JP2003277329A - オキシム化合物またはニトロ化合物の製造方法とその触媒 - Google Patents

オキシム化合物またはニトロ化合物の製造方法とその触媒

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一級アミン(ただし、アミノ基が結合した
炭素原子は少なくとも一つの水素原子を有する。)と過
酸化水素を反応させて、オキシム化合物またはニトロ化
合物を工業的に有利に製造する方法を提供すること。 【解決手段】タングステン金属、モリブデン金属、タン
グステンと第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素ま
たは酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化
合物およびモリブデンと第IIIb族元素、第IVb族元素、
第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素とからなるモ
リブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種
と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒の存
在下に、一級アミン(ただし、アミノ基が結合した炭素
原子は少なくとも一つの水素原子を有する。)と過酸化
水素とを反応させることを特徴とするオキシム化合物ま
たはニトロ化合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオキシム化合物また
はニトロ化合物の製造方法とその触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】オキシム化合物およびニトロ化合物は、
各種化学製品およびその合成中間体等として重要な化合
物である。一級アミン(ただし、アミノ基が結合した炭
素原子は少なくとも一つの水素原子を有する。以下、一
級アミンと略記する。)を直接酸化して、ニトロ化合物
を製造する方法としては、例えばm−クロロ過安息香酸
や過トリフルオロ酢酸等の過酸類を用いる方法(例えば
非特許文献1参照。)、オゾンを用いる方法(例えば非
特許文献2参照。)、クロム担持シリカ触媒およびte
rt−ブチルヒドロペルオキシドを用いる方法(例えば
非特許文献3参照。)、アセトニトリル水中、フッ素ガ
スを用いる方法(例えば非特許文献4参照。)、ジメチ
ルジオキシランを用いる方法(例えば非特許文献5参
照。)等が知られているが、高価な過酸類や触媒を用い
ていたり、防災上問題のあるフッ素ガス、オゾン、ジメ
チルジオキソランを用いているという点で、いずれも工
業的な観点からは満足し得るものではなかった。
【0003】また、対応する一級アミンを直接酸化し
て、オキシム化合物を製造する方法としては、例えばジ
メチルジオキシランを用いる方法(例えば非特許文献6
参照。)等が知られているが、防災上問題のあるジメチ
ルジオキソランを用いていることに加え、容積効率や選
択性も低く、工業的には満足し得るものではなかった。
【0004】一方、過酸化水素は、安価で、取扱いが容
易で、しかも反応後には無害な水となる、クリーンで優
れた酸化剤として近年注目を集めており、一級アミンと
過酸化水素を反応させて、オキシム化合物を製造する方
法が種々報告されている。例えばペルオキソタングス
トリン酸触媒を用いる方法(例えば非特許文献7参
照。)、タングステン酸ナトリウム触媒を用いる方法
(例えば非特許文献8、非特許文献9参照。)、メチ
ルレニウムトリオキシド触媒を用いる方法(例えば非特
許文献10参照。)、チタニウムシリカライトモレキ
ュラーシーブス(TS−1)触媒を用いる方法(例えば
非特許文献11参照。)等が報告されている。しかしな
がら、の方法は、高価な触媒を調製する必要があるこ
と、の方法は、触媒の活性が充分とは言えず、オキシ
ム化合物の収率が全般に低めであること、の方法は、
触媒が高価であること、の方法は、高価なTS−1触
媒を調製する必要があり、さらに該触媒の活性も低いこ
と等何れの方法も、工業的に十分満足し得るものではな
かった。
【0005】また、一級アミンと過酸化水素を反応させ
て、ニトロ化合物を製造する方法は、これまで報告され
ていなかった。
【0006】
【非特許文献1】J.Org.Chem.,58,13
72(1993)
【非特許文献2】Synthetic Commu
n.,20,1073(1990)
【非特許文献3】J.Chem.Soc.,Chem.
