JP4461891B2 - ラセミアミンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ラセミアミンの製造方法に関する。
光学活性アミンは、医薬の中間体や光学分割剤として有用な化合物であることが知られており(例えば、特許文献1〜3参照。)、その製造方法としては、例えばラセミアミンを光学分割する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。ラセミアミンを光学分割する方法においては、目的とする一方の光学活性アミンを取り出した後の不要な他方の光学活性アミンを有効利用することが重要であり、有効利用の方法としては、不要な光学活性アミンをラセミ化してラセミアミンを得、光学分割の原料として再利用する方法が挙げられる。
光学活性アミンをラセミ化してラセミアミンを製造する方法としては、例えば(1)水素雰囲気で還元触媒の存在下に光学活性アミンを加熱する方法(例えば、特許文献4〜7参照。);(2)光学活性アミンに強塩基を作用させる方法(例えば、特許文献8〜11参照。);などが知られている。
しかしながら、(1)の方法は、高温高圧に耐えうる特殊な設備を要する;1−アリールアミン類が基質の場合には収率が低い;脱ハロゲン化等の副反応が生起するためハロゲン原子で置換された芳香環を有する光学活性アミンには適用できない;などの問題があった。また、(2)の方法も、強塩基の使用量が多い;反応温度が高い;調製に特殊な設備を要する強塩基を用いる;高価な溶媒を大量に用いる必要がある;などの問題があった。しかも、光学活性α−(アルコキシ置換フェニル)アルキルアミンでは、ラセミ化反応は全く進行しないか、進行する場合であっても多量の強塩基を必要とし、収率も低かった(例えば、特許文献12参照。)。
一方、上記(1)、(2)以外の方法として、光学活性アミンをシッフ塩基に変換した後、強塩基を作用させる方法(例えば、特許文献13参照。)や光学活性なアミンのアミノ基を塩素化し、脱塩化水素および加水分解を順次おこなってケトン類に変換した後、オキシム化し、水素化する方法(例えば、特許文献14参照。)も知られているが、いずれも工程数が長く、工業的に有利とはいえなかった。
特表平7−506380号公報 特表平10−500697号公報 特公平2−4581号公報 特開昭63−185943号公報 特表2002−536427号公報 独国特許出願公開第2851039号明細書 特表2002−529523号公報 特公昭57−35700号公報 特公昭57−61020号公報 特公昭57−35701号公報 特許第2992389号公報 特開平9−221462号公報(比較例6、7) 特開平8−27073号公報 特開2002−275131号公報 Bull.Chem.Soc.Jpn.,66,3414(1993)
このような状況のもと、本発明者は、光学活性アミンからラセミアミンを工業的に有利に製造する方法について鋭意検討したところ、金属酸化物の存在下に光学活性アミンと過酸化水素とを反応させてオキシム化合物に変換し、該オキシム化合物を水素化処理することにより、ラセミアミンを容易に、良好な収率で得ることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、(A)金属酸化物の存在下に、式(1)
Figure 0004461891
(式中、RおよびRはそれぞれ相異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わす。また、RおよびRが結合して、その結合炭素原子とともに環を形成していてもよい。*は不斉中心であることを表わす。)
で示される光学活性アミンと過酸化水素とを反応させ、式(2)
Figure 0004461891
(式中、RおよびRはそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)
で示されるオキシム化合物を得る工程(以下、工程(A)と略記する。)と、
(B)(A)で得られた式(2)で示されるオキシム化合物を水素化処理して、式(3)
Figure 0004461891
(式中、RおよびRはそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)
で示されるラセミアミンを得る工程(以下、工程(B)と略記する。)を含むことを特徴とするラセミアミンの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、安価で入手および調製が容易な金属酸化物の存在下に光学活性アミンと過酸化水素とを反応させてオキシム化合物を得、次いで該オキシム化合物を水素化処理することにより、容易に、良好な収率でラセミアミンを得ることができるため、工業的に有利である。
まず、工程(A)すなわち、金属酸化物の存在下に、式(1)で示される光学活性アミン(以下、光学活性アミン(1)と略記する。)と過酸化水素とを反応させ、式(2)で示されるオキシム化合物(以下、オキシム化合物(2)と略記する。)を得る工程について説明する。
光学活性アミン(1)およびオキシム化合物(2)において、RおよびRはそれぞれ相異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わす。
置換されていてもよいアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数1〜20のアルキル基、およびこれらのアルキル基が、例えばメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;例えばフェノキシ基等のアリールオキシ基;例えばベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基;例えばフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;などの置換基で置換された、例えばフルオロメチル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基等が挙げられる。
置換されていてもよいアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基、およびこれらのアリール基が、前記置換されていてもよいアルキル基、前記アリール基、前記アルコキシ基、前記アリールオキシ基、前記アラルキルオキシ基、前記ハロゲン原子、後述するアラルキル基等で置換された、例えば2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−フェノキシフェニル基等が挙げられる。
置換されていてもよいアラルキル基としては、前記置換されていてもよいアリール基と前記置換されていてもよいアルキル基とから構成されるものが挙げられ、例えばベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、3−フェノキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル基等が挙げられる。
