JP2013072603A - 熱電供給システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電力系統1及び発電装置6の少なくとも一方から供給される電力を消費して動作される熱供給関連装置7と、熱供給関連装置7の動作を制御する制御装置C3とを備え、停電時運転制御において、停電時運転制御において、制御装置C3は、熱供給関連装置7の動作を制御して、需要が発生している熱用途8のうちの何れかの熱用途8へ向けた熱の発生及び供給を一部又は全部制限することにより熱供給関連装置7が消費する合計消費電力を発電装置6の発電電力以下とする処理を行うことができ、その場合に、需要が発生している熱用途8のうちの優先順位の低い熱用途8から順に当該熱用途8へ向けた熱の発生及び供給を一部又は全部制限するように熱供給関連装置7の動作を制御する。
【選択図】図1
Description
更に、熱源機で発生した熱を暖房用途、給湯用途、風呂追焚用途などの熱用途に供給するために、即ち、熱媒や湯水を暖房機器、浴室、台所などに供給するために、ポンプなどの電動機器が必要である。
電力系統と連系可能である発電装置と、
前記発電装置と前記電力系統との間の電気的な接続の有無を切り替える開閉装置と、
前記電力系統の停電を検出する停電検出装置と、
熱を発生させる熱源機、及び、前記熱源機で発生した熱を熱用途に対して供給するために用いる電動機器を有し、前記電力系統及び前記発電装置の少なくとも一方から供給される電力を消費して前記熱源機及び前記電動機器が動作される熱供給関連装置と、
前記開閉装置の動作を制御する第1制御装置と、
前記発電装置の動作を制御する第2制御装置と、
前記熱供給関連装置の動作を制御する第3制御装置と、を備え、
前記第1制御装置は、前記電力系統が停電していることを前記停電検出装置が検出すると、前記発電装置と前記電力系統との間の電気的な接続を無くすように前記開閉装置を動作させ、
前記第2制御装置及び前記第3制御装置は、前記電力系統が停電していることを前記停電検出装置が検出すると、熱用途に対して供給する熱の発生及び供給のために前記熱供給関連装置が消費する合計消費電力が前記発電装置の発電電力以下となる状態に前記発電装置及び前記熱供給関連装置の動作を制御する停電時運転制御を協働して行い、
前記停電時運転制御において、前記第3制御装置は、前記熱供給関連装置の動作を制御して、需要が発生している熱用途のうちの何れかの熱用途へ向けた熱の発生及び供給を一部又は全部制限することにより前記熱供給関連装置が消費する合計消費電力を前記発電装置の発電電力以下とする処理を行うことができ、前記処理により前記熱供給関連装置が消費する合計消費電力を前記発電装置の発電電力以下とする場合に、需要が発生している熱用途のうちの優先順位の低い熱用途から順に当該熱用途へ向けた熱の発生及び供給を一部又は全部制限するように前記熱供給関連装置の動作を制御する点にある。
加えて、第3制御装置が、熱供給関連装置の動作を制御して、需要が発生している熱用途のうちの何れかの熱用途へ向けた熱の発生及び供給を一部又は全部制限することにより熱供給関連装置が消費する合計消費電力を発電装置の発電電力以下とする処理を行うことができ、前記処理により前記熱供給関連装置が消費する合計消費電力を前記発電装置の発電電力以下とする場合に、需要が発生している熱用途のうちの優先順位の低い熱用途から順に当該熱用途へ向けた熱の発生及び供給を一部又は全部制限するように熱供給関連装置の動作を制御する。つまり、需要が発生している熱用途に対して供給する熱の発生及び供給のために熱供給関連装置が消費する合計消費電力を把握した上で、発電装置の発電電力との対比が行われ、必要な場合には、需要が発生している熱用途のうちの優先順位の低い熱用途から順に当該熱用途へ向けた熱の発生及び供給が一部又は全部制限される(即ち、熱供給関連装置の消費電力が削減される)。その結果、熱用途に対して供給する熱の発生及び供給のために熱供給関連装置が消費する合計消費電力が発電装置の発電電力より大きくなることを回避して、電力の需給バランスを保つことができる。
