JP2001187963A - 産業車両のクラッチ制御方法及びクラッチ制御装置 - Google Patents

産業車両のクラッチ制御方法及びクラッチ制御装置

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JP2001187963A
JP2001187963A JP2000316489A JP2000316489A JP2001187963A JP 2001187963 A JP2001187963 A JP 2001187963A JP 2000316489 A JP2000316489 A JP 2000316489A JP 2000316489 A JP2000316489 A JP 2000316489A JP 2001187963 A JP2001187963 A JP 2001187963A
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clutch
clutch pressure
pressure
initial
pfcl
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Kazuo Ishikawa
和男 石川
Hiroyuki Taniguchi
浩之 谷口
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチ接続時に車体に衝撃を発生させるこ
となく良好な加速性を得る。 【解決手段】 マイコンは、シフト位置Psが前進位置
とされると、前進用クラッチのクラッチ圧Pfcl を
「0」から車両が少し動き出す初期クラッチ圧とした
後、この初期クラッチ圧を維持する。マイコンは、検出
された入力側回転数Npと出力側回転数Ntとの回転数
差ΔNが許容判定値ΔN0未満となった時点からクラッ
チ圧Pfcl を初期クラッチ圧から最大クラッチ圧とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの出力を
トルクコンバータを介して変速機に入力するとともに、
変速機内にそれぞれ設けられた前進用及び後進用クラッ
チを切換接続することで前後進するようにしたフォーク
リフト等の産業車両のクラッチ制御方法及びクラッチ制
御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のような車両には、特開平10−1
51974号公報にて開示されるものがある。このよう
な車両は、基本的にアクセルペダル、ブレーキペダル及
び切換接続(シフト)レバーの操作だけで運転すること
ができ、発進時あるいはスイッチバック時に、車体に衝
撃が発生しないように微妙な操作を必要とするクラッチ
ペダル操作が不要なので、運転性の向上を図ることがで
きる。
【0003】このような車両では、シフトレバーを中立
位置から前進位置に切換操作すると、後進用クラッチが
切断されたままで前進用クラッチが接続され、トルクコ
ンバータから変速機に出力される駆動力が前進用クラッ
チ及び前進用ギヤ列を介して変速機から出力される。反
対に、シフトレバーを中立位置から後進位置に切換操作
すると、前進用クラッチが切断されたままで後進用クラ
ッチが接続され、変速機に入力される駆動力が、後進用
クラッチ及び後進用ギヤ列を介して変速機から出力され
る。
【0004】前進用及び後進用クラッチは、シフトレバ
ーが切換操作されたことに基づいて作動する電磁圧力制
御弁によって各クラッチに供給されるクラッチ圧が制御
されることで接続又は切断される。即ち、シフトレバー
を中立位置から前進位置に切換操作すると、電磁圧力制
御弁が作動して前進用クラッチのクラッチ圧を「0」か
ら最大クラッチ圧とする。又、シフトレバーを中立位置
から後進位置に切換操作すると、電磁圧力制御弁が作動
して後進用クラッチのクラッチ圧を「0」から最大クラ
ッチ圧とする。
【0005】ここで、シフトレバーが中立位置から前進
位置あるいは後進位置に切り換えられたことによって、
前進用あるいは後進用クラッチのクラッチ圧が「0」か
ら急に最大クラッチ圧となると、クラッチの入力側回転
速度と出力側回転速度とに大きな差がある状態でクラッ
チが接続されていく。その結果、エンジンの駆動力が急
激に駆動輪に伝達され、静止状態の車体に急激に大きな
駆動力が加わることから、車体に加わる加速度が急激に
変化することになり大きな衝撃が車体に発生する。
【0006】そこで、このような発進時における衝撃の
発生を防止するため、電磁圧力制御弁とクラッチとの間
の油圧配管上にアキュームレータを設け、電磁圧力制御
弁から供給された最大クラッチ圧がクラッチで徐々に立
ち上がるようにしていた。即ち、電磁圧力制御弁からク
ラッチに最大クラッチ圧が供給されると、アキュームレ
ータの作用によってクラッチ圧が「0」から徐々に上昇
して最大クラッチ圧となる。従って、クラッチの接続時
には、クラッチの入力側回転速度と出力側回転速度との
回転速度差が小さくなるに連れてより強く接続されてい
く。その結果、エンジンの駆動力が駆動輪に徐々に大き
くなるように伝達され、静止状態の車体に急激に大きな
駆動力が加わらないことから、車体に加わる加速度が急
激に変化せず大きな衝撃が車体に発生しない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クラッ
チの接続状態はクラッチ圧に相関する特性ではなく、ク
ラッチ圧が「0」から車両が少し動き出すときの大きさ
となるまでは、クラッチ圧が大きく増大しても車両に衝
撃が発生することはなく、又、クラッチの入力側回転速
度と出力側回転速度との回転速度差が所定の許容値未満
となった状態では、クラッチ圧が大きく増大しても車両
に衝撃が発生することはない。一方、クラッチ圧が、車
両が少し動き出すときの大きさから、入力側速度と出力
側速度との速度差が所定の許容値未満となる大きさまで
増大するときの増大率が大きいと、車両に衝撃が発生す
ることが分かっている。
【0008】ところが、アキュームレータは、クラッチ
圧が「0」から最大クラッチ圧まで増大するときの増大
率を抑制するだけである。従って、クラッチ圧の変化に
よって車両に衝撃が発生しないようにするために、クラ
ッチ圧を大きく増大させても衝撃が発生しない領域にお
いても緩慢に増大させている。このため、クラッチ圧を
「0」から最大クラッチ圧まで増大させるために必要な
時間が長くなり、クラッチを切断状態から完全接続させ
るまでに要する時間が長くなって、クラッチが無用に滑
って駆動力が効率良く伝達されなかった。その結果、発
進時あるいはスイッチバック時の加速性が低く、機動性
を十分に高くすることができない問題があった。さら
に、クラッチの接続状態が半クラッチ状態で保持される
時間が長くなることから、クラッチの早期摩耗を招く問
題があった。又、発進時等に作業者が車両を機敏に加速
させようとして、アクセルを従来以上に大きく踏み込み
操作する状況を招き、エンジンの無駄な運転による燃料
の無駄な消費をも招いていた。
【0009】尚、上記の問題は、フォークリフトに限ら
ず、エンジンの駆動力をトルクコンバータを介して変速
機に入力し、変速機に設けられたクラッチ弁を切換接続
することで前後進を行うその他の産業車両においても発
生しうる問題である。本発明は、上記問題点を解決する
ためになされたものであって、その目的は、クラッチペ
ダルの操作が不要で、接続切換操作部材の切換操作によ
ってのみクラッチの接続操作を行うことができ、しか
も、クラッチ接続時に車体に衝撃を発生させることなく
加速性を向上するとともにクラッチの摩耗を抑制するこ
とができる産業車両のクラッチ制御方法及びクラッチ制
御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、エンジンの駆動力がトル
クコンバータを介して入力される変速器に備えられ、ク
ラッチ圧が変更されることで接続状態が調整される前進
用クラッチ及び後進用クラッチを、前記両クラッチのい
ずれか一方を接続するために切換操作される接続切換操
作部材の切換位置に応じて、前記各クラッチ毎に設けら
れ、クラッチに供給するクラッチ圧を制御してクラッチ
の接続及び切断を行うための電磁圧力制御弁を制御する
ことで接続又は切断する産業車両のクラッチ制御方法に
おいて、前記クラッチの接続時には、前記クラッチ圧
を、該クラッチが切断状態のときの切断クラッチ圧か
ら、車両が少し動き出す初期クラッチ圧まで上げた後、
車両に加わる加速度を急激に変化させない範囲の過渡ク
ラッチ圧に維持し、該クラッチが完全接続可能な状態と
なった時点以降に、該過渡クラッチ圧から最大クラッチ
圧とするとともに、前記クラッチ圧を切断クラッチ圧か
ら初期クラッチ圧とするときの時間当たりの平均変化
率、及び、過渡クラッチ圧を最大クラッチ圧とするとき
の時間当たりの平均変化率を、前記過渡クラッチ圧の時
間当たりの平均変化率よりも大きくする産業車両のクラ
ッチ制御方法である。
【0011】請求項2に記載の発明は、エンジンの駆動
力がトルクコンバータを介して入力され、クラッチ圧が
変更されることで接続状態が調整される前進用クラッチ
又は後進用クラッチを介して前記駆動力を出力する変速
機と、前記両クラッチのいずれか一方を接続するために
切換操作される接続切換操作部材の切換位置を検出する
接続切換検出手段と、前記各クラッチ毎に設けられ、ク
ラッチ圧を制御してクラッチの接続及び切断を行うため
の電磁圧力制御弁と、前記切換位置に応じて前記各電磁
圧力制御弁を制御し、前記各クラッチを接続又は切断す
るクラッチ制御手段とを備えた産業車両のクラッチ制御
