JP2006052204A - 含フッ素芳香族化合物の製造方法 - Google Patents

含フッ素芳香族化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
爆発性や腐食性の高い化合物を用いることなく、工業的有利に含フッ素芳香族化合物を製造する方法を提供すること。
【解決手段】
テトラフルオロホウ酸および/またはヘキサフルオロリン酸の存在下に芳香族ヒドラジン化合物と過酸化水素とを反応させる含フッ素芳香族化合物の製造方法。また、該反応を、
タングステン金属、モリブデン金属等の種々の金属または金属化合物の存在下に反応を実施することにより、含フッ素芳香族化合物の収率を向上させることも可能である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、含フッ素芳香族化合物の製造方法に関する。
含フッ素芳香族化合物は、各種化学製品およびその合成中間体等として重要な化合物である。その製造方法としては、例えば、芳香族ジアゾ化合物のテトラフルオロボレート塩やヘキサフルオロフォスフェート塩を熱分解する方法(例えば、非特許文献1および2参照。)、30%フッ化水素−70%ピリジン溶液中でアニリン類をジアゾ化反応に付し、次いで熱分解する方法(例えば、非特許文献3参照。)等が挙げられる。しかし、前者の方法では爆発性の高いジアゾ塩を固体で取り扱う必要があり、後者の方法では腐食性の高いフッ化水素を用いる必要があり、いずれも工業的な製造方法としては満足できるものではなかった。
一方、上記のような固体のジアゾ塩やフッ化水素を用いない含フッ素芳香族化合物の製造方法として、五フッ化ヨウ素を用いて芳香族ヒドラジン化合物をフッ素化する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、五フッ化ヨウ素も腐食性が高く、さらに工業的に有利な製造方法の開発が望まれていた。
国際公開特許WO01/096263号公報 北爪智哉ら著「フッ素の化学」53頁 講談社 1993年 Organic Reactions, vol.5, 193(1949) J. Organic Chemistry, vol.44, 3872(1979)
このような状況のもと、本発明者は、含フッ素芳香族化合物を工業的により有利に製造する方法について鋭意検討したところ、取扱い容易なテトラフルオロホウ酸および/またはヘキサフルオロリン酸の存在下に、芳香族ヒドラジン化合物と過酸化水素とを反応させることにより、含フッ素芳香族化合物が製造できることを見出した。さらに、種々の金属または化合物の存在下に前記操作を実施することにより、含フッ素芳香族化合物の収率が向上することを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、テトラフルオロホウ酸および/またはヘキサフルオロリン酸の存在下に芳香族ヒドラジン化合物と過酸化水素とを反応させる含フッ素芳香族化合物の製造方法、および該操作を、
第Va族金属または該金属元素を含む化合物;
第VIa族金属または該金属元素を含む化合物;
第VIIa族金属または該金属元素を含む化合物;
第VIIIa族金属または該金属元素を含む化合物;
第Va族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第Va族金属酸化物;
第VIa族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第VIa族金属酸化物;
第VIIa族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第VIIa族金属酸化物;
第VIIIa族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第VIIIa族金属酸化物;
からなる群から選ばれる少なくとも一種の存在下に反応させる請求項1に記載の含フッ素芳香族化合物の製造方法を提供するものである。
本発明の方法によれば、安価かつ取扱いが容易であり、反応後には無害な水となるクリーンな酸化剤である過酸化水素と、比較的腐食性の低いフッ素源であるテトラフルオロホウ酸および/またはヘキサフルオロリン酸を用いて、比較的安定な基質である芳香族ヒドラジン化合物をフッ素化反応に付することにより、含フッ素芳香族化合物を得ることができる。また、入手が容易なタングステン金属、モリブデン金属等の種々の金属または金属化合物の存在下に反応を実施することにより、含フッ素芳香族化合物の収率を向上させることも可能であるため、工業的に有利である。
以下、本発明を詳細に説明する。
芳香族ヒドラジン化合物としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環等の芳香環またはピリジン環、チアゾール環、オキサゾール環などの複素芳香環に一つ以上のヒドラジノ基が結合したものであればよく、また、これらの芳香環または複素芳香環上にはヒドラジノ基以外の置換基が結合していてもよい。