およびRは互いに結合して、その結合炭素原子とともに環を形成していてもよく、かかる環としては、例えばシクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、インダン環、テトラリン環等が挙げられる。もちろん、かかる環構造は、前記置換されていてもよいアルキル基、前記アリール基、前記アルコキシ基、前記アリールオキシ基、前記アラルキルオキシ基、前記ハロゲン原子、前記アラルキル基等で置換されていてもよい。
かかる光学活性アミン(1)としては、例えば光学活性1−フェニルエチルアミン、光学活性1−(1−ナフチル)エチルアミン、光学活性1−(2−ナフチル)エチルアミン、光学活性1−フェニルプロピルアミン、光学活性1−(2−メトキシフェニル)エチルアミン、光学活性1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン、光学活性1−(4−メトキシフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2−クロロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(3−クロロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(4−クロロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2−フルオロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(3−ブロモフェニル)エチルアミン、光学活性1−(4−フルオロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2,3−ジメトキシフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2,4−ジメトキシフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2,5−ジメトキシフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2,6−ジメトキシフェニル)エチルアミン、光学活性1−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミン、光学活性1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルアミン、
光学活性1−(2,3−ジクロロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2,4−ジクロロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2,5−ジクロロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2,6−ジクロロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(3,4−ジクロロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(3,5−ジクロロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2,3−ジフルオロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2,4−ジブロモフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2,5−ジフルオロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2,6−ジブロモフェニル)エチルアミン、光学活性1−(3,4−ジフルオロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(3,5−ジブロモフェニル)エチルアミン、光学活性1−(3−クロロ−4−ブロモフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2,3,4−トリメトキシフェニル)エチルアミン、光学活性1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2,3,5−トリメトキシフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2,3,4−トリクロロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2,3,5−トリブロモフェニル)エチルアミン、光学活性1−(2−メチルフェニル)エチルアミン、光学活性1−(3−メチルフェニル)エチルアミン、光学活性1−(4−メチルフェニル)エチルアミン、
光学活性1−(4−メチルフェニル)ブチルアミン、光学活性1−メチルブチルアミン、光学活性1−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン、光学活性1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン、光学活性1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ブチルアミン、光学活性1−フェニル−2−(4−メチルフェニル)エチルアミン、光学活性2−フェニル−1−メチルエチルアミン、光学活性2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチルアミン、光学活性2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチルアミン、光学活性2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1−メチルエチルアミン、光学活性2−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1−メチルエチルアミン、
光学活性7−メトキシ−2−アミノテトラリン、5−メトキシ−2−アミノテトラリン、光学活性6−メトキシ−2−アミノテトラリン、光学活性8−メトキシ−2−アミノテトラリン、光学活性6,7−ジメトキシ−2−アミノテトラリン、光学活性7−メトキシ−1−アミノテトラリン、光学活性5−メトキシ−1−アミノテトラリン、光学活性6−メトキシ−1−アミノテトラリン、光学活性8−メトキシ−1−アミノテトラリン、光学活性6,7−ジメトキシ−1−アミノテトラリン、光学活性6−シアノ−2−アミノテトラリン、光学活性2−アミノテトラリン、光学活性1−アミノテトラリン、光学活性1−(4−クロロフェニル)ベンジルアミン、光学活性1−アミノインダン、光学活性5−クロロ−1−アミノインダン、光学活性5−メトキシ−2−アミノインダン等が挙げられる。
これら光学活性アミン(1)には、R体およびS体の二種類の光学異性体が存在するが、本発明には、R体単独を用いてもよいし、S体単独を用いてもよいし、R体とS体のうちのいずれか一方が過剰であるR体とS体の混合物を用いてもよい。
