JP4766581B2 - 車両の速度制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を低速で走行させるための車両の速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
モータグレーダ、ホイールローダなど建設機械等の車両では、走行速度を1km/h程度の微小な走行速度にして作業を行うことがある。
【0003】
しかし車両の変速機を最低速の速度段に設定して、アクセルペダルを踏み込まない状態にしたとしても、車両は所望する微小速度よりも大きな速度に上昇してしまう。
【0004】
そこで、最低速度段設定時の速度よりも微小な速度での走行を、安定して安全に実施することができる制御装置、制御方法が望まれている。
【0005】
車両で微小な速度を得るためには、
1)クラッチペダル操作
2)インチングペダル操作
3)ブレーキペダル操作
などの方法がある。
【0006】
なお他の方法としてエンジンの燃料噴射量を制御する方法もあるが、エンジンがアイドル回転数域にあるときには回転ムラが発生し易く微速制御には不適である。
【0007】
たとえば建設機械などの作業車両の一部には、インチングペダルが設けられている。インチングペダルの操作は、例えばパワーを掛けて掘削物等を押しながら走行(つまり走行しながら作業)するときに実施される。
【0008】
このような車両では、インチングペダルをオペレータが踏み込むことで、変速機のクラッチを滑らせていわゆる半クラッチの状態にし、エンジンから駆動輪に伝達される出力トルクを小さくして車両の走行速度を微小な速度に手動制御するようにしている。
【0009】
また従来より一部の車種では、いわゆるクラッチの二重係合を利用して微小な速度を得る方法が採用されている。
【0010】
例えば車両が前進走行中に、つまり前進用クラッチを係合中に、インチングペダルの踏み込みに対応して後進用クラッチを係合(二重係合)させる。この二重係合がブレーキの機能を果たすことになる。
【0011】
この種の二重係合が可能な車両には、変速機に「二重係合専用のソレノイド」が追加して設けられている。車両が前進走行中に、二重係合専用ソレノイドが作動し後進用クラッチが係合(二重係合)する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したようにクラッチペダル操作、インチングペダル操作、ブレーキペダル操作等の手動操作によって、微小な速度を得ようとするとオペレータに過大な負担が課されることになる。
【0013】
すなわち、たとえばオペレータがインチングペダルを踏み込んで所望する微小速度を維持するためには、平坦地での走行時にはインチングペダルの踏み込み位置(踏み込み量)を固定しなければならない。さらに勾配がある路面での走行時には、勾配の大きさに応じてインチングペダルの踏み込み位置を変化させ、所望する微小速度となるよう微調整しなければならない。このような操作はオペレータの負担を増大させることになり、オペレータが作業に集中できなくなる虞がある。
【0014】
また上述した二重係合が可能な車両においては、二重係合機能実現のために特別な専用のソレノイドを増設しなければならず、部品点数の増加やコスト上昇につながる。
【0015】
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、オペレータに負担を課すことなく、しかも部品点数の増加等を招くことなく、車両で安定した微小な走行速度を得られるようにすることを、解決課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段、作用および効果】
上記解決課題を解決するために、第1の発明は、
車両の進行方向を切り換える前進用クラッチおよび後進用クラッチがエンジンと駆動輪との間に介在され、前記前進用クラッチに圧油を供給することにより前記前進用クラッチを係合させ、車両を前進方向に進行させるとともに、前記後進用クラッチに圧油を供給することにより前記後進用クラッチを係合させ、車両を後進方向に進行させるようにした車両の速度制御装置において、
前記前進用クラッチに圧油が供給されている場合に、前記後進用クラッチに対して圧油を供給するとともに、車速が目標速度になるように当該後進用クラッチに供給される圧油の圧力を制御することを特徴とする。
【0017】
第1の発明について図1及び図3を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、コントローラ70から圧力制御弁31、圧力制御弁41それぞれに指令信号が出力され、前進用クラッチFLが係合し、かつスピードギアトレイン40に設けられている変速用クラッチ1st(1速)が係合して、車両が最低速度段F1で前進走行しているとする。このとき微小な速度での走行を維持する制御(以下微速走行制御)を開始するための所定の条件(制御開始条件)が満たされたと判断したコントローラ70は、回転センサ81の検出回転信号つまり実際の車速をフィードバックして、目標車速が維持されるように、実際の車速に応じて二重係合対象クラッチ(後進用クラッチR)に対する供給圧油の圧力(以下クラッチ油圧)を変化させる。つまりコントローラ70は圧力制御弁32に対して指令信号を出力する。
【0019】
