JP2014141418A - 含窒素複素環化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、含窒素複素環化合物の製造方法に関する。
ピラジン化合物、ジヒドロピラジン化合物及びキノキザリン化合物等の含窒素複素環化合物は、例えば癌の治療に有用な化合物等の合成に用いられることが知られている(例えば特許文献1参照)。
ピラジン化合物、ジヒドロピラジン化合物及びキノキザリン化合物等の含窒素複素環化合物の製造方法として、例えば、非特許文献1に、2−アリール−2−オキソエタノール又は2−オキソ−1−プロパノールと、1,2−ジアミノ化合物や1,2−ジアミノアリール化合物とを、二酸化マンガン(IV)の存在下で反応させる方法が記載されている。
Org.Biomol.Chem.第2巻,第788〜796頁(2004年)
含窒素複素環化合物の新たな製造方法が求められていた。
本発明は、以下の発明を含む。
[1] 式(1a)で示される化合物と、隣り合った2つの炭素原子のそれぞれにアミノ基を有するジアミノ化合物とを、鉄及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つと、酸化剤との存在下で反応させる含窒素複素環化合物の製造方法。
(式中、Raは、下記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、下記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基、下記<群G2>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基又は下記<群G2>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数4〜10のヘテロアリール基を表す。Rbは、水素原子、下記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、下記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基、下記<群G2>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基又は下記<群G2>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数4〜10のヘテロアリール基を表す。
<群G1>
フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数2〜10のアシル基、
炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、
炭素数6〜20のアリール基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有する炭素数6〜10のアリール基、
炭素数5〜20のへテロアリール基、
炭素数1〜20のアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基及びハロゲン原子。
<群G2>
フッ素原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、
フッ素原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数2〜10のアシル基、
炭素数1〜6のアルキレンジオキシ基、
炭素数6〜20のアリール基、
炭素数5〜20のへテロアリール基、
炭素数1〜20のアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子。)
[2] 鉄化合物が、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、ギ酸鉄(II)、ギ酸鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、炭酸鉄(II)、炭酸鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、沃化鉄(II)、沃化鉄(III)、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、アセチルアセトン鉄(II)、アセチルアセトン鉄(III)、一酸化炭素鉄(II)及び一酸化炭素鉄(III)からなる群から選ばれる少なくとも1つである[1]に記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[3] 鉄及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つが、鉄と酸化鉄(II)である[1]又は[2]のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[4] 酸化剤が酸素である[1]〜[3]のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[5] 鉄及び鉄化合物の量が、式(1a)で示される化合物1モルに対して0.00001モル〜0.1モルである[1]〜[4]のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[6] 鉄及び鉄化合物から選ばれる少なくとも1つが担体に担持された担持触媒である[1]〜[5]のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[7] 担体が活性炭である[6]に記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[8] 担持触媒の量が、式(1a)で示される化合物に対して0.1質量%〜200質量%である[6]又は[7]に記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[9] さらに溶媒の存在下で、式(1a)で示される化合物と、隣り合った2つの炭素原子のそれぞれにアミノ基を有するジアミノ化合物とを反応させる[1]〜[8]のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[10] 隣り合った2つの炭素原子のそれぞれにアミノ基を有するジアミノ化合物が、式(2)で示される化合物である[1]〜[9]のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法であって、該含窒素複素環化合物が、式(3a)又は、式(3b)で示される化合物である製造方法。
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、ニトロ基又はシアノ基を表すか、又は、R1とR2とが互いに結合して、それらが結合する炭素原子とともに飽和の縮合環を形成する。-----は、単結合または二重結合を表す。)
(式中、R1、R2、Ra、Rb及び-----は前記と同じ意味を表す。)
[12] 隣り合った2つの炭素原子のそれぞれにアミノ基を有するジアミノ化合物が、式(4)で示される化合物である[1]〜[9]のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法であって、該含窒素複素環化合物が、式(5a)又は、式(5b)で示される化合物である製造方法。
(式中、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、ニトロ基又はシアノ基を表すか、又は、R3とR4、R4とR5及び/又はR5とR6とが互いに結合して、それらが結合する炭素原子とともに縮合芳香環を形成する。)
(式中、R3、R4、R5、R6、Ra及びRbは前記と同じ意味を表す。)
[1] 式(1a)で示される化合物と、隣り合った2つの炭素原子のそれぞれにアミノ基を有するジアミノ化合物とを、鉄及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つと、酸化剤との存在下で反応させる含窒素複素環化合物の製造方法。
(式中、Raは、下記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、下記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基、下記<群G2>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基又は下記<群G2>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数4〜10のヘテロアリール基を表す。Rbは、水素原子、下記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、下記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基、下記<群G2>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基又は下記<群G2>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数4〜10のヘテロアリール基を表す。