また、例えば光学活性アミン(1)・塩酸塩、光学活性アミン(1)・硫酸塩等の光学活性アミン(1)と酸との付加塩を用いてもよい。
金属酸化物としては、例えば酸化チタン、酸化ジルコニウム、TS−1等の第IVa族元素酸化物;例えば酸化タングステン、酸化モリブデン、タングステン酸ナトリウム等の第VIa族元素酸化物;例えば酸化レニウム、酸化レニウム・ピリジン錯体、メチルレニウムトリオキシド、酸化マンガン等の第VIIa族元素酸化物;などが挙げられる。
また、金属酸化物としては、例えば第IVa族元素金属、第VIa族元素金属および第VIIa族元素金属から選ばれる少なくとも一つの金属と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物も挙げられる。第IVa族元素金属としては、例えばチタン金属、ジルコニウム金属等が挙げられ、第VIa族元素金属としては、例えばタングステン金属、モリブデン金属等が挙げられ、第VIIa族元素金属としては、例えばマンガン金属、レニウム金属等が挙げられる。かかる金属の中でも、第VIa族元素金属が好ましい。
さらに、金属酸化物としては、例えば第IVa族元素化合物、第VIa族元素化合物および第VIIa族元素化合物から選ばれる少なくとも一つの金属化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物も挙げられる。
第IVa族元素化合物としては、例えばテトラエトキシチタン等のアルコキシチタン化合物;例えば塩化チタン等のチタンハロゲン化物;例えば塩化ジルコニウム等のジルコニウムハロゲン化物;などが挙げられる。第VIa族元素化合物としては、例えばホウ化タングステン等のタングステンと第IIIb族元素とからなるタングステン化合物;例えば炭化タングステン、ケイ化タングステン等のタングステンと第IVb族元素とからなるタングステン化合物;例えばチッ化タングステン、リン化タングステン等のタングステンと第Vb族元素とからなるタングステン化合物;例えば硫化タングステン等のタングステンと酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化合物;例えばタングステンカルボニル錯体等のタングステン錯体;例えばホウ化モリブデン等のモリブデンと第IIIb族元素とからなるモリブデン化合物;例えば炭化モリブデン、ケイ化モリブデン等のモリブデンと第IVb族元素とからなるモリブデン化合物;例えばチッ化モリブデン、リン化モリブデン等のモリブデンと第Vb族元素とからなるモリブデン化合物;例えば硫化モリブデン等のモリブデンと酸素を除く第VIb族元素とからなるモリブデン化合物;例えば塩化モリブデン等のモリブデンハロゲン化物;例えばモリブデンカルボニル錯体等のモリブデン錯体;などが挙げられる。
第VIIa族元素化合物としては、例えばマンガンフェナンスロリン錯体等のマンガン錯体;例えば酢酸マンガン等のマンガン有機酸塩;例えば塩化レニウム等のレニウムハロゲン化物;などが挙げられる。また、前記第IVa族元素金属、第VIa族元素金属、第VIIa族元素金属の酸化物、水酸化物、例えば硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩等の金属鉱酸塩、オキソ酸、ヘテロポリ酸、例えばアセチルアセトナート、シクロペンタジエニル、ホスフィン、アミン、ピリジン等の種々の配位子が配位した金属錯体等も挙げられる。
かかる第IVa族元素化合物、第VIa族元素化合物、第VIIa族元素化合物の中でも、第VIa族元素化合物が好ましく、とりわけ
タングステンと第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素とからなるタングステン化合物;
モリブデンと第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素とからなるモリブデン化合物;
が好ましい。
なお、前記第IVa族元素金属、第VIa族元素金属および第VIIa族元素金属から選ばれる少なくとも一つの金属(以下、金属と略記する。)や前記第IVa族元素化合物、第VIa族元素化合物および第VIIa族元素化合物から選ばれる少なくとも一つの金属化合物(以下、金属化合物と略記する。)は、例えば活性炭、シリカ、アルミナ、チタニア、ゼオライト等の担体に担持されていてもよい。
前記金属または金属化合物と反応せしめる過酸化水素としては、通常水溶液が用いられる。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよいが、取扱いが容易という点で、過酸化水素水を用いることが好ましい。過酸化水素水もしくは過酸化水素の有機溶媒溶液中の過酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素水を用いる場合は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じて希釈、濃縮等により濃度調整を行なったものを用いればよい。また過酸化水素の有機溶媒溶液を用いる場合は、例えば過酸化水素水を有機溶媒で抽出処理する、もしくは有機溶媒の存在下に過酸化水素水を蒸留処理する等の手段により、調製したものを用いればよい。
金属または金属化合物と反応せしめる過酸化水素の使用量は、金属または金属化合物に対して、通常3モル倍以上、好ましくは5モル倍以上であり、その上限は特にない。
金属または金属化合物と過酸化水素との反応は、通常水溶液中で実施される。もちろん、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;例えば酢酸エチル等のエステル溶媒;例えばメタノール、エタノール、tert−ブタノール等のアルコール溶媒;例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;などの有機溶媒中または前記有機溶媒と水との混合溶媒中で実施してもよい。
金属または金属化合物と過酸化水素との反応は、通常その両者を混合させることにより行われ、金属または金属化合物と過酸化水素との接触効率をより向上させるため、金属酸化物調製液中で、金属または金属化合物が十分分散するよう攪拌しながら反応を行うことが好ましい。また金属または金属化合物と過酸化水素との接触効率を高め、金属酸化物調製時の制御をより容易にするという点で、例えば粉末状の金属化合物等粒径の小さな金属化合物を用いることが好ましい。
金属酸化物調製時の調製温度は、通常−10〜100℃である。
金属または金属化合物と過酸化水素とを、水中、有機溶媒中もしくは有機溶媒と水との混合溶媒中で反応させることにより、金属または金属化合物の一部または全部が溶解して、金属酸化物を含む均一溶液もしくは懸濁液を調製することができるが、該金属酸化物を、例えば濃縮処理等により調製液から取り出して、触媒として用いてもよいし、該調製液をそのまま光学活性アミン(1)と過酸化水素との反応に用いてもよい。
光学活性アミン(1)と過酸化水素との反応における金属酸化物の使用量は、金属換算で、光学活性アミン(1)に対して、通常0.001モル倍以上であり、その上限は特にないが、経済的な面を考慮すると、実用的には、光学活性アミン(1)に対して、1モル倍以下である。