この場合、コントローラ70は、図3に示すような特性に従って、二重係合対象クラッチRのクラッチ油圧を制御する。
【0020】
すなわち、
(1) 車速(V)が目標車速範囲内(Va2〜Va1)の場合は、二重係合対象クラッチRの現在のクラッチ油圧に対する増減量を0とする。
【0021】
(2) 車速(V)が目標車速範囲の上限値(Va1)を超えている場合は、二重係合対象クラッチRの現在のクラッチ油圧に対する増加量を「+△Pr1」とする。
【0022】
(3) 車速(V)が目標車速範囲の下限値(Va2)よりも低い場合は、二重係合対象クラッチRの現在のクラッチ油圧に対する減少量を「−△Pr2」とする。
【0023】
このようにして車両の走行速度は所望する目標車速範囲内(Va2〜Va1)に維持される。
【0024】
第1の発明によれば、オペレータがインチングペダル83Aを操作することなく、コントローラ70によって自動的に車速が微小速度に安定して維持される。
【0025】
このためオペレータはインチングペダル以外の作業のための操作(たとえばブーム、バケットなどの作業機の操作)に集中することができ、作業性を向上させることができる。
【0026】
また既存のスピードギヤトレイン40、圧力制御弁31、32、41を利用することができ、従来技術のように「二重係合専用のソレノイド」を増設する必要はない。
【0027】
このように第1の発明によれば、オペレータに負担を課すことなく、しかも部品点数の増加等を招くことなく、車両で安定した微小な走行速度が得られるようになる。
【0028】
第2の発明は、
車両の速度段を切り換える複数の変速用クラッチがエンジンと駆動輪との間に介在され、前記複数の変速用クラッチのうちの何れか一つの変速用クラッチに圧油を供給することにより、車両の速度段を切り換えるようにした車両の速度制御装置において、
前記複数の変速用クラッチのうちの何れか一つの変速用クラッチに対して圧油が供給されている場合に、他の変速用クラッチに対して圧油を供給するとともに、車速が目標車速になるように当該他の変速用クラッチに供給される圧油の圧力を制御することを特徴とする。
【0029】
第2の発明では、複数の変速用クラッチのうち変速用クラッチ1stが係合しているときに、二重係合対象クラッチとして他の変速用クラッチ2ndが係合する。
【0030】
この場合コントローラ70は、上記第1の発明の場合と同様に、図3に示すような特性に従って、車速が目標車速となるように二重係合対象クラッチ2ndのクラッチ油圧を制御する。
【0031】
このため第2の発明によれば、上記第1の発明の作用効果を得ることができる。
【0032】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記後進用クラッチまたは他の変速用クラッチへ圧油供給が開始された場合には、既に圧油供給がされているクラッチに対する供給圧油の圧力を低下させること
を特徴とする。
【0033】
第3発明によれば、図4(a)、(b)に示すように二重係合対象クラッチRへ圧油供給が開始された場合には、既に圧油供給がされているクラッチFLに対する供給圧油の圧力を低下させる。これによりクラッチ焼き付き等が防止されクラッチの耐久性が向上する。
【0034】
第4の発明は、第1又は第2の発明において、
車両の速度を変化させる操作手段が操作されている場合には、前記後進用クラッチまたは他の変速用クラッチへの圧油供給をオフすることを特徴とする。
【0035】
第5の発明は、第1又は第2の発明において、
車両の速度が所定のしきい値を超えた場合には、前記後進用クラッチまたは他の変速用クラッチへの圧油供給をオフすることを特徴とする。
【0036】
第6の発明は、第1又は第2の発明において、
前記エンジンの回転数が増加している場合には、前記後進用クラッチまたは他の変速用クラッチへの圧油供給をオフすることを特徴とする。
【0037】
第3乃至第6の発明では、操作手段82Aが操作された場合(例えばアクセルペダル82Aが踏み込まれた場合)、車両の速度が所定のしきい値を超えた場合(例えば下り勾配の路面を走行したことにより車速Vがしきい値Vthを超えた場合)、エンジン10の回転数が増加している場合には、二重係合対象クラッチRのクラッチ油圧が大きくなり、クラッチ焼き付きのおそれがあると判断して、二重係合対象クラッチRへの圧油供給をオフして二重係合を中止する。これによりクラッチの耐久性が向上する。
【0038】
第7の発明は、第1または第2の発明において、
車両は、エンジンと駆動輪との間の駆動軸に対して、副変速機と主変速機とが直列に設けられ、
副変速機内の2以上のクラッチに係合信号を与えること
を特徴とする。
【0039】
第8の発明は、第1または第2の発明において、
車両は、エンジンと駆動輪との間の駆動軸に対して、副変速機と主変速機とが直列に設けられ、
主変速機内の2以上のクラッチに係合信号を与えること
を特徴とする。
【0040】
第9の発明は、
車両の進行方向を切り換える前進用クラッチおよび後進用クラッチがエンジンと駆動輪との間に介在され、さらに前記エンジンと前記前進用クラッチおよび前記後進用クラッチとの間に、トルクコンバータが更に介在され、アクセル操作手段の操作に応じて前記エンジンに供給される燃料の供給量が変化する車両に適用され、前記前進用クラッチに圧油を供給することにより前記前進用クラッチを係合させ、車両を前進方向に進行させるとともに、前記後進用クラッチに圧油を供給することにより前記後進用クラッチを係合させ、車両を後進方向に進行させるようにした車両の速度制御装置において、
