JP2001116070A - 産業車両の制動制御装置 - Google Patents

産業車両の制動制御装置

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JP2001116070A
JP2001116070A JP29479499A JP29479499A JP2001116070A JP 2001116070 A JP2001116070 A JP 2001116070A JP 29479499 A JP29479499 A JP 29479499A JP 29479499 A JP29479499 A JP 29479499A JP 2001116070 A JP2001116070 A JP 2001116070A
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JP
Japan
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brake
clutch
braking
pressure
vehicle speed
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JP29479499A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Taniguchi
浩之 谷口
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 産業車両において、制動使用頻度が高くて
も、その割に制動装置のメンテナンス頻度を少なく済ま
せる。 【解決手段】 エンジン式フォークリフトのトルクコン
バータ2と作動連結された変速機3は、前進クラッチ8
及び後進クラッチ9を備える。両クラッチ8,9は湿式
クラッチである。制御装置41は、フォークリフト走行
中にアクセルペダル23が操作されなくなると、クラッ
チバルブ10,11を制御して前進クラッチ8と後進ク
ラッチ9を同時係合させることによりトルコン無装備車
並の擬似ダイナミックブレーキを発生させる。また、制
御装置41はブレーキペダル25が操作されると、クラ
ッチバルブ10,11を制御して前進クラッチ8と後進
クラッチ9をブレーキ操作量に応じたクラッチ係合圧で
同時係合させることにより車両を制動させる。つまり制
動には前後進クラッチ8,9が利用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンと走行用
クラッチ間にトルクコンバータを装備するフォークリフ
ト等の産業車両において、擬似ダイナミックブレーキ
(エンジンブレーキ)やブレーキ操作時のブレーキのた
めの制動力を発生させる制御をする産業車両の制動制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジン車であるフォークリフト
においては、走行中にアクセルペダルの踏込みをやめた
ときはエンジン回転数の低下に応じた機械的なダイナミ
ックブレーキ(エンジンブレーキ)が働く。また、ブレ
ーキペダルを踏み込むと、車輪に設けられたドラムブレ
ーキ等の常用ブレーキ(サービスブレーキ)が作動し、
車両は制動される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、フォークリフト
にもトルクコンバータを備えた変速機を使用するものが
多い。トルクコンバータを備えるフォークリフトでは、
トルクコンバータ無装備車に比べダイナミックブレーキ
の効き具合が相対的に弱い。従来のトルクコンバータ無
装備のフォークリフトを使用する者にとってはその減速
感にもの足りなさを感じる場合があり、トルクコンバー
タ無装備車と同等の減速感が欲しいという要求がある。
【0004】減速感を強くするためには、例えばコント
ローラ等の制御装置により制動装置を制御し、弱いブレ
ーキ力を与えて減速度を強くする擬似ダイナミックブレ
ーキを採用することが考えられる。従来、フォークリフ
トでは制動装置としては常用ブレーキとしてドラムブレ
ーキが使用されており、ドラムブレーキを使って擬似ダ
イナミックブレーキを発生させることが考えられる。
【0005】一方、ブレーキペダルを踏込んだときには
常用ブレーキであるドラムブレーキが作動される。フォ
ークリフトは荷の運搬作業に使用され、荷取りや荷置き
の度に頻繁にブレーキが使用される。さらに荷役作業の
際はインチングペダルを操作することによってもドラム
ブレーキが作動される。このようにフォークリフトはブ
レーキ使用頻度が高いため、ドラムブレーキ等の常用ブ
レーキの部品摩耗が激しくブレーキ部品の交換等のメン
テナンスが比較的頻繁に必要になる。
【0006】このため、ドラムブレーキ等の常用ブレー
キを擬似ダイナミックブレーキに使用すると、常用ブレ
ーキの部品の消耗が一層激しくなり、そのメンテナンス
頻度がさらに高くなるという問題があった。ドラムブレ
ーキ等の部品材質に耐久性のあるものを使うことも考え
られるが、それにも限界があった。メンテナンス頻度が
高くなると、その間、フォークリフトを使用できなくな
るため、作業効率上においても問題が生じる。
【0007】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであってその目的は、制動使用頻度が高い割に制動装
置のメンテナンス頻度を少なく済ませることができる産
業車両の制動制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1に記載の発明では、エンジンの出力をトルク
コンバータを介して出力軸に伝達する油圧式の前進クラ
ッチ及び後進クラッチを備えた変速機と、前記各クラッ
チの受圧室内の油圧を増減して接続状態を調整する制御
弁と、前記トルクコンバータと前記駆動輪との間を結ぶ
駆動伝達軸上に設けられたクラッチ式の制動手段と、前
記変速機を切換操作するためのシフト操作手段の前進・
中立・後進の操作位置を検出するシフト操作位置検出手
段と、アクセル操作手段の操作量を検出するアクセル操
作量検出手段と、前記シフト操作位置検出手段及び前記
アクセル操作量検出手段の各検出値に基づいて、前記シ
フト操作手段が前進又は後進に操作された状態で少なく
とも前記アクセル操作手段が操作されていない擬似ダイ
ナミックブレーキの作動時期と判断したときに、予め設
定された擬似ダイナミックブレーキの設定減速度に応じ
たクラッチ係合圧に前記制動手段を制御する制御手段と
を備えている。
【0009】この構成によれば、シフト操作手段が前進
又は後進に操作された状態で少なくともアクセル操作手
段が操作されていない擬似ダイナミックブレーキの作動
時期であると判断手段が判断すると、制御手段は、制動
手段を設定減速度が得られるクラッチ係合圧に制御し、
そのクラッチ係合圧に応じた擬似ダイナミックブレーキ
が発生する。トルクコンバータと駆動輪との間を結ぶ駆
動伝達軸上に設けられたクラッチ式の制動手段を使うの
で、制動使用頻度が高くなるが、制動手段のメンテナン
ス頻度が従来使用されていたドラムブレーキ等に比べ少
なくて済む。また、制動手段の長期寿命が従来のドラム
ブレーキ等に比べ保証される。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記設定減速度を設定する設定操作
手段を備え、前記制御手段は前記設定操作手段により設
定された設定減速度の擬似ダイナミックブレーキが得ら
れるように前記制動手段のクラッチ係合圧を制御するこ
とを要旨とする。
【0011】この構成によれば、制御手段は、設定操作
手段の操作により設定された設定減速度の擬似ダイナミ
ックブレーキが得られるように制動手段のクラッチ係合
圧を制御するので、運転者等が好みに応じて擬似ダイナ
ミックブレーキの効き具合(強さ)を選択設定すること
が可能になる。
【0012】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
2に記載の発明において、車両に積載された荷の重量を
検出する荷重検出手段を備え、前記制御手段は、前記所
定減速度が得られるように前記荷重検出手段の検出値に
基づく荷重を考慮して前記制動手段のクラッチ係合圧を
求めることを要旨とする。
【0013】この構成によれば、擬似ダイナミックブレ
ーキが掛かかるときに設定される制動手段のクラッチ係
合圧は産業車両に積載された荷の重量を考慮して決まる
ので、荷の重量等に影響されず、車両はいつもほぼ設定
減速度で減速する。
【0014】請求項4に記載の発明では、請求項1〜3
のいずれか一項に記載の発明において、前記制動手段は
前記前進クラッチ及び後進クラッチが兼ね、前記制御手
段は、前記前進クラッチ及び後進クラッチを前記設定減
速度が得られるクラッチ係合圧に同時係合させることを
要旨とする。
【0015】この構成によれば、前進クラッチ及び後進
クラッチを制動手段として利用し、前進クラッチ及び後
進クラッチを設定減速度が得られるクラッチ係合圧に同
時係合させることで擬似ダイナミックブレーキのための
制動力が得られる。前進クラッチ及び後進クラッチを利
用するので、擬似ダイナミックブレーキの採用により制
動使用頻度が増える割に制動装置のメンテナンス頻度が
増え難い。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか一項に記載の発明において、前記制動手段は、
前記駆動伝達軸上に設けられた駐車ブレーキ手段であっ
て、前記制御手段は、前記設定減速度が得られるクラッ
チ係合圧に前記駐車ブレーキ手段を制御することを要旨
とする。
【0017】この構成によれば、駐車ブレーキを制動手
段として利用し、駐車ブレーキを設定減速度が得られる
クラッチ係合圧に制御することで擬似ダイナミックブレ
ーキのための制動力が得られる。駐車ブレーキを利用す
るので、擬似ダイナミックブレーキの採用により制動使
用頻度が増える割に制動装置のメンテナンス頻度が増え
難い。
【0018】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれか一項に記載の発明において、産業車両は車速検
出手段を備え、前記制御手段は、前記設定減速度が得ら
れるクラッチ係合圧となるように前記制動手段の係合圧
を車速フィードバック制御することを要旨とする。
【0019】この構成によれば、擬似ダイナミックブレ
ーキが掛かったときに設定減速度が得られるように制動
手段のクラッチ係合圧が車速フィードバック制御される
ので、産業車両が積載する荷の重量等に影響されず、車
両はいつも設定減速度で減速する。
【0020】請求項7に記載の発明では、エンジンの出
力をトルクコンバータを介して出力軸に伝達する油圧式
の前進クラッチ及び後進クラッチを備えた変速機と、該
変速機を切換操作するためのシフト操作手段と、前記前
進クラッチ及び後進クラッチを該シフト操作手段の前進
・中立・後進の操作位置に応じた接続状態に切換えるシ
フト切換手段とを備えた産業車両において、車両を制動
させるために操作するブレーキ操作手段と、前記トルク
コンバータと前記駆動輪との間を結ぶ駆動伝達軸上に設
けられたクラッチ式の制動手段と、前記ブレーキ操作手
段が操作されたときに前記クラッチ式の制動手段を前記
ブレーキ操作手段の操作量に応じた制動力が得られるク
ラッチ係合圧にて係合させる制動力発生手段とを備えて
いる。
【0021】この構成によれば、ブレーキ操作手段が操
作されると、制動力発生手段が、ブレーキ操作手段の操
作量に応じた制動力が得られるクラッチ係合圧にてクラ
ッチ式の制動手段を係合させるため、ブレーキ操作量に
応じた制動力が得られる。トルクコンバータと駆動輪と
の間を結ぶ駆動伝達軸上に設けられたクラッチ式の制動
手段を使うので、制動使用頻度が高くても、制動手段の
メンテナンス頻度が従来使用されていたドラムブレーキ
等に比べ少なくて済む。また、制動手段の長期寿命が従
来のドラムブレーキ等に比べ保証される。
【0022】請求項8に記載の発明では、エンジンの出
力をトルクコンバータを介して出力軸に伝達する油圧式
の前進クラッチ及び後進クラッチを備えた変速機と、前
記各クラッチの受圧室内の油圧を増減して接続状態を調
整する制御弁と、前記トルクコンバータと前記駆動輪と
の間を結ぶ駆動伝達軸上に設けられたクラッチ式の制動
手段と、前記変速機を切換操作するためのシフト操作手