過酸化水素は、通常水溶液として用いられる。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよい。過酸化水素水もしくは有機溶媒溶液中の過酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素水は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じて希釈、濃縮等により濃度調整を行なった後用いられる。過酸化水素の有機溶媒溶液は、例えば過酸化水素水を有機溶媒で抽出処理する、もしくは有機溶媒の存在下に過酸化水素水を蒸留処理する等の手段により、調製することができる。
過酸化水素の使用量は、光学活性アミン(1)に対して、通常1モル倍以上であり、その使用量の上限は特にないが、経済的な面も考慮すると、実用的には、光学活性アミン(1)に対して10モル倍以下である。なお、触媒として、金属酸化物を含む調製液を用いる場合は、該調製液中の過酸化水素量を含めて、過酸化水素の使用量を設定してもよい。
光学活性アミン(1)と過酸化水素との反応は、通常、水中、有機溶媒中または有機溶媒と水との混合溶媒中で実施される。有機溶媒としては、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;例えば酢酸エチル等のエステル溶媒;例えばメタノール、エタノール、tert−ブタノール等のアルコール溶媒;例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;例えばシクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;などが挙げられる。水または有機溶媒の使用量は特に制限されないが、容積効率等を考慮すると、実用的には光学活性アミン(1)に対して100重量倍以下である。
反応温度があまり低いと反応が進行しにくく、また反応温度があまり高いと原料の光学活性アミン(1)や生成するオキシム化合物(2)の分解等副反応が進行する恐れがあるため、通常0〜100℃程度の範囲である。
本反応は、通常、光学活性アミン(1)、過酸化水素および金属酸化物を混合、接触することにより実施され、その混合順序は特に制限されないが、オキシム化合物(2)をより収率よく得ることができるという点で、光学活性アミン(1)と金属酸化物との混合物中に、過酸化水素を加えていくことが好ましい。
また、金属または金属化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物を用いる場合には、例えば金属または金属化合物、過酸化水素および光学活性アミン(1)を混合することにより、金属酸化物の調製操作と、光学活性アミン(1)と過酸化水素との反応とを同時に行ってもよい。
本反応は、常圧条件下で実施してもよいし、加圧条件下で実施してもよい。また、反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ、NMR、IR等の通常の分析手段により確認することができる。
反応終了後、得られるオキシム化合物(2)を含む反応液をそのまま後述する工程(B)に用いてもよいが、該反応液中に含まれる金属酸化物や残存過酸化水素を除去した後、工程(B)に用いることが好ましい。前記反応液中に含まれる残存過酸化水素を除去する方法としては、例えばチオ硫酸ナトリウム等の還元剤を前記反応液に作用せしめる方法等が挙げられる。金属酸化物を除去する方法としては、例えば前記反応液をそのままもしくは残存過酸化水素を除去した後、必要に応じて水および/または水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理する方法等が挙げられる。前記抽出処理して得られるオキシム化合物(2)を含む有機層は、そのままもしくは必要に応じて乾燥処理した後、工程(B)に用いてもよいが、前記有機層中に原料である光学活性アミン(1)が含まれている場合には、前記有機層をそのままもしくは濃縮処理した後、例えば晶析処理等の手段によりオキシム化合物(2)を取り出して工程(B)に用いることが好ましい。また、前記反応液を前記抽出処理することなく、そのままもしくは濃縮処理した後、晶析処理等の手段によりオキシム化合物(2)を取り出して工程(B)に用いてもよい。取り出したオキシム化合物(2)は、そのまま次工程に用いてもよいし、例えば再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィ等の通常の手段によりさらに精製した後、用いてもよい。
水に不溶の有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;例えば酢酸エチル等のエステル溶媒;などが挙げられ、その使用量は特に制限されない。
なお、目的とするオキシム化合物(2)を晶析処理等の手段により取り出した後の濾液や反応液を抽出処理して得られる水層は、金属酸化物を含んでいるため、そのままもしくは必要に応じて濃縮処理等を行った後、再度光学活性アミン(1)と過酸化水素との反応に使用することができる。
かくして得られるオキシム化合物(2)としては、例えばアセトフェノンオキシム、1−アセトナフトンオキシム、2−アセトナフトンオキシム、フェニルエチルケトンオキシム、2’−メトキシアセトフェノンオキシム、3’−メトキシアセトフェノンオキシム、4’−メトキシアセトフェノンオキシム、2’−クロロアセトフェノンオキシム、3’−クロロアセトフェノンオキシム、4’−クロロアセトフェノンオキシム、2’−フルオロアセトフェノンオキシム、3’−ブロモアセトフェノンオキシム、4’−フルオロアセトフェノンオキシム、2’,3’−ジメトキシアセトフェノンオキシム、2’,4’−ジメトキシアセトフェノンオキシム、2’,5’−ジメトキシアセトフェノンオキシム、2’,6’−ジメトキシアセトフェノンオキシム、3’,4’−ジメトキシアセトフェノンオキシム、3’,5’−ジメトキシアセトフェノンオキシム、
2’,3’−ジクロロアセトフェノンオキシム、2’,4’−ジクロロアセトフェノンオキシム、2’,5’−ジクロロアセトフェノンオキシム、2’,6’−ジクロロアセトフェノンオキシム、3’,4’−ジクロロアセトフェノンオキシム、3’,5’−ジクロロアセトフェノンオキシム、2’,3’−ジフルオロアセトフェノンオキシム、2’,4’−ジブロモアセトフェノンオキシム、2’,5’−ジフルオロアセトフェノンオキシム、2’,6’−ジブロモアセトフェノンオキシム、3’,4’−ジフルオロアセトフェノンオキシム、3’,5’−ジブロモアセトフェノンオキシム、3’−クロロ−4’−ブロモアセトフェノンオキシム、2’,3’,4’−トリメトキシアセトフェノンオキシム、3’,4’,5’−トリメトキシアセトフェノンオキシム、2’,3’,5’−トリメトキシアセトフェノンオキシム、2’,3’,4’−トリクロロアセトフェノンオキシム、3’,4’,5’−トリフルオロアセトフェノンオキシム、2’,3’,5’−トリブロモアセトフェノンオキシム、2’−メチルアセトフェノンオキシム、3’−メチルアセトフェノンオキシム、4’−メチルアセトフェノンオキシム、