従って、電力系統の停電時において、電力の需給バランスを保ちつつ、熱用途に対して熱を供給できる熱電供給システムを提供できる。
ところが本特徴構成によれば、発電装置を一定の発電電力で運転させるという前提の下で、その一定の発電電力に見合った消費電力が発生するように熱供給関連装置の運転が制御される。つまり、発電装置の発電電力を変化させることは要求されず、熱供給関連装置の合計消費電力を調節するによって電力の需給バランスが保たれる。その結果、発電装置の発電電力が熱供給関連装置の合計消費電力の変化に追従できないといった問題が発生しないようにできる。
つまり、電力系統で停電が発生すると、発電装置を一定の発電電力で運転させつつ、熱供給関連装置が消費する合計消費電力をその発電装置の上記一定の発電電力以下とする需要制御が行われる。このように、電力系統で停電が発生するのに伴って、それまで電力系統から供給されていた電力分が突然発電装置に対して要求され、発電装置の発電電力によって供給するべき熱供給関連装置の合計消費電力が急激に増大するとしても、発電装置の発電電力を実際に変化させることは要求されず、熱供給関連装置の合計消費電力を調節するによって電力の需給バランスが保たれる。その結果、発電装置の発電電力が熱供給関連装置の合計消費電力の変化に追従できないといった問題が発生しないようにできる。
更に、上記需要制御によって一旦電力の需給バランスが保たれた後で、熱用途に対する需要の変化に応じて、熱供給関連装置から熱の発生及び供給を行う対象とする熱用途の数及び種類を変更することで熱供給関連装置の合計消費電力が変化するとしても、その合計消費電力は発電装置の最高発電電力以下に制御される。その結果、電力の需給バランスを保つことができる。
前記熱用途は、凍結予防用途、暖房用途、給湯用途及び風呂追焚用途のうちの少なくとも二種類以上を含んで構成され、前記熱用途の種類別に前記優先順位が設定される点にある。
以下に図面を参照して第1実施形態の熱電供給システムS1(S)の構成を説明する。
図1は、第1実施形態の熱電供給システムS1の電力供給系統の構成を主に示す図である。図2は、熱電供給システムS1の熱供給系統の構成を主に示す図である。熱電供給システムS1は、電力系統1と連系可能である発電装置としての熱電併給装置6と、熱電併給装置6と電力系統1との間の電気的な接続の有無を切り替える開閉装置4と、電力系統1の停電を検出する停電検出装置3と、熱供給関連装置7と、開閉装置4の動作を制御する第1制御装置C1と、熱電併給装置6の動作を制御する第2制御装置C2と、熱供給関連装置7の動作を制御する第3制御装置C3とを備える。本発明に係る熱電供給システムS1では、熱用途8として、暖房用途8b、給湯用途8c及び風呂追焚用途8dのうちの少なくとも二種類以上の熱用途を含むことを前提としており、更に凍結予防用途8aを含んでいてもよい。図2には、熱電供給システムS1が、熱用途8として、暖房用途8b、給湯用途8c、風呂追焚用途8d、及び、凍結予防用途8aの4種類の熱用途8を含む例を示している。また、図1及び図2において、熱電供給システムS1が、熱電併給装置6の発電電力を消費可能な余剰電力消費装置としての余剰電力消費用ヒータ装置10を含む例を示しているが、余剰電力が発生しないのであれば(例えば、熱電併給装置6の発電電力を熱供給関連装置7などで常に消費できるのであれば)この余剰電力消費用ヒータ装置10を用いないこと(或いは、余剰電力消費用ヒータ装置10を備えない熱電供給システム)も可能である。
第2制御装置C2は、電力系統1が停電していることを停電検出装置3が検出すると、第2制御装置C2が熱電併給装置6を最低発電電力と最高発電電力との間の運転状態で運転させつつ、以下に停電時運転制御として説明するように、熱供給関連装置7で消費する電力を熱電併給装置6の発電電力で賄えるようにその運転状態(即ち、発電電力)を制御する。上述した最低発電電力と最高発電電力は、熱電併給装置6の特性に応じて決定される値である。