前記アクセル操作手段の操作量が零であり、かつ前記前進用クラッチに圧油が供給されている場合に、前記後進用クラッチに対して圧油を供給して、前記トルクコンバータをストール回転状態にするとともに、
車速が、前記トルクコンバータのストール回転状態の範囲内の目標速度になるように当該後進用クラッチに供給される圧油の圧力を制御すること
を特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0042】
図1は、モータグレーダ、ホイールローダなどの建設機械等の作業車両に搭載された速度制御装置1を示している。
【0043】
同図1に示すようにエンジン10と駆動輪60との間にはトルクコンバータ20、副変速機としての方向ギヤトレイン30、主変速機としてのスピードギヤトレイン40、シャフト51、ディファレンシャル50が順に設けられている。
【0044】
トルクコンバータ20と並列にロックアップクラッチ21が設けられている。
副変速機30内には、車両を前進方向に走行させる前進用クラッチFL、車両を後進方向に走行させる後進用クラッチRがそれぞれ設けられている。前進用クラッチFLは、インチングクラッチであり、インチングペダル83Aの操作に応じて半クラッチの係合状態にされ、また解放(係合解除)がされる。
【0045】
前進用クラッチFL、後進用クラッチRにはそれぞれ、圧力制御弁(電磁比例圧力制御弁)31、32としての例えば電子制御モデュレーションバルブ(ECMV)が接続されている。
【0046】
スピードギヤトレイン40内には複数の変速用クラッチつまり車速を第1の車速(1速)にする変速用クラッチ1st、第2の車速(2速)にする変速用クラッチ2nd、第3の車速(3速)にする変速用クラッチ3rd、第4の車速(4速)にする変速用クラッチ4thがそれぞれ設けられている。
【0047】
スピードギアトレイン40には圧力制御弁部41が接続されており、圧力制御弁部41は、スピードギアトレイン40内の各変速用クラッチ1st、2nd、3rd、4thにそれぞれ対応して接続される圧力制御弁(例えばECMV)を有している。
【0048】
上記各圧力制御弁31、32及び圧力制御弁部41の各圧力制御弁は、上記各クラッチFL、R、1st、2nd、3rd、4thの圧油室への供給圧力を制御するものであり、コントローラ70から出力される指令信号(電気指令)によって各々独立して制御される。なお各圧力制御弁には、クラッチの圧油室に圧油が充填されたこと(フィリングが終了したこと)を検出するフィリングセンサが設けられており、フィリングセンサの検出信号はコントローラ70に入力される。
【0049】
ロックアップスイッチ85は、エンジン10から副変速機30への動力をトルクコンバータ20又はロックアップクラッチ21の何れを介して伝達するかを選択するスイッチである。ロックアップスイッチ85によって「T/Cモード」が選択されると、コントローラ70から圧力制御弁33に指令信号が出力され、これにより圧力制御弁33から出力される制御圧油がオフされ、ロックアップクラッチ21の両回転板が解放される。このためエンジン10の動力はトルクコンバータ20を介して副変速機30へ伝達される。またロックアップスイッチ85によって「L/Cモード」が選択されると、コントローラ70から圧力制御弁33に指令信号が出力され、これにより圧力制御弁33から制御圧油がロックアップクラッチ21に出力され、ロックアップクラッチ21の両回転板が係合される。このためエンジン10の動力はロックアップクラッチ21を介して副変速機30へ伝達される。
【0050】
スピードギヤトレイン40の出力側にはシャフト51の回転数Nを検出する回転センサ81が設けられている。シャフト51の回転数Nを検出することにより実際の車速Vが検出される。
【0051】
回転センサ81の検出信号は、後述する「微速走行制御」を実行する際のフィードバック信号としてコントローラ70に入力される。
【0052】
副変速機30の前進用クラッチFLの半クラッチ係合操作および半クラッチ係合解放(係合解除)操作は、インチングペダル83Aによって行われる。インチングペダル83Aの基準位置からの操作量は、ポテンショメータ83で検出され検出信号がコントローラ70に入力される。
【0053】
インチングペダル83Aが戻されており(基準位置にあり)操作量が零のときには、前進用クラッチFLは係合している。インチングペダル20が踏み込まれており操作量が最大のときには、前進用クラッチFLは解放している。
【0054】
アクセルペダル82Aはエンジン10に供給される燃料の噴射量(トルク)を増減する操作ペダルである。アクセルペダル82Aの踏み込み量は、ポテンショメータ82によって検出される。ポテンショメータ82の検出信号はコントローラ70に入力される。
【0055】
シフト操作部84Aは車両の前進、後進、速度段などの変速位置を選択する操作レバーである。シフト操作部84Aの操作位置に応じて、車両の前進走行と後進走行とが切り換えられるとともに、車速が切り換えられる。シフト操作部84Aの操作位置は、シフトポジションセンサ84によって検出される。シフトポジションセンサ84の検出信号はコントローラ70に入力される。
