JP2013061041A - 作業車の走行伝動切り換え構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作の複雑化を招くことなく、坂道などの傾斜地において車体をスムーズに発進させられるようにする。
【解決手段】制御手段が、検出手段の出力に基づいてパーキングブレーキの制動状態を検知している状態で、第1操作手段からの伝動経路切換手段に関する所定の伝動系路の接続指令を受け取り、かつ、第2操作手段からの多板式の伝動断続手段に関する接続指令を受け取ると、伝動経路切換手段を、2つの伝動系路を接続する2重伝動状態に切り換えて車輪の回転を阻止し、その後、検出手段の出力に基づいてパーキングブレーキの制動解除状態への切り換えを検知すると、伝動断続手段の遮断状態から伝動状態への切り換えを開始し、伝動断続手段が半伝動状態に至るのに伴って、伝動経路切換手段を2重伝動状態から所定の伝動系路を接続する伝動状態に切り換えるように構成してある。
【選択図】図8

Description

本発明は、手動操作式のパーキングブレーキと、並列に備えた走行用の伝動系路の接続状態を切り換える伝動経路切換手段と、前記伝動経路切換手段の伝動方向上手側で伝動を断続する多板式の伝動断続手段と、第1操作手段が出力する指令情報に基づいて前記伝動経路切換手段の作動を制御し、かつ、第2操作手段が出力する指令情報に基づいて前記伝動断続手段の作動を制御する制御手段を備えた作業車の走行伝動切り換え構造に関する。
従来では、レンジ選択に伴ってスプールが動作するマニュアルバルブを備え、ニュートラルレンジを選択すると、それに伴うスプールの動作でRレンジポート及びDレンジポートを閉じてインターロックポートを開くことで、複数の摩擦要素を締結させて車輪駆動部材に直結する変速機出力軸をインターロック状態とし、このインターロック状態により坂道などでの重力による車体の走行を防止し、Rレンジを選択すると、それに伴うスプールの動作でインターロックポートを閉じてRレンジポートを開くことで、Rレンジポートへのライン圧供給を確保し、Dレンジを選択すると、それに伴うスプールの動作でインターロックポートを閉じてDレンジポートを開くことで、Dレンジポートへのライン圧供給を確保するように構成したものがある(例えば特許文献1参照)。
特開平3−292447号公報
上記の構成では、Rレンジ又はDレンジを選択した場合は、スプールの動作でインターロックポートを閉じてRレンジポート又はDレンジポートを開くだけであることから、インターロック状態を解除してから走行状態に至るまでの間でタイムラグが生じるようになり、このタイムラグが大きくなるほど、走行状態に至るまでの間において重力で車体が走行する可能性が高くなり、坂道などの傾斜地において車体をスムーズに発進させることができなくなる。
本発明の目的は、操作の複雑化を招くことなく、坂道などの傾斜地において車体をスムーズに発進させられるようにすることにある。
第1の発明は、手動操作式のパーキングブレーキと、並列に備えた走行用の伝動系路の接続状態を切り換える伝動経路切換手段と、前記伝動経路切換手段の伝動方向上手側で伝動を断続する多板式の伝動断続手段と、第1操作手段が出力する指令情報に基づいて前記伝動経路切換手段の作動を制御し、かつ、第2操作手段が出力する指令情報に基づいて前記伝動断続手段の作動を制御する制御手段を備えた作業車の走行伝動切り換え構造において、
前記パーキングブレーキの作動状態を検出する検出手段を備え、
前記制御手段が、前記検出手段の出力に基づいて前記パーキングブレーキの制動状態を検知している状態で、前記第1操作手段からの所定の伝動系路の接続指令を受け取り、かつ、前記第2操作手段からの接続指令を受け取ると、前記伝動経路切換手段を、2つの伝動系路を接続する2重伝動状態に切り換えて車輪の回転を阻止し、その後、前記検出手段の出力に基づいて前記パーキングブレーキの制動解除状態への切り換えを検知すると、前記伝動断続手段の遮断状態から伝動状態への切り換えを開始し、前記伝動断続手段が半伝動状態に至るのに伴って、前記伝動経路切換手段を前記2重伝動状態から所定の伝動系路を接続する伝動状態に切り換えるように構成してある。
第1の発明によると、坂道などの傾斜地で車体を発進させる場合には、先ず、第1操作手段を操作して所定の伝動系路の接続を指令し、かつ、第2操作手段を操作して接続を指令すると、それらの指令に基づく制御手段の制御作動で、伝動経路切換手段が車輪の回転を阻止する2重伝動状態に切り換わることから、その後にパーキングブレーキを制動解除状態に切り換えても車体を停車状態に維持することができる。
そして、パーキングブレーキを制動解除状態に切り換えると、それに基づく制御手段の制御作動で、伝動断続手段の遮断状態から伝動状態への切り換えが行われ、かつ、その切り換えで伝動断続手段が半伝動状態に至った段階で伝動経路切換手段が2重伝動状態から所定の伝動系路を接続する伝動状態に切り換わることから、伝動断続手段が半伝動状態に至るまでの間は、伝動経路切換手段の2重伝動状態で車体を停車状態に維持することができ、伝動断続手段が半伝動状態に至った後は、伝動断続手段を介して伝達される動力で車体を徐々に発進させることができる。
従って、操作の複雑化を招くことなく、坂道などの傾斜地において車体をスムーズに発進させることができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記制御手段にタイマを備え、
前記制御手段が、前記パーキングブレーキの制動解除状態への切り換えを検知するのに伴って前記タイマによる計時を開始し、その計時の設定時間の経過を検知することで、前記伝動断続手段が前記半伝動状態に至ったことを検知するように構成してある。
第2の発明によると、タイマを備えるだけの簡単な構成で伝動断続手段が半伝動状態に至ったことを検知することができる。
従って、構成の複雑化を招くことなく、坂道などの傾斜地において車体をスムーズに発進させることができる。
第3の発明は、上記第1の発明において、
前記伝動断続手段として油圧クラッチを採用し、
