JP4143556B2 - α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンの製造方法 - Google Patents

α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンの製造方法 Download PDF

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本発明は、α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンの新規な合成方法、特にテレフタルジカルボキシアルデヒド(terephthaldicarboxaldehyde)をSOCl及びジメチルホルムアミド(DMF)の混合物と反応させることによるα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンの合成方法に関するものである。
特許文献1には、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンの置換反応によるα,α,α’,α’−テトラフルオロ−p−キシレンの合成方法が開示される。
α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを合成する方法としては、従来以下のような様々な方法が報告されている。
例えば、特許文献2〜7には、下記反応式に従って、光塩素化反応(photochlorination reaction)によるp−キシレンと塩素との反応方法が開示される。
Figure 0004143556
上記方法は、光照明装置(photoillumination device)が必要であり、かつ反応が非常に制御しにくく、ちょうど4個の塩素置換を有する塩素化物を形成しにくい。代わりに、3個以下または5個以上の塩素置換を含む生成混合物が製造されてしまい、純粋な生成物は、極性が似ているため、この生成混合物から分離することが困難である。例えば、特許文献1に開示される光塩素化反応は、110時間という長い反応時間を要するが、収率は35%未満と低い。さらに、この生成混合物は、4個の塩素置換を有する塩素化物だけでなく、3個以下の塩素原子を有する不完全に反応した生成物及び5個以上の塩素原子を有する過剰に反応した生成物をも含んでいる。したがって、このような生成混合物は精製することが困難である。
非特許文献1には、p−キシレンを5塩化リン(PCl)と反応させることによってα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを調製する方法が開示される。このような方法は、下記反応式による。
Figure 0004143556
上記反応において、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレン生成物の収率は、17〜35%であり、分離することが困難である。
また、特許文献7には、4−メチルベンズアルデヒドをPClと反応させ、中間生成物として4−メチル,1−(ジクロロメチル)ベンゼンを形成し、さらに光塩素化反応を行なうことによって、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを調製する方法が開示される。当該公報に開示される方法は、下記反応式によるものである。
Figure 0004143556
上記反応は、2段階反応である。第一反応段階では、反応の収率は96.5%であるが、第二反応段階の収率が非常に低く、生成混合物の精製が非常に困難である。
非特許文献2には、テレフタルジカルボキシアルデヒドをBClと反応させることによってα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを調製する方法が開示される。当該公報に開示される方法は、下記反応式によるものである。
Figure 0004143556
上記反応の収率は98%にまで到達しているものの、BCl自体はガスであるため、輸送が困難である。また、ヘキサンにおける1.0M BClの溶液は、濃度が低いため、体積が大きくなってしまい、溶液を輸送するのが難しい上、大量生産には適さない。
SOCl及び触媒量のDMFが、塩素化ベンズアルデヒドまたはフェニル環に置換基を有するベンズアルデヒド化合物の製造に使用できる。例えば、非特許文献3には、α,α−ジクロロトルエンがSOCl/DMFとベンズアルデヒドとの反応によって製造できることが報告される。
国際公開第98/24743号パンフレット(1998)、Dolbier, William R., Jr.; Rong, Xiao X.; Stalzer, Walter E. et. al. 米国特許第4,328,374号明細書(1982) 米国特許第4,465,865号明細書(1984) 特開昭51−006,931号公報 特開昭56−123,329号公報 欧州特許出願公開公報第54,634号明細書(1982) 特開昭54−125629号公報 Mikhailov, V. S.; Matyushecheva, G. I.; Yagupol’shii, L. M.; Zh. Org. Khim., 9(9), 1824(1973) George W. Kabalka; Zhongzhi Wu, Tetrahedron Lett. 2000, 41, 579-581 Melvin S. Newman, P. K. Sujeeth, J. Org.Chem., 43(22), 4367, 1978