<群G1>
フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数2〜10のアシル基、
炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、
炭素数6〜20のアリール基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有する炭素数6〜10のアリール基、
炭素数5〜20のへテロアリール基、
炭素数1〜20のアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基及びハロゲン原子。
<群G2>
フッ素原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、
フッ素原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数2〜10のアシル基、
炭素数1〜6のアルキレンジオキシ基、
炭素数6〜20のアリール基、
炭素数5〜20のへテロアリール基、
炭素数1〜20のアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子。)
[2] 鉄化合物が、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、ギ酸鉄(II)、ギ酸鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、炭酸鉄(II)、炭酸鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、沃化鉄(II)、沃化鉄(III)、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、アセチルアセトン鉄(II)、アセチルアセトン鉄(III)、一酸化炭素鉄(II)及び一酸化炭素鉄(III)からなる群から選ばれる少なくとも1つである[1]に記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[3] 鉄及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つが、鉄と酸化鉄(II)である[1]又は[2]のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[4] 酸化剤が酸素である[1]〜[3]のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[5] 鉄及び鉄化合物の量が、式(1a)で示される化合物1モルに対して0.00001モル〜0.1モルである[1]〜[4]のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[6] 鉄及び鉄化合物から選ばれる少なくとも1つが担体に担持された担持触媒である[1]〜[5]のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[7] 担体が活性炭である[6]に記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[8] 担持触媒の量が、式(1a)で示される化合物に対して0.1質量%〜200質量%である[6]又は[7]に記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[9] さらに溶媒の存在下で、式(1a)で示される化合物と、隣り合った2つの炭素原子のそれぞれにアミノ基を有するジアミノ化合物とを反応させる[1]〜[8]のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
[10] 隣り合った2つの炭素原子のそれぞれにアミノ基を有するジアミノ化合物が、式(2)で示される化合物である[1]〜[9]のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法であって、該含窒素複素環化合物が、式(3a)又は、式(3b)で示される化合物である製造方法。
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、ニトロ基又はシアノ基を表すか、又は、R1とR2とが互いに結合して、それらが結合する炭素原子とともに飽和の縮合環を形成する。-----は、単結合または二重結合を表す。)
(式中、R1、R2、Ra、Rb及び-----は前記と同じ意味を表す。)
[12] 隣り合った2つの炭素原子のそれぞれにアミノ基を有するジアミノ化合物が、式(4)で示される化合物である[1]〜[9]のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法であって、該含窒素複素環化合物が、式(5a)又は、式(5b)で示される化合物である製造方法。
(式中、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、ニトロ基又はシアノ基を表すか、又は、R3とR4、R4とR5及び/又はR5とR6とが互いに結合して、それらが結合する炭素原子とともに縮合芳香環を形成する。)
(式中、R3、R4、R5、R6、Ra及びRbは前記と同じ意味を表す。)
本発明によれば、含窒素複素環化合物の新たな製造方法を提供することができる。
本発明の含窒素複素環化合物の製造方法は、式(1a)で示される化合物と、隣り合った2つの炭素原子のそれぞれにアミノ基を有するジアミノ化合物とを、鉄及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つと、酸化剤との存在下で反応させる工程を含む。
式(1a)で示される化合物(以下、化合物(1a)と記すことがある)と、式(2)で示される、隣り合った2つの炭素原子のそれぞれにアミノ基を有するジアミノ化合物(以下、ジアミノ化合物と記すことがある)とを、鉄及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つと、酸化剤との存在下で反応させると、通常、式(3a)(以下、化合物(3a)と記すことがある)又は式(3b)(以下、化合物(3b)と記すことがある)で示される含窒素複素環化合物が製造され、又、
(4)で示されるジアミノ化合物とを、鉄及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つと、酸化剤との存在下で反応させると、通常、式(5a)(以下、化合物(5a)と記すことがある)又は式(5b)(以下、化合物(5b)と記すことがある)で示される含窒素複素環化合物が製造される。
式(1a)、(3a)、(3b)、(5a)及び(5b)における、Raは、
下記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、
下記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基、
下記群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基又は
下記群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数4〜10のヘテロアリール基を表す。
下記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、
下記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基、
下記群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基又は
下記群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数4〜10のヘテロアリール基を表す。
<群G1>
フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数2〜10のアシル基、
炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、
炭素数6〜20のアリール基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有する炭素数6〜10のアリール基、
