JP2013062950A - 回転機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モデル予測制御を用いる場合、スイッチングモードの更新可能タイミングの都度、スイッチングモードを最適なものに変更することが可能であることから、スイッチングモードの切り替え頻度が高くなるおそれがあること。
【解決手段】予測部33では、モード設定部31によって仮設定されたスイッチングモードのそれぞれに応じて、モータジェネレータ10を流れる電流と指令電流id*,iq*との差ベクトルのノルムが閾値rとなるまでの所要時間Tsを予測する。モード決定部34では、所要時間Tsが最も長いものを最終的なスイッチングモードに決定する。操作部28では、インバータINVのスイッチングモードをモード決定部34の決定に従わせる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、互いに相違する電圧値の電圧のそれぞれを印加する各別の電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路について、該電力変換回路を構成するスイッチング素子のオン・オフ操作によって、前記回転機を流れる電流、前記回転機のトルク、および前記回転機の磁束の少なくとも1つを有した制御量を制御する回転機の制御装置に関する。
この種の制御装置としては、たとえば下記特許文献1に見られるように、インバータのスイッチング素子のオン・オフによって規定されるスイッチングモードのそれぞれに応じた3相電動機を流れる電流をそれぞれ予測し、予測される電流と指令電流との偏差が最小となるスイッチングモードにてインバータを操作するいわゆるモデル予測制御を行うものが提案されている。これによれば、インバータの出力電圧に基づき予測される電流の挙動を最適化するようにインバータが操作されるため、過渡時における指令電流への追従性が三角波比較PWM制御によるものと比較して向上する。このため、モデル予測制御は、車載主機としてのモータジェネレータの制御装置等、過渡追従特性として特に高い性能が要求される用途にとっては、有用性が高いと考えられる。
特開2008−228419号公報
ただし、上記モデル予測制御を用いる場合、スイッチングモードの更新可能タイミングの都度、スイッチングモードを最適なものに変更することが可能であることから、スイッチングモードの切り替え頻度が高くなるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決する過程でなされたものであり、その目的は、互いに相違する電圧値の電圧のそれぞれを印加する各別の電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路について、該電力変換回路を構成するスイッチング素子のオン・オフ操作によって、前記回転機を流れる電流、前記回転機のトルク、および前記回転機の磁束の少なくとも1つを有した制御量を制御する新たな回転機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、およびその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、互いに相違する電圧値の電圧のそれぞれを印加する各別の電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路について、該電力変換回路を構成するスイッチング素子のオン・オフ操作によって、前記回転機を流れる電流、前記回転機のトルク、および前記回転機の磁束の少なくとも1つを有した制御量を制御する回転機の制御装置において、前記電力変換回路を構成するスイッチング素子のそれぞれがオン状態であるかオフ状態であるかを示すスイッチングモードのうち特定のスイッチングモードに関して、前記制御量とその指令値との乖離度合いが規定値に到達するまでに要する所要時間を予測する予測手段と、前記予測手段によって予測される所要時間に基づき、前記スイッチングモードの更新タイミングを設定する更新タイミング設定手段と、を備えることを特徴とする。
上記発明では、所要時間の予測値に基づき、更新タイミング自体を可変設定することで、スイッチング状態の切り替えタイミングの設定の自由度を向上させることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記予測手段は、前記スイッチングモードを仮設定し、該仮設定されたスイッチングモードのそれぞれに応じた前記所要時間を予測する処理を行なうものであり、該予測手段による予測結果に基づき、スイッチングモードを評価し、評価の高いスイッチングモードを前記電力変換回路の実際の操作に用いるスイッチングモードに決定する決定手段と、該決定されたスイッチングモードとなるように前記電力変換回路を操作する操作手段とを備え、前記決定手段は、前記所要時間が長いスイッチングモードを短いものと比較して高く評価することを特徴とする。
上記発明では、所要時間が長いスイッチングモードの評価を高くすることで、スイッチング状態を切り替えるまでの所要時間が長くなるスイッチングモードを優先的に採用することができ、ひいてはスイッチングモードの切り替え頻度を低減することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記予測手段は、前記スイッチングモードを仮設定し、該仮設定されたスイッチングモードのそれぞれに応じた前記所要時間を予測する処理を行なうものであり、該予測手段による予測結果に基づき、スイッチングモードを評価し、評価の高いスイッチングモードを前記電力変換回路の実際の操作に用いるスイッチングモードに決定する決定手段と、該決定されたスイッチングモードとなるように前記電力変換回路を操作する操作手段とを備え、前記決定手段は、前記所要時間と目標時間との乖離が小さいスイッチングモードを大きいものと比較して高く評価することを特徴とする。
上記発明では、スイッチング状態の切り替えタイミング間の時間間隔を目標時間に応じたものとするスイッチングモードの評価が高くなることから、スイッチング周波数を目標時間に応じて制御することができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記規定値を、前記回転機のトルクおよび前記回転機の電気角速度の少なくとも一つに応じて可変設定する領域可変手段を備えることを特徴とする。
回転機のトルクが大きいほど、制御量としての電流や、トルク、磁束が大きくなることから、規定値が同一なら、乖離度合いが規定値以下の状態から規定値を上回る状態に移行する時点における制御量とその指令値との誤差割合が小さくなると考えられる。これに対し、トルクが大きいほど規定値を大きくするなら、誤差割合の変動を低減することができる。また、電気角速度が大きいほど、乖離度合いが規定値以下の状態から規定値を上回る状態に移行するのに要する時間が長くなる傾向にある。このため、電気角速度は規定値が同一である場合の所要時間に影響を及ぼすパラメータである。このため、電気角速度に応じて規定値を可変設定するなら、所要時間と誤差割合とを好適に調整することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記指令値との乖離度合いが規定値に到達するまでに要する所要時間を定める制御量は、固定2次元座標系において表現されるものであり、前記指令値を前記固定2次元座標系の原点としたときに前記規定値以下の領域を定める閉曲線について、該閉曲線と2点で交わる直線のうち2点間の長さを最大とする直線の角度を可変設定する角度可変手段を備えることを特徴とする。