(4−メチルフェニル)プロピルケトンオキシム、メチルプロピルケトンオキシム、4’−トリフルオロメチルアセトフェノンオキシム、3’−トリフルオロメチルアセトフェノンオキシム、(3,4−メチレンジオキシフェニル)プロピルケトンオキシム、フェニル−(4−メチルフェニル)メチルケトンオキシム、フェニルアセトンオキシム、(4−メトキシフェニル)アセトンオキシム、(3,4−ジメトキシフェニル)アセトンオキシム、(3,4−メチレンジオキシフェニル)アセトンオキシム、(3−トリフルオロメチルフェニル)アセトンオキシム、7−メトキシ−2−テトラロンオキシム、5−メトキシ−2−テトラロンオキシム、6−メトキシ−2−テトラロンオキシム、8−メトキシ−2−テトラロンオキシム、6,7−ジメトキシ−2−テトラロンオキシム、7−メトキシ−1−テトラロンオキシム、5−メトキシ−1−テトラロンオキシム、6−メトキシ−1−テトラロンオキシム、8−メトキシ−1−テトラロンオキシム、6,7−ジメトキシ−1−テトラロンオキシム、6−シアノ−2−テトラロンオキシム、2−テトラロンオキシム、1−テトラロンオキシム、(4−クロロフェニル)フェニルケトンオキシム、1−インダノンオキシム、5−クロロ−1−インダノンオキシム、5−メトキシ−2−インダノンオキシム等が挙げられる。
続いて、工程(B)すなわち、前記工程(A)で得られたオキシム化合物(2)を水素化処理して、式(3)で示されるラセミアミン(以下、ラセミアミン(3)と略記する。)を得る工程について説明する。
なお、本発明において、ラセミアミン(3)とは、R体とS体の比が1:1の混合物のみならず、工程(A)で用いた光学活性アミン(1)よりも光学純度が低下したアミンを意味することとする。
オキシム化合物(2)を水素化処理する方法としては、例えばオキシム化合物(2)と金属水素化物とを溶媒中で反応させる方法、金属触媒の存在下にオキシム化合物(2)と水素供与体とを反応させる方法(例えば、Tetrahedron Letters, 10,629,(1963)、西村・高木著「接触水素化反応−有機合成への応用−」,第1版,東京化学同人,1987年,222頁等参照。)等のヒドロキシイミノ基をアミノ基に変換する公知の方法が挙げられる。
オキシム化合物(2)と金属水素化物とを溶媒中で反応させる方法に用いられる金属水素化物としては、例えば水素化リチウムアルミニウム等の水素化リチウム化合物、例えば水素化ホウ素ナトリウム、ボラン・テトラヒドロフラン錯体、ボラン・メチルスルフィド錯体、ボラン・1,4−オキサチアン錯体等の水素化ホウ素化合物等が挙げられる。その使用量は、金属水素化物の水素化能力に応じて適宜決めればよく、例えば水素化リチウムアルミニウムを用いる場合には、オキシム化合物(2)に対して、通常0.5モル倍以上であり、その上限は特に制限されないが、あまり多すぎると経済的に不利になったり、後処理が煩雑になったりするため、実用的には10モル倍以下程度である。
また、かかる金属水素化物の活性向上のため、例えば塩化アルミニウム等のルイス酸を併用してもよい。その使用量は、オキシム化合物(2)に対して、通常2モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると経済的に不利になるため、実用的には10モル倍以下である。
オキシム化合物(2)と金属水素化物との反応は、反応に不活性な溶媒中で、その両者を混合することにより実施され、その混合順序は特に制限されない。反応に不活性な溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、例えばトルエン等の芳香族炭化水素溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられる。その使用量は、オキシム化合物(2)に対して、通常1〜100重量倍の範囲である。反応温度は、通常0〜100℃の範囲である。
反応終了後、例えば反応液と、鉱酸、水等を混合して残存する還元剤を分解処理した後に水層のpHを中性〜アルカリ性に調整し、必要に応じて水および/または水に不溶の有機溶媒を加えて抽出処理して得られる有機層を濃縮処理することにより、ラセミアミン(3)を取り出すことができる。取り出したラセミアミン(3)は、例えば再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィ等の通常の手段によりさらに精製してもよい。
鉱酸としては、例えば塩酸、硫酸等が挙げられ、その使用量は、残存する還元剤の量に応じて適宜決定すればよい。水に不溶の有機溶媒としては、前記したものと同様のものが挙げられ、その使用量は特に制限されない。かかる水に不溶の有機溶媒は、分解処理の際に加えておいてもよい。
金属触媒の存在下に、オキシム化合物(2)と水素供与体とを反応させる方法において用いられる金属触媒としては、例えばパラジウム、ルテニウム、ロジウム、白金等の白金族金属を金属種とする貴金属触媒、例えばラネーニッケル、ラネーコバルト等のラネー触媒等が挙げられる。貴金属触媒は、均一系触媒であってもよいし、不均一系触媒であってもよいが、貴金属触媒の回収が容易という点で不均一系触媒が好ましい。不均一系触媒としては、通常前記金属種が担体に担持された触媒が用いられる。担体としては、例えば活性炭、アルミナ、シリカ、ゼオライト等が挙げられ、入手の容易さ等から活性炭が好ましい。また、かかる担体の表面積は大きい方が、反応活性の点で好ましい。
前記金属種が担体に担持された貴金属触媒を用いる場合、担体への金属の担持率は、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%程度の範囲である。
貴金属触媒の使用量は特に限定されないが、オキシム化合物(2)に対して、金属換算で、通常0.02〜2重量%である。ラネー触媒の使用量は、オキシム化合物(2)に対して、通常1〜50重量%程度である。
水素供与体としては、例えば水素ガス、ギ酸、ギ酸アンモニウム等が挙げられる。その使用量は、オキシム化合物(2)に対して、通常2モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると、経済的に不利になりやすいため、実用的には10モル倍以下である。
オキシム化合物(2)と水素供与体との反応は、通常、溶媒中で実施され、かかる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えばヘプタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル溶媒;例えば酢酸エチル等のエステル溶媒;例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等のアルコール溶媒;例えばアセトニトリル等のニトリル溶媒;酢酸;水;など、およびこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくはアルコール溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、酢酸およびこれらと水との混合溶媒が挙げられる。かかる溶媒の使用量は、オキシム化合物(2)に対して、通常1〜100重量倍である。