炭素数5〜20のへテロアリール基、
炭素数1〜20のアルキルチオ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子。
フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数2〜10のアシル基、
炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、
炭素数6〜20のアリール基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有する炭素数6〜10のアリール基、
炭素数5〜20のへテロアリール基、
炭素数1〜20のアルキルチオ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子。
<群G2>
フッ素原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、
フッ素原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数2〜10のアシル基、
炭素数1〜6のアルキレンジオキシ基、
炭素数6〜20のアリール基、
炭素数5〜20のへテロアリール基、
炭素数1〜20のアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、及びハロゲン原子。
フッ素原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、
フッ素原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数2〜10のアシル基、
炭素数1〜6のアルキレンジオキシ基、
炭素数6〜20のアリール基、
炭素数5〜20のへテロアリール基、
炭素数1〜20のアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、及びハロゲン原子。
群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基は、好ましくは、群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、デシル基等の直鎖状又は分岐状のアルキル基、及び、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の環状のアルキル基が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基及びペンチル基が挙げられる。
群G1におけるフッ素原子を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基及びトリフルオロメチルオキシ基が挙げられる。
群G1における炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基及び4−メトキシベンジルオキシ基が挙げられる。
群G1における炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数7〜20のアラルキルオキシ基としては、例えば、3−フェノキシベンジルオキシ基が挙げられる。
群G1における炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基及び4−メトキシフェノキシ基が挙げられる。
群G1における炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、例えば、3−フェノキシフェノキシ基が挙げられる。
群G1における炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数2〜10のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンジルカルボニル基、4−メチルベンジルカルボニル基、4−メトキシベンジルカルボニル基、ベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基及び4−メトキシベンゾイル基が挙げられる。
群G1における炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基が挙げられる。
群G1における炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基、メチルフェニルが挙げられる。
群G1における炭素数1〜10のアルコキシ基を有する炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、4−メトキシフェニル基が挙げられる。
群G1における炭素数5〜20のへテロアリール基としては、例えば、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリル基、3−キノリル基及び4−キノリル基が挙げられる。
群G1における炭素数1〜10のアルキルチオ基としては、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基が挙げられる。
群G1におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。
群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、クロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、フェニルメチル基、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、1−エトキシカルボニル−2,2−ジメチル−3−シクロプロピル基及び2−メチルチオエチル基が挙げられる。
群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基における、炭素数2〜12のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−シクロヘキセニル基等の直鎖状、分枝状又は環状のアルケニル基が挙げられる。
群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基としては、例えば、2−クロロビニル基及び2−トリフルオロメチルビニル基が挙げられる。
群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基における、炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基及びスチリル基が挙げられる。
群G2におけるフッ素原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基及びメトキシエチルが挙げられる。
群G2におけるフッ素原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基及びメトキシエトキシ基が挙げられる。
群G2における炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基及び4−メトキシフェノキシ基が挙げられる。
群G2における炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、例えば、3−フェノキシフェノキシ基が挙げられる。
群G2における炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数2〜10のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンジルカルボニル基、4−メチルベンジルカルボニル基及び4−メトキシベンジルカルボニル基が挙げられる。
群G2における炭素数1〜6のアルキレンジオキシ基としては、例えば、メチレンジオキシ基及びエチレンジオキシ基が挙げられる。
群G2における炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基、メチルフェニルが挙げられる。
群G2における炭素数5〜20のへテロアリール基としては、例えば、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−キノリル基、3−キノリル基及び4−キノリル基が挙げられる。
群G2における炭素数1〜20のアルキルチオ基としては、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基が挙げられる。
群G2におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子及び塩素原子が挙げられる。
