JP2013056879A - カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

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JP2013056879A JP2012134501A JP2012134501A JP2013056879A JP 2013056879 A JP2013056879 A JP 2013056879A JP 2012134501 A JP2012134501 A JP 2012134501A JP 2012134501 A JP2012134501 A JP 2012134501A JP 2013056879 A JP2013056879 A JP 2013056879A
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Abstract

【課題】アルデヒドからカルボン酸エステルを製造できる新たな方法を提供すること。
【解決手段】式(2−1)
Figure 2013056879

(式中、Rは置換基を有していてもよいアリール基等を表す。R及びRはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基等を表す。Yは−S−で表される基又は−N(R)−で表される基を表す。Rは置換基を有していてもよいアルキル基等を表す。Xは陰イオンを表す。)
で示される化合物と、塩基と、アルコールと、酸素と、アルデヒドとを混合し、該アルデヒドを酸化する工程を含むことを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、カルボン酸エステルの製造方法に関する。
カルボン酸エステルは、種々の化学製品として重要な化合物である。中でも、ケトカルボン酸エステル等のカルボン酸エステルは、アミノ酸等の製造中間体として有用であることが知られている。
カルボン酸エステルの製造方法として、アルデヒドからカルボン酸エステルを製造する方法が開発されている。例えば非特許文献1(例えばTable1参照)には、アルデヒドである4−ニトロベンズアルデヒド、アルコール、ヨウ素及び亜硝酸ナトリウムを反応させることにより、4−ニトロ安息香酸メチルを製造する方法が記載されている。非特許文献2(例えばSupporting information,2頁)には、トリアゾリウム塩と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンとから調製される触媒の存在下、ケイ皮アルデヒド及びキノンを反応させることにより、ケイ皮酸エステルを製造する方法が記載されている。
Synthesis,276〜282頁(2010年) Journal of the American Chemical Society,第132巻,1190〜1191頁(2010年)
本発明の目的は、アルデヒドからカルボン酸エステルを製造できる新たな方法を提供することである。
このような状況の下、本発明者は鋭意検討し、本発明に至った。
即ち本発明は、以下の通りである。
〔1〕 式(2−1)
Figure 2013056879
(式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。R及びRはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、或いは、RとRとが一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基又は置換基を有していてもよい−CH=N−で表される基を形成する。Yは−S−で表される基又は−N(R)−で表される基を表す。Rは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、或いは、RはRと一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を形成する。Xは陰イオンを表す。)
で示される化合物と、塩基と、アルコールと、酸素と、アルデヒドとを混合し、該アルデヒドを酸化する工程を含むことを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
〔2〕 アルデヒドを酸化する工程が、二酸化炭素の存在下で行われる〔1〕記載の製造方法。
〔3〕 アルデヒドが、式(1)
Figure 2013056879
(式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表わす。nは0又は1を表す。)
で示される化合物であり、アルコールが、式(4)
Figure 2013056879
(式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基を表す。)
で示される化合物であり、カルボン酸エステルが、式(3)
Figure 2013056879
(式中、R、R及びnはそれぞれ上記と同義である。)
で示される化合物である〔1〕又は〔2〕記載の製造方法。
〔4〕 式(2−1)で示される化合物が、式(2−2)
Figure 2013056879
(式中、R、Y及びXはそれぞれ上記と同義である。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、RとRとが一緒になって、それらが結合する炭素原子と共に環を形成するか、或いは、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、RはRと一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を形成する。
Figure 2013056879
は単結合又は二重結合を表す。)
で示される化合物或いは式(2−3)
Figure 2013056879
(式中、R、Y及びXはそれぞれ上記と同義である。Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、或いは、RはRと一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を形成する。)
で示される化合物である〔1〕〜〔3〕のいずれか1記載の製造方法。
〔5〕 塩基が、有機塩基及びアルカリ金属アルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも一種である〔1〕〜〔4〕のいずれか1記載の製造方法。
〔6〕 式(2−1)
Figure 2013056879
(式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。R及びRはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、或いは、RとRとが一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基又は置換基を有していてもよい−CH=N−で表される基を形成する。Yは−S−で表される基又は−N(R)−で表される基を表す。Rは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、或いは、RはRと一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を形成する。Xは陰イオンを表す。)
で示される化合物に塩基を接触させることにより得られる化合物と、アルコールと、酸素との存在下に、アルデヒドを酸化する工程を含むことを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
〔7〕 アルデヒドを酸化する工程が、二酸化炭素の存在下で行われる〔6〕記載の製造方法。
〔8〕 アルデヒドが、式(1)
Figure 2013056879
(式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表わす。nは0又は1を表す。)
で示される化合物であり、アルコールが、式(4)
Figure 2013056879
(式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基を表す。)
で示される化合物であり、カルボン酸エステルが、式(3)
Figure 2013056879
(式中、R、R及びnはそれぞれ上記と同義である。)
で示される化合物である〔6〕又は〔7〕記載の製造方法。
〔9〕 式(2−1)で示される化合物が、式(2−2)
Figure 2013056879
(式中、R、Y及びXはそれぞれ上記と同義である。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、RとRとが一緒になって、それらが結合する炭素原子と共に環を形成するか、或いは、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、RはRと一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を形成する。
Figure 2013056879
は単結合又は二重結合を表す。)
で示される化合物或いは式(2−3)
Figure 2013056879
(式中、R、Y及びXはそれぞれ上記と同義である。Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、或いは、RはRと一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を形成する。)
で示される化合物である〔6〕〜〔8〕のいずれか1記載の製造方法。
〔10〕 塩基が、有機塩基及びアルカリ金属アルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも一種である〔6〕〜〔9〕のいずれか1記載の製造方法。
本発明によれば、アルデヒドからカルボン酸エステルを製造できる新たな方法を提供することができる。
本発明におけるカルボン酸エステルの製造方法は、アルデヒドから対応するカルボン酸エステルを製造する方法であり、式(2−1)で示される化合物(以下、化合物(2−1)と記すことがある)と、塩基と、アルコールと、酸素と、アルデヒドとを混合し、該アルデヒドを酸化する工程を含むことを特徴とする。また、本発明におけるカルボン酸エステルの製造方法は、アルデヒドから対応するカルボン酸エステルを製造する方法であり、化合物(2−1)に塩基を接触させることにより得られる化合物と、アルコールと、酸素との存在下に、アルデヒドを酸化する工程を含むことを特徴とする。
アルデヒドは、−CHOで表される基を有する化合物であれば制限なく用いることができる。アルデヒドとしては、式(1)で示される化合物(以下、化合物(1)と記すことがある)が好ましく用いられる。
式(1)において、Rで表される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基及び置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
において、置換基を有していてもよいアルキル基における、アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、デシル基等の直鎖状又は分岐状のC〜C12アルキル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の環状のC〜C12アルキル基が挙げられる。
かかるアルキル基が有していてもよい置換基としては例えば、下記群G1から選ばれる基が挙げられる。