前記制御手段が、前記油圧クラッチの作動に関する圧力情報に基づいて前記伝動断続手段が前記半伝動状態に至ったことを検知するように構成してある。
第3の発明によると、油圧クラッチの作動に関する圧力情報に基づいて伝動断続手段が半伝動状態に至ったことを確実に検知することができる。
従って、坂道などの傾斜地において車体をより確実にスムーズに発進させることができる。
第4の発明は、上記第1〜3のいずれか一つの発明において、
前記制御手段が、前記第1操作手段からの指令情報に基づいて前記伝動経路切換手段を所定の伝動系路を接続する伝動状態に切り換え、かつ、前記第2操作手段からの指令情報に基づいて前記伝動断続手段を伝動状態に切り換えた状態で、前記検出手段の出力に基づいて前記パーキングブレーキの制動解除状態から制動状態への切り換えを検知すると、前記伝動断続手段を伝動状態から遮断状態に切り換えるように構成してある。
第4の発明によると、伝動経路切換手段が所定の伝動系路を接続する伝動状態であり、伝動断続手段が伝動状態である走行状態において、パーキングブレーキを制動解除状態から制動状態に切り換える不適切な操作が行われた場合には、伝動断続手段を遮断状態に切り換えて伝動を断つことから、伝動断続手段を介して伝達される動力でパーキングブレーキが破損することを防止することができる。
トラクタの全体側面図である。 トラクタの伝動構造を示す概略平面図である。 走行動力の切り換え構造を示す油圧回路図である。 走行動力の切り換えに関する制御構成を示すブロック図である。 パーキングブレーキの構成及び動作を示す要部の縦断正面図である。 パーキングレバーの操作経路を示す要部の横断平面図である。 パーキングレバーの操作に基づく前後進切換装置などの状態の変化を示す図である。 坂道発進時での前後進切換装置などの状態の変化を示すタイムチャートである。
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明に係る作業車の走行伝動切り換え構造を、作業車の一例であるトラクタに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態で例示するトラクタは、その前部に配備した前部フレーム1に水冷式のエンジン2やラジエータ3などを搭載し、その後部に配備したフレーム兼用のトランスミッションケース(以下、T/Mケースと称する)4の上方に搭乗運転部5を形成し、前部フレーム1の左右に、駆動可能な操向輪としての左右一対の前輪6を備え、T/Mケース4の後部の左右に、駆動輪としての左右一対の後輪7を備えて4輪駆動型に構成してある。
搭乗運転部5には、左右の前輪6に操作連係したステアリングホイール8や運転座席9などを備え、搭乗運転空間を形成するキャビン10を装備してある。
T/Mケース4の後部には、油圧式で左右一対のリフトシリンダ11の作動で昇降揺動する左右一対のリフトアーム12や、エンジン2からの動力の外部への取り出しを可能にするPTO軸13などを装備してある。これにより、このトラクタは、その後部にロータリ耕耘装置やプラウなどの作業装置(図示せず)を昇降駆動可能に連結することができ、かつ、ロータリ耕耘装置などの駆動型の作業装置に供給する動力の取り出しが可能となるように構成してある。
図2に示すように、エンジン2からの動力は、T/Mケース4に備えた主伝動軸14に伝達してT/Mケース4の内部に供給する。そして、T/Mケース4の内部において、主伝動軸14から、走行用のクラッチを兼ねる電子油圧制御式の前後進切換装置15を介して、主伝動軸14に相対回転可能に外嵌した走行用の筒軸16に走行用の動力として伝達することができる。又、主伝動軸14から、油圧式のPTOクラッチ17を介して作業用の伝動軸18に作業用の動力として伝達することができる。
走行用の動力は、電子油圧制御式の主変速装置19及びシンクロメッシュ式の副変速装置20により変速することができる。そして、その変速後の動力は、副変速装置20の出力軸21において前輪駆動用の動力と後輪駆動用の動力とに分岐し、後輪駆動用の動力は、副変速装置20の出力軸21から後輪用差動装置22などを介して左右の後輪7に伝達する。前輪駆動用の動力は、副変速装置20の出力軸21から前輪駆動用の伝動ギア23,24を介して前輪駆動用の伝動軸25に伝達し、前輪駆動用の伝動軸25から電子油圧制御式の前輪用変速装置26及び前輪用差動装置27などを介して左右の前輪6に伝達することができる。
作業用の動力は、シンクロメッシュ式のPTO変速装置28により変速することができ、その変速後の動力をPTO軸13に伝達する。
図2及び図3に示すように、前後進切換装置15は、遮断復帰型で多板式の油圧クラッチを採用した前進動力断続用の前進クラッチ29と、遮断復帰型で多板式の油圧クラッチを採用した後進動力断続用の後進クラッチ30とを並列に装備して、前進用の伝動系路と後進用の伝動系路とを並列に備えている。又、対応する前進クラッチ29又は後進クラッチ30に対するオイルの流れを切り換えるパイロット操作式の2つの切換弁31,32、対応する切換弁31,32に対するパイロット圧を制御する2つの電磁オンオフ弁33,34、及び、前進クラッチ29及び後進クラッチ30のクラッチ圧を制御する電磁比例減圧弁35、などを備えている。そして、これらにより、主伝動軸14から筒軸16への伝動を遮断する遮断状態と、主伝動軸14からの動力を前進クラッチ29などを介して前進用として筒軸16に伝達する前進伝動状態と、主伝動軸14からの動力を後進クラッチ30などを介して後進用として筒軸16に伝達する後進伝動状態とに切り換え可能に構成してある。