蓄熱装置9は、熱媒としての湯水を貯えることで蓄熱を行う装置であり、特に本実施形態では、温度成層を形成して湯水を貯える装置としている。つまり、蓄熱装置9の上部に高温の湯水が貯えられ、下部に行くに従って低温の湯水が貯えられる構成となっている。
蓄熱装置9と熱電併給装置6との間には、湯水が循環する排熱回収路L1が設けられている。この排熱回収路L1では、例えば、蓄熱装置9に貯えられている比較的低温の湯水が熱電併給装置6に流入し、熱電併給装置6から排出される熱によって加熱され、加熱された比較的高温の湯水が蓄熱装置9に帰還するという蓄熱サイクルが成立している。また、余剰電力消費用ヒータ装置10を設ける場合、熱電併給装置6から蓄熱装置9へ向かう排熱回収路L1の途中にその余剰電力消費用ヒータ装置10からの熱が伝達される熱回収用熱交換器13を設けることができる。その結果、排熱回収路L1を循環する湯水は、余剰電力消費用ヒータ装置10で発生した熱も、蓄熱装置9において回収可能に構成されている。以上のように、熱電併給装置6で発生された熱及び余剰電力消費用ヒータ装置10で発生された熱は、蓄熱装置9に蓄えられる。
熱媒循環路L6には、蓄熱装置9の上部から熱媒取出路L7を介して取り出された高温の湯水を三方弁V3を介して供給できる。熱媒循環路L6は、湯水が風呂追焚用熱交換器12を通って循環する第1熱媒循環路L6a、及び、湯水が暖房用熱交換器11を通って循環する第2熱媒循環路L6b、及び、第1熱媒循環路L6aと第2熱媒循環路L6bとの共通部分L6cで構成される。熱媒循環路L6の共通部分L6cから、第1熱媒循環路L6a及び第2熱媒循環路L6bへの分岐箇所には、三方弁V4が設けられている。熱媒循環路L6の共通部分L6cには、熱媒循環路L6において湯水を循環させるための熱媒循環ポンプP1と、湯水を加熱するための熱源機15とが設けられている。従って、第1熱媒循環路L6a及び第2熱媒循環路L6bには、熱源機15で加熱した後の高温の湯水を供給できる。本実施形態において、熱源機15のバーナ17には燃料としてのガスが供給され、送風ファンFによって供給される空気と混合された上で燃焼される。そして、その燃焼熱によって熱媒循環路L6を通流する湯水が加熱される。
給水路L2は、蓄熱装置9に水を補充するための水路である。給湯路L3は、熱用途8の一つである給湯用途8cに熱(湯水)を供給するための水路である。この給湯路L3は、熱媒循環路L6の途中から分岐している。具体的には、給湯路L3は、熱源機15よりも下流側であり、三方弁V4よりも上流側の、熱媒循環路L6の途中から分岐している。従って、給湯路L3には、熱源機15で加熱した後の高温の湯水を供給できる。また、給湯路L3の途中には温水用比例弁V1が設けられ、且つ、温水用比例弁V1が設けられている箇所よりも下流側の給湯路L3には、給水路L2が冷水用比例弁V2を介して連結されているので、給湯路L3を流れる温水の流量と、給水路L2から給湯路L3へ流入する冷水の流量とを調節した上で混合させることができる。その結果、温水用比例弁V1及び冷水用比例弁V2の開度を調節することで、給湯用途8cに供給される湯水の温度を調節できる。
暖房用熱媒路L5は、熱用途8の一つである暖房用途8bとしての暖房機器16に熱を供給するための熱媒路である。具体的には、上記暖房用熱交換器11と暖房機器16との間で熱媒が循環可能なように、暖房用熱媒路L5が設けられている。暖房用熱媒路L5の途中には、暖房用熱媒路L5において熱媒を循環させるための熱媒循環ポンプP1が設けられている。このように、暖房用熱媒路L5を流れる熱媒は、暖房用熱交換器11において第2熱媒循環路L6bを流れる高温の湯水と熱交換して昇温された上で暖房機器16に流入することで、暖房機器16での熱消費が可能となっている。
風呂追焚用熱媒路L4は、熱用途8の一つである風呂追焚用途8dに熱を供給するための熱媒路である。具体的には、風呂追焚用熱交換器12と浴槽24との間で湯水が循環可能なように、風呂追焚用熱媒路L4が設けられている。風呂追焚用熱媒路L4の途中には、風呂追焚用熱媒路L4において湯水を循環させるための風呂追焚用循環ポンプP3が設けられている。つまり、浴槽24に貯えられている湯水及び風呂追焚用熱媒路L4中に存在している湯水は、風呂追焚用熱交換器12において、第1熱媒循環路L6aを流れる高温の湯水と熱交換して昇温された上で浴槽24へ帰還することで、浴槽24に貯えられている湯水を昇温することができる(即ち、風呂追焚を実施することができる)。
