JP2000337490A - 作業用車両及びその車速制御方法 - Google Patents

作業用車両及びその車速制御方法

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JP2000337490A
JP2000337490A JP11148745A JP14874599A JP2000337490A JP 2000337490 A JP2000337490 A JP 2000337490A JP 11148745 A JP11148745 A JP 11148745A JP 14874599 A JP14874599 A JP 14874599A JP 2000337490 A JP2000337490 A JP 2000337490A
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JP
Japan
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speed
signal
clutch mechanism
vehicle
control
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JP11148745A
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Tetsuo Kobayashi
哲夫 小林
Kazuhito Nishimaki
一仁 西巻
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡易な構成で、適宜な作業動力と超低速走行と
を安価に得ることのできる作業用車両及びその車速制御
方法を提供すること。 【解決手段】エンジン回転を変速するミッション30と、
ミッション30のクラッチ機構接続力を制御する接続力制
御機構120と、ミッション30の出力側回転数を検出する
出力側回転数検出機構106Aと、ミッション30の速度段位
置を検出する速度段位置検出機構31と、アクセルペダル
107の踏込み角度を検出するアクセルペダル角度検出機
構113と、出力側回転数検出機構106Aの出力側回転数信
号、速度段位置検出機構31の速度段位置信号、及び、ア
クセルペダル角度検出機構113のペダル角度信号から超
低速走行モードか否かを判断し、超低速走行モード時に
は、ミッション出力側回転数が所定の超低速になるよう
に接続力制御機構120の接続力を制御するコントローラ1
00とを具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータグレーダ、
ラフテレンクレーン、パワーショベル、ホイーローダ、
ブルドーザ等の建設機械、あるいは、ダンプトラック、
フォークリフト等の運搬車両などの作業用車両及びその
車速制御方法に係り、特に、その作業時に、例えば、1
〜1.5km/hというような超低速で走行しながら作
業するタイプの作業用車両及びその車速制御方法に関す
る。
【0002】
【背景技術】近年、作業用車両、例えば、モータグレー
ダのような機械においては、各種に組合せ可能なギアト
レイン(歯車列)と複数の油圧(流体圧)駆動クラッチ
とを備えた電子制御式のクラッチ付き歯車内蔵トランス
ミッションが用いられ、このクラッチ付き歯車内蔵トラ
ンスミッションをソレノイド作動弁で制御して各種の作
業を行うものが増加している。
【0003】この際、モータグレーダにおいては、路面
や法面を極めて高精度に仕上げる作業を行う場合があ
る。このような場合、作業の必要上、車速を極めて遅
く、例えば、1.0km/h前後の超低速にしたいとい
う要求がある。一方、作業の必要上、エンジン回転数は
ある程度以上の高速回転にする必要があり、このような
高速回転では、車速も必然的に速くなり、必要な作業を
行いながらの超低速走行を行うことが難しくなる。この
ため、高速回転を維持しながら、車速は遅くしたいと言
う要求がある。
【0004】このような要求を満足するため、従来、可
変容量型トルクコンバータ、すなわち、トルクコンバー
タのインペラ、タービン翼及びステータの3つの翼の姿
勢や形状を高低の車速領域に合わせて自動的に変更でき
るトルクコンバータが多数提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のような可変容量
型トルクコンバータを備えた作業用車両では、超低速走
行と所定の仕上げ作業などを効率的に行うことができ
る。しかしながら、可変容量型トルクコンバータは、そ
の構造が複雑のため、価格が極めて高く、車両自体の価
格を上昇させると云う問題点がある。
【0006】また、近年の環境問題に対する関心の高ま
りから、作業用車両の騒音低減という問題も発生してい
る。すなわち、従来のエンジンにおける定常回転数は、
2,500RPM程度とされており、かつ、ローアイド
ル時の回転数は、800RPM程度とされている。
【0007】これに対し、騒音低減の立場からは、定常
回転数が2,000RPM程度で、かつ、ローアイドル
時の回転数が800RPM程度を要求される。このこと
は、前述のような超低速走行を生成する上で、次のよう
な新たな問題を提起する。
【0008】すなわち、従来の定常回転数における前進
1速の車速を、例えば、3.45km/hに設定したす
ると、ローアイドル時の車速は、1.1(=3.45×
800/2,500)km/hとなり、仕上げ作業が可
能な超低速走行となる。
【0009】これに対して、トランスミッションの構成
を変更せずに、定常回転数を2,000RPMに設定し
たとすると、このときのローアイドル時の車速は、1.
38(=3.45×800/2,000)km/hとな
る。しかしながら、この1.38km/hと云う車速で
は、モータグレーダの仕上げ作業には速すぎることとな
る。
【0010】このため、エンジンの定常回転数を低下さ
せた上で、超低速走行も行える簡易な構成の作業用車両
が望まれている。
【0011】本発明の目的は、簡易な構成で、適宜な作
業動力と超低速走行とを安価に得ることのできる作業用
車両及びその車速制御方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、超低速走行か
否かをコントローラで判断してトランスミッションにお
けるクラッチ機構の接続力を制御することにより、前記
目的を達成しようとするものである。
【0013】具体的には、請求項1に記載の発明は、エ
ンジンと、このエンジンの回転を複数段の速度比に変換
する複数のクラッチ機構と歯車列とを有するクラッチ付
き歯車内蔵トランスミッションと、このトランスミッシ
ョンのクラッチ機構における接続力を制御する接続力制
御機構と、トランスミッションの出力側の回転数を検出
して出力側回転数信号を出力する出力側回転数検出機構
と、トランスミッションの速度段位置を検出して速度段
位置信号を出力する速度段位置検出機構と、エンジンの
回転を上昇させるために操作されるアクセルペダルと、
このアクセルペダルの踏込み角度を検出してアクセルペ
ダル角度信号を出力するアクセルペダル角度検出機構
と、出力側回転数検出機構の出力側回転数信号、速度段
位置検出機構の速度段位置信号、及び、アクセルペダル
角度検出機構のアクセルペダル角度信号を入力され、こ
れらの出力側回転数信号、速度段位置信号及びアクセル
ペダル角度信号から超低速走行モードか否かを判断し、
超低速走行モードの時には、トランスミッションにおけ
る出力側回転数が所定の超低速な値になるように接続力
制御機構に接続力制御信号を出力するトランスミッショ
ンコントローラとを具備した作業用車両である。
【0014】この発明によれば、コントローラからの制
御信号で、トランスミッションのクラッチ機構の接続力
を、接続力制御機構を介して制御するようにしたから、
簡易な構成で超低速走行を得ることができる。この発明
において、速度段位置と云う言葉は、前進、後進の方向
も含む概念として使用している。
【0015】請求項2の発明は、請求項1に記載の作業
用車両において、コントローラが、出力側回転数信号か
ら求められる車速が超低速の目標速度、例えば、1.0
km/hより大きい所定速度、例えば、2.0km/h
あるいは1.8km/hなどよりも小さく、アクセルペ
ダル角度信号が待機状態であり、かつ、速度段位置信号
が所定の低速度段位置にあるとき、超低速走行モードと
判断する超低速走行モード判断機能と、この超低速走行
モード判断機能により超低速走行モードと判断されたと
き、超低速走行モードで設定された車速になるように接
続力制御機構に接続力制御信号を出力する制御信号発信
機能とを備えている作業用車両である。
【0016】この発明によれば、コントローラにおける
簡単な演算で、クラッチ機構の滑りを制御することがで
き、必要な超低速走行を得ることができる。
【0017】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載の作業用車両において、接続力制御機構が、ト
ランスミッションの複数のクラッチ機構のうち、制御さ
れる所定のクラッチ機構に連結され、コントローラから
の接続力制御信号に応じて当該クラッチ機構への作動流
体量を制御する電子制御調整弁(ECMV)である作業
用車両である。この発明によれば、クラッチ機構への作
動流体量の制御を、精密な制御が可能な電子制御調整弁
(ECMV)で行うことができる。
【0018】請求項4の発明は、請求項3に記載の作業
用車両において、電子制御調整弁が、コントローラから
の接続力制御信号を受けるとともにこの信号に応じた流
体圧に変換する圧力制御弁と、この圧力制御弁からの油
圧信号により作動する流量検出弁とを備えて構成された
作業用車両である。この発明によれば、より精密な制御
ができる。
【0019】請求項5の発明は、請求項1ないし請求項
4のいずれかに記載の作業用車両において、クラッチ付
き歯車内蔵トランスミッションが、複数の方向切換クラ
ッチ機構と、複数の速度切換クラッチ機構とを備えて構
成され、かつ、接続力制御機構からの接続力制御信号に
応じて超低速を生成させるためにクラッチ接続力を制御
されるクラッチ機構は、方向切換クラッチ機構である作
業用車両である。一般に、滑りを生じさせるクラッチ機
構は、発熱量が大きいため、十分な冷却手段が必要であ
るが、この発明によれば、比較的数の少ない方向切換ク