段の前進・中立・後進の操作位置を検出するシフト操作
位置検出手段と、ブレーキ操作手段の操作量を検出する
ブレーキ操作量検出手段と、前記ブレーキ操作量検出手
段の検出値に基づき前記ブレーキ操作手段の操作量に応
じた制動力が得られるクラッチ係合圧に前記制動手段を
制御する制御手段とを備えている。
【0023】この構成によれば、ブレーキ操作手段が操
作されると、制御手段は、ブレーキ操作手段の操作量に
応じた制動力が得られるクラッチ係合圧に制動手段を制
御し、そのクラッチ係合圧に応じた制動力が得られる。
トルクコンバータと駆動輪との間を結ぶ駆動伝達軸上に
設けられたクラッチ式の制動手段を使うので、制動使用
頻度が高くても、制動手段のメンテナンス頻度が従来使
用されていたドラムブレーキ等に比べ少なくて済む。ま
た、制動手段の長期寿命が従来のドラムブレーキ等に比
べ保証される。
【0024】請求項9に記載の発明では、請求項8に記
載の発明において、前記ブレーキ操作手段は踏込操作す
るものであって、前記ブレーキ操作手段を踏み込み操作
したときに踏力を発生させる油圧式の踏力発生手段を備
え、前記ブレーキ操作量検出手段は、前記踏力発生手段
の油圧から踏力を検出する踏力検出手段であって、前記
制御手段は、前記踏力検出手段の検出値に基づく踏力の
弱い初期領域では、一定の初期ブレーキ力を設定するよ
うに前記制動手段を制御することを要旨とする。
【0025】この構成によれば、ブレーキ操作手段を軽
く(弱く)操作したとき、油圧式の踏力発生手段の油圧
が立ちにくく踏力検出手段の検出値がばらつき易い。踏
力検出手段の検出値に基づき踏力の弱い初期領域では一
定の初期ブレーキ力が設定されるように制動手段は制御
手段により制御される。従って、ブレーキ操作手段の操
作初期領域においては小さいなりに必要な制動力の発生
が保証される。
【0026】請求項10に記載の発明では、請求項8又
は9に記載の発明において、前記シフト操作位置検出手
段の検出値に基づいて前記シフト操作手段の操作位置が
中立位置であると判断する状態で、前記ブレーキ操作手
段が操作されたと判断すると、前記制御手段は、前記ブ
レーキ操作手段の操作量に応じた制動力が得られるクラ
ッチ係合圧に前記制動手段を制御する際に、そのクラッ
チ係合圧の立ち上げ勾配を緩和させる処理を行うことを
要旨とする。
【0027】この構成によれば、シフト操作手段が中立
位置に操作された状態で、ブレーキ操作手段が操作され
たときは、制動手段のクラッチ係合圧の立ち上げ勾配を
緩和させる処理が行われるので、シフト中立位置でクラ
ッチが切離された状態での走行中にブレーキ操作された
ときのショックが緩和される。
【0028】請求項11に記載の発明では、請求項8〜
10に記載の発明において、産業車両は車速検出手段と
駐車ブレーキ手段とを備え、前記制御手段は、前記ブレ
ーキ操作量検出手段及び車速検出手段の各検出値に基づ
き前記ブレーキ操作手段が操作された状態で車速が停止
車速にあると判断すると、駐車ブレーキ手段を作動させ
ることを要旨とする。
【0029】この構成によれば、ブレーキ操作量検出手
段及び車速検出手段の各検出値に基づきブレーキ操作手
段が操作された状態で車速が停止車速にあると判断され
ると、駐車ブレーキ手段が作動される。このため、停車
後、ブレーキ操作手段の操作をやめても駐車ブレーキが
効いている。例えば坂路で停車後、再発進のためブレー
キ操作をやめてもロールバックしない。
【0030】請求項12に記載の発明では、請求項8〜
11に記載の発明において、前記制動手段は前記前進ク
ラッチ及び後進クラッチが兼ね、前記制御手段は、前記
前進クラッチ及び後進クラッチを前記ブレーキ操作手段
の操作量に応じた制動力が得られるクラッチ係合圧に同
時係合させることを要旨とする。
【0031】この構成によれば、前進クラッチ及び後進
クラッチを制動手段として利用し、前進クラッチ及び後
進クラッチをブレーキ操作手段の操作量に応じた制動力
が得られるクラッチ係合圧で同時係合させることで制動
力が得られる。前進クラッチ及び後進クラッチを利用す
るので、制動使用頻度が高くても制動装置のメンテナン
ス頻度が少なく済む。また、従来のドラムブレーキ等の
常用ブレーキ装置を廃止することも可能となる。
【0032】請求項13に記載の発明では、請求項8〜
11に記載の発明において、前記制動手段は、前記駆動
伝達軸上に設けられたクラッチ式の駐車ブレーキ手段で
あって、前記制御手段は、前記ブレーキ操作手段の操作
量に応じた制動力が得られるクラッチ係合圧に前記駐車
ブレーキ手段を制御することを要旨とする。
【0033】この構成によれば、駐車ブレーキ手段を制
動手段として利用し、駐車ブレーキ手段をブレーキ操作
手段の操作量に応じたクラッチ係合圧で係合させること
により制動力が得られる。駐車ブレーキ手段を利用する
ので、制動使用頻度が高くても制動装置のメンテナンス
頻度が少なく済む。また、ドラムブレーキ等の従来の常
用ブレーキ装置を廃止することも可能となる。
【0034】請求項14に記載の発明では、請求項8〜
13に記載の発明において、前記クラッチ式の制動手段
は前記変速機の内部に設けられ、前記変速機から前記駆
動輪までの動力伝達経路上には少なくとも該駆動輪寄り
の位置に、前記ブレーキ操作手段の操作に基づき少なく
とも車両停止時に作動される補助制動手段が設けられて
いる。
【0035】この構成によれば、ブレーキ操作手段が操
作されて産業車両が少なくとも停止するときには、変速
機の内部に設けられたクラッチ式の制動手段と、変速機
から駆動輪までの動力伝達経路上において駆動輪寄りの
位置に設けられた補助制動手段とが同時に作動される。
このため、変速機内部だけでなく駆動輪寄りの位置にも
同時に制動が加えられるので、変速機と駆動輪との間に
ある動力伝達軸に捻じれが起き難く、その捻じれの復元
による車体の揺れ戻しが起き難くなる。よって、産業車
両の停止時に車体が揺れ難くなる。
【0036】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
を産業車両としてのフォークリフトに具体化した第1の
実施形態を図面に従って説明する。
【0037】図1に示すように、エンジン1の出力軸1
aはトルクコンバータ2を備えた変速機3に連結され、
変速機3は差動装置4を介して駆動輪5を有する車軸6
に連結されている。エンジン1にはスロットルアクチュ
エータ7が設けられ、スロットルアクチュエータ7の作
動によってスロットル開度が調節されてエンジン1の回
転数、即ちエンジン1の出力軸1aの回転数が調節され
る。
【0038】変速機3は入力軸(メインシャフト)3a
及び出力軸(カウンタシャフト)3bを備え、入力軸3
aに前進クラッチ8及び後進クラッチ9が設けられてい
る。この実施形態では、クラッチ式の制動手段として前
進クラッチ8及び後進クラッチ9を使用する。前進クラ
ッチ8及び後進クラッチ9と出力軸3bとの間には図示
しないギヤ列がそれぞれ設けられ、各クラッチ8,9及
び各ギヤ列を介して入力軸3aの回転が出力軸3bに伝
達される。両クラッチ8,9には油圧式のクラッチ、こ
の実施の形態では湿式多板クラッチが使用され、受圧室
8a,9a内の油圧力によって接続力が調節可能に、か
つ受圧室8a,9a内の油圧力を高めると接続力が大き
くなるように構成されている。前進クラッチ8及び後進
クラッチ9は、制御弁としての前進クラッチバルブ10
及び後進クラッチバルブ11を介して供給される油圧に
より受圧室8a,9a内の油圧力が制御される。前進ク
ラッチバルブ10及び後進クラッチバルブ11はソレノ
イドへの通電量に比例した開度となる比例ソレノイド弁
で構成されている。
【0039】変速機3の出力軸3bには駐車ブレーキク
ラッチ(駐車ブレーキ)12が設けられている。すなわ
ち駐車ブレーキ12は変速機3に組み込まれている。駐
車ブレーキ12は出力軸3bと一体回転するディスク1
2aと、出力軸3bに対して回転不能かつスラスト方向
に移動可能に設けられたブレーキパッド12bとを備え
ている。ブレーキパッド12bは図示しないばねのばね
力によりディスク12aに圧接される方向に付勢されて
制動のための係合圧を発生させ、駐車ブレーキクラッチ
バルブ13を介して受圧室12cに供給される油圧によ
り制動状態が解除されるように構成されている。駐車ブ
レーキクラッチバルブ13には電磁弁が使用されてい
る。
【0040】図1ではトルクコンバータ2、変速機3及
び各バルブ10,11,13が独立して図示されている
が、これら各装置は一つのハウジング内に組み込まれ
て、オートマチックトランスミッションを構成してい
る。そして、変速機3には図示しない油圧ポンプが組み
込まれ、その油圧ポンプの吐出油が図示しない流路及び
各バルブ10,11,13を介して各受圧室8a,9
a,12cに供給可能に構成されている。前記油圧ポン
プはエンジン1の回転時に変速機3に伝達される回転力
により駆動されるようになっている。
【0041】変速機3の入力軸3aには歯車14が一体
回転可能に設けられ、磁気ピックアップからなるタービ
ン回転数センサ15により入力軸3aの回転数が検出さ
れる。タービン回転数センサ15は入力軸3aの回転数
に比例したパルス信号を出力する。変速機3の出力軸3
bには歯車16が一体回転可能に設けられ、磁気ピック
アップからなる車速検出手段としての車速センサ17に
より出力軸3bの回転数が検出される。車速センサ17
は出力軸3bの回転数に比例したパルス信号を出力す
る。
【0042】エンジン1により駆動される荷役用ポンプ
(油圧ポンプ)18の吐出側に、図示しない管路等を介
してフォーク19を昇降させるリフトシリンダ20及び
マスト21を傾動させる図示しないティルトシリンダが
接続されている。リフトシリンダ20にはフォーク19
の積載荷重を検出する荷重検出手段としての荷重センサ
22が設けられている。荷重センサ22はリフトシリン
ダ20の内部の油圧を検出する圧力センサからなり、フ
ォーク19の積載荷重に対応した検出信号を出力する。
【0043】運転室の床にはアクセル操作手段としての
アクセルペダル23と、インチングペダル24と、ブレ
ーキペダル25とが設けられている。インチングペダル
24は荷役作業を行いながらフォークリフトの微速走行
を行う際に、クラッチを半接続状態(半クラッチ状態)
にするために使用するものである。そして、ブレーキペ
ダル25を操作する(踏み込む)ときは、ブレーキペダ
ル25はインチングペダル24と独立して作動するが、
インチングペダル24を操作する(踏み込む)ときは、
途中からインチングペダル24とブレーキペダル25と
が連動可能に構成されている。即ち、インチングペダル
24は踏込量の浅いインチング領域においてはブレーキ
ペダル25と独立して移動(操作)されるが、インチン
グ領域を過ぎて踏込量の深いブレーキ領域になるとブレ
ーキペダル25がインチングペダル24と一体に移動す
るようになっている。なお、インチングペダル24及び
ブレーキペダル25によりブレーキ操作手段が構成され
る。
【0044】アクセルペダル23の操作量を検出するア
クセル操作量検出手段としてのアクセルセンサ26は、
アクセルペダル23の操作量に比例した検出信号を出力
する。インチングペダル24の操作量を検出するインチ
ングセンサ27は、インチングセンサ27の操作量に比
例した検出信号を出力する。
【0045】ブレーキペダル25は踏力発生手段として
の油圧式の踏力発生装置(エミュレータ)28と機械的
に連結され、踏力発生装置28にはその内部の油圧を検
出する、ブレーキ操作量検出手段及び踏力検出手段とし
ての圧力センサからなるブレーキセンサ29が設けられ
ている。ブレーキセンサ29はブレーキペダル25を踏
み込んだときのブレーキ踏力に比例する検出信号を出力
する。ブレーキペダル25が操作されたか否かはブレー
キスイッチ30により検出される。
【0046】運転室の前部にはシフト操作手段としての
シフトレバー(前後進レバー)31が設けられている。
シフトレバー31の位置を検知するシフト操作位置検出
手段としてのシフトスイッチ32は、シフトレバー31
が前進位置F、後進位置R及び中立位置(ニュートラル
位置)Nのいずれにあるかを検知し、各位置に対応する
信号を出力する。また、運転室の前部には荷役操作手段
としてのリフトレバー33及びティルトレバー34が設
けられている。リフトレバー33の操作量を検出するリ
フトレバーセンサ35は、リフトレバー33の操作量に