<群G1>
フッ素原子を有していてもよいC〜C10アルコキシ基、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C20アラルキルオキシ基、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C20アラルキルオキシ基、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アリールオキシ基、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C10アリールオキシ基、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アシル基、
〜C10アルキルチオ基、
〜C10アルコキシカルボニル基、
〜C20アリール基、
〜C20へテロアリール基、
及び
ハロゲン原子。
群G1において、フッ素原子を有していてもよいC〜C10アルコキシ基としては例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基及びトリフルオロメチルオキシ基が挙げられ、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C20アラルキルオキシ基としては例えば、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基及び4−メトキシベンジルオキシ基が挙げられ、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C20アラルキルオキシ基としては例えば、3−フェノキシベンジルオキシ基が挙げられ、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アリールオキシ基としては例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基及び4−メトキシフェノキシ基が挙げられ、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C10アリールオキシ基としては例えば、3−フェノキシフェノキシ基が挙げられ、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アシル基としては例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンジルカルボニル基、4−メチルベンジルカルボニル基、4−メトキシベンジルカルボニル基、ベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基及び4−メトキシベンゾイル基が挙げられ、
〜C10アルキルチオ基としては例えば、メチルチオ基、エチルチオ基及びイソプロピルチオ基が挙げられ、
〜C10アルコキシカルボニル基としては例えば、メトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基が挙げられ、
〜C20アリール基としては例えば、フェニル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が挙げられ、
〜C20へテロアリール基としては例えば、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリル基、3−キノリル基及び4−キノリル基が挙げられ、
ハロゲン原子としては例えば、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。
群G1から選ばれる基を有するアルキル基としては例えば、クロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、フェニルメチル基、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、1−エトキシカルボニル−2,2−ジメチル−3−シクロプロピル基及び2−メチルチオエチル基が挙げられる。
において、置換基を有していてもよいアルケニル基における、アルケニル基としては例えば、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−シクロヘキセニル基等の直鎖状、分枝状又は環状のC〜C12アルケニル基が挙げられる。
かかるアルケニル基が有していてもよい置換基としては例えば、上述した群G1から選ばれる基が挙げられる。
群G1から選ばれる基を有するアルケニル基としては例えば、2−クロロビニル基及び2−トリフルオロメチルビニル基が挙げられる。
において、置換基を有していてもよいアリール基における、アリール基としては例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基及びスチリル基等のC〜C20アリール基が挙げられる。
かかるアリール基が有していてもよい置換基としては例えば、下記群G2から選ばれる基が挙げられる。
<群G2>
フッ素原子又はC〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アルコキシ基、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アリールオキシ基、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C10アリールオキシ基、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アシル基、
〜Cアルキレンジオキシ基
ニトロ基、
及び
ハロゲン原子。
群G2において、フッ素原子又はC〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アルコキシ基としては例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基及びメトキシエトキシ基が挙げられ、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アリールオキシ基としては例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基及び4−メトキシフェノキシ基が挙げられ、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C10アリールオキシ基としては例えば、3−フェノキシフェノキシ基が挙げられ、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アシル基としては例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンジルカルボニル基、4−メチルベンジルカルボニル基及び4−メトキシベンジルカルボニル基が挙げられ、
〜Cアルキレンジオキシ基としては例えば、メチレンジオキシ基及びエチレンジオキシ基が挙げられ、
ハロゲン原子としては例えば、フッ素原子及び塩素原子が挙げられる。
群G2から選ばれる基を有するアリール基としては例えば、4−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基及び3−フェノキシフェニル基が挙げられる。
で表される置換基を有していてもよいヘテロアリール基における、ヘテロアリール基としては例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を少なくとも一個含むC〜C10ヘテロアリール基が挙げられ、具体的には例えば、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−フリル基、3−フリル基、5−メチル−2−フリル基及び2−クロロ−3−ピリジニル基が挙げられる。
式(1)におけるnが0を表す場合、化合物(1)としては、例えば、ベンズアルデヒド、4−クロロベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、4−フルオロベンズアルデヒド、2−メトキシベンズアルデヒド、2,4−ジクロロベンズアルデヒド、2−ニトロベンズアルデヒド、2−ナフチルアルデヒド、2−ピリジルアルデヒド、アセトアルデヒド、n−プロピルアルデヒド、イソプロピルアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、n−ペンチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、4−(メチルチオ)−1−ブタナール、アクロレイン及び3−フェニル−2−プロペンアルデヒドが挙げられる。
式(1)におけるnが0を表す場合、化合物(1)は、市販品であってもよいし、任意の公知の方法に準じて製造したものであってもよい。
式(1)におけるnが1を表す場合、化合物(1)としては、例えば、フェニルグリオキサール、4−クロロフェニルグリオキサール、2−メチルフェニルグリオキサール、4−フルオロフェニルグリオキサール、2−メトキシフェニルグリオキサール、2,4−ジクロロフェニルグリオキサール、2−ニトロフェニルグリオキサール、2−ナフチルグリオキサール、2−ピリジングリオキシルアルデヒド、メチルグリオキサール、エチルグリオキサール、n−プロピルグリオキサール、イソプロピルグリオキサール、シクロヘキシルグリオキサール、4−(メチルチオ)−2−オキソ−1−ブタナール、ビニルグリオキサール及びスチリルグリオキサールが挙げられる。
式(1)におけるnが1を表す場合、化合物(1)は、市販品であってもよいし、例えば、ケトアルコールを金属触媒の存在下に酸素酸化する方法(例えば、特開2000−336055号公報参照。)等の任意の公知の方法に準じて製造したものであってもよい。
アルコールは制限なく用いることができる。アルコールとしては、式(4)で示される化合物(以下、化合物(4)と記すことがある)が好ましく用いられる。
式(4)において、Rで表される置換基を有していてもよいアルキル基における、アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基及びデシル基等の直鎖状又は分岐状のC〜C12アルキル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びメンチル基等の環状のC〜C12アルキル基が挙げられる。
かかるアルキル基が有していてもよい置換基としては例えば、下記群G3から選ばれる基が挙げられる。
<群G3>
フッ素原子を有していてもよいC〜C10アルコキシ基、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C20アラルキルオキシ基、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C20アラルキルオキシ基、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アリールオキシ基、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C10アリールオキシ基、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アシル基、
〜C10アルキルチオ基、
〜C10アルコキシカルボニル基、
〜C20アリール基、
〜C20へテロアリール基、
及び
ハロゲン原子。