反応は、減圧、常圧、加圧いずれの条件下で実施してもよい。例えば、水素供与体として水素ガスを用いて反応を実施するときの水素圧は特に限定されないが、通常、0.1〜5MPa、好ましくは0.2〜2MPa程度の範囲である。
反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは30〜100℃程度の範囲である。
反応終了後、例えば反応液から金属触媒を、例えば濾過、凝集等の処理により除去した後、濃縮処理することにより、ラセミアミン(3)を取り出すことができる。取り出したラセミアミン(3)は、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィ、蒸留等の通常の手段によりさらに精製してもよい。
かくして得られるラセミアミン(3)としては、例えば1−フェニルエチルアミン、1−(1−ナフチル)エチルアミン、1−(2−ナフチル)エチルアミン、1−フェニルプロピルアミン、1−(2−メトキシフェニル)エチルアミン、1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン、1−(4−メトキシフェニル)エチルアミン、1−(2−クロロフェニル)エチルアミン、1−(3−クロロフェニル)エチルアミン、1−(4−クロロフェニル)エチルアミン、1−(2−フルオロフェニル)エチルアミン、1−(3−ブロモフェニル)エチルアミン、1−(4−フルオロフェニル)エチルアミン、1−(2,3−ジメトキシフェニル)エチルアミン、1−(2,4−ジメトキシフェニル)エチルアミン、1−(2,5−ジメトキシフェニル)エチルアミン、1−(2,6−ジメトキシフェニル)エチルアミン、1−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミン、1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルアミン、
1−(2,3−ジクロロフェニル)エチルアミン、1−(2,4−ジクロロフェニル)エチルアミン、1−(2,5−ジクロロフェニル)エチルアミン、1−(2,6−ジクロロフェニル)エチルアミン、1−(3,4−ジクロロフェニル)エチルアミン、1−(3,5−ジクロロフェニル)エチルアミン、1−(2,3−ジフルオロフェニル)エチルアミン、1−(2,4−ジブロモフェニル)エチルアミン、1−(2,5−ジフルオロフェニル)エチルアミン、1−(2,6−ジブロモフェニル)エチルアミン、1−(3,4−ジフルオロフェニル)エチルアミン、1−(3,5−ジブロモフェニル)エチルアミン、1−(3−クロロ−4−ブロモフェニル)エチルアミン、1−(2,3,4−トリメトキシフェニル)エチルアミン、1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)エチルアミン、1−(2,3,5−トリメトキシフェニル)エチルアミン、1−(2,3,4−トリクロロフェニル)エチルアミン、1−(3,4,5−トリフルオロフェニル)エチルアミン、1−(2,3,5−トリブロモフェニル)エチルアミン、1−(2−メチルフェニル)エチルアミン、1−(3−メチルフェニル)エチルアミン、1−(4−メチルフェニル)エチルアミン、
1−(4−メチルフェニル)ブチルアミン、1−メチルブチルアミン、1−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン、1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン、1−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ブチルアミン、1−フェニル−2−(4−メチルフェニル)エチルアミン、2−フェニル−1−メチルエチルアミン、2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチルアミン、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−メチルエチルアミン、2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1−メチルエチルアミン、2−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1−メチルエチルアミン、7−メトキシ−2−アミノテトラリン、5−メトキシ−2−アミノテトラリン、6−メトキシ−2−アミノテトラリン、8−メトキシ−2−アミノテトラリン、6,7−ジメトキシ−2−アミノテトラリン、7−メトキシ−1−アミノテトラリン、5−メトキシ−1−アミノテトラリン、6−メトキシ−1−アミノテトラリン、8−メトキシ−1−アミノテトラリン、6,7−ジメトキシ−1−アミノテトラリン、6−シアノ−2−アミノテトラリン、2−アミノテトラリン、1−アミノテトラリン、1−(4−クロロフェニル)ベンジルアミン、1−アミノインダン、5−クロロ−1−アミノインダン、5−メトキシ−2−アミノインダン等が挙げられる。
また、オキシム化合物(2)を、O−保護化した後、前記と同様に水素化処理することにより、より温和な条件下でラセミアミン(3)を得ることもできる。特に、Rおよび/またはRがハロゲン原子で置換されたフェニル基を有するオキシム化合物(2)等の水素化処理において、前記ハロゲン原子の脱離反応等の副反応が進行しやすいオキシム化合物(2)の場合には、O−保護化した後、水素化処理することが好ましい。
O−保護化する場合の保護化剤としては、水酸基のO−保護化に用いられる公知の保護化剤が挙げられる。かかる保護化剤としては、例えば酢酸クロリド等のカルボン酸ハロゲン化物;例えば無水酢酸等のカルボン酸無水物;例えば酢酸等のカルボン酸等のアシル化剤;例えばメチルクロリド等のハロゲン化アルキル化合物等のアルキル化剤;などが挙げられる。保護化剤の使用量は、オキシム化合物(2)に対して、通常1〜1.1モル倍、好ましくは1〜1.05モル倍程度の範囲である。
オキシム化合物(2)と保護化剤とを、通常、溶媒中で混合することによりO−保護化が進行し、O−保護されたオキシム化合物が得られる。溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;例えばジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;例えばメチルtert−ブチルエーテル等のエーテル溶媒;などが挙げられる。