ラッチ機構のみに、冷却力の大きい冷却手段を考えれば
よく、製造コストを安価にできる。
【0020】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
5のいずれかに記載の作業用車両において、コントロー
ラが、出力側回転数が所定の偏差内に収まるような制御
機能を有するように構成された作業用車両である。この
発明によれば、制御がある幅を持って行われるから、制
御時にハンチングを生じることがない。
【0021】請求項7の発明は、エンジンと、このエン
ジンの回転を複数段の速度比に変換する複数のクラッチ
機構と歯車列とを有するクラッチ付き歯車内蔵トランス
ミッションと、このトランスミッションのクラッチ機構
における接続力を制御する接続力制御機構と、車両速度
を通常走行モードと超低速走行モードとに切換え設定で
きるとともに、走行モード信号を出力する速度モード設
定機構と、この速度モード設定機構から走行モード信号
を入力され、この走行モード信号が超低速走行モードの
時には、トランスミッションにおける出力側回転数が所
定の超低速な値になるように接続力制御機構に接続力制
御信号を出力するトランスミッションコントローラとを
具備した作業用車両である。この発明によれば、速度モ
ード設定機構により、速度モードを適宜に変更できる。
【0022】請求項8の発明は、エンジンと、このエン
ジンの回転を複数段の速度比に変換する複数のクラッチ
機構と歯車列とを有するクラッチ付き歯車内蔵トランス
ミッションと、このトランスミッションのクラッチ機構
における接続力を制御する接続力制御機構と、エンジン
の回転を上昇させるために操作されるアクセルペダル
と、トランスミッションの出力側の回転数を検出して出
力側回転数信号を出力する出力側回転数検出機構と、ト
ランスミッションの速度段位置を検出して速度段位置信
号を出力する速度段位置検出機構と、アクセルペダルの
踏込み角度を検出してアクセルペダル角度信号を出力す
るアクセルペダル角度検出機構と、出力側回転数検出機
構の出力側回転数信号、速度段位置検出機構の速度段位
置信号、及び、アクセルペダル角度検出機構のアクセル
ペダル角度信号を入力され、これらの出力側回転数信
号、速度段位置信号及びアクセルペダル角度信号から超
低速走行モードか否かを判断し、超低速走行モードの時
には、トランスミッションにおける出力側回転数が所定
の超低速な値になるように接続力制御機構に接続力制御
信号を出力するトランスミッションコントローラと、を
具備した作業用車両であって、トランスミッションのク
ラッチ機構と歯車列とは、複数の方向切換クラッチ機構
と、複数の速度切換クラッチ機構として構成され、か
つ、方向切換クラッチ機構は前進低速クラッチ機構と後
進クラッチ機構として構成され、コントローラによる超
低速走行モードの時の制御は、方向切換クラッチ機構の
うちの前進低速クラッチ機構もしくは後進クラッチ機構
の何れかの駆動側クラッチ機構及びその逆方向のクラッ
チ機構の両者に所定の作動流体圧力を供給して制御する
作業用車両の車速制御方法である。
【0023】この発明によれば、制御すべき方向切換ク
ラッチ機構における前進低速クラッチ機構もしくは後進
クラッチ機構の何れかの駆動側クラッチ機構及びその逆
方向のクラッチ機構の両者に所定の作動流体圧力を供給
して制御するようにしたため、両クラッチ機構のバラン
スで速度制御を行うことができ、超低速走行を簡易に創
出できるという効果を奏することができる。
【0024】請求項9の発明は、請求項8に記載の作業
用車両の車速制御方法において、コントローラによる超
低速走行モードの時の制御が、 車速が制御目標値または制御目標値に所定の幅を持た
せた偏差内にある時は、両クラッチ機構共に低い第一段
階の作動流体圧力を供給し、 車速が制御目標値または制御目標値に所定の幅を持た
せた偏差内よりも速い場合は、駆動側のクラッチ機構に
は低い第一段階の作動流体圧力の供給を維持し、一方、
駆動側とは逆方向のクラッチ機構には作動流体圧力を増
加させてブレーキ力として作用させ、 車速が制御目標値または制御目標値に所定の幅を持た
せた偏差内よりも遅い場合は、駆動側とは逆方向のクラ
ッチ機構には低い第一段階の作動流体圧力の供給を維持
し、一方、駆動側のクラッチ機構には作動流体圧力を増
加させて増速力として作用させる、ことを特徴とする作
業用車両の車速制御方法である。
【0025】この発明によれば、超低速走行をより精密
に創出することができる。
【0026】請求項10の発明は、請求項8に記載の作
業用車両の車速制御方法において、前記コントローラに
よる超低速走行モードの時の制御は、 車速が制御目標値より大きい所定値以下になったとき
は、駆動側クラッチ機構に滑りを生じさせる低い作動流
体圧力を供給するとともに、 車速が制御目標値に対し所定の幅以上に高速あるいは
低速の場合には、駆動側とは逆方向のクラッチ機構に、
一定サイクルごとに所定幅の作動流体圧力を増加あるい
は減少させてブレーキ力を適宜な値として作用させ、か
つ、超低速走行モードから通常走行モードに戻るとき
は、前記超低速走行モードに入るときの前記制御目標値
より大きい所定値よりのさらに大きな所定値以上になっ
たときに、通常走行モードに移行させる、ことを特徴と
する作業用車両の車速制御方法である。
【0027】この発明によれば、超低速走行をより一層
精密に創出することができる。
【0028】請求項11の発明は、請求項8に記載の作
業用車両の車速制御方法において、前記コントローラに
よる超低速走行モードの時の制御は、 車速が制御目標値より大きい所定値以下になったとき
は、駆動側クラッチ機構に滑りを生じさせる低い作動流
体圧力を供給するとともに、 車速が制御目標値に対し所定の幅以上に高速あるいは
低速の場合には、駆動側とは逆方向のクラッチ機構に、
実車速と目標車速との偏差に見合った作動流体圧力を増
加あるいは減少させてブレーキ力を適宜な値として作用
させ、かつ、超低速走行モードから通常走行モードに戻
るときは、前記超低速走行モードに入るときの前記制御
目標値より大きい所定値よりのさらに大きな所定値以上
になったときに、通常走行モードに移行させる、ことを
特徴とする作業用車両の車速制御方法である。
【0029】この発明によれば、超低速走行をより一層
精密に創出することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は、本実施形態にかかる作
業用車両の要部の概略構成を示すものである。エンジン
10には、一般のエンジンと同様に、図示しない吸気
管、排気管、燃料噴射装置等が連結されるとともに、エ
ンジン10の出力軸には、ロックアップ機構付きトルク
コンバータ(トルコン)70が接続されている。
【0031】ロックアップ機構付きトルクコンバータ
(トルコン)70は、一般市販のものと同等構造のもの
で、このトルコン70の出力側には、エンジン10の回
転を複数段の速度比に変換して後方に伝達するクラッチ
付き歯車内蔵で、電子制御式の多段変速トランスミッシ
ョン30が接続されている。これにより、エンジン10
の出力は、トルコン70を介してトランスミッション3
0側に伝達されるようになっている。
【0032】トランスミッション30は、エンジン10
の出力回転を複数の速度段、例えば、前進1速から8速
の8段、後進1速から4速の4段、計12速に変速して
車輪、装軌などの走行手段85に伝達するもので、複
数、本実施形態では前進低速(FL)、前進高速(F
H)、後進(R)の3段の方向切換クラッチ機構35
(35A,35B,35C)と、同じく、複数、本実施
形態では1速から4速の4段の速度切換クラッチ機構3
6(36A,36B,36C,36D)とを備え、か
つ、これらのクラッチ機構35,36間に適宜に設けら
れた歯車列を備えており、一般市販のものと同等構造の
ものである。これにより、各方向切換クラッチ機構35
の何れかと速度切換クラッチ機構36の何れかとを連結
することで、前述の前進8段、後進4段の速度段位置が
得られるようになっている。
【0033】より具体的には、方向切換クラッチ機構3
5のうちの前進低速クラッチ機構FL(35A)と速度
切換クラッチ機構36の1段から4段(36A,36
B,36C,36D)のいずれかとを連結することによ
り、前進の1速、3速、5速、7速の速度段位置が得ら
れ、前進高速クラッチ機構FH(35B)と速度切換ク
ラッチ機構36の1段から4段のいずれかとを連結する
ことにより、前進の2速、4速、6速、8速の速度段位
置が得られ、さらに、後進クラッチ機構R(35C)と
速度切換クラッチ機構36の1段から4段のいずれかと
を連結することにより、後進の1速、2速、3速、4速
の速度段位置が得られるようになっている。
【0034】トランスミッション30は、第1から第3
の3本のシャフト37,38,39を有している。これ
らのシャフトの内、最下流、すなわち、車輪、装軌など
の走行手段85側の第3のシャフト39に近接して、こ
の第3のシャフト39の回転数を検出してトランスミッ
ションコントローラ100に出力側回転数信号N2とし
て出力する出力側回転数検出機構106Aが設けられて
いる。この回転数検出機構106Aには、例えば、磁気
的、光学的、その他の回転センサが用いられる。
【0035】なお、実施にあたり、出力側回転数検出機
構106Aは、方向切換クラッチ機構35と速度切換ク
ラッチ機構36との中間に設けられた第2シャフト38
に近接して設け、この第2シャフト38の回転数を検出
してコントローラ100に出力側回転数信号N2として
出力するものであってもよい。
【0036】トランスミッション30の速度段位置は、
速度段位置検出機構(速度段位置信号発生機構)31に
より検出されるようになっている。この速度段位置検出
機構31は、トランスミッション30がどの速度段に選
択されているかを、例えば、作業用車両の運転席110
などに設けられたシフトレバー111の位置を検出器1
12により検出する機構であり、コントローラ100に
速度段位置信号(TS)を出力するようになっている。
【0037】運転席110には、エンジン10の回転を
上昇させるために操作されるアクセルペダル107が設
けられている。このアクセルペダル107には、リンク
機構108を介してポテンショメータなどから構成され
る角度センサ109が連結され、これらのリンク機構1
08と角度センサ109とによりアクセルペダル角度検