主変速装置19は、遮断復帰型で多板式の油圧クラッチを採用した第1動力断続用の第1クラッチ36、遮断復帰型で多板式の油圧クラッチを採用した第2動力断続用の第2クラッチ37、遮断復帰型で多板式の油圧クラッチを採用した第3動力断続用の第3クラッチ38、及び、遮断復帰型で多板式の油圧クラッチを採用した第4動力断続用の第4クラッチ39を並列に装備して、第1伝動系路〜第4伝動系路の4つの伝動系路を並列に備えた第1変速部40と、遮断復帰型で多板式の油圧クラッチを採用した低速動力断続用の低速クラッチ41、及び、遮断復帰型で多板式の油圧クラッチを採用した高速動力断続用の高速クラッチ42とを並列に装備して、低速用の伝動系路と高速用の伝動系路とを並列に備えた第2変速部43とを直列に装備している。又、第1クラッチ36〜第4クラッチ39のうちの対応するクラッチに対するオイルの流れを切り換えるパイロット操作式の4つの切換弁44〜47、対応する切換弁44〜47に対するパイロット圧を制御する4つの電磁オンオフ弁48〜51、及び、対応する低速クラッチ41又は高速クラッチ42のクラッチ圧を制御する2つの電磁比例減圧弁52,53、などを備えている。そして、これらにより、第1変速部40での4段の変速状態と第2変速部43での高低2段の変速状態との組み合わせによる8段の変速状態の切り換えが可能となるように構成してある。
図2に示すように、副変速装置20は、副変速装置20に備えたスリーブ54の摺動で高低2段の変速状態の切り換えが可能となるように構成してある。スリーブ54には、搭乗運転部5に備えた走行用の変速レバー55に機械連係式の副変速用操作連係機構56を介して連係してある。走行用の変速レバー55は、低速位置と中立位置と高速位置の3位置に位置切り換え保持可能に構成してある。
図2及び図3に示すように、前輪用変速装置26は、遮断復帰型で多板式の油圧クラッチを採用した等速動力断続用の等速クラッチ57と、遮断復帰型で多板式の油圧クラッチを採用した増速動力断続用の増速クラッチ58とを並列に装備して、等速用の伝動系路と増速用の伝動系路とを並列に備えている。又、対応する等速クラッチ57又は増速クラッチ58に対するオイルの流れを切り換えるパイロット操作式の2つの切換弁59,60、及び、対応する切換弁59,60に対するパイロット圧を制御する2つの電磁オンオフ弁61,62、などを備えている。そして、これらにより、左右の前輪6への伝動を遮断する遮断状態と、左右の前輪6の周速が左右の後輪2の周速と同じになるように左右の前輪6を駆動する等速駆動状態と、左右の前輪6の周速が左右の後輪2の周速の約1.6倍になるように左右の前輪6を増速駆動する増速駆動状態とに切り換え可能に構成してある。
後輪用差動装置22は、遮断復帰型の油圧クラッチを採用した後輪用の差動クラッチ63、差動クラッチ63に対するオイルの流れを切り換えるパイロット操作式の切換弁64、及び、切換弁64に対するパイロット圧を制御する電磁オンオフ弁65、などを備えている。そして、これらにより、左右の後輪7の差動を許容する差動許容状態と差動を阻止する差動阻止状態とに切り換え可能に構成してある。
前輪用差動装置27は、遮断復帰型の油圧クラッチを採用した前輪用の差動クラッチ66、差動クラッチ66に対するオイルの流れを切り換えるパイロット操作式の切換弁67、及び、切換弁67に対するパイロット圧を制御する電磁オンオフ弁68、などを備えている。そして、これらにより、左右の前輪6の差動を許容する差動許容状態と差動を阻止する差動阻止状態とに切り換え可能に構成してある。
図4に示すように、このトラクタには、CPU及びEEPROMなどを備えるマイクロコンピュータを利用して構成した電子制御ユニット(以下、ECUと略称する)69を搭載してある。
ECU69には、前後進切換装置15、主変速装置19、前輪用変速装置26、後輪用差動装置22、及び前輪用差動装置27などの作動を制御する走行用制御手段69Aを制御プログラムとして備えてある。
走行用制御手段69Aは、前後進切り換え用のFRレバー70の操作位置を検出するFRセンサ71の出力に基づいて前後進切換装置15の作動状態を切り換える前後進切り換え制御を行う。前後進切り換え制御では、FRセンサ71の出力に基づいてFRレバー70の前進位置への操作を検知すると、前後進切換装置15に備えた2つの電磁オンオフ弁33,34及び電磁比例減圧弁35の作動を制御して前後進切換装置15を前進伝動状態に切り換える。FRセンサ71の出力に基づいてFRレバー70の後進位置への操作を検知すると、2つの電磁オンオフ弁33,34及び電磁比例減圧弁35の作動を制御して前後進切換装置15を後進伝動状態に切り換える。FRセンサ71の出力に基づいてFRレバー70の中立位置への操作を検知すると、2つの電磁オンオフ弁33,34及び電磁比例減圧弁35の作動を制御して前後進切換装置15を遮断状態に切り換える。
FRレバー70は、前進位置と中立位置と後進位置の3位置に位置切り換え保持可能に構成した状態でステアリングホイール8の左方に配備してある(図1参照)。FRセンサ71は、前進位置検出用のマイクロスイッチ(図示せず)と後進位置検出用のマイクロスイッチ(図示せず)とを備えて構成してある。
走行用制御手段69Aは、走行用の変速レバー55に備えたシフトアップスイッチ72及びシフトダウンスイッチ73が出力する変速指令に基づいて、主変速装置19の変速段を切り換える変速制御を行う。変速制御では、シフトアップスイッチ72からのシフトアップ指令を受けると、その指令に基づいて4つの電磁オンオフ弁48〜51及び2つの電磁比例減圧弁52,53の作動を制御して主変速装置19の変速段を高速側に切り換える。又、シフトダウンスイッチ73からのシフトダウン指令を受けると、その指令に基づいて4つの電磁オンオフ弁48〜51及び2つの電磁比例減圧弁52,53の作動を制御して主変速装置19の変速段を低速側に切り換える。シフトアップスイッチ72及びシフトダウンスイッチ73にはモーメンタリスイッチを採用してある。
走行用制御手段69Aは、搭乗運転部5に備えた前輪駆動制御用の選択スイッチ74が出力する制御切り換え指令に基づいて、前輪用変速装置26に対する制御作動として第1制御を行う状態と第2制御を行う状態と第3制御を行う状態とに切り換わる。第1制御では、前輪用変速装置26に備えた2つの電磁オンオフ弁61,62の作動を制御して前輪用変速装置26を遮断状態に切り換えることでトラクタの駆動状態を2輪駆動状態に切り換える。第2制御では、2つの電磁オンオフ弁61,62の作動を制御して前輪用変速装置26を等速駆動状態に切り換えることでトラクタの駆動状態を4輪駆動状態に切り換える。第3制御では、舵角センサ75の出力に基づいて旋回内側の前輪6の舵角を判別する。そして、旋回内側の前輪6の舵角が設定角度未満であれば、2つの電磁オンオフ弁61,62の作動を制御して前輪用変速装置26を等速駆動状態に切り換えることでトラクタの駆動状態を4輪駆動状態に切り換える。旋回内側の前輪6の舵角が設定角度以上であれば、2つの電磁オンオフ弁61,62の作動を制御して前輪用変速装置26を増速駆動状態に切り換えることでトラクタの駆動状態を前輪増速状態に切り換える。
