JP2013060521A - 変性プロピレン系樹脂組成物および当該組成物からなる接着剤 - Google Patents

変性プロピレン系樹脂組成物および当該組成物からなる接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリオレフィン系基材への付着性に優れると同時に、金属との接着力にも優れたポリオレフィン系ホットメルト接着剤、および当該接着剤用の樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(A)特定性状を満たす低粘度プロピレン系ベースポリマー50〜99重量%と、(B)特定性状を満たす酸変性プロピレン系エラストマー 1〜50重量%から構成される脂組成物(ここで、成分(A)および成分(B)の合計量は100重量%である。)並びに当該樹脂組成物を含んでなるホットメルト接着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属ともポリオレフィン系基材とも良好な接着性を示す変性プロピレン系樹脂組成物および当該組成物を含んでなるホットメルト接着剤に関する。
ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂は、易成形性、耐薬品性、耐水性、電気特性など多くの優れた性質を有するため、産業界ではシート、フィルム、成形物等として幅広く用いられている。ただし、ポリオレフィン系樹脂からなる基材(以下、ポリオレフィン系基材)は、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等の極性基材とは異なり、非極性であり又一般に結晶性であることから、金属やプラスチック成形体との接着が難しいという問題点があった。このような問題点を解決するため、ポリオレフィン系基材や金属との親和性が高い、変性ポリオレフィン樹脂等の有機溶剤溶解物(ワニス)を接着剤として用いる方法も数多く開示されている(特許文献1、2)が、近年の有機溶剤への規制の厳格化に伴い最近ではホットメルト接着剤の使用が浸透しつつある。その理由は、ホットメルト接着剤は常温では気化しない固形材料で、使用時に加熱して融解した状態にして流動性を付与した状態で、各種被着体を瞬間的に接着させることを可能にする、すなわち、“無公害
(VOCを発生しない)”、“火災の危険性がない”、“生産性が高い”、“被着体接着が広範囲である”など利点が多いからである。
さて、ホットメルト接着剤のベースポリマーとしては、一般にポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂が広く使用されているが、産業界でポリオレフィン系基材が使用される場面が広がるにつれ、ポリオレフィン系基材同士のみならず、ポリオレフィン基材とナイロン、ポリエステルといった極性プラスチック基材との接着、ポリオレフィン基材と金属や紙等の異種材料との接着力の向上ニーズが高まっている。
このようなニーズに応えるため、ポリオレフィン系樹脂と他樹脂とのアロイをベースポリマーとして用いる方法が開示されている(特許文献3)。一例をあげれば、ポリオレフィン系樹脂に無水マレイン酸変性ポリプロピレンを併用する方法があるが、ポリオレフィン基材にも金属・紙など異種基材に共に十分な接着力を示すポリオレフィン系接着剤は存在しなかった。
特開2002−173514号公報 特開2001−131367号公報 特開平6−65554号公報
本発明の目的は、ポリオレフィン系基材への付着性に優れると同時に、金属との接着力にも優れた樹脂組成物、および当該組成物を含んでなるポリオレフィン系ホットメルト接着剤を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の粘度範囲を有する低粘度プロピレン系ベースポリマーと、特定の性質を満たす変性プロピレン系エラストマーとの樹脂組成物が前記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明の本質は次の通りである。
〔1〕(A)プロピレン由来の骨格含有量が50mol%を超え、且つ190℃で測定した溶融粘度が100,000mPa・s以下である低粘度プロピレン系ベースポリマー50〜99重量%と、(B)酸変性プロピレン系エラストマー 1〜50重量%から構成される樹脂組成物(ここで、成分(A)および成分(B)の合計量は100重量%である。)であって、
成分(B)が、DSCにより測定される融点(Tm)が120℃以上であるポリプロピレン(B1)0〜40重量%、並びにDSCにより測定される融点が120℃未満または融点が観測されない、プロピレンとエチレンと必要に応じて炭素数4〜10のα−オレフィンとからなる共重合体(B2)60〜100重量%からなる樹脂組成物(B‘)(ここで、成分(B1)および成分(B2)の合計量は100重量%である。)を変性して得られる樹脂であることを特徴とする樹脂組成物。
〔2〕前記成分(A)が、前記成分(A)が、プロピレン由来の骨格含有量が50mol%を超え、エチレンおよび炭素数4〜8のα−オレフィンからなる群より選択される1種以上に由来する骨格含有量が50mol%未満であるプロピレン単独重合体、二元共重合体または三元共重合体であり、190℃で測定した溶融粘度が2,000〜50,000mPa・sを満たすことを特徴とする前記〔1〕に記載の樹脂組成物。
〔3〕前記成分(A)が、プロピレン単独重合体であることを特徴とする前記〔2〕に記載の樹脂組成物。
〔4〕前記成分(B)が、前記成分(B‘)に炭素数3〜10の不飽和カルボン酸、その酸無水物およびそのエステルからなる群から選ばれる少なくても一種の化合物をグラフト重合して得られる変性プロピレン系エラストマーであることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〔5〕前記成分(B)が次の要件(R-1)および要件(R-2)の一つ以上を満たすことを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
(R-1)ASTM D2240に記載の方法で測定した表面硬度(ショアーD)が40以下である。
(R-2)変性により導入された極性基の含有量が、0.01〜10重量%の範囲である。