装置において、前記クラッチが完全接続可能な状態とな
ったことを判断する接続状態判断手段を備え、前記クラ
ッチ制御手段は、前記クラッチの接続時には、前記クラ
ッチ圧を、該クラッチが切断状態のときの切断クラッチ
圧から、車両が少し動き出す初期クラッチ圧まで上げた
後、車両に加わる加速度を急激に変化させない範囲の過
渡クラッチ圧に維持し、該クラッチが完全接続可能な状
態であると前記接続状態判断手段が判断した時点以降
に、前記過渡クラッチから最大クラッチ圧とするととも
に、前記クラッチ圧を切断クラッチ圧から初期クラッチ
圧とするときの時間当たりの平均変化率、及び、過渡ク
ラッチ圧を最大クラッチ圧とするときの時間当たりの平
均変化率を、前記過渡クラッチ圧の時間当たりの平均変
化率よりも大きくする産業車両のクラッチ制御装置であ
る。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の産業車両のクラッチ制御装置において、積載荷重を検
出する積載荷重検出手段を備え、前記クラッチ制御手段
は、前記積載荷重が大きい程、前記初期クラッチ圧をよ
り高くすることを特徴とする。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の産業車両のクラッチ制御装置において、前記接続状態
判断手段は、前記クラッチの入力側回転速度を検出する
入力側回転速度検出手段と、クラッチの出力側回転速度
を検出する出力側回転速度検出手段と、前記入力側回転
速度と出力側回転速度との回転速度差が予め設定された
許容判定値未満となったことを判断する回転速度差判断
手段とからなることを特徴とする。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
の産業車両のクラッチ制御装置において、前記クラッチ
制御手段は、前記過渡クラッチ圧を、前記初期クラッチ
圧から時間の経過に伴って次第に増大させることを特徴
とする。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の産業車両のクラッチ制御装置において、エンジン回転
数を検出するエンジン回転数検出手段を備え、前記クラ
ッチ制御手段は、前記過渡クラッチ圧を、前記初期クラ
ッチ圧から時間の経過に伴ってほぼ一定の増大率で増大
させるとともに、前記エンジン回転数が高い程、前記増
大率を大きくすることを特徴とする。
【0016】請求項7に記載の発明は、請求項2に記載
の産業車両のクラッチ制御装置において、積載荷重を検
出する積載荷重検出手段と、エンジン回転数を検出する
エンジン回転数検出手段とを備え、前記クラッチ制御手
段は、前記積載荷重が大きい程、前記初期クラッチ圧を
より高くし、かつ、前記過渡クラッチ圧を、前記初期ク
ラッチ圧から時間の経過に伴ってほぼ一定の増大率で増
大させるとともに、前記エンジン回転数が高い程、前記
増大率を大きくすることを特徴とする。
【0017】請求項8に記載の発明は、請求項5〜請求
項7のいずれか一項に記載の産業車両のクラッチ制御装
置において、前記接続状態判断手段は、前記クラッチ圧
を初期クラッチ圧とする時点からの経過時間が予め設定
された接続時間に達したことを検出する接続時間判断手
段であることを特徴とする。
【0018】(作用)請求項1又は請求項2に記載の発
明によれば、トルクコンバータを介して変速機に入力さ
れるエンジンの駆動力が、前進用クラッチ又は後進用ク
ラッチを介して変速機から出力される。接続切換操作部
材を切換操作すると、各クラッチに設けられた電磁圧力
制御弁が制御され、一方のクラッチのクラッチ圧が最大
クラッチ圧とされることで同クラッチが接続し、他方の
クラッチのクラッチ圧が切断状態の切断クラッチ圧とさ
れることで同クラッチが切断する。そして、前進用クラ
ッチが接続したときに変速機から前進方向の駆動力が出
力され、後進用クラッチが接続したときに変速機から後
進方向の駆動力が出力される。クラッチの接続時には、
クラッチ圧が切断クラッチ圧から初期クラッチ圧に上げ
られることで、エンジンの駆動力がクラッチで制限され
て変速機から出力され、この駆動力によって車体に加わ
る加速度が急激に変化しない範囲で車両が少し動き出
す。次に、クラッチ圧が、車体に加わる加速度が急激に
変化しない範囲の過渡クラッチ圧に維持されることで、
エンジンの駆動力が制限された状態で維持される。その
結果、車両に加わる加速度が急激に変化しない状態で車
両が徐々に加速される。そして、クラッチが完全接続可
能な状態となった時点以降にクラッチ圧が過渡クラッチ
圧から最大クラッチ圧とされることで、車体に加わる加
速度が急激に変化することなくエンジンの駆動力が制限
される状態から制限されない状態に移行する。その結
果、車両は、加速度が急激に変化しない状態でエンジン
の回転数に応じた車速まで加速する。そして、車体に加
わる加速度を急激に変化させることなくクラッチ圧を相
対的に大きく変化させることができる領域である、クラ
ッチ圧を切断クラッチ圧から初期クラッチ圧まで変化さ
せる過程と、過渡クラッチ圧を最大クラッチ圧まで変化
させる過程では、クラッチ圧を相対的に大きく変化させ
ることができない初期クラッチ圧から始まる過渡クラッ
チ圧の過程より、クラッチ圧が時間当たり大きな平均変
化率で変化する。従って、車体に加わる加速度が急激に
変化しない限りにおいて、クラッチ圧ができるだけ短い
時間で変更され、クラッチが無用に滑ることなく駆動力
が伝達される。
【0019】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の作用に加えて、積載荷重が小さいときに
は車体に急激な加速度が加わらないようにするために初
期クラッチ圧を小さく設定する必要があるが、この場
合、積載荷重が大きいときには、初期クラッチ圧が与え
られたときに車両が少し動き出す状態とならず、又、過
渡クラッチ圧が維持されているときに車体を十分に加速
させるだけ伝達される駆動力が増大せず、過渡クラッチ
圧が最大クラッチ圧となったときに車体に加わる加速度
が急激に変化することとなる。従って、積載荷重が小さ
いときには、小さい初期クラッチ圧により、車両に加わ
る加速度が急激に変化しない状態で車両が少し動き出
し、初期クラッチ圧に応じた過渡クラッチ圧に維持され
ることで、伝達される駆動力が次第に増大する。又、積
載荷重が大きいときには、大きな初期クラッチ圧によ
り、車両に加わる加速度が急激に変化しない状態で車両
が少し動き出し、初期クラッチ圧に応じた大きさの過渡
クラッチ圧が維持されることで、クラッチが無用に滑る
ことなく伝達される駆動力が次第に増大する。
【0020】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
に記載の発明の作用に加えて、クラッチが完全接続可能
な状態となったことが、クラッチの入力側回転速度と出
力側回転速度との回転速度差が所定の許容判定値未満と
なったことが、検出した入力側回転速度と出力側回転速
度との回転速度差が許容判定値未満となったことから判
断される。その結果、積載荷重に応じて設定された初期
クラッチ圧及び過渡クラッチ圧によって、クラッチ圧が
初期クラッチ圧となってから入力側回転速度と出力側回
転速度との回転速度差が許容判定値未満となるまでの時
間が変化しても、車体に加わる加速度を急激に変化させ
ることなくクラッチ圧を最大クラッチ圧とすることがで
きる時点で最大クラッチ圧となる。従って、積載荷重に
応じてできるだけ早い時点でクラッチが接続される。
【0021】請求項5に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の作用に加えて、初期クラッチ圧のままで
維持する場合に比較して、クラッチが無用に滑る状態が
少なくなってより早い時点でより強く接続されていき、
伝達される駆動力の増大率が大きくなる。
【0022】請求項6に記載の発明によれば、請求項5
に記載の発明の作用に加えて、エンジンの回転数が相対
的に低い状態では変速機に入力される駆動力が相対的に
小さいため、過渡クラッチ圧の増大率が大き過ぎると、
車両側の質量によってエンジンの回転が制限され、クラ
ッチを介してエンジンから駆動系に伝達される駆動力が
一時的に低下する。その結果、車両の加速が一時的に急
激に低下し、車速が一時的に急激に変動する。従って、
エンジン回転数が低くエンジンの駆動力が小さい状態で
は、車両側の慣性質量によってエンジンの回転が落ち込
むことによる加速度の急激な変化が防止され、エンジン
回転数が高くエンジンの駆動力が十分大きい状態では、
クラッチが無用に滑ることなく早い時点でより強く接続
されていき、伝達される駆動力の増大率が大きくなる。
【0023】請求項7に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の作用に加えて、積載荷重が小さいときに
は、小さい初期クラッチ圧により、車両に加わる加速度
が急激に変化しない状態で車両が少し動き出す状態とな
る。又、積載荷重が大きいときには、大きな初期クラッ
チ圧により、車両に加わる加速度が急激に変化しない状
態で車両が少し動き出す状態となるとともに、初期クラ
ッチ圧に応じた大きさの過渡クラッチ圧が維持されるこ
とで、クラッチが無用に滑ることなく駆動力を伝達す
る。又、エンジン回転数が低くエンジンの駆動力が小さ
い状態では、車両側の慣性質量によってエンジンの回転
が落ち込むことによる加速度の急激な変化が防止され、
エンジン回転数が高くエンジンの駆動力が十分大きい状
態では、クラッチが無用に滑ることなくより早い時点で