出機構113が構成されている。このアクセルペダル角
度検出機構113は、アクセルペダル107の踏込み角
度を検出してアクセルペダル角度信号βをコントローラ
100に出力するようにされている。
【0038】また、運転席110には、必要に応じて、
速度モード設定機構119が設けられる。この速度モー
ド設定機構119は、車両速度(車速)を通常走行モー
ドと超低速走行モードに切換設定できるとともに、ダイ
アル、切換スイッチ等から構成され、コントローラ10
0に走行モード信号OMを出力するようになっている。
【0039】コントローラ100には、上述のように、
速度段位置検出機構31からの速度段位置信号TS、出
力側回転数検出機構106Aからの出力側回転数信号N
2、及び、アクセルペダル角度検出機構113からのア
クセルペダル角度信号βが、並びに、速度モード設定機
構119が設けられた場合には、速度モード設定機構1
19からの走行モード信号OMが、それぞれ入力されて
いる。
【0040】また、これらの信号を入力されるコントロ
ーラ100は、出力側回転数信号N2から演算される車
速V、アクセルペダル角度信号β及び速度段位置信号T
Sから、あるいは、走行モード信号OMから、超低速走
行モードか否かを判断する超低速走行モード判定機能1
04と、この超低速走行モード判定機能104により超
低速走行モードが判定された時には、トランスミッショ
ン30における出力側回転数が所定の超低速な値になる
ように後述する接続力制御機構120に接続力制御信号
CSを出力する制御信号発信機能103とを備えてい
る。コントローラ100は、CPU、ROM、RAMな
どを有し、一種のコンピュータとして機能し、前述の各
機能、その他の機能を発揮できるようになっている。
【0041】接続力制御機構120は、複数の電子制御
調整弁(ECMV=Electronic Control Moduration Va
lve)121により構成され、各電子制御調整弁121
は、多段変速トランスミッション30の各クラッチ機構
35,36の所定のものにそれぞれ接続されている。
【0042】図2には、トルコン70、トランスミッシ
ョン30及び接続力制御機構120を含む油圧(流体
圧)回路が示されている。この図において、複数の同一
構成の電子制御調整弁121は、一部のみを具体的に示
し、他は省略図で示してある。
【0043】図2において、接続力制御機構120の電
子制御調整弁121は、トランスミッション30のクラ
ッチ機構数だけ、本実施形態では7台、設けられてい
る。ここにおいて、7台の電子制御調整弁121の各々
を区別するときは、電子制御調整弁の符号121にAな
いしGの符号を付加することとする。また、トランスミ
ッション30の方向切換クラッチ機構35及び速度切換
クラッチ機構36の各々を区別するときは、方向切換ク
ラッチ機構の符号35にAないしCの符号を付加し、速
度切換クラッチ機構の符号36にAないしDの符号を付
加することとする。
【0044】図2において、流体としての油を収納され
たタンク131には、ストレーナ132が挿入され、こ
のストレーナ132にはポンプ133が接続され、この
ポンプ133によりメイン管路134に所定圧力、流量
の圧油が供給されている。このメイン管路134には、
オイルフィルタ135が設けられるとともに、その先端
は2つに分岐されている。分岐された一方の管路136
には、トルコン70のロックアップ機構用油圧機器が接
続され、他方の管路137には、オイルフィルタ138
を介してトランスミッション30の制御用の接続力制御
機構120が接続されている。
【0045】管路136に接続されたロックアップ機構
用油圧機器は、パイロット式の4ポート2位置切換弁か
らなるロックアップバルブ141と、このロックアップ
バルブ141の下流側に接続されたロックアップクラッ
チ機構142と、ロックアップバルブ141にパイロッ
ト圧を供給するとともにソレノイド作動される3ポート
2位置切換弁からなるロックアップソレノイドバルブ1
43とを備えて構成されている。
【0046】この際、ロックアップソレノイドバルブ1
43のソレノイドに電気信号が入力されない状態では、
ロックアップソレノイドバルブ143は、ばね力により
図示の位置にあり、ロックアップソレノイドバルブ14
3を介してロックアップバルブ141にパイロット圧が
加わり、ロックアップバルブ141はばね力に抗して図
示の位置、すなわち、管路136を遮断した状態にあ
る。このため、管路136の油圧は、ロックアップクラ
ッチ機構142には伝達されず、かつ、ロックアップク
ラッチ機構142内の油圧は、ロックアップバルブ14
1を介してタンク131に流出されているので、トルコ
ン70はロックアップされていない。
【0047】一方、ロックアップソレノイドバルブ14
3のソレノイドに電気信号が入力されると、ロックアッ
プソレノイドバルブ143は、ばね力に抗して図中左方
に移動される。これにより、ロックアップバルブ141
に作用していたパイロット圧は、ロックアップソレノイ
ドバルブ143を介してタンク131に流出するため、
ロックアップバルブ141は、ばね力により図中上方に
移動される。これにより、管路136の油圧は、ロック
アップバルブ141を介してロックアップクラッチ機構
142に供給され、トルコン70のロックアップがなさ
れることとなる。
【0048】接続力制御機構120側に接続される管路
137の途中には、機器潤滑用管路139が分岐され、
この管路139は、メインリリーフバルブ144を介し
てトルコン潤滑路145に接続され、さらに、オイルク
ーラ146を介してトランスミッション潤滑路147に
接続された後、タンク131に開放されている。また、
管路139のメインリリーフバルブ144とトルコン潤
滑路145との間にはトルコンリリーフバルブ148が
設けられるとともに、管路139のオイルクーラ146
とトランスミッション潤滑路147との間にはトランス
ミッション潤滑用リリーフバルブ149が設けられてい
る。
【0049】トルコン潤滑路145は、トルコン70の
ボデー本体内に設けられた流路で、トルコン70内に導
入されたオイルでトルコン70を潤滑する流路である。
また、トランスミッション潤滑路147は、トランスミ
ッション30のボデー本体内に設けられた流路で、トラ
ンスミッション30内に導入されたオイルでトランスミ
ッション30を潤滑する流路である。
【0050】電子制御調整弁121は、比例ソレノイド
122を有する4ポート2位置切換弁からなる圧力制御
弁(比例制御弁)123と、パイロット式の3ポート2
位置切換弁からなる流量検出弁124を備えて構成され
ている。圧力制御弁123は、コントローラ100から
送られてきた接続力制御信号CSを比例ソレノイド12
2が受け、接続力制御信号CSの電流値の大きさに応じ
た油圧に変換するバルブである。
【0051】流量検出弁124は、圧力制御弁123か
らのパイロット油圧による油圧信号(トリガ)によって
作動するバルブで、次の3つの機能がある。 1)トランスミッション30の方向切換クラッチ機構3
5、速度切換クラッチ機構36にオイル(油)が充満す
るまで弁(バルブ)を開き、方向切換クラッチ機構3
5、速度切換クラッチ機構36へのオイル充填時間(フ
ィリングタイム)を短縮する。 2)方向切換クラッチ機構35、速度切換クラッチ機構
36にオイルが充満したと同時に、弁を閉じるとともに
コントローラ100へ信号(フィル信号)を出力し、充
填終了を伝える。 3)方向切換クラッチ機構35、速度切換クラッチ機構
36に油圧がかかっている間は、コントローラ100へ
フィル信号を出力し、油圧の有無を伝える。
【0052】図2において、接続力制御機構120を構
成する各電子制御調整弁121は、トランスミッション
30の各クラッチ機構35,36にそれぞれ接続されて
いる。具体的には、電子制御調整弁121Aは方向切換
クラッチ機構35の前進低速クラッチ機構FL(35
A)に、電子制御調整弁121Bは方向切換クラッチ機
構35の前進高速クラッチ機構FH(35B)に、電子
制御調整弁121Cは方向切換クラッチ機構35の後進
クラッチ機構R(35C)に、電子制御調整弁121D
は速度切換クラッチ機構36の1段クラッチ機構36A
に、電子制御調整弁121Eは速度切換クラッチ機構3
6の2段クラッチ機構36Bに、電子制御調整弁121
Fは速度切換クラッチ機構36の3段クラッチ機構36
Cに、電子制御調整弁121Gは速度切換クラッチ機構
36の4段クラッチ機構36Dに、それぞれ接続されて
いる。なお、各方向切換クラッチ機構35、速度切換ク
ラッチ機構36は、クラッチを切り離すための駆動源に
ばねを用いた構造を図示してあるが、本発明は必ずしも
これに限定されるものではなく、図2中、前進低速クラ
ッチ機構FL(35A)の位置に想像線(2点鎖線)3
3で示すように、パイロット圧で作動する回転クラッチ
式の構造でもよい。
【0053】このように構成された本実施形態の作用
を、図3、図5のグラフ及び図4のフローチャートをも
参照して説明する。
【0054】図1,2において、作業用車両の作業開始
にあたり、エンジン10が駆動されるとともに、シフト
レバー111により前進の1速が選択されると、速度段
位置検出機構31から速度段位置信号TSがコントロー
ラ100の送られ、このコントローラ100から接続力
制御機構120に接続力制御信号CSが送られる。この
接続力制御信号CSにより接続力制御機構120の電子
制御調整弁121は、トランスミッション30における
方向切換クラッチ機構35の前進低速クラッチ機構FL
(35A)と速度切換クラッチ機構36の1段クラッチ
機構36Aが接続されるように作動され、作業用車両が
始動することとなる。
【0055】この際、ロックアップソレノイドバルブ1
43にはロックアップ信号が入力されないため、トルコ
ン70はロックアップされるがことなく、通常のトルコ
ンとして機能する。なお、本発明では、トルコン70の
ロックアップ動作は関係がないため、以下その説明を省
略するが、ロックアップ動作が高速走行時などに行われ
るのは、一般の場合と同様である。
【0056】コントローラ100から接続力制御信号C
Sを送られた電子制御調整弁121は、図2に示される
比例ソレノイド122にその信号が入力され、圧力制御
弁123がばね力に抗してその信号の電流量に応じて左
方に移動する。これにより、ポンプ133からメイン管