〔6〕前記した樹脂組成物(B‘)が、ポリプロピレン(B1)5〜40重量%、およびDSCにより測定される融点が120℃未満または融点が観測されない、プロピレンとエチレンと炭素数4〜10のα-オレフィンとの三元共重合体(B2)60〜95重量%からなる樹脂組成物(ここで、成分(B1)および成分(B2)の合計量は100重量%である。)であることを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〔7〕前記成分(B2)が、プロピレン由来の構成単位を45.0〜89.0モル%、エチレン由来の構成単位を8.0〜25.0モル%、および炭素数4〜20のα-オレフィン由来の構成単位を1.0〜30.0モル%量を含むプロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体(ここで、プロピレン由来の構成単位、エチレン由来の構成単位および炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位の合計は100モル%である。)であることを特徴とする前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の樹脂組成物。
〔8〕前記〔1〕〜〔6〕に記載の樹脂組成物と、必要に応じて粘着付与剤を含んでなるホットメルト接着剤。
本発明によって、金属ともポリオレフィン系基材とも極めて良好な接着性を示すホットメルト型接着剤が提供される。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン系基材のみならず金属に対しても良好な接着力を示すという点において、(A)プロピレン由来の骨格含有量が50mol%を超え、且つ190℃で測定した溶融粘度が100,000mPa・s以下である低粘度プロピレン系ベースポリマー 50〜99重量%、好ましくは60〜98重量%、より好ましくは70〜97重量%、特に好ましくは75〜95重量%、(B)酸変性プロピレン系エラストマー 1〜50重量%、好ましくは2〜40重量%、より好ましくは3〜30重量%、特に好ましくは5〜25重量%から構成される樹脂組成物(ここで、成分(A)および成分(B)の合計量は100重量%である。)であって、成分(B)が、DSCにより測定される融点(Tm)が120℃以上であるポリプロピレン(B1)0〜40重量%、並びにDSCにより測定される融点が120℃未満または融点が観測されない、プロピレンとエチレンと必要に応じて炭素数4〜10のα−オレフィンとからなる共重合体(B2)60〜100重量%からなる樹脂組成物(B‘)(ここで、成分(B1)および成分(B2)の合計量は100重量%である。)を変性して得られる変性樹脂である。
以下、本発明の樹脂組成物を構成する(A)低粘度プロピレン系ベースポリマー、および(B)変性プロピレン系エラストマーについて順番に詳説する。
1.低粘度プロピレン系ベースポリマー(A)
本発明の樹脂組成物に係る低粘度プロピレン系ベースポリマー(A)は、プロピレン由来の骨格含有量が50mol%超え、好ましくは60mol%以上、より好ましくは70mol%以上含む。ポリマー(A)がプロピレン以外のオレフィン起因の骨格を持つ場合は、エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンから選ばれる一種以上であることが好ましい。本発明の低粘度プロピレン系ベースポリマー(A)は、190℃で測定した溶融粘度が100,000mPa・s以下、好ましくは2,000〜50,000mPa・s、より好ましくは2,000〜30,000mPa・s、特に好ましくは3,000〜20,000mPa・sである。このような低粘度プロピレン系ベースポリマーは、一般的には非晶質ポリオレフィンとして、具体的には、上記プロピレン成分含有量など所定の特性を有するポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ブテン−1・エチレン−3元共重合体、プロピレン・ヘキセン−1・オクテン−1−3元共重合体、プロピレン・ヘキセン−1・4−メチルペンテン−1−3元共重合体などのプロピレン成分が主成分である非晶質ポリオレフィンが挙げられる。また、上記ブテン−1成分含有量など所定の特性を有するポリブテン−1、ブテン−1・エチレン共重合体、ブテン−1・プロピレン共重合体、ブテン−1・プロピレン・エチレン−3元共重合体、ブテン−1・ヘキセン−1・オクテン−1−3元共重合体、ブテン−1・ヘキセン−1・4−メチルペンテン−1−3元共重合体などのブテン−1成分が主成分である非晶質ポリオレフィンも挙げられる。具体的には、例えば、APAO(アモルファス ポリ アルファオレフィン)やメタロセンPPワックスが挙げられる。具体的には、APAOとして、米国のレクスタック(REXTAC)社製レクスタック、イーストマンコダック社製イーストフレックスおよびエボニック(Evonik)社製ベストプラストの市販品を用いることができる。メタロセンPPワックスとして、クラリアント社製のリコセンを使用することもできる。これらのベースポリマーは単独で用いてもよいし、必要に応じて複数種のベースポリマーを適宜配合して用いてもよい。
2.変性プロピレン系エラストマー(B)
本発明の樹脂組成物に係る酸変性プロピレン系エラストマー(B)は、DSCにより測定される融点(Tm)が120℃以上であるポリプロピレン(B1)0〜40重量%、並びにDSCにより測定される融点が120℃未満または融点が観測されない、プロピレンとエチレンと必要に応じて炭素数4〜10のα−オレフィンとからなる共重合体(B2)60〜100重量%からなる樹脂組成物(B‘)(ここで、成分(B1)および成分(B2)の合計量は100重量%である。)を変性して得られる樹脂として定義される。以下、各構成成分について説明する。
〔ポリプロピレン(B1)〕
