JP2003286243A - N−オキシド類の製造方法とその触媒 - Google Patents

N−オキシド類の製造方法とその触媒

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JP2003286243A JP2003004199A JP2003004199A JP2003286243A JP 2003286243 A JP2003286243 A JP 2003286243A JP 2003004199 A JP2003004199 A JP 2003004199A JP 2003004199 A JP2003004199 A JP 2003004199A JP 2003286243 A JP2003286243 A JP 2003286243A
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Koju Hagitani
弘寿 萩谷
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 三級アミンと過酸化水素を反応させて、N
−オキシド類を工業的に有利に製造する方法を提供する
こと。 【解決手段】タングステンと第IIIb族元素、第IVb族元
素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素とからな
るタングステン化合物およびタングステン金属からなる
群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せ
しめてなるタングステン酸化物触媒の存在下に、三級ア
ミンと過酸化水素とを反応させることを特徴とするN−
オキシド類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はN−オキシド類の製
造方法とその触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】N−オキシド類は、各種化学製品および
その合成中間体等として重要な化合物であり(例えば特
許文献1参照。)、その製造方法として、安価で、取扱
いが容易で、しかも反応後には無害な水となる、クリー
ンで優れた酸化剤である過酸化水素と三級アミンを反応
させる方法が知られている。例えば触媒量のタングス
テン酸、リンタングステン酸等のタングステン酸塩を用
いる方法(例えば特許文献1参照。)、タングステン
酸イオンで置換されたマグネシウム−アルミニウム系ハ
イドロタルサイト触媒を用いる方法(例えば非特許文献
1参照。)等が知られているが、の方法は、適応可能
な三級アミンが限られているという点で、の方法は、
触媒が特殊であり、その調製が煩雑であるという点で、
工業的に十分満足し得るものではなかった。
【0003】
【特許文献1】特開平8−157443号公報
【非特許文献1】Chem.Commun.,1736
(2001)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況のも
と、本発明者は、三級アミンと過酸化水素を反応させ
て、N−オキシド類を工業的に有利に製造する方法を開
発すべく鋭意検討したところ、安価で入手が容易なタン
グステン金属およびホウ化タングステン等のタングステ
ン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸
化水素とを反応せしめてなるタングステン酸化物が、三
級アミンと過酸化水素との反応において、良好な触媒活
性を示すこと、該タングステン酸化物触媒の存在下に、
三級アミンと過酸化水素とを反応させることにより、N
−オキシド類が得られることを見出し、本発明に至っ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、タン
グステンと第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素ま
たは酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化
合物およびタングステン金属からなる群から選ばれる少
なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなるタング
ステン酸化物触媒の存在下に、三級アミンと過酸化水素
とを反応させることを特徴とするN−オキシド類の製造
方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】まず本発明に用いられる触媒につ
いて説明する。本発明には、タングステンと第IIIb族元
素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族
元素とからなるタングステン化合物およびタングステン
金属からなる群から選ばれる少なくとも一種(以下、タ
ングステン類と略記する。)と過酸化水素とを反応せし
めてなるタングステン酸化物触媒が用いられる。
【0007】タングステンと第IIIb族元素とからなるタ
ングステン化合物としては、例えばホウ化タングステン
等が、タングステンと第IVb族元素とからなるタングス
テン化合物としては、例えば炭化タングステン、ケイ化
タングステン等が、タングステンと第Vb族元素とからな
るタングステン化合物としては、例えばチッ化タングス
テン、リン化タングステン等が、タングステンと酸素を
除く第VIb族元素とからなるタングステン化合物として
は、例えば硫化タングステン等がそれぞれ挙げられる。
【0008】かかるタングステン類のなかでも、タング
ステン金属、ホウ化タングステン、硫化タングステンが