より強く接続されていき、伝達される駆動力の増大率が
大きくなる。
【0024】請求項8に記載の発明によれば、請求項5
〜請求項7のいずれか一項に記載の発明の作用に加え
て、クラッチが完全接続可能な状態となったことが、ク
ラッチ圧を初期クラッチ圧とした時点からの経過時間が
予め設定された接続時間に達したことに基づいて判断さ
れる。従って、クラッチの入力側回転速度と出力側回転
速度によらず、クラッチ圧を過渡クラッチ圧から最大ク
ラッチ圧とする時点が判断されるので、クラッチの入力
側回転速度と出力側回転速度を検出する必要がない。
【0025】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明をフォークリフトに具体化した第1の実施の形態を図
1〜図6に従って説明する。
【0026】図1は、産業車両としてのフォークリフト
に設けたクラッチ制御装置の模式構成図である。エンジ
ン10の出力は、トルクコンバータ11を介して変速機
12に入力され、変速機12の出力が差動装置13を介
して駆動輪としての左右前輪14に伝達されている。
【0027】エンジン10には、その回転数を制御する
ためのスロットルアクチュエータ15が設けられてい
る。変速機12は、トルクコンバータ11のタービン
(出力側)11aに連結される入力軸16と、差動装置
13に連結される出力軸17との間に、図示しない前進
用及び後進用の減速ギヤ列と、油圧で接続操作される前
進用クラッチ18及び後進用クラッチ19とを備えてい
る。前進用クラッチ18は、接続状態で、入力軸16と
出力軸17とを前進用ギヤ列で接続する。又、後進用ク
ラッチ19は、接続状態で、入力軸16と出力軸17と
を後進用ギヤ列で接続する。前進用クラッチ18及び後
進用クラッチ19は湿式多板型であって、各受圧室18
a,19aに供給される作動油のクラッチ圧に応じた接
続状態で接続する。前進用クラッチ18のクラッチ圧P
fcl 、及び、後進用クラッチ19のクラッチ圧Prcl
は、共に「0」から所定の最大クラッチ圧Pfcl100,P
rcl100までの間で制御され、クラッチ圧Pfcl 、Prcl
が「0」のときに完全切断状態となり、クラッチ圧Pfc
l 、Prcl が最大クラッチ圧Pfcl100,Prcl100のとき
に完全接続状態となる。変速機12のハウジングには、
各クラッチ18,19毎に、受圧室18a,19aの油
圧を制御するための電磁圧力制御弁としての電磁比例圧
力制御弁(以下、単に電磁弁という)20,21が設け
られている。
【0028】又、変速機12内には、油圧制御され、エ
ンジン10の回転に基づく左右前輪14の回転を制動可
能な駐車用ブレーキ22が設けられている。駐車用ブレ
ーキ22はディスク型であって、図示しない付勢バネの
付勢力によってブレーキパッド22aがブレーキディス
ク22bに圧接されるとともに、受圧室22cに供給さ
れるブレーキ圧Pbrによってブレーキパッド22aのブ
レーキディスク22bに対する圧接状態が解除される。
即ち、駐車用ブレーキ22は、ブレーキ圧Pbrが「0」
のときに最大制動状態となり、ブレーキ圧Pbrが最大ブ
レーキ圧Pbr100 のときに非制動状態となる。変速機1
2のハウジングには、駐車用ブレーキ22の受圧室22
cの油圧を制御するための電磁比例圧力制御弁(以下、
単に電磁弁という)23が設けられている。
【0029】尚、各電磁弁20,21及び電磁弁23に
は、変速機12のハウジング内に設けられエンジン10
の動力によって駆動される図示しない油圧ポンプから作
動油が供給される。
【0030】変速機12には、入力軸16に固定された
ギヤ24の入力側回転速度としての入力側回転数Npに
応じた数の歯の通過を検出する磁気センサ25が設けら
れている。又、変速機12には、出力軸17に固定され
たギヤ26の出力側回転速度としての出力側回転数Nt
に応じた数の歯の通過を検出する磁気センサ27が設け
られている。
【0031】左右前輪14には、ブレーキペダル28に
よって操作される図示しない方向制御弁によって給排さ
れる油圧によって制御され、フォークリフトを減速又は
停止させるための油圧ブレーキ29が設けられている。
【0032】ブレーキペダル28には、踏み込み操作さ
れた状態であることを検出するためのブレーキスイッチ
30が設けられている。エンジン10のスロットル開度
THを変更するためのスロットル操作部材としてのアク
セルペダル31には、そのアクセル踏み込み量Accを検
出するためのスロットル操作量検出手段としてのポテン
ショメータ32が設けられている。両クラッチ18,1
9のいずれか一方を接続状態とするために中立位置から
前進位置あるいは後進位置に切換操作される接続切換操
作部材としてのシフトレバー33には、その切換位置と
してのシフト位置Psを検出する接続切換検出手段とし
てのシフト位置スイッチ34が設けられている。
【0033】又、機台の前部に設けられたマスト36に
は、油圧ポンプから供給される作動油によって作動する
リフトシリンダ37と、リフトシリンダ37の伸縮動作
によって上下動するインナマスト36a及びフォーク3
6bが設けられている。リフトシリンダ37には、フォ
ーク36bに積載された積載荷重としての積み荷の荷重
Wに対応する作動油圧を検出する圧力センサ38が設け
られている。
【0034】機台内には、左右前輪14の駆動力を制御
するための、クラッチ制御手段、スロットル制御手段及
びブレーキ制御手段としてのコントローラ35が設けら
れている。コントローラ35には、その入力側に磁気セ
ンサ25,27、ポテンショメータ32、シフト位置ス
イッチ34及び圧力センサ38がそれぞれ電気的に接続
され、その出力側にスロットルアクチュエータ15、各
電磁弁20,21及び電磁弁23がそれぞれ電気的に接
続されている。
【0035】次に、上記のように構成された駆動力制御
装置の電気的構成を説明する。図2は、クラッチ制御装
置の電気的構成を示すブロック図である。磁気センサ2
5は、トルクコンバータ11のタービン側(出力側)、
即ち、変速機12の入力軸16の入力側回転数Npに比
例する周期の入力側パルス信号Ppをコントローラ35
に出力する。磁気センサ27は、出力軸17、即ち、左
右前輪14の出力側回転数Ntに比例する周期の出力側
パルス信号Ptをコントローラ35に出力する。ブレー
キスイッチ30は、ブレーキペダル28が踏み込み操作
されたときにブレーキ信号Sbrをコントローラ35に出
力する。ポテンショメータ32は、アクセルペダル31
のアクセル踏み込み量Accに比例する電圧信号からなる
アクセル信号Vacをコントローラ35に出力する。シフ
ト位置スイッチ34は、シフトレバー33のシフト位置
Psに対応したシフト位置信号Spをコントローラ35
に出力する。圧力センサ38は、積み荷の荷重Wに比例
する電圧信号からなる圧力信号Swをコントローラ35
に出力する。
【0036】コントローラ35は、A/D変換器40
a,40b、回転速度差判断手段及び接続時間判断手段
としてのマイクロコンピュータ41及び駆動回路42等
を備える。A/D変換器40aは、ポテンショメータ3
2が出力するアクセル信号Vacをデジタルのアクセル信
号Dacに変換してマイクロコンピュータ41に出力す
る。A/D変換器40bは、圧力センサ38が出力する
圧力信号Swをデジタルの圧力信号Dwに変換してマイ
クロコンピュータ41に出力する。
【0037】本実施の形態では、ギヤ24、磁気センサ
25及びマイコン41が入力側回転速度検出手段を構成
し、ギヤ26、磁気センサ27及びマイコン41が出力
側回転速度検出手段を構成する。そして、ギヤ24、磁
気センサ25、ギヤ26、磁気センサ27及びマイコン
41が接続状態判断手段を構成する。又、圧力センサ3
8及びマイコン41が積載荷重検出手段を構成し、磁気
センサ39及びマイコン41がエンジン回転数検出手段
を構成する。又、マイコン41及び駆動回路42がクラ
ッチ制御手段を構成する。
【0038】マイクロコンピュータ41は、中央処理装
置(以下、CPU)43、読み出し専用メモリ(RO
M)44、読み出し及び書き換え可能なメモリ(RA
M)45、タイマ46、入力インターフェース47及び
出力インターフェース48等を備える。
【0039】CPU43は、磁気センサ25,27が出
力するパルス信号Pp,Ptを、それぞれ変速機12の
入力側回転数Np、出力側回転数Ntを検出するための
信号として入力インターフェース47を介して読み込
む。CPU43は、ブレーキスイッチ30が出力するブ
レーキ信号Sbrを、ブレーキペダル28が踏み込み操作
されたことの検出信号として、又、シフト位置スイッチ
34が出力するシフト位置信号Spを、シフトレバー3
3が切換操作されているシフト位置Psの検出信号とし
てそれぞれ入力インターフェース47を介して読み込
む。又、CPU43は、ポテンショメータ32がA/D
変換器40aを介して出力するアクセル信号Dacを、入
力インターフェース47を介しアクセルペダル31のア
クセル踏み込み量Accとして読み込む。さらに、CPU
43は、圧力センサ38がA/D変換器40bを介して
出力する圧力信号Dwを、入力インターフェース47を
介し、積み荷の荷重Wとして読み込む。
【0040】又、CPU43は、出力インターフェース
48を介して、スロットルアクチュエータ15を所定の
スロットル開度THとするための制御信号を駆動回路4
2に出力し、この制御信号に基づいて駆動回路42が所
定範囲内のスロットル駆動電流Iegをスロットルアクチ
ュエータ15に出力する。又、CPU43は、電磁弁2
0に制御するクラッチ圧Pfcl を指令するための制御信