一般に、制御量とその指令値との差の変位速度は、たとえば低回転速度領域等、電圧利用率が低い領域においては、スイッチングモードがゼロ電圧ベクトルに対応する場合に最も遅くなる傾向がある。このことは、ゼロ電圧ベクトルにおいては制御量とその指令値との差が閉曲線内に留まる時間を長くできることを意味する。ただし、この際の上記差の変化方向は、電力変換回路の出力電圧の平均値に応じて変化する。上記発明では、この点に鑑み、角度を可変とすることで、上記変化方向に平行な直線と閉曲線との交わる2点間の距離を極力長くすることができる。これにより、電圧利用率が低い領域において上記変化速度が最も遅くなるゼロ電圧ベクトルの利用率を向上させ、制御量とその指令値との差が規定値以下に留まる時間を伸長することができる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記指令値との乖離度合いが規定値に到達するまでに要する所要時間を定める制御量は、d軸電流成分およびq軸電流成分、トルクおよび磁束、トルクおよびd軸電流、ならびにトルクおよびq軸電流のいずれかを2つの成分とするものであることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記予測手段は、前記スイッチングモードを仮設定し、該仮設定されたスイッチングモードのそれぞれに応じた前記所要時間を予測する処理を行なうものであり、該予測手段による予測結果に基づき、スイッチングモードを評価し、評価の高いスイッチングモードを前記電力変換回路の実際の操作に用いるスイッチングモードに決定する決定手段をさらに備え、前記決定手段は、前記制御量とその指令値との乖離度合いが前記規定値を上回って且つ、前記予測手段による予測結果に基づき前記制御量とその指令値との乖離度合いを上限時間以内に前記規定値以下とすることができないと判断される場合、前記制御量とその指令値との乖離を小さくするスイッチングモードの評価を高くすることを特徴とする。
上記発明では、上限時間以内に規定値以下とすることができないと判断される場合、制御量とその指令値との乖離を小さくするスイッチングモードの評価を高くすることで、制御量とその指令値と乖離度合いが規定値よりも大きい状態を極力早期に解消することができる。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転機の発明において、前記予測手段は、前記所要時間の予測処理を所定周期で行なうことで、予測される所要時間を前記所定周期で更新することを特徴とする。
所要時間の算出に際して、指令値に対する制御量の相対変化を線形近似等によって近似する場合等にあっては、所要時間が長いほど所要時間の予測誤差が大きくなりやすい。この点、上記発明では、所要時間を更新することで所要時間をより高精度なものとすることができる。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかるスイッチングモードを示す図。 同実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す流れ図。 同実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す流れ図。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 同実施形態の効果を示す図。 同実施形態の効果を示す図。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 同実施形態の効果を示す図。 第2の実施形態にかかるスイッチングモードの仮設定候補を示す図。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 同実施形態の効果を示す図。 同実施形態の効果を示す図。 同実施形態の効果を示すタイムチャート。 同実施形態の効果を示す図。 第3の実施形態にかかる許容領域を示す図。 第4の実施形態にかかる許容領域を示す図。 第5の実施形態にかかる許容領域を示す図。 同実施形態の効果を示す図。 同実施形態の効果を示す図。 同実施形態の解決課題を示す図。 同実施形態の解決課題を示す図。 第6の実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す流れ図。 第7の実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す流れ図。
<第1の実施形態>
以下、本発明にかかる回転機の制御装置を車載主機としての回転機の制御装置に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるモータジェネレータの制御システムの全体構成を示す。車載主機としてのモータジェネレータ10は、3相の永久磁石同期モータである。また、モータジェネレータ10は、突極性を有する回転機(突極機)である。詳しくは、モータジェネレータ10は、埋め込み磁石同期モータ(IPMSM)である。
モータジェネレータ10は、インバータINVを介して高電圧バッテリ12に接続されている。インバータINVは、スイッチング素子S¥p,S¥n(¥=u,v,w)の直列接続体を3組備えており、これら各直列接続体の接続点がモータジェネレータ10のU,V,W相にそれぞれ接続されている。これらスイッチング素子S¥#(¥=u,v,w;#=p,n)として、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられている。そして、これらにはそれぞれ、ダイオードD¥#が逆並列に接続されている。
本実施形態では、モータジェネレータ10やインバータINVの状態を検出する検出手段として、以下のものを備えている。まずモータジェネレータ10の回転角度(電気角θ)を検出する回転角度センサ14を備えている。また、モータジェネレータ10の各相を流れる電流iu,iv,iwを検出する電流センサ16を備えている。さらに、インバータINVの入力電圧(電源電圧VDC)を検出する電圧センサ18を備えている。
上記各種センサの検出値は、図示しないインターフェースを介して低電圧システムを構成する制御装置20に取り込まれる。制御装置20では、これら各種センサの検出値に基づき、インバータINVを操作する操作信号を生成して出力する。ここで、インバータINVのスイッチング素子S¥#を操作する信号が、操作信号g¥#である。