芳香環または複素芳香環上に結合していてもよいヒドラジノ基以外の置換基としては、例えばハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基、カルボキシル基、スルホ基、スルホンアミド基、スルホン酸エステル基、スルホン基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。なお、これら置換基のうち、隣接する置換基同士が一緒になって、環構造の一部を形成してもよい。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の直鎖状、分枝鎖状および環状の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。また、その置換基としては、前記のハロゲン原子、後述する置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基等が挙げられ、このような置換基を有するアルキル基としては、例えばブロモメチル基、クロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
置換されていてもよいアルコキシ基とは、前記の置換されていてもよいアルキル基と酸素原子とから構成される基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−デシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、メンチルオキシ基、クロロメトキシ基、フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。また、その置換基としては、前記のハロゲン原子、前記の置換されていてもよいアルキル基、前記の置換されていてもよいアルコキシ基、アリール基、後述する置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基、カルボキシル基等が挙げられ、このような置換基で置換されたアリール基としては、例えば2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−フェノキシフェニル基等が挙げられる。
置換されていてもよいアリールオキシ基とは、前記の置換されていてもよいアリール基と酸素原子とから構成される基であり、例えばフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、3−フェノキシフェノキシ基等が挙げられる。
置換されていてもよいアラルキル基とは、前記の置換されていてもよいアルキル基に、前記の置換されていてもよいアリール基が置換した基であり、例えばベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。置換されていてもよいアラルキルオキシ基とは、前記の置換されていてもよいアラルキル基と酸素原子とから構成される基であり、例えばベンジルオキシ基等が挙げられる。
置換されていてもよいアシル基とは、前記の置換されていてもよいアルキル基、前記の置換されていてもよいアリール基または前記の置換されていてもよいアラルキル基と、カルボニル基とから構成される基であり、例えばアセチル基、エチルカルボニル基、ベンゾイル基、フェニルアセチル基等が挙げられる。
置換されていてもよいアルコキシカルボニル基とは前記の置換されていてもよいアルコキシ基とカルボニル基とから、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基とは前記の置換されていてもよいアリールオキシ基とカルボニル基とから、置換されていてもよいアラルキルオキシカルボニル基とは、前記の置換されていてもよいアラルキルオキシ基とカルボニル基とから、それぞれ構成される基であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
本発明に使用しうる芳香族ヒドラジン化合物の具体例としては、例えばフェニルヒドラジン、2−フルオロフェニルヒドラジン、3−フルオロフェニルヒドラジン、4−フルオロフェニルヒドラジン、2−クロロフェニルヒドラジン、3−クロロフェニルヒドラジン、4−クロロフェニルヒドラジン、2−ブロモフェニルヒドラジン、3−ブロモフェニルヒドラジン、4−ブロモフェニルヒドラジン、3−シアノフェニルヒドラジン、4−シアノフェニルヒドラジン、2−ヒドラジノ安息香酸メチル、2−ヒドラジノ安息香酸(n−ブチル)、3−ヒドラジノ安息香酸メチル、4−ヒドラジノ安息香酸メチル、2−ニトロフェニルヒドラジン、3−ニトロフェニルヒドラジン、4−ニトロフェニルヒドラジン、2−ヒドラジノトルエン、3−ヒドラジノトルエン、4−ヒドラジノトルエン、2−メトキシフェニルヒドラジン、3−メトキシフェニルヒドラジン、4−メトキシフェニルヒドラジン、2−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン、3−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン、4−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン、