号を駆動回路42に出力し、この制御信号に基づき駆動
回路42はクラッチ駆動電流Ifcl を「0」から最大駆
動電流Ifcl100の範囲で電磁弁20に出力する。CPU
43は、電磁弁21に制御するクラッチ圧Prcl を指令
するための制御信号を駆動回路42に出力し、この制御
信号に基づき駆動回路42はクラッチ駆動電流Ircl を
「0」から最大駆動電流Ircl100の範囲で電磁弁21に
出力する。CPU43は、電磁弁23にブレーキ圧Pbr
を指令するための制御信号を駆動回路42に出力し、こ
の制御信号に基づき駆動回路42は電磁弁23に対し、
ブレーキ駆動電流Ibrを「0」から最大ブレーキ電流I
br100 の範囲で出力する。
【0041】スロットルアクチュエータ15は、所定範
囲のスロットル駆動電流Iegに応じて、スロットル開度
THを「0」から最大開度TH100 の範囲で制御する。
電磁弁20は、クラッチ駆動電流Ifcl が最大駆動電流
Ifcl100のときに前進用クラッチ18のクラッチ圧Pfc
l を「0」とし、クラッチ駆動電流Ifcl が「0」のと
きにクラッチ圧Pfcl を最大クラッチ圧Pfcl100とす
る。電磁弁21は、クラッチ駆動電流Ircl が最大駆動
電流Ircl100のときに後進用クラッチ19のクラッチ圧
Prcl を「0」とし、クラッチ駆動電流Ircl が「0」
のときにクラッチ圧Prcl を最大クラッチ圧Prcl100と
する。電磁弁23は、ブレーキ駆動電流Ibrが「0」の
ときに駐車用ブレーキ22のブレーキ圧Pbrを「0」と
し、ブレーキ駆動電流Ibrが最大ブレーキ電流Ibr100
のときにブレーキ圧Pbrを最大ブレーキ圧Pbr100 とす
る。
【0042】ROM44には、CPU43が実行するス
ロットル制御処理、駐車ブレーキ制御処理及び発進クラ
ッチ制御処理の各制御プログラムが記憶されている。
又、ROM44には、スロットル制御処理で使用するマ
ップMと、駐車ブレーキ制御処理で使用する停止速度V
0及び待機時間T0が記憶されている。又、ROM44
には、発進クラッチ制御処理で使用する初期クラッチ圧
Pfcl 0(W=0),Prcl 0(W=0)を得るための
初期駆動電流Ifcl 0(W=0),Ircl 0(W=
0)、及び、関係式ΔP=k・W、入力側回転数Npと
出力側回転数Ntとの許容判定値ΔN0がそれぞれ記憶
されている。
【0043】(1) スロットル制御処理 CPU43は、スロットル制御処理として、ROM44
に記憶されている図3に示すマップMからアクセル信号
Dacに対応するスロットル駆動電流Iegを求め、そのス
ロットル駆動電流Iegをスロットルアクチュエータ15
に出力して、そのときのアクセル踏み込み量Accに対応
するスロットル開度THとする。
【0044】(2) 駐車ブレーキ制御処理 CPUは、駐車ブレーキ制御処理として、シフト位置信
号Spから、シフトレバー33が中立位置から前進位置
又は後進位置に切り換えられたと判断し、かつ、アクセ
ル踏み込み量Accが「0」よりも大きな値であるときに
は、電磁弁23に出力するブレーキ駆動電流Ibrを
「0」から最大ブレーキ電流Ibr100 とし、駐車用ブレ
ーキ22のブレーキ圧Pbrを「0」から最大ブレーキ圧
Pbr100 として、駐車用ブレーキ22をブレーキ作動状
態からブレーキ解除状態とする。
【0045】又、CPU43は、駐車ブレーキ制御処理
として、出力側回転数Ntから、そのときの車速Vを演
算し、演算した車速Vが、車両が停止状態であるか否か
を判断するために予め設定されている停止速度V0以下
であるか否かを判断する。そして、CPU43は、車速
Vが停止速度V0未満であり、かつ、ブレーキ信号Sbr
が予め設定されている待機時間T0を越えて継続したと
きには、車両が停止状態であるとし、電磁弁23に出力
するブレーキ駆動電流Ibrを最大ブレーキ電流Ibr100
から「0」として、ブレーキ圧Pbrを最大ブレーキ圧P
br100 から「0」とし、駐車用ブレーキ22をブレーキ
解除状態からブレーキ作動状態とする。 (3) 発進クラッチ制御処理 CPU43は、発進クラッチ制御処理として、シフト位
置信号Spからそのときのシフト位置Psを判断し、シ
フト位置Psが中立位置のときには、各電磁弁20,2
1に供給するクラッチ駆動電流Ifcl ,Ircl を最大駆
動電流Ifcl100,Ircl100として、前進用及び後進用ク
ラッチ18,19の各クラッチ圧Pfcl,Prcl を
「0」とする。
【0046】図5(a)は、クラッチ駆動電流Ifcl に
対するクラッチ圧Pfcl の変化を示すグラフである。C
PU43は、発進クラッチ制御処理として、シフト位置
Psが中立位置から前進位置に切り換わると、図5
(a)に示すように、電磁弁20に供給するクラッチ駆
動電流Ifcl を最大駆動電流Ifcl 100 から所定の初期
駆動電流Ifcl 0(W)として、前進用クラッチ18の
クラッチ圧Pfcl を「0」から所定の初期クラッチ圧P
fcl 0(W)とする。
【0047】初期クラッチ圧Pfcl 0(W)は、車両が
停止状態において、前進用クラッチ18のクラッチ圧P
fcl を、「0」から急激に初期クラッチ圧Pfcl 0
(W)まで上げたときに、前進用クラッチ18を介して
左右前輪14に伝達される駆動力によって車両が少し動
き出すときのクラッチ圧Pfcl であって、かつ、車体に
急激な加速度が加わることがないクラッチ圧Pfcl であ
る。従って、初期クラッチ圧Pfcl 0(W)は、同一の
車両においては、積み荷の荷重Wに応じた車重が大きい
程、大きくなる。
【0048】CPU43は、発進クラッチ制御処理とし
て、圧力信号Dwから、積み荷の荷重Wに応じた初期ク
ラッチ圧Pfcl 0(W)を決定するための補正初期圧Δ
Pを、図4のグラフで示す関係の関係式ΔP=k・W
(kは定数)を用いて演算する。そして、CPU43
は、演算した補正初期圧ΔPから、積み荷の荷重Wに応
じた初期クラッチ圧Pfcl 0(W)を関係式Pfcl 0
(W)=ΔP+Pfcl 0(W=0)から演算し、この初
期クラッチ圧Pfcl 0(W)を得るための初期駆動電流
Ifcl 0(W)を出力する。尚、初期クラッチ圧Pfcl
0(W=0)は、積み荷の荷重Wが「0」のときの初期
クラッチ圧である。即ち、CPU43は、図5(a)に
示すように、積み荷の荷重Wが大きくなる程、より大き
な初期クラッチ圧Pfcl 0(W)とするための初期駆動
電流Ifcl 0(W)を出力する。
【0049】そして、CPU43は、発進クラッチ制御
処理として、クラッチ駆動電流Ifcl を初期駆動電流I
fcl 0(W)で維持し、クラッチ圧Pfcl を初期クラッ
チ圧Pfcl 0(W)のままで維持する。本実施の形態で
は、切断クラッチ圧が「0」で、初期クラッチ圧Pfcl
0(W)が過渡クラッチ圧である。
【0050】次に、CPU43は、発進クラッチ制御処
理として、入力側回転数Npと出力側回転数Ntとか
ら、その回転速度差としての回転数差ΔNが予め設定さ
れている許容判定値ΔN0未満となったことを検出す
る。そして、CPU43は、回転数差ΔNが許容判定値
ΔN0未満となったときに、それまで初期駆動電流Ifc
l0に維持していたクラッチ駆動電流Ifcl を「0」と
し、初期クラッチ圧Pfcl0(W)に維持していたクラ
ッチ圧Pfcl を最大クラッチ圧Pfcl100とする。
【0051】即ち、CPU43は、発進クラッチ制御処
理として、クラッチ圧Pfcl を、「0」から初期クラッ
チ圧Pfcl 0(W)まで変化させた後、クラッチ圧Pfc
l を初期クラッチ圧Pfcl 0(W)に所定時間維持す
る。その後、CPU43は、クラッチ圧Pfcl を、初期
クラッチ圧Pfcl 0(W)から最大クラッチ圧Pfcl100
まで変化させる。
【0052】そして、図5(a)のグラフに示すような
クラッチ圧Pfcl の変化により、変速機12の入力側回
転数Npと出力側回転数Ntとは、図5(b)のグラフ
に示すように、クラッチ圧Pfcl が初期クラッチ圧Pfc
l 0に維持されている間に、入力側回転数Npが下降す
るとともに出力側回転数Ntが上昇して、両回転速度の
回転数差ΔNが許容判定値ΔN0となる。そして、クラ
ッチ圧Pfcl が初期クラッチ圧Pfcl 0とから最大クラ
ッチ圧Pfcl100とされると、入力側回転数Npと出力側
回転数Ntとがいっしょに上昇する。
【0053】同様に、CPU43は、発進クラッチ制御
処理として、シフト位置Psが中立位置から後進位置に
切り換わると、電磁弁21に供給するクラッチ駆動電流
Ircl を最大駆動電流Ircl100から、積み荷の荷重Wに
応じた初期クラッチ圧Prcl0(W)とするための初期
駆動電流Ircl 0(W)とした後、その初期駆動電流I
rcl 0(W)を維持する。そして、CPU43は、入力
側回転数Npと出力側回転数Ntの回転数差ΔNが許容
判定値ΔN0未満となったときに、初期駆動電流Ircl
0(W)を「0」とする。次に、以上のように構成され
た産業車両のクラッチ制御装置の作用について説明す
る。
【0054】エンジン10を始動した後、シフトレバー
33を中立位置から前進位置に切換操作するととともに
アクセルペダル31を踏み込み操作すると、CPU43
は駐車ブレーキ制御処理によって駐車用ブレーキ22を
ブレーキ解除状態とするとともにスロットル制御処理に
よって、アクセル踏み込み量Accに対応するスロットル
開度THにスロットルアクチュエータ15を制御する。
【0055】CPU43は、所定時間(例えば10mm
sec)経過毎に実行する発進クラッチ制御処理によっ