上述した各熱用途8に対して熱を発生及び供給する際の熱供給関連装置7の消費電力の一例は以下の表の値になる。
これに対して、第3制御装置C3は、電力系統1が停電している停電時には、以下に説明する停電時運転制御の中で、需要が発生している熱用途8のうちの一部又は全部に対して熱の発生及び供給を行うように熱供給関連装置7を動作させる。そのため、停電時運転制御の中で、第3制御装置C3は、熱供給関連装置7の動作を制御して、需要が発生している熱用途のうちの何れかの熱用途8へ向けた熱の発生及び供給を一部又は全部制限することにより熱供給関連装置7が消費する合計消費電力を熱電併給装置6の発電電力以下とする処理を行うことができる。そして、第3制御装置C3は、上記処理により熱供給関連装置7が消費する合計消費電力を熱電併給装置6の発電電力以下とする場合に、需要が発生している熱用途8のうちの優先順位の低い熱用途8から順にその熱用途8へ向けた熱の発生及び供給を一部又は全部制限する。
図3及び図4は、熱電供給システムS1の停電時運転制御を説明するフローチャートである。この停電時運転制御は、電力系統1が停電していることを検出した停電検出装置3からその情報の伝達を受けた第2制御装置C2及び第3制御装置C3が、熱電併給装置6の動作制御及び熱供給関連装置7の動作制御を協働して行うときの制御内容である。具体的には、熱電供給システムS1の停電時運転制御において、先ず図3に示す需要制御が行われ、それに引き続いて図4に示す需要供給制御が行われる。以下、図3に示す停電時運転制御(需要制御)のフローチャート及び図4に示す停電時運転制御(需要供給制御)のフローチャートについて説明する。
図3のフローチャートに示す需要制御では、第2制御装置C2は、熱電併給装置6を一定の発電電力で運転させ、第3制御装置C3は、熱供給関連装置7が消費する合計消費電力を一定の発電電力以下とするように熱供給関連装置7の動作を制御する需要制御を行う。特に、本実施形態では、第2制御装置C2は、250W(最低発電電力)と750W(最高発電電力)との間の運転状態で熱電併給装置6の動作を制御可能であるが、電力系統1が停電していることを検出した停電検出装置3からその情報の伝達を受けた時点ではその発電電力を変更せずにそのままの一定の発電電力(即ち、本発明の「停電時発電電力」)を維持しておく。また、第1制御装置C1は、電力系統1が停電していることを検出した停電検出装置3からその情報の伝達を受けると、熱電併給装置6と電力系統1との間の電気的な接続を無くすように開閉装置4を動作させる(即ち、解列させる)ものとする。
そこで、第3制御装置C3は、工程#14において、需要のある熱用途8の合計消費電力が熱電併給装置6の停電時発電電力より大きいと判定した場合、工程#16に移行して、熱用途8に熱を発生及び供給するために熱供給関連装置7が消費する合計消費電力を一定の停電時発電電力以下とするように熱供給関連装置7の動作を制御する。具体的には、第3制御装置C3は、需要が発生している熱用途8のうちの優先順位の低い熱用途8から順に当該熱用途8へ向けた熱の発生及び供給を一部又は全部制限するように熱供給関連装置7の動作を制御する。その結果、熱電供給システムS1の内部での電力の需給バランスが保たれる。
仮に、停電時発電電力が350Wであり、表1に例示したような消費電力で暖房用途8b(160W)と給湯用途8c(110W)と風呂追焚用途8d(120W)とに需要が発生していたとすると、第3制御装置C3は、需要が発生している熱用途8(暖房用途8bと給湯用途8cと風呂追焚用途8d)のうち、優先順位の低い風呂追焚用途8dへ向けた熱の発生及び供給を一部又は全部制限するように熱供給関連装置7の動作を制御する。