2−ヒドラジノフェノール、3−ヒドラジノフェノール、4−ヒドラジノフェノール、2−ヒドラジノ安息香酸、3−ヒドラジノ安息香酸、4−ヒドラジノ安息香酸、4−ヒドラジノベンジルクロライド、2−ヒドラジノベンゼンスルホン酸、3−ヒドラジノベンゼンスルホン酸、4−ヒドラジノベンゼンスルホン酸、4−ヒドラジノベンゼンスルホンアミド、4−ヒドラジノベンゼンスルホン酸エチル、3−ヒドラジノフェニルメチルスルホン、2,3−ジメチルフェニルヒドラジン、3,5−ジメチルフェニルヒドラジン、3,5−ジニトロフェニルヒドラジン、2,4−ジニトロフェニルヒドラジン、2,4−ジクロロフェニルヒドラジン、2,6−ジエチルフェニルヒドラジン、2,5−ジフルオロフェニルヒドラジン、3,4−ジフルオロフェニルヒドラジン、2,4−ジフルオロフェニルヒドラジン、3,5−ジフルオロフェニルヒドラジン、3−クロロ−4−フルオロフェニルヒドラジン、2−クロロ−4−メチルフェニルヒドラジン、2−クロロ−6−ヒドラジノ安息香酸、2−クロロ−6−ヒドラジノ安息香酸メチル、4−シアノ−2−クロロフェニルヒドラジン、4−メチル−3−(クロロメチル)フェニルヒドラジン、4−メチル−3−(ブロモメチル)フェニルヒドラジン、4−メチル−3−(メトキシカルボニルメチル)フェニルヒドラジン、2−メチル−4−ヒドラジノ安息香酸アミド、4−メチル−3−シアノフェニルヒドラジン、4−メチル−3−アセチルフェニルヒドラジン、2−アセチル−3−ヒドラジノベンゼンスルホン酸アミド、
2,3,5−トリクロロフェニルヒドラジン、3,4,5−トリクロロフェニルヒドラジン、2,4−ジフルオロ−5−ニトロフェニルヒドラジン、2,3,5,6−テトラフルオロフェニルヒドラジン、ペンタフルオロフェニルヒドラジン、2−ベンジルフェニルヒドラジン、3−ベンジルオキシフェニルヒドラジン、4−ベンジルオキシフェニルヒドラジン、2−ヒドラジノアニリン、3−ヒドラジノアニリン、4−ヒドラジノアニリン、1−ナフチルヒドラジン、2−ナフチルヒドラジン、4−ヒドラジノ−1,8−ナフタル酸無水物、2−メチル−2−(3’−フルオロ−4’−ヒドラジノフェニル)マロン酸ジエチル、2−フルオロ−3−ヒドラジノ−6−クロロフェノール、4−トリフルオロメチル−2,6−ジクロロフェニルヒドラジン、5−メトキシ−2,4−ジクロロフェニルヒドラジン、2−ヒドラジノピリジン、6−ブロモ−2−ヒドラジノピリジン、2−ヒドラジノピリミジン、4−トリフルオロメチル−2−ヒドラジノピリミジン、2−エトキシ−4−フルオロ−6−ヒドラジノピリミジン、2,4−ジメトキシ−6−ヒドラジノピリミジン、2−ヒドラジノキノリン、4−ニトロ−2−ヒドラジノキノリン、2−ヒドラジノベンゾチアゾール、2−ヒドラジノベンゾオキサゾール、2−ヒドラジノ−4−メチルベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−5−メチルベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−6−メチルベンゾオキサゾール、2−ヒドラジノ−7−メチルベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−4−エチルベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−5−イソプロピルベンゾオキサゾール、2−ヒドラジノ−4−メトキシベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−5−メトキシベンゾオキサゾール、2−ヒドラジノ−6−メトキシベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−7−メトキシベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−5,7−ジメトキシベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−4,6−ジメトキシベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−5,6−ジメトキシベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−4−エトキシベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−5−ベンジルオキシベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−7−ベンジルオキシベンゾチアゾール、