群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、4−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基及び3−フェノキシフェニル基が挙げられる。
群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数4〜10のヘテロアリール基における、炭素数4〜10のヘテロアリール基としては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を少なくとも一個含むヘテロアリール基が挙げられ、具体的には、2−ピリジル基、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フリル基、3−フリル基、5−メチル−2−フリル基及び2−クロロ−3−ピリジニル基が挙げられる。
Raは、群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基又は群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基であると好ましく、置換基を有さないか、アルキルチオ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基又は置換基を有さない炭素数6〜20のアリール基であるとより好ましい。
式(1a)、(3a)、(3b)、(5a)及び(5b)における、Rbは、
水素原子、
前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、
前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基、
前記群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基又は
前記群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数4〜10のヘテロアリール基を表す。
水素原子、
前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、
前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基、
前記群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基又は
前記群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数4〜10のヘテロアリール基を表す。
Rbにおける群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基は、好ましくは、群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、デシル基等の直鎖状又は分岐状のアルキル基、及び、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の環状のアルキル基が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基及びペンチル基が挙げられる。
Rbにおける群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、クロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、フェニルメチル基、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、1−エトキシカルボニル−2,2−ジメチル−3−シクロプロピル基及び2−メチルチオエチル基が挙げられる。
Rbにおける群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基の、炭素数2〜12のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−シクロヘキセニル基等の直鎖状、分枝状又は環状のアルケニル基が挙げられる。
Rbにおける群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基としては、例えば、2−クロロビニル基及び2−トリフルオロメチルビニル基が挙げられる。
Rbにおける群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基の、炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基及びスチリル基が挙げられる。
Rbにおける群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、4−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基及び3−フェノキシフェニル基が挙げられる。
Rbにおける群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数4〜10のヘテロアリール基の、炭素数4〜10のヘテロアリール基としては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を少なくとも一個含むヘテロアリール基が挙げられ、具体的には、2−ピリジル基、3−ピリジル、4−ピリジル、2−フリル基、3−フリル基、5−メチル−2−フリル基及び2−クロロ−3−ピリジニル基が挙げられる。
Rbは好ましくは、水素原子である。
化合物(1a)としては、具体的には、2−フェニル−2−オキソエタノール、2−(4−クロロフェニル)−2−オキソエタノール、2−(4−メチルフェニル)−2−オキソエタノール、2−(2−メトキシフェニル)−2−オキソエタノール、2−(2,5−ジメトキシフェニル)−2−オキソエタノール、2−(3−フルオロフェニル)−2−オキソエタノール、2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−オキソエタノール、2−(1−ナフチル)−2−オキソエタノール、2−(2−ピリジル)−2−オキソエタノール、2−ビニル−2−オキソエタノール、2−オキソエタノール、2−オキソ−1−プロパノール、2−オキソ−1−ブタノール、2−オキソ−1−ペンタノール、2−オキソ−1−ヘキサノール、2−オキソ−1−ヘプタノール、2−オキソ−1−オクタノール、1−シクロヘキシル−2−ヒドロキシエタノン、4−(メチルチオ)−2−オキソ−1−ブタノール等が挙げられる。
これら化合物(1a)としては、市販品及び任意の公知の方法に準じて製造したものが挙げられる。公知の方法としては、例えば、アルデヒドとパラホルムアルデヒドとを、チアゾリウム塩及び塩基の存在下に反応させる方法(例えば特開2008−44929号公報参照)が挙げられる。
式(2)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、ニトロ基又はシアノ基を表すか、又は、R1とR2とが互いに結合して、それらが結合する炭素原子とともに飽和の縮合環を形成する。-----は、単結合または二重結合を表す。
R1又はR2で表わされるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R1又はR2で表わされる前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基における、炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基が挙げられる。
R1又はR2で表わされる、前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、ベンジル基、4−フルオロベンジル基、4−メチルベンジル基、フェノキシメチル基、2−オキソプロピル基、2−オキソブチル基、フェナシル基および2−カルボキシエチル基が挙げられる。
R1又はR2で表わされる、前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基における、炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチロキシ基、デシロキシ基、シクロプロポキシ基、シクロペンチロキシ基、シクロヘキシロキシ基等の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルコキシ基が挙げられる。
