21の先端に相手側光コネクタに設けられた図示しない相手側フェルールの先端が当接することで光ファイバと、相手側フェルールの相手側光ファイバとが光学的に接続されるようになっている。
キャピラリ21の外側には、円筒状のスリーブ23がキャピラリ21を覆うように装着されている。スリーブ23の内部には、キャピラリ21及び相手側フェルールの図示しない相手側キャピラリの双方が収容され、互いの光ファイバが芯ずれすることなく当接するようになっている。
フランジ収容部33の前端部には、図5に示すように、キャピラリ21を端子挿入孔34に挿入した状態のフェルール20が配置され、上方からカバー50を組み付けることで、フェルール20のフランジ部22がフランジ収容部33の内部に保持されるようになっている。
天井壁51は、図1及び図10に示すように、略矩形状をなし、天井壁51の内側には、天井壁51の内面から下方(図10の紙面手前側)に向かって突出するフェルール保持部53が形成されている。
ロック片52には、ロック片52を板厚方向に貫通する係止孔52Aが形成されており、この係止孔52Aにフランジ収容部33のロック突部35が収容されて、ロック突部35とロック片52とが係止することで、カバー50がハウジング本体30に組み付け固定されるようになっている。
このケーブル保持部36は、図4及び図5に示すように、光ケーブルWのかしめリングRを収容する上下一対の収容溝37と、かしめリングRを後方に抜け止めする抜け止め部38とを備えて構成されている。また、上下一対の収容溝37は、幅方向に2つ並んで形成されている。
ハウジング本体30は、図15および図16に示すように、上下に型開きする上型61及び下型62と、前方に型開きするスライド型63とを備えた成形金型60によって成形される。
まず、ハウジング本体30と、光ファイバ心線W2の端末に接続されたフェルール20を用意し、フェルール20のキャピラリ21にスリーブ23を装着する。
また、本実施形態によると、弾性部42に切り込み44が形成されているので、端子挿入口34Aの周縁部で、かつ、切り込み44の周縁部である弾性部42がより前方に向かって弾性変形し易くなっていることから、スリーブ23の先端部を端子挿入孔34により誘い込み易くすることができる。
また、本実施形態によると、弾性部42の後面が型抜き溝40の前面として端子挿入孔34の軸心に向かって先細り形状となっているので、フェルール20を端子挿入孔34にさらに誘い込み易くすることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、光コネクタ10における端子挿入口34Aの周縁部に弾性部42を構成した例を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、端子金具を内部に保持するコネクタにおける端子挿入口の周縁部に弾性部を構成してもよい。
(2)上記実施形態では、上方に延びる切り込み44が形成された弾性部42を構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、端子挿入孔34の軸心から斜め上方に向かって延びる切り込みを形成した弾性部を構成してもよい。
(3)上記実施形態では、端子挿入口34Aの周縁部の後方にケーブル保持部36を設けた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、端子挿入口34Aの周縁部の後方に端子挿入孔34と対向する背面壁を設けたハウジング本体にも適用できる。
(4)上記実施形態では、撓み空間41が上方に開口した形態に構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、撓み部が左右方向に延びる撓み空間成形ピンによって成形されることで、左方もしくは右方のどちらか一方に開口した形態に形成されてもよい。
(5)上記実施形態では、ハウジング本体30に別体のカバー50を上方から装着する構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、ハウジング本体とカバーとが一体に形成されていてもよい。
34:端子挿入孔
30:ハウジング本体(コネクタハウジング)
34A:端子挿入口
42:弾性部
44:切り込み
41:撓み空間
40:型抜き溝(誘い溝)
64:撓み空間成形ピン
Claims (5)
- 端子を後方から挿入する端子挿入孔を有する合成樹脂製のコネクタハウジングと、
前記端子挿入孔の前記端子が挿入される側の端子挿入口の周縁部に形成され、前記端子の挿入方向に弾性変形可能な弾性部とを備えることを特徴とするコネクタ。 - 前記弾性部には、前記端子挿入孔の軸心から径方向に延びる切り込みが形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 前記端子挿入口の周縁部よりも前記端子の挿入方向前方には、前記弾性部が弾性変形可能な撓み空間が前記端子の挿入方向と交差する方向に開口して形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。
- 前記弾性部には、前記端子の挿入方向前方に凹んで、前記撓み空間の開口方向と同一方向に開口する型抜き溝が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のコネクタ。
- 端子を後方から挿入する端子挿入孔を有する合成樹脂製のコネクタハウジングと、
前記端子挿入孔の前記端子が挿入される側の端子挿入口の周縁部に形成され、前記端子挿入口の周縁部よりも前記端子の挿入方向前方に前記端子の挿入方向と交差する方向に開口して形成された撓み空間に弾性変形可能な弾性部とを備えたコネクタの製造方法であって、
前記端子挿入口の周縁部を成形する成形金型に形成された撓み空間成形ピンを前記撓み空間の開口方向に抜き取ることで、前記撓み空間を成形することを特徴とするコネクタの製造方法。
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