好ましい。また、かかるタングステン類はそれぞれ単独
で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
【0009】かかるタングステン類と反応せしめる過酸
化水素としては、通常水溶液が用いられる。もちろん過
酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよいが、取扱いが容
易という点で、過酸化水素水を用いることが好ましい。
過酸化水素水もしくは過酸化水素の有機溶媒溶液中の過
酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面
等を考慮すると、実用的には1〜60重量%である。過
酸化水素水を用いる場合は、通常市販のものをそのまま
もしくは必要に応じて希釈、濃縮等により濃度調整を行
なったものを用いればよい。また過酸化水素の有機溶媒
溶液を用いる場合は、例えば過酸化水素水を有機溶媒で
抽出処理する、もしくは有機溶媒の存在下に過酸化水素
水を蒸留処理する等の手段により、調製したものを用い
ればよい。
【0010】タングステン類と反応せしめる過酸化水素
の使用量は、タングステン類に対して、通常3モル倍以
上、好ましくは5モル倍以上であり、その上限は特にな
い。
【0011】タングステン類と過酸化水素との反応は、
通常水溶液中で実施される。もちろん例えばジエチルエ
ーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒド
ロフラン等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエ
ステル系溶媒、例えばメタノール、エタノール、ter
t−ブタノール等のアルコール系溶媒、例えばアセトニ
トリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒等の有機
溶媒中または該有機溶媒と水との混合溶媒中で実施して
もよい。
【0012】タングステン類と過酸化水素との反応は、
通常その両者を混合、接触させることにより行われ、タ
ングステン類と過酸化水素との接触効率をより向上させ
るため、タングステン酸化物調製液中で、タングステン
類が十分分散するよう攪拌しながら反応を行うことが好
ましい。またタングステン類と過酸化水素との接触効率
を高め、タングステン酸化物調製時の制御をより容易に
するという点で、例えば粉末状のタングステン類等粒径
の小さなタングステン類を用いることが好ましい。
【0013】タングステン酸化物調製時の調製温度は、
通常−10〜100℃である。
【0014】タングステン類と過酸化水素とを、水中、
有機溶媒中もしくは有機溶媒と水との混合溶媒中で反応
させることにより、タングステン類の一部または全部が
溶解して、タングステン酸化物を含む均一溶液もしくは
懸濁液を調製することができるが、該タングステン酸化
物を、例えば濃縮処理等により調製液から取り出して、
触媒として用いてもよいし、該調製液をそのまま触媒と
して用いてもよい。
【0015】続いて、上記タングステン酸化物触媒の存
在下に、三級アミンと過酸化水素とを反応させて、N−
オキシド類を製造する方法について説明する。
【0016】本発明に用いられる三級アミンとしては、
アミノ基に三つの置換基が結合したものであれば特に制
限されない。またかかるアミノ基をその分子内に一つ有
するものであってもよいし、二つ以上有するものであっ
てもよい。
【0017】かかる三級アミンとしては、例えば一般式
(1) (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ同一または相異
なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されて
いてもよいアリール基または置換されていてもよいアラ
ルキル基を表わす。ここで、R1、R2およびR3のうち
の任意の二つまたは三つが結合して環を形成していても
よい。)で示される三級アミンが挙げられる。
【0018】置換されていてもよいアルキル基として
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デ
シル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプ
ロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メン
チル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数1〜2
0のアルキル基およびこれらアルキル基が、例えばメト
キシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、例えばフェノキ
シ基等のアリールオキシ基、例えばベンジルオキシ基等
のアラルキルオキシ基、例えばフッ素原子、塩素原子等
のハロゲン原子、例えばアセチル基、ベンゾイル基等の
アシル基、例えばカルボメトキシ基、カルボエトキシ基
等のカルボアルコキシ基、例えばカルボフェノキシ基等
のカルボアリールオキシ基、例えばカルボベンジルオキ
シ基等のカルボアラルキルオキシ基、カルボキシル基等
の置換基で置換された、例えばフルオロメチル基、クロ
ロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル
基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、カルボメト
キシメチル基等が挙げられる。
【0019】置換されていてもよいアリール基として
は、例えばフェニル基、ナフチル基等およびこれらフェ