選択スイッチ74にはモーメンタリスイッチを採用してある。舵角センサ75には、ピットマンアーム76の直進位置からの左右方向への揺動角度を旋回内側の前輪6の舵角として検出する回転式のポテンショメータを採用してある。
走行用制御手段69Aは、搭乗運転部5に備えたデフロックペダル77の操作位置を検出するデフロックスイッチ78の出力に基づいて後輪用差動装置22の作動状態を切り換える後輪差動切り換え制御を行う。後輪差動切り換え制御では、デフロックスイッチ78の出力に基づいてデフロックペダル77の操作位置が踏み込み解除位置であることを検地すると、後輪用差動装置22に備えた電磁オンオフ弁65の作動を制御して後輪用差動装置22を差動許容状態に切り換える。デフロックスイッチ78の出力に基づいてデフロックペダル77の操作位置が踏み込み位置であることを検地すると、電磁オンオフ弁65の作動を制御して後輪用差動装置22を差動阻止状態に切り換える。デフロックスイッチ78にはモーメンタリスイッチを採用してある。
走行用制御手段69Aは、搭乗運転部5に備えた手動操作用のデフロックスイッチ79の出力に基づいて前輪用差動装置27の作動状態を切り換える前輪差動切り換え制御を行う。前輪差動切り換え制御では、デフロックスイッチ79の出力がオフであれば、前輪用差動装置27に備えた電磁オンオフ弁66の作動を制御して前輪用差動装置27を差動許容状態に切り換える。デフロックスイッチ79の出力がオンであれば、電磁オンオフ弁66の作動を制御して前輪用差動装置27を差動阻止状態に切り換える。デフロックスイッチ79にはモーメンタリスイッチを採用してある。
図1及び図2に示すように、搭乗運転部5の左足元部位には、踏み込み解除位置に自動復帰するように構成したクラッチペダル80を配備してある。クラッチペダル80は、前後進切換装置15に備えた切換弁31,32に対するパイロット圧を制御するペダル操作用のオンオフ弁81を、クラッチペダル80の踏み込み操作量に応じた操作量で開き方向に操作するように構成してある。
図2及び図5に示すように、T/Mケース4の内部には、前輪駆動用の伝動軸25にスプライン嵌合した前輪駆動用の伝動ギア24に噛合することで、少なくとも左右の後輪7の回転を阻止して車体を停止状態に維持するギアロック式のパーキングブレーキ82を装備してある。
パーキングブレーキ82は、前後向きの第1支軸83を支点にして揺動する第1アーム84、前後向きの第2支軸85に相対回転可能に外嵌した天秤状の第2アーム86、第2支軸85の後端に固着した第3アーム87、及び、前後向きの第3支軸88を支点にした揺動で伝動ギア24に噛合又は噛合解除する係合爪89Aを備えた係合アーム89、などを備えている。
第1アーム84は、その遊端部に形成した連係孔84Aに第2アーム86の左端部に固定した連係ピン90を挿通することで、第2アーム86に連動揺動可能に連係してある。第2アーム86は、そのボス部86Aに外嵌した第1捻りバネ91の一端部を連係ピン90で上方から受け止め、かつ、その右端部に固定した受止ピン92で第3アーム87を介して第1捻りバネ91の他端部を上方から受け止めることで、第3アーム87に第2支軸85を支点にした一体揺動及び独立揺動が可能な状態で連係してある。第3アーム87は、第1捻りバネ91の作用で、その遊端部に備えたローラ93が第3支軸88に外嵌した第2捻りバネ94の作用で伝動ギア24から下方に離れる係合アーム89を下方から受け止める状態を維持することで、係合アーム89に連動揺動可能に連係してある。
そして、これらの連係から、T/Mケース4に左右方向に摺動可能に装備した操作ロッド95で第1アーム84に備えた従動ピン96を押圧すると、第1支軸83に外嵌した捻りバネ97の作用に抗して、第1アーム84が第1支軸83を支点にして正面視左回りに下降揺動し、これに連動して第2アーム86及び第3アーム87が第2支軸85を支点にして正面視右回りに揺動し、この揺動で第3アーム87のローラ93が第2捻りバネ94の作用に抗して係合アーム89を押し上げ、この押し上げにより係合アーム89が第3支軸88を支点にして正面視左回りに揺動して係合アーム89の係止爪89Aが伝動ギア24に噛合する。これにより、2輪駆動状態であれば左右の後輪7の回転を阻止することができ、4輪駆動状態であれば左右の前輪6及び左右の後輪7の回転を阻止することができ、車体を停止状態に維持することができる。
この状態で、更に操作ロッド95で第1アーム84の従動ピン96を押圧すると、第1アーム84が更に正面視左回りに下降揺動し、これに連動して第2アーム86が更に正面視右回りに揺動する。このとき、係合アーム89の係止爪89Aが伝動ギア24に噛合していることで第3アーム87及び係合アーム89は連動揺動しないが、第1捻りバネ91のバネ力が強くなり、これにより、係合アーム89の係止爪89Aを伝動ギア24への噛合状態に保持する保持力が強くなり、車体をより安定した状態で停止状態に維持することができる。
一方、操作ロッド95による第1アーム84の従動ピン96への押圧を解除すると、各捻りバネ91,94,97の作用で、第1アーム84が第1支軸83を支点にして正面視右回りに上昇揺動し、これに連動して第2アーム86及び第3アーム87が第2支軸85を支点にして正面視左回りに揺動し、この揺動で第3アーム87のローラ93が係合アーム89に対する押し上げを解除することで、係合アーム89が第3支軸88を支点にして正面視右回りに揺動し、この揺動で係合アーム89の係止爪89Aが伝動ギア24から離れて伝動ギア24への噛合を解除する。これにより、左右の前輪6及び左右の後輪7の回転を許容することができ、走行を可能にすることができる。