【0056】
コントローラ70は、ポテンショメータ82で検出されたアクセルペダル82Aの操作量、シフトポジションセンサ84で検出された変速位置、ポテンショメータ83で検出されたインチングペダル83Aの操作量、ロックアップスイッチ85の選択位置に基づいて、後述する「微速走行制御」を実行するか否かを判断し、「微速走行制御」を実行すると判断した場合には、回転センサ81で検出されたシャフト51の回転数Nつまり実際の車速Vに基づいて、「微速走行制御」を実行する。
【0057】
コントローラ70は、回転センサ81で検出された回転数Nつまり実際の車速Vをフィードバック量として、二重係合対象クラッチRに対応する圧力制御弁32に対して指令信号を出力する。圧力制御弁32は入力された指令信号に応じた指令油圧Pを生成し、二重係合対象クラッチである後進用回転クラッチRに出力する。
【0058】
次に、本実施形態の「微速走行制御」の処理手順について図2のフローチャートを併せ参照して説明する。
【0059】
なお本実施形態では、車両が前進走行している場合に車両を所望の微小な速度(たとえば1km/h程度)に維持して前進走行させる場合を想定する。
【0060】
以下の説明において、Va1は目標車速の上限値(以下、目標車速上限値という)を示し、Va2は目標速度の下限値(以下、目標車速下限値という)を示し、Prは二重係合対象の後進用クラッチRのクラッチ油圧を示し、△Pr1は後進用クラッチRのクラッチ油圧の制御量(増加量)を示し、△Pr2は後進用クラッチRのクラッチ油圧の制御量(減少量)を示し、Praは後進用クラッチRのクラッチ油圧の上限値(以下、油圧上限値という)を示すものとする。
【0061】
これら目標車速上限値Va1、目標車速下限値Va2、制御量△Pr1、制御量△Pr2、油圧上限値Praを示すデータは、コントローラ70内の記憶部に記憶されている。
【0062】
コントローラ70では、次の4項目(a)、(b)、(c)、(d)から成る制御開始条件が満たされたか否かを逐次判断しており、この制御開始条件が満たされたときに「微速走行制御」を実行する。
【0063】
(a) アクセルペダル82AがOFFであること
これはアクセルペダル82Aが踏み込まれていない状態であり、コントローラ70は、「アクセルペダル82AがOFF」であるか否かをポテンショメータ82より入力される検出信号に基づいて判定する。
【0064】
(b) 前進用クラッチFLが係合し、かつ変速用クラッチ1stが係合して、前進第1速の速度段F1の状態であること
コントローラ70は、「前進第1速F1の状態」であるか否かをシフトポジションセンサ84より入力される検出信号に基づいて判定する。
【0065】
(c) インチングペダル83AがOFF
これはインチングペダル83Aが踏み込まれていない状態であり、コントローラ70は、「インチングペダル83AがOFF」であるか否かをポテンショメータ83より入力される検出信号に基づいて判定する。
【0066】
(d) T/Cモードが選択されていること(ロックアップクラッチ21が解放)これはロックアップスイッチ85でT/Cモードが選択され、これによりロックアップクラッチ21が解放されて、エンジン10の動力がトルクコンバータ20を介して副変速機30へ伝達されている状態である。コントローラ70は、「T/Cモード」であるか否かを、ロックアップスイッチ85より入力される検出信号に基づいて判定する。
【0067】
上記制御開始条件(a)〜(d)の成立を条件として「微速走行制御」を開始するようにしているのは、仮に制御開始条件(a)〜(d)が成立せずして「微速走行制御」を開始しクラッチを二重係合すると、クラッチ、エンジン等に過大な負荷がかかったり、オペレータが手動で操作する意思があるにもかかわらず自動的に車速が一定に維持されてしまうからである。したがってクラッチ、エンジン等に過大な負荷がかからず、オペレータが手動で操作する意思がない場合に限って「微速走行制御」を開始するものとする。
【0068】
しかし制御開始条件(a)〜(d)は一例であり、これらのうち1つあるいは2以上の条件を省略したり、更に他の条件を追加する実施も可能である。
【0069】
コントローラ70は、上記制御開始条件(a)〜(d)が成立しているか否かを判断し(ステップS101)、制御開始条件(a)〜(d)が成立する場合には(ステップS101の判断YES)、微速走行制御を開始する。
【0070】
すなわちアクセルペダル82Aがオフにされることによってエンジン10の回転数が低回転数つまりアイドル回転数にまで低下すると、微速走行制御が開始される。まず既に係合している前進用クラッチFLとは進行方向が異なる後進用クラッチRに圧油を供給して、クラッチを二重係合させる。これによりトルクコンバータ20の入力回転に負荷が加えられ、トルクコンバータ20はストール回転状態(流体すべりの状態)になる。このため副変速機30へ入力される回転数が低下して車速が低下する。
【0071】
コントローラ70は、回転センサ81から入力される検出信号Nに基づいて車両の実際の車速Vを計測する(ステップS102)。
【0072】