2−ヒドラジノ−4−クロロベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−5−クロロベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−6−クロロベンゾオキサゾール、2−ヒドラジノ−4−フルオロベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−5−フルオロベンゾオキサゾール、2−ヒドラジノ−6−フルオロベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−5,7−ジクロロベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−4,6−ジクロロベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−5,6−ジクロロベンゾオキサゾール、2−ヒドラジノ−5,7−ジフルオロベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−4,6−ジフルオロベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−5,6−ジフルオロベンゾオキサゾール、2−ヒドラジノ−5−(2−メトキシカルボニルエチル)ベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−6−ブロモベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−5−トリフルオロメチルベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−6−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール、2−ヒドラジノ−5−シアノベンゾチアゾール、2−ヒドラジノ−6−シアノベンゾオキサゾール、2−ヒドラジノ−5−ニトロベンゾオキサゾール、2−ヒドラジノ−6−ニトロベンゾチアゾール、1,4−ジヒドラジノベンゼン、1,3−ジヒドラジノベンゼン等が挙げられる。
かかる芳香族ヒドラジン化合物は、塩酸、硫酸等の酸との付加塩であってもよい。
過酸化水素は、通常水溶液として用いられる。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよい。過酸化水素水もしくは有機溶媒溶液中の過酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素水は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じて希釈、濃縮等により濃度調整を行った後用いられる。過酸化水素の有機溶媒溶液は、例えば過酸化水素水を有機溶媒で抽出処理する、もしくは有機溶媒の存在下に過酸化水素水を蒸留処理する等の手段により、調製することができる。
過酸化水素の使用量は、芳香族ヒドラジン化合物上のヒドラジノ基に対して、通常1モル倍以上であり、その使用量の上限は特にないが、経済的な面も考慮すると、実用的には、芳香族ヒドラジン化合物上のヒドラジノ基に対して、10モル倍以下である。例えば、1,4−ジヒドラジノベンゼン等のヒドラジノ基が二つ結合した芳香族ヒドラジン化合物を用いる場合の過酸化水素の使用量は、芳香族ヒドラジン化合物に対して、通常2〜20モル倍程度の範囲である。
テトラフルオロホウ酸やヘキサフルオロリン酸は、種々の溶媒の溶液として市販されており、通常は、水溶液として用いられる。もちろん、例えばメタノール、エタノール等のアルコール溶媒;例えばアセトニトリル等のニトリル溶媒;例えばジオキサン等のエーテル溶媒;などの極性溶媒の溶液として用いてもよい。取扱いの観点から、テトラフルオロホウ酸を用いることが好ましく、その水溶液として用いることがさらに好ましい。
テトラフルオロホウ酸および/またはヘキサフルオロリン酸の使用量が少ないと、芳香族ヒドラジン化合物の自己カップリング反応が進行しやすいため、芳香族ヒドラジン化合物上のヒドラジノ基に対して、通常10モル倍以上使用する。例えば、1,4−ジヒドラジノベンゼン等のヒドラジノ基が二つ結合した芳香族ヒドラジン化合物を用いる場合のテトラフルオロホウ酸および/またはヘキサフルオロリン酸の使用量は、芳香族ヒドラジン化合物に対して、通常20モル倍以上である。その上限は特になく、溶媒を兼ねて、大過剰量用いてもよい。
テトラフルオロホウ酸および/またはヘキサフルオロリン酸の存在下に芳香族ヒドラジン化合物と過酸化水素とを反応させる際は、通常その三者を接触、混合することにより実施され、その混合順序は制限されないが、過酸化水素とテトラフルオロホウ酸および/またはヘキサフルオロリン酸との混合物中に芳香族ヒドラジン化合物を加えることが好ましい。