同様の手法で、第3制御装置は、暖房用途8b及び給湯用途8cへ向けた熱の発生及び供給を「一部」制限することも実施できる。
このような場合であっても、余剰電力消費用ヒータ装置10でその余剰電力を消費することで、熱電供給システムS1の内部での電力の需給バランスを保つことができる。具体的には、第4制御装置C4は、第2制御装置C2及び第3制御装置C3と協働して、第2制御装置C2が熱電併給装置6を停電時発電電力で動作させているという情報を得て、及び、第3制御装置C3が動作させている熱供給関連装置7の合計消費電力に関する情報を得た上で、上記停電時発電電力から上記合計消費電力を減算して、余剰電力を導出する。そして、第4制御装置C4は、その余剰電力を余剰電力消費用ヒータ装置10で消費するように、余剰電力消費用ヒータ装置10の動作を制御する。
図4のフローチャートに示す需要供給制御では、第2制御装置C2は、熱供給関連装置7で消費する電力を熱電併給装置6の発電電力で賄えるように熱電併給装置6を最低発電電力と最高発電電力との間の運転状態で運転させ、第3制御装置C3は、熱供給関連装置7が消費する合計消費電力を熱電併給装置6の最高発電電力以下とするように熱供給関連装置7の動作を制御する。本実施形態では、第2制御装置C2は、250W(最低発電電力)と750W(最高発電電力)との間の運転状態で熱電併給装置6の動作を制御可能である。
第2実施形態の熱電供給システムは、上記停電時運転制御の内容が第1実施形態の熱電供給システムと異なっている。以下に、第2実施形態の熱電供給システムについて説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
このとき、停電時運転制御が行われている間で熱電併給装置6が発生する一定の発電電力は、電力系統1が停電していることを検出した停電検出装置3から第2制御装置C2がその情報の伝達を受けた時点での発電電力(即ち、本発明の「停電時発電電力」)でもよく、或いは、他の一定の発電電力でもよい。
第3実施形態の熱電供給システムは、上記停電時運転制御の内容が第1実施形態及び第2実施形態と異なっている。以下に、第3実施形態の熱電供給システムについて説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
第4実施形態の熱電供給システムは、熱電併給装置6と電力系統1との接続態様が図1に示した第1実施形態の熱電供給システムと異なっている。以下に、第4実施形態の熱電供給システムについて説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
電力系統1からの電力供給が正常であるときは、電力系統1及び熱電併給装置6の少なくとも一方からの電力が、電力供給経路2Aを介して熱供給関連装置7へ供給される。
具体的には、第1制御装置C1は、電力系統1からの電力供給が正常であるとき、熱電併給装置6と電力系統1との間の電気的な接続が有るように開閉装置4を動作させる。また、第1制御装置C1は、電力系統1からの電力供給が正常であるとき、スイッチ18をオフ状態にして、第1コイル19及び第2コイル20に電流が流れないようにする。本実施形態において、第1コイル19は第1スイッチSW1と共に機械式リレーを構成し、及び、第2コイル20は第2スイッチSW2と共に別の機械式リレーを構成する。そして、第1コイル19に電流が流れていない状態では、第1スイッチSW1はオフ状態となり、及び、第2コイル20に電流が流れていない状態では、第2スイッチSW2は接点a−接点c間で接続される状態となる。その結果、電力系統1からの電力供給が正常であるときは、電力系統1及び熱電併給装置6の少なくとも一方からの電力が、電力供給経路2Aを介して熱供給関連装置7へ供給される。このように、非停電時に第1スイッチSW1をオフ状態にしておくのは、非停電時に使用しない変圧器22での消費電力を発生させないためである。
電力系統1からの電力供給が正常でない(停電している)ときは、熱電併給装置6からの電力が、電力供給経路2Bを介して熱供給関連装置7へ供給される。