図2、図5及び図6に示すように、パーキングブレーキ用の操作ロッド95は、運転座席9の左方に備えたパーキングレバー98に機械連係式のパーキングブレーキ用操作連係機構99を介して連係してある。パーキングレバー98は、ガイド板100のガイド溝100Aに沿った揺動操作が可能な十字揺動式で前方に復帰揺動するように構成してある。ガイド溝100Aは、前後向きの第1経路100a、第1経路100aの後端位置から左方に向かう左右向きの第2経路100b、第2経路100bの左端位置から後方に向かう前後向きの第3経路100c、第3経路100cの後端位置から右後方に向かう斜め向きの第4経路100d、及び、第4経路100dの後端位置から前方に向かう前後向きの第5経路100e、を有するように形成してある。そして、第1経路100aの前端位置をパーキングレバー98のパーキング解除位置に設定し、かつ、第4経路100dの前端位置をパーキングレバー98のパーキング位置に設定して、それらの位置でのパーキングレバー98の保持が可能となるように構成してある。又、第3経路100cの後端位置を、パーキングブレーキ82の状態が、パーキングブレーキ82の係合アーム89が伝動ギア24に噛合して伝動ギア24の回転を阻止するギアロック状態と、パーキングブレーキ82の係合アーム89が伝動ギア24との噛合を解除して伝動ギア24の回転を許容するロック解除状態とに切り換わる境界位置に設定して、この境界位置から前側の操作領域がパーキングレバー98のパーキング解除領域となり、境界位置から後側の操作領域がパーキングレバー98のパーキング領域となるように構成し、境界位置の直後の位置をギアロック確定位置に設定してある。
図4に示すように、搭乗運転部5におけるステアリングホイール8の前下方の位置にはメータパネル101を配備してある。メータパネル101には、主変速装置19の変速段や副変速装置20の変速段などを表示する液晶表示器102、車体がパーキング状態であることを報知するパーキングランプ103、警告音を発生するブザー104、及び、これらの作動を制御する表示用の電子制御ユニット(以下、表示ECUと略称する)105、などを備えてある。
液晶表示器102には、シフトアップスイッチ72及びシフトダウンスイッチ73で設定した主変速装置19の変速段などを文字表示するセグメント方式の第1表示部102A、副変速センサ106が検出する主変速レバー55の操作位置を副変速装置20の変速段として文字表示するセグメント方式の第2表示部102B、及び、FRセンサ71が検出するFRレバー70の操作位置を前後進切換装置15の作動状態として文字表示するセグメント方式の第3表示部102C、などを備えてある。
副変速センサ106は、低速位置検出用のマイクロスイッチ(図示せず)と高速位置検出用のマイクロスイッチ(図示せず)とを備えて構成してある。
表示ECU105は、CAN通信などの車内通信によってECU69に相互通信可能に接続してある。これにより、表示ECU105は、主変速装置19の変速段や副変速装置20の変速段などの各種の情報をECU69から受け取ることができる。
図4及び図6〜8に示すように、ECU69には、前述したFRセンサ71及び副変速センサ106などの出力に加えて、クラッチペダル80の踏み込み解除位置への到達を検出するクラッチセンサ107の出力、パーキングレバー98の前後方向での操作位置を検出する第1レバーセンサ108の出力、パーキングレバー98の第3経路100cへの到達を検出する第2レバーセンサ109の出力、などを入力してある。
クラッチセンサ107及び第2レバーセンサ109にはリミットスイッチを採用してある。第1レバーセンサ108には回転式のポテンショメータを採用してある。
走行用制御手段69Aは、FRセンサ71、副変速センサ106、クラッチセンサ107、第1レバーセンサ108、及び、第2レバーセンサ109などの出力に基づいて、パーキングに関する制御作動を行うように構成してある。
第1レバーセンサ108の出力に基づいてパーキングレバー98のパーキング解除位置への操作を検知している状態では、第1表示部102Aの表示状態を、主変速装置19の変速段を示す「1」〜「8」のいずれかを表示する主変速段表示状態に維持し、パーキングランプ103を消灯状態に維持し、ブザー104を停止状態に維持するように表示ECU105に指令し、かつ、前後進切換装置15の作動状態をFRレバー70の操作位置に対応した作動状態に維持する。
そして、第1レバーセンサ108の出力に基づいてパーキングレバー98のパーキング解除位置からの操作を検知すると、車体が停止状態か否かを判別する。具体的には、FRセンサ71の出力に基づいてFRレバー70の操作位置を判別し、副変速センサ106の出力に基づいて副変速装置20の変速段を判別し、クラッチセンサ107の出力に基づいてクラッチペダル80の操作位置を判別する。そして、少なくとも、FRレバー70の操作位置が中立位置であるか、副変速装置20の変速段が中立であるか、クラッチペダル80の操作位置が踏み込み解除位置以外であれば停止状態であると判断する。FRレバー70の操作位置が中立位置ではなく、副変速装置20の変速段が中立ではなく、更に、クラッチペダル80の操作位置が踏み込み解除位置であれば走行状態であると判断する。
尚、ここでの車体停止状態の判別条件としては、本実施形態で例示したトラクタ(作業車)が、主変速装置19の中立状態への切り換えで車体を停止させる構成を採用したものではないことから、主変速装置19の中立状態を含まないものとしたが、主変速装置19の中立状態への切り換えで車体を停止させる構成を採用したトラクタ(作業車)においては、主変速装置19の変速段をも判別条件に含むものとする。そして、主変速装置19の変速段を判別条件に含めた場合は、少なくとも主変速装置19の変速段が中立である場合も車体が停止状態であると判断し、又、主変速装置19の変速段が中立ではないことを含めた条件の成立で車体が走行状態であると判断するように構成する。