該反応は、通常、反応に不活性な溶媒中で実施される。かかる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶媒;例えば酢酸エチル等のエステル溶媒;例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒;例えばシクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;水;などが挙げられる。溶媒の使用量は特に制限されないが、容積効率等を考慮すると、実用的には、芳香族ヒドラジン化合物に対して、通常100重量倍以下である。
反応温度があまり低いと反応が進行しにくく、また反応温度があまり高いと、原料の芳香族ヒドラジン化合物や生成するビアリール類の分解等副反応が進行する恐れがあるため、実用的な反応温度は、通常0〜200℃の範囲である。
反応は、常圧条件下で実施してもよいし、加圧条件下で実施してもよい。また、反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ、NMR、IR等の通常の分析手段により確認することができる。
反応終了後、反応液をそのままもしくは必要に応じて残存する過酸化水素を、例えばチオ硫酸ナトリウム等の還元剤で分解した後、濃縮処理、晶析処理等することにより、目的とする含フッ素芳香族化合物を取り出すことができる。また、反応液に、必要に応じて水および/または水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、含フッ素芳香族化合物を取り出すこともできる。取り出した含フッ素芳香族化合物は、蒸留、例えばカラムクロマトグラフィ等の通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
水に不溶の有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;例えばジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;例えば酢酸エチル等のエステル溶媒;などが挙げられ、その使用量は特に制限されない。
また、本発明の上記反応を、
第Va族金属または該金属元素を含む化合物;
第VIa族金属または該金属元素を含む化合物;
第VIIa族金属または該金属元素を含む化合物;
第VIIIa族金属または該金属元素を含む化合物;
(前記4つの群から選ばれる少なくとも一種を、金属または化合物と略記する。)
第Va族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第Va族金属酸化物;
第VIa族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第VIa族金属酸化物;
第VIIa族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第VIIa族金属酸化物;
第VIIIa族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第VIIIa族金属酸化物;
(前記4つの群から選ばれる少なくとも一種を、金属酸化物と略記する。)
からなる群から選ばれる少なくとも一種(以下、金属化合物と略記する。)の存在下に実施することにより、含フッ素芳香族化合物の収率を向上させることができる。
第Va族金属または該金属元素を含む化合物としては、例えばバナジウム金属、酸化バナジウム、バナジン酸アンモニウム、バナジウムカルボニル錯体等のバナジウム金属または化合物;例えばニオブ金属、酸化ニオブ、塩化ニオブ、ニオブカルボニル錯体等のニオブ金属または化合物;などが挙げられる。第VIa族金属または該金属元素を含む化合物としては、例えばタングステン金属、ホウ化タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム、タングステンカルボニル錯体等のタングステン金属または化合物;例えばモリブデン金属、ホウ化モリブデン、酸化モリブデン、塩化モリブデン、モリブデンカルボニル錯体等のモリブデン金属または化合物;などが挙げられる。
第VIIa族金属または該金属元素を含む化合物としては、例えばレニウム金属、酸化レニウム、酸化レニウムの錯体、塩化レニウム、メチルレニウムトリオキシド等のレニウム金属または化合物などが挙げられる。第VIIIa族金属または該金属元素を含む化合物としては、例えばコバルト金属、酸化コバルト、酸化コバルトの錯体、塩化コバルト等のコバルト金属または化合物などが挙げられる。
第Va族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第Va族元素酸化物としては、例えば前記バナジウム金属または化合物と過酸化水素とを反応せしめてなるバナジウム酸化物、前記ニオブ金属または化合物と過酸化水素とを反応せしめてなるニオブ酸化物等が挙げられる。第VIa族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第VIa族元素酸化物としては、例えば前記タングステン金属または化合物と過酸化水素とを反応せしめてなるタングステン酸化物、前記モリブデン金属または化合物と過酸化水素とを反応せしめてなるモリブデン酸化物等が挙げられる。