群G3において、フッ素原子を有していてもよいC〜C10アルコキシ基としては例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基及びトリフルオロメチルオキシ基が挙げられ、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C20アラルキルオキシ基としては例えば、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基及び4−メトキシベンジルオキシ基が挙げられ、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C20アラルキルオキシ基としては例えば、3−フェノキシベンジルオキシ基が挙げられ、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アリールオキシ基としては例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基及び4−メトキシフェノキシ基が挙げられ、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C10アリールオキシ基としては例えば、3−フェノキシフェノキシ基が挙げられ、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アシル基としては例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンジルカルボニル基、4−メチルベンジルカルボニル基、4−メトキシベンジルカルボニル基、ベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基及び4−メトキシベンゾイル基が挙げられ、
〜C10アルキルチオ基としては例えば、メチルチオ基、エチルチオ基及びイソプロピルチオ基が挙げられ、
〜C10アルコキシカルボニル基としては例えば、メトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基が挙げられ、
〜C20アリール基としては例えば、フェニル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が挙げられ、
〜C20へテロアリール基としては例えば、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリル基、3−キノリル基及び4−キノリル基が挙げられ、
ハロゲン原子としては例えば、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。
群G3から選ばれる基を有するアルキル基としては例えば、クロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、フェニルメチル基、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、1−エトキシカルボニル−2,2−ジメチル−3−シクロプロピル基及び2−メチルチオエチル基が挙げられる。
化合物(4)としては例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、2−フェニルエタノール及び2−ピリジンメタノールが挙げられる。
化合物(4)等のアルコールは、市販品であってもよいし、任意の公知の方法に準じて製造したものであってもよい。
アルコールの使用量は、アルデヒド1モルに対して、好ましくは1モル以上であり、その上限は制限されないが、経済性の点で100モル以下が好ましい。
式(2−1)において、Rで表される置換基を有していてもよいアルキル基及びRで表される置換基を有していてもよいアルキル基における、アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基及びデシル基等の直鎖状又は分枝状のC〜C12アルキル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の環状のC〜C12アルキル基が挙げられる。
及びRにおけるアルキル基が有していてもよい置換基としては例えば、下記群G3から選ばれる基が挙げられる。
<群G3>
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アリール基、
フッ素原子を有していてもよいC〜C10アルコキシ基、
〜C10アルコキシ基、C〜C10アルキル基及びC〜C10アリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよいベンジルオキシ基、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アリールオキシ基、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C10アリールオキシ基、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アシル基、
カルボキシ基、
及び
フッ素原子。
群G3において、C〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アリール基としては例えば、フェニル基、ナフチル基、4−メチルフェニル基及び4−メトキシフェニル基が挙げられ、
フッ素原子を有していてもよいC〜C10アルコキシ基としては例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基及びトリフルオロメトキシ基が挙げられ、
〜C10アルコキシ基、C〜C10アルキル基及びC〜C10アリールオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよいベンジルオキシ基としては例えば、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、4−メトキシベンジルオキシ基及び3−フェノキシベンジルオキシ基が挙げられ、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アリールオキシ基としては例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基及び4−メトキシフェノキシ基が挙げられ、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C10アリールオキシ基としては例えば、3−フェノキシフェノキシ基が挙げられ、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アシル基としては例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンジルカルボニル基、4−メチルベンジルカルボニル基、4−メトキシベンジルカルボニル基、ベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基及び4−メトキシベンゾイル基が挙げられる。
群G3から選ばれる基を有するアルキル基としては例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、ベンジル基、4−フルオロベンジル基、4−メチルベンジル基、フェノキシメチル基、2−オキソプロピル基、2−オキソブチル基、フェナシル基及び2−カルボキシエチル基が挙げられる。
式(2−1)において、Rで表される置換基を有していてもよいアリール基及びRで表される置換基を有していてもよいアリール基における、アリール基としては例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基等のC〜C10アリール基が挙げられる。
かかるアリール基が有していてもよい置換基としては例えば、上述した群G2から選ばれる基が挙げられる。
群G2から選ばれる基を有するアリール基としては例えば、4−クロロフェニル基及び4−メトキシフェニル基が挙げられる。
式(2−1)において、RとRとが一緒になって形成される、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基としては、例えばエチレン基、ビニレン基、プロパン−1,2−ジイル基、プロペン−1,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、2−ブテン−1,2−ジイル基、シクロペンタン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、o−フェニレン基、1,2−ジフェニルエチレン基及び1,2−ジフェニルビニレン基が挙げられる。2価の炭化水素基が有していてもよい置換基としては例えば、上述した群G2から選ばれる基が挙げられる。式(2−1)において、RとRとが一緒になって形成される−CH=N−で表される基が有していてもよい置換基としては例えば、上述した群G2から選ばれる基を有していてもよいアルキル基及び上述した群G2から選ばれる基を有していてもよいアリール基が挙げられる。群G2から選ばれる基を有していてもよいアルキル基における、アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基及びデシル基等の直鎖状又は分枝状のC〜C12アルキル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の環状のC〜C12アルキル基が挙げられる。群G2から選ばれる基を有していてもよいアリール基における、アリール基としては例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基等のC〜C10アリール基が挙げられる。
及びRは、好ましくは、RとRとが一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を形成する。
式(2−1)において、Rで表される置換基を有していてもよいアルキル基及びRで表される置換基を有していてもよいアルキル基における、アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、tert−ペンチル基及びデシル基等の直鎖状又は分岐状のC〜C12アルキル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基及びアダマンチル基等の環状のC〜C12アルキル基が挙げられる。
かかるアルキル基が有していてもよい置換基としては例えば、下記群G4から選ばれる基が挙げられる。
<群G4>
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アリール基、
フッ素原子を有していてもよいC〜C10アルコキシ基、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C20アラルキルオキシ基、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C20アラルキルオキシ基、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アリールオキシ基、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C10アリールオキシ基、
及び
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アシル基。
群G4において、C〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アリール基としては例えば、フェニル基、ナフチル基、4−メチルフェニル基及び4−メトキシフェニル基が挙げられ、