又、車速センサ(図示せず)を備えて、車速センサの出力をも判別条件に含むものとしてもよい。そして、車速センサの出力を判別条件に含めた場合は、少なくとも車速センサの出力が零である場合も車体が停止状態であると判断し、又、車速センサの出力が零ではないことを含めた条件の成立で車体が走行状態であると判断するように構成してもよく、あるいは、少なくとも車速センサの出力が設定値以下(例えば零に近い微低速)である場合も車体が停止状態であると判断し、又、車速センサの出力が設定値を超えていることを含めた条件の成立で車体が走行状態であると判断するように構成してもよい。
停止状態であれば、図7の(A)に示すように、第1レバーセンサ108及び第2レバーセンサ106の出力に基づいてパーキングレバー98の前述したギアロック確定位置への到達を検知するまでの間は、第1表示部102Aの表示状態を主変速段表示状態に維持し、パーキングランプ103を消灯状態に維持し、ブザー104を停止状態に維持するように表示ECU105に指令し、かつ、前後進切換装置15の作動状態をFRレバー70の操作位置に対応した作動状態に維持する。
そして、パーキングレバー98のギアロック確定位置への到達を検知するのに伴って、第1表示部102Aの表示状態を、車体のパーキング状態を示す「P」を表示するパーキング表示状態に切り換え、パーキングランプ103を点灯状態に切り換え、ブザー104は停止状態に維持するように表示ECU105に指令し、かつ、前後進切換装置15の作動状態をFRレバー70の操作位置にかかわらず遮断状態に切り換える。
その後、パーキングレバー98のパーキング位置への到達を検知し、パーキングレバー98のパーキング位置からの操作を検知するまでの間、第1表示部102Aの表示状態をパーキング表示状態に維持し、パーキングランプ103を点灯状態に維持し、ブザー104を停止状態に維持するように表示ECU105に指令し、かつ、前後進切換装置15の作動状態を遮断状態に維持する。
一方、走行状態であれば、図7の(B)に示すように、第1レバーセンサ108及び第2レバーセンサ106の出力に基づいて第2経路100bの左端位置に設定した警報開始位置へのパーキングレバー98の到達を検知すると、第1表示部102Aの表示状態を主変速段表示状態に維持しながら、パーキングランプ103を点滅状態に切り換え、ブザー104を連続音発生状態に切り換えるように表示ECU105に指令して、パーキングレバー98の不適切な操作が行われていることを運転者に報知する。又、前後進切換装置15の作動状態はFRレバー70の操作位置に対応した作動状態に維持する。
その後、パーキングレバー98のパーキング解除位置への復帰を検知した場合は、第1表示部102Aの表示状態は主変速段表示状態に維持しながら、パーキングランプ103を消灯状態に切り換え、ブザー104を停止状態に切り換えるように表示ECU105に指令する。又、前後進切換装置15の作動状態はFRレバー70の操作位置に対応した作動状態に維持する。
一方、前述した境界位置の直前位置に設定した強制遮断位置へのパーキングレバー98の到達を検知した場合は、パーキングランプ103を点滅状態に維持し、ブザー104を連続音発生状態に維持した上で、第1表示部102Aの表示状態を、パーキングレバー98の不適切な操作の継続に対する処置として前後進切換装置15を強制的に遮断状態に切り換えることを示す「E」を表示する強制遮断表示状態に切り換えるように表示ECU105に指令し、かつ、前後進切換装置15を遮断状態に切り換える。
これにより、パーキングレバー98の不適切な操作で招く虞のある、エンジン2からの動力で回転する伝動ギア24に係合アーム89の係合爪89Aが噛合することに起因したパーキングブレーキ82などの破損を未然に回避することができる。
ちなみに、パーキングブレーキ82は、伝動ギア24の高速回転中にパーキングレバー98の不適切な操作が行われた場合には、高速回転する伝動ギア24が係合アーム89の係合爪89Aを弾いて係合爪89Aの噛合を阻止するように構成してあり、この構成から、高速回転する伝動ギア24に係合アーム89の係合爪89Aが噛合することに起因したパーキングブレーキ82などの破損を未然に回避することができる。
その後は、FRセンサ71、副変速センサ106、又はクラッチセンサ107の出力に基づいて、FRレバー70の中立位置への操作、副変速装置20の中立状態への切り換え、又は、クラッチペダル80の踏み込み操作を検知するまでは、パーキングレバー98の操作位置にかかわらず、第1表示部102Aの表示状態を強制遮断表示状態に維持し、パーキングランプ103を点滅状態に維持し、ブザー104を連続音発生状態に維持するように表示ECU105に指令し、かつ、前後進切換装置15を遮断状態に維持する。
そして、FRレバー70の中立位置への操作、副変速装置20の中立状態への切り換え、又は、クラッチペダル80の踏み込み操作を検知するのに伴って、第1表示部102Aの表示状態を主変速段表示状態に切り換え、パーキングランプ103を消灯状態に切り換え、ブザー104を停止状態に切り換えるように表示ECU105に指令し、かつ、前後進切換装置15を遮断状態に維持するとともに、第1レバーセンサ108の出力に基づいてパーキングレバー98のパーキング解除位置への操作を検知している状態で、FRセンサ71の出力、副変速センサ106の出力、及びクラッチセンサ107の出力に基づいて走行状態への切り換えを検知した場合、又は、走行状態を検知している状態で第1レバーセンサ108の出力に基づいてパーキングレバー98のパーキング位置からの操作を検知した場合における、FRレバー70の操作位置に応じた前後進切換装置15の前進伝動状態又は後進伝動状態への切り換えを許容する。
一方、第1レバーセンサ108の出力に基づいてパーキングレバー98のパーキング位置への操作を検知している状態では、常に車体が前述した停止状態か否かを判別する。
停止状態であれば、図7の(A)に示すように、第1表示部102Aの表示状態をパーキング表示状態に維持し、パーキングランプ103を点灯状態に維持し、ブザー104を停止状態に維持するように表示ECU105に指令し、かつ、前後進切換装置15の作動状態を遮断状態に維持する。