第VIIa族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第VIIa族元素酸化物としては、例えば前記レニウム金属または化合物と過酸化水素とを反応せしめてなるレニウム酸化物等が挙げられる。第VIIIa族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第VIIIa族元素酸化物としては、例えば前記コバルト金属または化合物と過酸化水素とを反応せしめてなるコバルト酸化物等が挙げられる。
かかる金属化合物のなかでも、
タングステン金属または化合物;
コバルト金属または化合物;
ニオブ金属または化合物;
モリブデン金属または化合物;
レニウム金属または化合物;
タングステン金属または化合物と過酸化水素とを反応せしめてなるタングステン酸化物;
コバルト金属または化合物と過酸化水素とを反応せしめてなるコバルト酸化物;
ニオブ金属または化合物と過酸化水素とを反応せしめてなるニオブ酸化物;
モリブデン金属または化合物と過酸化水素とを反応せしめてなるモリブデン酸化物;
およびこれらの混合物が好適である。
金属酸化物を調製する際に用いる過酸化水素としては、通常、水溶液が用いられる。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよいが、取扱いが容易という点で、過酸化水素水を用いることが好ましい。過酸化水素水もしくは過酸化水素の有機溶媒溶液中の過酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素水を用いる場合は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じて希釈、濃縮等により濃度調整を行ったものを用いればよい。また過酸化水素の有機溶媒溶液を用いる場合は、例えば過酸化水素水を有機溶媒で抽出処理する、もしくは有機溶媒の存在下に過酸化水素水を蒸留処理する等の手段により、調製したものを用いればよい。
金属酸化物調製に用いる過酸化水素の使用量は、金属または化合物に対して、通常3モル倍以上、好ましくは5モル倍以上であり、その上限は特にない。
金属酸化物の調製は、通常、水溶液中で実施される。もちろん例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;例えば酢酸エチル等のエステル溶媒;例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;などの有機溶媒中または有機溶媒と水との混合溶媒中で実施してもよい。
金属酸化物の調製は、金属または化合物と過酸化水素とを混合・接触させることにより行われ、その接触効率をより向上させるため、金属酸化物調製液中で、金属または化合物が十分分散するよう攪拌しながら反応を行うことが好ましい。また、金属または化合物と過酸化水素との接触効率を高め、金属酸化物調製時の制御をより容易にするという点で、例えば金属または化合物等粒径の小さな金属または化合物を用いることが好ましい。
金属酸化物調製時の調製温度は、通常−10〜100℃程度の範囲である。
金属または化合物と過酸化水素とを、水中、有機溶媒中もしくは有機溶媒と水との混合溶媒中で反応させることにより、金属または化合物の全部もしくは一部が溶解して、金属酸化物を含む均一溶液もしくは懸濁液を調製することができるが、該金属酸化物を、例えば濃縮処理等により調製液から取り出して用いてもよいし、該調製液をそのまま用いてもよい。該調製液をそのまま用いる場合は、該調製液中の過酸化水素量を考慮して、芳香族ヒドラジン化合物、過酸化水素およびテトラフルオロホウ酸および/またはヘキサフルオロリン酸を反応させる際の過酸化水素の使用量を決めてもよい。
また、金属または化合物、芳香族ヒドラジン化合物、過酸化水素ならびにテトラフルオロホウ酸および/またはヘキサフルオロリン酸とを接触・混合することにより、金属酸化物の調製操作と本発明のフッ素化反応とを同時に行ってもよい。
金属化合物の使用量は、芳香族ヒドラジン化合物上のヒドラジノ基に対して、通常0.001モル倍以上であり、その上限は特にないが、経済的な面を考慮すると、実用的には、芳香族ヒドラジン化合物上のヒドラジノ基に対して、通常1モル倍以下である。例えば、1,4−ジヒドラジノベンゼン等のヒドラジノ基が二つ結合した芳香族ヒドラジン化合物を用いる場合の金属化合物の使用量は、芳香族ヒドラジン化合物に対して、通常0.002〜2モル倍程度の範囲である。
なお、金属化合物を用いて、本発明のフッ素化反応を実施した場合であって、目的とする含フッ素芳香族化合物を抽出処理もしくは晶析処理により取り出したときは、反応液を抽出処理して得られる水層や晶析処理して得られる濾液中に、通常は金属化合物が含まれており、該水層や該濾液をそのままもしくは必要に応じて濃縮処理等を行った後、再び本発明のフッ素化反応に使用することもできる。