R1又はR2で表わされる、前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、ベンジロキシ基、4−フルオロベンジロキシ基、4−メチルベンジロキシ基、フェノキシメトキシ基、2−オキソプロポキシ基、2−オキソブトキシ基および2−カルボキシエチル基が挙げられる。
R1又はR2で表わされる、前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基における、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、シクロプロポキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基が挙げられる。
R1又はR2で表わされる、前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基としては、例えば、フルオロメトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、メトキシメトキシカルボニル基、エトキシメトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、4−フルオロベンジルオキシカルボニル基、4−メチルベンジルオキシカルボニル基、フェノキシメトキシカルボニル基、2−オキソプロポキシカルボニル基および2−オキソブトキシカルボニル基が挙げられる。
R1又はR2で表わされる、前記群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基における、炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
R1又はR2で表わされる置換基を有するアリール基としては、例えば、4−クロロフェニル基および4−メトキシフェニル基が挙げられる。
R1とR2とが互いに結合した飽和の縮合環基を有するジアミノ化合物としては、例えば、ジアミノシクロヘキサンが挙げられる。
R1、R2は好ましくは、水素原子、群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基、群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基及びR1とR2とが互いに結合した飽和の縮合環基である。より好ましくは、置換基を有さない炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有さない炭素数6〜20のアリール基、置換基を有さない炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基及び飽和の縮合環基である。
化合物(2)としては、例えば、エチレンジアミン、2−イミノエタナミン、2,3−ブタンジアミン、3,4−ヘキサンジアミン、3−ヘキセン−3,4−ジアミン、1,2−ジクロロ−1,2−エタンジアミン、1,2−ジフルオロ−1,2−エタンジアミン、1,2−ジメトキシ−1,2−エテンジアミン、3−アミノアラニンメチルエステル、2−ニトロ−1,2−ジアミノエテン、2,3-ジアミノブテンジニトリル、1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン、ジアミノシクロヘキサン及びジアミノシクロペンタンが挙げられる。
これらの化合物は、市販品又は任意の公知の方法に準じて製造することで入手できる。公知の方法としては、例えば、対応するエタノールアミンを金属触媒存在下にアミノ化する方法(例えば特許3800632号公報参照)が挙げられる。
化合物(2)の使用量は、化合物(1a)1モルに対して、通常は0.8モル〜2モルの範囲、好ましくは0.9モル〜1.2モルの範囲である。
化合物(2)の使用量は、化合物(1a)1モルに対して、通常は0.8モル〜2モルの範囲、好ましくは0.9モル〜1.2モルの範囲である。
化合物(1a)と化合物(2)とを、鉄及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つと、酸化剤との存在下で反応させると、通常、式(3a)又は、式(3b)で示される含窒素複素環化合物が製造される。
式(3a)及び式(3b)において、R1、R2、Ra、Rb及び-----は前記と同じ意味を表す。
式(3a)及び式(3b)において、R1、R2、Ra、Rb及び-----は前記と同じ意味を表す。
式(3a)又は、式(3b)で示される含窒素複素環化合物としては、具体的には、2−フェニルピラジン、2−メチルピラジン、2−エチルピラジン、2−(2−メチルチオエチル)ピラジン、2,6−ジメチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2−フェニル−5,6−ジメチルピラジン、2−フェニル−5,6−ジエチルピラジン、2,3,5−トリフェニルピラジン、2,3−ジクロロ−5−フェニルピラジン、2−メチル−6−メトキシピラジン、2−メチル−5,6−ジメトキシピラジン、2−フェニル−6−メトキシカルボニルピラジン、2,3−ジシアノ−5−メチルピラジン、2,3−ジシアノ−5−フェニルピラジン、5,6,7,8-テトラヒドロ−5−フェニルキノキザリン及び6,7−ジヒドロ−2−メチル−5H−シクロペンタピラジン等のピラジン化合物、及び、5,6-ジヒドロ−2−フェニルピラジン、5,6-ジヒドロ−2−メチルピラジン、5,6-ジヒドロ−2−エチルピラジン、5,6-ジヒドロ−2−(2−メチルチオエチル)ピラジン、5,6-ジヒドロ−2,3−ジメチルピラジン及び2,3-ジヒドロ−2,3,5−トリフェニルピラジン等のヒドロピラジン化合物等が挙げられる。
式(4)において、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基、前記群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、ニトロ基又はシアノ基を表すか、又は、R3とR4、R4とR5及び/又はR5とR6とが互いに結合して、それらか結合する炭素原子とともに縮合芳香環を形成する。
R3、R4、R5又はR6で表わされるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
R3、R4、R5又はR6で表わされる前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基における、炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基が挙げられる。
R3、R4、R5又はR6で表わされる、前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、ベンジル基、4−フルオロベンジル基、4−メチルベンジル基、フェノキシメチル基、2−オキソプロピル基、2−オキソブチル基、フェナシル基および2−カルボキシエチル基が挙げられる。
R3、R4、R5又はR6で表わされる、前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基における、炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチロキシ基、デシロキシ基、シクロプロポキシ基、シクロペンチロキシ基、シクロヘキシロキシ基等の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルコキシ基が挙げられる。
R3、R4、R5又はR6で表わされる、前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、ベンジロキシ基、4−フルオロベンジロキシ基、4−メチルベンジロキシ基、フェノキシメトキシ基、2−オキソプロポキシ基、2−オキソブトキシ基および2−カルボキシエチル基が挙げられる。
R3、R4、R5又はR6で表わされる、前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基における、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、シクロプロポキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基が挙げられる。
R3、R4、R5又はR6で表わされる、前記群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基としては、例えば、フルオロメトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、メトキシメトキシカルボニル基、エトキシメトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、4−フルオロベンジルオキシカルボニル基、4−メチルベンジルオキシカルボニル基、フェノキシメトキシカルボニル基、2−オキソプロポキシカルボニル基および2−オキソブトキシカルボニル基が挙げられる。