そして計測した車速Vに基づいて、車速Vが目標車速範囲Va2〜Va1内に維持されるように、後進用クラッチRのクラッチ油圧Prを制御する。目標車速範囲Va2〜Va1は、トルクコンバータ20がストール回転状態に維持される車速範囲として設定される(ステップS103〜S109)。
【0073】
すなわちコントローラ70は、計測した車速Vが目標速度上限値Va1を超えているか否かを判断し(ステップS103)、車速Vが目標速度上限値Va1を超えている場合には(ステップS103の判断YES)、後進用クラッチRに指令すべき新たな指令信号つまり新たなクラッチ油圧Prを生成する。この場合、実際の車速Vが目標車速範囲Va2〜Va1の上限を超えているので、後進用クラッチRのクラッチ油圧Prを更に増加させて車速を更に低下させるべく、新たなクラッチ油圧Prは、現在のクラッチ油圧Prに制御量△Pr1を加えた値(Pr=Pr+△Pr1)として演算される。そして、この新たなクラッチ油圧Prを得るための指令信号が圧力制御弁32に出力される(ステップS104)。
【0074】
つぎにコントローラ70は、上記演算された新たなクラッチ油圧Prがクラッチ油圧上限値Praに達していないか否かを判断し(ステップS105)、新たなクラッチ油圧Prが上限値Praに達していない場合には(ステップS105の判断YES)、再びステップS101に戻り同様の手順を繰り返す。一方、新たなクラッチ油圧Prが上限値Praに達した場合には(ステップS105の判断NO)、新たなRクラッチ油圧Prをクラッチ油圧上限値Praと定義し直した上で(ステップS106)、再びステップS101に戻り同様の手順を繰り返す。
【0075】
上記ステップS103において、計測した車速Vが目標車速上限値Va1以下の場合には(ステップS103の判断NO)、コントローラ70は、計測した車速Vが目標車速下限値Va2を超えているか否かを判断し(ステップS107)、車速Vが上記目標車速下限値Va2を超えている場合つまり車速Vが目標車速範囲Va2〜Va1内である場合には(ステップS107の判断YES)、後進用クラッチRのクラッチ油圧Prを現在のままとして現在の車速Vを維持させるべく、新たなクラッチ油圧Prは、現在のクラッチ油圧Prとして演算される。そして、この新たなクラッチ油圧Prを得るための指令信号が圧力制御弁32に出力される(ステップS108)。ステップS108の処理が終了すると、再びステップS101に戻り同様の手順が繰り返される。
【0076】
一方、ステップS107において車速Vが目標車速下限値Va2以下の場合には(ステップS107の判断NO)、実際の車速Vが目標車速範囲Va2〜Va1の下限を下回っているので、後進用クラッチRのクラッチ油圧Prを更に減少させて車速を更に上昇させるべく、新たなクラッチ油圧Prは、現在のクラッチ油圧Prから制御量△Pr2を引いた値(Pr=Pr−△Pr2)として演算される。そして、この新たなクラッチ油圧Prを得るための指令信号が圧力制御弁32に出力される(ステップS109)。ステップS109の処理が終了すると、再びステップS101に戻り同様の手順が繰り返される。
【0077】
車速Vと後進用クラッチRに対する制御量の増減の関係は、図3に示される。
すなわち同図3に示すように、車速Vが目標車速範囲Va2〜Va1内である場合には、現在の車速Vを維持すべく後進用クラッチRに対する制御量の増減分は「0」となる。また車速Vが目標車速下限値Va2を下回った場合には、現在の車速Vよりも車速を上昇させるべく後進用クラッチRに対する制御量は「△Pr2」だけ減少する。また車速Vが目標車速上限値Va1を超えた場合には、現在の車速Vよりも車速を低下させるべく後進用クラッチRに対する制御量は「△Pr1」だけ増加する。
【0078】
次に図4を参照して、微速走行制御に伴う各クラッチのクラッチ油圧の変化、車速の変化を説明する。
【0079】
図4(a)は前進用クラッチFLと変速用クラッチ1stのクラッチ油圧Pが時間tに応じて変化する様子を示している。また図4(b)は二重係合対象の後進用クラッチRのクラッチ油圧Prが時間tに応じて変化する様子を示している。また図4(c)は車両の車速Vが時間tに応じて変化する様子を示している。図4(a)、(b)、(c)の横軸の時間tは対応している。
【0080】
シフト操作部84Aによって前進第1速の速度段F1が選択されると、図4(a)に状態(1)として示すように、前進用クラッチFL、変速用クラッチ1stに対する圧油供給が開始される。時間経過に伴い各クラッチFL、1stの圧油室へのフィリングが終了し、フィリング終了後、更にクラッチ油圧が漸増して規定のクラッチ係合圧Pmaxまで上昇する。
【0081】
そこで制御開始条件(a)〜(d)が成立している場合には、時刻t1で、圧力制御弁32に対して指令信号が出力され微速走行制御が開始される。すなわち既に係合している前進用クラッチFLとは進行方向が異なる後進用クラッチRに対して圧油供給が開始され、この結果後進用クラッチRが係合する(図4(b)の状態(2)参照)。これによりクラッチの二重係合が実現される。
【0082】
時刻t1で後進用クラッチRの係合を開始する一方で、圧力制御弁31にも指令信号が出力され、図4(a)に示すように、既に係合されている前進用クラッチFLのクラッチ油圧Pが規定のクラッチ係合圧Pmaxから所定圧Pminまで低下する。このようにクラッチの二重係合時に、既にクラッチ係合が終了しているクラッチFLのクラッチ油圧を規定のクラッチ係合圧Pmaxよりも低くするのは、クラッチ焼き付き等を防止しクラッチの耐久性を向上させるためである。しかし状況に応じて、このクラッチ油圧を低下させる制御を行わない実施も可能である。