て、シフトレバー33の切換操作に応じて前進用クラッ
チ18及び後進用クラッチ19を接続する。以下、発進
クラッチ制御処理を、図6に示すフローチャートに従っ
て詳述する。
【0056】発進クラッチ制御処理において、CPU4
3は、先ずステップ(以下、単にSと表記する。)10
で、シフト位置信号Spからシフト位置Psが中立位置
であるか否かを判断する。CPU43は、S10でシフ
ト位置Psが中立位置であったときには、S11でクラ
ッチ駆動電流Ifcl,IrclをそれぞれIfcl100,Ircl1
00とし、クラッチ圧Pfcl,Prclを共に「0」として処
理を終了する。
【0057】一方、S10でシフト位置Psが中立位置
でなかったときには、S12で入力側回転数Npと出力
側回転数Ntとから回転数差ΔNを演算し、S13でこ
の回転数差ΔNの大きさが許容判定値ΔN0未満である
か否かを判断する。
【0058】CPU43は、S13で回転数差ΔNの大
きさが許容判定値ΔN0以上であったときには、S14
でシフト位置Psが前進位置であるか後進位置であるか
を判断する。そして、S14でシフト位置Psが前進位
置であったときには、S15でクラッチ駆動電流Ifcl
を初期クラッチ電流Ifcl0(W)とし、クラッチ圧Pf
clを初期クラッチ圧Pfcl0(W)として処理を終了す
る。また、S14でシフト位置Psが後進位置であった
ときには、S16でクラッチ駆動電流Ircl を初期クラ
ッチ電流Ircl0(W)とし、クラッチ圧Prclを初期ク
ラッチ圧Prcl0(W)として処理を終了する。
【0059】従って、車両が停止状態から少し動き出し
た後、変速機12の入力軸16の入力側回転数Npと出
力軸17の出力側回転数Ntとの回転数差ΔNが許容判
定値ΔN0以上である間は、進行側のクラッチ18(1
9)が初期クラッチ圧Pfcl0(W)(Prcl0(W))
で接続される。
【0060】一方、S13で回転数差ΔNの大きさが許
容判定値ΔN0未満であったときには、S17でシフト
位置Psが前進位置であるか後進位置であるかを判断す
る。そして、S17でシフト位置Psが前進位置であっ
たときには、S18でクラッチ駆動電流Ifcl を「0」
とし、クラッチ圧Pfclを最大クラッチ圧Pfcl100とし
て処理を終了する。また、S17でシフト位置Psが後
進位置であったときには、S19でクラッチ駆動電流I
rcl を「0」とし、クラッチ圧Prclを最大クラッチ圧
Prcl100として処理を終了する。
【0061】従って、車両が停止状態から次第に加速し
て、入力軸16と出力軸17との回転数差ΔNが許容判
定値ΔN0未満となると、進行側のクラッチ18(1
9)が最大クラッチ圧Pfcl100(Prcl100)で接続され
る。
【0062】従って、以上詳述した本実施の形態のフォ
ークリフトのクラッチ制御装置によれば、以下に記載の
各作用及び効果がある。 (1) 例えば前進用クラッチ18の接続時には、マイ
コン41が電磁弁20を制御して先ずクラッチ圧Pfcl
を切断状態のクラッチ圧Pfcl である「0」から初期ク
ラッチ圧Pfcl 0(W)とした後、クラッチ圧Pfcl を
初期クラッチ圧Pfcl 0(W)で維持し、クラッチの入
力側回転数Npと出力側回転数Ntとの回転数差ΔNが
許容判定値ΔN0未満となった時点で、クラッチ圧Pfc
l を初期クラッチ圧Pfcl 0(W)から最大クラッチ圧
Pfcl100まで上げるようにした。このため、クラッチ1
8の接続時には、クラッチ圧Pfcl が「0」から初期ク
ラッチ圧Pfcl 0(W)に上げられることで、エンジン
10の駆動力がクラッチ18で制限されて変速機12か
ら出力され、この駆動力によって車体に加わる加速度が
急激に変化しない範囲で車両が少し動き出す状態とな
る。次に、クラッチ圧Pfcl が、初期クラッチ圧Pfcl
0(W)に維持されることで、エンジン10の駆動力が
制限された状態で維持される。その結果、加速度が急激
に変化しない状態で車両が徐々に加速される。そして、
変速機12の入力側回転数Npと出力側回転数Ntとの
回転数差ΔNが許容判定値ΔN0未満となった時点でク
ラッチ圧Pfcl が初期クラッチ圧Pfcl 0(W)から最
大クラッチ圧Pfcl100とされることで、車体に加わる加
速度が急激に変化することなくエンジン10の駆動力が
制限される状態から制限されない状態に移行する。その
結果、車両は、加速度が急激に変化しない状態で、エン
ジン10の回転速度に応じた車速まで加速する。
【0063】そして、車体に加わる加速度を急激に変化
させることなくクラッチ圧Pfcl を相対的に大きく変化
させることができる領域である、クラッチ圧Pfcl を初
期クラッチ圧Pfcl 0(W)まで変化させる過程と、ク
ラッチ圧Pfcl を最大クラッチ圧Pfcl100まで変化させ
る過程とではクラッチ圧Pfcl を大きく変化させ、クラ
ッチ圧Pfcl を相対的に大きく変化させることができな
い初期クラッチ圧Pfcl 0(W)からの過程では変化さ
せないようにした。尚、後進用クラッチ19の接続時も
同様である。
【0064】従って、車体に加わる加速度が急激に変化
しない限りにおいて、クラッチ圧Pfcl (Prcl )がで
きるだけ短い時間で変更され、クラッチ18(19)が
無用に滑ることなく駆動力が伝達される。その結果、ク
ラッチペダルの操作が不要で、シフトレバー33の切換
操作によってのみクラッチの接続操作を行うことがで
き、しかも、クラッチ接続時に車体に衝撃を発生させる
ことなく加速性を向上させるにともクラッチ18(1
9)の摩耗を抑制することができる。
【0065】(2) 積み荷の荷重Wを検出し、荷重W
が大きい程、初期クラッチ圧Pfcl0をより高くするよ
うにした。従って、積み荷の荷重Wが小さいときには、
小さい初期クラッチ圧Pfcl 0(W),Prcl 0(W)
により、車両に加わる加速度が急激に変化しない状態で
車両が少し動き出す状態となり、初期クラッチ圧Pfcl
(W)に維持されることで、伝達される駆動力が次第に
増大する。又、積み荷の荷重Wが大きいときには、大き
な初期クラッチ圧Pfcl 0(W),Prcl 0(W)によ
り、車両に加わる加速度が急激に変化しない状態で車両
が少し動き出す状態となるとともに、その初期クラッチ
圧Pfcl 0(W),Prcl 0(W)が維持されること
で、クラッチ18,19が無用に滑ることなく伝達され
る駆動力が次第に増大する。その結果、積み荷の荷重W
に拘らず車両に衝撃を発生させないようにし、積み荷の
荷重Wに応じてできるだけ加速性を向上するとともにク
ラッチ18,19の摩耗を抑制することができる。
【0066】(3) 変速機12の入力側回転数Npと
出力側回転数Ntとを検出し、両回転速度の回転数差Δ
Nが許容判定値ΔN0未満となるまで、積み荷の荷重W
に応じて設定された初期クラッチ圧Pfcl 0(W)(P
rcl(W))を維持するようにした。その結果、積み荷
の荷重Wの違いにより、クラッチ圧Pfcl が初期クラッ
チ圧Pfcl 0(W)(Prcl(W))となってから回転
数差ΔNが許容判定値ΔN0未満となるまでの経過時間
が変化しても、車体に加わる加速度を急激に変化させる
ことなくクラッチ圧Pfcl (Prcl)を最大クラッチ圧
Pfcl100(Prcl100)とすることができる。従って、ク
ラッチ18,19の接続に要する時間が積み荷の荷重W
に応じて最短とされるので、積載荷重に応じてできるだ
け加速性を向上するとともにクラッチ18,19の摩耗
を抑制することができる。
【0067】(第2の実施の形態)次に、本発明をフォ
ークリフトのクラッチ制御装置に具体化した第2の実施
の形態を図7〜図11に従って説明する。尚、本実施の
形態は、前記第1の実施の形態の磁気センサ25,27
を廃止し、新たに磁気センサ39を設けたことと、コン
トローラ35のマイクロコンピュータ41が実行する発
進クラッチ制御処理の内容のみが第1の実施の形態と異
なる。従って、第1の実施の形態と同じ構成について
は、符号を同じにしてその説明を省略し、磁気センサ3
9と、発進クラッチ制御処理のみについて詳述する。
【0068】図7は、クラッチ制御装置の模式構成図で
ある。本実施の形態のクラッチ制御装置は、前記第1の
実施の形態のクラッチ制御装置において変速機12に設
けられていた、入力軸16の入力側回転数Npを検出す
るための磁気センサ25と、出力軸17の出力側回転数
Ntを検出するための磁気センサ27とを備えず、図示
しないクランク軸のエンジン回転数Neを検出するため
にエンジン10に設けられた磁気センサ39を備えてい
る。
【0069】図8は、クラッチ制御装置の電気的構成を
示すブロック図である。磁気センサ39は、エンジン回
転数Neに比例する周期のエンジンパルス信号Peをコ
ントローラ35に出力する。
【0070】CPU43は、磁気センサ39が出力する
エンジンパルス信号Peを、エンジン10のエンジン回
転数Neを検出するための信号として入力インターフェ
ース47を介して読み込む。
【0071】マイクロコンピュータ41のROM44に
は、CPU43が実行する前記スロットル制御処理、前
記駐車ブレーキ制御処理及び、本実施の形態の発進クラ
ッチ制御処理の各制御プログラムが記憶されている。
又、ROM44には、発進クラッチ制御処理で使用する
初期クラッチ圧Pfcl0(W=0),Prcl 0(W=
0)に対応する初期駆動電流Ifcl 0(W=0),Irc
l 0(W=0)、関係式ΔIfcl =f(Ne),ΔIrc
l =f(Ne)、及び、接続時間T1がそれぞれ記憶さ
れている。
【0072】(3) 発進クラッチ制御処理 CPU43は、発進クラッチ制御処理として、シフト位