ポリプロピレン(B1)は示差走査熱量計(DSC)で測定される融点が120〜170℃であるプロピレン系重合体である。以下の説明ではポリプロピレン(B1)を単にPP(B1)と表記する場合がある。本発明で用いられる成分(B1)は、ホモポリプロピレンであっても、プロピレン・炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)ランダム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体であってもよいが、好ましくはホモポリプロピレン(以下、h-PPと略記する場合がある。)あるいはプロピレンと炭素数2〜20(ただし炭素数3を除く)のα−オレフィンとのランダム共重合体(以下、r-PPと略記する場合がある。)である。
ここで、炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし炭素数3を除く)としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられ、これらの中ではエチレン、1−ブテンおよび1−ヘキセンから選ばれる一種以上のα−オレフィンを用いることが好ましい。
本発明で用いられるPP(B1)は、好ましくはアイソタクティックポリプロピレンである。アイソタクティックポリプロピレンとは、13C−NMR法により測定したアイソタクティックペンタッド分率が90%以上、好ましくは95%以上であるポリプロピレンである。アイソタクティックペンタッド分率(mmmm分率)は、例えば特開2007−186664公報に記載されているように、13C−NMRを使用して測定される分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖の存在割合を示しており、プロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。
またPP(B1)は、示差走査熱量計(DSC)測定により得られる融点(Tm)が、120℃以上170℃以下、好ましくは130℃以上168℃以下であり、さらに当該DSC測定に得られる融解熱量(ΔH)は50mJ/mg以上であることが好ましい。PP(B1)が上記のような特性を満たすと、本発明の樹脂組成物は耐熱性が優れるので好ましい。
PP(B1)がプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(r-PP)である場合に、α−オレフィンとしては、エチレンおよび炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれ、これを該共重合体中に、10モル%未満、好ましくは0.1〜8モル%、さらに好ましくは0.2〜7.5モル%の量で含有していることが好ましい。
上記のような本発明で用いられるPP(B1)、例えばアイソタクティックポリプロピレンは、種々の方法により製造することができるが、たとえば立体規則性触媒を用いて製造することができる。具体的には、固体状チタン触媒成分と有機金属化合物触媒成分とさらに必要に応じて電子供与体とから形成される触媒を用いて製造することができる。固体状チタン触媒成分としては、具体的に、三塩化チタンまたは三塩化チタン組成物が、比表面積が100m/g以上である担体に担持された固体状チタン触媒成分、あるいはマグネシウム、ハロゲン、電子供与体(好ましくは芳香族カルボン酸エステルまたはアルキル基含有エーテル)およびチタンを必須成分とし、これらの必須成分が比表面積100m/g以上である担体に担持された固体状チタン触媒成分が挙げられる。
〔共重合体(B2)〕
本発明の樹脂組成物に係る共重合体(B2)は、プロピレンとエチレンと必要に応じて炭素数4〜10のα−オレフィンとからなる共重合体であって、示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点が120℃未満または融点が観測されない。該共重合体の好ましい態様は、プロピレン由来の構成単位45.0〜89.0モル%、エチレン由来の構成単位8.0〜25.0モル%、および炭素原子数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位1.0〜30.0モル%の量で含有する(ここで、プロピレン由来構成単位とエチレン由来構成単位とα−オレフィン由来構成単位の合計は100モル%)プロピレン・エチレン・α−オレフィン三元共重合体である。以下、これらの要求特性について順次詳説する。
本発明の樹脂組成物に係る共重合体(B2)は、好ましくはプロピレン由来の構成単位を45.0〜89.0モル%、好ましくは50.0〜87.0モル%、より好ましくは52.0〜85.0モル%、特に好ましくは60.0〜80.0モル%含み、エチレン由来の構成単位を8.0〜25.0モル%、好ましくは8.5〜24.0モル%、より好ましくは10.0〜23.0モル%、特に好ましくは12.0〜23.0モル%含み、そして炭素原子数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位を1.0〜30.0モル%、好ましくは3.0〜25.0モル%、より好ましくは3.0〜23.0モル%、特に好ましくは5.0〜20.0モル%の量で含有する(ここで、プロピレン由来構成単位とエチレン由来構成単位とα−オレフィン由来構成単位の合計は100モル%)ことを特徴としている。
各モノマー由来の構成単位が上記範囲にあると、共重合体(B2)が前記ポリプロピレン(B1)に相容し易くなるので、機械物性(柔軟性と強度のバランス)に優れ、結果として被着体への接着力に優れる。本発明の樹脂組成物および接着剤においては、特に共重合体(B2)に占めるエチレン由来骨格の量が8.0モル%を下回らず、好ましくは8.5モル%を下回らず、より好ましくは10.0モル%を下回らないことがポリオレフィン系基材および金属への接着力に共に優れた効果を発現する重要な因子であることを本発明者らは見出している。なお、エチレンと炭素原子数4〜20のα-オレフィンの含有量が上記範囲にあって、且つエチレン含量の方がα-オレフィン含量に比べて多い場合は、後述する共重合体(B2)の製造の際に生産性が向上(具体的には、高い分子量のものが得られる、触媒活性が高い等の特徴)する等の利点も存在する。
炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしてはポリプロピレン(B1)に使用されるα−オレフィンが同様に使用できるが、この中でも1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンまたは1−オクテンが好ましく、最も好ましいのは、1−ブテンである。