その後、第1レバーセンサ108の出力に基づいてパーキングレバー98のパーキング位置からの操作を検知すると、第1レバーセンサ108及び第2レバーセンサ106の出力に基づいてパーキングレバー98のギアロック確定位置の通過を検知するまでの間は、第1表示部102Aの表示状態をパーキング表示状態に維持し、パーキングランプ103を点灯状態に維持し、ブザー104を停止状態に維持するように表示ECU105に指令し、かつ、前後進切換装置15の作動状態を遮断状態に維持する。
そして、パーキングレバー98のギアロック確定位置の通過を検知するのに伴って、第1表示部102Aの表示状態を主変速段表示状態に切り換え、パーキングランプ103を消灯状態に切り換え、ブザー104を停止状態に切り換えるように表示ECU105に指令し、かつ、前後進切換装置15の作動状態をFRレバー70の操作位置に対応した作動状態に切り換える。
その後、パーキングレバー98のパーキング解除位置への到達を検知し、パーキングレバー98のパーキング解除位置からの操作を検知するまでの間は、第1表示部102Aの表示状態を主変速段表示状態に維持し、パーキングランプ103を消灯状態に維持し、ブザー104を停止状態に維持するように表示ECU105に指令し、かつ、前後進切換装置15の作動状態をFRレバー70の操作位置に対応した作動状態に維持する。
一方、走行状態(ここでは走行可能な操作状態)であれば図7の(C)及び図8に示す坂道発進制御を行う。坂道発進制御では、走行状態の検知に伴って、第1表示部102Aの表示状態を、主変速装置19の変速段を示す「1」〜「8」のいずれかと車体のパーキング状態を示す「P」とを所定時間ずつ交互に点滅表示することで、パーキングレバー98の操作による車体の発進が可能であることを表示する発進待機表示状態に切り換え、パーキングランプ103を点滅状態に切り換え、ブザー104を間欠音発生状態に切り換えるように表示ECU105に指令しながら、前後進切換装置15の作動状態を遮断状態に維持する。
又、主変速装置19の第2変速部43を、低速クラッチ41と高速クラッチ42の双方を伝動状態に切り換えた2重噛み状態(2重伝動状態)とし、パーキングブレーキ82でのギアロック状態と主変速装置19の第2変速部43での2重噛み状態とで重力による車体の走行を阻止する。
更に、主変速装置19の第1変速部40に備えた第1クラッチ36〜第4クラッチ39のうち、シフトアップスイッチ72及びシフトダウンスイッチ73の出力に基づいて設定した主変速装置19の変速段に対応するクラッチを伝動状態に切り換えておくことで、例えば、前後進切換装置15の前進クラッチ29又は後進クラッチ30の伝動状態への切り換え後に第1クラッチ36〜第4クラッチ39のいずれかが伝動状態に切り換わることに起因した変速ショックの発生を未然に回避できるようにしてある。
その後、パーキングブレーキ82のギアロック状態とロック解除状態との切り換えを検出するリミットスイッチを採用したギアロックセンサ110(図5参照)の出力に基づいて、パーキングレバー98の境界位置を越える操作によるパーキングブレーキ82のギアロック状態からロック解除状態への切り換えを検知すると、それに伴って、FRレバー70の操作位置に対応する前後進切換装置15の前進クラッチ29又は後進クラッチ30の圧力を摩擦板間のクリアランスがなくなる程度に設定した設定圧まで急激に上昇させる電磁比例減圧弁35によるワンショット操作を行った後、その前進クラッチ29又は後進クラッチ30が伝動状態に切り換わるまで圧力を徐々に上昇させるとともに、タイマ(図示せず)によるロック解除状態への切り換え検知後からの計時を開始する。
そして、ロック解除状態への切り換え検知後の計時が、前進クラッチ29又は後進クラッチ30が伝動を開始する半クラッチ状態に至るのに要する設定時間(例えば1秒)を経過するのに伴って、主変速装置19の第2変速部43における、シフトアップスイッチ72及びシフトダウンスイッチ73の出力に基づいて設定した主変速装置19の変速段に対応しない低速クラッチ41又は高速クラッチ42を遮断状態に切り換えて、設定した主変速装置19の変速段が得られるようにする。
つまり、この坂道発進制御により、坂道発進時においてパーキングブレーキ82をギアロック状態からロック解除状態に切り換えた後も、ブレーキペダル(図示せず)によるブレーキ操作を行わなくても、主変速装置19の第2変速部43での2重噛みによって車体を停車状態に維持することができ、又、ブレーキペダルによるブレーキ解除操作とクラッチペダルによる伝動状態への切り換え操作とを適切に行う必要のある坂道発進操作を行わなくても、車体をスムーズに発進させることができる。
一方、表示ECU105に対しては、第1レバーセンサ108及び第2レバーセンサ106の出力に基づいて、警報開始位置と同じ位置に設定した発進完了位置へのパーキングレバー98の到達を検知するまでは、第1表示部102Aの表示状態を発進待機表示状態に維持し、パーキングランプ103を点滅状態に維持し、ブザー104を間欠音発生状態に維持するように指令し、パーキングレバー98の発進完了位置への到達を検知するのに伴って、第1表示部102Aの表示状態を主変速段表示状態に切り換え、パーキングランプ103を消灯状態に切り換え、ブザー104を停止状態に切り換えるように指令する。
そして、パーキングレバー98のパーキング解除位置への到達を検知し、パーキングレバー98のパーキング解除位置からの操作を検知するまでの間、第1表示部102Aの表示状態を主変速段表示状態に維持し、パーキングランプ103を消灯状態に維持し、ブザー104を停止状態に維持するように指令する。
尚、この実施形態では、主変速装置19の第2変速部43が伝動経路切換手段111であり、前後進切換装置15が伝動断続手段112である。又、シフトアップスイッチ72及びシフトダウンスイッチ73が第1操作手段113であり、FRレバー70とFRセンサ71とで第2操作手段114を構成してある。更に、ECU69が制御手段115であり、ギアロックセンサ110が検出手段116である。