路134、管路137を介して供給されている油圧は、
圧力制御弁123を介して流量検出弁124に流入し、
さらに、前進低速クラッチ機構FL(35A)、及び、
速度切換クラッチ機構36の1段クラッチ機構36Aに
供給される。
【0057】その後、シフトレバー111により、順次
シフトアップされ、所要の作業に見合った速度段位置に
シフトレバー111がセットされる。例えば、前進3速
で作業する場合は、方向切換クラッチ機構35の前進低
速クラッチ機構FL(35A)と速度切換クラッチ機構
36の2段クラッチ機構36Bが接続される。
【0058】以下、適宜にシフトアップして、所定の作
業を行うこととなる。この際、シフトアップに伴う速度
段位置信号TSにより、コントローラ100から接続力
制御信号CSが接続力制御機構120の当該速度段位置
に対応する電子制御調整弁121AないしGへ出力さ
れ、トランスミッション30がその速度段位置に設定さ
れる。
【0059】次に、作業のためのパワーを維持しなが
ら、車速を低下させ、超低速走行モードに移行したいと
きには、シフトレバー111を所定の低速度段以下、本
実施形態では、前進1速か2速、あるいは、後進1速に
セットする。また、アクセルペダル107の踏込みを解
除するとともに、図示しないブレーキを適宜に踏み、超
低速走行モードで設定される目標速度(車速)VL、例
えば、1.0km/hより大きく、かつ、比較的低い所
定速度VS、例えば、2.0km/hより小さな車速V
になるようにする。
【0060】このアクセルペダル107の踏込みの解除
により、アクセルペダル角度検出機構113の角度セン
サ109からアクセルペダル角度信号β、具体的には、
踏込みが解除され、アクセルペダル待機状態にあること
を示す信号がコントローラ100に出力される。この
際、アクセルペダル待機状態とは、足がアクセルペダル
107から離れ、アクセルペダル107が全く踏みこま
れていない状態のみならず、足がアクセルペダル107
に載せられているだけで、踏み込むには至らない状態も
含むものである。
【0061】また、速度段位置検出機構31からは、速
度段位置信号TS、すなわち、シフトレバー111が所
定の低速度段以下、本実施形態では、前進1速(F1)
か2速(F2)、あるいは、後進1速(R1)にセット
されている信号がコントローラ100に出力される。
【0062】さらに、実際の車速VAが出力側回転数信
号N2からコントローラ100で演算されるとともに、
この実際の車速VAが前述の所定速度VSより小さくな
ったか否かが、コントローラ100で判断される。
【0063】ここにおいて、速度段位置が前進1速(F
1)か2速(F2)、あるいは、後進1速(R1)にセ
ットされている状態で、実際の車速VAが前述の所定速
度VS(2.0km/h)より小さく、かつ、アクセル
ペダル107が待機状態にあるという信号がコントロー
ラ100に入力されると、超低速走行モード判定機能1
04により超低速走行モードと判定され、接続力制御機
構120へ超低速走行モードである旨の接続力制御信号
CSが制御信号発生機能103によって出力される。
【0064】このコントローラ100からの接続力制御
信号CSにより、接続力制御機構120の電子制御調整
弁121へ出力されている電流値が下げられることとな
る。この電流値の低下に伴い、方向切換クラッチ機構3
5Aへの作動油圧力(作動流体圧力)が減少されてクラ
ッチ接続力が低下し、方向切換クラッチ機構35Aに滑
りが生じ、車速が低下することとなる。
【0065】以上の方向切換クラッチ機構35Aの作動
油圧力と、電子制御調整弁121の比例ソレノイド12
2への供給電流値との関係を示すのが、図3である。図
3において、横軸は比例ソレノイド122への供給電流
値を表し、縦軸は方向切換クラッチ機構35Aの作動油
圧力を表している。この図3における具体的な数値は、
理解を容易にするために記載した数値であり、実際に
は、作業車両ごとに異なるため、所定の作業用車両で実
験により求めるものである。
【0066】作業用車両は、方向切換クラッチ機構35
Aの作動油圧力がある程度以上にならないと動き出さな
いが、この動き出そうとする時の車速V(=0km/
h)に対応する方向切換クラッチ機構35Aの作動油圧
力が、図3に示す初期圧であり、この時の比例ソレノイ
ド122の電流値500mAが初期値である。
【0067】一方、図3において、方向切換クラッチ機
構35Aが完全に接続された状態の作動油圧力が保持圧
であり、このときの電流値が900mAまたはそれ以上
であって、車速Vは、例えば、前進1速では1.38k
m/h、後進1速では1.7km/hとされている。こ
の際、前進と後進とで車速が異なるのは、前進と後進と
では、トランスミッション30の減速比が異なるからで
ある。
【0068】従って、方向切換クラッチ機構35Aの作
動油圧力においては、前述の初期圧は、方向切換クラッ
チ機構35Aがまだ車両が動き出すまでの力では繋がっ
ていない状態を表し、保持圧は、完全に繋がった状態を
表しているから、この中間の圧力では、方向切換クラッ
チ機構35Aは、一部滑りを生じながら繋がっており、
保持圧による車速よりは低い車速で走行している状態と
なる。
【0069】そこで、方向切換クラッチ機構35Aの作
動油圧力が中間の低い圧力になるように比例ソレノイド
122に供給する電流値を設定すれば、超低速走行に適
した所望の車速Vを得られることが分かる。図3におい
て、縦軸における作動油圧力Aが前進低速である前進1
速(F1)にシフトされたときの目標車速VLF(=1
km/h)得るための作動油圧力、Bが後進低速である
後進1速(R1)にシフトされたときの目標車速VLR
(=1km/h)得るための作動油圧力を示し、その時
の電流値790mA及び635mAが超低速走行すると
きに比例ソレノイド122に供給すべき電流値である。
【0070】図4のフローチャートは、前述のアクセル
ペダル角度信号β、速度段位置信号TS及び出力側回転
数信号N2が入力されるコントローラ100の制御の手
順を表している。図4において、制御が開始されると、
コントローラ100では、ステップ211において、ア
クセルペダル角度信号β、速度段位置信号TS、及び、
トランスミッション30の出力側回転数信号N2が一定
時間毎に読み込まれて更新される。
【0071】次いで、ステップ212において、アクセ
ルペダル角度信号β、速度段位置信号TS及び出力側回
転数信号N2から、速度段位置が低速度段位置、すなわ
ち、前進1速F1または2速F2、あるいは、後進1速
R1で、アクセルペダル107が操作されていない待機
状態、かつ、出力側回転数信号N2から演算される車速
Vが所定速度VS(目標車速VLFまたはVLRより大
きくて比較的低速の速度に予め設定されている速度)、
例えば、2km/h以下であるか否かが判断される。
【0072】次に、ステップ213において、出力側回
転数信号N2から実際の車速(実車速)VAが求められ
たのち、ステップ214において、この実車速VAが、
目標車速VLFまたはVLR(以下、両者をVLで代表
して示す)に所定の速度幅vを加算もしくは減算した値
(VL±v)の範囲内か否かが判断される。この際、本
実施形態では、VLは1km/h、vは0.1km/h
とされており、前述の値(VL±v)=(1±0.1k
m/h)が予め設定されている偏差(不感帯)とされて
いる。
【0073】実車速VAが所定偏差内であれば、ステッ
プ215において、制御している方向切換クラッチ機構
35の制御用圧力制御弁123における比例ソレノイド
122への供給電流が現在の指示値のまま継続され、再
びステップ211に戻ってステップ212以下のステッ
プが繰り返される。
【0074】一方、実車速VAが予め設定されている偏
差から外れている場合であって、(VLーv)よりもさ
らに小さい場合は、ステップ216で、制御している方
向切換クラッチ機構35の制御用圧力制御弁123にお
ける比例ソレノイド122への供給電流が現在の指示値
に、予め設定されている補正マップの補正値を加算して
指示され、再びステップ211に戻ってステップ212
以下のステップが繰り返される。
【0075】一方、実車速VAが予め設定されている偏
差から外れている場合であって、(VL+v)よりもさ
らに大きい場合は、ステップ217で、制御している方
向切換クラッチ機構35の制御用圧力制御弁123にお
ける比例ソレノイド122への供給電流が現在の指示値
に、予め設定されている補正マップの補正値を減算して
指示される。
【0076】次いで、ステップ218で、指示電流値I
が平地における動き出し電流値(初期値)ISより小さ
いかか否かが判断される。指示電流値Iが、初期値IS
より小さくないときは、ステップ219において、再
度、比例ソレノイド122への供給電流が現在の指示値
に、予め設定されている補正マップの補正値を減算して
指示された後、再びステップ211に戻ってステップ2
12以下のステップが繰り返される。
【0077】また、指示電流値Iが、初期値ISより小
さくなったときは、ステップ220において、駆動され
ている方向切換クラッチ機構35とは逆側のクラッチ機
構、すなわち、前進側が駆動されているときは後進側、
後進側が駆動されているときは前進側のクラッチ機構3
5の比例ソレノイド122に電流を流し、駆動状態とは
逆の方向に駆動する。
【0078】この逆方向のクラッチ機構35の比例ソレ
ノイド122に電流を供給すると云うことは、例えば、
急な下り坂のような場合、駆動側のクラッチ機構35の
作動油圧力を初期圧にしても、車速VAが(VL+v)
よりも大きくなっていることを示し、これ以上駆動側の
電流値を下げてクラッチ機構35の作動油圧力を減少さ
せても、車速VAはこれ以上は下がらないため、駆動と
は逆側のクラッチ機構35に作動油圧力を発生させて、
ブレーキ力を発生させるものである。
【0079】ステップ220において、逆側のクラッチ
機構35側に所定の電流を流すよう指示された後は、再
びステップ211に戻ってステップ212以下のステッ
プが繰り返される。
【0080】図5には、上述のステップ215,21
6,217において、駆動側のクラッチ機構35の比例
ソレノイド122に対して補正される補正電流値と車速
との関係が示されている。図5において、横軸に実車速
VA(km/h)が、縦軸に電流補正値I(mA)がそ
れぞれ表され、実車速VAが(VL±v)=(1±0.