具体的には、第1制御装置C1は、電力系統1が停電していることを停電検出装置3が検出すると、熱電併給装置6と電力系統1との間の電気的な接続を無くすように開閉装置4を動作させる。また、第1制御装置C1は、電力系統1からの電力供給が正常でないとき、スイッチ18をオン状態にする。そうすると、熱電併給装置6から電力の供給を受けるDC/DC変換器21によってアース(接地)と第1コイル19及び第2コイル20との間に電位差が形成され、第1コイル19及び第2コイル20に電流が流れる。そして、第1コイル19に電流が流れている状態では、第1スイッチSW1はオン状態(スイッチを導通させる状態)となり、及び、第2コイル20に電流が流れている状態では、第2スイッチSW2は接点b−接点c間で接続される状態となる。その結果、熱電併給装置6からの電力が、開閉装置4よりも下流側(熱電併給装置6側)の電力線2に接続されている電力供給経路2Bから、変圧器22を介して熱供給関連装置7へ供給される。
<1>
上記実施形態では、熱電供給システムの具体的な構成例を説明したが、その構成例は適宜変更可能である。例えば、熱用途8として、暖房用途8b、給湯用途8c、風呂追焚用途8d、凍結予防用途8aの4種類を例示したが、他の熱用途を追加で含むような熱電供給システムや、上述した何れかの熱用途を含まないような熱電供給システムを構成することもできる。また、図2に例示した水(湯水)や熱媒の通流路(排熱回収路L1、給水路L2、給湯路L3、風呂追焚用熱媒路L4、暖房用熱媒路L5、熱媒循環路L6、熱媒取出路L7)の形態を他の形態に変更してもよい。
他にも、電熱ヒータ装置14を設ける位置を適宜変更してもよい。発電装置として、上記実施形態で説明した熱電併給装置6以外の他の装置を用いてもよい。
また、上記実施形態において表1に示した各熱用途8に対して熱を発生及び供給する際の熱供給関連装置7の消費電力はあくまでも一例であり、動作させる必要のある電気機器の種類に応じて消費電力は様々な値に変化し得る。
上記実施形態では、表1に例示した4種類の熱用途8に関して、熱用途8の優先順位を、高い方から順に、凍結予防用途8a、暖房用途8b、給湯用途8c、風呂追焚用途8dというように予め設定しておく例を説明したが、各熱用途8の優先順位の設定手法は適宜変更可能である。
例えば、第3制御装置C3が、熱用途8に対して需要が発生した順序に基づいて優先順位を逐次設定してもよい。具体的には、第3制御装置C3が、先に需要が発生した熱用途8の優先順位を高く逐次設定すること、或いは、後に需要が発生した熱用途の優先順位を高く逐次設定することなどを行ってもよい。
更に、第3制御装置C3が、熱用途8に対して需要が発生した順序に基づいて優先順位を逐次設定しながらも、特定の熱用途8に関しては発生順序に関わらず常に優先順位を所定順位(例えば、最高位、最低位など)にする、といった優先順位の設定手法を採用することもできる。例えば、第3制御装置C3が、熱用途8に対して需要が発生した順序に基づいて優先順位を逐次設定しながらも、凍結予防用途8aに関しては発生順序に関わらず常に優先順位を最高位にする、といった優先順位の設定手法などが挙げられる。
上記実施形態では、熱源機15として燃料を燃焼させて熱を発生させるタイプのものを利用する例を説明したが、燃料を用いない電気式の熱源機(電熱ヒータを用いるタイプや、ヒートポンプを用いるタイプなど)を利用することもできる。
上記実施形態では、第1制御装置C1〜第4制御装置C4が互いに別々の装置に設置されている例を説明したが、それらの内の何れか又は全部は同一の装置に設置されていてもよい。例えば、第1制御装置C1と第2制御装置C2とを同一の装置の中に設置するような変更も可能である。