【0083】
既に係合している前進用クラッチFとは進行方向が異なる後進用クラッチRが係合(二重係合)することによって、ブレーキ機能が実現される。このため車両は、微速走行制御を実行していないときの車速つまり通常の速度段F1走行時の車速よりも遅い速度(たとえば1km/h)で走行することが可能になる。
【0084】
しかし後進用クラッチRのクラッチ油圧Prの値に応じてブレーキ力が決定されるので、微速走行制御の開始当初においてはクラッチ油圧Prの値も低くブレーキ力も弱いものとなっている。このため車両は、通常の速度段F1走行時の車速よりも遅い車速で走行できるものの車速Vは上昇傾向にある。
【0085】
このためコントローラ70は、回転センサ81から入力される検出信号(回転数N)に基づき実際の車速Vが目標車速範囲内(目標車速下限値Va2から目標車速上限値Va1までの車速)に入るように、二重係合によるブレーキ力を上昇させるべく、後進用クラッチRのクラッチ油圧Prが上昇するように圧力制御弁32に対して指令信号を出力する。これにより後進用クラッチRのクラッチ油圧Prが上昇して、車速Vの上昇が抑制される(図4(b)の状態(3)、図4(c)の時刻t1〜t2参照)。
【0086】
ここで車速Vの上昇が抑制される理由について述べる。
【0087】
速度段F1走行時に前進用クラッチFLとは進行方向の異なる後進用クラッチRのクラッチ油圧Prを上げると、そのクラッチトルク分だけトルクコンバータ20の負荷が増加して、トルクコンバータ20で流体すべりが発生する。この流体すべりが発生すると、副変速機30の入力軸回転数つまりトルクコンバータ20の出力軸回転数が低下して、速度段F1の減速比で車速Vが低下する。
【0088】
ここで本実施形態の微速走行制御と、微速走行制御を実施しないで通常の速度段F1で走行した場合の車速とを対比する。
【0089】
微速走行制御を実施しないで通常の速度段F1で走行した場合には、前進用クラッチFL、変速用クラッチ1stのみが規定のクラッチ係合圧Pmaxで係合されており、図4(c)の一点鎖線110で示すように、時刻t1から時刻t2に達するまでの間に、車速Vは、目標車速範囲Va2〜Va1を大きく超えてしまい、通常の速度段F1走行時の車速に達してしまう。なお一点鎖線110で示す特性は、平坦地、アクセルペダル82AがOFFの状態で想定される最低車速である。
【0090】
これに対して本実施形態の微速走行制御を実施した場合には、図4(c)の実線120で示す特性のごとく、同じ時刻t1から時刻t2間で車速Vは目標車速範囲Va2〜Va1内に収まっており、通常の速度段F1走行時の車速よりも微小な速度で走行できる。
【0091】
時刻t1から時刻t2までの期間(状態(3))は、例えば車両が緩やかな下り勾配の路面を走行した場合に相当する。
【0092】
次に下り勾配に代わって緩やかな上り勾配の路面を車両が走行した場合の制御内容について説明する。
【0093】
車両が時刻t2で上り勾配の路面に達すると、当然に車速Vが低下していく。
【0094】
そこでコントローラ70は、回転センサ81から入力される検出信号(回転数N)に基づき実際の車速Vが目標車速範囲内(目標車速下限値Va2から目標車速上限値Va1までの車速)に入るように、二重係合によるブレーキ力を低下させるべく、後進用クラッチRのクラッチ油圧Prが低下するように圧力制御弁32に対して指令信号を出力する。これにより後進用クラッチRのクラッチ油圧Prが低下して、車速Vの下降が抑制される(図4(b)の状態(4)、図4(c)の時刻t2〜t3参照)。
【0095】
上述したように車両が平坦地や多少の勾配のある路面を走行しているときには、後進用クラッチRのクラッチ油圧Prを相当に高く上昇させずとも、車速Vを目標車速範囲Va2〜Va1内に維持することが可能である。
【0096】
しかしながら車両が急な下り勾配を走行しているときなどには、後進用クラッチRのクラッチ油圧Prを相当に高く上昇させて車速の上昇を抑制する必要がある。このような場合には後進用クラッチRのクラッチ油圧Prが所定のしきい値Pthを超えてしまい、クラッチ焼き付き等のおそれがあり、クラッチの耐久性上好ましくない。そこで、このようにクラッチ油圧Prが所定のしきい値Pthを超えるような場合には、微速走行制御を中止することにする。
【0097】
たとえば車両が時刻t3で急な上り勾配の路面に達すると、当然に車速Vが上昇していく。
【0098】
コントローラ70は、回転センサ81から入力される検出信号(回転数N)に基づき実際の車速Vが目標車速範囲内(目標車速下限値Va2から目標車速上限値Va1までの車速)に入るように、二重係合によるブレーキ力を上昇させるべく、後進用クラッチRのクラッチ油圧Prが上昇するように圧力制御弁32に対して指令信号を出力する。これにより後進用クラッチRのクラッチ油圧Prが上昇して、車速Vの上昇が抑制される(図4(b)の状態(5)、図4(c)の時刻t3〜t4参照)。
【0099】
しかしながら車速の急上昇に伴い、二重係合によるブレーキ力を強めるために後進用クラッチRのクラッチ油圧Prを相当上昇させなければならない。やがて 時刻t4で、車速Vがしきい値Vthを超えてしまうとともに、後進用クラッチRのクラッチ油圧Prがしきい値Pthを超えてしまう。