フッ素原子を有していてもよいC〜C10アルコキシ基としては例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基及びトリフルオロメトキシ基が挙げられ、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C20アラルキルオキシ基としては例えば、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基及び4−メトキシベンジルオキシ基が挙げられ、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C20アラルキルオキシ基としては例えば、3−フェノキシベンジルオキシ基が挙げられ、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アリールオキシ基としては例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基及び4−メトキシフェノキシ基が挙げられ、
〜C10アリールオキシ基を有するC〜C10アリールオキシ基としては例えば、3−フェノキシフェノキシ基が挙げられ、
〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アシル基としては例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンジルカルボニル基、4−メチルベンジルカルボニル基、4−メトキシベンジルカルボニル基、ベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基及び4−メトキシベンゾイル基が挙げられる。
群G4から選ばれる基を有するアルキル基としては例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、ベンジル基、4−フルオロベンジル基、4−メチルベンジル基、フェノキシメチル基、2−オキソプロピル基、2−オキソブチル基及びフェナシル基が挙げられる。
式(2−1)において、Rで表される置換基を有していてもよいアリール基及びRで表される置換基を有していてもよいアリール基における、アリール基としては例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基等のC〜C20アリール基が挙げられる。
かかるアリール基が有していてもよい置換基としては例えば、下記群G5から選ばれる基が挙げられる。
<群G5>
フッ素原子又はC〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アルコキシ基、
及び
ハロゲン原子。
群G5において、フッ素原子又はC〜C10アルコキシ基を有していてもよいC〜C10アルコキシ基としては例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基及びメトキシエトキシ基が挙げられ、ハロゲン原子としては例えば、フッ素原子及び塩素原子が挙げられる。
群G5から選ばれる基を有するアリール基としては例えば、4−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基及び2,6−ジクロロフェニル基が挙げられる。
式(2−1)において、RはRと一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を形成していてもよい。2価の炭化水素基としては、例えばエチレン基、トリメチレン基及びテトラメチレン基等のポリメチレン基、ビニレン基、プロパン−1,2−ジイル基、プロペン−1,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、2−ブテン−1,2−ジイル基、シクロペンタン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,2−ジイル基並びにo−フェニレン基が挙げられる。2価の炭化水素基が有していてもよい置換基としては例えば、上述した群G2から選ばれる基が挙げられる。
式(2−1)において、Xで表される陰イオンとしては例えば、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオン;メタンスルホナート及びトリフルオロメタンスルホナート等のフッ素原子を有していてもよいアルカンスルホナートイオン;トリフルオロアセテート及びトリクロロアセテートイオン等のハロゲン原子を有していてもよいアセテートイオン;硝酸イオン;過塩素酸イオン;テトラフルオロボレート及びテトラクロロボレート等のテトラハロボレートイオン;ヘキサフルオロホスファート等のヘキサハロホスファートイオン;ヘキサフルオロアンチモナート及びヘキサクロロアンチモナート等のヘキサハロアンチモナートイオン;ペンタフルオロスタンナート及びペンタクロロスタンナート等のペンタハロスタンナートイオン;並びにテトラフェニルボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート及びテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート等の置換基を有していてもよいテトラアリールボレートが挙げられる。
化合物(2−1)は、好ましくは式(2−2)で示される化合物(以下、「化合物(2−2)」と記すことがある)又は式(2−3)で示される化合物(以下、「化合物(2−3)」と記すことがある)であり、より好ましくは化合物(2−2)である。
即ち、アルデヒドの酸化は、好ましくは、化合物(2−2)又は化合物(2−3)と、塩基と、アルコールと、酸素と、アルデヒドとを混合することにより行われ、より好ましくは、化合物(2−2)と、塩基と、アルコールと、酸素と、アルデヒドとを混合することにより行われる。また、アルデヒドの酸化は、好ましくは、化合物(2−2)又は化合物(2−3)に塩基を接触させることにより得られる化合物と、アルコールと、酸素との存在下に行われ、より好ましくは、化合物(2−2)に塩基を接触させることにより得られる化合物と、アルコールと、酸素との存在下に行われる。
式(2−2)及び式(2−3)において、Rは式(2−1)におけるRと同義であり、Yは式(2−1)におけるYと同義である。式(2−2)及び式(2−3)におけるYが−N(R)−で表される基である場合、Rは式(2−1)におけるRと同義である。式(2−2)及び式(2−3)において、Xは式(2−1)におけるXと同義である。
式(2−2)において、Rは嵩高い基であることが好ましく、Yが−N(R)−で表される基である場合、R及びRのいずれかが嵩高い基であることが好ましく、R及びRのいずれもが嵩高い基であることがより好ましい。R及びRは同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
及びRにおける嵩高い基としては例えば、tert−ブチル基及びtert−ペンチル基等のC〜C12第三級アルキル基;シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基及びアダマンチル基等のC〜C10シクロアルキル基;2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基及び2,6−ジイソプロピルフェニル基等の少なくとも2位と6位とに置換基を有するフェニル基(2,6−ジ置換フェニル基);並びに2−メチルナフチル基等の2位にC〜C10アルキル基を有するナフチル基が挙げられる。2,6−ジ置換フェニル基における置換基としては例えば、C〜C12アルキル基及びハロゲン原子が挙げられる。
及びRにおける嵩高い基は、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基又は2,6−ジ置換フェニル基が好ましく、2,6−ジ置換フェニル基がより好ましく、2,6−ジブロモフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基がより一層好ましい。
式(2−2)においてRで表される置換基を有していてもよいアルキル基並びに式(2−2)及び式(2−3)においてRで表される置換基を有していてもよいアルキル基における、アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の直鎖状、分枝状又は環状のC〜C10アルキル基が挙げられる。
かかるアルキル基が有していてもよい置換基としては、上述した群G3から選ばれる基が挙げられる。群G3から選ばれる基を有するアルキル基としては例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、ベンジル基、4−フルオロベンジル基、4−メチルベンジル基、フェノキシメチル基、2−オキソプロピル基、2−オキソブチル基、フェナシル基及び2−カルボキシエチル基が挙げられる。
式(2−2)においてRで表される置換基を有していてもよいアリール基並びに式(2−2)及び式(2−3)においてRで表される置換基を有していてもよいアリール基における、アリール基としては例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基等のC〜C10アリール基が挙げられる。
かかるアリール基が有していてもよい置換基としては例えば、上述した群G2から選ばれる基が挙げられる。
群G2から選ばれる基を有するアリール基としては例えば、4−クロロフェニル基及び4−メトキシフェニル基が挙げられる。
式(2−2)において、RとRとが一緒になって、それらが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。かかる環としては例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環及びベンゼン環が挙げられる。
式(2−2)において、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、R及びRは共に水素原子であることがより好ましい。
式(2−3)において、Rは、直鎖状又は分岐状のC〜C12アルキル基又はC〜C20アリール基であることが好ましい。式(2−3)において、Yが−N(R)−で表される基である場合、Rは、直鎖状又は分岐状のC〜C12アルキル基又はC〜C20アリール基であることが好ましい。式(2−3)において、Rは、C〜C10アルキル基又はC〜C10アリール基であることが好ましい。
式(2−2)及び式(2−3)において、Yが−N(R)−で表される基である場合、RとRとが一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を形成していてもよい。2価の炭化水素基としては、例えばエチレン基、トリメチレン基及びテトラメチレン基等のポリメチレン基、ビニレン基、プロパン−1,2−ジイル基、プロペン−1,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、2−ブテン−1,2−ジイル基、シクロペンタン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,2−ジイル基並びにo−フェニレン基が挙げられる。2価の炭化水素基が有していてもよい置換基としては例えば、上述した群G2から選ばれる基が挙げられる。
式(2−2)において、Yが−N(R)−で表される基である場合は、
Figure 2013056879