上記制御装置20は、モータジェネレータ10のトルクを要求トルクT*に制御すべく、インバータINVを操作する。詳しくは、要求トルクT*を実現するための指令電流とモータジェネレータ10を流れる電流とが一致するように、インバータINVを操作する。すなわち、本実施形態では、モータジェネレータ10のトルクが最終的な制御量となるものであるが、トルクを制御すべく、モータジェネレータ10を流れる電流を直接の制御量として、これを指令電流に制御する。特に、本実施形態では、モータジェネレータ10を流れる電流を指令電流に制御すべく、スイッチングモードを複数通りのそれぞれに仮設定した場合についてのモータジェネレータ10の電流を予測し、インバータINVの実際のスイッチングモードを決定するモデル予測制御を行う。
上記スイッチングモードは、インバータINVを構成するスイッチング素子S¥#のそれぞれがオンであるかオフであるかを示すものであり、図2(a)に示される8通りのスイッチングモード0〜7からなる。例えば、低電位側のスイッチング素子Sun,Svn,Swnの全てがオン状態となるスイッチングモードがスイッチングモード0であり、高電位側のスイッチング素子Sup,Svp,Swpの全てがオン状態となるスイッチングモードがスイッチングモード7である。これらスイッチングモード0,7は、モータジェネレータ10の全相を短絡させるものであり、インバータINVからモータジェネレータ10に印加される電圧がゼロとなるものであるため、インバータINVの出力電圧ベクトルをゼロ電圧ベクトルとするものである。これに対し、残りの6つのスイッチングモード1〜6は、上側アームおよび下側アームの双方にオン状態となるスイッチング素子が存在する操作パターンによって規定されるものであり、インバータINVの出力電圧ベクトルを有効電圧ベクトルとするものである。
図2(b)に、各スイッチングモード0〜7のそれぞれに対応する電圧ベクトルV0〜V7を示す。電圧ベクトルV0〜V7は、スイッチングモード0〜7のそれぞれにおけるインバータINVの出力電圧ベクトルを示すものである。なお、図示されるように、スイッチングモード1,3,5のそれぞれに対応する電圧ベクトルV1,V3,V5がU相、V相、W相の正側にそれぞれ対応している。
ここで、モデル予測制御について詳述する。
先の図1に示す電流センサ16によって検出された実電流iu,iv,iwは、dq変換部22において、回転座標系の実電流id,iqに変換される。また、回転角度センサ14によって検出される回転角度(電気角θ)は、速度算出部24の入力となり、これにより、回転速度(電気角速度ω)が算出される。一方、指令電流設定部26は、要求トルクT*を入力とし、dq座標系での指令電流id*,iq*を出力する。これら指令電流id*,iq*、実電流id,iq、電気角速度ωおよび電気角θは、モデル予測制御部30の入力となる。モデル予測制御部30では、これら入力パラメータに基づき、インバータINVのスイッチングモードを決定し、操作部28に出力する。操作部28では、入力されたスイッチングモードに基づき、上記操作信号g¥#を生成してインバータINVに出力する。
次に、モデル予測制御部30の処理の詳細について説明する。モード設定部31では、先の図2(a)に示したインバータINVのスイッチングモードを仮設定する。この処理は、実際には、スイッチングモードに対応する電圧ベクトルを仮設定する処理となる。dq変換部32では、モード設定部31によって仮設定された電圧ベクトルをdq変換することで、dq座標系の電圧ベクトルVdq=(vd,vq)を算出する。こうした変換を行うべく、モード設定部31において仮設定された電圧ベクトルV0〜V7を、例えば上側アームがオンである場合を「VDC/2」として且つ下側アームがオンである場合を「−VDC/2」とすることで表現すればよい。この場合、例えば、電圧ベクトルV0は、(−VDC/2,−VDC/2,−VDC/2)となり、電圧ベクトルV1は、(VDC/2,−VDC/2,−VDC/2)となる。
予測部33では、電圧ベクトル(vd,vq)と、実電流id,iqと、電気角速度ωとに基づき、インバータINVのスイッチングモードをモード設定部31によって仮設定される状態とした場合について、モータジェネレータ10を流れる電流と指令電流id*,iq*との差ベクトルのノルムが閾値rとなるまでの所要時間Tsを予測する。この予測は、モード設定部31によって仮設定される複数通りのスイッチングモードのそれぞれについて行われる。
一方、モード決定部34では、所要時間Tsを入力として、インバータINVのスイッチングモードを決定する。こうして決定されたスイッチングモードに基づき、操作部28では、操作信号g¥#を生成して出力する。
上記予測部33では、以下の式(c1),(c2)にて表現されるモデル式に基づき予測処理を行なう。
vd=R・id+Ldt・(did/dt)−ω・Lqs・iq …(c1)
vq=R・iq+Lqt・(diq/dt)+ω・Lds・id+ω・φ …(c2)
ここで、抵抗R、電機子鎖交磁束定数φ、d軸の定常インダクタンスLds、d軸の過渡インダクタンスLdt、q軸の定常インダクタンスLqs、q軸の過渡インダクタンスLqtを用いた。なお、上記の式(c1)、(c2)の導出については、本明細書の最後部の「備考欄」に与えてある。
図3に、本実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す。この処理は、たとえば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、後述する処理によって設定されるスイッチングモードの更新タイミング直前であるか否かを判断する。そして、ステップS10において直前であると判断される場合、ステップS12において、インバータINVの平均的な出力電圧ベクトルである平均電圧ベクトル(vda0,vqa0)を算出する。これは、上記の式(c1)、(c2)から過渡インダクタンスLdt,Lqtの項を除いた式に、上記更新タイミングにおける実電流id0,iq0の予測値(予測手法は後述)を代入した以下の式(c3)、(c4)にて算出することができる。
vda0=R・id0−ω・Lqs・iq0 …(c3)
vqa0=R・iq0+ω・Lds・id0+ω・φ …(c4)
続くステップS14〜S20においては、更新タイミングにおけるスイッチングモード(電圧ベクトルV(n+1))を複数通りに仮設定した場合のそれぞれについて、モータジェネレータ10を流れる電流と指令電流id*,iq*との差ベクトルのノルムが閾値rとなるまでの所要時間Tsを予測する。換言すれば、指令電流id*,iq*に対する乖離が許容される許容領域内に実電流id,iqが留まる時間を予測する。すなわち、まずステップS14において、スイッチングモード(電圧ベクトルV(n+1))を仮設定する。続くステップS16においては、仮設定される電圧ベクトルV(n+1)に応じたインバータINVの瞬時電圧ベクトル(vd(n+1),vq(n+1))を算出する。これは、電圧ベクトルV(n+1)と平均電圧ベクトル(vda0,vqa0)との差として算出される。ちなみに、電圧ベクトルV(n+1)のdq軸成分は、最新の電気角θ(n)に基づき算出すればよい。