比例した検出信号を出力する。ティルトレバー34の操
作量を検出するティルトレバーセンサ36は、ティルト
レバー34の操作量に比例した検出信号を出力する。ま
た、運転室の前部には、設定操作手段としてのモード切
換スイッチ37が設けられている。モード切換スイッチ
37は擬似ダイナミックブレーキの減速度をハード・ノ
ーマル・ソフトの3段階に選択できるように切換操作さ
れる。また、エンジン1に内蔵されたエンジン回転数セ
ンサ38によりエンジン回転数が検出される。エンジン
回転数センサ38はエンジン回転数に比例したパルス信
号を出力する。
【0047】次に前記スロットルアクチュエータ7、前
進クラッチバルブ10、後進クラッチバルブ11及び駐
車ブレーキクラッチバルブ13を駆動制御するための電
気的構成を説明する。
【0048】制御装置41は、中央処理装置(以下、C
PUという)42、読出し専用メモリ(ROM)43、
読出し及び書替え可能なメモリ(RAM)44、入力イ
ンタフェース45及び出力インタフェース46を備えて
いる。ROM43には所定の制御プログラムや制御プロ
グラムを実行する際に必要な各種データ等が記憶されて
いる。RAM44にはCPU42の演算結果等が一時記
憶される。CPU42はROM43に記憶された制御プ
ログラムに基づいて作動する。なお、制動力発生手段
は、両クラッチバルブ10,11、シフトスイッチ32
及び制御装置41により構成される。また、両クラッチ
バルブ10,11及び制御装置41により制御手段が構
成される。
【0049】CPU42は前記各センサ15,17,2
2,26,27,29,35,36,38及び各スイッ
チ30,32,37の出力信号を入力するとともに、R
OM43に記憶された各種制御プログラムに従って動作
し、スロットルアクチュエータ7及び各バルブ10,1
1,13への制御指令信号を出力する。
【0050】前記タービン回転数センサ15、車速セン
サ17、ブレーキスイッチ30、シフトスイッチ32、
モード切換スイッチ37及びエンジン回転数センサ38
は、入力インタフェース45を介してCPU42に接続
されている。荷重センサ22、アクセルセンサ26、イ
ンチングセンサ27、ブレーキセンサ29、リフトレバ
ーセンサ35及びティルトレバーセンサ36は図示しな
いA/D変換器(アナログ・ディジタル変換器)及び入
力インタフェース45を介してCPU42に接続されて
いる。
【0051】CPU42は出力インタフェース46及び
図示しない駆動回路を介してスロットルアクチュエータ
7、前進クラッチバルブ10、後進クラッチバルブ11
及び駐車ブレーキクラッチバルブ13にそれぞれ接続さ
れている。
【0052】ROM43には、各種プログラム(図8〜
図11)と、各種プログラムで使用する各種のマップ
(図2〜図4)が記憶されている。各プログラムはエン
ジン運転中(スタータキーオン中)に所定時間(例えば
10〜50msec. )間隔で実行される。
【0053】図8の擬似ダイナミックブレーキ制御ルー
チンは、擬似ダイナミックブレーキ制御を実行するため
のプログラムである。図2のマップM1はこのルーチン
で使用される。
【0054】図9のクリープフラグ制御ルーチンは、フ
ォークリフトにクリープ走行を必要時に確実に行わせる
制御をするうえで使用するクリープフラグを、セット・
リセットする制御のためのプログラムである。
【0055】図10のブレーキ制御ルーチンは、ブレー
キペダル25が踏まれたときにその踏力に応じた制動力
を発生させる制御のためのプログラムである。図4のマ
ップM2はこのルーチンで使用される。インチングペダ
ル24がブレーキ領域に踏まれたときもこのルーチンが
実行される。
【0056】図11のニュートラルブレーキ制御ルーチ
ンは、シフト中立位置でブレーキペダル25(インチン
グペダル24を含む)を踏んだときのブレーキ制御を実
行するためのプログラムである。シフト中立位置にあっ
て前進・後進両クラッチ8,9が共に切離された状態か
ら両クラッチ8,9のクラッチ係合圧を急に上昇させる
とショックが大きいので、ショック緩和のためにクラッ
チ係合圧の立ち上がりに勾配を持たせた制御をする。
【0057】本実施形態では、擬似ダイナミックブレー
キの制動力も、ブレーキ操作による常用ブレーキの制動
力も、前進クラッチ8及び後進クラッチ9を係合させる
ことにより発生させる方式を採用している。つまり、前
進クラッチ8及び後進クラッチ9が制動手段を構成して
いる。このため、従来、常用ブレーキとして装備されて
いるドラムブレーキ等は備えていない。もちろん、補助
ブレーキとしてドラムブレーキ等を装備することは可能
である。
【0058】擬似ダイナミックブレーキの制動力を発生
させる原理は、前進クラッチ8及び後進クラッチ9のう
ち、シフト側のクラッチが完全係合された状態で、シフ
ト反対側のクラッチを半クラッチ状態で係合させること
による。このシフト反対側のクラッチを半クラッチ状態
で係合させることにより擬似ダイナミックブレーキに必
要な制動力を発生させる。シフト反対側のクラッチの半
クラッチ圧は、モード切換スイッチ37により選択され
たモードに応じた設定減速度が得られるように決められ
る。この減速度は、シフト反対側のクラッチの係合圧だ
けでなく、車体重量にも影響されるので、フォークリフ
トの積荷の荷重を考慮してクラッチ圧を設定するように
している。
【0059】ROM43にはハード・ノーマル・ソフト
の3種類のモードに応じた減速度を得ることが可能なク
ラッチ圧データが記憶されている。このデータは空荷
(ノーロード)を基準としたクラッチ圧である。このデ
ータを荷重に応じた値に補正する補正係数を求めるのに
図2のマップM1が使用される。マップM1では荷重と
補正係数の関係が示され、荷重が増大するほど補正係数
が1以上の値で徐々に大きくなり、荷が重いほど大きな
クラッチ圧(つまり制動力)が設定されるようになって
いる。また、補正係数を使う代わりに、図3のマップM
10を使用し、各モード毎に荷重Wに応じたクラッチ圧
を求める方法を採用することもできる。この場合も、荷
が重くなるほど大きな値のクラッチ圧が各モード毎に決
まることになる。
【0060】ハードモードはトルクコンバータ無装備の
従来のマニュアルトランスミッション車並みの減速度
(例えば約0.3G)で、ソフトモードはトルクコンバー
タ装備車並みの減速度(例えば約0.03G)で、ノーマル
モード(中間モード)はハードモードとソフトモードの
中間の減速度(例えば約0.15G)に設定されている。
【0061】このように擬似ダイナミックブレーキを発
生させるために制動を掛ける構成をとると、アクセルペ
ダル23を踏んでいないときにクリープ走行するはずが
擬似ダイナミックブレーキによってクリープ走行ができ
なく不具合が生じる。このため、擬似ダイナミックブレ
ーキとクリープ走行とを共存させるために、クリープ走
行させるために擬似ダイナミックブレーキを掛けないク
リープモードを設定し、クリープフラグが立っていると
きには擬似ダイナミックブレーキを作動させない制御を
採用している。このクリープフラグの制御をするのが図
9のルーチンである。
【0062】一方、ブレーキ操作による通常ブレーキの
制動力を発生させる原理は、前進クラッチ8及び後進ク
ラッチ9を同時係合させることによる。このときブレー
キペダル25の踏力に応じた制動力が得られるように、
前進クラッチ8と後進クラッチ9を同時係合させるとき
の係合圧(以下、FR同時係合クラッチ圧という)を、
踏力に応じた値に制御する。図4のマップM2が、ブレ
ーキ踏力からFR同時係合クラッチ圧Pfrを求めるため
に使用される。前進クラッチ8と後進クラッチ9はとも
に図4のマップM2を参照して得られる同圧値のFR同
時係合クラッチ圧Pfrに制御される。前後進クラッチ
8,9の同時係合とするのは、シフト側のクラッチを切
り離してシフト反対側のクラッチの係合のみで制動力を
得ようとすると、スイッチバックと同じ現象となって、
トルクコンバータ2の内部滑りによる制動力の損失が発
生するからである。また、前後進クラッチ8,9の係合
圧を同圧値とするのは、トルクコンバータ2の内部滑り
による制動力の損失を極力抑制でき、しかも前後進クラ
ッチの正逆両回転力が均衡することにより車速「0」に
減速した後に停止状態を維持できるからである。
【0063】次に図8〜図11に示す各ルーチンのプロ
グラム内容について説明する。はじめに図8の擬似ダイ
ナミックブレーキ制御ルーチンを説明する。まずステッ
プ(以下単にSと記す)10においては、アクセルペ
ダルが踏み込まれていない(アクセルOFF)、ブレ
ーキペダルが踏み込まれていない(インチングペダル2
4がブレーキ領域に踏込まれていない場合を含む)(ブ
レーキOFF)、車速が1km/h以上、クリープフラ
グFcreep=0の4条件全てが成立しているか否かを判
断する。4条件(〜)全てが成立すれば、つまり擬
似ダイナミックブレーキの作動時期であればS20に進
み、〜のうち一条件でも不成立であれば、つまり擬
似ダイナミックブレーキの作動時期でないときはS80
に進む。
【0064】S20においては、ハードモードであるか
否かを判断する。ハードモードであればS40に進み、
クラッチ圧Pcl=Phを設定する。ハードモードでなけ
ればS30に進む。
【0065】S30においては、ソフトモードであるか
否かを判断する。ソフトモードであればS50に進み、
クラッチ圧Pcl=Psを設定する。ソフトモードでなけ
れば、つまりノーマルモードであればS60に進み、ク
ラッチ圧Pcl=Pnを設定する。ここで、設定値にはP
h>Pn>Psの関係があり、ハード、ノーマル、ソフ
トの順で大きなクラッチ圧Pclが設定される。
【0066】S70においては、クラッチ圧Pclを荷重
Wに応じて補正する。図2のマップM1を参照して荷重
Wに応じた補正計数Kw を求め、補正後のクラッチ圧P
clを、式 Pcl=Kw ・Pcl より計算する。なお、補
正計数Kw を使用する代わりに、図3に示すマップM1
0をROM43に記憶しておき、設定モード(ハード,
ノーマル,ソフト)と荷重Wに応じたクラッチ圧Pclを
マップM10を参照して求める方法を採用することもで
きる。
【0067】一方、S10において〜のうちいずれ
か一つでも不成立である場合、つまりアクセルペダル2
3が踏込まれているか、ブレーキペダル25が踏込まれ
ているか、インチングペダル24がブレーキ領域に踏込
まれているか、車速が1km/h未満であるか、クリープフ
ラグFcreep =1である場合は、S80に進み、クラッ
チ圧Pcl=0を設定する。すなわち擬似ダイナミックブ
レーキをかけない設定をする。
【0068】S90においては、シフト反対側のクラッ
チバルブにクラッチ圧Pclに応じた電流値IPclを指令
する。従って図5に示すように、車速1km/h以上の車速
V1で走行中(但しクリープ走行を除く)に、アクセル
ペダル23の踏み込みをやめると(時刻To)、シフト
側のクラッチが完全係合する状態で、シフト反対側のク
ラッチが設定モードに応じたクラッチ圧Pclで半クラッ
チ係合する。そのため、エンジン1の回転数低下に伴っ
てトルクコンバータ2を介して働く本来のダイナミック
ブレーキの制動力に、シフト反対側のクラッチが設定モ
ードに応じたクラッチ圧Pclで係合することによる制動
力が加わり、設定モードに応じた強さの擬似ダイナミッ
クブレーキが掛かる。その結果、フォークリフトは設定
モード(ハード,ノーマル,ソフト)に応じた減速度
(βh,βn,βS)で減速する。擬似ダイナミックブレ
ーキは、ブレーキペダル25を踏み込んだりインチング
ペダル24をブレーキ領域に踏み込むブレーキ操作をし
たとき、アクセルペダル23を踏み込んだとき、車速が
解除車速(1km/h)未満になったときに解除される。
【0069】次に図9のクリープフラグ制御ルーチンを
説明する。S110においては、アクセルペダル23が
踏込まれていない(アクセルOFF)状態、かつインチ
ングペダル24が踏込まれていない(インチングOF
F)状態、かつブレーキペダル25が踏込まれていない
(ブレーキOFF)状態で、車速Vがクリープ設定車速
(例えば1km/h)を超えたか否かを判断する。ここで、
クリープ設定車速とは、擬似ダイナミックブレーキがそ
の解除車速(本例では1km/h)で解除されて一旦車速が
落ち込んだ後、増速に転じて再び擬似ダイナミックブレ
ーキの解除車速に達するまでに通過する車速である。本
実施形態では、クリープ設定車速を擬似ダイナミックブ