かくして得られるO−保護されたオキシム化合物としては、例えば2’−クロロアセトフェノンオキシムアセテート、3’−クロロアセトフェノンオキシムアセテート、4’−クロロアセトフェノンオキシムアセテート、3’−ブロモアセトフェノンオキシムアセテート、2’,3’−ジクロロアセトフェノンオキシムアセテート、2’,4’−ジクロロアセトフェノンオキシムアセテート、2’,5’−ジクロロアセトフェノンオキシムアセテート、2’,6’−ジクロロアセトフェノンオキシムアセテート、3’,4’−ジクロロアセトフェノンオキシムアセテート、3’,5’−ジクロロアセトフェノンオキシムアセテート、2’,4’−ジブロモアセトフェノンオキシムアセテート、2’,6’−ジブロモアセトフェノンオキシムアセテート、3’,5’−ジブロモアセトフェノンオキシムアセテート、3’−クロロ−4’−ブロモアセトフェノンオキシムアセテート、2’,3’,4’−トリクロロアセトフェノンオキシムアセテート、2’,3’,5’−トリブロモアセトフェノンオキシムアセテート、(4−クロロフェニル)フェニルケトンオキシムアセテート、5−クロロ−1−インダノンオキシムアセテート、
2’−クロロアセトフェノンオキシムメチルエーテル、3’−クロロアセトフェノンオキシムメチルエーテル、4’−クロロアセトフェノンオキシムメチルエーテル、3’−ブロモアセトフェノンオキシムメチルエーテル、2’,3’−ジクロロアセトフェノンオキシムメチルエーテル、2’,4’−ジクロロアセトフェノンオキシムメチルエーテル、2’,5’−ジクロロアセトフェノンオキシムメチルエーテル、2’,6’−ジクロロアセトフェノンオキシムメチルエーテル、3’,4’−ジクロロアセトフェノンオキシムメチルエーテル、3’,5’−ジクロロアセトフェノンオキシムメチルエーテル、2’,4’−ジブロモアセトフェノンオキシムメチルエーテル、2’,6’−ジブロモアセトフェノンオキシムメチルエーテル、3’,5’−ジブロモアセトフェノンオキシムメチルエーテル、3’−クロロ−4’−ブロモアセトフェノンオキシムメチルエーテル、2’,3’,4’−トリクロロアセトフェノンオキシムメチルエーテル、2’,3’,5’−トリブロモアセトフェノンオキシムメチルエーテル、(4−クロロフェニル)フェニルケトンオキシムメチルエーテル、5−クロロ−1−インダノンオキシムメチルエーテル等が挙げられる。
オキシム化合物(2)をO−保護化した後、得られるO−保護されたオキシム化合物を取り出してから前記水素化処理を行ってもよいし、O−保護されたオキシム化合物を取り出すことなく前記水素化処理を行ってもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、収率はガスクロマトグラフィ(内部標準法)により、光学純度は光学活性カラムを用いる液体クロマトグラフィにより、それぞれ分析した。
実施例1(A)
50mLフラスコに、タングステン金属20mgおよび30重量%過酸化水素水250mgを仕込み、内温40℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タングステン酸化物水溶液を調製した。該水溶液を内温30℃に冷却し、水3gおよび(R)−1−(2,4−ジクロロフェニル)エチルアミン(R体比=99.5%)380mgを仕込んだ。これに、30重量%過酸化水素水600mgを5分かけて滴下した後、内温50℃に昇温し、同温度で3時間攪拌、保持し、反応させた。室温まで冷却し、メチルtert−ブチルエーテル10gおよび水10gを加え、室温で攪0拌し、静置後、分液し、2’,4’−ジクロロアセトフェノンオキシムを含む有機層を得た。
2’,4’−ジクロロアセトフェノンオキシムの収率は97%であった。
実施例1(B)
実施例1(A)で得られた有機層を濃縮乾固して取り出した2’,4’−ジクロロアセトフェノンオキシムのうち380mgとn−ヘキサン2gとを50mlフラスコに加え、さらに無水酢酸200mgを加えて、70℃で2時間加熱攪拌後、反応液を冷却すると結晶が析出した。析出した結晶をろ過乾燥し、2’,4’−ジクロロアセトフェノンオキシムアセテートを白色針状晶として450mg得た。
得られた2’,4’−ジクロロアセトフェノンオキシムアセテートのうち246mgをテトラヒドロフラン2mlに溶解し、ボラン・テトラヒドロフラン錯体のテトラヒドロフラン溶液(濃度:1mol/L)5mlを加えた後、60℃で2時間保温、攪拌した。反応終了後、反応液を5重量%水酸化ナトリウム水溶液20mLにゆっくりと滴下した後、へキサン20mLを加えて分液処理し、1−(2,4−ジクロロフェニル)エチルアミンを含む有機層を得た。
1−(2,4−ジクロロフェニル)エチルアミンの収率は93%(2’,4’−ジクロロアセトフェノンオキシム基準)、R体比は50.4%であった。
実施例2(A)
実施例1(A)において、タングステン金属に代えてホウ化タングステン25mgを用いる以外は、実施例1(A)と同様に実施することにより、2’,4’−ジクロロアセトフェノンオキシムを含む有機層を得た。
2’,4’−ジクロロアセトフェノンオキシムの収率は95%であった。
実施例3(A)
実施例1(A)において、(R)−1−(2,4−ジクロロフェニル)エチルアミンに代えて(R)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン(R体比=99.8%)302mgを用いる以外は、実施例1(A)と同様に実施することにより、3’−メトキシアセトフェノンオキシムを含む有機層を得た。
3’−メトキシアセトフェノンオキシムの収率は89%であった。
実施例3(B)
実施例3(A)で得られた溶液を濃縮乾固して取り出した3’−メトキシアセトフェノンオキシムのうち230mgとテトラヒドロフラン10mLとを50mLフラスコに加え、内温20℃で攪拌しながら水素化リチウムアルミニウム380mgを加えた後、同温度で14時間攪拌、保持した。反応終了後、反応液を5重量%塩酸水50mLにゆっくりと滴下した。5重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性に調整した後、トルエン20mLを加えて分液処理し、1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンを含む有機層を得た。
1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンの収率は84%(3’−メトキシアセトフェノンオキシム基準)、R体比は50.8%であった。
実施例4(A)
実施例1(A)において、(R)−1−(2,4−ジクロロフェニル)エチルアミンに代えて(R)−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−メチルエチルアミン(R体比=99.0%)400mgを用いる以外は、実施例1(A)と同様に実施することにより、(3,4−ジメトキシフェニル)アセトンオキシムを含む有機層を得た。
(3,4−ジメトキシフェニル)アセトンオキシムの収率は97%であった。
実施例4(B)
実施例4(A)で得られた溶液を濃縮乾固して取り出した(3,4−ジメトキシフェニル)アセトンオキシムのうち400mgとテトラヒドロフラン10mLとを50mLフラスコに加え、内温20℃で攪拌しながら水素化リチウムアルミニウム380mgを加えた後、同温度で14時間攪拌、保持した。反応終了後、反応液を5重量%塩酸水50mLにゆっくりと滴下した。5重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性に調整した後、トルエン20mLを加えて分液処理し、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−メチルエチルアミンを含む有機層を得た。