本発明によれば、芳香族ヒドラジン化合物上のヒドラジノ基がフッ素原子に置換された含フッ素芳香族化合物が得られる。例えば、式(1)
Figure 2006052204
(式中、Arは置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよい複素芳香族基を表す。)
で示される芳香族ヒドラジン化合物を用いれば、式(2)
Figure 2006052204
(式中、Arは前記と同じ意味を表す。)
で示される含フッ素芳香族化合物が得られる。
かくして得られる含フッ素芳香族化合物としては、例えばフルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1−フルオロ−2−クロロベンゼン、1−フルオロ−3−クロロベンゼン、1−フルオロ−4−クロロベンゼン、1−フルオロ−2−ブロモベンゼン、1−フルオロ−3−ブロモベンゼン、1−フルオロ−4−ブロモベンゼン、2−フルオロトルエン、3−フルオロトルエン、4−フルオロトルエン、2−メトキシフルオロベンゼン、3−シアノフルオロベンゼン、4−フルオロベンゼン安息香酸メチル、2−フルオロ安息香酸メチル、2−フルオロ安息香酸、2−フルオロ安息香酸(n−ブチル)、4−ニトロフルオロベンゼン、2−トリフルオロメチルフルオロベンゼン、3−トリフルオロメチルフルオロベンゼン、4−トリフルオロメチルフルオロベンゼン、2−フルオロベンゼンスルホン酸、4−フルオロベンゼンスルホン酸アミド、4−フルオロベンゼンスルホン酸エチル、
3−フルオロフェニルメチルスルホン、2,4−ジニトロフルオロベンゼン、2,4−ジクロロフルオロベンゼン、2,4−ジフルオロフルオロベンゼン、3,5−ジフルオロフルオロベンゼン、3−クロロ−1,4−ジフルオロベンゼン、1−クロロ−6−フルオロ安息香酸、1−クロロ−6−フルオロ安息香酸メチル、2−アセチル−3−フルオロベンゼンスルホン酸アミド、2,3,5−トリクロロフルオロベンゼン、1,2,4−トリフルオロ−5−ニトロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、2−ベンジルフルオロベンゼン、3−ベンジルオキシフルオロベンゼン、4−ベンジルオキシフルオロベンゼン、4−フルオロ−1,8−ナフタル酸無水物、2,3−ジフルオロ−6−クロロフェノール、4−トリフルオロメチル−2,6−ジクロロフルオロベンゼン、5−メトキシ−2,4−ジクロロフルオロベンゼン、6−ブロモ−2−フルオロピリジン、2−フルオロピリミジン、4−トリフルオロメチル−2−フルオロピリミジン、2−エトキシ−4,6−ジフルオロピリミジン、2,4−ジメトキシ−6−フルオロピリミジン、
2−フルオロキノリン、4−ニトロ−2−フルオロキノリン、3−(tert−ブチル)−2−シアノフルオロベンゼン、3−フルオロフェノール、2−フルオロアニリン、4−メチル−2−(メトキシカルボニルメチル)フルオロベンゼン、4−メチル−3−(メトキシカルボニルメチル)フルオロベンゼン、4−メチル−3−(クロロメチル)フルオロベンゼン、4−メチル−3−シアノフルオロベンゼン、3,5−ジニトロフルオロベンゼン、1−フルオロナフタレン、2−フルオロベンゾチアゾール、2−フルオロベンゾオキサゾール、2−フルオロ−4−メチルベンゾチアゾール、2−フルオロ−5−メチルベンゾオキサゾール、2−フルオロ−6−メチルベンゾチアゾール、2−フルオロ−7−メチルベンゾチアゾール、2−フルオロ−4−エチルベンゾオキサゾール、2−フルオロ−5−イソプロピルベンゾチアゾール、2−フルオロ−4−メトキシベンゾチアゾール、2−フルオロ−7−メトキシベンゾオキサゾール、2−フルオロ−4,6−ジメトキシベンゾチアゾール、2−フルオロ−5,6−ジメトキシベンゾオキサゾール、2−フルオロ−4−エトキシベンゾチアゾール、2−フルオロ−5−ベンジルオキシベンゾチアゾール、
2−フルオロ−7−ベンジルオキシベンゾチアゾール、2−フルオロ−4−クロロベンゾチアゾール、2−フルオロ−5−クロロベンゾオキサゾール、2−フルオロ−6−クロロベンゾチアゾール、2,4−ジフルオロベンゾチアゾール、2,5−ジフルオロベンゾオキサゾール、2,6−ジフルオロベンゾチアゾール、2−フルオロ−4,6−ジクロロベンゾオキサゾール、2−フルオロ−5,6−ジクロロベンゾチアゾール、2,5,7−トリフルオロベンゾオキサゾール、2,4,6−トリフルオロベンゾチアゾール、2,5,6−トリフルオロベンゾチアゾール、2−フルオロ−5−(2−メトキシカルボニルエチル)ベンゾチアゾール、2−フルオロ−6−ブロモベンゾオキサゾール、2−フルオロ−5−トリフルオロメチルベンゾチアゾール、2−フルオロ−6−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール、2−フルオロ−5−シアノベンゾチアゾール、2−フルオロ−6−シアノベンゾオキサゾール、2−フルオロ−5−ニトロベンゾチアゾール等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。なお、実施例において、収率はいずれもガスクロマトグラフィ内部標準法により求めたものである。
