JP3733806B2 - 産業車両の荷役及び走行制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルクコンバータを備えた変速機を装備した産業車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フォークリフトではエンジン車の場合、フォーク等の荷役機器を昇降させるための油圧を供給する荷役ポンプはエンジンの動力によって駆動される。フォークリフトを微速走行させるにはエンジン回転数を下げ、フォークを上昇させるにはエンジン回転数を上げていた。ところが、フォークを上昇させながら微速走行する場合には、アクセルペダルを踏みながらクラッチ又はインチングペダルを操作して半クラッチ状態にする必要があり、運転操作が難しく熟練を要した。
【0003】
前記の不具合を解消するため、特開平10−151974号公報には、荷役走行においてアクセルペダルの操作だけで所望の走行速度で走行させることができるフォークリフトが開示されている。このフォークリフトでは、荷役レバーが操作されて通常走行から荷役走行になるとエンジン回転数は増大され、通常走行時の車速を維持するために進行側のクラッチがアクセルペダルに応じた車速となるように半クラッチ状態になる。これにより、フォークの上昇速度を早めて荷役作業性を向上させるとともに、車速はアクセルペダルの踏込み量に応じた値に保持される。このフォークリフトはアクセルペダルの操作のみで荷役走行制御が可能であるため、インチングペダルがない構造となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、フォークリフトではフォークの先端で重い荷等を押す押込み作業を行うことがある。この押込み作業はインチングペダルを使ってクラッチを半クラッチに接続しつつ、かつアクセルペダルを踏込んでエンジンを高回転にするマニュアル操作で行われる。インチングペダルのないフォークリフトでは、この押込み作業ができないという問題がある。そこで、荷役走行制御機能を備えたフォークリフトにインチングペダルを取り入れた場合、クラッチ圧の自動制御とマニュアル制御との間に優位性を持たせることが必要となる。
【0005】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、荷役走行制御機能を備えた産業車両がインチング操作手段を備える場合、インチング制御と荷役走行制御との間に優位性を持たせることにより、インチング制御と荷役走行制御とを共存させることができる産業車両の荷役及び走行制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は産業車両において、エンジンの出力をトルクコンバータを介して駆動輪に伝達する油圧式の前進クラッチ及び後進クラッチを備えた変速機と、前記各クラッチの受圧室内の油圧を増減して接続状態を調整する制御弁と、アクセル操作手段の操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、インチング操作手段の操作量を検出するインチング操作量検出手段と、荷役作業を行うために操作される荷役操作手段の操作量を検出する荷役操作量検出手段と、前記エンジンにより駆動される荷役用ポンプと、前記インチング操作量検出手段の検出信号に基づいて、前記インチング操作手段の操作量に応じて各クラッチを半クラッチにするインチング制御を行うインチング制御手段と、前記荷役操作手段の操作量に応じたエンジン回転数と、前記アクセル操作手段の操作量に応じたエンジン回転数とを比較して、該荷役操作手段の操作量に応じたエンジン回転数が大きい場合に、該荷役操作手段の操作量に応じたエンジン回転数に制御するとともに、前記アクセル操作手段の操作量に応じた車速となるように接続側のクラッチを半クラッチ状態にする荷役走行制御を行う荷役走行制御手段と、インチング制御と荷役走行制御のうちいずれの実行条件が成立したかを判定する判定手段とを備えた荷役及び走行制御装置を前提とする。
【0007】
前記の目的を達成するため請求項1に記載の発明では、前記判定手段により前記インチング制御実行条件と荷役走行実行条件が共に成立したと判断された際は、少なくともクラッチ圧制御については、インチング操作手段の操作量に基づくインチング制御を優先させるとともに、荷役走行制御のクラッチ係合圧から前記インチング制御のクラッチ係合圧に移る際には、インチング操作手段の操作量から決まるクラッチ係合圧が、前記荷役走行制御終了時のクラッチ係合圧に対する所定許容範囲内の値に達した後にインチング制御に切り換える制御調整手段とを備えた。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記制御調整手段はエンジン回転数制御については、前記荷役実行条件に基づくエンジン回転数の値に制御する。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記制御調整手段はクラッチ制御において、荷役走行終了時のクラッチ係合圧からインチング制御のクラッチ係合圧に移行する際に、前記インチング操作手段が操作された際の荷役走行制御のクラッチ係合圧を保持する。
【0010】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3に記載の発明において、前記制御調整手段は前記クラッチ圧制御において、前記インチング制御によるクラッチ係合圧が、前記インチング操作手段が操作された際の前記荷役走行制御のクラッチ係合圧と同じ値に達した後にインチング制御に切り換える。
【0011】