続くステップS18においては、所要時間Tsを算出する。これは、以下のようにして行なうことができる。
電圧ベクトルV(n+1)としたことによる電流の変化は、上記の式(c1)、(c2)の電圧ベクトル(vd,vq)を、平均電圧ベクトル(vda0,vqa0)と瞬時電圧ベクトル(Δvd(n+1),Δvq(n+1))とに分解し、瞬時電圧ベクトル(Δvd(n+1),Δvq(n+1))と、上記の式(c1)、(c2)の過渡インダクタンスの項とが等しいとした下記の式(c5),(c6)を用いて算出することができる。
Δvd=Ldt・(did/dt) …(c5)
Δvq=Lqt・(diq/dt) …(c6)
詳しくは、上記の式(c5),(c6)を所要時間Tsにおいて離散化した下記の式(c7),(c8)にて算出することができる。
ide(n+1)
=Ts・(Δvd(n+1))/Ldt+id0 …(c7)
iqe(n+1)
=Ts・(Δvq(n+1))/Lqt+iq0 …(c8)
したがって、以下の式(c9)が成立する。
Figure 2013062950
上記の式(c9)に示した2次方程式を解くことで所要時間Tsを算出することができる。
なお、閾値rを、本実施形態では、要求トルクT*、電気角速度ω、および電源電圧VDCに応じて可変設定する。ここで、要求トルクT*に応じて閾値rを可変設定するのは、モータジェネレータ10を流れる電流の誤差割合の変動を抑制するためである。すなわち、要求トルクT*が大きいほど、モータジェネレータ10を流れる電流が大きくなることから、閾値rが同一なら、モータジェネレータ10を流れる電流の指令電流に対する誤差が指令電流に占める割合である誤差割合が小さくなる。このため、要求トルクT*が大きくなるほど閾値rを大きくすることで、誤差割合の変動を抑制する。
一方、上記電気角速度ωに応じて閾値rを可変設定するのは、スイッチングモードの切り替え頻度と制御性との好適な両立を図るためである。すなわち、閾値rを固定すると、電気角速度ωが小さいほど所要時間Tsは短くなる傾向があり、スイッチングモードの切り替え頻度が上昇する。このため、制御性の低下を抑制しつつスイッチングモードの切り替え頻度が過度に大きくならないように、電気角速度ωに応じて閾値rを可変設定する。
また、上記電源電圧VDCに応じて閾値rを可変設定するのも、スイッチングモードの切り替え頻度と制御性との好適な両立を図るためである。すなわち、閾値rを固定すると、電源電圧VDCが大きいほど所要時間Tsは短くなる傾向があり、スイッチングモードの切り替え頻度が上昇する。このため、制御性の低下を抑制しつつスイッチングモードの切り替え頻度が過度に大きくならないように、電源電圧VDCに応じて閾値rを可変設定する。
上記ステップS18の処理が完了すると、ステップS20において、スイッチングモード0〜7の全てについて所要時間Tsを算出したか否かを判断する。そして、ステップS20において否定判断される場合、ステップS14に戻る。これに対し、ステップS20において肯定判断される場合、ステップS22において、スイッチングモード(電圧ベクトルV(n+1))を決定する。これは、ステップS18において算出された所要時間Tsが一番長いものに対応するスイッチングモードを選択する処理となる。
続くステップS24においては、スイッチングイモードの更新タイミングであるか否かを判断する。ここで、更新タイミングは、基本的には、現在のスイッチングモードをステップS22の処理によって選択決定した際に、ステップS18において算出された所要時間Tsによって定まるものである(厳密には、これと相違することがあるがこれについては図4の説明において記載する)。そして更新タイミングであると判断される場合、ステップS26において、インバータINVの出力電圧ベクトルを電圧ベクトルV(n+1)とすべくスイッチングモードを更新するとともに、次回の電圧ベクトルV(n+1)等の指定変数nを「1」デクリメントすることでこれを更新する。さらに、所要時間Ts経過時の電流ベクトル(id0,iq0)を、ステップS16において算出された瞬時電圧ベクトル(Δvd(n+1),Δvq(n+1))やステップS18において算出された所要時間Tsに応じて更新する。これは、上記の式(c7),(c8)を用いて行なうことができる。
なお、上記ステップS26の処理が完了する場合やステップS10において否定判断される場合には、この一連の処理を一旦終了する。
上記態様にて所要時間Tsを予測することで、所要時間Tsの経過時をスイッチングモードの更新タイミングとすることができる。ただし、所要時間Tsが長くなるほど、所要時間Tsの予測精度が低下する懸念がある。特に、上記の式(c7),(c8)のように、電流の変化を線形近似する場合においては、予測精度の低下の懸念も大きくなる。このため、本実施形態では、所定の長さを有する制御周期Tc毎に、所要時間Tsを再算出することで、更新タイミングを更新する。
図4に、上記更新処理の手順を示す。この処理は、制御周期Tcで繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS30において、モード更新タイミング直前であるか否かを判断し、否定判断される場合、ステップS32に移行する。ステップS32においては、電気角θ(n)と、実電流id(n),iq(n)とを検出する。続くステップS34では、実電流id(n),iq(n)に基づき、平均電圧vda(n),vqa(n)を算出する。そして、ステップS36では、平均電圧vda(n),vqa(n)と、現在の電圧ベクトルV(n)とに基づき、瞬時電圧Δvd(n),vq(n)を算出する。続くステップS38では、制御周期Tc経過時の予測電流ide(n+1),iqe(n+1)を算出する。この処理は、上記の式(c7),(c8)と同様の式に基づき行なうことができる。そして、ステップS40においては、ステップS32の処理時から制御周期Tcだけ経過した時点を基準として、モータジェネレータ10を流れる電流と指令電流との差ベクトルのノルムが閾値rとなるまでの所要時間Tsを予測することで、前回算出された所要時間Tsを更新する。続くステップS42においては、ステップS40において更新された所要時間Tsの経過時における電流id0,iq0を算出し、前回算出された電流id0,iq0の更新値とする。
図5〜図9に、本実施形態の効果を示す。図5(a)に示されるように、本実施形態では、図5(b)に示される比較例と比較して、スイッチング状態の切り替え回数(SW回数)やスイッチングモードの遷移回数を低減することができる。ここで比較例とは、スイッチングモードの更新可能タイミングを制御周期Tcによって定める従来のモデル予測制御において、スイッチング回数を低減すべく、実電流id,iqと指令電流id*,iq*との差が閾値r以下であることを条件に予測電流の変化速度が小さいスイッチングモードを採用した例である。