レーキの解除車速と同じ値に設定している。上記のペダ
ル無操作条件の下で車速が増速してクリープ設定車速を
超えた(通過した)ときは、S120においてクリープ
フラグFcreep をセットする(Fcreep =1)。つまり
クリープモードとなる。一方、S110の条件不成立の
ときはS130に進む。
【0070】S130においては、アクセルペダル2
3が踏込まれている(アクセルON)か、インチング
ペダル24が踏込まれている(インチングON)か、
ブレーキペダル25が踏込まれている(ブレーキON)
か、シフトレバー31が中立位置にあるかの〜の
4条件のうち1つでも成立するか否かを判断する。〜
の4条件のうち1つでも成立すれば、S140におい
てクリープフラグFcreep をリセットする(Fcreep =
0)。つまりクリープモードでなくなる。一方、〜
の4条件全て不成立の場合は当ルーチンを終了する。
【0071】従って、図6に示すように、例えば車速V
1での走行中にアクセルペダル23の踏込みをやめる
と、擬似ダイナミックブレーキが掛かってほぼ一定の減
速度で車速Vが低下し、車速Vが解除車速Vo(例えば
1km/h)に達する時刻T1で、擬似ダイナミックブレー
キが解除される。その後、車速が一旦落ち込んで増速に
転じ、クリープ設定車速Voを増速しながら通過する時
刻T2で、クリープフラグFcreep がセット(Fcreep
=1)される。このクリープモードでは車速Vが解除車
速Voを超えても擬似ダイナミックブレーキが掛からな
いので、フォークリフトはクリープ走行を継続し、最大
クリープ車速Vcに達するまで増速する。なお、フォー
クリフトが停止状態からアクセルペダル23を踏込まず
クリープ発進するときは、車速Vが増速しながらクリー
プ設定車速Voを通過して時点でクリープモード(Fcre
ep =1)になるので、この場合もフォークリフトのク
リープ走行が可能となる。
【0072】次に図10のブレーキ制御ルーチンについ
て説明する。まずS210においては、ブレーキスイッ
チ30がONであるか否かを判断する。つまりブレーキ
ペダル25が踏み込まれているか、インチングペダル2
4がブレーキ領域に踏込まれている(共にブレーキO
N)か否かを判断する。ブレーキONであればS220
に進み、ブレーキONでなければ当ルーチンを終了す
る。
【0073】S220においては、シフトレバー31が
中立位置にあるか否かを判断する。中立位置にあればニ
ュートラルブレーキ制御ルーチンに移行する。このルー
チンについては後述する。中立位置になければS230
に進む。
【0074】S230においては、車速が停止車速であ
るか否かを判断する。停止車速とはフォークリフトが停
止したとみなせる車速であって、駐車ブレーキを掛けて
もさほどショックなく停止(車速V=0)させられる程
度の低車速である。例えば5km/h未満の車速で、本実施
形態では1〜4km/hの範囲内の所定値未満の車速を停止
車速とする。車速が停止車速でないときはS240に進
み、車速が停止車速であるときはS290に進む。
【0075】S240〜S280はブレーキ制御のため
の処理であり、S290〜S310は駐車ブレーキを作
動させる制御のための処理である。S240において
は、FR初期同時係合クラッチ圧Poを設定する。踏力
発生装置28は油圧式のためブレーキペダル25の踏力
の弱い初期操作領域で検出値がばらつき易いため、ブレ
ーキONであれば小さいながらも必要な制動力が確実に
保証されるようにFR初期同時係合クラッチ圧Poを設
定している。
【0076】次のS250においては、踏力発生装置2
8のブレーキセンサ29により検出されたブレーキペダ
ル25が踏み込まれた際のブレーキ圧(ブレーキ踏力)
に応じたFR同時係合クラッチ圧Pfrを、図4のマップ
M2を参照して求める。
【0077】S260においては、FR同時係合クラッ
チ圧PfrがFR初期同時係合クラッチ圧Poより大きな
値をとる(Pfr>Po)か否かを判断する。Pfr>Poが
成立すればS280に進み、Pfr>Poが不成立であれ
ばS270において、FR同時係合クラッチ圧Pfrとし
てFR初期同時係合クラッチ圧Poを採用する。
【0078】S280においては、前進クラッチバルブ
10および後進クラッチバルブ11に対してクラッチ圧
Pfrに対応する電流値IPfrをそれぞれ指令する。一
方、S290においては、停止車速の下でブレーキON
状態が予め設定された一定時間以上継続したか否かを判
断する。この一定時間は例えば1秒未満に設定され、フ
ォークリフトを停止させる意志のある操作であるか否か
を判断できる条件であれば、その設定時間は適宜変更可
能である。停止車速下におけるブレーキON状態の継続
時間が一定時間に満たないときは、S240に進んでブ
レーキ制御を継続する。一方、停止車速下でブレーキO
N状態が一定時間以上継続すれば、次のS300に進
む。
【0079】そしてS300において、前後進クラッチ
8,9のクラッチ圧を抜く電流値IPoを両クラッチバ
ルブ10,11に指令するとともに、次のS310にお
いて、駐車ブレーキ12を掛ける際の電流値IPbを駐
車ブレーキクラッチバルブ13に指令する。
【0080】従って、フォークリフトの走行中にブレー
キペダル25を踏み込んだり、インチングペダル24を
ブレーキ領域に踏み込んだときは、前進クラッチ8と後
進クラッチ9が同じクラッチ圧Pfrで同時に係合するこ
とで制動力が得られる。つまり、前進クラッチ8と後進
クラッチ9が常用ブレーキとして機能する。シフト反対
側のクラッチのみを係合させて制動力を得ることもでき
るが、FRクラッチ同時係合を採用することにより、ト
ルクコンバータ2の内部滑りによる制動力の損失が小さ
く抑えられ、一層強い制動力が得られる。特に同じクラ
ッチ圧PfrのFR同時係合であるので、トルクコンバー
タ2の内部滑りによる制動力の損失が極力小さく済み、
強い制動力が確保される。
【0081】また、ブレーキペダル25の踏込みが浅い
初期操作領域では、踏力発生装置28に油圧が立ちにく
く踏力検出値(ブレーキ圧)がばらつき易い。しかし、
図7に示すように、ブレーキペダル25の踏力から決ま
るクラッチ圧Pfrが、初期クラッチ圧Poより小さい初
期操作領域では初期クラッチ圧Poの方が採用されるの
で、ブレーキ踏力が弱い初期操作領域でも小さいながら
も必要な制動力が確実に保証される。
【0082】また、ブレーキ操作によりフォークリフト
が停止するときは、両クラッチ8,9が同じクラッチ圧
Pfrで同時係合することにより、車速「0」となったと
きに前進回転力と後進回転力が均衡するので、フォーク
リフトが車速「0」の停止状態に保持される。また、フ
ォークリフトを停止させる意志でブレーキ操作をしたと
きは、停止車速でブレーキ操作が一定時間以上継続さ
れ、両クラッチ8,9が切離されるとともにこれとほぼ
同時に駐車ブレーキ12が掛かる。駐車ブレーキはアク
セルペダル23を操作すると解除されるようになってい
る。このため、ブレーキ操作をやめても駐車ブレーキ1
2が掛かった状態にあるので、例えば坂路で停車したと
き再発進のためブレーキ操作をやめてもロールバックの
心配がなくなる。
【0083】次に図11のニュートラルブレーキ制御ル
ーチンについて説明する。ブレーキ制御ルーチン(図1
0)のS220において、シフトレバー31が中立位置
にあると判断されたときに当ルーチンは実行される。シ
フト中立位置にあるときは、仮に走行中であれば両クラ
ッチ8,9が共に切離された状態で走行していることに
なる。このため、一気にFR同時係合させると減速ショ
ックが大きいため、ショックを緩和させる処理を行う。
【0084】S410においては、車速が停止車速であ
るか否かを判断する。停止車速でなければS420に進
み、当ルーチン1回目の実行であるか否かを判断する。
1回目であればS430においてフィルタ初期クラッチ
圧Pfiltを設定する。2回目以降であればS440に進
む。
【0085】次のS440においては、ブレーキペダル
25が踏み込まれた際のブレーキ圧(ブレーキ踏力)に
応じたFR同時係合クラッチ圧Pfrを、図4のマップM
2を参照して求める。
【0086】S450においては、クラッチ圧Pfrのフ
ィルタ処理を行う。フィルタ関数ffilt(x)からPfr
を使って算出したフィルタ処理値ffilt(Pfr)を新た
にPfrとおく。なお、ffilt(x)はフィルタ関数を象
徴的に表したもので、例えば1次フィルタ演算式や多数
次フィルタ演算式などの各演算式に相当し、その演算式
による計算には過去のクラッチ圧Pfrのデータも使用す
る。
【0087】S460においては、前進クラッチバルブ
10および後進クラッチバルブ11に対してクラッチ圧
Pfrに対応する電流値IPfrをそれぞれ指令する。一
方、S410において車速が停止車速であると判断され
たときは、S470において前後進クラッチ8,9のク
ラッチ圧を抜く電流値IPoを両クラッチバルブ10,
11に指令するとともに、次のS480において駐車ブ
レーキ12を掛ける際の電流値IPbを駐車ブレーキク
ラッチバルブ13に指令する。なお、S430およびS
450の処理が、請求項9におけるクラッチ係合圧の立
ち上げ勾配を緩和させる処理に相当する。
【0088】従って、シフトレバー31が中立位置に操
作されて両クラッチ8,9が共に切離された状態で走行
しているときにブレーキ操作された際は、ブレーキ踏力
から決まるクラッチ圧Pbrkのフィルタ処理後の値に対
応する電流値IPfrが指令される。このため、前後進ク
ラッチ8,9が同時係合される際のクラッチ圧の立ち上
がり勾配が緩やかになるので、ブレーキ操作開始時のシ
ョックが小さくなる。
【0089】また、シフトレバー31が中立位置に操作
されていることは、フォークリフトを停止させる意図が
あるとみなせるので、フォークリフトが停止車速に減速
するとペダルブレーキ(FRクラッチ同時係合ブレー
キ)から駐車ブレーキに移行する。なお、ニュートラル
ブレーキ制御ルーチンにおいて、ブレーキ踏力の弱い初
期操作領域での制動力を保証するための処理(S24
0,260,270に相当する処理)を設けてよいこと
は言うまでもない。
【0090】この実施の形態では以下の効果を有する。 (1)擬似ダイナミックブレーキを前後進クラッチ8,
9の同時係合を利用して効かせる構成なので、擬似ダイ
ナミックブレーキ方式採用により制動使用頻度が増える
割に制動装置のメンテナス頻度を相対的に少なく済ませ
ることができる。特に湿式クラッチであるために冷却効
果が高く、制動による発熱が抑制されてクラッチ8,9
の摩耗が起きにくく耐久性に優れるので、メンテナンス
頻度の低減効果が高い。クラッチ材質の選択等によって
はメンテナスフリーをも実現できる。
【0091】(2)トルクコンバータ2を備えるフォー
クリフト(トルコン車)であるが、トルクコンバータを
備えない車両並のダイナミックブレーキの効きを得るこ
とができる。
【0092】(3)擬似ダイナミックブレーキの強さを
モード切換スイッチ37を使って設定できるので、運転
者が好みに応じた擬似ダイナミックブレーキの減速感を
得ることができる。よって、トルコン車のフォークリフ
トでありながら、トルコン無装備車両並の減速感を得る
ことができる。
【0093】(4)荷重を考慮したクラッチ圧Pclが採
用されるので、擬似ダイナミックブレーキが掛かるとき
は、積荷の有無や荷の重量に影響されることなくいつも
ほぼ同じ減速感を得ることができる。
【0094】(5)擬似ダイナミックブレーキが解除車
速Voで解除された後、車速が増速に転じてからクリー
プ設定車速Voを超えたらクリープモードになり、この
クリープモードでは車速Vが解除車速Voを超えても擬
似ダイナミックブレーキが掛からないため、フォークリ
フトのクリープ走行を可能とすることができる。
【0095】(6)ブレーキペダル25が踏み込まれた
ときに作動させる常用ブレーキとして前後進クラッチ
8,9を利用しているので、制動使用頻度の割には制動
装置のメンテナス頻度を相対的に少なく済ませられる。
特に湿式クラッチであるためクラッチの冷却効果が高
く、制動による発熱が抑制されてクラッチ8,9の摩耗
速度が抑制されて耐久性に優れるので、メンテナンス頻
度の低減効果が高い。例えばクラッチ材質の選択等によ
ってはメンテナスフリーをも実現できる。また、従来使
用していたドラムブレーキ等を廃止することができる。
【0096】(7)前後進クラッチ8,9の同時係合に