Commun.,1523(1995)
【非特許文献4】J.Org.Chem.,57,73
42(1992)
【非特許文献5】Tetrahedron Let
t.,27,2335(1986)
【非特許文献6】J.Org.Chem.,57,67
59(1992)
【非特許文献7】Chem.Lett.,289(19
92)
【非特許文献8】Bull.Soc.Chim.F
r.,2730(1965)
【非特許文献9】Angew.Chem.,72,13
5(1960)
【非特許文献10】Bull.Chem.Soc.Jp
n.,70,877(1997)
【非特許文献11】J.Chem.Soc.Perki
n Trans.I,2665(1993)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような状況のも
と、本発明者は、一級アミン(ただし、アミノ基が結合
した炭素原子は少なくとも一つの水素原子を有する。)
と過酸化水素を反応させて、オキシム化合物またはニト
ロ化合物を工業的に有利に製造する方法について鋭意検
討したところ、安価で入手が容易なタングステン金属、
モリブデン金属、ホウ化タングステン等のタングステン
化合物およびホウ化モリブデン等のモリブデン化合物か
らなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを
反応せしめてなる金属酸化物が、前記一級アミンと過酸
化水素との反応において、良好な触媒活性を示すこと、
該金属酸化物触媒の存在下に、前記一級アミンと過酸化
水素とを反応させることにより、オキシム化合物または
ニトロ化合物が得られることを見出し、本発明に至っ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、タン
グステン金属、モリブデン金属、タングステンと第IIIb
族元素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸素を除く第V
Ib族元素とからなるタングステン化合物およびモリブデ
ンと第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸
素を除く第VIb族元素とからなるモリブデン化合物から
なる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反
応せしめてなる金属酸化物触媒の存在下に、一級アミン
(ただし、アミノ基が結合した炭素原子は少なくとも一
つの水素原子を有する。)と過酸化水素とを反応させる
ことを特徴とするオキシム化合物またはニトロ化合物の
製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】まず本発明に用いられる触媒につ
いて説明する。本発明には、タングステン金属、モリブ
デン金属、タングステンと第IIIb族元素、第IVb族元
素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素とからな
るタングステン化合物およびモリブデンと第IIIb族元
素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族
元素とからなるモリブデン化合物からなる群から選ばれ
る少なくとも一種(以下、金属化合物と略記する。)と
過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒が用い
られる。
【0010】タングステンと第IIIb族元素とからなるタ
ングステン化合物としては、例えばホウ化タングステン
等が、タングステンと第IVb族元素とからなるタングス
テン化合物としては、例えば炭化タングステン、ケイ化
タングステン等が、タングステンと第Vb族元素とからな
るタングステン化合物としては、例えばチッ化タングス
テン、リン化タングステン等が、タングステンと酸素を
除く第VIb族元素とからなるタングステン化合物として
は、例えば硫化タングステン等がそれぞれ挙げられる。
【0011】モリブデンと第IIIb族元素とからなるモリ
ブデン化合物としては、例えばホウ化モリブデン等が、
モリブデンと第IVb族元素とからなるモリブデン化合物
としては、例えば炭化モリブデン、ケイ化モリブデン等
が、モリブデンと第Vb族元素とからなるモリブデン化合
物としては、例えばチッ化モリブデン、リン化モリブデ
ン等が、モリブデンと酸素を除く第VIb族元素とからな
るモリブデン化合物としては、例えば硫化モリブデン等
がそれぞれ挙げられる。
【0012】かかる金属化合物のなかでも、タングステ
ン金属、ホウ化タングステン、硫化タングステン、モリ
ブデン金属が好ましい。また、かかる金属化合物はそれ
ぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いて
もよい。
【0013】かかる金属化合物と反応せしめる過酸化水
素としては、通常水溶液が用いられる。もちろん過酸化
水素の有機溶媒溶液を用いてもよいが、取扱いが容易と
いう点で、過酸化水素水を用いることが好ましい。過酸
化水素水もしくは過酸化水素の有機溶媒溶液中の過酸化
水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を
考慮すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化
水素水を用いる場合は、通常市販のものをそのままもし
くは必要に応じて希釈、濃縮等により濃度調整を行なっ
たものを用いればよい。また過酸化水素の有機溶媒溶液
を用いる場合は、例えば過酸化水素水を有機溶媒で抽出
処理する、もしくは有機溶媒の存在下に過酸化水素水を
蒸留処理する等の手段により、調製したものを用いれば
よい。