【0100】
そこでコントローラ70は、時刻t4で車速Vがしきい値Vthを超えたことを判断し、微速走行制御を中止すべく、後進用クラッチRの圧力制御弁32に対して指令信号を出力して、後進用クラッチRのクラッチ油圧Prを零にする(図4(b)の状態(6)、図4(c)の時刻t4参照)。
【0101】
これにより急な下り勾配走行時等におけるクラッチ焼き付き等を防止でき、クラッチの耐久性を向上させることができる。
【0102】
コントローラ70は、時刻t4で微速走行制御を中止すると同時に、圧力制御弁31に対しても指令信号を出力して、前進用クラッチFLのクラッチ油圧Pを、低圧Pminから規定のクラッチ係合圧Pmaxに戻す。これにより車両は、通常の速度段F1走行時の車速で再び走行することができる。
【0103】
なお本実施形態では、車速Vが所定のしきい値Vthを超えた場合に、後進用クラッチRへの圧油供給をオフにして(クラッチの二重係合を中止して)、微速走行制御を中止するようにしているが、これ以外の条件によって後進用クラッチRへの圧油供給をオフにして微速走行制御を中止してもよい。
【0104】
たとえばアクセルペダル82Aが踏み込まれたことを条件として、後進用クラッチRへの圧油供給をオフにして微速走行制御を中止してもよい。
【0105】
またエンジン10の回転数が増加していることを条件として、後進用クラッチRへの圧油供給をオフにして微速走行制御を中止してもよい。
【0106】
このような場合に後進用クラッチRへの圧油供給をオフにして微速走行制御を中止することによって、後進用クラッチRのクラッチ油圧Prが大きくなりこれによりクラッチ焼き付き等が発生することを未然に防止でき、クラッチの耐久性を向上させることができる。
【0107】
なお本実施形態では、インチングペダル83Aを備えインチングを手動で行うことができる車両を想定している。しかし本発明はインチングを手動で行うことを想定していない車両に対しても適用することができる。このような車両の場合、制御開始条件(a)〜(d)のうち(c)の「インチングペダル83AがOFF」の条件が除外されるので、微速走行制御の制御開始条件は(a)、(b)、(d)の成立が条件となる。
【0108】
また本実施形態では、進行方向を異ならせるクラッチを二重係合する場合を想定して説明したが、減速比を異ならせて速度段を切り換え車速を異ならせる変速用クラッチを二重係合することによっても、同様にして微速走行制御を実現し得る。
【0109】
たとえば変速用クラッチ1stが係合して第1の速度段で走行している場合に、減速比の異なる他の変速用クラッチ2ndを係合し、この変速用クラッチ2ndのクラッチ油圧Prを制御することによって車速Vを目標車速範囲Va2〜Va1内に維持してもよい。同様にして変速用クラッチ1st、2nd、3rd、4thのいずれか2つの組み合わせを選択して同様にして二重係合して微速走行制御を行うことができる。
【0110】
また本実施形態ではクラッチを二重係合させる場合を想定しているが、更にクラッチを追加して係合するなど三重係合以上係合させてもよく、この場合も同様にして微速走行制御を行い得る。
【0111】
また本実施形態では、目標車速に一定の幅を持たせてVa2〜Va1の範囲内に収まるように制御しているが、目標車速を一定値となして、この目標値が得られるように車速を制御してもよい。
【0112】
以上の実施形態では図1で示す態様でエンジン10と駆動輪60との間に、複数のクラッチが設けられている場合を想定した。しかし図1の構成は一例である。
【0113】
たとえば図5に示すようにエンジン10と駆動輪60との間の駆動軸に対して、副変速機30′と主変速機40′とが直列に設けられ、副変速機30′は、車速を低速に切り換える変速用クラッチLow、車速を高速に切り換える変速用クラッチHighを備え、主変速機40′は、車速を第1速に切り換える変速用クラッチ1st、車速を第2速に切り換える変速用クラッチ2nd、車速を第3速に切り換える変速用クラッチ3rd、車速を第4速に切り換える変速用クラッチ4th、進行方向を後進方向に切り換える後進用クラッチRearを備えたものにおいて、副変速機30′内の変速用クラッチLow、変速用クラッチHighを同時に係合することにより車速を制御してもよく、主変速機40′内の変速用クラッチ1st、変速用クラッチ2nd、変速用クラッチ3rd、変速用クラッチ4th、後進用クラッチRearの任意の2以上のクラッチの組み合わせを同時に係合して車速を制御してもよい。
【0114】
また本実施形態では、副変速機と主変速機とを設けた車両を想定しているが、本発明としてはこれに限定されることはなく、もちろん1つの変速機のみを設けた車両に対しても適用可能である。
【0115】
以上の本実施形態では油圧クラッチを想定し油圧クラッチに対して油圧信号を与えることによって車速を制御するようにしている。
【0116】
しかし本発明としては電気的に作動するクラッチ、機械的に作動するクラッチ等クラッチの種類は任意である。たとえばクラッチに電気信号を与えることにより車速を制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本実施形態の装置構成を示すブロック図である。