1)=(0.9から1.1km/h)内ならば、電流の
補正はなされない。これは、目標車速VLに対し、少し
の差でも補正をするように制御すると、ハンチングがお
きて、制御が不安定になる可能性があるからである。す
なわち、予め設定されている所定の偏差は、いわゆる不
感帯として機能する。
【0081】この不感帯域を超えて実車速VAが増加、
すなわち、1.1km/hを越えると、駆動中のクラッ
チ機構35における圧力制御弁123の比例ソレノイド
122に供給する電流補正値を所定範囲内直線的に減少
させ、その後、減少状態で一定に保持して、方向切換ク
ラッチ機構35へ供給するオイル量を減少させ、クラッ
チ機構35の作動油圧力を減少させて滑りを増加させ、
車速の低下が図られる。一方、不感帯域を超えて実車速
VAが減少、すなわち、0.9km/hより低下する
と、駆動中のクラッチ機構35の電流補正値を所定範囲
内直線的に増加させ、その後、増加状態で一定に保持し
て、クラッチ機構35の作動油圧力を増加させて滑りを
減少させ、車速の増加が図られる。
【0082】なお、上述の図5には、図4のフローチャ
ートにおけるステップ218,219,220の動作
は、図示してない。また、図5では、補正電流をいった
ん直線的に増、減させた後、一定に保持するように設定
したが、図5中、2点鎖線で示されるように、不感帯域
を超えた時点で、ステップ状に所定の補正電流を増、減
させてもよい。
【0083】次に、運転席110に、図1中2点鎖線で
示されるように、速度モード設定機構119としてのモ
ード変更ダイヤル等を設けた実施形態の場合の作用につ
き、説明する。速度モード設定機構119が通常走行モ
ードから超低速走行モードに切り換えられると、速度モ
ード設定機構119からコントローラ100に入力され
ている走行モード信号OMが超低速走行モードに変わ
る。これにより、コントローラ100の超低速走行モー
ド判定機能104は、超低速走行モードと判断し、以
下、図4のステップ213以下と同様な制御を実行する
こととなる。
【0084】従って、速度モード設定機構119が設け
られていれば、コントローラ100には、超低速走行モ
ードを判断するためには、アクセルペダル角度信号β、
速度段位置信号TS及び出力側回転数信号N2の入力は
不要である。但し、出力側回転数信号N2は、実車速V
Aを演算し、目標速度VLに制御するためには必要であ
る。
【0085】上述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。すなわち、本実施形態では、超低速走
行モードでの作業を行うに当たり、アクセルペダル角度
信号βと、速度段位置信号TSと、トランスミッション
30の出力側回転数信号N2とにより、車速Vと作業者
の意図(シフトレバー111の位置、及び、アクセルペ
ダル107の待機状態か否か)とをチェックし、コント
ローラ100の超低速走行モード判定機能104で超低
速走行モードか否かを判断し、超低速走行モードの時に
は接続力制御機構120を介して所定の方向切換クラッ
チ機構35を制御したから、状況に応じた適正な超低速
走行モードの制御ができる。
【0086】特に、作業における負荷状況、上り、下り
などの傾斜状況に拘わらず、所用の超低速走行モードに
対して常に一定の走行状態を得られる。この際、急な下
り坂において、駆動中の方向切換クラッチ機構35の作
動油圧力を初期圧以下にしても、実車速VAが超低速走
行モードに要求される目標速度VLよりも大きくなって
しまう場合は、駆動中のクラッチ機構35とは逆方向の
クラッチ機構35の比例ソレノイド122に電流を流し
てブレーキ力を発生させることができ、超低速走行モー
ドの適用範囲を広くできる。
【0087】また、トランスミッション30におけるク
ラッチ力の制御は、各方向切換クラッチ機構35に接続
された電子制御調整弁121により行うようにしたか
ら、各方向切換クラッチ機構35ごとに最適な制御を行
うことができる。この際、各速度切換クラッチ機構36
にも同様構成の電子制御調整弁121が接続されている
から、各速度切換クラッチ機構36の制御も必要に応じ
て細密に行うことができる。
【0088】さらに、接続力制御機構120は、コント
ローラ100からの接続力制御信号CSを受けるととも
にこの信号CSに応じた油圧に変換する圧力制御弁12
3と、この圧力制御弁123からの油圧信号により作動
する流量検出弁124とを備えて構成されているから、
比較的簡易な構成で、指示信号CSに応じた適切な制御
が可能である。
【0089】また、コントローラ100で制御してい
る、超低速走行モードに応じて滑りを生じさせるクラッ
チ機構は、トランスミッション30のクラッチ機構の一
部である方向切換クラッチ機構35に限定したから、滑
りによって生じる発熱を冷やすための冷却手段は、比較
的数の少ない方向切換クラッチ機構35に対してのみ対
応すればよく、装置を安価にできる。この冷却手段の具
体例は、滑りを生じさせる方向切換クラッチ機構35の
冷却(潤滑)用オイルの供給量を増加する配管と制御弁
とを設ければ足りる。
【0090】さらに、トランスミッション30における
全速度段は、方向切換クラッチ機構35と速度切換クラ
ッチ機構36との組合せによって行われているから、方
向切換クラッチ機構35で滑りを生じさせられれば、全
ての速度段にわたってアクセルペダル107による滑り
制御を行うことができ、少ない制御対象で必要十分な制
御を行うことができる。
【0091】また、コントローラ100は、トランスミ
ッション30の出力側回転数信号N2、ひいては、実車
速VAが所定の範囲内の速度になるように幅を持った制
御をするから、制御が不安定になるハンチングを生じる
こともない。
【0092】さらに、運転席110に、速度モード設定
機構119としてのモード変更ダイヤルを設けた場合に
は、この速度モード設定機構119からの走行モード信
号OMがコントローラ100に入力されているから、走
行モードの判断に、アクセルペダル角度信号β、速度段
位置信号TS及び出力側回転数信号N2をチェックする
必要がなく、超低速走行モード判定機能104により簡
易に超低速走行モードなどの走行モードを判断できる。
【0093】図6には、本実施形態に用いられる電子制
御調整弁121の具体的構造例が示されている。図6に
おいて、電子制御調整弁121は、2つのバルブ穴15
1,152を有するバルブボデー153と、このバルブ
ボデー153の一端を閉塞する蓋体154とを備えてお
り、ボデー153の下半分が圧力制御弁123、上半分
が流量検出弁124となっている。
【0094】バルブボデー153の蓋体154とは反対
位置において、バルブ穴151に対向して比例ソレノイ
ド122が設けられている。この比例ソレノイド122
は、電磁石155と、この電磁石155内を軸方向移動
可能なコア156と備えている。このコア156の先
端、図中左端は、バルブ穴151内に摺動自在に収納さ
れた圧力制御弁スプール157の一端に当接されてい
る。この圧力制御弁スプール157の他端側と蓋体15
4との間には、圧縮コイルばねからなる圧力制御弁用ば
ね158が介装され、このばね158により圧力制御弁
スプール157は常時図中右方に付勢されている。
【0095】圧力制御弁スプール157は、途中に3
つ、第1から第3のランド部161,162,163を
備えるとともに、中央の第2ランド部162を貫通しか
つ軸方向を左端まで延びる内部連通孔164を備えてい
る。この内部連通孔164の軸方向孔内には、ロードピ
ストン165が摺動自在に収納され、このロードピスト
ン165の左端は内部連通孔164から突出して蓋体1
54の内面に当接されている。
【0096】バルブボデー153内には、圧力制御弁1
23のバルブ穴151と流量検出弁124のバルブ穴1
52とを連通させる3本の連通孔166,167,16
8が設けられている。中央の連通孔167は、圧力制御
弁123、流量検出弁124のポンプポートA,Dとさ
れるとともに、管路137を介してポンプ133に接続
され、このポンプ133はメイン管路134を介してタ
ンク131からオイルを吸引するようになっている。
【0097】バルブ穴151において、中央の第2ラン
ド部162と左側の第3ランド部163との中間位置、
及び、左端の第3ランド部163の左側位置とは、ドレ
ン連通孔169を介して右端の連通孔166と連通され
るとともに、このドレン連通孔169はドレンポートE
とされ、管路171を介してオイルをタンク131に排
出できるようになっている。また、左側の連通孔168
は、第2ランド部162の作用により、中央の第2ラン
ド部162と左側の第3ランド部163との中間位置、
あるいは、中央の連通孔167と連通、遮断されるよう
になっており、この連通孔168のバルブ穴151と交
わる位置は、圧力制御弁出力ポートBとされている。
【0098】バルブボデー153の蓋体154とは反対
位置において、バルブ穴152に対向してフィルスイッ
チ172が設けられている。このフィルスイッチ172
は、軸方向移動可能な作動子173を備えている。この
作動子173の先端、図中左端は、バルブ穴152内に
摺動自在に収納された流量検出弁スプール174の一端
に対向されており、この流量検出弁スプール174の一
端とフィルスイッチ172のケーシングとの間には圧縮
コイルばねからなるフィルスイッチばね175が介装さ
れている。一方、流量検出弁スプール174の他端側と
蓋体154との間には、圧縮コイルばねからなる流量検
出弁用戻しばね176が介装され、これらのばね17
5,176の作用により流量検出弁スプール174は、
所定位置でバランスするよう付勢されている。
【0099】流量検出弁スプール174は、途中に3
つ、第1から第3のランド部177,178,179を
備えるとともに、左側の第3ランド部179を軸方向に
貫通した複数のオリフィス181を備えている。この
際、バルブ穴152は、第1ランド部177の右方位置
において連通孔166に連通されるとともに、第1ラン
ド部177と第2ランド部178との中間位置において
連通孔167と、第2ランド部178と第3ランド部1
79との中間位置において連通孔168とそれぞれ連通
されている。さらに、第3ランド部179の左側は、ク
ラッチポートCとされるとともに、管路182を介して
方向切換クラッチ機構35、速度切換クラッチ機構36
の何れかのクラッチ機構に連通されている。なお、連通
孔167と連通孔168とは、第2ランド部178によ
り連通、遮断されるようになっている。
【0100】次に、本実施形態の電子制御調整弁121
の作用を、図7、及び、図8ないし図13をも参照して
説明する。電子制御調整弁121は、圧力制御弁123
の比例ソレノイド122に対するコントローラ100か
らの指令電流とフィルスイッチ172の出力信号とによ
りコントロールされている。この電子制御調整弁121
の比例ソレノイド122に対する指令電流と、クラッチ
機構35,36の入力油圧、及び、フィルスイッチ17
2の出力信号との関係は、図7に示されるようになって
いる。すなわち、図7において、時間T1以前である領
域Hは、当該圧力制御弁123が選択されて変速される
前であり、クラッチ機構35,36のオイルはドレンさ
れている。
【0101】次に、時間T1からT2の間の領域Iは、
比例ソレノイド122に大きな電流指令値が油圧信号と
して入り、フィル(充填)が開始される。フィル開始の
時間T1から一定時間が経過した時間T2では、比例ソ