〔別実施形態〕
〔1〕パーキングブレーキ82としては、パーキング専用のギアに係合アーム89が噛合するように構成したものであってもよく、又、摩擦クラッチで構成したものなどであってもよい。更に、手動操作に基づくアクチュエータの作動で作動状態が切り換わるように構成したものであってもよい。
〔2〕伝動経路切換手段111として、2重伝動状態への切り換えが可能な主変速装置19の第1変速部40又は前輪用変速装置26を使用するように構成してもよい。
〔3〕伝動経路切換手段111として主変速装置19の第2変速部43又は前輪用変速装置26を使用する場合は、それらの伝動方向上手側に位置する主変速装置19の第1変速部40を伝動断続手段112として使用するように構成してもよい。又、伝動経路切換手段111として前輪用変速装置26を使用する場合は、その伝動方向上手側に位置する主変速装置19の第1変速部40又は第2変速部43を伝動断続手段112として使用するように構成してもよい。
〔4〕前後進切換装置15の伝動方向上手側に多板式の主クラッチを装備する場合には、この主クラッチを伝動断続手段112とし、前後進切換装置15を伝動経路切換手段111として使用するように構成してもよい。
〔5〕伝動経路切換手段111としては、第1操作手段113からの指令情報に基づく制御手段115の制御作動で作動状態が切り換わり、かつ、制御手段115の制御作動で2重伝動状態への切り換えが可能なものであれば、遮断復帰型で多板式の油圧クラッチを採用して構成したもの以外に、接続復帰型で多板式の油圧クラッチ、又は、遮断復帰型の爪クラッチ、などを採用して構成したものであってもよい。
〔6〕第1操作手段113として、操作レバーとその操作位置を検出するセンサとで構成したものなどを採用してもよい。又、第2操作手段114としてモーメンタリスイッチなどを採用してもよい。
〔7〕制御手段115としては、ECU69及び表示ECU105とから構成したものであってもよい。
〔8〕パーキングブレーキ82の作動状態を検出する検出手段116として、パーキングレバー98の操作位置を検出する第1レバーセンサ108を使用するように構成してもよい。
〔9〕伝動断続手段112として、前述した実施形態の前後進切換装置15又は主変速装置19の第1変速部40などのように油圧クラッチを採用するものにおいては、それらの圧力を検出する圧力センサを備え、圧力センサが、伝動断続手段112の圧力(圧力情報)が伝動断続手段112の半伝動状態に対応する設定値まで上昇したことを検出した場合に、その検出に基づいて制御手段115が伝動断続手段112が半伝動状態に至ったことを検知するように構成してもよい。
〔10〕伝動断続手段112として、前述した実施形態の前後進切換装置15又は主変速装置19の第1変速部40などのように油圧クラッチを採用するものにおいては、制御手段115が油圧クラッチのクラッチ圧を制御する電磁比例減圧弁に指令する指令圧(圧力情報)が伝動断続手段112の半伝動状態に対応する設定値まで上昇した場合に、その指令圧に基づいて制御手段115が伝動断続手段112が半伝動状態に至ったことを検知するように構成してもよい。
本発明に係る作業車の走行伝動切り換え構造は、トラクタ、草刈機、あるいは乗用田植機、などに適用することができる。
6 車輪(前輪)
7 車輪(後輪)
82 パーキングブレーキ
111 伝動経路切換手段
112 伝動断続手段
113 第1操作手段
114 第2操作手段
115 制御手段
116 検出手段

Claims (4)

  1. 手動操作式のパーキングブレーキと、並列に備えた走行用の伝動系路の接続状態を切り換える伝動経路切換手段と、前記伝動経路切換手段の伝動方向上手側で伝動を断続する多板式の伝動断続手段と、第1操作手段が出力する指令情報に基づいて前記伝動経路切換手段の作動を制御し、かつ、第2操作手段が出力する指令情報に基づいて前記伝動断続手段の作動を制御する制御手段を備えた作業車の走行伝動切り換え構造において、
    前記パーキングブレーキの作動状態を検出する検出手段を備え、
    前記制御手段が、前記検出手段の出力に基づいて前記パーキングブレーキの制動状態を検知している状態で、前記第1操作手段からの所定の伝動系路の接続指令を受け取り、かつ、前記第2操作手段からの接続指令を受け取ると、前記伝動経路切換手段を、2つの伝動系路を接続する2重伝動状態に切り換えて車輪の回転を阻止し、その後、前記検出手段の出力に基づいて前記パーキングブレーキの制動解除状態への切り換えを検知すると、前記伝動断続手段の遮断状態から伝動状態への切り換えを開始し、前記伝動断続手段が半伝動状態に至るのに伴って、前記伝動経路切換手段を前記2重伝動状態から所定の伝動系路を接続する伝動状態に切り換えるように構成してある作業車の走行伝動切り換え構造。
  2. 前記制御手段にタイマを備え、
    前記制御手段が、前記パーキングブレーキの制動解除状態への切り換えを検知するのに伴って前記タイマによる計時を開始し、その計時の設定時間の経過を検知することで、前記伝動断続手段が前記半伝動状態に至ったことを検知するように構成してある請求項1に記載の作業車の走行伝動切り換え構造。
  3. 前記伝動断続手段として油圧クラッチを採用し、
    前記制御手段が、前記油圧クラッチの作動に関する圧力情報に基づいて前記伝動断続手段が前記半伝動状態に至ったことを検知するように構成してある請求項1に記載の作業車の走行伝動切り換え構造。
  4. 前記制御手段が、前記第1操作手段からの指令情報に基づいて前記伝動経路切換手段を所定の伝動系路を接続する伝動状態に切り換え、かつ、前記第2操作手段からの指令情報に基づいて前記伝動断続手段を伝動状態に切り換えた状態で、前記検出手段の出力に基づいて前記パーキングブレーキの制動解除状態から制動状態への切り換えを検知すると、前記伝動断続手段を伝動状態から遮断状態に切り換えるように構成してある請求項1〜3のいずれか一つに記載の作業車の走行伝動切り換え構造。
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