は単結合であることが好ましく、Yが−S−で表される基である場合は、
Figure 2013056879
は二重結合であることが好ましい。
化合物(2−2)としては、
Yが−N(R)−で表される基であり、R及びRが独立して、C〜C12第三級アルキル基、C〜C10シクロアルキル基、少なくとも2位と6位とに置換基を有するフェニル基または2位にC〜C10アルキル基を有するナフチル基である化合物(2−2)、
Yが−N(R)−で表される基であり、R及びRが独立して、C〜C12第三級アルキル基、C〜C10シクロアルキル基、少なくとも2位と6位とに置換基を有するフェニル基または2位にC〜C10アルキル基を有するナフチル基であり、
Figure 2013056879
は単結合である化合物(2−2)、
Yが−N(R)−で表される基であり、R及びRが独立して、C〜C12第三級アルキル基、C〜C10シクロアルキル基、少なくとも2位と6位とにC〜C12アルキル基又はハロゲン原子を有するフェニル基または2位にC〜C10アルキル基を有するナフチル基である化合物(2−2)、
Yが−N(R)−で表される基であり、R及びRが独立して、C〜C12第三級アルキル基、C〜C10シクロアルキル基、少なくとも2位と6位とにC〜C12アルキル基又はハロゲン原子を有するフェニル基または2位にC〜C10アルキル基を有するナフチル基であり、
Figure 2013056879
は単結合である化合物(2−2)、
Yが−N(R)−で表される基であり、R及びRが独立して、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基又は2,6−ジイソプロピルフェニル基である化合物(2−2)、
Yが−N(R)−で表される基であり、R及びRが独立して、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基又は2,6−ジイソプロピルフェニル基であり、
Figure 2013056879
は単結合である化合物(2−2)、
Yが−N(R)−で表される基であり、R及びRが独立して、C〜C12第三級アルキル基、C〜C10シクロアルキル基、少なくとも2位と6位とにC〜C12アルキル基又はハロゲン原子を有するフェニル基または2位にC〜C10アルキル基を有するナフチル基であり、
Figure 2013056879
は単結合であり、R及びRが独立して、水素原子又は上述した群G3から選ばれる基を有していてもよい直鎖状、分枝状又は環状のC〜C10アルキル基である化合物(2−2)、
Yが−N(R)−で表される基であり、R及びRが独立して、C〜C12第三級アルキル基、C〜C10シクロアルキル基、少なくとも2位と6位とにC〜C12アルキル基又はハロゲン原子を有するフェニル基または2位にC〜C10アルキル基を有するナフチル基であり、
Figure 2013056879
は単結合であり、R及びRが水素原子である化合物(2−2)、
Yが−N(R)−で表される基であり、R及びRが独立して、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基又は2,6−ジイソプロピルフェニル基であり、R及びRが独立して、水素原子又は上述した群G3から選ばれる基を有していてもよい直鎖状、分枝状又は環状のC〜C10アルキル基である化合物(2−2)、および、
Yが−N(R)−で表される基であり、R及びRが独立して、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基又は2,6−ジイソプロピルフェニル基であり、
Figure 2013056879
は単結合であり、R及びRが水素原子である化合物(2−2)、
Yが−S−で表される基であり、Rが、C〜C12第三級アルキル基、C〜C10シクロアルキル基、少なくとも2位と6位とに置換基を有するフェニル基または2位にC〜C10アルキル基を有するナフチル基である化合物(2−2)、
Yが−S−で表される基であり、Rが、C〜C12第三級アルキル基、C〜C10シクロアルキル基、少なくとも2位と6位とに置換基を有するフェニル基または2位にC〜C10アルキル基を有するナフチル基であり、
Figure 2013056879
は二重結合である化合物(2−2)、
Yが−S−で表される基であり、Rが、C〜C12第三級アルキル基、C〜C10シクロアルキル基、少なくとも2位と6位とにC〜C12アルキル基又はハロゲン原子を有するフェニル基または2位にC〜C10アルキル基を有するナフチル基である化合物(2−2)、
Yが−S−で表される基であり、Rが、C〜C12第三級アルキル基、C〜C10シクロアルキル基、少なくとも2位と6位とにC〜C12アルキル基又はハロゲン原子を有するフェニル基または2位にC〜C10アルキル基を有するナフチル基であり、
Figure 2013056879
は二重結合である化合物(2−2)、
Yが−S−で表される基であり、Rが、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基又は2,6−ジイソプロピルフェニル基である化合物(2−2)、
Yが−S−で表される基であり、Rが、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基又は2,6−ジイソプロピルフェニル基であり、
Figure 2013056879
は二重結合である化合物(2−2)、
Yが−S−で表される基であり、Rが、C〜C12第三級アルキル基、C〜C10シクロアルキル基、少なくとも2位と6位とにC〜C12アルキル基又はハロゲン原子を有するフェニル基または2位にC〜C10アルキル基を有するナフチル基であり、
Figure 2013056879
は二重結合であり、R及びRが独立して、水素原子又は上述した群G3から選ばれる基を有していてもよい直鎖状、分枝状又は環状のC〜C10アルキル基である化合物(2−2)、
Yが−N(R)−で表される基であり、R及びRが独立して、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基又は2,6−ジイソプロピルフェニル基であり、R及びRが独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はメンチル基である化合物(2−2)、および、
Yが−N(R)−で表される基であり、R及びRが独立して、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基又は2,6−ジイソプロピルフェニル基であり、
Figure 2013056879
は単結合であり、R及びRが独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基又はメンチル基である化合物(2−2)が挙げられる。
化合物(2−2)としては例えば、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリウムクロライド、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾリニウムクロライド、1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリウムクロライド、1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリニウムクロライド、1,3−ジアダマンチルイミダゾリウムクロライド、1,3−ジアダマンチルイミダゾリニウムクロライド、1,3−ジフェニルイミダゾリウムクロライド、1,3−ジフェニルイミダゾリニウムクロライド、1,3−ビス[(2,6−ジイソプロピル)フェニル]イミダゾリウムクロライド、1,3−ビス[(2,6−ジイソプロピル)フェニル]イミダゾリニウムクロライド、1,3−ビス[(2,4,6−トリメチル)フェニル]イミダゾリウムクロライド、1,3−ビス[(2,4,6−トリメチル)フェニル]イミダゾリニウムクロライド、1,3−ビス[(2,6−ジブロモ)フェニル]イミダゾリニウムクロライド、1,3−ビス[(2,4,6−トリブロモ)フェニル]イミダゾリニウムクロライド、4,5−ジメチル−1,3−ビス[(2,4,6−トリメチル)フェニル]イミダゾリウムクロライド、4,5−ジメチル−1,3−ビス[(2,4,6−トリメチル)フェニル]イミダゾリニウムクロライド、4,5−ジメチル−1,3−ビス[(2,6−ジイソプロピル)フェニル]イミダゾリウムクロライド、4,5−ジメチル−1,3−ビス[(2,6−ジイソプロピル)フェニル]イミダゾリニウムクロライド、4,5−ジクロロ−1,3−ビス[(2,6−ジイソプロピル)フェニル]イミダゾリウムクロライド、4,5−ジクロロ−1,3−ビス[(2,6−ジイソプロピル)フェニル]イミダゾリニウムクロライド、4,5−ジフェニル−1,3−ビス[(2,4,6−トリメチル)フェニル]イミダゾリウムクロライド、4,5−ジフェニル−1,3−ビス[(2,4,6−トリメチル)フェニル]イミダゾリニウムクロライド、4,5−ジフルオロ−1,3−ビス[(2,6−ジイソプロピル)フェニル]イミダゾリウムクロライド、4,5−ジフルオロ−1,3−ビス[(2,6−ジイソプロピル)フェニル]イミダゾリニウムクロライド、4−メチル−1,3−ビス[(2,4,6−トリメチル)フェニル]イミダゾリウムクロライド、4−メチル−1,3−ビス[(2,4,6−トリメチル)フェニル]イミダゾリニウムクロライド、1,3−ビス[(2,6−ジクロル)フェニル]イミダゾリウムクロライド、1,3−ビス[(2,6−ジクロル)フェニル]イミダゾリニウムクロライド、1−tert−ブチル−3−フェニルイミダゾリウムクロライド、1−tert−ブチル−3−フェニルイミダゾリニウムクロライド、1−シクロヘキシル−3−[(2,6−ジイソプロピル)フェニル]イミダゾリウムクロライド、1−シクロヘキシル−3−[(2,6−ジイソプロピル)フェニル]イミダゾリニウムクロライド、1−フェニル−3−[(2,4,6−トリメチル)フェニル]イミダゾリウムクロライド、1−フェニル−3−[(2,4,6−トリメチル)フェニル]イミダゾリニウムクロライド、1−tert−ブチル−3−[(2,6−ジイソプロピル)フェニル]イミダゾリウムクロライド、1−tert−ブチル−3−[(2,6−ジイソプロピル)フェニル]イミダゾリニウムクロライド、1−tert−ブチル−3−[(2,4,6−トリメチル)フェニル]イミダゾリウムクロライド、1−tert−ブチル−3−[(2,4,6−トリメチル)フェニル]イミダゾリニウムクロライド、3−エチルベンゾチアゾリウムブロマイド、3−ブチルベンゾチアゾリウムクロライド、3−(2,6−ジイソプロピル)フェニル−4,5−ジメチルチアゾリウムクロライド、3−フェニル−4,5−ジメチルチアゾリウムクロライド、3−ベンジルチアゾリウムクロライド、3−ベンジル−4−メチルチアゾリウムクロライド、3−n−ブチル−4−メチルチアゾリウムクロライド、3−n−ヘキシル−4−メチルチアゾリウムクロライド、3−シクロヘキシル−4−メチルチアゾリウムクロライド、3−n−オクチルー4−メチルチアゾリウムクロライド及び3−(2,4、6−トリメチル)フェニル−4,5−ジメチルチアゾリウムクロライドを挙げることができる。
化合物(2−3)としては、
Yが−N(R)−で表される基であり、Rは、直鎖状又は分岐状のC〜C12アルキル基又はC〜C20アリール基であり、Rは、直鎖状又は分岐状のC〜C12アルキル基又はC〜C20アリール基である化合物(2−3)、および、
Yが−N(R)−で表される基であり、Rは、直鎖状又は分岐状のC〜C12アルキル基又はC〜C20アリール基であり、Rは、直鎖状又は分岐状のC〜C12アルキル基又はC〜C20アリール基であり、Rは、C〜C10アルキル基又はC〜C10アリール基である化合物(2−3)、