レノイド122への指令電流が予め設定された初期値ま
でいったん下げられる。この際、フィル開始時に指令電
流が最大にされるのは、クラッチ機構35,36に急速
にオイルを充填するためである。
【0102】初期値での充填は、時間T3まで継続され
(領域J)、この間にクラッチ機構35,36へのオイ
ルの一応の充填が完了するため、クラッチ機構35,3
6の油圧が上がり、フィルスイッチ172がONされ
る。時間T3以降の領域Kでは、クラッチ機構35,3
6の接続力が所定の値になるよう比例ソレノイド122
への指令電流が調整される調圧領域Kとされる。なお、
領域IとJとを合わせた領域Lは、フィル(充填)中を
表している。また、コントローラ100は、接続力制御
機構120を構成する電子制御調整弁121のうち、ア
クセルペダル107の操作に基づく滑りに関係ない速度
切換クラッチ機構36用の電子制御調整弁121も制御
しているが、以下の説明では、速度切換クラッチ機構3
6についての説明は省略する。
【0103】次に、図8ないし図13により、電子制御
調整弁121の具体的な動作を説明する。図8は、方向
切換クラッチ機構35からオイルがドレンされている変
速前の状態を示し、図7の領域Hに対応する状態であ
る。
【0104】比例ソレノイド122の電磁石155に電
流を流していないこの状態では、圧力制御弁用ばね15
8の反発力で、圧力制御弁スプール157を介して比例
ソレノイド122のコア156が押し戻されている。こ
のため、圧力制御弁スプール157の第2ランド部16
2が右方に移動し、連通孔168がドレン連通孔169
に連通されているから、クラッチポートCのオイルは、
流量検出弁スプール174の第3ランド部179に設け
られたオリフィス181、連通孔168、出力ポートB
及びドレンポートEを通じてタンク131にドレンされ
ている。
【0105】このとき、流量検出弁124の流量検出弁
スプール174には、油圧力が作用しないので、フィル
スイッチばね175の反発力で流量検出弁スプール17
4はフィルスイッチ172の作動子173から離れ、ス
プール戻しばね176と釣り合った位置で停まってい
る。
【0106】図9は、比例ソレノイド122の電磁石1
55に油圧信号に基づく指令電流が入力された、フィル
開始時の状態が示され、図7の領域Iに対応する状態で
ある。
【0107】方向切換クラッチ機構35内にオイルのな
い状態で比例ソレノイド122に油圧信号に基づく電流
として最大電流を与えると、比例ソレノイド122のコ
ア156はフルストロークし、圧力制御弁スプール15
7は左方に移動する。これにより、第2ランド部162
も左方に移動して、ポンプポートAと圧力制御弁出力ポ
ートBとが開口し、かつ、出力ポートBとドレンポート
Eとが遮断される。従って、オイルがポンプポートA、
出力ポートB、流量検出弁スプール174のオリフィス
181を通してクラッチポートCに入り、方向切換クラ
ッチ機構35への充填がなされる。
【0108】このとき、オリフィス181の絞り効果に
より、流量検出弁スプール174のオリフィス181の
上流と下流とに差圧が発生する。この差圧により、流量
検出弁スプール174は、図10に示すように、流量検
出弁スプール戻しばね176を縮めつつ左方に移動す
る。この状態は、まだ、図7の領域Iに対応した状態で
ある。
【0109】流量検出弁スプール174の左方への移動
によって、流量検出弁124のポンプポートDが開口
し、ここからオイルが連通孔168側に流れ出すと、流
量検出弁スプール174のオリフィス181の上流と下
流との差圧がより大きく発生し、流量検出弁スプール1
74をさらに左方に押し続ける。
【0110】この状態で、比例ソレノイド122の電流
値を瞬間、初期圧レベルまで下げると、図11に示され
ているように、フィルが終了し、圧力制御弁123が初
期圧にセットされた状態となり、図7の領域Jに対応し
た状態となる。
【0111】すなわち、この状態では、コア156の左
方への駆動力が低下して右方に戻り、一方、連通孔16
8の圧力制御弁出力ポートBの圧力は、内部連通孔16
4内に導入されている。これにより、ロードピストン1
65には、ほぼポンプ圧がかかるようになるため、圧力
制御弁スプール157は右方に押し戻され、圧力制御弁
出力ポートBからドレンポートEへとオイルが少し漏れ
るようになる。しかし、この漏れ量は少ないので、ポン
プ133からのオイルはほとんど方向切換クラッチ機構
35へ流れ、流量検出弁スプール174は左方へと押し
続けられる。このようにして方向切換クラッチ機構35
にオイルが充満されると、ポンプポートDからクラッチ
ポートCへのオイルの流れがなくなる。
【0112】次に、図12に示されている状態となり、
この状態は、まだ図7の領域Jに対応した状態である。
クラッチポートCへのオイルの流れがなくなって第3ラ
ンド部179の両側の油圧が等しくなると、流量検出弁
スプール174における第3ランド部179の左右の受
圧面積が異なっており、かつ、左方の受圧面積の方が大
きいため、流量検出弁スプール174は油圧力により右
方へ移動する。これにより、ポンプポートDとクラッチ
ポートCとは閉口する。
【0113】このとき、流量検出弁スプール174は、
その第3ランド部179の左右の面積差と流量検出弁ス
プール戻しばね176の力とにより、フィルスイッチば
ね175を押し縮めて右方に押され、フィルスイッチ1
72の作動子173に接触し、方向切換クラッチ機構3
5のフィリング完了をコントローラ100に伝える。こ
の際、比例ソレノイド122へは初期圧レベルの電流値
が流れているため、圧力制御弁スプール157による油
圧は初期圧セットとなる。
【0114】図13は、調圧されている状態を示し、図
7の領域Kに対応した状態である。
【0115】初期圧セット後、比例ソレノイド122に
所定の電流を流すと、比例ソレノイド122の電磁石1
55は電流に比例した力を発生する。この比例ソレノイ
ド122の推力と、ロードピストン165に加わるクラ
ッチポートCの油圧による推力、及び、圧力制御弁用ば
ね158の反発力の和が釣り合って調圧される。一方、
流量検出弁スプール174は、第3ランド部179の両
側にかかる油圧力の差により、右方に押しつけられ続け
るため、フィルスイッチ172はコントローラ100へ
フィル信号を出し続ける。
【0116】その後、シフトレバー111の操作によ
り、速度段位置が変更されて当該方向切換クラッチ機構
35が使用されないことになると、比例ソレノイド12
2への電流がなくなる。このため、圧力制御弁スプール
157は圧力制御弁用ばね158のばね力により右方へ
と移動され、図8の状態に戻って、次回使用時の待機状
態となる。
【0117】このような本実施形態によれば、圧力制御
弁123と流量検出弁124とを一体のバルブボデー1
53に組み込むことができ、小型で、より安価な装置と
して提供できるという効果がある。
【0118】また、圧力制御弁スプール157と流量検
出弁スプール174とは平行に設けられ、かつ、バルブ
穴151とバルブ穴152の一方の開口を蓋体154
で、他方の開口を比例ソレノイド122及びフィルスイ
ッチ172で閉塞するようにしたから、組立が図の左右
方向からの一方向となって容易であり、この点からも安
価に製作できる。
【0119】図14は、本発明にかかる他の実施形態を
示すもので、方向切換クラッチ機構35に対する異なる
制御方法を示すグラフであり、前進低速クラッチ機構F
L(35A)が駆動されている場合の例を示している。
図14において、横軸には、作業用車両の実車速VA
(km/h)が示され、縦軸の上半分には、方向切換ク
ラッチ機構35のうち前進低速クラッチ機構FLに供給
される油圧(kg/cm2)が、下半分には、後進クラ
ッチ機構Rに供給される油圧(kg/cm2)がそれぞ
れ示されている。
【0120】本実施形態にかかる制御の特徴は、図14
に示されるように、超低速走行モードの制御域では、駆
動側のみならず、駆動とは逆側の方向切換クラッチ機構
35にも、常に油圧を加えていることである。
【0121】通常の作業などを行っていて、作業用車両
の速度VAが目標速度VLF(本実施形態では、1.0
km/h)より大きな所定速度VS(本実施形態では、
2.0km/h)よりも大きい(速い)ときは、前進低
速クラッチ機構FLには、フルの油圧、具体的には、2
3kg/cm2の油圧が付与されている。このとき、後
進クラッチ機構R(35C)には、油圧は、付与されて
いない(0kg/cm 2)。以下、目標速度VLFを、
単にVLと略記することがある。
【0122】次いで、作業者が超低速走行モードを意図
し、シフトレバー111を前進1速に設定するととも
に、アクセルペダル107から足を離すか、ただ単に載
せているだけの待機状態にし、かつ、適宜にブレーキ操
作などをして作業用車両の車速VAが所定速度VS
(2.0km/h)より小さくなると、コントローラ1
00が超低速走行モードと判断する。これにより、前進
低速クラッチ機構FLには、低い第一段階の作動油圧P
F1(本実施形態では、0.5kg/cm2)が作用す
るように、比例ソレノイド122に、低い第一段階の作
動電流が供給される。この第一段階の作動電流では、前
進低速クラッチ機構FLには接続力はほとんど発生せ
ず、車輪85には前進駆動力は、発生しない。
【0123】一方、後進クラッチ機構Rには、後に説明
する低い第一段階の作動油圧PR1(本実施形態では、
0.5kg/cm2)よりは高い、第二段階の作動油圧
PR2(本実施形態では、5.0kg/cm2)が作用
するように、比例ソレノイド122に、第二段階の作動
電流が供給される。これにより、後進クラッチ機構Rに
はある程度の接続力が発生し、車輪85に後進駆動力が
付与され、作業用車両に対してブレーキ力として作用し
て車速VAが低下する。
【0124】このようにして、車速VAが低下し、ある
値、本実施形態では、1.3km/h以下になると、比
例ソレノイド122への供給油圧が、車速VAの低下に
見合って順次小さくなるように制御される。
【0125】次いで、車速VAが、制御すべき目標速度
VLF=1.0km/hに、一定の幅v=0.1km/
hを加えた範囲以下、すなわち、(VL+v)=1.1
km/h以下になると、後進クラッチ機構Rはブレーキ
として作用する必要がなくなるため、後進クラッチ機構
Rには、前述の第2段階油圧PR2より低い圧力である
第1段階油圧PR1(=0.5kg/cm2)が加えら
れるようになり、接続力がほとんどなくなり、ブレーキ
力としての作用もなくなる。
【0126】一方、前進低速クラッチ機構FLには、前
述のように低い第一段階油圧PR1が供給されている。
従って、車速VAが、制御すべき目標速度VL=1.0
km/hに、一定の幅±v=±0.1km/hを加えた
範囲内、すなわち、(VL±v)=0.9〜1.1km
/hにあるときは、前進、後進両クラッチ機構FL,R
ともに、低圧で同一圧力の第1段階油圧PF1,PR1
(=0.5kg/cm 2)が加えられている。換言する
と、前述のように本実施形態では、超低速走行モードの
制御域では、駆動側のみならず、駆動とは逆側の方向切
換クラッチ機構35にも、常に油圧を加えていることと
なる。
【0127】次に、車速VAが、制御すべき目標速度幅
(VL±v)=0.9〜1.1km/hの下限より低く
なったとき(VA=0.9km/h以下)は、増速が必
要であるため、前進低速クラッチ機構FLに供給される