【図2】図2は本実施形態の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は車速と二重係合対象クラッチに対する制御量の増減の関係を説明する図である。
【図4】図4(a)、(b)、(c)は微速走行制御を説明するために用いたグラフである。
【図5】図5は図1とは構成の異なる変速機を例示した図である。
【符号の説明】
10 エンジン
30 副変速機
31、32、41 圧力制御弁
40 スピードギアトレイン
60 駆動輪
70 コントローラ
81 回転センサ、
FL 前進用クラッチ
R 後進用クラッチ
1st 変速用クラッチ
2nd 変速用クラッチ
3rd 変速用クラッチ
4th 変速用クラッチ

Claims (8)

  1. 車両の進行方向を切り換える前進用クラッチおよび後進用クラッチがエンジンと駆動輪との間に介在され、前記前進用クラッチに圧油を供給することにより前記前進用クラッチを係合させ、車両を前進方向に進行させるとともに、前記後進用クラッチに圧油を供給することにより前記後進用クラッチを係合させ、車両を後進方向に進行させるようにした車両の速度制御装置において、
    少なくとも、車両の速度を変化させる操作手段が操作されていないこと、および前記前進用クラッチに圧油が供給され当該前進用クラッチが係合していることを条件に、微速走行制御が開始され、当該微速走行制御が開始されると、既に圧油供給がされている前進用クラッチに対する供給圧油の圧力を一律に低下させるとともに、前記後進用クラッチに対して圧油を供給し始め、二重係合の状態とし、車速が目標速度になるように当該後進用クラッチに供給される圧油の圧力の増減を調整する制御を行うこと
    を特徴とする車両の速度制御装置。
  2. 車両の速度段を切り換える複数の変速用クラッチがエンジンと駆動輪との間に介在され、前記複数の変速用クラッチのうちの何れか一つの変速用クラッチに圧油を供給することにより、車両の速度段を切り換えるようにした車両の速度制御装置において、
    少なくとも、車両の速度を変化させる操作手段が操作されていないこと、および前記複数の変速用クラッチのうちの何れか一つの変速用クラッチに対して圧油が供給され当該何れか一つの変速用クラッチが係合していることを条件に、微速走行制御が開始され、当該微速走行制御が開始されると、既に圧油供給がされている前記何れか一つの変速用クラッチに対する供給圧油の圧力を一律に低下させるとともに、他の変速用クラッチに対して圧油を供給し始め、二重係合の状態とし、車速が目標速度になるように当該他の変速用クラッチに供給される圧油の圧力の増減を調整する制御を行うこと
    を特徴とする車両の速度制御装置。
  3. 車両の速度を変化させる操作手段が操作されている場合には、前記後進用クラッチまたは他の変速用クラッチへの圧油供給をオフすること
    を特徴とする請求項1または2記載の車両の速度制御装置。
  4. 車両の速度が所定のしきい値を超えた場合には、前記後進用クラッチまたは他の変速用クラッチへの圧油供給をオフすること
    を特徴とする請求項1または2記載の車両の速度制御装置。
  5. 前記エンジンの回転数が増加している場合には、前記後進用クラッチまたは他の変速用クラッチへの圧油供給をオフすること
    を特徴とする請求項1または2記載の車両の速度制御装置。
  6. 車両は、エンジンと駆動輪との間の駆動軸に対して、副変速機と主変速機とが直列に設けられ、
    副変速機内の2以上のクラッチに係合信号を与えること
    を特徴とする請求項1または2記載の車両の速度制御装置。
  7. 車両は、エンジンと駆動輪との間の駆動軸に対して、副変速機と主変速機とが直列に設けられ、
    主変速機内の2以上のクラッチに係合信号を与えること
    を特徴とする請求項1または2記載の車両の速度制御装置。
  8. 車両の進行方向を切り換える前進用クラッチおよび後進用クラッチがエンジンと駆動輪との間に介在され、さらに前記エンジンと前記前進用クラッチおよび前記後進用クラッチとの間に、トルクコンバータが更に介在され、アクセル操作手段の操作に応じて前記エンジンに供給される燃料の供給量が変化する車両に適用され、前記前進用クラッチに圧油を供給することにより前記前進用クラッチを係合させ、車両を前進方向に進行させるとともに、前記後進用クラッチに圧油を供給することにより前記後進用クラッチを係合させ、車両を後進方向に進行させるようにした車両の速度制御装置において、
    少なくとも、前記アクセル操作手段の操作量が零であり、かつ前記前進用クラッチに圧油が供給され当該前進用クラッチが係合していることを条件に、微速走行制御が開始され、当該微速走行制御が開始されると、既に圧油供給がされている前進用クラッチに対する供給圧油の圧力を一律に低下させるとともに、前記後進用クラッチに対して圧油を供給し始め、二重係合の状態とし、前記トルクコンバータをストール回転状態にするとともに、車速が前記トルクコンバータのストール回転状態の範囲内の目標速度になるように当該後進用クラッチに供給される圧油の圧力の増減を調整する制御を行うこと
    を特徴とする車両の速度制御装置。
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