請求項5に記載の発明では、前記判定手段により前記インチング制御実行条件と荷役走行制御実行条件が共に成立した際は、クラッチ圧制御についてはインチング制御と荷役走行制御のうち先に実行されている方の制御を優先させる制御調整手段とを備えた。
【0012】
(作用)
本発明によれば、インチング制御手段はインチング操作手段が操作されるとその操作量に応じたクラッチ係合圧となるように各クラッチを半クラッチにする。荷役走行制御手段は、エンジン回転数が荷役操作手段の操作量に基づく値となるように制御してエンジン回転数を増大させる。また、荷役走行制御手段は、クラッチ係合圧がアクセル操作手段の操作量に応じた車速となるように接続側のクラッチを半クラッチ状態に制御してクラッチ係合圧を減少させる。判定手段はインチング制御と荷役走行制御のうちいずれの実行条件が成立しているか判定する。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、インチング制御実行条件と荷役走行制御実行条件が共に成立したとき、制御調整手段はクラッチ圧制御においてインチング制御を優先する。但し、荷役走行制御のクラッチ係合圧からインチング制御のクラッチ係合圧に移る際は、インチング操作手段の操作量により決まるクラッチ係合圧が、荷役走行制御終了時のクラッチ係合圧に対する所定許容範囲内の値に達した後にインチング制御に切り換える。その結果、インチング制御と荷役走行制御との間に優位性が決まることになり、インチング制御と荷役走行制御とは共存可能となるとともに、荷役走行制御からインチング制御に移る際にショックが発生し難くなる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、制御調整手段はエンジン回転数制御において、荷役操作手段の操作量となるように制御する。従って、インチング操作手段が操作されていても荷役操作手段を操作すれば荷役ポンプの回転数は上昇し、荷役作業速度は増すので、荷役作業性が向上される。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加え、インチング操作手段が操作されたときの荷役走行制御終了時のクラッチ係合圧が保持されるので、クラッチ圧制御において荷役走行制御からインチング制御に移る際にショックが発生し難くなる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜請求項3に記載の発明の作用に加え、クラッチ圧制御において制御調節手段は、インチング制御によるクラッチ係合圧がインチング操作手段が操作されたときの荷役制御終了時のクラッチ係合圧と同じ値に達した後にインチング制御に切り換える。その結果、クラッチ制御において、荷役走行制御からインチング制御に移る際にショックがほとんど発生しない。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、インチング制御実行条件と荷役走行制御実行条件が共に成立したとき、制御調整手段はクラッチ圧制御については、インチング制御と荷役走行制御のうち先に実行されている方の制御を優先する。その結果、インチング制御と荷役走行制御との間に優位性を持たせることにより、インチング制御と荷役走行制御とは共存可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を産業車両としてのフォークリフトに具体化した第1実施形態を図1〜図8に従って説明する。
【0019】
図1に示すように、エンジン1の出力軸1aはトルクコンバータ2を備えた変速機3に連結され、変速機3は差動装置4を介して駆動輪5を有する車軸6に連結されている。エンジン1にはエンジンスロットルアクチュエータ( 以下、単にスロットルアクチュエータという )7が設けられ、スロットルアクチュエータ7の作動によってスロットル開度が調節されてエンジン1の回転数、即ちエンジン1の出力軸1aの回転数が調節される。
【0020】
変速機3は入力軸(メインシャフト)3a及び出力軸(カウンタシャフト)3bを備え、入力軸3aに前進クラッチ8及び後進クラッチ9が設けられている。前進クラッチ8及び後進クラッチ9と出力軸3bとの間にはギヤ列(図示せず)がそれぞれ設けられ、各クラッチ8,9及び各ギヤ列を介して入力軸3aの回転が出力軸3bに伝達される。両クラッチ8,9には油圧式のクラッチ、この実施形態では湿式多板クラッチが使用され、受圧室8a,9a内の油圧力によって接続力が調節可能に、かつ受圧室8a,9a内の油圧力を高めると接続力が大きくなるように構成されている。前進クラッチ8及び後進クラッチ9は制御弁としての前進クラッチバルブ10及び後進クラッチバルブ11を介して供給される油圧により受圧室8a,9a内の油圧力が制御される。前進クラッチバルブ10及び後進クラッチバルブ11はソレノイドへの通電量に比例した開度となる比例ソレノイド弁で構成されている。
【0021】
変速機3の出力軸3bには駐車ブレーキ12が設けられ、駐車ブレーキ12はディスク12aとブレーキパッド12bとを備えている。ブレーキパッド12bは図示しないばねのばね力によりディスク12aに圧接される方向に付勢されて制動のための係合圧(クラッチ圧)を発生させ、ブレーキ用バルブ13を介して受圧室12cに供給される油圧により制動状態が解除されるように構成されている。ブレーキ用バルブ13には電磁弁が使用されている。
【0022】