本発明の接着剤に係る共重合体(B2)は、示差走査熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)が、120℃未満であるか、または融点が観測されない。なお、融点(Tm)を決定する際のDSC測定条件は次の通りである;23℃±2℃で72時間以上の状態調節を実施した後の試験体にて、−40℃以下まで冷却してから昇温速度10℃/minで測定したときに得られた吸熱曲線を解析してTmを求めた。また融点が観測されないとは、−40〜+200℃の範囲において、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピークが観測されないこととして定義される。
本発明の接着剤に係る共重合体(B2)は、上記特性に加えて、13C−NMRにより算出したアイソタクティックトライアッド分率(mm)が通常85%以上、好ましくは88%以上である。mm値がこのような範囲にある共重合体(B2)は、ポリプロピレン(B1)との相容性が良好になることに加え、共重合体(B2)の機械物性が良好となる。なお、mm値がこのような範囲にない場合には、ポリプロピレン(B1)との相容性の低下、および機械物性の低下に加え、ガラス転移温度(Tg)が高くなり、低温特性の低下も発生する。なお、本発明に係る共重合体(B2)のmm値は、国際公開番号2004/087775号パンフレットの21頁7行目から26頁6行目までに記載された方法で求められる。
さらに、本発明の接着剤に係る共重合体(B2)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定された分子量分布(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量、いずれもポリスチレン換算)が3.5以下、好ましくは3.0以下である。Mw/Mnがこのような範囲にあることは、材料のべた付きが少ないことを意味する。例えば、本発明の樹脂組成物や接着剤を調製する際に、接着剤の構成成分である共重合体(B2)や変性プロピレン系エラストマー(B)の、高温環境下で使用した際のべた付きを抑えるので成形作業性の向上につながるので好ましい。
上記したポリプロピレン(B1)0〜40重量%、好ましくは5〜40重量%、好ましくは5〜30重量%、共重合体(B2)60〜100重量%、好ましくは60〜95重量%、好ましくは70〜95重量%からなる樹脂組成物(B‘)(ここで、成分(B1)および成分(B2)の合計量は100重量%である。)を後述するように変性することによって本発明に係る変性プロピレン系エラストマー(B)を調製することができる。
〔成分(B1)と成分(B2)からなる樹脂組成物(B‘)の変性方法と変性体(B)〕
本発明に係る変性プロピレン系エラストマー(B)は、樹脂組成物(B‘)に、極性モノマー(M)を添加して、該極性モノマー(M)の少なくとも一部をたとえばグラフト重合させることにより得られる変性樹脂組成物である。極性モノマー(M)は通常、ラジカル開始剤の存在下、前記樹脂組成物(B’)100重量部に対して通常0.01〜15重量部、好ましくは0.01〜10.0重量部添加する。またラジカル開始剤は、樹脂組成物(B’)100重量部に対して通常0.001〜1.0重量部、好ましくは0.0010〜0.30重量部の量で用いられる。このような変性方法で得られる変性プロピレン系エラストマー(B)中に導入された極性モノマー(M)起因骨格の含有量は、通常0.01〜10.0重量%、好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%、特に好ましくは0.2〜2重量%である。含有量が10重量%を超える場合は、本発明の樹脂組成物に占める変性プロピレン系エラストマー(B)の量が増加し相溶性が悪化する場合があるので好ましくない。含有量が0.01重量%に満たない場合は、金属との接着性能が低下する場合があるので好ましくない。
極性モノマー(M)としては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、シラン化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸またはその誘導体、ビニルエステル化合物、塩化ビニルなどが挙げられるが、原料入手容易性などの観点から不飽和カルボン酸またはその誘導体が好んで用いられる。
不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、炭素数3〜10の不飽和カルボン酸、その酸無水物およびそのエステルが好ましく用いられ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などの不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和カルボン酸の酸無水物、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチルなどの不飽和カルボン酸エステルが挙げられる。これらの中でもマレイン酸、イタコン酸およびこれらの酸無水物が好ましい。
ラジカル開始剤としては、有機過酸化物、アゾ化合物または金属水素化物などを用いることができる。ラジカル開始剤は、極性モノマー(M)および樹脂組成物(B‘)、必要に応じて添加される他の成分とそのまま混合しても使用することができるが、少量の有機溶媒に溶解してから使用することもできる。この有機溶媒としては、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定されない。
樹脂組成物(B‘)の極性モノマー(M)によるグラフト変性は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、樹脂組成物(B’)を有機溶媒に溶解し、次いで極性モノマー(M)およびラジカル開始剤などを当該溶液に加え、70〜200℃、好ましくは80〜190℃の温度で、0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間反応させる方法が挙げられる。