R3、R4、R5又はR6で表わされる、前記群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基における、炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
R3、R4、R5又はR6で表わされる置換基を有するアリール基としては、例えば、4−クロロフェニル基および4−メトキシフェニル基が挙げられる。
R3とR4、R4とR5及び/又はR5とR6とが互いに結合した縮合芳香環基を有するジアミノ化合物としては、例えば、ジアミノナフタレンが挙げられる。
R3、R4、R5及びR6は好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、群G1から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基及び群G2から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基である。より好ましくは、水素原子、置換基を有さない炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有さない炭素数6〜20のアリール基及びハロゲン原子である。
化合物(4)としては、例えば、1,2−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノ−4−メチルベンゼン、1,2−ジアミノ−3−メチルベンゼン、1,2−ジアミノ−4−メトキシベンゼン、1,2−ジアミノ−4−フルオロベンゼン、1,2−ジアミノ−4−クロロベンゼン、1,2−ジアミノ−4−フェニルベンゼン、1,2−ジアミノ−4−シアノベンゼン、1,2−ジアミノ−4−ニトロベンゼン、1,2−ジアミノ−4−カルボメトキシベンゼン、1,2−ジアミノ−4,5−ジメチルベンゼン、1,2−ジアミノ−4,5−ジフルオロベンゼン、1,2−ジアミノ−4,5−ジクロロベンゼン、1,2−ジアミノ−4,5−ジシアノベンゼン、1,2−ジアミノ−4,5−ジメトキシベンゼン、1,2−ジアミノ−4,5−ジカルボメトキシベンゼン、2,3−ジアミノナフタレン及び5,6,7,8−テトラヒドロ−2,3−ナフタレンジアミンが挙げられる。
これらの化合物は、市販品又は任意の公知の方法に準じて製造することで入手できる。公知の方法としては、例えば、対応するニトロベンゼン化合物を、Pd触媒の存在下に水素還元する方法(例えば特開平4−154742号公報参照)が挙げられる。
化合物(4)の使用量は、化合物(1a)1モルに対して、通常は0.8モル〜2モル、好ましくは0.9モル〜1.2モルの範囲である。
化合物(4)の使用量は、化合物(1a)1モルに対して、通常は0.8モル〜2モル、好ましくは0.9モル〜1.2モルの範囲である。
化合物(1a)と化合物(4)とを、鉄及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つと、酸化剤との存在下で反応させると、通常、式(5a)又は、式(5b)で示される含窒素複素環化合物が製造される。
式(5a)及び式(5b)において、R3、R4、R5、R6、Ra及びRbは前記と同じ意味を表す。
式(5a)及び式(5b)において、R3、R4、R5、R6、Ra及びRbは前記と同じ意味を表す。
式(5a)又は、式(5b)で示される含窒素複素環化合物としては、具体的には、2−フェニルキノキザリン、2−メチルキノキザリン、2−エチルキノキザリン、2−(2−メチルチオエチル)キノキザリン、2,6−ジメチルキノキザリン、2,7−ジメチルキノキザリン、2−フェニル−6−メチルキノキザリン、2−フェニル−7−メチルキノキザリン、2,6−ジフェニルキノキザリン、2,7−ジフェニルキノキザリン、2−メチル−6−フェニルキノキザリン、2−メチル−7−フェニルキノキザリン、2−メチル−6−メトキシキノキザリン、2−メチル−7−メトキシキノキザリン、2−フェニル−6−メトキシキノキザリン、2−フェニル−7−メトキシキノキザリン、2−メチル−6−フルオロキザリン、2−メチル−7−フルオロキノキザリン、2−フェニル−6−フルオロキノキザリン、2−フェニル−7−フルオロキノキザリン、2−メチル−6−クロロキザリン、2−メチル−7−クロロキノキザリン、2−フェニル−6−クロロキノキザリン、2−フェニル−7−クロロキノキザリン、2−メチル−6−シアノキザリン、2−メチル−7−シアノキノキザリン、2−フェニル−6−シアノキノキザリン、2−フェニル−7−シアノキノキザリン、2−メチル−6−ニトロキザリン、2−メチル−7−ニトロキノキザリン、2−フェニル−6−ニトロキノキザリン、2−フェニル−7−ニトロキノキザリン、2−メチル−6−カルボメトキシキザリン、2−メチル−7−カルボメトキシキノキザリン、2−フェニル−6−カルボメトキシキノキザリン、2−フェニル−7−カルボメトキシキノキザリン、2−メチル−6,7−ジメチルキザリン、2−フェニル−6,7−ジメチルキノキザリン、2−メチル−6,7−ジフルオロキノキザリン、2−フェニル−6,7−ジフルオロキノキザリン、2−メチル−6,7−ジクロロキノキザリン、2−フェニル−6,7−ジクロロキノキザリン、2−メチル−6,7−ジシアノキノキザリン、2−フェニル−6,7−ジシアノキノキザリン、2−メチル−6,7−ジカルボメトキシキノキザリン、2−フェニル−6,7−ジカルボメトキシキノキザリン、2−メチル−6,7−ジメトキシキノキザリン、2−フェニル−6,7−ジメトキシキノキザリン、2−フェニルベンゾ[g]キノキザリン、2−メチルベンゾ[g]キノキザリン、2−フェニル−6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]キノキザリン及び2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[g]キノキザリン等のキノキザリン化合物等が挙げられる。
化合物(1a)と、ジアミノ化合物との反応は、鉄及び鉄化合物から選ばれる少なくとも1つの存在下に実施される。好ましくは、鉄と鉄化合物の両方の存在下に実施される。
鉄及び鉄化合物は、微粒子状のものであることが好ましく、担体に担持されたものであることがより好ましい。以下、担体に担持された鉄及び鉄化合物を担持触媒と記すことがある。担持触媒の担体としては、例えば、活性炭、アルミナ、シリカ、ゼオライト、珪藻土および酸化ジルコニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。かかる担体の表面積は、反応活性を向上させる点で広い方が好ましい。担体としては、好ましくは、活性炭または酸化ジルコニウムであり、より好ましくは活性炭である。
鉄としては、0価の鉄金属が挙げられる。微粒子状の鉄(0)としては、酸化鉄をコークスなどで還元することにより製造された還元鉄粉、溶鋼を高圧水で粉化し、冷却し、さらに、水素ガスなどで還元することにより製造されたアトマイズ鉄粉、鉄鉱石を直接還元することにより製造されたスポンジ鉄粉、および、鉄カルボニルから調製されたカルボニル鉄粉等が挙げられる。
鉄化合物としては、例えば、鉄の硝酸塩、鉄の硫酸塩、鉄のギ酸塩、鉄の酢酸塩、鉄の炭酸塩、鉄のハロゲン化物、鉄の酸ハロゲン化物、鉄の水酸化物、鉄の酸化物、及び、鉄とアセチルアセトン、一酸化炭素等との錯体が挙げられる。鉄化合物は、二価、三価いずれの価数の化合物でもよい。具体的には、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、ギ酸鉄(II)、ギ酸鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、炭酸鉄(II)、炭酸鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、沃化鉄(II)、沃化鉄(III)、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、アセチルアセトン鉄(II)、アセチルアセトン鉄(III)、一酸化炭素鉄(II)及び一酸化炭素鉄(III)が挙げられ、好ましくは酸化鉄(II)である。