ニル基、ナフチル基等を構成する芳香環が、前記置換さ
れていてもよいアルキル基、アリール基、後述するアラ
ルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキ
ルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基等で置換された、
例えば2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、
4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−
フェノキシフェニル基等が挙げられる。
【0020】置換されていてもよいアラルキル基として
は、前記置換されていてもよいアリール基と前記置換さ
れていてもよいアルキル基とから構成されるものが挙げ
られ、例えばベンジル基、4−クロロベンジル基、4−
メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、3−フェ
ノキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロベ
ンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチ
ルベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−
メトキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ
−4−メトキシメチルベンジル基等が挙げられる。
【0021】R1、R2およびR3のうちの任意の二つま
たは三つが結合して環を形成している場合の該環として
は、例えばピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン
環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリ
ン環等が挙げられる。
【0022】かかる三級アミンとしては、例えばトリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジ
イソプロピルエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルア
ミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルドデシルアミ
ン、ジメチルテトラデシルアミン、ジメチルヘキサデシ
ルアミン、ジメチルオクタデシルアミン、ジメチルヤシ
油アルキルアミン、ジメチル硬化牛脂アルキルアミン、
ジエチルドデシルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)ドデシルアミン、N,N−ジブチルベンジル
アミン、N−メチルモルホリン、N−ベンジルモルホリ
ン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリン、N−
メチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、N−
メチル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン等
が挙げられる。
【0023】かかる三級アミンとして、例えば三級アミ
ン・塩酸塩、三級アミン・硫酸塩等の三級アミンと酸と
の塩を用いてもよい。
【0024】前記タングステン酸化物触媒の存在下に、
三級アミンと過酸化水素とを反応させることにより、三
級アミンのアミノ基が酸化されたN−オキシド類が生成
する。
【0025】三級アミンとして、上記一般式(1)で示
される三級アミンを用いた場合には、下記一般式(2) (式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わ
す。)で示されるN−オキシド類が得られる。
【0026】三級アミンと過酸化水素との反応における
タングステン酸化物の使用量は、三級アミンに対して、
通常0.001モル倍以上であり、その上限は特にない
が、経済的な面を考慮すると、実用的には、三級アミン
に対して、1モル倍以下である。
【0027】過酸化水素は、通常水溶液として用いられ
る。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよ
い。過酸化水素水もしくは有機溶媒溶液中の過酸化水素
濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮
すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素
水は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じて
希釈、濃縮等により濃度調整を行なった後用いられる。
過酸化水素の有機溶媒溶液は、例えば過酸化水素水を有
機溶媒で抽出処理する、もしくは有機溶媒の存在下に過
酸化水素水を蒸留処理する等の手段により、調製するこ
とができる。
【0028】過酸化水素の使用量は、三級アミンのアミ
ノ基に対して、通常1モル倍以上であり、その使用量の
上限は特にないが、経済的な面も考慮すると、実用的に
は、三級アミンのアミノ基に対して、10モル倍以下で
ある。なお、触媒として、タングステン酸化物を含む調
製液を用いる場合は、該調製液中の過酸化水素量を含め
て、過酸化水素の使用量を設定してもよい。
【0029】本反応は、通常水中、有機溶媒中または有
機溶媒と水との混合溶媒中で実施される。有機溶媒とし
ては、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、