また、押出機などを用いて、無溶媒で、ラジカル開始剤存在下、極性モノマー(M)と樹脂組成物(B‘)とを、通常170〜220℃、好ましくは180〜210℃下で溶融混練することによってグラフト反応を生起させて、変性プロピレン系エラストマー(B)を調製することもできる。この反応は、樹脂組成物(B’)の融点以上の温度で、通常0.5〜10分間行われる。
また、このようにして調製された、極性モノマー(M)由来の極性基を含む変性プロピレン系エラストマー(B)に、未変性の樹脂組成物(B‘)を配合し、変性度すなわち導入された極性基の含有量や各種の物性を調節することもできる。なお、樹脂組成物(B’)に添加した極性モノマー(M)は、少なくも一部がポリプロピレン(B1)および/または共重合体(B2)の変性に寄与して、すなわち、(B1)および/または(B2)に極性基が導入されておればよい。また、未反応の極性モノマー(M)を公知の方法により、必要に応じて除去しても構わない。
また本発明に係る変性プロピレン系エラストマー(B)の好ましい態様は、ASTM D2240に記載の方法で測定した表面硬度(ショアーD)が40以下、好ましくは30以下であるという性状を示す。成分(B)が、このような範囲の表面硬度を有することによって、本願発明の組成物は良好な機械物性(強度と柔軟性のバランス)を示すのである。
3.樹脂組成物およびこれを含んでなるホットメルト接着剤
本発明のホットメルト接着剤は、必要に応じて次の述べる粘着付与剤を配合することができる。
本発明で用いられる粘着付与剤としては、例えば、天然ロジン、変性ロジン、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、スチレン系樹脂、低分子量スチレン系樹脂、およびイソプレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を挙げることができる。
これらの中でも、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂が好ましく、さらに脂肪族および/または脂環式構造を有するものがより好ましい。
ここで脂肪族および/または脂環式構造を有する石油樹脂類として特に好ましいものとして、ロジン系樹脂では部分および完全水添ロジンとそれらの誘導体、ポリテルペン系樹脂では環状テルペンの単独重合体あるいは共重合体、合成石油樹脂では脂肪族系石油樹脂、脂環式系石油樹脂、脂肪族−脂環式共重合樹脂、ナフサ分解油と各種テルペンとの共重合体の水添物が挙げられる。
本発明では、軟化点が 25〜160℃の範囲のものが好ましく、軟化点が25℃未満のものでは表面にブリードするおそれがあり、逆に160℃を越えるものでは、溶融時の粘度が高くなり加工性が不良になる。具体的には、荒川化学工業社製のアルコンP-70、アルコンP-90、アルコンP-100 、アルコンP-115、アルコンP-125、アルコンP-140(以上、いずれも商品名)などが好適に使用される。これらの粘着付与剤は単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
前記したポリプロピレン(A)50〜99重量%と、変性プロピレン系エラストマー(B)1〜50重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して、粘着付与剤を10〜150重量部配合して、使用することができる。
接着剤組成物がこのような組成で形成されることによって、柔軟性、機械物性、耐熱性、接着特性などの諸物性をバランスすることができる。
特に、柔軟性が要求される用途においては、前記のポリプロピレン(A)50〜99重量%と、変性プロピレン系エラストマー(B)1〜50重量%からなる樹脂組成物が、粘着付与剤よりも多くなる組成が好ましい。
さらに本発明では、必要に応じて以下の流動改質剤配合することができる。
流動改質剤としては、例えばパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系オイル、液状ポリブテン、フタル酸エステル類、アジピン酸エステル類、脂肪酸エステル類、グリコール類、エポキシ系高分子可塑剤、などの溶融粘度を低下させるものであれば公知のものが使用できる。特に190℃での溶融粘度が1〜15,000mPa・s、好ましくは10〜12,000mPa・s、より好ましくは25〜10,000mPa・sである流動改質剤が好適に使用できる。前記したポリプロピレン(A)50〜99重量%と、変性プロピレン系エラストマー(B)1〜50重量%からなる樹脂組成物100重量部に対して、流動改質剤を10〜150重量部配合して、使用することができる。これらの流動改質剤は単独で、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
さらに、必要に応じて従来公知の造核剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤、発泡剤、発泡助剤、フィラーなどの本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。通常これらの任意添加剤を添加する場合は樹脂組成物100重量部あたり0.05部〜0.5重量部の範囲にある。
本発明の樹脂組成物は、成分(A)、成分(B)、および必要に応じて他の添加剤などをヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、V型ブレンダー、タンブラーブレンダー、リボンブレンダーなどを用いて混合することによって得ることができ、該混合物を単軸押出機、多軸押出機、ロール、ニーダーなどを用いて180〜300℃、好ましくは190〜260℃で溶融混練することによって各成分および必要に応じて用いられる添加剤が均一に分散混合されたものが望ましい。
本発明の樹脂組成物をホットメルト接着剤として用いる方法として、好ましくは、前述の製造方法により造粒されたペレットをT−ダイ方式、インフレ方式、カレンダー方式、紡糸方式と称するダイス部分を有したスクリュー式押出し機により接着剤単体をシート状、フィルム状、不織布状に成形し、積層接着する被着材の中間に固定し、加熱接着するか、またはシート状に成形した接着剤を一方の被着材上で加熱溶融し、そのままもう一方の被着体を冷却しながら圧着する接着方法がある。