図1ではトルクコンバータ2、変速機3及び各バルブ10,11,13が独立して図示されているが、これら各装置は一つのハウジング内に組み込まれて、オートマチックトランスミッションを構成している。そして、変速機3には図示しない油圧ポンプが組み込まれ、その油圧ポンプの吐出油が図示しない流路及び各バルブ10,11,13を介して各受圧室8a,9a,12cに供給可能に構成されている。前記油圧ポンプはエンジン1の回転時に変速機3に伝達される回転力により駆動されるようになっている。
【0023】
変速機3の入力軸3aには歯車14が一体回動可能に設けられ、磁気ピックアップからなるタービン回転数センサ15により入力軸3aの回転数が検出される。タービン回転数センサ15は入力軸3aの回転数に比例したパルス信号を出力する。変速機3の出力軸3bには歯車16が一体回動可能に設けられ、磁気ピックアップからなる車速センサ17により出力軸3bの回転数が検出される。車速センサ17は出力軸3bの回転数に比例したパルス信号を出力する。
【0024】
エンジン1により駆動される荷役用ポンプとしての油圧ポンプ18の吐出側に、図示しない管路等を介してフォーク19を昇降させるリフトシリンダ20及びマスト21を傾動させるティルトシリンダ(図示せず)が接続されている。リフトシリンダ20にはフォーク19の積載荷重を検出する荷重検出手段としての圧力センサ22が設けられている。圧力センサ22はリフトシリンダ20の内部の油圧を検出し、フォーク19の積載荷重に対応した検出信号を出力する。
【0025】
運転室の床にはアクセル操作手段としてのアクセルペダル23と、インチング操作手段としてのインチングペダル24と、ブレーキペダル25とが設けられている。インチングペダル24は荷役作業を行いながらフォークリフトの微速走行を行う際に、クラッチを半接続状態(半クラッチ状態)にするために使用するものである。そして、ブレーキペダル25を操作する(踏み込む)ときは、ブレーキペダル25はインチングペダル24と独立して作動するが、インチングペダル24を操作する(踏み込む)ときは、途中からインチングペダル24とブレーキペダル25とが連動可能に構成されている。ブレーキペダル25にはブレーキスイッチ25aが設けられ、このブレーキスイッチ25aがオンされるとブレーキが作動する。
【0026】
アクセルペダル23にはアクセル操作量検出手段としてのアクセルセンサ26が設けられ、アクセルペダル23の踏込み量(ペダルストローク)はアクセルセンサ26により検出される。アクセルセンサ26はポテンショメータよりなり、アクセルペダル23のペダルストロークに対応した電流値を出力する。インチングペダル24にはインチング操作量検出手段としてのインチングセンサ27が設けられ、インチングペダル24の踏込み量(ペダルストローク)はインチングセンサ27によって検出される。インチングセンサ27はポテンショメータよりなり、インチングペダル24のペダルストロークに対応した電流値を出力する。
【0027】
機械的に連動するインチングペダル24及びブレーキペダル25にはブレーキセンサ25bが設けられている。ブレーキセンサは圧力センサによりなり、ブレーキペダルを踏込む力(踏力)を検出する。各ペダル24,25を踏込んだとき、ブレーキセンサ25bは踏力に応じた検出信号を出力する。
【0028】
運転室の前部にはシフトレバー(前後進レバー)28及び荷役レバー29が設けられている。シフトレバー28の位置を検出するシフトスイッチ30は、シフトレバー28が前進位置F、後進位置R、中立位置(ニュートラル位置)Nのいずれかにあるかを検知し、各位置に対応する信号を出力する。荷役レバー29には荷役レバーセンサ31が設けられ、荷役レバーセンサ31は荷役レバー29の操作量に応じた検出信号を出力する。
【0029】
次に、スロットルアクチュエータ7や各バルブ10,11,13を制御するための電気的構成を説明する。
制御装置32は、インチング制御手段、荷役走行制御手段、判定手段及び制御調整手段としての中央処理装置(以下、CPUという)33、読出し専用メモリ(ROM)34、読出し及び書替え可能なメモリ(RAM)35、入力インターフェイス36及び出力インターフェイス37を備えている。ROM34には所定の制御プログラムや、各制御プログラムを実行する際に必要な各種データ等が記憶されている。RAM35にはCPU33の演算結果が一時記憶される。CPU33はROM34に記憶された制御プログラムに基いて作動する。
【0030】
タービン回転数センサ15、車速センサ17は、入力インターフェイス36を介してCPU33に接続されている。アクセルセンサ26、インチングセンサ27、ブレーキセンサ25b、荷役レバーセンサ31及び圧力センサ22は図示しないA/D変換器及び入力インターフェイス36を介してCPU33に接続されている。
【0031】
CPU33は出力インターフェイス37及び図示しない駆動回路を介してスロットルアクチュエータ7、前進クラッチバルブ10、後進クラッチバルブ11及びブレーキ用バルブ13にそれぞれ接続されている。CPU33は各センサ15,17,22,25b,26,27,31の出力信号を入力するとともに、ROM34に記憶された各種制御プログラムに従って動作し、スロットルアクチュエータ7及び各バルブ10,11,13への制御指令信号を出力する。
【0032】
ROM34には、通常走行時の制御プログラム、荷役走行時の制御プログラム、荷役走行から通常走行へ移行する際の制御プログラム、通常走行から荷役走行へ移行する際の制御プログラム等が記憶されている。
【0033】