Yが−S−で表される基であり、Rは、直鎖状又は分岐状のC〜C12アルキル基又はC〜C20アリール基である化合物(2−3)、および、
Yが−S−で表される基であり、Rは、直鎖状又は分岐状のC〜C12アルキル基又はC〜C20アリール基であり、Rは、C〜C10アルキル基又はC〜C10アリール基である化合物(2−3)が挙げられる。
化合物(2−3)としては、1,4−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾリ−4−ウムクロライド、1,3、4−トリフェニル−1H−1,2,4−トリアゾリ−4−ウムクロライド、6,7−ジヒドロ−2−ペンタフルオロフェニル‐5H−ピロロ[2,1−c]−1,2,4−トリアゾリウムクロライド、3,5-ジフェニル-1,3,4−チアジアゾリウムクロライド、3-メチル-5-フェニル-1,3,4−チアジアゾリウムクロライドを挙げることができる。
また、これら化合物(2−2)及び化合物(2−3)における「クロライド」が例えば「ヨーダイド」、「ブロマイド」、「メタンスルホナート」、「トリフルオロメタンスルホナート」、「ニトラート」、「ペルクロラート」、「テトラフルオロボレート」、「テトラクロロボレート」、「ヘキサフルオロホスファート」、「ヘキサフルオロアンチモナート」、「ヘキサクロロアンチモナート」、「ペンタフルオロスタンナート」、「ペンタクロロスタンナート」、「テトラフェニルボレート」、「テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート」、「テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート」に置き換わった化合物(2−2)及び化合物(2−3)も挙げることができる。
化合物(2−1)は、市販品又は、例えばJ.Organometallic.Chem.,606,49(2000)やJ.Org.Chem.,73,2784(2008)に記載の方法に準じて製造されたものが挙げられる。
化合物(2−1)の使用量は、アルデヒド1モルに対して、好ましくは0.001モル〜0.5モルの範囲であり、より好ましくは0.01モル〜0.3モルの範囲である。
塩基は、有機塩基及びアルカリ金属アルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリオクチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン及び4−ジメチルアミノピリジン等の第3級アミン;1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン及び1,5,7−トリアザビシクロ[4,4,0]−5−デセン等の含窒素脂肪族環状化合物;並びに;ピリジン及びイミダゾール等の含窒素芳香族化合物が挙げられる。
アルカリ金属アルコキシドのアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。また、アルコキシドとしては、例えば、メトキシド、エトキシド、n−プロポキシド、イソプロポキシド、t−ブトキシド、Sec−ブトキシド等が挙げられる。リチウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属アルコキシドであることが好ましい。
アルカリ金属アルコキシドは、単独であってもよいし、アルコール溶媒に溶解したアルコール溶液であっても良い。この場合、アルコール溶液に含有されるアルコール溶媒は、本反応に用いる化合物(4)等のアルコールと同一であることが、高い純度でカルボン酸エステルを得る点で好ましい。
塩基の使用量は、化合物(2−1)1モルに対して、例えば0.1モル〜10モルの範囲であり、好ましくは0.5モル〜3モルの範囲である。
酸素は、酸素ガスであってもよいし、窒素等の不活性ガスにより希釈された酸素ガスであってもよいし、大気に含まれる酸素であってもよい。また、大気に含まれる酸素を窒素等の不活性ガスにより希釈したものであってもよい。
酸素の使用量は、アルデヒド1モルに対して、好ましくは、1モル〜100モルの範囲である。
化合物(2−1)と塩基とアルコールと酸素とアルデヒドとの混合は、二酸化炭素の存在下で行われることが好ましい。二酸化炭素は、ガス状のものであってもよいし、固体状のもの(ドライアイス)であってもよいし、超臨界状態のものであってもよい。ガス状の二酸化炭素は、窒素等の不活性ガスで希釈されたものであってもよい。
二酸化炭素の使用量は、アルデヒド1モルに対して、好ましくは1モル以上であり、その上限は制限されないが、生産性の面から例えば100モル以下である。
前記混合は、さらに溶媒の存在下に行うこともできる。
溶媒としては、アルデヒドの酸化を阻害しないものであれば制限されず、例えば、テトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒、トルエン、クロロベンゼンなどの芳香族溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒、及びこれらの混合溶媒が挙げられる。
溶媒の使用量は制限されず、例えば、アルデヒド1重量部に対して、100重量部以下とすることが実用的である。
前記混合において、反応試剤の混合順序は制限されない。好ましい実施態様としては、例えば、アルデヒドと、化合物(2−1)と、酸素と、必要に応じて二酸化炭素と、アルコールと、必要に応じて溶媒とを混合し、得られる混合物に塩基を添加する方法が挙げられる。
前記混合は、減圧下、常圧下及び加圧下のいずれの条件下でも行われるが、好ましくは常圧下又は加圧下で行われる。
前記混合の混合温度は、化合物(2−1)の種類、使用量等及び塩基の種類、使用量等により異なるが、好ましくは−20℃〜150℃の範囲、より好ましくは0℃〜100℃の範囲である。混合温度が−20℃よりも低い場合は、アルデヒドの酸化反応の反応速度が低くなる傾向にあり、混合温度が150℃よりも高い場合は、前記反応の選択率が低下する傾向にある。
前記反応の進行度合いは、例えばガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、核磁気共鳴スペクトル分析、赤外吸収スペクトル分析等の分析手段により確認することができる。
前記反応終了後、酸素、必要に応じて用いた二酸化炭素、及び反応により二酸化炭素から生じる一酸化炭素を、得られる反応混合物から気体として容易に除去することができる。得られる反応混合物を、例えば、必要に応じて濃縮処理に付した後、冷却処理等を行うことにより、カルボン酸エステルを取り出すこともできる。
取り出したカルボン酸エステルは、蒸留、カラムクロマトグラフィー、結晶化などの精製手段により、精製することができる。
アルデヒドが化合物(1)であり、アルコールが化合物(4)である場合には、式(3)で示される化合物(以下、化合物(3)と記すことがある)が得られる。
式(1)及び式(3)におけるnが0を表す場合、化合物(3)としては、例えば、安息香酸メチル、4−クロロ安息香酸メチル、2−メチル安息香酸メチル、4−フルオロ安息香酸メチル、4−メトキシ安息香酸メチル、2−ニトロ安息香酸メチル、2,4−ジクロロ安息香酸メチル、2−ナフタレンカルボン酸メチル、2−ピリジンカルボン酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、ブタン酸メチル、ペンタン酸メチル、ヘキサン酸メチル、ヘプタン酸メチル、オクタン酸メチル、シクロヘキサン酸メチル、4−(メチルチオ)ブタン酸メチル、3−ブテン酸メチル、アクリル酸メチル、3−フェニル−2−プロペン酸メチル、安息香酸エチル、4−クロロ安息香酸エチル、2−メチル安息香酸エチル、4−フルオロ安息香酸エチル、4−メトキシ安息香酸エチル、2−ニトロ安息香酸エチル、2,4−ジクロロ安息香酸エチル、2−ナフタレンカルボン酸エチル、2−ピリジンカルボン酸エチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ブタン酸エチル、ペンタン酸エチル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、オクタン酸エチル、シクロヘキサン酸エチル、4−(メチルチオ)ブタン酸エチル、3−ブテン酸エチル、アクリル酸エチル、3−フェニル−2−プロペン酸エチル、安息香酸ベンジル、4−クロロ安息香酸ベンジル、2−メチル安息香酸ベンジル、4−フルオロ安息香酸ベンジル、4−メトキシ安息香酸ベンジル、2−ニトロ安息香酸ベンジル、2,4−ジクロロ安息香酸ベンジル、2−ナフタレンカルボン酸ベンジル、2−ピリジンカルボン酸ベンジル、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、ブタン酸ベンジル、ペンタン酸ベンジル、ヘキサン酸ベンジル、ヘプタン酸ベンジル、オクタン酸ベンジル、シクロヘキサン酸ベンジル、4−(メチルチオ)ブタン酸ベンジル、3−ブテン酸ベンジル、アクリル酸ベンジル及び3−フェニル−2−プロペン酸ベンジルが挙げられる。
式(1)及び式(3)におけるnが1を表す場合、化合物(3)としては、例えば、ベンゾイルギ酸メチル、4−クロロベンゾイルギ酸メチル、2−メチルベンゾイルギ酸メチル、4−フルオロベンゾイルギ酸メチル、4−メトキシベンゾイルギ酸メチル、2−ニトロベンゾイルギ酸メチル、2,4−ジクロロベンゾイルギ酸メチル、2−ナフトイルギ酸メチル、α−オキソ−2−ピリジン酢酸メチル、ピルビン酸メチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソペンタン酸メチル、3−メチル−2−オキソブタン酸メチル、α−オキソ−シクロヘキサン酢酸メチル、4−(メチルチオ)−2−オキソ−ブタン酸メチル、2−オキソ−3−ブテン酸メチル、2−オキソ−4−フェニル−3−ブテン酸メチル、ベンゾイルギ酸エチル、4−クロロベンゾイルギ酸エチル、2−メチルベンゾイルギ酸エチル、4−フルオロベンゾイルギ酸エチル、4−メトキシベンゾイルギ酸エチル、2−ニトロベンゾイルギ酸エチル、2,4−ジクロロベンゾイルギ酸エチル、2−ナフトイルギ酸エチル、α−オキソ−2−ピリジン酢酸エチル、ピルビン酸エチル、2−オキソブタン酸エチル、2−オキソペンタン酸エチル、3−メチル−2−オキソブタン酸エチル、α−オキソ−シクロヘキサン酢酸エチル、4−(メチルチオ)−2−オキソ−ブタン酸エチル、2−オキソ−3−ブテン酸エチル、2−オキソ−4−フェニル−3−ブテン酸エチル、ベンゾイルギ酸ベンジル、4−クロロベンゾイルギ酸ベンジル、2−メチルベンゾイルギ酸ベンジル、4−フルオロベンゾイルギ酸ベンジル、4−メトキシベンゾイルギ酸ベンジル、2−ニトロベンゾイルギ酸ベンジル、2,4−ジクロロベンゾイルギ酸ベンジル、2−ナフトイルギ酸ベンジル、α−オキソ−2−ピリジン酢酸ベンジル、ピルビン酸ベンジル、2−オキソブタン酸ベンジル、2−オキソペンタン酸ベンジル、3−メチル−2−オキソブタン酸ベンジル、α−オキソ−シクロヘキサン酢酸ベンジル、4−(メチルチオ)−2−オキソ−ブタン酸ベンジル、2−オキソ−3−ブテン酸ベンジル及び2−オキソ−4−フェニル−3−ブテン酸ベンジルが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
<参考例1>
1,3−ビス(2,4、6−トリブロモフェニル)イミダゾリニウムクロライドの合成