図6に、指令電流と実際の電流との差ベクトルのノルムが閾値rとなる領域(一対の円間の領域)と実電流id,iqの挙動とを示す。図6(a)に示されるように、本実施形態は、上述した比較例(図6(b))と同様の制御性を保っている。なお、図中、上記領域から外れている軌跡は、制御開始時直後において実電流id,iqが指令電流id*,iq*に追従する過渡的な軌跡である。
図7に、dq軸上における原点を指令電流に一致させた場合についてスイッチングモードの更新可能タイミングにおける実電流id,iqを示す。なお、図に示す円は、閾値rを半径とするものである。図7(a)に示されるように、本実施形態では、実電流id,iqと指令電流id*,iq*との差が閾値rとなる時点でスイッチングモードが変更されるのに対し、図7(b)に示される上記比較例の場合には、制御周期Tc経過時における任意の電流値でスイッチングモードの変更が可能とされる。
図8は、スイッチングモードの更新可能タイミングを示す。
図9は、スイッチングモードの更新時における電流の予測値を、そのときの実際の電流値を原点としてプロットしたものである。図9(a)に示されるように、本実施形態では、予測時と電流(id0,iq0)の予測対象となるタイミングとの時間間隔が長いにもかかわらず、上記比較例(図9(b))と比較して、予測誤差に顕著な相違は生じない。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)予測電流ide,iqeと指令電流id*,iq*との差ベクトルのノルムが閾値rに到達するまでに要する所要時間Tsを予測し、所要時間Tsが最も長いスイッチングモードをインバータINVの実際のスイッチングモードに採用した。これにより、スイッチングモードの切り替え頻度を低減することができる。
(2)閾値rを、要求トルクT*に応じて可変設定した。これにより、実電流id,iqと指令電流id*,iq*との誤差についての指令電流id*,iq*に対する割合の変動を低減することができる。
(3)閾値rを、電気角速度ωに応じて可変設定した。これにより、所要時間Tsと誤差割合とを好適に調整することができる。
(4)閾値rを、電源電圧VDCに応じて可変設定した。これにより、所要時間Tsと誤差割合とを好適に調整することができる。
(5)所要時間Tsを制御周期Tc毎に更新した。これにより、所要時間Tsをより高精度なものとすることができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、先の図3のステップS14において仮設定されるスイッチングモードを、現在のスイッチングモードからスイッチング状態が切り替えられるモータジェネレータ10の端子数が「1」以下となるものに制限する。詳しくは、現在のスイッチングモードに対応する電圧ベクトルV(n)が有効電圧ベクトルVi(i=1〜6)である場合、仮設定されるスイッチングモードに対応する電圧ベクトルV(n+1)を、電圧ベクトルVi−1、Vi,Vi+1(i:mod 6)とするか、ゼロ電圧ベクトルとする。ただし、ゼロ電圧ベクトルとしては、「V(n)=V2k(k=1〜3)」であるなら、ゼロ電圧ベクトルV7を選択し、「V(n)=V2k−1」であるなら、ゼロ電圧ベクトルV0を選択する。図10(a)に、「V(n)=V1」の場合について、電圧ベクトルV(n+1)として仮設定可能な4つの電圧ベクトルを示した。また、現在のスイッチングモードに対応する電圧ベクトルV(n)がゼロ電圧ベクトルV0である場合、図10(b)に示すように、仮設定されるスイッチングモードに対応する電圧ベクトルV(n+1)を、奇数の電圧ベクトルV1,V3,V5またはゼロ電圧ベクトルV0とする。さらに、現在のスイッチングモードに対応する電圧ベクトルV(n)がゼロ電圧ベクトルV7である場合、図10(c)に示すように、仮設定されるスイッチングモードに対応する電圧ベクトルV(n+1)を、偶数の電圧ベクトルV2,V4,V6またはゼロ電圧ベクトルV7とする。
図11〜図15に、本実施形態の効果を示す。なお、図11〜図15のそれぞれは、図5〜図9のそれぞれに対応している。
図11に示されるように、本実施形態では、スイッチングモードの遷移回数については上記第1の実施形態よりも増加するものの、スイッチング状態の切替回数については同等(わずかに低減)とすることができる。そして、図12、図13等に示されるように、制御性の低下も生じない。したがって、制御性の低下を生じさせることなく、スイッチング状態の切り替えに伴うサージ電圧を低減することができる。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図16に、本実施形態にかかる指令電流id*,iq*との乖離度合いが規定値以下となる領域を示す。図示されるように、本実施形態では、指令電流id*,iq*を中心とする楕円によって囲われる領域内に実電流id,iqが留まっている時間を所要時間Tsとして算出する。これは、予測電流ide(n+1)と指令電流id*との差の2乗と、予測電流iqe(n+1)と指令電流iq*との差の2乗との加重平均処理値を閾値rの2乗とすることで実現することができる。ちなみに、図16においては、d軸方向成分の方がその指令電流id*との乖離として許容される量が大きくなるような楕円(d軸方向を長軸方向とする楕円)を例示している。これは、単位時間当たりのd軸電流の変化量の方がq軸電流の変化量よりも大きい動作点における楕円を例示したためである。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図17に、本実施形態にかかる指令電流id*,iq*との乖離度合いが規定値以下となる領域を示す。図示されるように、本実施形態では、指令電流id*,iq*を中心とする長方形によって囲われる領域内に実電流id,iqが留まっている時間を所要時間Tsとして算出する。すなわち、指令電流id*とのd軸方向の乖離量がIdhys以下となって且つ指令電流iq*とのq軸方向の乖離量がIqhys以下となる領域に留まっている時間を所要時間Tsとして算出する。
<第5の実施形態>
以下、第5の実施形態について、先の第4の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、実電流id,iqの指令電流id*,iq*からの乖離量の上限値を定める領域の境界と2点で交わる直線の2点間の距離が最大となる直線の角度を可変設定する。これは、たとえば低回転速度領域等、電圧利用率の低い領域においてゼロ電圧ベクトルV0,V7に対応するスイッチングモード0,7に留まる時間を極力長くすることで、スイッチングモードの切り替え頻度をいっそう低減することを狙ったものである。すなわち、電圧利用率が低い場合、ゼロ電圧ベクトルV0,V7の採用時においては、有効電圧ベクトルV1〜V6の採用時と比較して、実電流id,iqの変化速度の絶対値が小さくなる傾向がある。このため、ゼロ電圧ベクトルV0,V7の採用時における実電流id,iqの変化の軌跡が、上記最大とする直線に一致する場合には、スイッチングモードの切り替え頻度を好適に低減することができると考えられる。本実施形態では、この点に鑑み、上記直線の傾きを上記ゼロ電圧ベクトルV0,V7の採用時における実電流id,iqの変化方向に一致させる。