ROM34にはインチングペダル24のペダルストロークに対するクラッチ係合圧(以下、クラッチ圧という)の関係を示す図3のマップMが記憶されている。このマップMはインチング制御のときにクラッチ圧を求めるために使用される。図3のマップMはシフトレバー28が前進位置にある場合のものであって、F線は前進クラッチ8のクラッチ圧であり、R線は後進クラッチ9のクラッチ圧である。図3に示すように、ペダルストロークがゼロから所定のストロークまではインチング領域となり、それ以上のストロークではブレーキ領域となる。ブレーキ領域では前進クラッチ8及び後進クラッチ9が同時係合(FR同時係合)されることにより制動力を得るようになっている。マップMにはインチング領域において荷重に応じた複数のマップ線Fo ,Fk ,Fn (但し、k =1,2,…,n−1)が設定され、圧力センサ22からの検出信号に対応したマップ線が適宜使用される。
【0034】
インチングセンサ27はインチングペダル24の遊びが無くなってからの踏込み量を検出し、インチングペダル24の踏込み量が検出されていない状態では前進クラッチ8は後述する荷役走行制御が実行されていない限りは完全係合されたクラッチ圧Pc (図2参照)となる。フォーク19に荷が載置されていない空荷(ノーロード)の場合、インチング領域における前進クラッチ8のクラッチ圧は破線で示すマップ線Fo に基づいて決まり、最大積載荷重(フルロード)の場合には実線で示すマップ線Fn に基づいて決まる。ノーロードとフルロードの各マップ線Fo とFn 間にはフォークにかかる荷重が大きいほどインチングペダル24の踏込み量に対するクラッチ圧の設定が大きくなるように複数のマップ線Fk(但し、同図では一点鎖線で示す一本のみ図示する)が設定されている。
【0035】
なお、ROM34にはシフトレバー28が後進位置にある場合のマップMも記憶されている。このマップMは、インチング領域で係合するのが後進クラッチ9になるだけなので、図3においてFo …Fn がRo …Rn 線に、R線がF線に置き換わる設定となっている。また、マップMに代えてインチングペダル24のペダルストロークとクラッチ圧との関係式を記憶してもよい。
【0036】
ROM34にはブレーキ領域においてインチングペダル24のストロークに対して決まるクラッチ圧を荷重Wに応じて補正するための補正係数α(W)が記憶されている。補正係数α(W)は荷重Wの値が大きいほど大きくなる値に設定されている。
【0037】
ROM34には後述する荷役走行制御時におけるアクセルペダル23の操作量に対する目標車速の関係を示すマップ(図示せず)が記憶されている。また、ROM34にはアクセルペダル23の操作量から決まる目標エンジン回転数に対応する車速が目標車速として設定されており、例えば水平路面走行時の車速とする。
【0038】
次に、CPU33が実行するインチング制御及び荷役走行制御について、図4〜図10に示すフローチャートを使用して説明する。図4〜図10のフローチャートに示すプログラムデータはROM34に記憶されている。フォークリフトの運転中、CPU33には各センサ15,17,22,25b,26,27,31等から各制御に必要な各種検出信号が入力される。
【0039】
インチング制御は、図4のフローチャートに示す制御である。先ず、ステップ(以下、単にSと記す)101において、インチングペダル24のペダルストローク(踏込み量)に基づき、荷重が考慮されたクラッチ係合圧(以下、クラッチ圧という)PinchをマップMを参照して求める。次に、S102において、クラッチ圧Pinchに応じた指令電流値IPinchを接続側のクラッチバルブに指令する。この場合のエンジン回転数はアクセルペダル23の踏込み量に応じた値となっている。
【0040】
荷役走行(以下、HATという)制御は、図5のフローチャートに示す制御である。まずS201において、荷役レバー29の操作量に応じたエンジン回転数となるようなスロットル開度THliftに制御する。次にS202において、アクセルペダル23の踏込み量に応じた目標車速Vhat をマップから求める。そして、S203において、目標車速Vhat となるように車速フィードバック制御(例えば、比例積分制御)により接続側のクラッチ圧を調整する。
【0041】
また、インチングペダル24がブレーキ領域に深く踏込まれたとき、或いはブレーキペダル25を踏込んだときにブレーキ制御が実行される。ブレーキ制御は、図6のフローチャートに示す制御である。先ずS301において、インチングペダル24またはブレーキペダル25を踏込んだ時のペダルストロークに応じたクラッチ圧Pbst をマップから求める。次に、S302において、荷重に応じた補正係数α(W)をPbst に乗じて補正し、FR同時係合圧Pfrを算出する。そして、S303において、クラッチ圧Pfrに応じた指令電流値IPfrを前進クラッチバルブ10及び後進クラッチバルブ11に指令する。従って、前後進クラッチ8,9がFR同時係合圧Pfrで同時係合することによりブレーキ力が得られ、しかも荷重に応じて補正されたクラッチ圧Pfrが採用されているので、ブレーキフィーリングは積荷の有無やその荷重に影響されずほぼ一定になる。
【0042】
図8は判定ルーチンを示すフローチャートであって、これによりインチング制御と荷役走行制御のうちいずれの実行条件が成立しているかが判断される。先ずS401において、インチングペダル24が操作されたか否かを判断する。インチングペダルが操作されればS402に進み、フラグFinchを「1」とする。また、インチングペダルが操作されていなければS403に進み、フラグFinchを「0」にする。
【0043】
S404において、荷役レバーの操作量に応じたスロットル開度THliftを算出する。次にS405において、アクセルペダル23の踏込み量に応じたスロットル開度THrun を算出する。そしてS406において、THliftがTHrun より大きい(THlift>THrun )か否かを判断する。THlift>THrun が成立すればS407に進み、フラグFhat を「1」にする。またTHlift>THrun