例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばメタノー
ル、エタノール、tert−ブタノール等のアルコール
系溶媒、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等の
ニトリル系溶媒、例えばトルエン、キシレン、クロロベ
ンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばシクロヘキサ
ン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げら
れる。水または有機溶媒の使用量は特に制限されない
が、容積効率等を考慮すると、実用的には、三級アミン
に対して、100重量倍以下である。
【0030】反応温度があまり低いと反応が進行しにく
く、また反応温度があまり高いと原料の三級アミンや生
成するN−オキシド類の分解等副反応が進行する恐れが
あるため、実用的な反応温度は、−20〜100℃の範
囲である。
【0031】本反応は、通常三級アミン、過酸化水素お
よびタングステン酸化物触媒を混合、接触することによ
り実施され、その混合順序は特に制限されない。また、
例えばタングステン類、過酸化水素および三級アミンを
混合、接触させて、タングステン酸化物触媒の調製操作
と、三級アミンと過酸化水素との反応を同時に行っても
よい。
【0032】本反応は、常圧条件下で実施してもよい
し、加圧条件下で実施してもよい。また、反応の進行
は、例えばガスクロマトグラフィ、高速液体クロマトグ
ラフィ、薄層クロマトグラフィ、NMR、IR等の通常
の分析手段により確認することができる。
【0033】反応終了後、反応液をそのままもしくは必
要に応じて残存する過酸化水素を、例えばチオ硫酸ナト
リウム等の還元剤で分解した後、濃縮処理、晶析処理等
することにより、目的とするN−オキシド類を取り出す
ことができる。また、反応液に、必要に応じて水および
/または水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理し、得ら
れる有機層を濃縮処理することにより、N−オキシド類
を取り出すこともできる。取り出したN−オキシド類
は、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ等の手段によ
りさらに精製してもよい。
【0034】水に不溶の有機溶媒としては、例えばトル
エン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系
溶媒、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロ
ホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばジエチル
エーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等の
エステル系溶媒等が挙げられ、その使用量は特に制限さ
れない。
【0035】また、目的とするN−オキシド類を晶析処
理により取り出した後の濾液や反応液を抽出処理して得
られる水層は、本反応のタングステン酸化物触媒を含ん
でおり、そのままもしくは必要に応じて濃縮処理等を行
った後、再度本反応に使用することができる。
【0036】かくして得られるN−オキシド類として
は、例えばトリメチルアミン N−オキシド、トリエチ
ルアミン N−オキシド、トリブチルアミン N−オキ
シド、ジイソプロピルエチルアミン N−オキシド 、
ジメチルシクロヘキシルアミンN−オキシド、ジメチル
オクチルアミン N−オキシド、ジメチルドデシルアミ
ン N−オキシド、ジメチルテトラデシルアミン N−
オキシド、ジメチルヘキサデシルアミン N−オキシ
ド、ジメチルオクタデシルアミン N−オキシド、ジメ
チルヤシ油アルキルアミン N−オキシド、ジメチル硬
化牛脂アルキルアミン N−オキシド、ジエチルドデシ
ルアミン N−オキシド、N,N−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)ドデシルアミン N−オキシド、N,N−ジ
ブチルベンジルアミン N−オキシド、N−メチルモル
ホリン N−オキシド、N−ベンジルモルホリン N−
オキシド、N−メチルピペリジン N−オキシド、N−
メチルピロリン N−オキシド、N−メチル−1,2,
3,4−テトラヒドロキノリンN−オキシド、N−メチ
ル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン N−
オキシド等が挙げられる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0038】実施例1 50mLフラスコに、タングステン金属40mgおよび
30重量%過酸化水素水250mgを仕込み、内温40
℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タング
ステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温3
0℃に冷却し、水3gおよびN−メチルモルホリン40
4mgを仕込んだ。30重量%過酸化水素水800mg
を5分かけて滴下した後、内温40℃に昇温し、同温度
で3時間攪拌、保持し、反応させた。反応終了後、室温
まで冷却し、メタノール10gを加え、N−メチルモル
ホリン N−オキシドを含む溶液を得た。該溶液をガス
クロマトグラフィ(内部標準法)により分析したとこ
ろ、N−メチルモルホリンN−オキシドの収率は、87