本発明は、副生成物の形成を抑制して、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを高い収率で製造する方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、光塩素化反応を伴わずにα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを製造する方法を提供することである。
上記目的は、下記(1)〜(6)によって達成される。
(1)テレフタルジカルボキシアルデヒドをSOCl及びジメチルホルムアミドの混合物と反応させて、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを合成する段階を有する、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンの製造方法。
(2)上記反応を70〜95℃の温度で行なう、前記(1)に記載の方法。
(3)上記反応に使用されるSOClの量は、反応に使用されるテレフタルジカルボキシアルデヒドの2〜3倍モルである、前記(1)または(2)に記載の方法。
(4)上記反応に使用されるジメチルホルムアミドの量は、反応に使用されるテレフタルジカルボキシアルデヒド1モル当たり、5〜25gである、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)上記反応により得られた生成混合物を水と接触させて、固体沈殿物を形成し;該固体沈殿物を混合物から除去し;該固体沈殿物をシリカカラムに入れて、カラムを非極性溶剤で溶出し;溶出により得られた溶出液を集め;さらに、溶出液に含まれる非極性溶剤を除去して、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレン固体を得る段階をさらに有する、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)上記非極性溶剤はn−ヘキサンである、前記(5)に記載の方法。
本発明の方法により、テレフタルジカルボキシアルデヒドをSOCl/DMFと反応させることによって、副生成物としての4−ジクロロメチルベンズアルデヒドの形成が抑制され、目的物であるα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを高い収率で製造することができる。また、反応体であるテレフタルジカルボキシアルデヒド自体が固体であるため、溶剤が存在しないと、SOClと混合することが困難であるが、当該反応に不活性なジメチルホルムアミド(DMF)中でこの反応を70〜95℃の温度で行なうことによって、反応が良好に進行し、上記混合時の問題が解決できる。また、BClを塩素化剤として用いた上記方法と比べると、本発明で使用される塩素化剤、SOClは、より安価であり、体積が小さく、輸送が簡便であるという利点がある。上記利点に加えて、従来の光塩素化反応と比較すると、本発明の方法は、より高い収率、より短い反応時間及びより低い反応温度が達成できるという利点もある。加えて、本発明の方法は光塩素化反応を伴わないので、特殊な光照明装置(photoillumination device)を必要としないという利点もある。
また、本発明の方法では、テレフタルジカルボキシアルデヒドとSOCl/DMFとの反応においてテレフタルジカルボキシアルデヒド中にSOCl/DMFをバッチ式に(段階的に)添加することによって、副生成物である4−ジクロロメチルベンズアルデヒドの含量を2モル%以下にまで下げることが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、テレフタルジカルボキシアルデヒド(terephthaldicarboxaldehyde)をSOCl及びジメチルホルムアミド(DMF)の混合物と反応して、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを合成することを有する、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンの製造方法に関するものである。本発明の方法によると、テレフタルジカルボキシアルデヒドをSOCl/DMFと反応させることによって、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレン及び約10〜20モル%の副生成物としての4−ジクロロメチルベンズアルデヒドが製造され、目的物であるα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを高い収率で得ることができる。また、反応体であるテレフタルジカルボキシアルデヒド自体が固体であるため、溶剤が存在しないと、SOClと混合することが困難であるが、テレフタルジカルボキシアルデヒドとSOClとの反応をジメチルホルムアミド(DMF)等の当該反応に不活性な溶剤中で70〜95℃の温度で行なうことによって、上記混合時の問題が解決できることが判明した。また、BClを塩素化剤として用いた上記方法と比べると、本発明で使用される塩素化剤、SOClは、より安価であり、体積が小さく、輸送が簡便であるという利点がある。上記利点に加えて、従来光塩素化反応と比較すると、本発明の方法は、より高い収率、より短い反応時間及びより低い反応温度が達成できるという利点もある。本発明の方法によって製造される目的物質であるα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンと副生成物である4−ジクロロメチルベンズアルデヒドは、極性が大きく相違するため、目的物質の分離・精製が容易である。