が不成立であればS408に進み、フラグFhat を「0」にする。
【0044】
判定ルーチンにおいて、Finch=0かつFhat =0のときは通常走行を実行する。Finch=1かつFhat =0のときはインチング制御を実行する。Finch=0及びFhat =1のときはHAT制御を実行する。Finch=1かつFhat =1のときはインチング制御とHAT制御とが混在している状態であり、以下に示す図9,図10の各フローチャートによって優位性を持たせる制御を行う。
【0045】
図9はHATモード中にインチングペダル24が踏込まれた場合に対応するプログラムであり、図10はインチング中にHATモードの成立条件が満たされた場合に対応するプログラムである。各プログラムはフラグFA(図示せず)の値に基づいていずれを実行するかが選択される。フラグFAは、フラグFinchとFhat の各値に基づき決められ、(Finch,Fhat )=(0,1)になるとFA=1とされ、(Finch,Fhat )=(0,1)及び(0,1)→(1,1)においてFA=1となり、(Finch,Fhat )=(1,0)及び(1,0)→(1,1)においてFA=0となる。そして、図9のプログラムはFA=1の時に実行され、図10のプログラムはFA=0のときに実行される。なお、判定ルーチン及びフラグFAが「1」または「0」であるかを判定するプログラムにより判定手段が構成される。
【0046】
図9のフローチャートを説明する。
まずステップ(以下、単にSと記す)501において、インチングペダル24が踏込まれているか否かを判断する。踏込まれているならS502に進み、インチング領域か否かを判断し、踏込まれていないならS512で荷役走行制御を実行する。
【0047】
S502において、インチング領域であるか否かを判断し、インチング領域であるならS503に進み、インチング領域でないならS504に進み図6のブレーキ制御を実行する。
【0048】
S503において、荷役レバー29の操作量に基づくスロットル開度THliftと、アクセルペダル23の踏込み量に基づくスロットル開度THrun とを比較して、大きい方のスロットル開度を採用してスロットルアクチュエータ7を制御する。そしてS505において、インチングペダル24が踏込まれていない状態から始めて踏込まれた(OFF→ON)か否かを判断し、始めての踏込みであればS506に進み、すでに踏込まれた状態であるならS507に進む。
【0049】
S506において、インチングペダル24が踏込まれた時点の接続側のクラッチ係合圧(以下、クラッチ圧という)Phat を記憶する。次にS507において、マップMを参照してインチングペダル24の踏込み量に対応したクラッチ圧Pinchを読み出す。
【0050】
次にS508において、PinchがPhat よりも大きい(Pinch>Phat )か否かを判断する。Pinch>Phat が成立すればS509へ進み、Pinchの値を目標クラッチ圧Pclとして採用する。Pinch>Phat が不成立であればS510に進み、Phat の値を目標クラッチ圧Pclとして採用する。そして、S511において、目標クラッチ圧Pclに対応した指令電流値IPclを接続側のクラッチバルブに指令する。このとき、反接続側のクラッチバルブにはクラッチ圧をゼロとする指令電流値を出力する。
【0051】
従って、HAT制御中にインチングペダル24が踏込まれた時はその時点で、すぐにそのペダルストロークに応じたクラッチ圧とはせず、図2に示すようにPinchがPhat と一致する時点(To)まで待ってからインチング制御に移行するため、急激なクラッチ圧の変化は起こらずショックは発生しない。また、エンジン回転数については、HAT制御に基づく値となっているので、荷役ポンプの回転数は増大してフォークの上昇速度は増すことになり、荷役作業性は確保される。
【0052】
図10のフローチャートについて説明する。このプログラムが実行されるときは常にインチングペダル24が踏込まれているものとする。
先ずS601において、HATモード(THlift>THrun )であるか否かを判断する。HATモードであればS602に進み、スロットル開度の値をTHliftとしてエンジン回転数を制御する。また、HATモードでなければS603に進み、スロットル開度の値をTHrun としてエンジン回転数を制御する。そして、S604において、インチング領域か否かを判断する。インチング領域であればS605に進み、インチング制御を実行する。このインチング制御は図4に示すフローチャートに従って実行される。また、インチング領域でないならS606に進んで、ブレーキ制御を実行する。このブレーキ制御は図6に示すフローチャートに従って実行される。
【0053】
なお、この実施形態では図4のフローチャートと、図9のS507〜S509及びS511がインチング制御を構成する。また、図5のフローチャートが荷役走行制御を構成する。また、図9においてHATモード中にインチングペダル24が踏込まれた時に、クラッチ圧制御についてはインチング制御を優先する制御が制御調整手段を構成する。また、図10においてインチング中にHATモードの成立条件が満たされてもインチング制御を継続する制御が制御調整手段を構成する。
【0054】