油圧は、順次増加され、車速VAが0.7km/h以下
になると、低圧の第1段階油圧PF1(=0.5kg/
cm2)より高い第二段階の作動油圧PF2(本実施形
態では、7.0kg/cm2)が作用するように、比例
ソレノイド122に、第二段階の作動電流が供給され
る。これにより、作業用車両の増速がなされる。
【0128】以下、超低速走行モードにおいては、図1
4の車速VAが0km/hから2.0km/hまでの範
囲において、線図に示されるように前進低速クラッチ機
構FL、あるいは、後進クラッチ機構Rに所定の油圧が
加えられ、車速が制御目標範囲(VL±v)内に収まる
ように制御される。
【0129】なお、後進クラッチ機構Rが駆動されてい
る場合は、上述とは逆に、前進低速クラッチ機構FL側
がブレーキとして作用することとなるだけで、基本的な
制御方法は不変である。また、前進側第2段階油圧PL
Fが後進側第2段階油圧PLRより大きく設定されてい
るのは、図3において説明したと同様な理由、すなわ
ち、トランスミッション30の変速比が前進と後進とで
異なるためである。
【0130】このような本実施形態によれば、超低速走
行モードにおいて、車速が高速から低下してきたときに
は、駆動側とは反対側の方向切換クラッチ機構35に所
定圧力の油圧を供給してブレーキ力として作用させたの
で、迅速に車速を制御目標範囲内に制御できるという効
果がある。特に、降坂路のような場合にも、十分適応で
きる。
【0131】また、超低速走行モードにおいては、常
に、前進低速クラッチ機構FL及び後進クラッチ機構R
に多少なりの油圧を加えているので、前進低速クラッチ
機構FL及び後進クラッチ機構Rに新たな油圧を供給す
る場合、その立ち上がりが速く、制御をよりスムースに
行えるという効果もある。すなわち、方向切換クラッチ
機構35に油圧を完全に零にすると、方向切換クラッチ
機構35内にオイルが充満するまでの時間遅れが発生す
るが、本実施形態では、そのようなことがないものであ
る。なお、本実施形態の制御方法は、いわゆるオープン
制御方法である。
【0132】次に、本発明のさらに他の実施形態にかか
る制御方法について、図15及び図16に基づいて説明
する。本実施形態も、前進低速クラッチ機構FL(35
A)が駆動されている場合の例を示している。すなわ
ち、前進低速クラッチ機構FLと1速の速度切換クラッ
チ機構36とが継合され、1.0km/hを目標に制御
する例である。
【0133】図15は、通常走行モードと超低速走行モ
ードとにわたって前進低速クラッチ機構FLに供給され
る油圧と車速VAとの関係を示す図で、縦軸に供給油圧
を、横軸に車速を示してある。図16は、後進クラッチ
機構Rに供給する油圧を一定時間(1サイクル)ごとに
増加もしくは減少させる油圧量を示すグラフで、縦軸に
増減する油圧を、横軸に車速を示してある。
【0134】本実施形態において、作業用車両は、前進
1速のフルあるいはパーシャルクラッチ接続(継合)状
態で走行している。このとき、前進低速クラッチ機構F
L及び1速の速度切換クラッチ機構36共に、約23k
g/cm2の油圧で継合されている。一方、この状態で
は、後進クラッチ機構Rには、油圧は供給していない。
【0135】本実施形態では、前進1速、または2速、
あるいは、後進1速の状態で、車速VAが目標速度VL
(本実施形態では、1.0km/h)より大きな所定速
度VS(本実施形態では、1.8km/h)以下に低下
し、かつ、アクセルペダル107が待機状態にあると
き、超低速走行モードの制御がスタートする。なお、超
低速走行モードから抜けるときの車速VAは、2.0k
m/hに設定してあり、ヒステリシスを持たせてハンチ
ングを防止している。
【0136】超低速走行モードの制御がスタートする
と、前進低速クラッチ機構FLに供給する油圧は、7.
0kg/cm2の一定に設定される。これにより、前進
低速クラッチ機構FLには、多少の滑りを可能にしてい
る。
【0137】超低速走行モードがスタートすると同時
に、実車速VAと目標車速VLとをコントローラ100
で比較し、実車速VAが目標車速VLより大きければ
(VA>VLならば)、後進クラッチ機構Rに1サイク
ルごとに一定圧の油圧を増加していく。本実施形態で
は、1サイクルは、0.5秒、一定油圧は、図16に示
されるように、車速VAが目標車速VLに対して、+
0.1km/h以上大きいときには、+0.25kg/
cm2増加させる。
【0138】一方、実車速VAが目標車速VLより小さ
ければ(VA<VLならば)、後進クラッチ機構Rに1
サイクルごとに一定圧の油圧を減少していく。本実施形
態では、1サイクルは、前述と同様に、0.5秒、一定
油圧は、図16に示されるように、車速VAが目標車速
VLに対して、ー0.1km/h以上小さいときには、
ー0.5kg/cm2減少させる。この際、後進クラッ
チ機構Rへの油圧増加時の増加幅の方が、減少時の減少
幅より小さく設定しているのは、ブレーキ力を急激に増
加させて失速させたくないためである。
【0139】以下、1サイクル(0.5秒)ごとに、実
車速VAと目標車速VLとを比較し、両者の偏差(VA
ーVL)が0.1km/hよりも(+)か(−)によっ
て、後進クラッチ機構Rの油圧を増加あるいは減少させ
て、車速VAを目標車速VLに対して一定の幅(VL±
v)内に制御する。
【0140】このような本実施形態によれば、実車速V
Aと目標車速VLとをコントローラ100で比較し、両
者の偏差(VAーVL)からのずれに応じて、後進クラ
ッチ機構Rに供給する油圧を増、減少させて、車速VA
を目標車速幅(VL±v)内に制御するから、適切な制
御を行うことができるという効果がある。
【0141】また、駆動している側とは反対側の方向切
換クラッチ機構35にも油圧を供給しているので、図1
4の実施形態と同様に、迅速に車速を制御目標範囲内に
制御でき、かつ、降坂路のような場合にも、十分適応で
きるという効果がある。
【0142】さらに、本実施形態においても、超低速走
行モードにおいて、常に、前進低速クラッチ機構FL及
び後進クラッチ機構Rに油圧を加えているので、図14
の実施形態と同様に、方向切換クラッチ機構35の立ち
上がりが速く、制御をよりスムースに行えるという効果
もある。
【0143】図17は、さらに他の実施形態を示すもの
で、本実施形態は、前記図15,16の実施形態におい
て、超低速走行モード時に、後進クラッチ機構Rに供給
する油圧を、図15,16の実施形態のような一定値で
はなく、目標車速VLと実車速VAとの偏差(VAーV
L)に応じた大きさで供給するようにした例である。
【0144】図17は、後進クラッチ機構Rに供給する
油圧量と車速VAとの関係を示すグラフで、縦軸に増減
する油圧を、横軸に車速を示してある。
【0145】本実施形態では、実車速VAが目標車速V
Lから所定幅、本実施形態では、図15,16の実施形
態の半分である0.5km/h以上外れたときに、偏差
(VAーVL)に応じて、駆動側とは逆方向である後進
クラッチ機構Rに供給する油圧を増加あるいは減少させ
る。
【0146】具体的には、後進クラッチ機構Rへの供給
油圧の増減は、車速VAが目標車速VLより速い場合
は、車速VAが0.5km/h増加するごとに油圧を
0.2kg/cm2増加させる直線的な勾配で行う。
【0147】一方、車速VAが目標車速VLより遅い場
合は、車速VAが0.5km/h減少するごとに油圧を
0.4kg/cm2減少させる直線的な勾配で行う。こ
の際、車速VAが速い場合より、遅い場合の方が勾配が
急、すなわち、増加比が大きいのは、図15,16の実
施形態と同様に、作業用車両の失速を防止するためであ
る。
【0148】このような本実施形態によれば、前記図1
4、及び、図15,16の各実施形態と同様な効果を奏
することができる他、制御をより細密に行うことができ
るという効果がある。
【0149】なお、本発明は前記各実施形態に限定され
るものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変
形、改良は、本発明に含まれるものである。
【0150】例えば、接続力制御機構120は必ずしも
電子制御調整弁121でなく、異なるタイプの制御弁な
どを用いてもよいが、電子制御調整弁121を用いれば
アクセルペダル107の踏込み角度に応じた接続力を簡
易な構成で容易に得られると云う利点がある。この際、
電子制御調整弁121は、必ずしも図6の構造のものを
用いなくてもよいが、用いれば、小型で安価に提供でき
るという効果がある。
【0151】また、アクセルペダル107の踏込み角度
に応じて接続力を制御されるクラッチ機構は、方向切換
クラッチ機構35に限らず、速度切換クラッチ機構36
あるいはこれらの両者でもよいが、方向切換クラッチ機
構35であれば、少ない制御対象で全ての速度段位置を
制御できるという利点がある。さらに、トランスミッシ
ョン30の出力側回転数の制御は、必ずしも所定の偏差
内に収まるように制御する必要はないが、このようにす
れば、ハンチングを防止できるという利点がある。
【0152】また、速度モード設定機構119は、必ず
しも設けなくてもよいが、設ければ超低速走行モードを
簡易に設定できるという利点がある。
【0153】
【発明の効果】本発明によれば、簡易な構成で、適宜な
作業動力と超低速走行とを安価に得ることのできる作業
用車両及びその車速制御方法を提供することができる。
本発明において、アクセルペダルの角度、トランスミッ
ションの速度段位置(シフト位置)の他に、トランスミ
ッションの出力側回転数をも監視して、超低速走行モー
ドに対応したクラッチ機構の接続度合い(滑り具合)の
制御を行うようにすれば、適切に超低速走行モード状態
を得ることができるという効果がある。また、速度モー
ド設定機構を設けて超低速走行モードを選択できるよう
にすれば、より簡易に超低速走行モード制御ができると
いう利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の概略構成を示すブロック
図である。
【図2】図1の実施形態に用いられる流体圧回路図であ
る。
【図3】図1の実施形態におけるクラッチ機構制御用電
子制御調整弁への供給電流と、クラッチ機構作動油圧力
との関係を示すグラフである。
【図4】図1の実施形態における作用を示すフロー図で
ある。
【図5】図1の実施形態における車速と補正電流値との
関係を示すグラフである。
【図6】本発明に用いられる電子制御調整弁の具体的構
造例を示す断面図である。
【図7】図6の電子制御調整弁の動作を示すタイムチャ
ートである。
【図8】図6の電子制御調整弁の動作説明図である。
【図9】図6の電子制御調整弁の動作説明図である。
【図10】図6の電子制御調整弁の動作説明図である。
【図11】図6の電子制御調整弁の動作説明図である。
【図12】図6の電子制御調整弁の動作説明図である。
【図13】図6の電子制御調整弁の動作説明図である。
【図14】本発明の他の実施形態における車速とクラッ
チ機構供給油圧との関係を示すグラフである。
【図15】本発明のさらに他の実施形態における車速と
駆動側クラッチ機構供給油圧との関係を示すグラフであ
る。
【図16】図15の実施形態において、駆動側とは逆側
のクラッチ機構への一定サイクルごとの供給油圧と車速
との関係を示すグラフである。
【図17】本発明のさらに他の実施形態を示すもので、
駆動側とは逆側のクラッチ機構へ偏差(VAーVL)に