また、ペレットを前述のスクリュー式押出し機により溶解し、直接積層する被着材間に挿入して熱接着する方法、一方の被着材が熱可塑性プラスチックの場合、共押出しにより直接接着するか、直接一方の被着材に塗布し、改めて加熱接着する方法がある。
本発明の接着剤を用い、主にポリオレフィン基材や金属板を接着させるわけであるが、ポリオレフィン基材としては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが挙げられ、またPETなどのポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリスチレンフィルムなどのプラスチック材にも好適に使用される。また、金属としては、鋼板、アルミニウム等に使用できる。本発明のホットメルト接着剤の応用例の一つとして、ポリプロピレンフィルムの如きポリオレフィン基材とアルミニウムシートを、本発明のホットメルト接着剤で貼り合わせることも可能となった。
〔実施例〕
本発明の樹脂組成物を更に詳細に説明するため、以下に実施例を示して具体的に説明するが、本発明はその主旨を逸脱しない限り、これによって限定されるものではない。
(1)樹脂組成物を構成する各種の成分
(1−1)低粘度プロピレン系ベースポリマー(A)
アモルファス・ポリ-α-オレフィン(A−1):REXTAC社製 APAO RT2180(プロピレンホモタイプ)、溶融粘度(190℃)=8,000 mPa・s
(1−2)変性プロピレン系エラストマー(B)
以下に示すポリプロピレン(B1)(20wt%)、プロピレン系重合体(B2)(80wt%)からなる樹脂組成物(B‘)、無水マレイン酸およびパーヘキシン25B(日本油脂社製、2,5−ジメチル―2,5-ジ-(t-ブチルペルオキシ)-3-ヘキシン)を表3に示す配合比率によりブレンドした。次いで、ブレンド物を二軸押出機中で反応させ(200℃)、変性プロピレン系エラストマー(B)を得た。物性を表3に示す。
なお、変性プロピレン系エラストマー(B)を作製するに当たって、以下の原料を使用した。
プロピレン系重合体(B1)
表1に示す物性を有するプロピレン系重合体(B1)を用いた。
プロピレン系重合体(B2)
次の二種類のプロピレン系重合体(B2−1)および(B2−2)を用いた。各々の重合体の製造方法は次の通りである。
〔プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(B2−1)〕
特開2007−186664号公報に記載の方法に基づき、重合用触媒であるジフェニルメチレン(3-tert-ブチル-5-エチルシクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドと助触媒であるメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)存在下、原料となるエチレン、プロピレン、1−ブテンを連続重合設備によりヘキサン溶液中で重合することでプロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(B2−1)を得た。物性を表2に示す。
〔プロピレン・1−ブテン共重合体(B2−2)〕
[1] 2-(3-tert−ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)-2-フルオレニルプロパンの調製:
フルオレン(10.1g、60.8mmol)のTHF(300ml)溶液に、氷冷下でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(40ml、61.6mmol)を窒素雰囲気下で滴下し、さらに室温で5時間攪拌した(濃褐色溶液)。この溶液を再度氷冷し、3- tert-ブチル-1,6,6−トリメチルフルベン(11.7g、66.5mmol)のTHF(300ml)溶液を窒素雰囲気下で滴下した。室温で14時間攪拌した後に得られた褐色溶液を氷冷し、水(200ml)を加えた。ジエチルエーテルで抽出、分離した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過し、濾液から溶媒を減圧下で除去して橙褐色オイルを得た。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)で精製して3.8gの黄色オイルを得た。分析値を以下に示す。
1H−NMR(270MHz、CDCl中、TMS基準)δ7.70(d、4H)、7.34−7.26(m、6H)、7.18−7.11(m、6H)、6.17(s、1H)、6.01(s、1H)、4.42(s、1H)、4.27(s、1H)、3.01(s、2H)、2.87(s、2H)、2.17(s、3H)、1.99(s、3H)、2.10(s、9H)、1.99(s、9H)、1.10(s、6H)、1.07(s、6H)
[2] ジメチルメチレン(3-tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドの調製:
氷冷下で2-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)-2-フルオレニルプロパン(1.14g、3.3mmol)のジエチルエーテル(25ml)溶液にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(5.0ml、7.7mmol)を窒素雰囲気下で滴下し、さらに室温で14時間攪拌して桃色スラリーを得た。このスラリーに−78℃でジルコニウムテトラクロライド(0.77g、3.3mmol)を加え、−78℃で数時間攪拌し、室温で65時間撹拌した。得られた黒褐色スラリーを濾過し、濾物をジエチルエーテル10mlで洗浄した後、ジクロロメタンで抽出して赤色溶液を得た。この溶液の溶媒を減圧留去して0.53gの赤橙色の固体状のメタロセン触媒であるジメチルメチレン(3- tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドを得た。分析値を以下に示す。
1H−NMR(270MHz、CDCl中、TMS基準)δ8.11−8.02(m、3H)、7.82(d、1H)、7.56−7.45(m、2H)、7.23−7.17(m、2H)、6.08(d、1H)、5.72(d、1H)、2.59(s、3H)、2.41(s、3H)、2.30(s、3H)、1.08(s、9H)