図18に、本実施形態にかかる指令電流id*,iq*との乖離度合いが規定値以下となる領域を示す。
図示されるように、本実施形態では、以下の4つの方程式によって囲われる領域を規定値以下となる領域とする。
id=a1・id+b1 …(c10)
id=a1・id+b2 …(c11)
iq=a2・iq+b3 …(c12)
iq=a2・iq+b4 …(c13)
ここで、傾きa1と傾きa2とを直交させて且つ、傾きa1は、ゼロ電圧ベクトルV0,V7採用時における電流の変化方向に定める。ここで、傾きa1は、「(diq/dt)/(did/dt)」であることに鑑み、上記の式(c5),(c6)の瞬時電圧Δvd,Δvqに平均電圧ベクトル(vda,vqa)の符号を変えたものを代入することで算出することができる。すなわち、下記の式(c14)として算出することができる。
a1
=Ldt・(R・iq+ω・Lds・id+ω・φ)
/{Lqt・(R・id−ω・Lqs・iq)} …(c14)
図19、図20に、本実施形態の効果を示す。ここで、図19(a)、図20(a)は、それぞれ三角波比較PWM処理におけるゼロ電圧ベクトルV0,V7採用時の電流挙動を示している。三角波比較PWM処理においては、指令電圧とキャリアとの大小で決まる所定期間の間ゼロ電圧ベクトルV0,V7が採用され、それに引き続く有効電圧ベクトルの採用期間においてゼロ電圧ベクトルV0,V7採用時の電流の変化量と符号が逆で同程度の量だけ電流が変化する。これに対し、図19(b),図20(b)に示す本実施形態にかかる例では、三角波比較PWM処理と同一の電流軌跡にはならないものの、ゼロ電圧ベクトルV0,V7採用時の電流の変化の軌跡を三角波比較PWM処理と同等とすることができる。
これに対し、図21、図22には、先の第4の実施形態における電流の軌跡を示す。
<第6の実施形態>
以下、第6の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、指令電流id*,iq*との乖離度合いが規定値を上回る状態が長時間継続されると判断される場合、指令電流id*,iq*との乖離度合いが最小となるスイッチングモードに切り替える。
図23に、上記切り替え処理の手順を示す。この処理は、たとえば制御周期Tcでくり返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS50において、先の図4のステップS32において検出された実電流ベクトル(id(n),iq(n))と指令電流ベクトル(id*,iq*)との差ベクトルのノルムが閾値rよりも大きくて且つ、所要時間Tsが上限時間Tthを超えるか否かを判断する。この処理は、指令電流id*,iq*との乖離度合いが最小となるスイッチングモードに切り替えるか否かを判断するためのものである。なお、所要時間Tsが上限時間Tthを上回る状況としては、上記の式(c9)によって表現される所要時間Tsの2次方程式の判別式が負となることで、所要時間Tsの解がない場合も含まれる。
続くステップS52においては、先の図4のステップS38において算出された予測電流ide(n+1),iqe(n+1)に基づき平均電圧ベクトル(vda(n+1),vqa(n+1))を算出する。続くステップS54〜S58では、スイッチングモード0〜7のそれぞれに応じた予測電流ide(n+2),iqe(n+2)を算出する。ここでは、予測電流ide(n+2),iqe(n+2)を、仮設定されたスイッチングモードの採用時から制御周期Tc経過時の電流の予測値とする。続くステップS60においては、スイッチングモード(電圧ベクトルV(n+1))を決定する処理を行う。ここでは、評価関数Jによる評価の最も高い電圧ベクトルを最終的な電圧ベクトルV(n+1)とする。評価関数Jは、指令電流ベクトルと予測電流ベクトルとの各成分の差が大きいほど、評価が低くなるものである。本実施形態では、評価関数Jとして、評価が低いほど値が大きくなるものを採用する。具体的には、評価関数Jを、指令電流ベクトル(id*,iq*)と、予測電流ベクトル(ide,iqe)との差の内積値に基づき算出する。これは、指令電流ベクトルと予測電流ベクトルとの各成分の偏差が正、負の双方の値となりえることに鑑み、値が大きいほど評価が低いことを表現するための一手法である。
ちなみに、ステップS58において肯定判断される時点で、スイッチングモード0〜7のそれぞれについての予測電流ide(n+2),iqe(n+2)が算出されている。このため、これら8通りの予測電流ide(n+2),iqe(n+2)を用いて、評価関数Jの値を8つ算出することができる。
続くステップS62においては、電圧ベクトルや電流、電気角のサンプリング番号の指定変数nを「1」ずつ減少補正することで、指定変数nを更新し、この一連の処理を一旦終了する。
<第7の実施形態>
以下、第7の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、目標時間Ttに最も近似する所要時間Tsに対応するスイッチングモードを選択する。これは、スイッチング周波数を制御することを狙ったものである。これにより、たとえば可聴周波数帯域の音圧分布を制御してノイズの音色を制御するなどすることができる。
図24に、本実施形態にかかるモデル予測制御の処理手順を示す。この処理は、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図24において、先の図3に示した処理に対応するものについては、便宜上同一のステップ番号を付している。
この一連の処理では、ステップS20において肯定判断される場合、ステップS22aにおいて、ステップS14において仮設定された電圧ベクトルV(n+1)のうち、所要時間Tsと目標時間Ttとの差の絶対値が最小となるものを最終的な電圧ベクトルV(n+1)に決定する。ここで、目標時間Ttは、たとえば、スイッチング周波数を所望に制御するためのパラメータとなる。目標時間Ttの設定によって、スイッチング周波数を制御することができ、ひいてはスイッチング操作に起因した音圧分布を制御したり、スイッチング損失を制御したりすることができる。
<その他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
「決定手段について」
上記各実施形態において例示したものに限らない。たとえば、指令電流id*,iq*と実電流id,iqとの差の積分要素の出力の絶対値と、許容領域から外れるまでの時間の長さとのそれぞれに重み係数を乗算して加算した値(加重平均処理値)が最も小さくなるスイッチングモードに決定するものであってもよい。これにより、実電流id,iqと指令電流id*,iq*との定常的な乖離を小さくすることができる。
「更新タイミング設定手段について」
所要時間Tsの経過時をスイッチングモードの更新タイミングとするものに限らない。たとえば、所要時間Tsの経過時と、実電流id,iqが許容領域の境界のうちから外にでるタイミングとのいずれか早い方のタイミングを更新タイミングとしてもよい。
「領域可変手段について」