【0014】金属化合物と反応せしめる過酸化水素の使
用量は、金属化合物に対して、通常3モル倍以上、好ま
しくは5モル倍以上であり、その上限は特にない。
【0015】金属化合物と過酸化水素との反応は、通常
水溶液中で実施される。もちろん例えばジエチルエーテ
ル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステ
ル系溶媒、例えばメタノール、エタノール、tert−
ブタノール等のアルコール系溶媒、例えばアセトニトリ
ル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒等の有機溶媒
中または該有機溶媒と水との混合溶媒中で実施してもよ
い。
【0016】金属化合物と過酸化水素との反応は、通常
その両者を混合、接触させることにより行われ、金属化
合物と過酸化水素との接触効率をより向上させるため、
金属酸化物調製液中で、金属化合物が十分分散するよう
攪拌しながら反応を行うことが好ましい。また金属化合
物と過酸化水素との接触効率を高め、金属酸化物調製時
の制御をより容易にするという点で、例えば粉末状の金
属化合物等粒径の小さな金属化合物を用いることが好ま
しい。
【0017】金属酸化物調製時の調製温度は、通常−1
0〜100℃である。
【0018】金属化合物と過酸化水素とを、水中、有機
溶媒中もしくは有機溶媒と水との混合溶媒中で反応させ
ることにより、金属化合物の一部または全部が溶解し
て、金属酸化物を含む均一溶液もしくは懸濁液を調製す
ることができるが、該金属酸化物を、例えば濃縮処理等
により調製液から取り出して、触媒として用いてもよい
し、該調製液をそのまま触媒として用いてもよい。
【0019】続いて、上記金属酸化物触媒の存在下に、
一級アミン(ただし、アミノ基が結合した炭素原子は少
なくとも一つの水素原子を有する。以下、一級アミンと
略記する。)と過酸化水素とを反応させて、オキシム化
合物またはニトロ化合物を製造する方法について説明す
る。
【0020】本発明に用いられる一級アミンとしては、
アミノ基に一つの置換基が結合したものであって、アミ
ノ基が結合した炭素原子が少なくとも一つの水素原子を
有する一級アミンであれば、特に制限されない。またか
かるアミノ基をその分子内に一つ有するものであっても
よいし、二つ以上有するものであってもよい。
【0021】かかる一級アミンとしては、例えば一般式
(1) (式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なっ
て、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換
されていてもよいアリール基または置換されていてもよ
いアラルキル基を表わす。ただし、R1とR2が同時に水
素原子であることはない。また、R1およびR2が結合し
て環を形成していてもよい。)で示される一級アミンが
挙げられる。
【0022】置換されていてもよいアルキル基として
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デ
シル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプ
ロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メン
チル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数1〜2
0のアルキル基およびこれらアルキル基が、例えばメト
キシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、例えばフェノキ
シ基等のアリールオキシ基、例えばベンジルオキシ基等
のアラルキルオキシ基、例えばフッ素原子、塩素原子等
のハロゲン原子、例えばアセチル基、ベンゾイル基等の
アシル基、例えばカルボメトキシ基、カルボエトキシ基
等のカルボアルコキシ基、例えばカルボフェノキシ基等
のカルボアリールオキシ基、例えばカルボベンジルオキ
シ基等のカルボアラルキルオキシ基、カルボキシル基等
の置換基で置換された、例えばフルオロメチル基、クロ
ロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル
基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、カルボメト
キシメチル基等が挙げられる。
【0023】置換されていてもよいアリール基として
は、例えばフェニル基、ナフチル基等およびこれらフェ
ニル基、ナフチル基等を構成する芳香環が、前記置換さ
れていてもよいアルキル基、アリール基、後述するアラ
ルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキ
ルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基等で置換された、
例えば2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、
4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−
フェノキシフェニル基等が挙げられる。
【0024】置換されていてもよいアラルキル基として
は、前記置換されていてもよいアリール基と前記置換さ
れていてもよいアルキル基とから構成されるものが挙げ
られ、例えばベンジル基、4−クロロベンジル基、4−
メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、3−フェ
ノキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロベ
ンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチ
ルベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−
メトキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ
−4−メトキシメチルベンジル基等が挙げられる。
【0025】R1およびR2が結合して環を形成している
場合の該環としては、例えばシクロペンタン環、シクロ
ヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロドデカン環等が
挙げられる。
【0026】かかる一級アミンとしては、例えばメチル
アミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチ
ルアミン、n−アミルアミン、n−ヘキシルアミン、n
−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルア
ミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、イソプ
ロピルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミ
ン、イソアミルアミン、1−メチルブチルアミン、2−
メチルブチルアミン、シクロブチルアミン、シクロペン
チルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロドデシルア
ミン、ベンジルアミン、1−フェニルエチルアミン、2
−フェニルエチルアミン、1−(4−クロロフェニル)
エチルアミン、1−(3−メトキシフェニル)エチルア
ミン、1−(2,4−ジクロロフェニル)エチルアミ
ン、1−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルア
ミン、1−フェニルプロピルアミン、1−フェニル−2
−メチルプロピルアミン、1−(3,4−メチレンジオ
キシフェニル)ブチルアミン、1−フェニル−2−(4
−メチルフェニル)エチルアミン、1−ナフチルエチル
アミン、1,6−ヘキサンジアミン等が挙げられる。
【0027】かかる一級アミンの中には、その分子内に
不斉炭素原子を有するものが存在するが、本発明には、
光学異性体の単独または混合物のいずれを用いてもよ
い。また、かかる一級アミンとして、例えば一級アミン
・塩酸塩、一級アミン・硫酸塩等の一級アミンと酸との
塩を用いてもよい。
【0028】前記金属酸化物触媒の存在下に、一級アミ
ンと過酸化水素とを反応させることにより、一級アミン
のアミノ基が酸化されたオキシム化合物またはニトロ化
合物が生成する。
【0029】一級アミンとして、上記一般式(1)で示
される一級アミンを用いた場合には、下記一般式(2) (式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるオキシム化合物または下記一般式(3) (式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるニトロ化合物が得られる。
【0030】一級アミンと過酸化水素との反応における
金属酸化物の使用量は、一級アミンに対して、通常0.
001モル倍以上であり、その上限は特にないが、経済
的な面を考慮すると、実用的には、一級アミンに対し
て、1モル倍以下である。
【0031】過酸化水素は、通常水溶液として用いられ
る。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよ
い。過酸化水素水もしくは有機溶媒溶液中の過酸化水素
濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮
すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素
水は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じて
希釈、濃縮等により濃度調整を行なった後用いられる。
過酸化水素の有機溶媒溶液は、例えば過酸化水素水を有
機溶媒で抽出処理する、もしくは有機溶媒の存在下に過
酸化水素水を蒸留処理する等の手段により、調製するこ
とができる。
【0032】過酸化水素の使用量は、一級アミンのアミ
ノ基に対して、通常1モル倍以上であり、その使用量の
上限は特にないが、経済的な面も考慮すると、実用的に
は、一級アミンのアミノ基に対して、10モル倍以下で
ある。なお、触媒として、金属酸化物を含む調製液を用
いる場合は、該調製液中の過酸化水素量を含めて、過酸
化水素の使用量を設定してもよい。
【0033】本反応は、通常水中、有機溶媒中または有
機溶媒と水との混合溶媒中で実施される。有機溶媒とし
ては、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、
例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばメタノー
ル、エタノール、tert−ブタノール等のアルコール
系溶媒、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等の
ニトリル系溶媒、例えばトルエン、キシレン、クロロベ
ンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばシクロヘキサ
ン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げら
れる。水または有機溶媒の使用量は特に制限されない
が、容積効率等を考慮すると、実用的には、一級アミン
に対して、100重量倍以下である。
【0034】反応温度があまり低いと反応が進行しにく