本発明の方法において、反応に使用されるSOClの量は、テレフタルジカルボキシアルデヒドを目的の塩素原子数で十分塩素化できる(即ち、4個の塩素置換が効率よく達成できる)量であれば特に制限されないが、反応に使用されるテレフタルジカルボキシアルデヒドに対して、0.1〜10倍モル、より好ましくは2〜3倍モルであることが好ましい。
また、本発明の方法において、反応に使用されるジメチルホルムアミドの量は、所望の反応が効率よく進行できる量であれば特に制限されないが、反応に使用されるテレフタルジカルボキシアルデヒド1モル当たり、1〜100g、より好ましくは5〜25gであることが好ましい。
また、本発明の方法において、テレフタルジカルボキシアルデヒドとSOCl及びジメチルホルムアミド(DMF)の混合物との反応条件は、上記反応が進行する条件であれば特に制限されないが、例えば、反応温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは70〜95℃である。
本発明の方法において、テレフタルジカルボキシアルデヒド、SOCl及びジメチルホルムアミド(DMF)の添加順序は、それぞれを単独で添加していっても、あるいはテレフタルジカルボキシアルデヒド及びDMFを容器に添加してテレフタルジカルボキシアルデヒドをDMFに溶解した後、この溶液にSOClを添加しても、あるいはSOCl及びDMFを容器に添加してSOClをDMFに溶解した後、この溶液にテレフタルジカルボキシアルデヒドを添加しても、あるいはテレフタルジカルボキシアルデヒドを、DMFに溶解したSOClの溶液に添加しても、あるいはテレフタルジカルボキシアルデヒド及びSOClをDMFの中に一括して投入してもいずれの順序であってもよいが、好ましくはテレフタルジカルボキシアルデヒド及びDMFを容器に添加してテレフタルジカルボキシアルデヒドをDMFに溶解した後、この溶液にSOClを添加する、またはテレフタルジカルボキシアルデヒドを、DMFに溶解したSOClの溶液に添加する。
好ましくは、本発明の方法は、上記反応により得られた生成混合物を水、好ましくは冷却水(例えば、氷水)と接触させて、固体沈殿物を形成させ;この固体沈殿物を混合物から除去し;該固体沈殿物をシリカカラムに入れて、カラムを非極性溶剤で溶出し;溶出により得られた溶出液を集め;さらに、溶出液に含まれる非極性溶剤を除去して、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレン固体を得る段階をさらに有することが好ましい。これにより、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンがより高い純度で固体として得ることができる。
上記本発明の好ましい方法において、水との接触で形成した固体沈殿物を、水、好ましくは冷却水(例えば、氷水)で、1回または複数回、好ましくは複数回洗浄することが好ましい。また、固体沈殿物をシリカカラムに入れて、カラムを非極性溶剤で溶出する段階において、非極性溶剤としては、目的物質であるα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを効率よく溶出できるものであれば特に制限されないが、好ましくはn−ヘキサンである。また、上記溶出段階において、溶出段階は、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを溶出する段階および副生成物の4−ジクロロメチルベンズアルデヒドを溶出する段階の2段階で行なうことが好ましい。上記好ましい実施態様において、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを溶出する段階で使用される溶出溶媒は、好ましくはn−ヘキサンであり、副生成物の4−ジクロロメチルベンズアルデヒドを溶出する段階で使用される溶出溶媒は、好ましくはn−ヘキサンを含む混合溶液、例えば、n−ヘキサン/酢酸メチル、n−ヘキサン/酢酸エチル、好ましくはn−ヘキサン/酢酸エチルである。
本発明はまた、テレフタルジカルボキシアルデヒドをSOCl及びジメチルホルムアミド(DMF)の混合物と反応させて、主成分としてのα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレン及び副生成物としての4−ジクロロメチルベンズアルデヒドを得(第一反応段階);当該生成混合物中にSOCl及びDMFを添加し(第二反応段階);さらに第二反応段階で得られた生成混合物を水、好ましくは冷却水と接触させて、90〜99モル%という高い純度のα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを固体生成物として得る段階を有する、高純度のα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンの製造方法をも提供するものである。