よるブレーキなので、シフト反対側のクラッチのみを係
合させる片側係合方式のブレーキに比べ、強い制動力を
得ることができる。つまり、前後進クラッチ8,9を同
時係合させることにより、入力軸3aに正逆両方向の回
転力を同時に付与でき、トルクコンバータ2の内部滑り
によって制動力が損失するのを抑制できるので、高い制
動力が得られる。特に前後進クラッチ8,9を同じクラ
ッチ圧Pfrで同時係合させる方式を採用するので、トル
クコンバータ2の内部滑りによる制動損失を極力小さく
抑えられ、高い制動力を確保することができる。さらに
前後進クラッチ8,9の同じクラッチ圧Pfrでの同時係
合なので、前後進クラッチ8,9の同時係合時における
正逆両回転力が均衡し、仮に駐車ブレーキへの移行を完
全停止後としたり、駐車ブレーキへの移行を採用しない
場合でも、フォークリフトを車速「0」の停止状態に保
持することができる。
【0097】(8)ブレーキペダル25を踏んでフォー
クリフトが停止車速まで減速すると、駐車ブレーキ12
が作動するので、ブレーキ操作をやめてもフォークリフ
トを停止保持できる。例えばブレーキ操作により坂路で
フォークリフトを停止させたときは駐車ブレーキが効い
た状態になるので、再発進するときにロールバックが起
こらない。
【0098】(9)ブレーキ操作が一定時間以上継続し
たときに駐車ブレーキに移行するので、フォークリフト
を停車させる意図があるときに駐車ブレーキが掛かるよ
うにすることができる。従って、単に減速を目的として
ブレーキ操作したときは、停止車速になってもブレーキ
操作継続時間が短いので、不要な駐車ブレーキは掛から
ない。
【0099】(10)シフト中立位置の走行中にブレー
キ操作したときにはショックを低減できる。 (11)ブレーキペダル25を軽く踏んだときには、ブ
レーキ踏力に応じた制動力を得るために採用した踏力発
生装置28の油圧が立ちにくく踏力検出値にばらつきが
起き易いが、踏力検出値が小さくても一定の初期ブレー
キ力を発生させるようにしたので、ブレーキペダル25
を軽く踏んだときにも必要な制動力の発生を保証でき
る。
【0100】(第2の実施形態)次に第2の実施形態を
説明する。本実施形態では、クラッチ式の駐車ブレーキ
12を制動装置として利用している。なお、前記第1の
実施形態と同様の構成については同じ符号を使用してそ
の説明を省略し、特に異なる点についてのみ詳しく説明
する。
【0101】本実施形態では駐車ブレーキクラッチ(駐
車ブレーキ)12がクラッチ式の制動手段を構成する。
駐車ブレーキクラッチバルブ13はソレノイドへの通電
量に比例した開度となる比例ソレノイド弁で構成されて
いる。このため、駐車ブレーキ12のクラッチ係合圧を
連続変化させる制御が可能となっている。なお、制動力
発生手段は、駐車ブレーキクラッチバルブ13、シフト
スイッチ32及び制御装置41により構成される。ま
た、駐車ブレーキクラッチバルブ13及び制御装置41
により制御手段が構成される。
【0102】ROM43には、図12に示す擬似ダイナ
ミックブレーキ制御ルーチン、図15に示すブレーキ制
御ルーチン、図16に示すニュートラルブレーキ制御ル
ーチンの各プログラムが記憶されている。また、ROM
43には、3種類のモードに応じた擬似ダイナミックブ
レーキ用の駐車ブレーキクラッチ圧Pbrk のデータが記
憶されている。さらにROM43には、ブレーキ踏力か
ら駐車ブレーキクラッチ圧Pbrk を求めるときに使用す
るマップM20(図13)が記憶されている。各ルーチ
ンのプログラムはCPU42により実行される。
【0103】はじめに図12に示す擬似ダイナミックブ
レーキ制御ルーチンについて説明する。まずS10にお
いては、アクセルOFF、ブレーキOFF、車速
が1km/h以上、クリープフラグFcreep=0の4条件
全てが成立しているか否かを判断する。4条件全て成立
であればS20に進み、4条件のうち1つでも不成立で
あればS590に進む。
【0104】S20においては、ハードモードであるか
否かを判断する。ハードモードであればS500におい
てハードモードに応じたクラッチ圧Pbrk=Phを設定
するとともに、次のS530においてハードモードに応
じた目標減速度β=βhを設定する。一方、ハードモー
ドでなければS30において、ソフトモードであるか否
かを判断する。ソフトモードであればS510において
ソフトモードに応じたクラッチ圧Pbrk=Psを設定す
るとともに、次のS540においてソフトモードに応じ
た目標減速度β=βsを設定する。一方、ソフトモード
でなければ、つまりノーマルモードであればS520に
おいて、ノーマルモードに応じたクラッチ圧Pbrk=P
nを設定するとともに、次のS550においてノーマル
モードに応じた目標減速度β=βnを設定する。ここ
で、設定値にはPh>Pn>Psおよびβh>βn>β
sの関係があり、ハード、ノーマル、ソフトの順で大き
なクラッチ圧Pbrkおよび目標減速度βが設定される。
【0105】S560においては、当ルーチン実行1回
目であるか否かを判断する。1回目であればS570に
進み、2回目以降であればS580に進む。S570お
いては、駐車ブレーキクラッチバルブ13にクラッチ圧
Pbrkに応じた電流値IPbrkを指令する。
【0106】S580おいては、目標減速度βとなるよ
うに駐車ブレーキクラッチ圧をフィードバック制御す
る。つまり、実車速の検出値と目標減速度βとを用いて
フィードバック制御演算を行い、その演算結果として得
られるクラッチ圧Pbrkに対応する電流値IPbrkを指令
する。当ルーチン実行1回目のときにS570において
設定されるクラッチ圧Pbrk(=Ph,Ps,Pn)は
フィードバック制御の初期値として与えられる。
【0107】一方、S10において4条件(〜)の
うち一つでも不成立のとき、つまり擬似ダイナミックブ
レーキの作動時期でないときは、S590に進み、クラ
ッチ圧Pbrk=0を設定する。すなわち擬似ダイナミッ
クブレーキをかけない設定をする。そして、S570に
おいて、駐車ブレーキクラッチバルブ13にクラッチ圧
Pbrk(この場合はPbrk=0)に応じた電流値IPbrk
を指令する。
【0108】従って、アクセルペダル23の踏込みをや
めて擬似ダイナミックブレーキの作動時期となると、モ
ードに応じた目標減速度βを目標値とする車速フィード
バック制御が行われる。その結果、擬似ダイナミックブ
レーキが掛かると、設定モードに応じた減速度βで減速
する。すなわち、設定モードがハードモードのときは減
速度βh、ノーマルモードのときは減速度βn、ソフト
モードのときは減速度βsで減速する。車速フィードバ
ック制御により目標減速度βとなるように駐車ブレーキ
12のクラッチ圧Pbrkが制御されるので、積荷の有無
や荷の重量の違い、さらには走行路面が坂路であるか否
かに関係なく、いつも同じ減速度の擬似ダイナミックブ
レーキが掛かる。
【0109】従って、アクセルペダル23の踏込みをや
めて擬似ダイナミックブレーキの作動時期となると、モ
ードに応じた目標減速度βを目標値とする車速フィード
バック制御が行われる。その結果、擬似ダイナミックブ
レーキが掛かると、設定モードに応じた減速度βで減速
する。すなわち、設定モードがハードモードのときは減
速度βh、ノーマルモードのときは減速度βn、ソフト
モードのときは減速度βsで減速する。車速フィードバ
ック制御により目標減速度βとなるように駐車ブレーキ
12のクラッチ圧Pbrk が制御されるので、積荷の有無
や荷の重量の違い、さらには走行路面が坂路であるか否
かに関係なく、いつも同じ減速度の擬似ダイナミックブ
レーキが掛かる。
【0110】次に図15のブレーキ制御ルーチンについ
て説明する。このブレーキ制御ルーチンは前記第1の実
施形態における図10と基本的に同じである。すなわち
S210〜S230は図10と同じ処理内容で、S70
0〜S740が図10のS240〜S280にそれぞれ
相当する処理内容となっている。
【0111】前記第1の実施形態では前後進クラッチ
8,9の同時係合を使用したのに対し、この実施形態で
は駐車ブレーキ12の係合を使用しているので、ブレー
キペダル25のブレーキ踏力に応じた制動力を得るのに
駐車ブレーキ12に付与するクラッチ圧Pbrk の値が、
前記クラッチ圧Pclの値と異なっている。このため、駐
車ブレーキ用のクラッチ圧Pbrk を決めるために図13
のマップ20を使用する。図15のフローチャートでは
S700とS710において設定されるクラッチ圧が駐
車ブレーキ用のクラッチ圧Pbrk となる。
【0112】また、S230で車速が停止車速であるか
否かを判断するが、このときの停止車速は前記第1の実
施形態のときの値より小さく、例えば1km/h未満であ
る。車両が停止車速まで減速すると、S750において
駐車ブレーキクラッチ12を完全係合とする電流値IP
b を指令する。図10のS290,S300に相当する
処理はない。但し、図10のS290に相当する処理、
つまり停止車速でブレーキON状態が一定時間継続した
か否かの判断処理を、S750の処理の前に入れてもよ
い。この場合、その追加する処理の判断条件が成立(YE
S )するときにS750に進み、不成立(NO)のときに
S700に進むようにする。
【0113】従って、フォークリフトの走行中にブレー
キペダル25を踏み込んだり、インチングペダル24を
ブレーキ領域に踏み込んだときは、駐車ブレーキ12が
ブレーキ踏力に応じたクラッチ圧Pbrk で係合し、制動
力が得られる。つまり、駐車ブレーキ12が常用ブレー
キとしても機能する。
【0114】また、ブレーキペダル25の踏込みが浅い
初期操作領域では、図14に示すように、ブレーキペダ
ル25の踏力から決まるクラッチ圧Pbrk が、初期クラ
ッチ圧Pbo より小さい値の範囲では初期クラッチ圧P
o の方が採用されるので、ブレーキ踏力が弱い初期操作
領域でも制動力の発生が保証される。
【0115】また、フォークリフトを停止させるために
ブレーキ操作をしたときは、停止車速まで減速すると駐
車ブレーキ12が作動される。このため、ブレーキペダ
ル25の踏込みをやめてもロールバックする心配がな
い。また、駐車ブレーキを掛けるためのレバー操作の必
要もない。この駐車後、アクセルペダル23を操作する
と駐車ブレーキ12の作動が解除される。
【0116】次に図16のニュートラルブレーキ制御ル
ーチンについて説明する。このニュートラルブレーキ制
御ルーチンは前記第1の実施形態における図11と基本
的に同じである。すなわちS410,S420は図11
と同じ処理内容で、S800〜S830が図11のS4
30〜S460にそれぞれ相当する処理内容となってい
る。
【0117】駐車ブレーキ12の係合を利用する関係か
ら、ブレーキ踏力に応じて駐車ブレーキ12に付与する
クラッチ圧Pbrk の値が、前記クラッチ圧Pclの値と異
なっている。図16のフローチャートではS800とS
810において設定されるクラッチ圧が駐車ブレーキ用
のクラッチ圧Pbrk となる。
【0118】また、S410で車速が停止車速であるか
否かを判断するが、車両が停止車速まで減速すると、S
840において駐車ブレーキクラッチ12を完全係合と
する電流値IPb を指令する。図11のS470に相当
する処理はない。
【0119】従って、シフトレバー31が中立位置に操
作されて両クラッチ8,9が共に切離された状態で走行
しているときにブレーキ操作された際は、ブレーキ踏力
から決まるクラッチ圧Pbrk のフィルタ処理後の値に対
応する電流値IPfrが指令される。このため、駐車ブレ
ーキ12が係合される際のクラッチ圧の立ち上がり勾配
が緩やかになるので、ブレーキ操作開始時のショックが
小さくなる。また、シフトレバー31が中立位置に操作
されていることは、フォークリフトを停止させる意図が
あるとみなせるので、フォークリフトが停止車速に減速
するとペダルブレーキから駐車ブレーキに移行する。
【0120】この実施形態によれば、前後進クラッチ
8,9と駐車ブレーキ12との違いはあるものの、前記
第1の実施形態で述べた(1)〜(4),(6)〜
(9)の効果が同様に得られる。特に(4)の効果にお
いては、目標減速度とするクラッチ圧Pbrk の車速フィ
ードバック制御を採用するため、擬似ダイナミックブレ
ーキが掛かるときは、積荷の有無やその重量の違いさら
には走行路面が坂路であるか否かに関係なく、いつも同
じ減速感を得ることができる。また(7)の効果につい