く、また反応温度があまり高いと原料の一級アミンや生
成するオキシム化合物またはニトロ化合物の分解等副反
応が進行する恐れがあるため、実用的な反応温度は、0
〜100℃の範囲である。
【0035】本反応は、通常一級アミン、過酸化水素お
よび金属酸化物触媒を混合、接触することにより実施さ
れるが、その混合順序により、主生成物が異なる。例え
ば一級アミンと金属酸化物触媒との混合物中に、過酸化
水素を加える場合には、オキシム化合物が主生成物とし
て得られ、過酸化水素と金属酸化物触媒との混合物中
に、一級アミンを加える場合には、ニトロ化合物が主生
成物として得られる。したがって、目的化合物に応じ
て、混合順序を選択すればよい。
【0036】また、例えば金属化合物、過酸化水素およ
び一級アミンを混合、接触させて、金属酸化物触媒の調
製操作と、一級アミンと過酸化水素との反応を同時に行
ってもよい。
【0037】また、本反応は、アンモニアの共存下に反
応を実施してもよい。アンモニアとしては、アンモニア
水、アンモニアガス、アンモニア/有機溶媒溶液のいず
れであってもよい。その使用量は特に制限されないが、
あまり多すぎても経済的に不利になりやすいため、実用
的には、一級アミンに対して、通常10モル倍以下であ
る。
【0038】本反応は、常圧条件下で実施してもよい
し、加圧条件下で実施してもよい。また、反応の進行
は、例えばガスクロマトグラフィ、高速液体クロマトグ
ラフィ、薄層クロマトグラフィ、NMR、IR等の通常
の分析手段により確認することができる。
【0039】反応終了後、反応液をそのままもしくは必
要に応じて残存する過酸化水素を、例えばチオ硫酸ナト
リウム等の還元剤で分解した後、濃縮処理、晶析処理等
することにより、目的とするオキシム化合物またはニト
ロ化合物を取り出すことができる。また、反応液に、必
要に応じて水および/または水に不溶の有機溶媒を加
え、抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することに
より、オキシム化合物またはニトロ化合物を取り出すこ
ともできる。取り出したオキシム化合物またはニトロ化
合物は、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ等の手段
によりさらに精製してもよい。
【0040】水に不溶の有機溶媒としては、例えばトル
エン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系
溶媒、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロ
ホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばジエチル
エーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等の
エステル系溶媒等が挙げられ、その使用量は特に制限さ
れない。
【0041】また、目的とするオキシム化合物またはニ
トロ化合物を晶析処理により取り出した後の濾液や反応
液を抽出処理して得られる水層は、本反応の金属酸化物
触媒を含んでおり、そのままもしくは必要に応じて濃縮
処理等を行った後、再度本反応に使用することができ
る。
【0042】かくして得られるオキシム化合物として
は、例えばホルムアルデヒドオキシム、アセトアルデヒ
ドオキシム、プロピオンアルデヒドオキシム、n−ブチ
ルアルデヒドオキシム、n−アミルアルデヒドオキシ
ム、n−ヘキシルアルデヒドオキシム、n−ヘプチルア
ルデヒドオキシム、n−オクチルアルデヒドオキシム、
n−ノニルアルデヒドオキシム、n−デシルアルデヒド
オキシム、n−ドデシルアルデヒドオキシム、アセトン
オキシム、メチルエチルケトンオキシム、sec−ブチ
ルアルデヒドオキシム、イソアミルアルデヒドオキシ
ム、1−メチルプロピルケトンオキシム、2−メチルブ
チルアルデヒドオキシム、シクロブタノンオキシム、シ
クロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、
シクロドデカノンオキシム、ベンズアルデヒドオキシ
ム、アセトフェノンオキシム、フェニルアセトアルデヒ
ドオキシム、4−クロロアセトフェノンオキシム、3−
メトキシフェニルアセトフェノンオキシム、2,4−ジ
クロロアセトフェノンオキシム、4−トリフルオロメチ
ルアセトフェノンオキシム、フェニルエチルケトンオキ
シム、フェニルイソプロピルケトンオキシム、3,4−
メチレンジオキシフェニルプロピルケトンオキシム、フ
ェニル(4−メチルフェニル)メチルケトンオキシム、
1−アセトナフトンオキシム等が挙げられる。
【0043】また、ニトロ化合物としては、例えばニト
ロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、1−ニ
トロブタン、1−ニトロペンタン、1−ニトロヘキサ
ン、1−ニトロヘプタン、1−ニトロオクタン、1−ニ
トロノナン、1−ニトロデカン、1−ニトロドデカン、
2−ニトロプロパン、2−メチル−1−ニトロプロパ
ン、2−ニトロブタン、3−メチル−1−ニトロブタ
ン、1−メチル−1−ニトロブタン、2−メチル−1−
ニトロブタン、ニトロシクロブタン、ニトロシクロペン
タン、ニトロシクロヘキサン、ニトロシクロドデカン、
フェニルニトロメタン、1−フェニル−1−ニトロエタ
ン、2−フェニル−1−ニトロエタン、1−(4−クロ
ロフェニル)−1−ニトロエタン、1−(3−メトキシ
フェニル)−1−ニトロエタン、1−(2,4−ジクロ
ロフェニル)−1−ニトロエタン、1−(4−トリフル
オロメチルフェニル)−1−ニトロエタン、1−フェニ
ル−1−ニトロプロパン、1−フェニル−2−メチル−
1−ニトロプロパン、1−(3,4−メチレンジオキシ