%であった。
【0039】比較例1 実施例1において、タングステン金属に代えてタングス
テン酸ナトリウム二水和物72mgを用いた以外は実施
例1と同様に実施して、N−メチルモルホリンN−オキ
シドを収率66%で得た。
【0040】比較例2 実施例1において、タングステン金属に代えてタングス
テン酸55mgを用いた以外は実施例1と同様に実施し
たが、N−メチルモルホリン N−オキシドは得られな
かった。
【0041】実施例2 50mLフラスコに、タングステン金属4.2mgおよ
び30重量%過酸化水素水25mgを仕込み、内温40
℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タング
ステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温2
0℃に冷却し、水0.26およびジメチルドデシルアミ
ン2.13gを仕込んだ。8.9重量%過酸化水素水
4.3gを5分かけて滴下した後、同温度で3時間攪
拌、保持し、反応させた。反応終了後、メチルtert
−ブチルエーテル50gおよび水10gを加え、攪拌、
静置後、分液処理し、得られた有機層を濃縮処理し、ジ
メチルドデシルアミン N−オキシドの白色結晶2.3
gを得た。該白色結晶を1H−NMRで分析したとこ
ろ、未反応の原料ジメチルドデシルアミンは検出されな
かった。
【0042】実施例3 実施例1において、タングステン金属40mgに代えて
ホウ化タングステン45mgを用いた以外は、実施例1
と同様に実施し、N−メチルモルホリン N−オキシド
を、収率92%で得た。
【0043】実施例4 実施例1において、タングステン金属40mgに代えて
硫化タングステン50mgを用いた以外は、実施例1と
同様に実施し、N−メチルモルホリン N−オキシド
を、収率91%で得た。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、安価で入手が容易なタ
ングステン金属やホウ化タングステン等のタングステン
化合物と過酸化水素とを反応せしめてなるタングステン
酸化物触媒の存在下に、三級アミンと過酸化水素とを反
応させることにより、N−オキシド類を得ることができ
るため、工業的に有利である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タングステンと第IIIb族元素、第IVb族元
    素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素とからな
    るタングステン化合物およびタングステン金属からなる
    群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せ
    しめてなるタングステン酸化物触媒の存在下に、三級ア
    ミンと過酸化水素とを反応させることを特徴とするN−
    オキシド類の製造方法。
  2. 【請求項2】三級アミンが、一般式(1) (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ同一または相異
    なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されて
    いてもよいアリール基または置換されていてもよいアラ
    ルキル基を表わす。ここで、R1、R2およびR3のうち
    の任意の二つまたは三つが結合して環を形成していても
    よい。)で示される三級アミンである請求項1に記載の
    N−オキシド類の製造方法。
  3. 【請求項3】第IIIb族元素が、ホウ素である請求項1に
    記載のN−オキシド類の製造方法。
  4. 【請求項4】第IVb族元素が、炭素である請求項1に記
    載のN−オキシド類の製造方法。
  5. 【請求項5】第Vb族元素が、チッ素またはリンである請
    求項1に記載のN−オキシド類の製造方法。
  6. 【請求項6】酸素を除く第VIb族元素が、硫黄である請
    求項1に記載のN−オキシド類の製造方法。
  7. 【請求項7】過酸化水素水を用いる請求項1に記載のN
    −オキシド類の製造方法。
  8. 【請求項8】タングステンと第IIIb族元素、第IVb族元
    素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素とからな
    るタングステン化合物およびタングステン金属からなる
    群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せ
    しめてなる、三級アミンを酸化してN−オキシド類を製
    造するためのタングステン酸化物触媒。
  9. 【請求項9】タングステンと第IIIb族元素、第IVb族元
    素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素とからな
    るタングステン化合物およびタングステン金属からなる
    群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを、水中
    で反応せしめてなる、三級アミンを酸化してN−オキシ
    ド類を製造するためのタングステン酸化物触媒水溶液。
  10. 【請求項10】請求項9に記載のタングステン酸化物触
    媒水溶液と有機溶媒とからなる、三級アミンを酸化して
    N−オキシド類を製造するためのタングステン酸化物触
    媒溶液。
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