また、荷役走行制御を終了する時には、図7のフローチャートに示す荷役走行終了条件制御を実行する。先ずS701において、タービン回転数センサ15の出力信号からタービン回転数(クラッチ入力側回転数)NTを演算する。次にS702において、車速センサ17の出力信号及び入力軸3aと出力軸3b間に設けられたギヤ列(図示せず)の変速比からクラッチ出力側回転数NVを演算する。S703において、クラッチ入力側回転数NTがクラッチ出力側回転数NVから±α以内の範囲内にあるか否かを判断する。NV+α>NT>NV−αが不成立であるならS704に進み、アイドル回転数に相当するスロットル開度となるようにスロットルアクチュエータ7を制御する。NV+α>NT>NV−αNTが成立するならS705に進み、アクセルペダル23に基づいたスロットル開度となるようにスロットルアクチュエータ7を制御する。そしてS706において、接続側のクラッチを完全係合となるように制御する。従って、HATモードが解除されたとき、クラッチ圧はアクセルペダル23の踏込み量に応じた値から直ぐにインチングペダル24の踏込み量に応じた値にはせず、クラッチの入力側と出力側との回転数が所定許容範囲内で一致した時点で完全係合させるので、クラッチを完全係合させる際のショックが発生し難くなる。
【0055】
従って、この実施の形態では以下のような効果を得ることができる。
(1)HAT制御中にインチングペダル24が踏込まれたり、インチング制御中にHATモードの成立条件が満たされたとしても、CPU33はインチング制御を優先するように制御する。その結果、荷役走行制御機能を備えたフォークリフトにインチングペダル24を装備して、クラッチのマニュアル操作が可能な構造としても、インチング制御とHAT制御を共存させることができる。従って、このようなフォークリフトでも、マニュアル操作によって押し込み作業をすることができる。また、エンジン回転数は荷役レバー29及びアクセルペダル23に応じた値のうち大きい方となるので、フォーク19の上昇速度は速くなり、高い荷役作業性を確保できる。
【0056】
(2)HATモード中にインチングペダル24が踏込まれたとき、クラッチ圧Pinchがクラッチ圧Phat と同じ値になってからCPU33はインチングペダル24のペダルストロークに応じたクラッチ圧とするインチング制御に移行する。その結果、インチングペダル24が踏込まれた時点ですぐにインチングペダル24のペダルストロークに応じたクラッチ圧とすると、急激なクラッチ圧の変化が生じてショックが発生する場合があるが、そのようなショックの発生を回避できる。
【0057】
(3)インチング領域ではインチングペダル24のペダルストロークに応じたクラッチ圧を求めるとき、積荷の荷重を考慮した値となっているので、積荷の有無や荷重の違いに影響されず、インチングフィーリングをほぼ一定にできる。さらに、ブレーキとして作動するFR同時係合のクラッチ圧は荷重がかかるとそのクラッチ圧が高くなるように補正されるので、積荷の有無や荷重の違いに拘わらずブレーキフィーリングをほぼ一定にできる。
【0058】
(4)荷役走行中に荷役作業が終了したときは、エンジン回転数を低下させ接続側のクラッチの入力側と出力側との回転数が所定許容範囲内で一致するまで待ってからクラッチ圧を完全係合させるので、ショックが発生し難くなる。
【0059】
(5)前進クラッチ8及び後進クラッチ9を同時に係合させるFR同時係合をブレーキとして使用するので、十分なブレーキ力を得ることができる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態を図10及び図11を使用して説明する。この実施形態ではCPU33の行う制御内容が異なっており、その他の構成は同じである。なお、前記実施形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0060】
図11に示すフローチャートはHAT中にインチングペダル24が踏込まれたときの制御を示しており、図12に示すフローチャートはインチング制御中にHATモードの成立条件が満たされた場合の制御を示している。本実施形態ではインチング制御とHAT制御の成立条件が共に成立したときは、先に実行されている制御を優先する。
【0061】
始めに、フラグFA=1のときに実行される図11のフローチャートについて説明する。先ずS801において、HATモード中に、インチングペダル24が踏込まれたか否かを判断する。踏込まれていればS802に進み、そのペダルストロークがインチング領域か否かを判断する。インチング領域であればS803に進み、図5の荷役走行制御を実行する。また、S801においてインチングペダルが踏込まれていないならば、S803に進んで荷役走行制御を実行する。また、S802においてインチング領域でないならS804に進み、図6のブレーキ制御を実行する。また、HATモードが終了すると、図8の荷役走行終了条件制御を実行する。従って、HATモード中にインチングペダル24が踏込まれても、CPU33はHAT制御を継続する。
【0062】
次に、フラグFA=0のときに実行される図12のフローチャートについて説明する。先ずS901において、インチングペダル24が踏込まれているとき、そのペダルストロークがインチング領域か否かを判断する。インチング領域であるならS902に進み、HATモード(THlift>THrun )であるか否かを判断する。HATモードであればS903に進み、スロットル開度THliftを指令する。次のS904では、インチングペダル24のペダルストロークに応じたクラッチ圧PinchをマップMを参照して求める。そしてS905では、クラッチ圧Pinchに対応する指令電流値IPinchを接続側のクラッチのクラッチバルブに指令する。
【0063】
一方S901において、インチング領域でなければS906に進み、図6に示すブレーキ制御を実行する。またS902において、HATモードでなければS907に進み、スロットル開度THrun を指令する。そしてS908において、図4のインチング制御を実行する。