鉄化合物としては、例えば、鉄の硝酸塩、鉄の硫酸塩、鉄のギ酸塩、鉄の酢酸塩、鉄の炭酸塩、鉄のハロゲン化物、鉄の酸ハロゲン化物、鉄の水酸化物、鉄の酸化物、及び、鉄とアセチルアセトン、一酸化炭素等との錯体が挙げられる。鉄化合物は、二価、三価いずれの価数の化合物でもよい。具体的には、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、ギ酸鉄(II)、ギ酸鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、炭酸鉄(II)、炭酸鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、沃化鉄(II)、沃化鉄(III)、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、アセチルアセトン鉄(II)、アセチルアセトン鉄(III)、一酸化炭素鉄(II)及び一酸化炭素鉄(III)が挙げられ、好ましくは酸化鉄(II)である。
担持触媒は、市販品であってもよいし、例えば、鉄のナノコロイド又は前記鉄化合物を含む溶液を用いて、共沈法又は含浸法により、担体に鉄及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つを担持させた後、焼成して調製されたものであってもよい。焼成して調製された担時触媒は、水素等により還元してもよいし、還元しなくてもよい。また、担持触媒を予め調製することなく、反応系内に鉄及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つと担体とを別途加えてもよく、このような担体としては、活性炭が好ましい。
担持触媒を使用する場合、担持触媒における鉄及び鉄化合物の担持量は、担体に対して、通常0.01質量%〜10質量%であり、好ましくは0.1質量%〜5質量%である。
化合物(1a)と、ジアミノ化合物との反応における、鉄及び鉄化合物の量は、化合物(1a)1モルに対して、通常0.00001モル〜0.5モルであり、好ましくは0.00001モル〜0.1モルである。担持触媒の場合、その使用量は、鉄及び鉄化合物の担持量や使用形態により異なるが、化合物(1a)に対して、通常0.1質量%〜200質量%の範囲である。
前記反応は、酸化剤の存在下に実施される。酸化剤としては、例えば、酸素及び過酸化物が挙げられ、好ましくは酸素である。前記反応に供させる酸素の純度に特に制限は無く、純酸素であってもよいし、窒素等の不活性ガスにより希釈された酸素であってもよいし、大気に含まれる酸素であってもよい。また、大気に含まれる酸素を窒素等の不活性ガスにより希釈したものであってもよい。酸化剤の使用量は、化合物(1a)1モルに対して、通常、1モル〜100モルである。
前記反応は、溶媒の存在下で行われることが好ましい。溶媒としては、該反応に不活性なものであれば制限されず、好ましくはアルコール溶媒または芳香族溶媒である。アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数1〜6のアルコール溶媒が挙げられ、好ましくは、メタノール及びエタノールであり、より好ましくは、メタノールである。芳香族溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン等が挙げられる。これらの溶媒は、少量の水や他の有機溶媒との混合物であってもよい。溶媒の使用量は通常、化合物(1a)1質量部に対して、1質量部以上、100質量部以下である。1質量部以上だと操作性の点で好ましく、100質量部以下だと実用的である。
前記反応における、反応試剤の混合順序は制限されない。好ましい実施態様としては、例えば、化合物(1a)、ジアミノ化合物、溶媒及び鉄及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つを混合し、得られる混合物を酸化剤と混合する方法が挙げられる。
本発明の製造方法における反応は、減圧下、常圧下及び加圧下のいずれの条件下で行ってもよく、好ましくは、常圧下又は加圧下で行われる。
本発明の製造方法における反応は、減圧下、常圧下及び加圧下のいずれの条件下で行ってもよく、好ましくは、常圧下又は加圧下で行われる。
前記反応の反応温度は、鉄、鉄化合物及び担持触媒の使用量や、酸素の使用量等により異なるが、好ましくは0℃〜150℃であり、より好ましくは20℃〜100℃である。反応温度が0℃よりも低い場合は、該反応の速度が低くなる傾向にあり、反応温度が150℃よりも高い場合は、目的生成物の収率が低下する傾向にある。
前記反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、核磁気共鳴スペクトル分析、赤外吸収スペクトル分析等の通常の分析手段により確認することができる。
反応終了後、例えば、得られる反応混合物を濾過することにより、反応混合物から鉄及び鉄化合物を取り除いた後、溶媒を留去することで、含窒素複素環化合物の粗生成物を取り出すことができる。その後、含窒素複素環化合物は、含窒素複素環化合物の粗生成物から、蒸留、カラムクロマトグラフィー又は結晶化等の精製手段により、単離することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
<ガスクロマトグラフィー分析条件>
カラム:DB−1(φ0.25μm×30m、膜厚1.0μm)
キャリアガス:ヘリウム(流速:1m/分)
スプリット比:1/10、試料注入量:1μL
カラム温度:50℃(0分)
→300℃(昇温速度:10℃/分、300℃での保持時間:15分)
注入口温度:250℃、検出器温度:300℃
<ガスクロマトグラフィーによる内部標準法>
内部標準物質:ビベンジル
<ガスクロマトグラフィー分析条件>
カラム:DB−1(φ0.25μm×30m、膜厚1.0μm)
キャリアガス:ヘリウム(流速:1m/分)
スプリット比:1/10、試料注入量:1μL
カラム温度:50℃(0分)
→300℃(昇温速度:10℃/分、300℃での保持時間:15分)
注入口温度:250℃、検出器温度:300℃
<ガスクロマトグラフィーによる内部標準法>
内部標準物質:ビベンジル
<実施例1>
2−フェニルキノキザリンの製造:
磁気回転子を備えた50mL耐圧反応管に、2−フェニル−2−オキソ−1−エタノール272mg、1,2−ジアミノベンゼン216mg、鉄粉(アトマイズ、和光品)10mg、酸化鉄(II)(アルドリッチ品)5mg、活性炭(和光品)60mg及びクロロベンゼン3gを加えた。耐圧反応管内を空気で0.5MPaまで加圧し、100℃で4時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、耐圧反応管を開放することで常圧に戻し、濾過した。得られた濾液を、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、2−フェニルキノキザリンの収率を求めたところ92%であった。
2−フェニルキノキザリンの製造:
磁気回転子を備えた50mL耐圧反応管に、2−フェニル−2−オキソ−1−エタノール272mg、1,2−ジアミノベンゼン216mg、鉄粉(アトマイズ、和光品)10mg、酸化鉄(II)(アルドリッチ品)5mg、活性炭(和光品)60mg及びクロロベンゼン3gを加えた。耐圧反応管内を空気で0.5MPaまで加圧し、100℃で4時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、耐圧反応管を開放することで常圧に戻し、濾過した。得られた濾液を、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、2−フェニルキノキザリンの収率を求めたところ92%であった。
<実施例2>
2−(2−メチルチオエチル)フェニルキノキザリンの製造:
実施例1において、2−フェニル−2−オキソ−1−エタノール272mgに代えて、4−(メチルチオ)−2−オキソ−1−ブタノール268mgを用いる以外は、実施例1と同様に実施した。2−(2−メチルチオエチル)フェニルキノキザリンの収率を求めたところ85%であった。
<実施例3>
2−フェニルキノキザリンの製造:
実施例1において、鉄粉を加えずに酸化鉄(II)(アルドリッチ品)の使用量を15mgに代える以外は、実施例1と同様に実施した。2−(2−メチルチオエチル)フェニルキノキザリンの収率を求めたところ80%であった。
<実施例4>
2−フェニルピラジン、2−フェニルジヒドロピラジンの製造:
磁気回転子を備えた50mL耐圧反応管に、2−フェニル−2−オキソ−1−エタノール272mg、無水エチレンジアミン120mg、鉄粉(アトマイズ、和光品)10mg、酸化鉄(II)(アルドリッチ品)5mg、活性炭(和光品)60mg及びクロロベンゼン3gを加えた。耐圧反応管内を空気で0.5MPaまで加圧し、100℃で3時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、耐圧反応管を開放することで常圧に戻し、濾過した。得られた濾液を、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、収率を求めたところ、2−フェニルピラジン収率31%、5,6-ジヒドロ−2,3−フェニルピラジン収率38%であった。