許容領域を定義する制御量の絶対値と相関を有するパラメータとしては、要求トルクT*に限らず、実電流id,iqや、実電流id,iqから推定されるトルク等であってもよい。また、予測電流ide,iqeや、予測電流ide,iqeから推定されるトルク等であってもよい。
制御量が許容領域の境界から外れるまでの時間の長さと相関を有するパラメータとしては、電気角速度ωおよび電源電圧VDCに限らず、たとえばこれらの一方であってもよい。
なお、許容領域を可変とするために用いるパラメータとしては、3つに限らない。
「角度可変手段について」
スイッチングモードがゼロ電圧ベクトルに対応するときにおける実電流の変化方向ベクトルを長方形の辺に平行とするものに限らない。たとえば、長辺と変化方向ベクトルとのなす角度を「45°」未満(より望ましくは「10°」未満)としてもよい。この場合であっても、ゼロ電圧ベクトルにて表現されるスイッチングモードが採用される期間を長くすることができる。
角度を可変とする対象となる許容領域としては、長方形に限らず、楕円等であってもよい。ここで、楕円を採用する場合には、長軸と変化方向ベクトルとのなす角度を「45°未満」とすればよい(より望ましくは平行とすればよい)。なお、角度可変手段の適用対象として有効な許容領域は、指令値との差がゼロとなる点を通る複数の直線のそれぞれと許容領域との一対の交点のそれぞれとの距離が、互いに相違しうるものと考えられる。
角度を可変設定するためのパラメータとしては、電気角速度ωおよび実電流id,iqに限らない。たとえば、電気角速度ωおよび指令電流id*,iq*であってもよい。またたとえば、要求トルクT*および電気角速度ωであってもよい。ここで、要求トルクT*は、指令電流設定部26の入力パラメータであることから、電流情報を含むパラメータである。さらに、これらの各パラメータに限らず、ゼロ電圧ベクトルであるときにおいて検出される実電流の変化方向に基づき角度を可変としてもよい。
「2次元座標系について」
d軸およびq軸の電流によって定義されるものに限らない。たとえば、トルクおよび磁束や、トルクおよびd軸電流、トルクおよびq軸電流のいずれかであってもよい。
ここで、トルクおよび磁束の場合について所要時間Tsを導くための手法を記載する。予測トルクTe(n+1)と予測磁束ノルムΦe(n+1)とは、以下の式(c15),(c16)にて表現される。
Figure 2013062950
これらの式に上記の式(c7),(c8)を代入したものを、以下の式(c17)に代入することで、所要時間Tsの4次方程式が得られる。
Figure 2013062950
ここで、係数Kは、トルクと磁束ノルムとの絶対値が相違することに鑑み、それらの誤差割合の相違を低減するために設けたものである。
「予測手段について」
モデル式として、本明細書最後部の備考欄に記載されている式(c23),(c24)を用いるものであってもよい。
所定周期Tcで所要時間Tsを更新するものに限らない。また、制御量の変化を線形近似するものにも限らない。
「仮設定されるスイッチングモードについて」
スイッチングモード0〜7の全てとしたり、スイッチング状態の切り替え端子数が「1」以下となるものにしたりするものに限らず、たとえば「2」以下となるものであってもよい。
「回転機について」
回転機としては、3相回転機に限らず、5相回転機等、4相以上の回転機であってもよい。
上記実施形態では、固定子巻線がスター結線されたものを想定したがこれに限らず、デルタ結線されたものであってもよい。この場合、回転機の端子と相とは一致しない。
回転機としては、埋め込み磁石同期機に限らず、表面磁石同期機や、界磁巻線型同期機等、任意の同期機であってよい。更に、同期機にも限らず、誘導モータ等、誘導回転機であってもよい。
回転機としては車両の主機として用いられるものに限らない。
「そのほか」
直流電圧源としては、高電圧バッテリ12に限らず、例えば高電圧バッテリ12の電圧を昇圧するコンバータの出力端子であってもよい。
互いに相違する電圧値の電圧のそれぞれを印加する各別の電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路としては、回転機の端子を直流電圧源の正極および負極のそれぞれに選択的に接続するスイッチング素子を備える直流交流変換回路(インバータINV)に限らない。例えば、多相回転機の各相に3つ以上の互いに相違する値の電圧のそれぞれを印加する電圧印加手段と回転機の端子との間を選択的に開閉するスイッチング素子を備えるものであってもよい。なお、回転機の端子に3つ以上の互いに相違する値の電圧のそれぞれを印加するための電力変換回路としては、例えば特開2006−174697号公報に例示されているものがある。
<備考>
上記の式(c1)、(c2)を導出について説明する。3相の電圧方程式は、uvw相の鎖交磁束Φu,Φv,Φwを用いた以下の式(c18)〜(c20)にて表現される。
vu=R・iu+(dΦu/dt) …(c18)
vv=R・iv+(dΦv/dt) …(c19)
vw=R・iw+(dΦw/dt) …(c20)
上記の式(c18)〜(c20)をdq変換することで、dq軸上の鎖交磁束Φd,Φqを用いた以下の式(c21),(c22)が得られる。
vd=R・id+(dΦd/dt)−ω・Φq …(c21)
vq=R・iq+(dΦq/dt)+ω・Φd …(c22)
上記の式の「dΦd/dt=(dΦd/did)・(did/dt)」において「dΦd/did=Ldt」と定義することで、d軸の過渡インダクタンスLdtを得ることができる。同様に、「dΦq/dt=(dΦq/diq)・(diq/dt)」において「dΦq/diq=Lqt」と定義することで、q軸の過渡インダクタンスLqtを得ることができる。また、「Φd=Lds・id+φ」とする定義することでd軸の定常インダクタンスLdsを得ることができ、「Φq=Lqs・iq」とする定義することでq軸の定常インダクタンスLdsを得ることができる。なお、ここで、d軸の鎖交磁束Φdにおいてd軸電流に比例しない定数項φは、永久磁石による鎖交磁束の項である。
上記過渡インダクタンスLdt,Lqtは、定常インダクタンスLds,Lqsと比較して小さい値となる。これは、電流が大きくなることで磁気飽和現象によって電流の増加に対する磁束の増加速度が小さくなるためである。なお、過渡インダクタンスLdt,Lqtや、定常インダクタンスLds,Lqsはモータジェネレータ10を流れる電流に応じて可変設定することが望ましい。
ちなみに、ここでのインダクタンスの変更は、下記の式(c23),(c24)のモデル式を用いた従来のモデル予測制御において、インダクタンスを変更する場合と等価ではない。
vd=R・id+Ld・(did/dt)−ω・Lq・iq …(c23)
vq=R・iq+Lq・(diq/dt)+ω・Ld・id+ωφ …(c24)