応じて供給する供給油圧と車速との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
10 エンジン 30 トランスミッション 31 速度段位置検出機構 35 方向切換クラッチ機構 36 速度切換クラッチ機構 70 トルクコンバータ 85 走行手段 100 トランスミッションコントローラ 103 制御信号発信機能 104 超低速走行モード判定機能 106A 出力側回転数検出機構 110 運転席 107 アクセルペダル 113 アクセルペダル角度検出機構 119 速度モード設定機構 120 接続力制御機構 121 電子制御調整弁 122 比例ソレノイド 123 圧力制御弁 124 流量検出弁 153 バルブボデー 157 圧力制御弁スプール 158 圧力制御弁用ばね 172 フィルスイッチ 174 流量検出弁スプール β アクセルペダル角度信号 TS 速度段位置信号 N2 出力側回転数信号 CS 接続力制御信号 OM 走行モード信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D041 AA37 AA68 AB07 AC09 AC15 AC18 AD00 AD10 AD31 AE39 3J052 AA04 AA19 BA11 CA07 FB05 FB31 FB34 GC04 GC13 GC41 GC43 GC46 GC72 LA01 LA07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンと、 このエンジンの回転を複数段の速度比に変換する複数の
    クラッチ機構と歯車列とを有するクラッチ付き歯車内蔵
    トランスミッションと、 このトランスミッションのクラッチ機構における接続力
    を制御する接続力制御機構と、 前記トランスミッションの出力側の回転数を検出して出
    力側回転数信号を出力する出力側回転数検出機構と、 前記トランスミッションの速度段位置を検出して速度段
    位置信号を出力する速度段位置検出機構と、 前記エンジンの回転を上昇させるために操作されるアク
    セルペダルと、 このアクセルペダルの踏込み角度を検出してアクセルペ
    ダル角度信号を出力するアクセルペダル角度検出機構
    と、 前記出力側回転数検出機構の出力側回転数信号、前記速
    度段位置検出機構の速度段位置信号、及び、前記アクセ
    ルペダル角度検出機構のアクセルペダル角度信号を入力
    され、これらの出力側回転数信号、速度段位置信号及び
    アクセルペダル角度信号から超低速走行モードか否かを
    判断し、超低速走行モードの時には、トランスミッショ
    ンにおける出力側回転数が所定の超低速な値になるよう
    に前記接続力制御機構に接続力制御信号を出力するトラ
    ンスミッションコントローラとを具備したことを特徴と
    する作業用車両。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の作業用車両において、前
    記コントローラは、前記出力側回転数信号から求められ
    る車速が超低速の目標速度より大きな所定速度よりも小
    さく、前記アクセルペダル角度信号が待機状態であり、
    かつ、前記速度段位置信号が所定の低速度段位置にある
    とき、超低速走行モードと判断する超低速走行モード判
    断機能と、この超低速走行モード判断機能により超低速
    走行モードと判断されたとき、超低速走行モードで設定
    された車速になるように前記接続力制御機構に接続力制
    御信号を出力する制御信号発信機能とを備えていること
    を特徴とする作業用車両。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の作業用車
    両において、前記接続力制御機構は、前記トランスミッ
    ションの複数のクラッチ機構のうち、制御される所定の
    クラッチ機構に連結され、前記コントローラからの接続
    力制御信号に応じて当該クラッチ機構への作動流体量を
    制御する電子制御調整弁(ECMV)であることを特徴
    とする作業用車両。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の作業用車両において、前
    記電子制御調整弁は、前記コントローラからの接続力制
    御信号を受けるとともにこの信号に応じた流体圧に変換
    する圧力制御弁と、この圧力制御弁からの油圧信号によ
    り作動する流量検出弁とを備えて構成されたことを特徴
    とする作業用車両。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
    の作業用車両において、前記クラッチ付き歯車内蔵トラ
    ンスミッションは、複数の方向切換クラッチ機構と、複
    数の速度切換クラッチ機構とを備えて構成され、かつ、
    前記接続力制御機構からの接続力制御信号に応じて超低
    速を生成させるためにクラッチ接続力を制御されるクラ
    ッチ機構は、前記方向切換クラッチ機構であることを特
    徴とする作業用車両。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の作業用車両において、前記コントローラは、出力側回
    転数が所定の偏差内に収まるような制御機能を有するよ
    うに構成されたことを特徴とする作業用車両。
  7. 【請求項7】エンジンと、 このエンジンの回転を複数段の速度比に変換する複数の
    クラッチ機構と歯車列とを有するクラッチ付き歯車内蔵
    トランスミッションと、 このトランスミッションのクラッチ機構における接続力
    を制御する接続力制御機構と、 車両速度を通常走行モードと超低速走行モードとに切換
    え設定できるとともに、走行モード信号を出力する速度
    モード設定機構と、 この速度モード設定機構から走行モード信号を入力さ
    れ、この走行モード信号が超低速走行モードの時には、
    トランスミッションにおける出力側回転数が所定の超低
    速な値になるように前記接続力制御機構に接続力制御信
    号を出力するトランスミッションコントローラとを具備
    したことを特徴とする作業用車両。
  8. 【請求項8】エンジンと、 このエンジンの回転を複数段の速度比に変換する複数の
    クラッチ機構と歯車列とを有するクラッチ付き歯車内蔵
    トランスミッションと、 このトランスミッションのクラッチ機構における接続力
    を制御する接続力制御機構と、 前記エンジンの回転を上昇させるために操作されるアク
    セルペダルと、 前記トランスミッションの出力側の回転数を検出して出
    力側回転数信号を出力する出力側回転数検出機構と、 前記トランスミッションの速度段位置を検出して速度段
    位置信号を出力する速度段位置検出機構と、 前記アクセルペダルの踏込み角度を検出してアクセルペ
    ダル角度信号を出力するアクセルペダル角度検出機構
    と、 前記出力側回転数検出機構の出力側回転数信号、前記速
    度段位置検出機構の速度段位置信号、及び、前記アクセ
    ルペダル角度検出機構のアクセルペダル角度信号を入力
    され、これらの出力側回転数信号、速度段位置信号及び
    アクセルペダル角度信号から超低速走行モードか否かを
    判断し、超低速走行モードの時には、トランスミッショ
    ンにおける出力側回転数が所定の超低速な値になるよう
    に前記接続力制御機構に接続力制御信号を出力するトラ
    ンスミッションコントローラと、を具備した作業用車両
    であって、 前記トランスミッションのクラッチ機構と歯車列とは、
    複数の方向切換クラッチ機構と、複数の速度切換クラッ
    チ機構として構成され、かつ、方向切換クラッチ機構は
    前進低速クラッチ機構と後進クラッチ機構として構成さ
    れ、 前記コントローラによる超低速走行モードの時の制御
    は、前記方向切換クラッチ機構のうちの前進低速クラッ
    チ機構もしくは後進クラッチ機構の何れかの駆動側クラ
    ッチ機構及びその逆方向のクラッチ機構の両者に所定の
    作動流体圧力を供給して制御することを特徴とする作業
    用車両の車速制御方法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の作業用車両の車速制御方
    法において、前記コントローラによる超低速走行モード
    の時の制御は、 車速が制御目標値または制御目標値に所定の幅を持た
    せた偏差内にある時は、両クラッチ機構共に低い第一段
    階の作動流体圧力を供給し、 車速が制御目標値または制御目標値に所定の幅を持た
    せた偏差内よりも速い場合は、駆動側のクラッチ機構に
    は低い第一段階の作動流体圧力の供給を維持し、一方、
    駆動側とは逆方向のクラッチ機構には作動流体圧力を増
    加させてブレーキ力として作用させ、 車速が制御目標値または制御目標値に所定の幅を持た
    せた偏差内よりも遅い場合は、駆動側とは逆方向のクラ
    ッチ機構には低い第一段階の作動流体圧力の供給を維持
    し、一方、駆動側のクラッチ機構には作動流体圧力を増
    加させて増速力として作用させる、ことを特徴とする作
    業用車両の車速制御方法。
  10. 【請求項10】請求項8に記載の作業用車両の車速制御
    方法において、前記コントローラによる超低速走行モー
    ドの時の制御は、 車速が制御目標値より大きい所定値以下になったとき
    は、駆動側クラッチ機構に滑りを生じさせる低い作動流
    体圧力を供給するとともに、 車速が制御目標値に対し所定の幅以上に高速あるいは
    低速の場合には、駆動側とは逆方向のクラッチ機構に、
    一定サイクルごとに所定幅の作動流体圧力を増加あるい
    は減少させてブレーキ力を適宜な値として作用させ、か
    つ、超低速走行モードから通常走行モードに戻るとき
    は、前記超低速走行モードに入るときの前記制御目標値
    より大きい所定値よりのさらに大きな所定値以上になっ
    たときに、通常走行モードに移行させる、ことを特徴と
    する作業用車両の車速制御方法。
  11. 【請求項11】請求項8に記載の作業用車両の車速制御
    方法において、前記コントローラによる超低速走行モー
    ドの時の制御は、 車速が制御目標値より大きい所定値以下になったとき
    は、駆動側クラッチ機構に滑りを生じさせる低い作動流
    体圧力を供給するとともに、 車速が制御目標値に対し所定の幅以上に高速あるいは
    低速の場合には、駆動側とは逆方向のクラッチ機構に、
    実車速と目標車速との偏差に見合った作動流体圧力を増
    加あるいは減少させてブレーキ力を適宜な値として作用
    させ、かつ、超低速走行モードから通常走行モードに戻
    るときは、前記超低速走行モードに入るときの前記制御
    目標値より大きい所定値よりのさらに大きな所定値以上
    になったときに、通常走行モードに移行させる、ことを
    特徴とする作業用車両の車速制御方法。
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