【0064】
以上のように、HAT中にインチングペダル24が踏込まれたときはHAT制御を継続し、インチング制御中にHATモードの成立条件が満たされてもインチング制御を継続する。従って、先に実行されている制御を継続するように、HAT制御とインチング制御に優位性を持たせているため、荷役走行制御機能を備えたフォークリフトにインチングペダル24を装備して、クラッチのマニュアル操作が可能な構造としても、インチング制御とHAT制御を共存させることが可能となる。また、インチング制御中にHATモードが成立したときは荷役レバー29の操作量に応じたエンジン回転数に制御されるので、油圧ポンプ18の回転数は増大してフォーク19の上昇速度は増すことになり、荷役作業性は確保される。
【0065】
なお、本実施形態では、図11においてHATモード中にインチングペダル24が踏込まれた時に、HAT制御を優先する制御が制御調整手段を構成する。また、図12においてインチング中にHATモードの成立条件が満たされてもインチング制御を継続する制御が制御調整手段を構成する。
【0066】
この構成においても前記実施の形態の(1)及び(3)〜(5)と同様に、インチング制御とHAT制御が共存可能、ほぼ一定なインチングフィーリング又はブレーキフィーリング、十分なブレーキ力が得られる等の効果を為し得る。
【0067】
なお、実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように変更してもよい。
○ 第1実施形態において、HAT中にインチングペダル24が踏込まれたとき、PinchがPhat と同じ値のクラッチ圧となるまでPhat を保持することに限定されない。即ち、PinchがPhat に対して所定許容範囲内で一致すればインチング制御に移行してもよい。このようにしても、クラッチの接続ショックは小さくできる。
【0068】
○ 第1実施形態において、HATモード中にインチングペダル24が踏込まれたとき、エンジン回転数制御においてスロットル開度はTHliftが採用されることに限らず、THrun を採用してもよい。また、第2実施形態において、インチング制御中にHATモードの成立条件が満たされたとき、スロットル開度はTHrun を採用してもよい。
【0069】
○ 第1実施形態において、HATモード中にインチングペダルが踏込まれたとき、Phat を保持することに限定されない。例えば、インチングペダル24が踏込まれてもクラッチ圧はHAT制御を継続し、インチング制御によるクラッチ圧がHAT制御によるクラッチ圧と同じ値となった時点、或いは所定許容範囲内で一致した時点で、インチング制御に移行する構成であってよい。
【0070】
○ 各クラッチ8,9及び駐車ブレーキ12の受圧室8a,9a,12cに油圧を供給する油圧ポンプを変速機3に内蔵する代わりに、油圧ポンプ18を利用してもよい。
【0071】
○ インチングペダルストロークとクラッチ圧との関係を示すマップMにおいて、ノーロードのときクラッチ圧を高めに、フルロードのときクラッチ圧を低めに設定してもよい。
【0072】
○ 荷役操作手段は荷役レバー29に限らず、フォークリフトの機種により他の荷役作業に必要なレバーを備えてもよい。
○ 産業車両はフォークリフトに限らず、荷役作業用の油圧機器を備えた他の産業車両、例えばショベルローダ等に適用してもよい。
【0073】
前記各実施形態及び別例から把握できる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(1)請求項5において、前記制御調整手段はエンジン回転数制御については、荷役作業手段の操作量及びアクセル操作手段の操作量のうち大きい方を優先する。この場合、荷役操作手段の操作量に応じて荷役ポンプの回転数は上昇するので、荷役作業性を向上できる。
【0074】
(2)請求項1〜5のうちいずれかにおいて、前記産業車両は、荷役走行制御が終了した際にクラッチの入力側と出力側の回転数が所定範囲内で一致するまで待ってから荷役走行制御のクラッチ圧からアクセル操作手段の操作量に応じたクラッチ圧に切り換える荷役走行終了条件制御を備えている。この場合、クラッチ圧制御が荷役走行制御から通常走行制御に移行したときにショックが発生し難くなる。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1〜請求項5に記載の発明によれば、インチング制御と荷役走行制御との間に優位性を持たせるので、インチング制御と荷役走行制御とを共存させることができる。
【0076】
請求項1〜請求項4に記載の発明によれば、荷役走行制御のクラッチ係合圧からインチング制御のクラッチ係合圧への切換わりがスムーズに、かつ小さなショックにすることができる。
【0077】
請求項2〜請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の効果に加え、荷役操作手段の操作量に応じて荷役ポンプの回転数は上昇するので、荷役作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるフォークリフトの摸式構成図。
【図2】時間経過に対するクラッチ圧の変化を示すグラフ。
【図3】インチングペダルストロークに対するクラッチ圧のマップ。
【図4】インチング制御を行うためのフローチャート。
【図5】荷役走行制御を行うためのフローチャート。
【図6】ブレーキ制御を行うためのフローチャート。
【図7】荷役走行終了条件制御を行うためのフローチャート。
【図8】判定ルーチンを示すフローチャート。