置信号Spからそのときのシフト位置Psを判断し、シ
フト位置Psが中立位置のときには、各電磁弁20,2
1に供給するクラッチ駆動電流Ifcl ,Ircl を最大駆
動電流Ifcl100,Ircl100として、前進用及び後進用ク
ラッチ18,19の各クラッチ圧Pfcl,Prcl を
「0」とする。
【0073】図9(a),(b)は、共にクラッチ駆動
電流Ifcl の変化に対するクラッチ圧Pfcl の変化を示
すグラフである。CPU43は、発進クラッチ制御処理
として、シフト位置Psが中立位置から前進位置に切り
換わると、図9(a),(b)に示すように、電磁弁2
0に供給するクラッチ駆動電流Ifcl を最大駆動電流I
fcl 100 から所定の初期駆動電流Ifcl 0(W)とし
て、前進用クラッチ18のクラッチ圧Pfcl を「0」か
ら所定の初期クラッチ圧Pfcl 0(W)とする。
【0074】初期クラッチ圧Pfcl 0(W)は、車両が
停止状態において、前進用クラッチ18のクラッチ圧P
fcl を、「0」から急激に初期クラッチ圧Pfcl 0
(W)まで上げたときに、前進用クラッチ18を介して
左右前輪14に伝達される駆動力によって車両が少し動
き出すときのクラッチ圧Pfcl であって、かつ、車体に
急激な加速度が加わることがないクラッチ圧Pfcl であ
る。従って、初期クラッチ圧Pfcl 0(W)は、同一の
車両においては、積み荷の荷重Wに応じた車重が大きい
程大きくなる。
【0075】CPU43は、発進クラッチ制御処理とし
て、圧力信号Dwから、積み荷の荷重Wに応じた初期ク
ラッチ圧Pfcl 0(W)を決定するための補正初期圧Δ
Pを、図4のグラフで示す関係式ΔP=k・Wを用いて
演算する。そして、CPU43は、演算した補正初期圧
ΔPから、積み荷の荷重Wに応じた初期クラッチ圧Pfc
l 0(W)を関係式Pfcl 0(W)=ΔP+Pfcl 0
(W=0)から演算し、この初期クラッチ圧Pfcl 0
(W)を得るための初期駆動電流Ifcl 0(W)を出力
する。即ち、CPU43は、図9(a)に示すように、
積み荷の荷重Wが大きい程、より大きな初期クラッチ圧
Pfcl 0(W)とするための初期駆動電流Ifcl 0
(W)を出力する。
【0076】又、CPU43は、発進クラッチ制御処理
として、クラッチ駆動電流Ifcl を初期駆動電流Ifcl
0(W)から時間の経過に伴って一定の減少率で減少さ
せるとともに、図9(b)に示すように、エンジン回転
数Neが高い程、減少率を大きくする。そして、CPU
43は、クラッチ圧Pfcl を、初期クラッチ圧Pfcl0
(W)から一定の増大率で増大させるとともに、エンジ
ン回転数Neが高い程、増大率を大きくする。
【0077】エンジン回転数Neに関係なくクラッチ圧
Pfclを初期クラッチ圧Pfcl0(W)から増大させてい
くと、エンジン回転数Neが低いときに、その途中で車
両に衝撃が発生する。これは、エンジン回転数Neが低
いときにはエンジン10の駆動力(トルク)が小さいた
め、クラッチ圧Pfcl の増大に伴って前進用クラッチ1
8がより強く接続されていったときに、伝達される駆動
力が車両の慣性質量の大きさに対して不足して逆にエン
ジン10の回転が一時的に落ち込み、駆動力の増大が一
時的に低下して車両に加わる加速度が急激に変化するた
めと考えられる。
【0078】CPU43は、エンジン回転数Neが高い
程、クラッチ圧Pfcl の増大率を大きくすることで、エ
ンジン回転数Neが低くエンジン10の駆動力が小さい
ときには、エンジン10の回転が落ち込まないように
し、一方、エンジン10の回転数Neが高くエンジン1
0の駆動力が十分大きいときには、前進用クラッチ18
が無用に滑ることなくより強く接続されていくようにす
る。
【0079】次に、CPU43は、発進クラッチ制御処
理として、クラッチ圧Pfcl を初期クラッチ圧Pfcl 0
(W)とした時点からの経過時間Tstが、予め設定され
ている接続時間T1に達したことを検出する。CPU4
3は、経過時間Tstが接続時間T1に達したときには、
初期駆動電流Ifcl 0から次第に減少させていたクラッ
チ駆動電流Ifcl を「0」とし、初期クラッチ圧Pfcl
0(W)から次第に増大させていたクラッチ圧Pfcl を
最大クラッチ圧Pfcl100とする。本実施の形態では、切
断クラッチ圧が「0」であり、又、初期クラッチ圧Pfc
l 0(W)から経過時間Tstが接続時間T1に達したと
きのクラッチ圧Pfcl までが、車両に加わる加速度を急
激に変化させることがない過渡クラッチ圧である。
【0080】この接続時間T1は、積み荷の荷重W、及
び、エンジン回転数Neの各変化範囲で、クラッチ圧P
fcl を初期クラッチ圧Pfcl 0(W)とした時点から入
力側回転数Npと出力側回転数Ntとの回転数差ΔNが
許容判定値ΔN0未満となるときの最長の値が設定され
ている。CPU43は、経過時間Tstに基づいてクラッ
チ圧Pfcl を初期クラッチ圧Pfcl 0(W)から最大ク
ラッチ圧Pfcl100とすることで、入力側回転数Npと出
力側回転数Ntとを検出することなくクラッチ圧Pfcl
の制御を行う。
【0081】そして、CPU43は、発進クラッチ制御
処理として、クラッチ圧Pfcl を、「0」から初期クラ
ッチ圧Pfcl 0(W)まで変化させるときの時間当たり
の平均変化率、及び、初期クラッチ圧Pfcl 0(W)か
ら最大クラッチ圧Pfcl100まで変化させるときの時間当
たりの平均変化率を、クラッチ圧Pfcl を初期クラッチ
圧Pfcl 0(W)から増大させていくときの最大の増大
率のときの時間当たりの平均変化率よりも大きくする。
【0082】次に、以上のように構成されたクラッチ制
御装置で行う発進クラッチ制御処理を、図10,11に
示すフローチャートに従って説明する。発進クラッチ制
御処理において、CPU43は、先ずS30で、シフト
位置信号Spからシフト位置Psが中立位置であるか否
かを判断する。CPU43は、S30でシフト位置Ps
が中立位置であったときには、S31でクラッチ駆動電
流Ifcl,IrclをそれぞれIfcl100,Ircl100とし、ク
ラッチ圧Pfcl,Prclを共に「0」とする。そして、S
32で経過時間Tstを「0」に初期化して本処理を終了
する。
【0083】一方、CPU43は、S30でシフト位置
Psが中立位置でなかったときには、S33で、シフト
位置Psが前進位置であるか後進位置であるか判断す
る。S33でシフト位置Psが前進位置であったときに
は、S34で関係式ΔIfcl =f(Ne)から、クラッ
チ圧Pfcl の増大率に対応するクラッチ駆動電流Ifcl
の減少率ΔIfcl を演算する。そして、S35で経過時
間Tstをインクリメントする。
【0084】次に、CPU43は、S36で経過時間T
stが接続時間T1以下であるか否かを判断する。そし
て、経過時間Tstが接続時間T1以下であったときに
は、S37で減少率ΔIfcl に経過時間Tstを乗じた値
を初期駆動電流Ifcl 0(W)から減じた値を駆動電流
Ifcl として本処理を終了する。
【0085】従って、クラッチ圧Pfclが「0」から初
期クラッチ圧Pfcl 0(W)に切り換えられた時点から
接続時間T1が経過するまでは、クラッチ圧Pfclが初
期クラッチ圧Pfcl 0(W)からエンジン回転数Neに
応じた増大率で次第に増大される。
【0086】一方、CPU43は、S36で経過時間T
stが接続時間T1を越えていたときには、S38でクラ
ッチ駆動電流Ifcl を「0」とし、クラッチ圧Pfcl を
最大クラッチ圧Pfcl100として本処理を終了する。
【0087】従って、クラッチ圧Pfclが「0」から初
期クラッチ圧Pfcl 0(W)に切り換えられた時点から
接続時間T1が経過すると、そのときのクラッチ圧Pfc
lが最大クラッチ圧Pfcl100とされる。
【0088】又、CPU43は、S33でシフト位置P
sが後進位置であったときには、前進位置であるときと
同様に、S39で関係式ΔIrcl =f(Ne)から、ク
ラッチ圧Prcl の増大率に対応するクラッチ駆動電流I
rcl の減少率ΔIrcl を演算する。そして、S40で経
過時間Tstをインクリメントする。
【0089】次に、CPU43は、S41で、経過時間
Tstが接続時間T1以下であるか否かを判断する。そし
て、経過時間Tstが接続時間T1以下であったときに
は、S42で、減少率ΔIrcl に経過時間Tstを乗じた
値を初期駆動電流Ircl 0(W)から減じた値を駆動電
流Ircl として本処理を終了する。
【0090】従って、クラッチ圧Prclが初期クラッチ
圧Prcl 0(W)に切り換えられた時点から接続時間T
1が経過するまでは、クラッチ圧Prclが初期クラッチ
圧Prcl 0(W)からエンジン回転数Neに応じた増大
率で次第に増大される。
【0091】一方、CPU43は、S41で経過時間T
stが接続時間T1を越えていたときには、S43でクラ
ッチ駆動電流Ircl を「0」とし、クラッチ圧Prcl を
最大クラッチ圧Prcl100として本処理を終了する。
【0092】従って、クラッチ圧Prclが「0」から初
期クラッチ圧Prcl0(W)に切り換えられた時点から
接続時間T1が経過すると、そのときのクラッチ圧Prc
lが最大クラッチ圧Prcl100とされる。
【0093】従って、以上詳述した本実施の形態のクラ
ッチ制御装置によれば、前記第1の実施の形態における
(1),(2)に記載の各作用及び効果の他に、以下に
記載の各作用及び効果がある。
【0094】(4) クラッチ圧Pfcl ,Prcl が初期