フェニル)−1−ニトロブタン、1−フェニル−2−
(4−メチルフェニル)−1−ニトロエタン、1−(1
−ナフチル)−1−ニトロエタン等が挙げられる。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0045】実施例1 50mLフラスコに、タングステン金属20mgおよび
30重量%過酸化水素水250mgを仕込み、内温40
℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タング
ステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温3
0℃に冷却し、水3gおよび(R)−1−(2,4−ジ
クロロフェニル)エチルアミン380mgを仕込んだ。
30重量%過酸化水素水600mgを5分かけて滴下し
た後、内温50℃に昇温し、同温度で3時間攪拌、保持
し、反応させた。室温まで冷却し、メチルtert−ブ
チルエーテル10gおよび水10gを加え、室温で攪拌
し、静置後、分液し、2,4−ジクロロアセトフェノン
オキシムを含む有機層を得た。該有機層をガスクロマト
グラフィ(内部標準法)により分析したところ、2,4
−ジクロロアセトフェノンオキシムの収率は、97%で
あった。
【0046】実施例2 50mLフラスコに、タングステン金属20mgおよび
30重量%過酸化水素水250mgを仕込み、内温40
℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タング
ステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温2
0℃に冷却し、水3gおよびベンジルアミン214mg
を仕込んだ。30重量%過酸化水素水600mgを5分
かけて滴下した後、内温20℃で4時間攪拌、保持し、
反応させた。反応後、メチルtert−ブチルエーテル
10gおよび水10gを加え、室温で攪拌し、静置後、
分液し、ベンズアルドキシムを含む有機層を得た。該有
機層をガスクロマトグラフィ(内部標準法)により分析
したところ、ベンズアルドキシムの収率は、89%であ
った。
【0047】実施例3 50mLフラスコに、タングステン金属20mgおよび
30重量%過酸化水素水250mgを仕込み、内温40
℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タング
ステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温2
0℃に冷却し、水3gおよびシクロヘキシルアミン20
0mgを仕込んだ。30重量%過酸化水素水600mg
を5分かけて滴下した後、内温20℃で2時間攪拌、保
持し、反応させた。反応後、メチルtert−ブチルエ
ーテル10gおよび水10gを加え、室温で攪拌し、静
置後、分液し、シクロヘキサノンオキシムを含む有機層
を得た。該有機層をガスクロマトグラフィ(内部標準
法)により分析したところ、シクロヘキサノンオキシム
の収率は、68%であった。
【0048】実施例4 50mLフラスコに、タングステン金属20mgおよび
30重量%過酸化水素水250mgを仕込み、内温40
℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タング
ステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温2
0℃に冷却し、水3gおよびn−ヘキシルアミン204
mgを仕込んだ。30重量%過酸化水素水600mgを
5分かけて滴下した後、内温20℃で4時間攪拌、保持
し、反応させた。反応後、メチルtert−ブチルエー
テル10gおよび水10gを加え、室温で攪拌し、静置
後、分液し、n−ヘキシルアルドキシムを含む有機層を
得た。該有機層をガスクロマトグラフィ(内部標準法)
により分析したところ、n−ヘキシルアルドキシムの収
率は、64%であった。
【0049】実施例5 実施例1において、タングステン金属20mgに代えて
ホウ化タングステン25mgを用いた以外は、実施例1
と同様に実施し、2,4−ジクロロアセトフェノンオキ
シムを、収率95%で得た。
【0050】実施例6 実施例1において、タングステン金属20mgに代えて
硫化タングステン30mgを用いた以外は、実施例1と
同様に実施し、2,4−ジクロロアセトフェノンオキシ
ムを、収率63%で得た。
【0051】実施例7 実施例3において、タングステン金属20mgに代えて
モリブデン金属10mgを用いた以外は、実施例3と同
様に実施し、シクロヘキサノンオキシムを、収率19%
で得た。なお、原料シクロヘキシルアミンが、68%回
収された。
【0052】実施例8 50mLフラスコに、タングステン金属20mgおよび
30重量%過酸化水素水250mgを仕込み、内温40
℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タング
ステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温2
0℃に冷却し、tert−ブタノール3g、28重量%
アンモニア水280mgおよびシクロヘキシルアミン2
00mgを仕込んだ。30重量%過酸化水素水900m
gを5分かけて滴下した後、内温40℃で4時間攪拌、
保持し、反応させた。室温まで冷却し、メチルtert
−ブチルエーテル10gおよび水10gを加え、室温で
攪拌し、静置後、分液し、シクロヘキサノンオキシムを
含む有機層を得た。該有機層をガスクロマトグラフィ
(内部標準法)により分析したところ、シクロヘキサノ
ンオキシムの収率は、74%であった。該有機層には、
ニトロシクロヘキサンも含まれており、その収率は、1
3%であった。
【0053】実施例9 50mLフラスコに、タングステン金属80mgおよび