【図9】HATモード中にインチングペダルが踏込まれた場合のフローチャート。
【図10】インチング中にHATモードの成立条件が満たされた場合のフローチャート。
【図11】第2実施形態においてHATモード中にインチングペダルが踏込まれた場合のフローチャート。
【図12】インチング中にHATモードの成立条件が満たされた場合のフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン、2…トルクコンバータ、3…変速機、5…駆動輪、8…前進クラッチ、8a…受圧室、9…後進クラッチ、9a…受圧室、10…制御弁としての前進クラッチバルブ、11…制御弁としての後進クラッチバルブ、18…荷役用ポンプとしての油圧ポンプ、23…アクセル操作手段としてのアクセルペダル、24…インチング操作手段としてのインチングペダル、26…アクセル操作量検出手段としてのアクセルセンサ、27…インチング操作量検出手段としてのインチングセンサ、29…荷役操作手段としての荷役レバー、31…荷役操作量検出手段としての荷役レバーセンサ、33…インチング制御手段、荷役走行制御手段、判定手段及び制御調整手段を構成するCPU。
Claims (5)
- エンジンの出力をトルクコンバータを介して駆動輪に伝達する油圧式の前進クラッチ及び後進クラッチを備えた変速機と、
前記各クラッチの受圧室内の油圧を増減して接続状態を調整する制御弁と、
アクセル操作手段の操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
インチング操作手段の操作量を検出するインチング操作量検出手段と、
荷役作業を行うために操作される荷役操作手段の操作量を検出する荷役操作量検出手段と、
前記エンジンにより駆動される荷役用ポンプと、
前記インチング操作量検出手段の検出信号に基づいて、前記インチング操作手段の操作量に応じて各クラッチを半クラッチにするインチング制御を行うインチング制御手段と、
前記荷役操作手段の操作量に応じたエンジン回転数と、前記アクセル操作手段の操作量に応じたエンジン回転数とを比較して、該荷役操作手段の操作量に応じたエンジン回転数が大きい場合に、該荷役操作手段の操作量に応じたエンジン回転数に制御するとともに、前記アクセル操作手段の操作量に応じた車速となるように接続側のクラッチを半クラッチ状態にする荷役走行制御を行う荷役走行制御手段と、
インチング制御と荷役走行制御のうちいずれの実行条件が成立したかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記インチング制御実行条件と荷役走行実行条件が共に成立したと判断された際は、少なくともクラッチ圧制御については、インチング操作手段の操作量に基づくインチング制御を優先させるとともに、荷役走行制御のクラッチ係合圧から前記インチング制御のクラッチ係合圧に移る際には、インチング操作手段の操作量から決まるクラッチ係合圧が、前記荷役走行制御終了時のクラッチ係合圧に対する所定許容範囲内の値に達した後にインチング制御に切り換える制御調整手段と
を備えた産業車両の荷役及び走行制御装置。 - 前記制御調整手段はエンジン回転数制御については、前記荷役実行条件に基づくエンジン回転数の値に制御する請求項1に記載の荷役及び走行制御装置。
- 前記制御調整手段はクラッチ制御において、荷役走行終了時のクラッチ係合圧からインチング制御のクラッチ係合圧に移行する際に、前記インチング操作手段が操作された際の荷役走行制御のクラッチ係合圧を保持する請求項1又は請求項2に記載の荷役及び走行制御装置。
- 前記制御調整手段は前記クラッチ圧制御において、前記インチング制御によるクラッチ係合圧が、前記インチング操作手段が操作された際の前記荷役走行制御のクラッチ係合圧と同じ値に達した後にインチング制御に切り換える請求項1〜請求項3に記載の産業車両の荷役及び走行制御装置。
- エンジンの出力をトルクコンバータを介して駆動輪に伝達する油圧式の前進クラッチ及び後進クラッチを備えた変速機と、
前記各クラッチの受圧室内の油圧を増減して接続状態を調整する制御弁と、
アクセル操作手段の操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
インチング操作手段の操作量を検出するインチング操作量検出手段と、
荷役作業を行うために操作される荷役操作手段の操作量を検出する荷役操作量検出手段と、
前記エンジンにより駆動される荷役用ポンプと、
前記インチング操作量検出手段の検出信号に基づいて、前記インチング操作手段の操作量に応じて各クラッチを半クラッチにするインチング制御を行うインチング制御手段と、
前記荷役操作手段の操作量に応じたエンジン回転数と、前記アクセル操作手段の操作量に応じたエンジン回転数とを比較して、該荷役操作手段の操作量に応じたエンジン回転数が大きい場合に、該荷役操作手段の操作量に応じたエンジン回転数に制御するとともに、前記アクセル操作手段の操作量に応じた車速となるように接続側のクラッチを半クラッチ状態にする荷役走行制御を行う荷役走行制御手段と、
インチング制御と荷役走行制御のうちいずれの実行条件が成立したかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記インチング制御実行条件と荷役走行制御実行条件が共に成立した際は、クラッチ圧制御についてはインチング制御と荷役走行制御のうち先に実行されている方の制御を優先させる制御調整手段と
を備えた産業車両の荷役及び走行制御装置。
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