クラッチ圧Pfcl 0(W)、Prcl0(W)から、エン
ジン回転数Neが高い程、大きな増大率で次第に増大す
るようにしたので、エンジン回転数Neが低くエンジン
10の駆動力が小さいときには、車両の慣性によってエ
ンジン10の駆動力が落ち込むことによる加速度の急激
な変化が防止され、エンジン回転数Neが高くエンジン
10の駆動力が十分大きいときには、クラッチ18,1
9が無用に滑ることなくより早く接続されていく。その
結果、エンジン回転数Neに拘らず車体に衝撃を発生さ
せることなく、エンジン回転数Neに応じてできるだけ
加速性を向上させるとともにクラッチ18,19の摩耗
を抑制することができる。
【0095】(5) 入力側回転数Npと出力側回転数
Ntとの回転数差ΔNが許容判定値ΔN0未満となる時
点が、経過時間Tstが接続時間T1に達したことで判断
されるので、入力側回転数Npと出力側回転数Ntとを
検出する必要がない。その結果、入力側回転数Npと出
力側回転数Ntとを検出するための検出用機器をなく
し、又、制御内容を簡素化することができる。
【0096】以下、本発明を具体化した上記実施の形態
以外の実施の形態を別例として列挙する。 ○ 第1の実施の形態で、クラッチ圧Pfcl の初期クラ
ッチ圧Pfcl 0を、積み荷の荷重Wに応じて変更しない
ようにしてもよい。この場合、積み荷の荷重Wが「0」
のときに車体に加わる加速度が急激に変化しないように
初期クラッチ圧Pfcl 0(W)を設定することにより、
荷重Wが大きくなるほど加速性が低下するものの衝撃の
発生を防止することができる。
【0097】○ 第1の実施の形態で、クラッチ圧Pfc
l を最大クラッチ圧Pfcl100とする時点を、初期クラッ
チ圧Pfcl 0とした時点からの経過時間Tstと、予め設
定した接続時間T1との比較に基づいて行うようにして
もよい。この場合、入力側回転数Npと出力側回転数N
tとを検出するための検出用機器をなくし、又、制御内
容を簡素化することができる。
【0098】○ 第2の実施の形態で、積み荷の荷重W
に応じて初期クラッチ圧Pfcl 0を変更せず、かつ、エ
ンジン回転数Neに応じてクラッチ圧Pfcl の増大率を
変更しないで、クラッチ圧Pfcl を初期クラッチ圧Pfc
l 0から次第に増大させるようにしてもよい。この場合
には、初期クラッチ圧Pfcl 0のままで維持する場合に
比較して、クラッチ18、19が無用に滑る状態が一層
少なくなり、伝達される駆動力の増大率が大きくなる。
その結果、車体に衝撃を発生することなく、加速性を一
層向上するとともにクラッチ18,19の摩耗を一層抑
制することができる。
【0099】○ 第2の実施の形態で、積み荷の荷重W
に応じて初期クラッチ圧Pfcl 0を変更せず、かつ、エ
ンジン回転数Neに応じてクラッチ圧Pfcl の増大率を
変更しないで、クラッチ圧Pfcl を初期クラッチ圧Pfc
l 0から次第に増大させるようにする。電磁比例圧力制
御弁20が所定の駆動電流Ifcl に対して制御するクラ
ッチ圧Pfcl は、例えば図12に実線と二点鎖線で示す
ように、ヒステリシス及び個体差によって所定範囲でば
らつく。ここで、図13に示すように、初期クラッチ圧
Pfcl 0を、電磁比例圧力制御弁20の特性ばらつきの
上限品(所定の初期クラッチ圧Pfcl 0を得るための初
期駆動電流Ifcl 0が最も大きいものであって、図12
に実線で示す特性のもの)であっても加速度が急激に変
化しないように設定する。又、クラッチ圧Pfcl の増大
率を、特性ばらつきの上限品によって加速度が急激に変
化しない範囲で最大限に設定する。
【0100】このような構成によれば、電磁比例圧力制
御弁20がクラッチ駆動電流Ifclに対して制御するク
ラッチ圧Pfcl の特性にばらつきがあっても車両に衝撃
を発生させることなく、加速性を一層向上させるととも
に前進用クラッチ18の摩耗を抑制することができる。
【0101】○ 第2の実施の形態で、図14に示すよ
うに、積み荷の荷重Wに基づく初期クラッチ圧Pfcl 0
の変更を行なわず、エンジン回転数Neに基づくクラッ
チ圧Pfcl の増大率の変更だけを行うようにしてもよ
い。この場合、エンジン回転数Neに拘らず車体に衝撃
を発生させないようにし、エンジン回転数Neに応じて
できるだけ加速性を向上させるとともにクラッチ18,
19の摩耗を抑制することができる。
【0102】○ 第2の実施の形態で、図15に示すよ
うに、エンジン回転数Neに基づくクラッチ圧Pfcl の
増大率の変更を行なわず、積み荷の荷重Wに基づく初期
クラッチ圧Pfcl 0(W)の変更だけを行うようにして
もよい。この場合、積み荷の荷重Wに拘らず車両に衝撃
を発生させることなく、荷重Wに応じてできるだけ加速
性を向上させることができるとともにクラッチ18,1
9の摩耗を抑制することができる。
【0103】○ 第2の実施の形態で、入力側回転数N
pと出力側回転数Ntとを検出し、両回転数Np,Nt
の回転数差ΔNが、予め設定された許容判定値ΔN0未
満となったことに基づいて、クラッチ圧Pfcl を最大ク
ラッチ圧Pfcl100とするようにしてもよい。この場合、
積み荷の荷重Wあるいはエンジン回転数Neによって、
クラッチ圧Pfcl が初期クラッチ圧Pfcl 0(W)とさ
れた時点から、クラッチ圧Pfcl を最大クラッチ圧Pfc
l100としても衝撃が発生しない状態となるまでの経過時
間が変化しても、クラッチを完全接続状態とすることが
できる時点で最大クラッチ圧Pfcl100とすることができ
る。その結果、積み荷の荷重Wあるいはエンジン回転数
Neに応じてできるだけ加速性を向上するとともにクラ
ッチ18,19の摩耗を抑制することができる。
【0104】○ 第1又は第2の実施の形態で、エンジ
ン10のスロットル開度THを、アクセルペダル31に
よって機械的に操作することで変更する構成としてもよ
い。 ○ 各実施の形態で、電磁比例圧力制御弁20,21
は、クラッチ駆動電流Ifcl ,Ircl とクラッチ圧Pfc
l ,Prcl とが正の比例関係となる関係となるものであ
ってもよい。
【0105】○ 前進用クラッチ18及び後進用クラッ
チ19のクラッチ圧Pfcl ,Prclを制御するための電
磁圧力制御弁は、一定値の直流駆動電流によって油圧を
所定の値に制御するリニアソレノイド弁に限らず、所定
の周波数のパルス駆動電流によってデューティ制御され
るデューティ制御用ソレノイド弁であってもよい。
【0106】○ クラッチ制御装置を設ける産業車両
は、エンジンの駆動力をトルクコンバータを介して変速
機に入力し、変速機内のクラッチの接続切換によって駆
動輪の回転方向を切り換える産業車両であれば、フォー
クリフトに限らず、その他例えば、トラクタショベル、
ショベルローダ等であってもよい。
【0107】以下、特許請求の範囲に記載した各発明の
外に前述した各実施の形態又は各別例から把握される技
術的思想をその効果とともに記載する。 (1) 請求項2〜請求項8のいずれか一項に記載の産
業車両のクラッチ制御装置を備えた産業車両。このよう
な構成によれば、発進時又はスイッチバック時に車体に
衝撃を発生することなく良好な加速を行うことができ、
高い機動性を備える。
【0108】(2) 請求項5に記載の産業車両のクラ
ッチ制御装置において、前記初期クラッチ圧は、所定の
クラッチ駆動電流に対して制御するクラッチ圧にばらつ
きがある前記電磁圧力制御弁のばらつきの上限値であ
り、前記クラッチ制御手段は、ばらつきの上限値の電磁
圧力制御弁によって制御される前記過渡クラッチ圧の増
大によって車両に加わる加速度が急激に変化しない範囲
で最大に設定された増大率で、クラッチ圧を前記初期ク
ラッチ圧から増大させる。
【0109】このような構成によれば、電磁圧力制御弁
が駆動電流に対して制御するクラッチ圧の特性にばらつ
きがあっても車両に衝撃を発生させることなく、加速性
を一層向上させるとともにクラッチの摩耗を抑制するこ
とができる。
【0110】
【発明の効果】請求項1〜請求項8に記載の発明によれ
ば、クラッチペダルの操作が不要で、接続切換操作部材
の切換操作によってのみクラッチの接続操作を行うこと
ができ、しかも、クラッチ接続時に車体に衝撃を発生さ
せることなく加速性を向上するとともにクラッチの摩耗
を抑制することができる。
【0111】請求項3又は請求項4に記載の発明によれ
ば、積載荷重に拘らず車両に衝撃を発生させることな
く、積載荷重に応じてできるだけ加速性を向上させるこ
とができる。
【0112】請求項4に記載の発明によれば、積載荷重
に応じてできるだけ加速性を向上するとともにクラッチ
の摩耗を抑制することができる。請求項5、請求項6又
は請求項8に記載の発明によれば、車体に衝撃を発生さ
せることなく、加速性を一層向上することができる。
【0113】請求項6又は請求項8に記載の発明によれ
ば、エンジン回転数に拘らず車体に衝撃を発生させるこ
となく、エンジン回転数に応じてできるだけ加速性を向
上させることができる。
【0114】請求項7又は請求項8に記載の発明によれ
ば、積載荷重に拘らず車両に衝撃を発生させることな
く、積載荷重に応じてできるだけ加速性を向上させるこ
とができる。又、エンジン回転数に拘らず車体に衝撃を
発生させることなく、エンジン回転数に応じてできるだ
け加速性を向上させることができる。
【0115】請求項8に記載の発明によれば、クラッチ
の入力側回転速度と出力側回転速度を検出する必要がな
いので、検出用機器を少なくし、制御内容を簡素化する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態のフォークリフトのクラッ