実施例1
50mLフラスコに、42重量%テトラフルオロホウ酸水溶液5.0gと30重量%過酸化水素水1.0gを仕込んだ後、内温60℃に昇温した。ここに、フェニルヒドラジン220mgとジメチルホルムアミド5gとからなる混合液を同温度で1時間かけて滴下し、同温度で1時間攪拌、保持し、反応させた。室温まで冷却し、水10gとトルエン5gを加え、室温で攪拌、静置後、分液処理し、フルオロベンゼンを含む有機層を得た。収率23%。
実施例2
50mLフラスコに、タングステン酸ナトリウム2水和物20mg、30重量%過酸化水素水1350mgおよび42重量%テトラフルオロホウ酸水溶液5.0gを仕込み、内温60℃に昇温した。ここに、4−ヒドラジノトルエン塩酸塩320mg、ジエチレングリコールジメチルエーテル3gおよび水3gからなる混合液を1時間かけて滴下し、同温度で1時間攪拌、保持し、反応させた。室温まで冷却し、水10gとキシレン5gを加え、室温で攪拌、静置後、分液処理し、4−フルオロトルエンを含む有機層を得た。収率56%。
実施例3
実施例2において4−ヒドラジノトルエン塩酸塩320mg、ジエチレングリコールジメチルエーテル3gおよび水3gからなる混合液に代えて、フェニルヒドラジン220mgとジメチルホルムアミド5gとからなる混合液を用いる以外は実施例2と同様に実施して、フルオロベンゼンを含む有機層を得た。収率50%。
実施例4
実施例2において4−ヒドラジノトルエン塩酸塩320mg、ジエチレングリコールジメチルエーテル3gおよび水3gからなる混合液に代えて、4−フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩325mgと水5gとからなる混合液を用いる以外は実施例2と同様に実施して、1,4−ジフルオロベンゼンを含む有機層を得た。収率21%。
実施例5
50mLフラスコに、タングステン酸ナトリウム2水和物20mg、30重量%過酸化水素水1350mgおよび42重量%テトラフルオロホウ酸水溶液5.0gを仕込み、内温60℃に昇温した。ここに、2−ヒドラジノピリジン220mg、ジエチレングリコールジメチルエーテル3gからなる混合液を1時間かけて滴下し、同温度で1時間攪拌、保持し、反応させた。室温まで冷却し、水10gと酢酸エチル5gを加え、室温で攪拌、静置後、分液処理し、2−フルオロピリジンを含む有機層を得た。収率27%。

Claims (4)

  1. テトラフルオロホウ酸および/またはヘキサフルオロリン酸の存在下に芳香族ヒドラジン化合物と過酸化水素とを反応させる含フッ素芳香族化合物の製造方法。
  2. 芳香族ヒドラジン化合物が式(1)
    Figure 2006052204
    (式中、Arは置換されていてもよい芳香族基または置換されていてもよい複素芳香族基を表す。)
    で示される芳香族ヒドラジン化合物であり、得られる含フッ素芳香族化合物が式(2)
    Figure 2006052204
    (式中、Arは前記と同じ意味を表す。)
    で示される含フッ素芳香族化合物である請求項1に記載の含フッ素芳香族化合物の製造方法。
  3. 第Va族金属または該金属元素を含む化合物;
    第VIa族金属または該金属元素を含む化合物;
    第VIIa族金属または該金属元素を含む化合物;
    第VIIIa族金属または該金属元素を含む化合物;
    第Va族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第Va族金属酸化物;
    第VIa族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第VIa族金属酸化物;
    第VIIa族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第VIIa族金属酸化物;
    第VIIIa族金属または該金属元素を含む化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる第VIIIa族金属酸化物;
    からなる群から選ばれる少なくとも一種の存在下に反応させる請求項1に記載の含フッ素芳香族化合物の製造方法。
  4. 過酸化水素として過酸化水素水を用いる請求項1に記載の含フッ素芳香族化合物の製造方法。
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JP2009249355A (ja) * 2008-04-08 2009-10-29 Kanto Denka Kogyo Co Ltd フッ素化されたフルオレン誘導体およびその製造方法
CN110105165A (zh) * 2019-06-12 2019-08-09 黑龙江省科学院石油化学研究院 一种高纯度1,4-二溴萘的制备方法

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