上記実施形態では、第3制御装置C3が、熱の発生及び供給を一部又は全部制限する対象として、最も優先順位が低い一つの熱用途8を決定する例を説明したが、優先順位が低い方から順に所定の複数の熱用途8に対して、熱の発生及び供給を一部又は全部制限してもよい。一例を挙げると、第3制御装置C3が、優先順位が低い方から順に2種類の熱用途8に対して熱の発生及び供給を一部制限するとするならば、例えば、3種類の熱用途8に需要が発生している場合、第3制御装置C3は、優先順位が低い方から順に2種類の熱用途8に対して熱の発生及び供給を一部制限する。或いは、2種類の熱用途8に需要が発生している場合、第3制御装置C3は、それら2種類両方の熱用途8に対して熱の発生及び供給を一部制限する。
上記実施形態では、第2制御装置C2が、発電装置としての熱電併給装置6を、熱電併給装置6の特性に応じて決定される最低発電電力と最高発電電力との間で運転させる例を説明したが、その最高発電電力がその熱電併給装置6以外の他の装置の特性等に応じて決定される場合もある。具体例を挙げると、電力変換装置5の内部において、電力線2a、2c及び中性線2bに接続されている線材のそれぞれに流すことのできる電流が、例えば最大電流3.75Aに制限される場合がある。この場合、電力変換装置5の内部において、電力線2a、2c及び中性線2bに接続されている線材に最大電流を超える電流を流すと、線材の発熱などによる不具合が発生する可能性がある。従って、図1に示したように、熱電併給装置6から電力変換装置5を介して電力線2a(又は電力線2c)と中性線2bとの間に接続されている熱供給関連装置7に対して100Vで電力を供給するとした場合、375W(=100V×3.75A)の電力が上限になる。つまり、この場合、第2制御装置C2によって、熱電併給装置6の最高発電電力は、熱電併給装置6自身の特性に応じて決定される値ではなく、他の電力変換装置5の特性に応じて決定される375Wに制限されることになる。或いは、図5に示したように、熱電併給装置6から電力変換装置5を介して電力線2aと電力線2cとの間に接続されている熱供給関連装置7に対して200Vで電力を供給するとした場合、750W(=200V×3.75A)の電力が上限になる。この場合、第2制御装置C2によって、熱電併給装置6の最高発電電力は、熱電併給装置6自身の特性に応じて決定される値ではなく、他の電力変換装置5の特性に応じて決定される750Wに制限されることになる。
以上のように、上記実施形態のように、熱電併給装置6と熱供給関連装置7とが電力変換装置5を介して接続されており、熱電併給装置6から電力変換装置5を介して熱供給関連装置7へ送給できる電力の最大値が、熱電併給装置6自身の特性に応じて決定される発電電力の最大値より小さいとき、第2制御装置C2は、電力変換装置5から熱供給関連装置7へ送給できる電力の最大値を、熱電併給装置6の最高発電電力として設定することができる。
3 停電検出装置
4 開閉装置
6 熱電併給装置(発電装置)
7 熱供給関連装置
8 熱用途
8a 凍結予防用途
8b 暖房用途
8c 給湯用途
8d 風呂追焚用途
10 余剰電力消費用ヒータ装置(余剰電力消費装置)
14 電熱ヒータ装置(熱供給関連装置 7)
15 熱源機
23 電気コンセント
C1 第1制御装置
C2 第2制御装置
C3 第3制御装置
C4 第4制御装置
F 送風ファン(電動機器、熱供給関連装置 7)
P1 熱媒循環ポンプ(電動機器、熱供給関連装置 7)
P2 暖房用循環ポンプ(電動機器、熱供給関連装置 7)
P3 風呂追焚用循環ポンプ(電動機器、熱供給関連装置 7)
S 熱電供給システム
Claims (9)
- 電力系統と連系可能である発電装置と、
前記発電装置と前記電力系統との間の電気的な接続の有無を切り替える開閉装置と、
前記電力系統の停電を検出する停電検出装置と、
熱を発生させる熱源機、及び、前記熱源機で発生した熱を熱用途に対して供給するために用いる電動機器を有し、前記電力系統及び前記発電装置の少なくとも一方から供給される電力を消費して前記熱源機及び前記電動機器が動作される熱供給関連装置と、
前記開閉装置の動作を制御する第1制御装置と、
前記発電装置の動作を制御する第2制御装置と、
前記熱供給関連装置の動作を制御する第3制御装置と、を備え、
前記第1制御装置は、前記電力系統が停電していることを前記停電検出装置が検出すると、前記発電装置と前記電力系統との間の電気的な接続を無くすように前記開閉装置を動作させ、