窒素置換した300mLフラスコに、2,4,6−トリブロモアニリン25g、クロロホルム200gおよびトリエチルアミン9.2gを仕込んだ。得られた混合物に、オキザリルクロライド11.5gを0℃で30分かけて滴下した。得られた混合物を、0℃で2時間攪拌した後、さらに室温で18時間攪拌した。得られた反応混合物に水を100g加えることにより、結晶を析出させた。次いで、析出した結晶をろ過操作により回収した後、回収した結晶を水10g、ジエチルエーテル20gで洗浄し、さらに乾燥することにより、白色結晶20.4gを得た。得られた白色結晶は、GC−MS分析結果より、N,N'−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)エタンジアミドであることを確認した。収率:76%。
MS(m/z):713(M+)
200mLステンレス製オートクレーブに、上記で得たN,N'−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)エタンジアミド10.1gと、BH3・テトラヒドロフランの1M溶液85mLとを仕込んだ後、75℃で16時間加熱攪拌した。室温まで冷却したのち、反応液を、メタノール170gおよび35%塩酸8.5gの混合液中に少しずつ添加し、攪拌した。得られた混合物から軽沸物を留去し、残渣にさらにメタノール150gを加え、再度、軽沸物を留去することにより、白色結晶9.1gを得た。得られた結晶は、GC−MS分析結果より、N,N'−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)-1,2-エタンジアミン塩酸塩であることを確認した。
収率:89%。
MS(m/z):685(M+、フリーアミン)
窒素置換した200mLフラスコに、上記で得たN,N'−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)-1,2-エタンジアミン塩酸塩9gと、オルトギ酸トリエチル100gとを仕込み、得られた混合物を1時間還流した後、室温まで冷却することにより、結晶を析出させた。次いで、析出した結晶をろ過操作により回収した後、回収した結晶をテトラヒドロフラン10gで洗浄、乾燥することにより、白色結晶3.1gを得た。得られた結晶は、1H−NMR分析結果より、1,3−ビス[(2,4,6−トリブロモ)フェニル]イミダゾリニウムクロライドであることを確認した。収率:32%。
H−NMR(δ/ppm、DMSO−d6、テトラメチルシラン基準):4.66(s, 4H),8.3(s,4H),9.70(s,1H)
<実施例1>
磁気回転子を付したステンレス製100mL耐圧反応管に、メチルグリオキサール1水和物150mg、3−(2,6−ジイソプロピル)フェニル−4,5−ジメチルチアゾリウムクロライド35mg、メタノール500mg及びテトラヒドロフラン3gを仕込み、得られた混合物に、窒素ガスを吹き込みながら、−70℃のドライアイスバスにて冷却した。冷却した混合物にドライアイス2gと、ナトリウムメチラート6mgを加えた後、耐圧反応管を密栓した。得られた混合物を60℃にて、4時間攪拌して反応させた。
反応終了後、二酸化炭素及び副生した一酸化炭素を気体として反応混合物から除去した後、得られた反応混合物をガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、ピルビン酸メチルの収率を求めたところ、収率は10%であった。
反応終了後の反応混合物には、未反応のメチルグリオキサールが50%残存していた。
<実施例2>
磁気回転子を付したステンレス製100mL耐圧反応管に、4−(メチルチオ)−2−オキソ−1−ブタナール100mg、3−(2,6−ジイソプロピル)フェニル−4,5−ジメチルチアゾリウムクロライド20mg、メタノール500mg及びテトラヒドロフラン3gを仕込み、得られた混合物に、窒素ガスを吹き込みながら、−70℃のドライアイスバスにて冷却した。冷却した混合物にドライアイス2gと、ナトリウムメチラート6mgを加えた後、耐圧反応管を密栓した。得られた混合物を60℃にて、4時間攪拌して反応させた。
反応終了後、二酸化炭素及び副生した一酸化炭素を気体として反応混合物から除去した後、得られた反応混合物を、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、4−(メチルチオ)−2−オキソ−ブタン酸メチルの収率を求めたところ、収率は50%であった。反応終了後の反応混合物には、未反応の4−(メチルチオ)−2−オキソ−1−ブタナールが10%残存していた。
<実施例3>
磁気回転子を付したステンレス製100mL耐圧反応管に、フェニルグリオキザール1水和物130mg、1,3−ビス[(2,4,6−トリブロモ)フェニル]イミダゾリニウムクロライド36mg、メタノール300mg及びテトラヒドロフラン3gを仕込み、得られた混合物に、窒素ガスを吹き込みながら、−70℃のドライアイスバスにて冷却した。冷却した混合物にドライアイス2gと、28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液10mgを加えた後、耐圧反応管を密栓した。得られた混合物を、空気で1MPaに加圧した後、60℃にて、3時間攪拌して反応させた。
反応終了後、室温まで冷却後、放圧することで常圧に戻し、得られた反応混合物を、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、ベンゾイルギ酸メチルの収率を求めたところ、収率は66%であった。反応終了後の反応混合物には、未反応のフェニルグリオキザールが6%残存していた。
<実施例4>
実施例3において、1,3−ビス[(2,4,6−トリブロモ)フェニル]イミダゾリニウムクロライド36mgの代わりに、3−(2,6−ジイソプロピル)フェニル−4,5−ジメチルチアゾリウムクロライド18mgを用いる以外は、実施例3と同様に実施した。ベンゾイルギ酸メチルの収率を求めたところ、収率は60%であった。反応終了後の反応混合物には、未反応のフェニルグリオキザールが15%残存していた。
<実施例5>
実施例3において、28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液10mgの代わりに、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン7mgを用い、テトラヒドロフラン3gの代わりに、トルエン3gを用いる以外は、実施例3と同様に実施した。ベンゾイルギ酸メチルの収率を求めたところ、収率は44%であった。反応終了後の反応混合物には、未反応のフェニルグリオキザールが50%残存していた。
<実施例6>
磁気回転子を付した100mLのシュレンク管に、フェニルグリオキザール1水和物 130mg、1,3−ビス[(2,4,6−トリブロモ)フェニル]イミダゾリニウムクロライド36mg、メタノール300mg及びテトラヒドロフラン3gを仕込み、得られた混合物に、28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液10mg加えた後、空気雰囲気で、60℃にて、3時間攪拌して反応させた。
反応終了後、室温まで冷却後、得られた反応混合物を、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、ベンゾイルギ酸メチルの収率を求めたところ、収率は48%であった。反応終了後の反応混合物には、未反応のフェニルグリオキザールが34%残存していた。
<実施例7>
磁気回転子を付したステンレス製100mL耐圧反応管に、4−(メチルチオ)−2−オキソ−1−ブタナール100mg、3−(2,6−ジイソプロピル)フェニル−4,5−ジメチルチアゾリウムクロライド18mg、メタノール300mg及びテトラヒドロフラン3gを仕込み、得られた混合物に、窒素ガスを吹き込みながら、−70℃のドライアイスバスにて冷却した。冷却した混合物にドライアイス2gと、28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液10mgを加えた後、耐圧反応管を密栓した。得られた混合物を、空気で1MPaに加圧した後、60℃にて、3時間攪拌して反応させた。
反応終了後、室温まで冷却後、放圧することで常圧に戻し、得られた反応混合物を、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、4−(メチルチオ)−2−オキソ−ブタン酸メチルの収率を求めたところ、収率は20%であった。反応終了後の反応混合物には、未反応の4−(メチルチオ)−2−オキソ−1−ブタナールが20%残存していた。
<実施例8>
実施例7において、3−(2,6−ジイソプロピル)フェニル−4,5−ジメチルチアゾリウムクロライド18mgの代わりに、1,3−ビス[(2,4,6−トリブロモ)フェニル]イミダゾリニウムクロライド36mgを用いる以外は、実施例7と同様に実施した。4−(メチルチオ)−2−オキソ−ブタン酸メチルの収率を求めたところ、収率は 57%であった。反応終了後の反応混合物には、未反応の4−(メチルチオ)−2−オキソ−1−ブタナールが6%残存していた。
<実施例9>
磁気回転子を付した100mLのシュレンク管に、4−(メチルチオ)−2−オキソ−1−ブタナール100mg、1,3−ビス[(2,4,6−トリブロモ)フェニル]イミダゾリニウムクロライド36mg、メタノール300mg及びテトラヒドロフラン3gを仕込み、得られた混合物に、28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液10mg加えた後、空気雰囲気で、60℃にて、3時間攪拌して反応させた。
反応終了後、室温まで冷却後、得られた反応混合物を、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、4−(メチルチオ)−2−オキソ−ブタン酸メチルの収率を求めたところ、収率は65%であった。反応終了後の反応混合物には、未反応の4−(メチルチオ)−2−オキソ−1−ブタナールが4%残存していた。
<参考例2>
磁気回転子を付したステンレス製100mL耐圧反応管に、n−ヘキシルアルデヒド150mg、1,3−ビス[(2,4,6−トリメチル)フェニル]イミダゾリニウムテトラフルオロボレート60mg、メタノール500mg及びテトラヒドロフラン3gを仕込み、得られた混合物に、窒素ガスを吹き込みながら、−70℃のドライアイスバスにて冷却した。冷却した混合物にドライアイス2gと、ナトリウムメチラート16mgを加えた後、耐圧反応管を密栓した。得られた混合物を60℃にて、4時間攪拌して反応させた。
反応終了後、二酸化炭素及び副生した一酸化炭素を気体として反応混合物から除去した後、得られた反応混合物を、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、ヘキサン酸メチルの収率を求めたところ、収率は2%であった。反応終了後の反応混合物には、未反応のn−ヘキシルアルデヒド95%残存していた。
<参考例3>
磁気回転子を付したステンレス製100mL耐圧反応管に、n−ヘキシルアルデヒド150mg、1,3−ビス[(2,6−ジイソプロピル)フェニル]イミダゾリウムクロライド64mg、メタノール500mg及びテトラヒドロフラン3gを仕込み、得られた混合物に、窒素ガスを吹き込みながら、−70℃のドライアイスバスにて冷却した。冷却した混合物にドライアイス2gと、ナトリウムメチラート16mgを加えた後、耐圧反応管を密栓した。得られた混合物を60℃にて、4時間攪拌して反応させた。
反応終了後、二酸化炭素及び副生した一酸化炭素を気体として反応混合物から除去した後、得られた反応混合物を、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、ヘキサン酸メチルの収率を求めたところ、収率は0.5%であった。反応終了後の反応混合物には、未反応のn−ヘキシルアルデヒド98%残存していた。