2−(2−メチルチオエチル)フェニルキノキザリンの製造:
実施例1において、2−フェニル−2−オキソ−1−エタノール272mgに代えて、4−(メチルチオ)−2−オキソ−1−ブタノール268mgを用いる以外は、実施例1と同様に実施した。2−(2−メチルチオエチル)フェニルキノキザリンの収率を求めたところ85%であった。
<実施例3>
2−フェニルキノキザリンの製造:
実施例1において、鉄粉を加えずに酸化鉄(II)(アルドリッチ品)の使用量を15mgに代える以外は、実施例1と同様に実施した。2−(2−メチルチオエチル)フェニルキノキザリンの収率を求めたところ80%であった。
<実施例4>
2−フェニルピラジン、2−フェニルジヒドロピラジンの製造:
磁気回転子を備えた50mL耐圧反応管に、2−フェニル−2−オキソ−1−エタノール272mg、無水エチレンジアミン120mg、鉄粉(アトマイズ、和光品)10mg、酸化鉄(II)(アルドリッチ品)5mg、活性炭(和光品)60mg及びクロロベンゼン3gを加えた。耐圧反応管内を空気で0.5MPaまで加圧し、100℃で3時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、耐圧反応管を開放することで常圧に戻し、濾過した。得られた濾液を、ガスクロマトグラフィー内部標準法により分析し、収率を求めたところ、2−フェニルピラジン収率31%、5,6-ジヒドロ−2,3−フェニルピラジン収率38%であった。
本発明によれば、含窒素複素環化合物の製造方法として産業上利用可能である。
Claims (11)
- 式(1a)で示される化合物と、隣り合った2つの炭素原子のそれぞれにアミノ基を有するジアミノ化合物とを、鉄及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つと、酸化剤との存在下で反応させる含窒素複素環化合物の製造方法。
(式中、Raは、下記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、下記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基、下記<群G2>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基又は下記<群G2>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数4〜10のヘテロアリール基を表す。Rbは、水素原子、下記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、下記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜12のアルケニル基、下記<群G2>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基又は下記<群G2>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数4〜10のヘテロアリール基を表す。
<群G1>
フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数2〜10のアシル基、
炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、
炭素数6〜20のアリール基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有する炭素数6〜10のアリール基、
炭素数5〜20のへテロアリール基、
炭素数1〜20のアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基及びハロゲン原子。
<群G2>
フッ素原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、
フッ素原子又は炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基を有する炭素数6〜10のアリールオキシ基、
炭素数1〜10のアルコキシ基を有していてもよい炭素数2〜10のアシル基、
炭素数1〜6のアルキレンジオキシ基、
炭素数6〜20のアリール基、
炭素数5〜20のへテロアリール基、
炭素数1〜20のアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基及びハロゲン原子。) - 鉄化合物が、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、ギ酸鉄(II)、ギ酸鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、炭酸鉄(II)、炭酸鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、沃化鉄(II)、沃化鉄(III)、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、アセチルアセトン鉄(II)、アセチルアセトン鉄(III)、一酸化炭素鉄(II)及び一酸化炭素鉄(III)からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1に記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
- 鉄及び鉄化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つが、鉄と酸化鉄(II)である請求項1又は請求項2のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
- 酸化剤が酸素である請求項1〜3のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
- 鉄及び鉄化合物の量が、式(1a)で示される化合物1モルに対して0.00001モル〜0.1モルである請求項1〜4のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
- 鉄及び鉄化合物から選ばれる少なくとも1つが担体に担持された担持触媒である請求項1〜5のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
- 担体が活性炭である請求項6に記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
- 担持触媒の量が、式(1a)で示される化合物に対して0.1質量%〜200質量%である請求項6又は請求項7に記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
- さらに溶媒の存在下で、式(1a)で示される化合物と、隣り合った2つの炭素原子のそれぞれにアミノ基を有するジアミノ化合物とを反応させる請求項1〜8のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
- 隣り合った2つの炭素原子のそれぞれにアミノ基を有するジアミノ化合物が、式(2)で示される化合物である請求項1〜9のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法であって、該含窒素複素環化合物が、式(3a)又は、式(3b)で示される化合物である製造方法。
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、ニトロ基又はシアノ基を表すか、又は、R1とR2とが互いに結合して、それらが結合する炭素原子とともに飽和の縮合環を形成する。-----は、単結合または二重結合を表す。)
(式中、R1、R2、Ra、Rb及び-----は前記と同じ意味を表す。) - 隣り合った2つの炭素原子のそれぞれにアミノ基を有するジアミノ化合物が、式(4)で示される化合物である請求項1〜9のいずれかに記載の含窒素複素環化合物の製造方法であって、該含窒素複素環化合物が、式(5a)又は、式(5b)で示される化合物である製造方法。
(式中、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基、前記<群G1>から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、ニトロ基又はシアノ基を表すか、又は、R3とR4、R4とR5及び/又はR5とR6とが互いに結合して、それらか結合する炭素原子とともに縮合芳香環を形成する。)
(式中、R3、R4、R5、R6、Ra及びRbは前記と同じ意味を表す。)
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