前記第2制御装置及び前記第3制御装置は、前記電力系統が停電していることを前記停電検出装置が検出すると、熱用途に対して供給する熱の発生及び供給のために前記熱供給関連装置が消費する合計消費電力が前記発電装置の発電電力以下となる状態に前記発電装置及び前記熱供給関連装置の動作を制御する停電時運転制御を協働して行い、
前記停電時運転制御において、前記第3制御装置は、前記熱供給関連装置の動作を制御して、需要が発生している熱用途のうちの何れかの熱用途へ向けた熱の発生及び供給を一部又は全部制限することにより前記熱供給関連装置が消費する合計消費電力を前記発電装置の発電電力以下とする処理を行うことができ、前記処理により前記熱供給関連装置が消費する合計消費電力を前記発電装置の発電電力以下とする場合に、需要が発生している熱用途のうちの優先順位の低い熱用途から順に当該熱用途へ向けた熱の発生及び供給を一部又は全部制限するように前記熱供給関連装置の動作を制御する熱電供給システム。 - 前記停電時運転制御において、前記第2制御装置は、前記発電装置を一定の発電電力で運転させ、前記第3制御装置は、前記熱供給関連装置が消費する合計消費電力を前記一定の発電電力以下とするように前記熱供給関連装置の動作を制御する需要制御を行う請求項1に記載の熱電供給システム。
- 前記停電時運転制御において、前記第2制御装置は、前記熱供給関連装置で消費する電力を前記発電装置の発電電力で賄えるように前記発電装置を最低発電電力と最高発電電力との間の運転状態で運転させ、前記第3制御装置は、前記熱供給関連装置が消費する合計消費電力を前記発電装置の最高発電電力以下とするように前記熱供給関連装置の動作を制御する需要供給制御を行う請求項1に記載の熱電供給システム。
- 前記停電時運転制御において、
前記第2制御装置は、前記発電装置を一定の発電電力で運転させ、前記第3制御装置は、前記熱供給関連装置が消費する合計消費電力を前記一定の発電電力以下とするように前記熱供給関連装置の動作を制御する需要制御を行い、
前記需要制御に引き続いて、前記第2制御装置は、前記熱供給関連装置で消費する電力を前記発電装置の発電電力で賄えるように前記発電装置を最低発電電力と最高発電電力との間の運転状態で運転させ、前記第3制御装置は、前記熱供給関連装置が消費する合計消費電力を前記発電装置の最高発電電力以下とするように前記熱供給関連装置の動作を制御する需要供給制御を行う請求項1に記載の熱電供給システム。 - 前記需要制御において、前記第2制御装置は、前記発電装置を前記電力系統の停電を検出したときの一定の停電時発電電力で運転させる請求項2又は4に記載の熱電供給システム。
- 前記熱用途は、暖房用途、給湯用途及び風呂追焚用途のうちの少なくとも二種類以上を含んで構成され、前記熱用途の種類別に前記優先順位が設定される請求項1〜5の何れか一項に記載の熱電供給システム。
- 前記熱供給関連装置は、前記電力系統及び前記発電装置の少なくとも一方から供給される電力を消費して発生する熱を凍結予防用途に用いるための電熱ヒータ装置を有し、
前記熱用途は、凍結予防用途、暖房用途、給湯用途及び風呂追焚用途のうちの少なくとも二種類以上を含んで構成され、前記熱用途の種類別に前記優先順位が設定される請求項1〜5の何れか一項に記載の熱電供給システム。 - 前記発電装置の発電電力を消費可能な余剰電力消費装置と、
前記余剰電力消費装置の動作を制御する第4制御装置と、を備え、
前記停電時運転制御において、前記第4制御装置は、前記第2制御装置及び前記第3制御装置と協働して、前記熱供給関連装置の合計消費電力と前記余剰電力消費装置の消費電力との和が前記発電装置の発電電力となるように前記余剰電力消費装置の動作を制御する請求項1〜7の何れか一項に記載の熱電供給システム。 - 前記電力系統の停電中に前記発電装置の発電電力を消費する電気機器を接続可能な電気コンセントを有する請求項1〜8の何れか一項に記載の熱電供給システム。
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