好ましくは、当該高純度のα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを合成する方法は、第二反応段階で得られた生成混合物を水、好ましくは冷却水と接触させることにより得られる固体−液体混合物を加熱、攪拌して分散液を形成し;得られた固体生成物の微粒子を分散液から除去して、微粒子を乾燥して、上記固体生成物より高い純度を有するα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを粉末の形態で得る段階をさらに有している。より好ましくは、当該方法は、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレン粉末を、SOCl及びDMFを含む混合物と反応させ(第三反応段階);第三反応段階で得られた生成混合物を水と接触させて、固体沈殿物を形成させ;この固体沈殿物を上記接触により得られた固体−液体混合物から除去し;さらに得られた固体沈殿物を乾燥して、上記よりさらにより高い純度を有するα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを得る。
上記第一反応段階において、反応に使用されるSOClの量は、所望の4個の塩素置換を有する化合物を効率よく製造できる量であれば特に制限されないが、反応に使用されるテレフタルジカルボキシアルデヒドの、好ましくは0.1〜10倍モル、より好ましくは1.5〜3倍モルである。
また、上記第一反応段階において、反応に使用されるジメチルホルムアミドの量は、所望の反応が効率よく進行できる量であれば特に制限されないが、反応に使用されるテレフタルジカルボキシアルデヒド1モル当たり、1〜100g、より好ましくは5〜25gであることが好ましい。
SOClの使用量は、第一及び第二の段階で異なる量であってもあるいは等しい量であってもいずれでもよく、第二反応段階において、反応に使用されるSOClの量は、テレフタルジカルボキシアルデヒドおよび/または副生成物である4−ジクロロメチルベンズアルデヒドを目的の塩素原子数で十分塩素化できる(即ち、4個の塩素置換が効率よく達成できる)量であれば特に制限されないが、好ましくは第一及び第二の段階で等量である。また、DMFの使用量も、所望の反応が効率よく進行できる量であれば特に制限されず、第一及び第二の段階で異なる量であってもあるいは等しい量であってもいずれでもよいが、好ましくは第一及び第二の段階で等量である。
第三反応段階におけるSOClの使用量は、所望の4個の塩素置換を有する化合物を効率よく製造できる量であれば特に制限されず、第一/第二反応段階の使用量に比べて多い若しくは少ないまたはこれと等しくでもいずれでもよいが、好ましくは、第三反応段階におけるSOClの使用量は、第一反応段階の使用量に比べて少ない。また、第三反応段階におけるDMFの使用量もまた、所望の反応が効率よく進行できる量であれば特に制限されず、第一/第二反応段階の使用量に比べて多い若しくは少ないまたはこれと等しくでもいずれでもよいが、第一反応段階の使用量に比べて少ないことが好ましい。
好ましくは、第一、第二及び第三の段階の反応条件は、上記反応がそれぞれ有効に進行する条件であれば特に制限されないが、例えば、反応温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましくは70〜95℃である。この際、第一、第二及び第三の段階の反応条件は、それぞれ、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。
下記実施例を参照しながら、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
35g(0.26mol)のテレフタルジカルボキシアルデヒド及び1.7gのDMFを、100mlの丸底フラスコに入れ、油浴で70℃で加熱した。80g(0.67mol)のSOClを、30分かけてゆっくり添加した。添加し終わったら、油浴の温度を95℃に3時間上げた。反応が終了したら、生成混合物を500mlの氷水に注ぐと、固体生成物が形成した。次に、この固体生成物を濾別し、100mlの氷水で3回洗浄し、70℃/3mmHgの減圧下で3時間乾燥した。乾燥後、未精製産物を、シリカカラムクロマトグラフィーで精製した。この際、第一の溶出段階で使用した溶出液はn−ヘキサンであり、第二の溶出段階で使用した溶出液はn−ヘキサン/酢酸エチル(20:1)であった。第一の溶出段階から集められた溶出液を、有機溶剤を蒸発させることによって濃縮することによって、48.5g(0.20mol)のα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを77%の収率で得た。第二の溶出段階から集められた溶出液を、蒸発によって濃縮することによって、9.0g(0.048mol)の4−ジクロロメチルベンズアルデヒドを18.0%の収率で得た。これらの分析結果を以下に示す。
Figure 0004143556
融点:96℃
H−NMR(CDCl)δ:
6.79(2H,s,−CClH)
7.70(4H,s,−Ph)
MS:m/z 244(M
Figure 0004143556
融点:64℃
H−NMR(CDCl)δ:
6.81(1H,s,−CClH)
7.75(2H,d,−Ph)
7.97(2H,d,−Ph)
10.1(1H,s,−CHO)
IR(KBr):1680cm−1
MS:m/z 189(M
実施例2