30重量%過酸化水素水500mgを仕込み、内温40
℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タング
ステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温2
0℃に冷却し、水3gおよび30重量%過酸化水素水6
00mgを仕込んだ後、内温50℃に昇温し、シクロヘ
キシルアミン200mgとメタノール5gとからなる混
合液および30重量%過酸化水素水600mgとメタノ
ール5gとからなる混合液を30分かけて同時並行的に
滴下した。その後、同温度で2時間攪拌、保持し、反応
させた。室温まで冷却し、メチルtert−ブチルエー
テル10gおよび水10gを加え、室温で攪拌し、静置
後、分液し、ニトロシクロヘキサンを含む有機層を得
た。該有機層をガスクロマトグラフィ(内部標準法)に
より分析したところ、ニトロシクロヘキサンの収率は、
70%であった。
【0054】実施例10 50mLフラスコに、タングステン金属80mgおよび
30重量%過酸化水素水500mgを仕込み、内温40
℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タング
ステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温2
0℃に冷却し、水3gおよび30重量%過酸化水素水6
00mgを仕込んだ後、内温55℃に昇温し、n−ヘキ
シルアミン202mgとメタノール5gとからなる混合
液と30重量%過酸化水素水600mgとメタノール5
gとからなる混合液とを1時間かけて同時並行的に滴下
した。その後、同温度で1時間攪拌、保持し、反応させ
た。室温まで冷却し、メチルtert−ブチルエーテル
10gおよび水10gを加え、室温で攪拌し、静置後、
分液し、1−ニトロヘキサンを含む有機層を得た。該有
機層をガスクロマトグラフィ(内部標準法)により分析
したところ、1−ニトロヘキサンの収率は、36%であ
った。
【0055】実施例11 実施例9において、タングステン金属80mgに代えて
ホウ化タングステン90mgを用いた以外は、実施例9
と同様に実施し、ニトロシクロヘキサンを、収率30%
で得た。なお、シクロヘキサノンオキシムも、収率16
%で得られ、原料シクロヘキシルアミンが、50%回収
された。
【0056】実施例12 実施例9において、タングステン金属80mgに代えて
硫化タングステンを用いる以外は、実施例9と同様に実
施することにより、ニトロシクロヘキサンが得られる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、安価で入手が容易なタ
ングステン金属、モリブデン金属、ホウ化タングステン
等のタングステン化合物やホウ化モリブデン等のモリブ
デン化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化
物触媒の存在下に、一級アミン(ただし、アミノ基が結
合した炭素原子は少なくとも一つの水素原子を有す
る。)と過酸化水素とを反応させることにより、オキシ
ム化合物またはニトロ化合物を得ることができるため、
工業的に有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 251/44 C07C 251/44 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4G069 AA02 AA08 BB02C BB04A BB04B BB09C BB11C BB14C BB15C BB18C BC59A BC59C BC60A BC60B BC60C CB07 CB61 CB78 FA01 FB41 FC02 4H006 AA02 AC51 AC59 BA14 BA30 BA36 BA60 BB31 BE32 4H039 CA71 CA72 CC20 CC60

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タングステン金属、モリブデン金属、タン
    グステンと第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素ま
    たは酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化
    合物およびモリブデンと第IIIb族元素、第IVb族元素、
    第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素とからなるモ
    リブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種
    と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒の存
    在下に、一級アミン(ただし、アミノ基が結合した炭素
    原子は少なくとも一つの水素原子を有する。)と過酸化
    水素とを反応させることを特徴とするオキシム化合物ま
    たはニトロ化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】一級アミンが、一般式(1) (式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なっ
    て、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換
    されていてもよいアリール基または置換されていてもよ
    いアラルキル基を表わす。ただし、R1とR2が同時に水
    素原子であることはない。また、R1およびR2が結合し