ては、停止車速として設定された車速が小さいので、フ
ォークリフトを停車させる意図があるときに駐車ブレー
キが掛かり、単に減速を目的とするブレーキ操作のとき
は停止車速に至らず、不要な駐車ブレーキをなるべく回
避できる。もちろん停止車速下でブレーキON状態が一
定時間継続したときに駐車ブレーキに移行する構成とす
れば、前記(7)と全く同様の効果が得られる。
【0121】(第3の実施形態)次に図17〜図19を
用いて第3の実施形態を説明する。前記各実施形態のク
ラッチ式制動手段の他、ブレーキペダル25が操作され
たときに作動される常用ブレーキの一部として駆動輪側
に補助ブレーキを設けている。
【0122】図17に示すように、駆動輪5には補助制
動手段としての補助ブレーキ50が設けられている。補
助ブレーキ50は例えば小型のドラムブレーキ装置やデ
ィスクブレーキ装置からなる。補助ブレーキ50は、ブ
レーキペダル25と機械連結されたマスタシリンダと油
圧配管(いずれも図示せず)を介して接続され、ブレー
キペダル25の踏力に応じた油圧の力により踏力に応じ
た制動力が発生するように駆動される。
【0123】クラッチ式の制動手段としては前後進クラ
ッチ8,9または駐車ブレーキ12を使用し、その制御
方法は前記各実施形態と同様である。但し、ブレーキペ
ダル25の踏力に応じて発生させる必要がある制動力の
一部を補助ブレーキ50が担う。このため、図18に示
すように、ブレーキ踏力からブレーキクラッチ圧Pfr
(またはPbrk )を求めるために使用するマップM30
には、補助ブレーキ50が担う制動力に相当する比率分
だけ、前記各実施形態で設定された値(破線)より小さ
な値のブレーキクラッチ圧Pfr(またはPbrk )(実
線)が設定されている。図19に示すように、ブレーキ
踏力に応じて発生する制動力Fbの半分を超える割合
(例えば6〜8割)を主ブレーキであるクラッチ式ブレ
ーキ8,9(または12)が担い(同図中のCB領
域)、制動力Fbの残りの比率(例えば2〜4割)を補
助ブレーキ50が担う(同図中のSB領域)。
【0124】前記各実施形態のようにクラッチ式ブレー
キ8,9(または12)が制動力Fbの100%を担う
構成では、フォークリフト停止時に車体の揺れ戻し現象
が起きる。すなわち、変速機3の内部で制動を掛けるた
め、フォークリフトが停止したときに、駆動輪5が慣性
によって本来の停止位置より過剰に転動して変速機3と
差動装置4の間の出力軸等の動力伝達軸に捻じれが生
じ、その捻じれが復元するときに駆動輪5が若干逆転す
ることで車体が揺れる揺れ戻し現象が起きる。
【0125】しかし、この実施形態では、ブレーキペダ
ル25を踏み込んだときは、変速機3の内部にあるクラ
ッチ式ブレーキ8,9(または12)と、駆動輪5に設
けられた補助ブレーキ50が同時に作動する。このた
め、変速機3と駆動輪5との間で出力軸等の動力伝達軸
の捻じれが起きず、車体の揺れ戻し現象が起こらない。
よって、フォークリフトを車体の揺れをあまり伴わずに
停止させることができる。特に駆動輪5に設けられた補
助ブレーキ50により駆動輪5を直接止めるので、フォ
ークリフト停止時の車体の揺れ戻しを効果的に防止でき
る。
【0126】(第4の実施形態)次に図20を用いて第
4の実施形態を説明する。前記各実施形態ではクラッチ
式の制動手段をブレーキペダルの踏力に応じたクラッチ
係合圧にて係合させるのに電気的制御を採用したが、本
実施形態では機械的制御による制動制御装置を採用して
いる。
【0127】図20に示すように、前進クラッチ8及び
後進クラッチ9の各受圧室8a,9aは、管路60,6
1を通じて電磁切換弁62の2つの出力ポートと接続さ
れている。電磁切換弁62は4ポート3位置切換弁であ
り、シフトスイッチ32からの検出信号に基づきコント
ローラ63によりシフトレバー31の操作位置に応じた
切換位置にそのソレノイド62a,62bの電流値制御
によって切換制御される。電磁切換弁62の一方の入力
ポートにはブレーキペダル25と機械的に作動連結され
たマスタシリンダ64から延びる管路65が接続されて
いる。マスタシリンダ64はブレーキペダル25が操作
されたときの踏力に応じた油圧を発生(出力)する。電
磁切換弁62の他の1つの入力ポートに接続される管路
66は、油圧ポンプ67に接続され、この管路66上に
は油圧ポンプ67がオイルタンク68から汲み上げた油
を吐出する側の位置に、上流側から順にレギュレータバ
ルブ69および電磁比例式圧力調整弁70が設けられて
いる。圧力調整弁70はそのソレノイド70aがコント
ローラ63により電流値制御されることによってその下
流側の油圧を設定油圧に調圧する。なお、同図では駐車
ブレーキや車速センサを省略している。また、この実施
形態において制動力発生手段は、シフトスイッチ32、
電磁切換弁62、管路60,61,65,66、コント
ローラ63、マスタシリンダ64、圧力調整弁70、レ
ギュレータバルブ69及び油圧ポンプ68により構成さ
れる。クラッチ式の制動手段は、前進クラッチ8及び後
進クラッチ9により構成される。
【0128】シフトレバー31が中立位置にあるときに
は、コントローラ63は電磁切換弁62をN位置に配置
する。電磁切換弁62がN位置にあるときは、管路66
は2つの管路60,61のいずれとも連通が遮断されて
前後進クラッチ8,9が共に切断状態となるとともに、
マストシリンダ64に接続された管路65が2つの管路
60,61の両方と連通する。この状態でブレーキペダ
ル25を踏めばその踏力に応じた油圧がマスタシリンダ
64から両受圧室8a,9aに作用して前後進クラッチ
8,9がブレーキ踏力に応じた係合圧で同時係合され、
ブレーキ踏力に応じた制動力が得られる。
【0129】シフトレバー31が前進位置にあるときに
は、コントローラ63は電磁切換弁62をF位置に配置
する。電磁切換弁62がF位置にあるときは、管路66
は管路60と連通して前進クラッチ8のみが接続状態と
なるとともに、マスタシリンダ64に接続された管路6
5が管路61と連通する。この状態でブレーキペダル2
5を踏めばその踏力に応じた油圧がマスタシリンダ64
から受圧室9aに作用し、シフト側の前進クラッチ8が
接続された状態でシフト反対側の後進クラッチ9がブレ
ーキ踏力に応じた係合圧で同時係合され、ブレーキ踏力
に応じた制動力が得られる。
【0130】シフトレバー31が後進位置にあるときに
は、コントローラ63は電磁切換弁62をR位置に配置
する。電磁切換弁62がR位置にあるときは、管路66
は管路61と連通して後進クラッチ9のみが接続状態と
なるとともに、マスタシリンダ64に接続された管路6
5が管路60と連通する。この状態でブレーキペダル2
5を踏めばその踏力に応じた油圧がマスタシリンダ64
から受圧室8aに作用し、シフト側の後進クラッチ8が
接続された状態でシフト反対側の前進クラッチ9がブレ
ーキ踏力に応じた係合圧で同時係合され、ブレーキ踏力
に応じた制動力が得られる。
【0131】また、車速センサからの検出信号に基づき
フォークリフトが停止とみなせる停止車速(例えば2k
m/h以下)にあることをコントローラ63が認知する
と、コントローラ63が駐車ブレーキを作動させるよう
にしてあるため、フォークリフトは停止状態に維持され
る。
【0132】また、ブレーキペダル25の操作を検知す
るブレーキスイッチを設け、ブレーキスイッチからの検
知信号に基づいてコントローラ63がブレーキ操作を検
知したときには、エンジン回転数を設定回転数(例えば
アイドル回転数)に制限するようにスロットルアクチュ
エータ7を制御することもできる。
【0133】この実施の形態からは前記各実施形態と同
様の効果が得られる。すなわちブレーキペダル25が踏
み込まれたときに作動させる常用ブレーキとして前後進
クラッチ8,9を利用しているので、制動使用頻度の割
には制動装置のメンテナス頻度を相対的に少なく済ませ
られる。特に湿式クラッチであるためクラッチ8,9の
制動使用時の発熱および摩耗速度が小さく抑制され、耐
久性に優れ、メンテナンス頻度の低減効果が高い。例え
ばクラッチ材質の選択次第によってはメンテナスフリー
をも実現できる。また、ドラムブレーキ装置等の従来制
動専用に採用されていた制動装置を廃止することができ
る。また、前後進クラッチ8,9を同時係合させるブレ
ーキ方式なので、シフト反対側のクラッチのみを係合さ
せる片側係合方式に比べ、強い制動力を得ることができ
る。さらに車速センサからの信号に基づき車両を停止と
みなせる停止速度となったことが認知されると、駐車ブ
レーキを作動させるので、フォークリフトを停止状態に
保持することができる。その他に以下の効果がさらに得
られる。
【0134】(12)ブレーキペダル25の踏力によっ
て発生した油圧をシフト側と反対側のクラッチの受圧室
にダイレクトに作用させて制動力を得る方式なので、ブ
レーキ応答性がよくなり、しかもブレーキフィーリング
性能を高めることができる。
【0135】(13)ブレーキ操作の際にエンジン回転
数を設定回転数に制限する構成を採用した場合には、ク
ラッチ係合時の制動エネルギーを小さく抑え、トルクコ
ンバータ2の内部の油温上昇を相対的に低く抑えること
ができる。
【0136】なお、実施の形態は前記内容に限定され
ず、例えば以下の態様で実施することができる。 ○ 擬似ダイナミックブレーキの減速度を設定するモー
ドを三種類としたが、二種類または四種類以上としても
よい。また擬似ダイナミックブレーキの強さ(減速度)
を連続可変設定可能な例えばボリュームなどの設定操作
手段を使用することもできる。もちろん、擬似ダイナミ
ックブレーキの強さが予め一義的に決まるように設定し
てもよい。この場合もトルクコンバータを備えるフォー
クリフトでありながら、トルコン無装備車並の強い減速
感の擬似ダイナミックブレーキ力を得ることができる。
【0137】○ 擬似ダイナミックブレーキの作動時期
条件は、前記〜の条件に限定されない。例えばイン
チングペダルがインチング領域に踏込まれ、クラッチの
接続が半クラッチとされる時期は擬似ダイナミックブレ
ーキを掛けない設定としてもよい。また、クリープフラ
グFcreep を採用しない構成とし、クリープフラグFcr
eep の条件を無くしてもよい。例えばエンジン1がアイ
ドリング回転のときの最大クリープ車速(例えば4km/
h)以上の値を、擬似ダイナミックブレーキの解除車速
に設定すれば、擬似ダイナミックブレーキとクリープ走
行との共存を図ることはできる。
【0138】○ ブレーキ制御ルーチン(図10,図1
5)において、ブレーキセンサ29の踏力検出値のばら
つき対策のために用意した制御部分(S240,S26
0,S270)を廃止してもよい。例えば踏力に対して
油圧が敏感に反応するより高精度の踏力発生装置を使用
すれば、上記対策は施さなくて済む。また、踏力発生装
置を油圧式でなくバネ式とした場合、踏込量の検出値ば
らつきは少ないので、上記対策は不要である。
【0139】○ 第1の実施形態のような前後進クラッ
チ8,9を使用する擬似ダイナミックブレーキ方式にお
いて、第2の実施形態で採用した車速(減速度)フィー
ドバック制御を適用してもよい。この構成によれば、擬
似ダイナミックブレーキが掛かるときは荷の重量等や走
行路面の傾斜度に関係なくいつも一定の減速度が得られ
る。
【0140】○ 第2の実施形態のような駐車ブレーキ
12を使用する擬似ダイナミックブレーキ方式におい
て、第1の実施形態のように設定減速度(例えばモー
ド)に応じて予め設定されたクラッチ係合圧を与える。
この場合、荷重を考慮してクラッチ係合圧を決めるとな
およい。
【0141】○ 擬似ダイナミックブレーキのみを目的
としてクラッチ式の制動装置を利用する。常用ブレーキ
装置としてはドラムブレーキ等の従来からある非クラッ
チ式の制動装置を使用する。すなわち前後進クラッチ
8,9の同時係合を利用するクラッチ制動式、または駐
車ブレーキ12の係合を利用するクラッチ制動式の擬似
ダイナミックブレーキを採用する。この場合も、ブレー
キ使用頻度が増す割に制動装置のメンテナンス頻度が増
え難い。
【0142】○ 常用ブレーキのみを目的としてクラッ
チ式の制動装置を利用する。例えば擬似ダイナミックブ
レーキは採用しない。すなわち前後進クラッチ8,9同
時係合を利用するクラッチ制動式、または駐車ブレーキ
12の係合を利用するクラッチ制動式の常用ブレーキ装
置を採用する。この場合も、ブレーキ使用頻度が高い割