[3] プロピレン・1−ブテン共重合体(B2−2)の製造:
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、875mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン75gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を65℃に昇温し、プロピレンで0.7MPaに加圧した。次いで、上記の方法により合成したメタロセン触媒であるジメチルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライド0.002mmolと、アルミニウム換算で0.6mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)とを接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温65℃、プロピレン圧0.7MPaを保ちながら30分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥し、プロピレン・1−ブテン共重合体(B2−2)を得た。物性を表2に示す。
なお、比較例で用いた変性ポリプロピレン(C)の製造メーカー、銘柄名と無水マレイン酸含量を次に示した。
変性ポリプロピレン(C−1):三洋化成社製ユーメックス1001、無水マレイン酸含量:3.4wt%
変性ポリプロピレン(C−2):三洋化成社製 ユーメックス1010、無水マレイン酸含量:6.9wt%
なお、樹脂組成物を構成する各種成分の物性値は以下の方法によって測定した。
[融点Tm]
Tm(1st):23℃±2℃で72時間以上の状態調節を実施した後の試験体にて、−40℃まで冷却してから昇温速度10 ℃/minで測定したときに得られるDSC曲線を作成した。このときに得られた融点をTm(1st)、融解エンタルピーをΔH(1st)とした。
Tm(2nd):DSC測定装置内で10分間200℃保持した後、降温速度10 ℃/minで−20℃まで冷却し、−20℃で1分間保持した後、再度昇温速度10 ℃/minで測定したときに得られるDSC曲線を作成した。このときに得られた融点をTm(2nd)、融解エンタルピーをΔH(2nd)とした。
[コモノマー含量(組成)]
13C−NMRスペクトルの解析により小数点一桁の精度まで求めた。
[立体規則性]
13C−NMRスペクトルの解析によりmmを求めた。
[B値]
13C−NMRスペクトル結果を用いて下式(1)により求めた。
〔式(1)中、MOEは、プロピレンとエチレンの連鎖と炭素数4以上のα−オレフィンとエチレンの連鎖の合計の、全ダイアッドに対するモル分率を表し、Mはプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンのモル分率の合計を表し、Mはエチレンのモル分率を表す。〕
[位置規則性(インバージョン)]
13C−NMRスペクトルの解析により2、1−結合量を求めた。
[分子量分布 (Mw/Mn)]
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒(移動相)とし、カラム温度140℃で測定した(ポリスチレン換算、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)。具体的には分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。分離カラムは、TSKgel GNH6−HTを2本、およびTSKgel GNH6−HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5 mm、長さ300mmであり、カラム温度は140 ℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025wt%を用いて、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15 mg/10mlとし、試料注入量は500μlとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw <1000、およびMw >4×10については東ソー社製を用いて1000 ≦ Mw ≦ 4×10についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
[変性度(無水マレイン酸含量)]
FT−IRにてカルボニル基に帰属される波数1780cm−1ピーク強度に基づき、別途作成した検量線から求めた。
[流動性(MFR)]
ASTM D1238に準拠し、230℃、2.16kgfで測定した。
(2)樹脂組成物の調製方法
低粘度プロピレン系ベースポリマー(A)および変性プロピレン系エラストマー(B)を、ラボプラストミル(東洋精機社製)を用い溶融混練することにより(190℃、80rpm)、表4に示す組成物を得た。また、低粘度プロピレン系ベースポリマー(A)および変性ポリプロピレン(C)を同様に溶融混練することにより、表4に示す組成物を得た。
(3)樹脂組成物の評価方法及び結果
(3−1)機械物性の評価
前記の(2)に示す方法により調製した樹脂組成物を190℃に設定した油圧式熱プレス成形機を用いて5分余熱した後2分間加圧、すぐに20℃に設定した冷却槽で4分間冷却して2mm厚みのプレスシートを作製した。プレス成形の際に離型フィルムとして、100μmPETフィルム(東レ社製、ルミラー)を使用した。これを23℃±2℃の環境下で72時間保管して後、以下の物性を評価した(表4)。
[ショアA(表面硬度)]
ASTM D−2240に準拠し、A型測定器を用い、押針接触後直ちに目盛りを読み取った。
[ショアD(表面硬度)]
ASTM D−2240に準拠し、D型測定器により押針接触後、5秒後に目盛りを読み取った。
[引張特性]
JIS K7113−2に準拠して破断点強度、破断点伸び(チャック間)、初期弾性率を測定した(測定温度23℃、引張り速度=200mm/min、最大歪=800%)。また、歪=800%で破断しなかったものは、このときの応力を破断点応力とした。