上記の式(c23),(c24)を用いたモデル予測制御では、磁気飽和現象が顕著となる領域において、高精度に電流を予測するインダクタンスを一義的に定めることができない。これは、上記の式(c23),(c24)が、鎖交磁束と電流との比が変化することを適切に表現できないからである。こうした事情は、従来の三角波比較PWM処理を用いる場合には生じない。なぜなら、三角波比較PWM処理を行なう場合における電流フィードバック制御の操作量としての指令電圧vd*,vq*は、本実施形態における平均電圧ベクトル(vda,vqa)に相当するものであるからである。このため、トルクや電流に応じて上記の式(c23),(c24)におけるインダクタンスが変化することに鑑み、フィードバックゲイン等を変更することで制御性を維持することができるという事情がある。このことは、上記の式(c1),(c2)を用いたモデル予測制御において、定常インダクタンスLds,Lqsを可変設定することで、平均電圧vda,vqaを高精度に算出できることに対応している。
従来の三角波PWM制御とモデル予測制御との大きな相違点は、モデル予測制御では、瞬時電圧に応じた制御量(電流)の変化量の算出精度が制御性に直接影響を及ぼすという点にある。そしてこの事情こそが、上記の式(c21),(c22)を用いて、定常インダクタンスLds,Lqsに加えて、過渡インダクタンスLdt,Lqtを定義する必要を生じさせたものである。ここで留意すべきは、定常インダクタンスLds,Lqsに加えて過渡インダクタンスLdt,Lqtを定義するうえで利用可能な式は、上記の式(c23),(c24)において、「Φd=Ld・id+φ,Φq=Lq・iq」と定義して得られる式とは相違するということである。なぜなら、上記の式(c23),(c24)は、たとえば「埋め込み磁石同期モータの設計と制御:武田ら著、オーム社」に記載されているように、3相の電圧方程式において、各相のインダクタンスを「Lu=l+Lcos2θ」等と定義して導出されるものであり、インダクタンスが電流に依存することを前提としたモデルではないからである。
このように、本実施形態におけるモデル予測制御に用いる上記の式(c1),(c2)は、従来のモデル予測制御において用いられていた上記の式(c23),(c24)の変更、修正によって導出されるものではない。上記の式(c1),(c2)を用いた本実施形態にかかるモデル予測制御は、上記の式(c23),(c24)を利用するモデル予測制御においてインダクタンス等を様々に変更することによっては制御性の向上が困難との知見に基づき、モデル式自体を根本的に見直した結果構築されたものである。
10…モータジェネレータ、14…制御装置(回転機の制御装置の一実施形態)。

Claims (8)

  1. 互いに相違する電圧値の電圧のそれぞれを印加する各別の電圧印加手段と回転機の端子との間を開閉するスイッチング素子を備えて構成される電力変換回路について、該電力変換回路を構成するスイッチング素子のオン・オフ操作によって、前記回転機を流れる電流、前記回転機のトルク、および前記回転機の磁束の少なくとも1つを有した制御量を制御する回転機の制御装置において、
    前記電力変換回路を構成するスイッチング素子のそれぞれがオン状態であるかオフ状態であるかを示すスイッチングモードのうち特定のスイッチングモードに関して、前記制御量とその指令値との乖離度合いが規定値に到達するまでに要する所要時間を予測する予測手段と、
    前記予測手段によって予測される所要時間に基づき、前記スイッチングモードの更新タイミングを設定する更新タイミング設定手段と、
    を備えることを特徴とする回転機の制御装置。
  2. 前記予測手段は、前記スイッチングモードを仮設定し、該仮設定されたスイッチングモードのそれぞれに応じた前記所要時間を予測する処理を行なうものであり、
    該予測手段による予測結果に基づき、スイッチングモードを評価し、評価の高いスイッチングモードを前記電力変換回路の実際の操作に用いるスイッチングモードに決定する決定手段と、
    該決定されたスイッチングモードとなるように前記電力変換回路を操作する操作手段とを備え、
    前記決定手段は、前記所要時間が長いスイッチングモードを短いものと比較して高く評価することを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
  3. 前記予測手段は、前記スイッチングモードを仮設定し、該仮設定されたスイッチングモードのそれぞれに応じた前記所要時間を予測する処理を行なうものであり、
    該予測手段による予測結果に基づき、スイッチングモードを評価し、評価の高いスイッチングモードを前記電力変換回路の実際の操作に用いるスイッチングモードに決定する決定手段と、
    該決定されたスイッチングモードとなるように前記電力変換回路を操作する操作手段とを備え、
    前記決定手段は、前記所要時間と目標時間との乖離が小さいスイッチングモードを大きいものと比較して高く評価することを特徴とする請求項1記載の回転機の制御装置。
  4. 前記規定値を、前記回転機のトルクおよび前記回転機の電気角速度の少なくとも一つに応じて可変設定する領域可変手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  5. 前記指令値との乖離度合いが規定値に到達するまでに要する所要時間を定める制御量は、固定2次元座標系において表現されるものであり、
    前記指令値を前記固定2次元座標系の原点としたときに前記規定値以下の領域を定める閉曲線について、該閉曲線と2点で交わる直線のうち2点間の長さを最大とする直線の角度を可変設定する角度可変手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  6. 前記指令値との乖離度合いが規定値に到達するまでに要する所要時間を定める制御量は、d軸電流成分およびq軸電流成分、トルクおよび磁束、トルクおよびd軸電流、ならびにトルクおよびq軸電流のいずれかを2つの成分とするものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  7. 前記予測手段は、前記スイッチングモードを仮設定し、該仮設定されたスイッチングモードのそれぞれに応じた前記所要時間を予測する処理を行なうものであり、
    該予測手段による予測結果に基づき、スイッチングモードを評価し、評価の高いスイッチングモードを前記電力変換回路の実際の操作に用いるスイッチングモードに決定する決定手段をさらに備え、
    前記決定手段は、前記制御量とその指令値との乖離度合いが前記規定値を上回って且つ、前記予測手段による予測結果に基づき前記制御量とその指令値との乖離度合いを上限時間以内に前記規定値以下とすることができないと判断される場合、前記制御量とその指令値との乖離を小さくするスイッチングモードの評価を高くすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
  8. 前記予測手段は、前記所要時間の予測処理を所定周期で行なうことで、予測される所要時間を前記所定周期で更新することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転機の制御装置。
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