<参考例4>
磁気回転子を付したステンレス製100mL耐圧反応管に、n−ヘキシルアルデヒド150mg、1,4−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾリ−4−ウムクロライド34mg、メタノール500mg及びテトラヒドロフラン3gを仕込み、得られた混合物に、窒素ガスを吹き込みながら、−70℃のドライアイスバスにて冷却した。冷却した混合物にドライアイス2gと、ナトリウムメチラート16mgを加えた後、耐圧反応管を密栓した。得られた混合物を60℃にて、4時間攪拌して反応させた。
反応終了後、二酸化炭素及び副生した一酸化炭素を気体として反応混合物から除去した後、得られた反応混合物を、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、ヘキサン酸メチルの収率を求めたところ、収率は1.0%であった。反応終了後の反応混合物には、未反応のn−ヘキシルアルデヒド98%残存していた。
<実施例10>
磁気回転子を付したステンレス製100mL耐圧反応管に、n−ヘキシルアルデヒド150mg、1,3−ビス[(2,4,6−トリブロモ)フェニル]イミダゾリニウムクロライド36mg、メタノール300mg及びテトラヒドロフラン3gを仕込み、得られた混合物に、窒素ガスを吹き込みながら、−70℃のドライアイスバスにて冷却した。冷却した混合物にドライアイス2gと、ナトリウムメチラート3mgを加えた後、耐圧反応管を密栓した。得られた混合物を、空気にて1MPaに加圧した後、60℃にて、3時間攪拌して反応させた。
反応終了後、室温まで冷却、放圧することで常圧に戻し、得られた反応混合物を、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、ヘキサン酸メチルの収率を求めたところ、収率は18%であった。反応終了後の反応混合物には、未反応のn−ヘキシルアルデヒド20%残存していた。
<実施例11>
磁気回転子を付したステンレス製100mL耐圧反応管に、n−ヘキシルアルデヒド 200mg、3−(2,6−ジイソプロピル)フェニル−4,5−ジメチルチアゾリウムクロライド35mg、エタノール900mg及びトルエン3gを仕込み、得られた混合物に、窒素ガスを吹き込みながら、−70℃のドライアイスバスにて冷却した。冷却した混合物にドライアイス2gと、トリエチルアミン10mgを加えた後、耐圧反応管を密栓した。得られた混合物を、空気にて0.5MPaまで加圧後、60℃にて、3時間攪拌して反応させた。
反応終了後、室温まで冷却、放圧することで常圧に戻し、得られた反応混合物を、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、ヘキサン酸エチルの収率を求めたところ、収率は8%であった。反応終了後の反応混合物には、未反応のn−ヘキシルアルデヒド 53%残存していた。
<実施例12>
磁気回転子を付したステンレス製100mL耐圧反応管に、ベンズアルデヒド180mg、3−(2,6−ジイソプロピル)フェニル−4,5−ジメチルチアゾリウムクロライド30mg、メタノール500mg及びトルエン2gを仕込み、得られた混合物に、窒素ガスを吹き込みながら、−70℃のドライアイスバスにて冷却した。冷却した混合物にドライアイス2gと、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン13mgを加えた後、耐圧反応管を密栓した。得られた混合物を、空気にて1MPaまで加圧後、60℃にて、3時間攪拌して反応させた。
反応終了後、室温まで冷却、放圧することで常圧に戻し、得られた反応混合物を、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、安息香酸メチルの収率を求めたところ、収率は21%であった。反応終了後の反応混合物には、未反応のベンズアルデヒド70%残存していた。
カルボン酸エステルは、種々の化学製品として重要な化合物である。ケトカルボン酸エステル等のカルボン酸エステルは、アミノ酸等の製造中間体として有用であることも知られている。本発明は、かかるカルボン酸エステルの製造方法として産業上利用可能である。

Claims (10)

  1. 式(2−1)
    Figure 2013056879
    (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。R及びRはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、或いは、RとRとが一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基又は置換基を有していてもよい−CH=N−で表される基を形成する。Yは−S−で表される基又は−N(R)−で表される基を表す。Rは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、或いは、RはRと一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を形成する。Xは陰イオンを表す。)
    で示される化合物と、塩基と、アルコールと、酸素と、アルデヒドとを混合し、該アルデヒドを酸化する工程を含むことを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
  2. アルデヒドを酸化する工程が、二酸化炭素の存在下で行われる請求項1記載の製造方法。
  3. アルデヒドが、式(1)
    Figure 2013056879
    (式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表わす。nは0又は1を表す。)
    で示される化合物であり、アルコールが、式(4)
    Figure 2013056879
    (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基を表す。)
    で示される化合物であり、カルボン酸エステルが、式(3)
    Figure 2013056879
    (式中、R、R及びnはそれぞれ上記と同義である。)
    で示される化合物である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 式(2−1)で示される化合物が、式(2−2)
    Figure 2013056879
    (式中、R、Y及びXはそれぞれ上記と同義である。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、RとRとが一緒になって、それらが結合する炭素原子と共に環を形成するか、或いは、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、RはRと一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を形成する。
    Figure 2013056879
    は単結合又は二重結合を表す。)
    で示される化合物或いは式(2−3)
    Figure 2013056879
    (式中、R、Y及びXはそれぞれ上記と同義である。Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、或いは、RはRと一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を形成する。)
    で示される化合物である請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 塩基が、有機塩基及びアルカリ金属アルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. 式(2−1)
    Figure 2013056879
    (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。R及びRはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、或いは、RとRとが一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基又は置換基を有していてもよい−CH=N−で表される基を形成する。Yは−S−で表される基又は−N(R)−で表される基を表す。Rは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、或いは、RはRと一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を形成する。Xは陰イオンを表す。)
    で示される化合物に塩基を接触させることにより得られる化合物と、アルコールと、酸素との存在下に、アルデヒドを酸化する工程を含むことを特徴とするカルボン酸エステルの製造方法。
  7. アルデヒドを酸化する工程が、二酸化炭素の存在下で行われる請求項6記載の製造方法。
  8. アルデヒドが、式(1)
    Figure 2013056879
    (式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表わす。nは0又は1を表す。)
    で示される化合物であり、アルコールが、式(4)
    Figure 2013056879
    (式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基を表す。)
    で示される化合物であり、カルボン酸エステルが、式(3)
    Figure 2013056879
    (式中、R、R及びnはそれぞれ上記と同義である。)
    で示される化合物である請求項6又は7記載の製造方法。
  9. 式(2−1)で示される化合物が、式(2−2)
    Figure 2013056879
    (式中、R、Y及びXはそれぞれ上記と同義である。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、RとRとが一緒になって、それらが結合する炭素原子と共に環を形成するか、或いは、Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、RはRと一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を形成する。
    Figure 2013056879
    は単結合又は二重結合を表す。)
    で示される化合物或いは式(2−3)
    Figure 2013056879
    (式中、R、Y及びXはそれぞれ上記と同義である。Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、或いは、RはRと一緒になって、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を形成する。)
    で示される化合物である請求項6〜8のいずれか1項記載の製造方法。
  10. 塩基が、有機塩基及びアルカリ金属アルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項6〜9のいずれか1項記載の製造方法。
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