(3−2)接着力の評価
前記の(2)に示す方法により調製した樹脂組成物を190℃に設定した油圧式熱プレス成形機を用いて5分余熱した後2分間加圧、すぐに20℃に設定した冷却槽で4分間冷却して0.3mm厚みのプレスシートを作製し、接着層とした。プレス成形の際に離型フィルムとして、100μmPETフィルム(東レ社製、ルミラー)を使用した。
[対アルミ接着力]
ヒートシーラーを用いて、被着体アルミ/接着層/被着体アルミからなる構成の積層サンプルを作成した。被着体アルミとして0.2mm厚みのアルミニウムシートを使用し、シール条件は、170℃、0.1MPa、10秒とした。得られた積層サンプルの被着体同士を引っ張り、剥離試験を実施した(23℃、180°、200mm/分、幅10mm)。その際の最大応力を対アルミ接着力(N/10mm)とした(表4)。
[対ポリプロピレン(PP)接着力]
ヒートシーラーを用いて、被着体PP/接着層/被着体PPからなる構成の積層サンプルを作成した。被着体PPとして0.3mm厚みのホモポリプロピレンのキャストシートを使用し、シール条件は、170℃、0.1MPa、5秒とした。得られた積層サンプルの被着体同士を引っ張り、剥離試験を実施した(23℃、180°、200mm/分、幅15mm)。その際の最大応力を対PP接着力(N/15mm)とした(表4)。
実施例1および実施例2では、変性プロピレン系エラストマーを構成する共重合体(B2)として本願請求項1の要件を満たした共重合体(B2−1)が用いられているので、対アルミ接着力(N/cm)および対PP接着力(N/15mm)が各々27以上、および19以上と優れている。一方で、比較例1で用いた変性プロピレン系エラストマーを構成する共重合体(B2−2)は、例えばエチレン由来の骨格量がゼロである等の点において本願請求項1の要件を満たしていないので、十分な対PP接着力が発現していない。また比較例2〜5で用いた変性ポリプロピレン(C−1)や(C−2)も、本願請求項1の要件を満たした変性プロピレン系エラストマー成分ではないので対アルミ接着力および対PP接着力共に満足できる結果を与えない。
本発明によれば、ポリオレフィン系基材への付着性に優れると同時に、金属との接着力にも優れた樹脂組成物および当該樹脂組成物を含んでなるポリオレフィン系ホットメルト接着剤が提供される。

Claims (8)

  1. (A)プロピレン由来の骨格含有量が50mol%を超え、且つ190℃で測定した溶融粘度が
    100,000mPa・s以下である低粘度プロピレン系ベースポリマー50〜99重量%と、
    (B)変性プロピレン系エラストマー 1〜50重量%
    から構成される樹脂組成物(ここで、成分(A)および成分(B)の合計量は100重量%である。)であって、
    成分(B)が、DSCにより測定される融点(Tm)が120℃以上であるポリプロピレン(B1)0〜40重量%、並びにDSCにより測定される融点が120℃未満または融点が観測されない、プロピレンとエチレンと必要に応じて炭素数4〜10のα−オレフィンとからなる共重合体(B2)60〜100重量%からなる樹脂組成物(B‘)(ここで、成分(B1)および成分(B2)の合計量は100重量%である。)を変性して得られる樹脂であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記成分(A)が、プロピレン由来の骨格含有量が50mol%を超え、エチレンおよび炭素数4〜8のα−オレフィンからなる群より選択される1種以上に由来する骨格含有量が50mol%未満であるプロピレン単独重合体、二元共重合体または三元共重合体であり、190℃で測定した溶融粘度が2,000〜50,000mPa・sを満たすことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記成分(A)が、プロピレン単独重合体であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記成分(B)が、前記成分(B‘)に炭素数3〜10の不飽和カルボン酸、その酸無水物およびそのエステルからなる群から選ばれる少なくても一種の化合物をグラフト重合して得られる変性プロピレン系エラストマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 前記成分(B)が次の要件(R-1)および要件(R-2)の一つ以上を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
    (R-1)ASTM D2240に記載の方法で測定した表面硬度(ショアーD)が40以下である。
    (R-2)変性により導入された極性基の含有量が、0.01〜10重量%の範囲である。
  6. 前記した樹脂組成物(B‘)が、ポリプロピレン(B1)5〜40重量%、およびDSCにより測定される融点が120℃未満または融点が観測されない、プロピレンとエチレンと炭素数4〜10のα-オレフィンとの三元共重合体(B2)60〜95重量%からなる樹脂組成物(ここで、成分(B1)および成分(B2)の合計量は100重量%である。)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 前記成分(B2)が、プロピレン由来の構成単位を45.0〜89.0モル%、エチレン由来の構成単位を8.0〜25.0モル%、および炭素数4〜20のα-オレフィン由来の構成単位を1.0〜30.0モル%量を含むプロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体(ここで、プロピレン由来の構成単位、エチレン由来の構成単位および炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位の合計は100モル%である。)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7に記載の樹脂組成物と、必要に応じて粘着付与剤を含んでなるホットメルト接着剤。
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