35g(0.26mol)のテレフタルジカルボキシアルデヒド及び1.7gのDMFを、100mlの丸底フラスコに入れ、80g(0.67mol)のSOClを添加した。この溶液を、95℃で3時間、油浴で加熱した。反応が終了したら、生成混合物を500mlの氷水に注ぎ、固体生成物を形成させた。次に、この固体生成物を濾別し、100mlの氷水で3回洗浄し、70℃/3mmHgの減圧下で3時間乾燥した。乾燥後、未精製産物を、シリカカラムクロマトグラフィーで精製した。この際、第一の溶出段階で使用した溶出液はn−ヘキサンであり、第二の溶出段階で使用した溶出液はn−ヘキサン/酢酸エチル(20:1)であった。第一の溶出段階から集められた溶出液を、蒸発によって濃縮することによって、51.65g(0.21mol)のα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを81%の収率で得た。第二の溶出段階から集められた溶出液を、蒸発によって濃縮することによって、8.4g(0.045mol)の4−ジクロロメチルベンズアルデヒドを17.3%の収率で得た。
実施例3
1000g(7.46mol)のテレフタルジカルボキシアルデヒドを5リットルの丸底フラスコに入れ、窒素雰囲気中で、1776g(1090ml,14.92mol)のSOCl及び157.2g(2.15mol)のDMFを添加した。この溶液を、機械的に攪拌しながら、70℃で1時間、油浴で加熱した。得られた混合物に、1776g(1090ml,14.92mol)のSOCl及び157.2g(2.15mol)のDMFを加え、機械的に攪拌しながら、70℃で1時間、加熱した。次に、この加熱反応生成混合物を、攪拌しながら、氷水に注ぎ、固体−液体混合物を形成させた。この固体−液体混合物を、激しく攪拌しながら、熱水浴で間接的に加熱して、分散液を形成した。この際、固体生成物の微粒子は液体中に良好に分散していた。熱水浴を取り除いて、分散液をゆっくり室温まで冷却した。分散液中の固体を濾別して、乾燥することによって、1710gの粉末状の生成物が得られた。この生成物である粉末は、94%のα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレン及び6%の4−ジクロロメチルベンズアルデヒドを含む。
120gの上記粉末生成物を250mlの丸底フラスコに入れた。窒素雰囲気中で、30mlのSOCl及び4mlのDMFをフラスコに加えて、得られた混合物を80℃で2時間加熱した。この加熱反応生成混合物を、攪拌しながら、氷水に注ぎ、固体−液体混合物を形成させた。この固体−液体混合物を、激しく攪拌しながら、熱水浴で間接的に加熱して、分散液を形成した。熱水浴を取り除いて、分散液をゆっくり室温まで冷却した。分散液中の固体を濾別して、乾燥することによって、99.1%の純度を有するα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを含む粉末形態の生成物が122g得られた。
実施例4
14.4g(0.10mol)のテレフタルジカルボキシアルデヒド、1.9g(2ml,0.026mol)のDMF、及び24.5g(15ml,0.20mol)のSOClを、250mlの丸底フラスコに入れた。この混合物を、窒素雰囲気中で1時間85〜90℃で混合した。次に、24.5g(15ml,0.20mol)のSOCl及び1.9g(2ml,0.026mol)のDMFを混合物に滴下し、反応温度を90℃まで2時間上げた。さらに、この加熱反応生成混合物を、攪拌しながら、500mlの氷水に注ぎ、固体−液体混合物を形成させた。この固体−液体混合物を、激しく攪拌しながら、熱水浴で間接的に加熱して、分散液を形成した。この際、固体生成物の微粒子は液体中に良好に分散していた。熱水浴を取り除いて、分散液をゆっくり室温まで冷却した。分散液中の固体を濾別して、乾燥することによって、98.7%の純度を有するα,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを乾燥粉末形態で23g(0.094mol,収率:94%)得た。
本発明の方法を用いることによって、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンが、副生成物をほとんど含まずに、高い収率で製造できる。

Claims (4)

  1. テレフタルジカルボキシアルデヒドをSOCl及びジメチルホルムアミドの混合物と反応させて、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンを合成する段階を有反応を70〜95℃の温度で行ない、反応に使用されるSOCl の量は、反応に使用されるテレフタルジカルボキシアルデヒドの0.1〜10倍モルであり、反応に使用されるジメチルホルムアミドの量は、反応に使用されるテレフタルジカルボキシアルデヒド1モル当たり、5〜25gである、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレンの製造方法。
  2. 反応に使用されるSOClの量は、反応に使用されるテレフタルジカルボキシアルデヒドの2〜4.06倍モルである、請求項1に記載の方法。
  3. 反応により得られた生成混合物を水と接触させて、固体沈殿物を形成し;該固体沈殿物を混合物から除去し;該固体沈殿物をシリカカラムに入れて、カラムを非極性溶剤で溶出し;溶出により得られた溶出液を集め;さらに、溶出液に含まれる非極性溶剤を除去して、α,α,α’,α’−テトラクロロ−p−キシレン固体を得る段階をさらに有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 該非極性溶剤はn−ヘキサンである、請求項に記載の方法。
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