に従来のドラムブレーキ等を使用する場合に比べ制動装
置のメンテナンス頻度を減らすことができる。
【0143】○ 擬似ダイナミックブレーキと常用ブレ
ーキを別々のクラッチ式の制動装置により実現する。例
えば擬似ダイナミックブレーキ装置として前後進クラッ
チ8,9同時係合を利用するクラッチ制動式を採用し、
常用ブレーキ装置としては駐車ブレーキ12の係合を利
用するクラッチ制動式を採用する。またこれとは逆に、
擬似ダイナミックブレーキ装置として駐車ブレーキ12
の係合を利用するクラッチ制動式を採用し、常用ブレー
キ装置としては前後進クラッチ8,9同時係合を利用す
るクラッチ制動式を採用する。これらの構成によれば、
クラッチ1つ当たりの摩耗速度を減らすことができ、ク
ラッチのメンテナンス頻度をさらに減らすことができ
る。
【0144】○ 前後進クラッチ8,9の同時係合を利
用する擬似ダイナミックブレーキでは、シフト反対側の
クラッチの係合圧を制御するのみでなく、シフト側のク
ラッチの係合圧を同時に制御してもよい。
【0145】○ 前後進クラッチ8,9の同時係合を利
用する常用ブレーキ装置では、両クラッチを同時に係合
させる同時係合であれば足り、両クラッチ8,9の係合
圧を等しくすることに限定されない。例えばシフト側の
クラッチは完全係合のままでシフト反対側のクラッチの
係合圧のみを制御する、あるいはシフト側のクラッチの
係合圧よりもシフト反対側のクラッチの係合圧を高くす
る同時係合であってもよい。両クラッチ8,9の同時係
合であれば、トルクコンバータ2の内部滑りによる制動
損失を抑制し、その分高い制動力を得ることができる。
なお、両クラッチ8,9の係合圧が等しくない場合は、
例えば車速が停止車速になったときに、同時係合圧にす
るか、駐車ブレーキに移行するかすれば、フォークリフ
トを停止させることはできる。
【0146】○ 擬似ダイナミックブレーキに設定する
設定減速度を車速に応じて変化させてもよい。トルコン
無装備車では、エンジンのアイドル回転数と実車速に対
応する回転数との回転数差に応じた減速感が得られるの
で、トルコン無装備車と同じような減速感が得られるよ
うに車速に応じて減速度、つまりクラッチ係合圧を変化
させてもよい。
【0147】○ 擬似ダイナミックブレーキの強さの変
更をするためのモード切換スイッチ37等の設定操作手
段を無くしてもよい。例えばROMなどのメモリに予め
擬似ダイナミックブレーキの減速度データ(クラッチ圧
データ)を記憶し、そのデータ通りの減速度が得られる
ようにクラッチ式制動手段のクラッチ係合圧を制御す
る。
【0148】○ ニュートラルブレーキ制御において、
クラッチ係合圧の立ち上げ勾配を緩和させる処理はフィ
ルタ処理に限定されない。例えばクラッチ係合圧が所定
勾配で立ち上がるようにフィードバック制御してもよ
い。
【0149】○ 第3の実施形態において、駆動輪5に
補助ブレーキを設けることに限定されない。変速機3と
駆動輪5までの動力伝達経路上における駆動輪寄りの位
置であれば、フォークリフト停止時の車体の揺れ戻しを
一応は低減できる。例えば動力伝達経路上における差動
装置4付近に補助ブレーキを設けてもよい。
【0150】○ 第3の実施形態において、クラッチ式
ブレーキと補助ブレーキは常時一緒に作動されることに
限定されない。補助ブレーキは少なくとも車両停止時に
作動されれば足り、例えばフォークリフト停止時にのみ
補助ブレーキ50を作動させてもよい。この場合、例え
ば電磁弁を介した油圧制御により制御装置41が補助ブ
レーキ50を作動制御する構成とし、車速検出値に基づ
きフォークリフトが停止車速になったことが判断された
ら補助ブレーキ50を作動させ、駆動輪5を直接止める
ようにする。フォークリフト停止時にのみ補助ブレーキ
50を作動させる構成であっても、フォークリフトの車
体の揺れ戻しは防ぐことができる。
【0151】○ 第4の実施形態では、ブレーキ踏力に
より発生させた油圧をダイレクトにクラッチの受圧室に
作用させて制動力を得る構成として、前後進クラッチ
8,9を制動用クラッチとして流用したが、クラッチ式
駐車ブレーキを制動用クラッチとして流用することもで
きる。ブレーキペダル25と作動連結されたマスタシリ
ンダ64に接続された管路65を電磁切換弁(図示せ
ず)を介して駐車ブレーキ12の受圧室12cに接続
し、ブレーキペダル25の踏力によりマスタシリンダ6
4に生じる油圧をダイレクトに駐車ブレーキクラッチ1
2の受圧室12cに作用させることでブレーキ踏力に応
じた制動力を得る構成を採用する。この構成によって
も、制動装置のメンテナンス頻度を少なくできるととも
に、駐車ブレーキを常用ブレーキとして流用するため、
ドラムブレーキ装置のような制動専用の主制動装置を不
要にでき、しかもブレーキ応答性を高めることができ
る。なお、駐車ブレーキ作動時の電磁切換弁の切換位置
では、油圧ポンプからの設定圧の作動油が受圧室12c
に流れることのできる油路が選択され、かつマスタシリ
ンダ64へオイルタンク68等から油を戻す油路が選択
されるようにし、例えば停車後にブレーキペダル25の
踏込みを止めときには駐車ブレーキが効いた状態のまま
ブレーキペダル25が初期位置に復帰するようにする。
【0152】○ クラッチ式の制動手段として、前後進
クラッチ8,9および駐車ブレーキクラッチ12以外の
クラッチを採用することができる。 ○ クラッチ式の制動手段は、湿式クラッチに限定され
ない。乾式クラッチであっても、クラッチの摩耗速度は
従来のドラムブレーキ等のライニング等の摩耗速度に比
べ十分遅いので、クラッチ式ブレーキの採用により制動
装置のメンテナンス頻度は低減できる。
【0153】○ 制動制御装置を適用する産業車両はフ
ォークリフトに限らず、例えばショベルローダ等に適用
してもよい。前記各実施形態及び別例から把握できる請
求項以外の発明(技術思想)を、以下にその効果ととも
に記載する。
【0154】(1)請求項1〜14のいずれかにおい
て、前記トルクコンバータと前記駆動輪との間を結ぶ駆
動伝達軸上に設けられた制動手段は、湿式クラッチであ
る。この構成によれば、制動手段が湿式クラッチである
ため、制動時の発熱の冷却効果が高くクラッチが摩耗し
難く、制動手段のメンテナンス頻度を一層減らすことが
できる。例えばクラッチ材質によってはメンテナンスフ
リーをも実現できる。
【0155】(2)請求項1〜6のいずれかにおいて、
産業車両は車速検出手段を備え、前記制御手段は車速が
所定車速以下であると、擬似ダイナミックブレーキを発
生させるための前記制動手段のクラッチ係合圧制御を停
止する。この構成によれば、所定車速以下では擬似ダイ
ナミックブレーキが掛からないので、クリープ走行が可
能となる。
【0156】(3)前記(2)の技術思想において、車
速を検出する車速検出手段を備え、前記制御手段は、ア
クセル操作手段が操作されない状態で車速が増速しなが
ら設定車速を超えたと判断するとクリープモードを設定
し、クリープモードでは車速が前記所定車速を超えても
擬似ダイナミックブレーキを作動させない。この構成に
よれば、クリープ走行を妨げることなく、クリープ走行
の最大車速より小さな車速まで擬似ダイナミックブレー
キを効かせることができる。
【0157】(4)請求項7〜11のいずれかにおい
て、前記クラッチ式の制動手段は、一組の前記前進クラ
ッチ及び後進クラッチ、またはクラッチ式の駐車ブレー
キを流用している。この構成によれば、元々他の目的で
駆動伝達軸上に設けられていたクラッチを、ブレーキ操
作に応じた制動力を得るための制動手段として流用する
ため、制動専用の主制動手段を不要にできる。
【0158】(5)請求項7及び前記(4)の技術思想
において、前記クラッチ式の制動手段は一組の前進クラ
ッチ及び後進クラッチが兼ね、前記制動力発生手段は、
前記ブレーキ操作手段が操作されると、前記前進クラッ
チと後進クラッチのうちシフト側クラッチと反対側のク
ラッチを前記ブレーキ操作手段の操作量に応じた制動力
が得られるクラッチ係合圧にて係合させる。この構成に
よれば、前進クラッチ及び後進クラッチを、ブレーキ操
作に応じた制動力を得るための制動手段として流用する
ため、制動専用の主制動手段を不要にできる。
【0159】(6)請求項7及び前記(4)の技術思想
において、前記クラッチ式の制動手段はクラッチ式の駐
車ブレーキが兼ね、前記制動力発生手段は、前記ブレー
キ操作手段が操作されると、前記クラッチ式の駐車ブレ
ーキを前記ブレーキ操作手段の操作量に応じた制動力が
得られるクラッチ係合圧にて係合させる。この構成によ
れば、クラッチ式の駐車ブレーキを、ブレーキ操作に応
じた制動力を得るための制動手段として流用するため、
制動専用の主制動手段を不要にできる。
【0160】(7)請求項9において、前記制御手段
は、前記踏力検出手段の検出値に応じて決まるクラッチ
係合圧が、予めブレーキ操作初期領域用に設定された初
期クラッチ係合圧より小さな値であるときは、前記制動
手段のクラッチ係合圧の制御に初期クラッチ圧を採用す
る。この構成によれば、ブレーキ操作初期領域では初期
クラッチ圧に応じた一定のブレーキ力の発生を保証でき
る。
【0161】(8)請求項14の発明において、前記補
助制動手段は、前記駆動輪に設けられている。この構成
によれば、車両停止時の揺れ戻しを一層効果的に防止で
きる。
【0162】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜6の発明
によれば、トルクコンバータと駆動輪との間を結ぶ駆動
伝達軸上に設けられたクラッチ式の制動手段を使って、
擬似ダイナミックブレーキを発生させるので、制動使用
頻度が高くなる割にメンテナンス頻度を少なく済ませる
ことができる。
【0163】請求項2〜6の発明によれば、請求項1の
発明の効果に加え、設定操作手段の操作により擬似ダイ
ナミックブレーキの設定減速度を好みに応じて選択でき
るので、運転者の好みに応じた減速感を得ることができ
る。
【0164】請求項3〜6の発明によれば、請求項1又
は2の発明の効果に加え、産業車両に積載された荷の重
量を考慮してクラッチ係合圧を決めるので、擬似ダイナ
ミックブレーキが掛かるときは、産業車両の積荷の有無
や荷重に影響されることなくいつも同じ減速感を得るこ
とができる。
【0165】請求項4,6の発明によれば、請求項1〜
3のいずれか一項の発明の効果に加え、前進クラッチ及
び後進クラッチの同時係合を利用して制動力を発生させ
るので、擬似ダイナミックブレーキの採用で制動使用頻
度が増えてもその割に制動装置のメンテナンス頻度が増
え難い。
【0166】請求項5,6の発明によれば、請求項1〜
3のいずれか一項の発明の効果に加え、駐車ブレーキの
クラッチ係合を利用して制動力を発生させるので、擬似
ダイナミックブレーキの採用で制動使用頻度が増えても
その割に制動装置のメンテナンス頻度が増え難い。
【0167】請求項6の発明によれば、請求項1〜5の
いずれか一項の発明の効果に加え、擬似ダイナミックブ
レーキの設定減速度が得られるように制動手段のクラッ
チ係合圧を車速フィードバック制御するので、産業車両
の積荷の有無や荷重に関係なくいつも同じ減速感を得る
ことができる。
【0168】請求項7〜14の発明によれば、トルクコ
ンバータと駆動輪との間を結ぶ駆動伝達軸上に設けられ
たクラッチ式の制動手段を使って、ブレーキ操作手段の
操作量に応じた制動力を発生させるので、従来使用され
ていたドラムブレーキ等の制動装置に比べ制動手段のメ
ンテナンス頻度を減らすことができる。
【0169】請求項9〜14の発明によれば、請求項8
の発明の効果に加え、油圧式の踏力発生手段を採用した
ことによりブレーキ操作手段を軽く操作した領域で踏力
検出値がばらついても、その操作初期領域では一定の初
期ブレーキ力を与えるので、ブレーキ踏力が弱くても制
動力の発生を保証できる。
【0170】請求項10〜14の発明によれば、請求項
8又は9の発明の効果に加え、シフト操作手段が中立位
置に操作された状態でブレーキ操作されたときは、制動
手段のクラッチ係合圧の立ち上げ勾配が緩和されるの
で、シフト中立位置にあってクラッチが切離された状態
での走行中にブレーキ操作されたときのショックを緩和
できる。
【0171】請求項11〜14の発明によれば、請求項
8〜10のいずれか一項の発明の効果に加え、ブレーキ
操作手段を操作して停車したときは駐車ブレーキ手段が
作動されるため、例えば坂路で停車後、再発進のためブ