チ制御装置の模式構成図。
【図2】 クラッチ制御装置の電気ブロック図。
【図3】 スロットル駆動電流とアクセル信号との関係
を設定するマップ。
【図4】 補正初期圧と積み荷の荷重との関係式を示す
グラフ。
【図5】 (a)はクラッチ制御処理時の経過時間に対
するクラッチ駆動電流及びクラッチ圧の変化を示すグラ
フ、(b)は同じく入力側回転速度及び出力側回転速度
の変化を示すグラフ。
【図6】 発進クラッチ制御処理のフローチャート。
【図7】 第2の実施の形態のフォークリフトのクラッ
チ制御装置の模式構成図。
【図8】 クラッチ制御装置の電気ブロック図。
【図9】 (a),(b)は共に経過時間に対するクラ
ッチ駆動電流及びクラッチ圧の変化を示すグラフ。
【図10】 クラッチ制御処理のフローチャート。
【図11】 クラッチ制御処理のフローチャート。
【図12】 別例の電磁比例圧力制御弁のクラッチ圧−
クラッチ駆動電流特性を示すグラフ。
【図13】 別例の経過時間に対するクラッチ駆動電流
及びクラッチ圧の変化を示すグラフ。
【図14】 別例のクラッチ制御処理時のクラッチ駆動
電流及びクラッチ圧の変化を示すグラフ。
【図15】 別例のクラッチ制御処理時のクラッチ駆動
電流及びクラッチ圧の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
10…エンジン、11…トルクコンバータ、12…変速
機、18…前進用クラッチ、19…後進用クラッチ、2
0…電磁圧力制御弁としての電磁比例圧力制御弁、21
…同じく電磁比例圧力制御弁、24…接続状態判断手段
及び出力側回転速度検出手段を構成するギヤ、25…同
じく磁気センサ、26…接続状態判断手段及び出力側回
転速度検出手段を構成するギヤ、27…同じく磁気セン
サ、33…接続切換操作部材としてのシフトレバー、3
4…接続切換検出手段としてのシフト位置スイッチ、3
8…積載荷重検出手段を構成する圧力センサ、39…エ
ンジン回転数検出手段を構成する磁気センサ、41…接
続状態判断手段、クラッチ制御手段、積載荷重検出手
段、入力側回転速度検出手段、出力側回転速度検出手
段、エンジン回転数検出手段を構成する回転速度差判断
手段及び接続時間判断手段としてのマイクロコンピュー
タ、42…クラッチ制御手段を構成する駆動回路、Np
…入力側回転速度としての入力側回転数、Nt…出力側
回転速度としての出力側回転数、Pfcl ,Prcl …クラ
ッチ圧、Pfcl 0(W),Prcl 0(W)…初期クラッ
チ圧、Pfcl100,Prcl100…最大クラッチ圧、Ps…切
換位置としてのシフト位置、Tst…経過時間、T1…接
続時間、W…積載荷重としての荷重、ΔN…回転速度差
としての回転数差、ΔN0…許容判定値。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J057 AA05 BB04 FF01 FF07 FF10 FF12 FF15 GB02 GB05 GB13 GB14 GB30 GB40 GE07 HH04 JJ01 3J552 MA04 MA12 MA26 NA05 NB01 PA02 PA32 PA62 QB08 QC08 RA16 RA20 RB17 RC19 SA08 SA09 TA10 TB01 TB06 UA04 VA32W VA37W VA62Z VB20W VC01W VD02Z VD11Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力がトルクコンバータを
    介して入力される変速器に備えられ、クラッチ圧が変更
    されることで接続状態が調整される前進用クラッチ及び
    後進用クラッチを、前記両クラッチのいずれか一方を接
    続するために切換操作される接続切換操作部材の切換位
    置に応じて、前記各クラッチ毎に設けられ、クラッチに
    供給するクラッチ圧を制御してクラッチの接続及び切断
    を行うための電磁圧力制御弁を制御することで接続又は
    切断する産業車両のクラッチ制御方法において、 前記クラッチの接続時には、前記クラッチ圧を、該クラ
    ッチが切断状態のときの切断クラッチ圧から、車両が少
    し動き出す初期クラッチ圧まで上げた後、車両に加わる
    加速度を急激に変化させない範囲の過渡クラッチ圧に維
    持し、該クラッチが完全接続可能な状態となった時点以
    降に、該過渡クラッチ圧から最大クラッチ圧とするとと
    もに、前記クラッチ圧を切断クラッチ圧から初期クラッ
    チ圧とするときの時間当たりの平均変化率、及び、過渡
    クラッチ圧を最大クラッチ圧とするときの時間当たりの
    平均変化率を、前記過渡クラッチ圧の時間当たりの平均
    変化率よりも大きくする産業車両のクラッチ制御方法。
  2. 【請求項2】 エンジンの駆動力がトルクコンバータを
    介して入力され、クラッチ圧が変更されることで接続状
    態が調整される前進用クラッチ又は後進用クラッチを介
    して前記駆動力を出力する変速機と、 前記両クラッチのいずれか一方を接続するために切換操
    作される接続切換操作部材の切換位置を検出する接続切
    換検出手段と、 前記各クラッチ毎に設けられ、クラッチ圧を制御してク
    ラッチの接続及び切断を行うための電磁圧力制御弁と、 前記切換位置に応じて前記各電磁圧力制御弁を制御し、
    前記各クラッチを接続又は切断するクラッチ制御手段と
    を備えた産業車両のクラッチ制御装置において、 前記クラッチが完全接続可能な状態となったことを判断
    する接続状態判断手段を備え、 前記クラッチ制御手段は、前記クラッチの接続時には、
    前記クラッチ圧を、該クラッチが切断状態のときの切断
    クラッチ圧から、車両が少し動き出す初期クラッチ圧ま
    で上げた後、車両に加わる加速度を急激に変化させない
    範囲の過渡クラッチ圧に維持し、該クラッチが完全接続
    可能な状態であると前記接続状態判断手段が判断した時
    点以降に、前記過渡クラッチから最大クラッチ圧とする
    とともに、前記クラッチ圧を切断クラッチ圧から初期ク
    ラッチ圧とするときの時間当たりの平均変化率、及び、
    過渡クラッチ圧を最大クラッチ圧とするときの時間当た
    りの平均変化率を、前記過渡クラッチ圧の時間当たりの
    平均変化率よりも大きくする産業車両のクラッチ制御装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の産業車両のクラッチ制
    御装置において、 積載荷重を検出する積載荷重検出手段を備え、 前記クラッチ制御手段は、前記積載荷重が大きい程、前
    記初期クラッチ圧をより高くする産業車両のクラッチ制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の産業車両のクラッチ制
    御装置において、 前記接続状態判断手段は、 前記クラッチの入力側回転速度を検出する入力側回転速
    度検出手段と、クラッチの出力側回転速度を検出する出
    力側回転速度検出手段と、前記入力側回転速度と出力側
    回転速度との回転速度差が予め設定された許容判定値未
    満となったことを判断する回転速度差判断手段とからな
    る産業車両のクラッチ制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の産業車両のクラッチ制
    御装置において、 前記クラッチ制御手段は、前記過渡クラッチ圧を、前記
    初期クラッチ圧から時間の経過に伴って次第に増大させ
    る産業車両のクラッチ制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の産業車両のクラッチ制
    御装置において、 エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を備
    え、 前記クラッチ制御手段は、前記過渡クラッチ圧を、前記
    初期クラッチ圧から時間の経過に伴ってほぼ一定の増大
    率で増大させるとともに、前記エンジン回転数が高い
    程、前記増大率を大きくする産業車両のクラッチ制御装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の産業車両のクラッチ制
    御装置において、 積載荷重を検出する積載荷重検出手段と、 エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段とを
    備え、 前記クラッチ制御手段は、前記積載荷重が大きい程、前
    記初期クラッチ圧をより高くし、かつ、前記過渡クラッ
    チ圧を、前記初期クラッチ圧から時間の経過に伴ってほ
    ぼ一定の増大率で増大させるとともに、前記エンジン回
    転数が高い程、前記増大率を大きくする産業車両のクラ
    ッチ制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項5〜請求項7のいずれか一項に記
    載の産業車両のクラッチ制御装置において、 前記接続状態判断手段は、前記クラッチ圧を初期クラッ
    チ圧とする時点からの経過時間が予め設定された接続時
    間に達したことを検出する接続時間判断手段である産業
    車両のクラッチ制御装置。
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