    て環を形成していてもよい。)で示される一級アミンで
    ある請求項1に記載のオキシム化合物またはニトロ化合
    物の製造方法。
  3. 【請求項3】第IIIb族元素が、ホウ素である請求項1に
    記載のオキシム化合物またはニトロ化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】第IVb族元素が、炭素である請求項1に記
    載のオキシム化合物またはニトロ化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】第Vb族元素が、チッ素またはリンである請
    求項1に記載のオキシム化合物またはニトロ化合物の製
    造方法。
  6. 【請求項6】酸素を除く第VIb族元素が、硫黄である請
    求項1に記載のオキシム化合物またはニトロ化合物の製
    造方法。
  7. 【請求項7】過酸化水素水を用いる請求項1に記載のオ
    キシム化合物またはニトロ化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】アンモニアの共存下に反応を実施する請求
    項1に記載のオキシム化合物またはニトロ化合物の製造
    方法。
  9. 【請求項9】タングステン金属、モリブデン金属、タン
    グステンと第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素ま
    たは酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化
    合物およびモリブデンと第IIIb族元素、第IVb族元素、
    第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素とからなるモ
    リブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種
    と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒と一
    級アミン(ただし、アミノ基が結合した炭素原子は少な
    くとも一つの水素原子を有する。)との混合物に過酸化
    水素を加えて反応させることを特徴とするオキシム化合
    物の製造方法。
  10. 【請求項10】タングステン金属、モリブデン金属、タ
    ングステンと第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素
    または酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン
    化合物およびモリブデンと第IIIb族元素、第IVb族元
    素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素とからな
    るモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも
    一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒
    と過酸化水素との混合物中に、一級アミン(ただし、ア
    ミノ基が結合した炭素原子は少なくとも一つの水素原子
    を有する。)を加えて反応させることを特徴とするニト
    ロ化合物の製造方法。
  11. 【請求項11】タングステン金属、モリブデン金属、タ
    ングステンと第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素
    または酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン
    化合物およびモリブデンと第IIIb族元素、第IVb族元
    素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素とからな
    るモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも
    一種と過酸化水素とを反応せしめてなる、一級アミン
    (ただし、アミノ基が結合した炭素原子は少なくとも一
    つの水素原子を有する。)を酸化してオキシム化合物ま
    たはニトロ化合物を製造するための金属酸化物触媒。
  12. 【請求項12】タングステン金属、モリブデン金属、タ
    ングステンと第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素
    または酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン
    化合物およびモリブデンと第IIIb族元素、第IVb族元
    素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素とからな
    るモリブデン化合物からなる群から選ばれる少なくとも
    一種と過酸化水素水とを反応せしめてなる、一級アミン
    (ただし、アミノ基が結合した炭素原子は少なくとも一
    つの水素原子を有する。)を酸化してオキシム化合物ま
    たはニトロ化合物を製造するための金属酸化物触媒水溶
    液。
  13. 【請求項13】請求項12に記載の金属酸化物触媒水溶
    液と有機溶媒とからなる、一級アミン(ただし、アミノ
    基が結合した炭素原子は少なくとも一つの水素原子を有
    する。)を酸化してオキシム化合物またはニトロ化合物
    を製造するための金属酸化物触媒溶液。
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