レーキ操作をやめたときにロールバックを防止できる。
【0172】請求項12の発明によれば、請求項8〜1
1のいずれか一項の発明の効果に加え、前進クラッチ及
び後進クラッチの同時係合を利用してブレーキ操作手段
の操作量に応じた制動力を得るので、制動使用頻度が高
くてもその割に制動装置のメンテナンス頻度が少なく済
む。
【0173】請求項13の発明によれば、請求項8〜1
1の発明の効果に加え、駐車ブレーキ手段のクラッチ係
合を利用してブレーキ操作手段の操作量に応じた制動力
を得るので、制動使用頻度が高くてもその割に制動装置
のメンテナンス頻度が少なく済む。
【0174】請求項14の発明によれば、請求項8〜1
3のいずれか一項の発明の効果に加え、ブレーキ操作に
より産業車両が停止するときは、補助制動手段により変
速機から駆動輪までの動力伝達経路上における駆動輪寄
りの位置にも制動力が加わるので、車両停止時の車体の
揺れ戻しを起き難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態におけるフォークリフトの概
略構成図。
【図2】 荷重と補正係数の関係を示すマップ図。
【図3】 荷重、モードに応じたクラッチ圧を決めるた
めのマップ図。
【図4】 ブレーキ踏力とFR同時係合クラッチ圧との
関係を示すマップ図。
【図5】 擬似ダイナミックブレーキの減速度を説明す
るグラフ。
【図6】 擬似ダイナミックブレーキからクリープ走行
への移行を説明するグラフ。
【図7】 ブレーキ踏力から決まるFR同時係合クラッ
チ圧を示すグラフ。
【図8】 擬似ダイナミックブレーキ制御ルーチンを示
すフローチャート。
【図9】 クリープフラグ制御ルーチンを示すフローチ
ャート。
【図10】 ブレーキ制御ルーチンを示すフローチャー
ト。
【図11】 ニュートラルブレーキ制御ルーチンを示す
フローチャート。
【図12】 第2の実施形態における擬似ダイナミック
ブレーキ制御ルーチンを示すフローチャート。
【図13】 ブレーキ踏力と駐車ブレーキクラッチ圧と
の関係を示すマップ図。
【図14】 ブレーキ踏力から決まる駐車ブレーキクラ
ッチ圧を示すグラフ。
【図15】 ブレーキ制御ルーチンを示すフローチャー
ト。
【図16】 ニュートラルブレーキ制御ルーチンを示す
フローチャート。
【図17】 第3の実施形態におけるフォークリフトの
概略構成図。
【図18】 ブレーキ踏力とブレーキクラッチ圧との関
係を示すマップ図。
【図19】 クラッチ式ブレーキと補助ブレーキとの制
動力比率を示すグラフ。
【図20】 第4の実施形態における制動制御装置の概
略構成図。
【符号の説明】
1…エンジン、2…トルクコンバータ、3…変速機、3
a…駆動伝達軸を構成する出力軸、3b…駆動伝達軸を
構成する出力軸、5…駆動輪、8…前進クラッチ、9…
後進クラッチ、8a,9a…受圧室、10…制動力発生
手段及び制御手段を構成するとともに制御弁としての前
進クラッチバルブ、11…制御手段を構成するとともに
制御弁としての後進クラッチバルブ、12…制動力発生
手段及びクラッチ式の制動手段としての駐車ブレーキク
ラッチ、13…制御手段を構成する駐車ブレーキクラッ
チバルブ、17…車速検出手段としての車速センサ、2
2…荷重検出手段としての荷重センサ、23…アクセル
操作手段としてのアクセルペダル、24…ブレーキ操作
手段としてのインチングペダル、25…ブレーキ操作手
段としてのブレーキペダル、26…アクセル操作量検出
手段としてのアクセルセンサ、28…踏力発生手段とし
ての踏力発生装置、29…ブレーキ操作量検出手段及び
踏力検出手段としてのブレーキセンサ、31…シフト操
作手段としてのシフトレバー、32…制動力発生手段を
構成するとともにシフト操作位置検出手段としてのシフ
トスイッチ、37…設定操作手段としてのモード切換ス
イッチ、41…制動力発生手段及び制御手段を構成する
制御装置、42…制御手段を構成するCPU。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D041 AA01 AA03 AA11 AA33 AA37 AA44 AA65 AA66 AB07 AC01 AC09 AC16 AC18 AD02 AD10 AD23 AD31 AD32 AD36 AD41 AD50 AD51 AD53 AE04 AE11 AE39 AE41 AE42 AE45 AF01 3F333 AA02 AB13 FA16 FA20 FA40 FE09 3G093 AA08 BA02 BA15 BA17 CB07 DA01 DA06 DB05 DB11 DB15 EA09 EB03 EB04 EC01 EC04 FA08 FA10 3J057 AA05 BB04 FF01 FF10 FF15 GA03 GA12 GA43 GA48 GA49 GA80 GB05 GB27 GB30 GB36 GB40 GE05 GE07 HH04

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの出力をトルクコンバータを介
    して出力軸に伝達する油圧式の前進クラッチ及び後進ク
    ラッチを備えた変速機と、 前記各クラッチの受圧室内の油圧を増減して接続状態を
    調整する制御弁と、 前記トルクコンバータと前記駆動輪との間を結ぶ駆動伝
    達軸上に設けられたクラッチ式の制動手段と、 前記変速機を切換操作するためのシフト操作手段の前進
    ・中立・後進の操作位置を検出するシフト操作位置検出
    手段と、 アクセル操作手段の操作量を検出するアクセル操作量検
    出手段と、 前記シフト操作位置検出手段及び前記アクセル操作量検
    出手段の各検出値に基づいて、前記シフト操作手段が前
    進又は後進に操作された状態で少なくとも前記アクセル
    操作手段が操作されていない擬似ダイナミックブレーキ
    の作動時期であると判断したときに、予め設定された擬
    似ダイナミックブレーキの設定減速度に応じたクラッチ
    係合圧に前記制動手段を制御する制御手段とを備えてい
    る産業車両の制動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記設定減速度を設定する設定操作手段
    を備え、前記制御手段は前記設定操作手段により設定さ
    れた設定減速度の擬似ダイナミックブレーキが得られる
    ように前記制動手段のクラッチ係合圧を制御する請求項
    1に記載の産業車両の制動制御装置。
  3. 【請求項3】 車両に積載された荷の重量を検出する荷
    重検出手段を備え、前記制御手段は、前記所定減速度が
    得られるように前記荷重検出手段の検出値に基づく荷重
    を考慮して前記制動手段のクラッチ係合圧を求める請求
    項1又は2に記載の産業車両の制動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制動手段は前記前進クラッチ及び後
    進クラッチが兼ね、前記制御手段は、前記前進クラッチ
    及び後進クラッチを前記設定減速度が得られるクラッチ
    係合圧に同時係合させる請求項1〜3のいずれか一項に
    記載の産業車両の制動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制動手段は、前記駆動伝達軸上に設
    けられた駐車ブレーキ手段であって、前記制御手段は、
    前記設定減速度が得られるクラッチ係合圧に前記駐車ブ
    レーキ手段を制御する請求項1〜3のいずれか一項に記
    載の産業車両の制動制御装置。
  6. 【請求項6】 産業車両は車速検出手段を備え、前記制
    御手段は、前記設定減速度が得られるように前記制動手
    段のクラッチ係合圧を車速フィードバック制御する請求
    項1〜5のいずれか一項に記載の産業車両の制動制御装
    置。
  7. 【請求項7】 エンジンの出力をトルクコンバータを介
    して出力軸に伝達する油圧式の前進クラッチ及び後進ク
    ラッチを備えた変速機と、該変速機を切換操作するため
    のシフト操作手段と、前記前進クラッチ及び後進クラッ
    チを該シフト操作手段の前進・中立・後進の操作位置に
    応じた接続状態に切換えるシフト切換手段とを備えた産
    業車両において、 車両を制動させるために操作するブレーキ操作手段と、 前記トルクコンバータと前記駆動輪との間を結ぶ駆動伝
    達軸上に設けられたクラッチ式の制動手段と、 前記ブレーキ操作手段が操作されたときに前記クラッチ
    式の制動手段を前記ブレーキ操作手段の操作量に応じた
    制動力が得られるクラッチ係合圧にて係合させる制動力
    発生手段とを備えている産業車両の制動制御装置。
  8. 【請求項8】 エンジンの出力をトルクコンバータを介
    して出力軸に伝達する油圧式の前進クラッチ及び後進ク
    ラッチを備えた変速機と、 前記各クラッチの受圧室内の油圧を増減して接続状態を
    調整する制御弁と、 前記トルクコンバータと前記駆動輪との間を結ぶ駆動伝
    達軸上に設けられたクラッチ式の制動手段と、 前記変速機を切換操作するためのシフト操作手段の前進
    ・中立・後進の操作位置を検出するシフト操作位置検出
    手段と、 ブレーキ操作手段の操作量を検出するブレーキ操作量検
    出手段と、 前記ブレーキ操作量検出手段の検出値に基づき前記ブレ
    ーキ操作手段の操作量に応じた制動力が得られるクラッ
    チ係合圧に前記制動手段を制御する制御手段とを備えて
    いる産業車両の制動制御装置。
  9. 【請求項9】 前記ブレーキ操作手段は踏込操作するも
    のであって、前記ブレーキ操作手段を踏み込み操作した
    ときに踏力を発生させる油圧式の踏力発生手段を備え、
    前記ブレーキ操作量検出手段は、前記踏力発生手段の油
    圧から踏力を検出する踏力検出手段であって、 前記制御手段は、前記踏力検出手段の検出値に基づく踏
    力の弱い初期領域では、一定の初期ブレーキ力を設定す
    るように前記制動手段を制御する請求項8に記載の産業
    車両の制動制御装置。
  10. 【請求項10】 前記シフト操作位置検出手段の検出値
    に基づいて前記シフト操作手段の操作位置が中立位置で
    あると判断する状態で、前記ブレーキ操作手段が操作さ
    れたと判断すると、前記制御手段は、前記ブレーキ操作
    手段の操作量に応じた制動力が得られるクラッチ係合圧
    に前記制動手段を制御する際に、そのクラッチ係合圧の
    立ち上げ勾配を緩和させる処理を行う請求項8又は9に
    記載の産業車両の制動制御装置。
  11. 【請求項11】 産業車両は車速検出手段と駐車ブレー
    キ手段とを備え、前記制御手段は、前記ブレーキ操作量
    検出手段及び車速検出手段の各検出値に基づき前記ブレ
    ーキ操作手段が操作された状態で車速が停止車速にある
    と判断すると、駐車ブレーキ手段を作動させる請求項8
    〜10に記載の産業車両の制動制御装置。
  12. 【請求項12】 前記制動手段は前記前進クラッチ及び
    後進クラッチが兼ね、前記制御手段は、前記前進クラッ
    チ及び後進クラッチを前記ブレーキ操作手段の操作量に
    応じた制動力が得られるクラッチ係合圧に同時係合させ
    る請求項8〜11のいずれか一項に記載の産業車両の制
    動制御装置。
  13. 【請求項13】 前記制動手段は、前記駆動伝達軸上に
    設けられたクラッチ式の駐車ブレーキ手段であって、前
    記制御手段は、前記ブレーキ操作手段の操作量に応じた
    制動力が得られるクラッチ係合圧に前記駐車ブレーキ手
    段を制御する請求項8〜11のいずれか一項に記載の産
    業車両の制動制御装置。
  14. 【請求項14】 前記クラッチ式の制動手段は前記変速
    機の内部に設けられ、前記変速機から前記駆動輪までの
    動力伝達経路上には少なくとも該駆動輪寄りの位置に、
    前記ブレーキ操作手段の操作に基づき少なくとも車両停
    止時に作動される補助制動手段が設けられている請求項
    8〜13のいずれか一項に記載の産業車両の制動制御装
    置。
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