1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−メチルエチルアミンの収率は80%((3,4−ジメトキシフェニル)アセトンオキシム基準)、R体比は50.5%であった。
実施例5(B)
実施例1(B)で得られた2’,4’−ジクロロアセトフェノンオキシムアセテートのうち200mg、酢酸2gおよび5重量%白金−炭素(50重量%含水品)10mgをオートクレーブに仕込み、窒素置換後、30℃に昇温して水素で2.0MPaまで加圧する。同温度下、水素を供給することにより同圧力に保ちながら5時間反応させる。反応後、触媒を濾過し、濾液中の酢酸を減圧留去後、残留物にトルエンを加えて5重量%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄することにより、ラセミ化した1−(2,4−ジクロロフェニル)エチルアミンを含む溶液が得られる。

Claims (7)

  1. (A)タングステンと、第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素と、からなるタングステン化合物;
    モリブデンと、第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素と、からなるモリブデン化合物;
    タングステン金属;
    及び、モリブデン金属;
    からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物の存在下に、式(1)
    Figure 0004461891
    (式中、RおよびRはそれぞれ相異なって、直鎖状、分枝鎖状若しくは環状の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、3−フェノキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル基又は2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル基を表わす。該アルキル基は、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。該アリール基は直鎖状、分枝鎖状若しくは環状の炭素数1〜20のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
    また、RおよびRが結合して、その結合炭素原子とともに環を形成していてもよい。*は不斉中心であることを表わす。)
    で示される光学活性アミンと過酸化水素とを反応させ、式(2)
    Figure 0004461891
    (式中、RおよびRはそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるオキシム化合物を得る工程と、
    (B)(A)で得られた式(2)で示されるオキシム化合物と金属水素化物とをエーテル溶媒及び芳香族炭化水素溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒中で反応させて、式(3)
    Figure 0004461891
    (式中、RおよびRはそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるラセミアミンを得る工程と
    を含むことを特徴とするラセミアミンの製造方法。
  2. (A)タングステンと、第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素と、からなるタングステン化合物;
    モリブデンと、第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素と、からなるモリブデン化合物;
    タングステン金属;
    及び、モリブデン金属;
    からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物の存在下に、式(1)
    Figure 0004461891
    (式中、R およびR はそれぞれ相異なって、直鎖状、分枝鎖状若しくは環状の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、3−フェノキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル基又は2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル基を表わす。該アルキル基は、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。該アリール基は直鎖状、分枝鎖状若しくは環状の炭素数1〜20のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
    また、R およびR が結合して、その結合炭素原子とともに環を形成していてもよい。*は不斉中心であることを表わす。)
    で示される光学活性アミンと過酸化水素とを反応させ、式(2)
    Figure 0004461891
    (式中、R およびR はそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるオキシム化合物を得る工程と、
    (B)(A)で得られた式(2)で示されるオキシム化合物と、水素ガス、ギ酸及びギ酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の水素供与体とを、脂肪族炭化水素溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、アルコール溶媒、ニトリル溶媒、酢酸及び水からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒中で、貴金属触媒及びラネー触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属触媒の存在下に反応させて、式(3)
    Figure 0004461891
    (式中、R およびR はそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるラセミアミンを得る工程と
    を含むことを特徴とするラセミアミンの製造方法。
  3. (A)において、式(1)で示される光学活性アミンと金属酸化物の混合物中に過酸化水素を加えていくことを特徴とする請求項1又は2記載のラセミアミンの製造方法。
  4. 置換基R およびR のうち少なくとも一方が、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、及び3−フェノキシフェニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基である請求項1〜3のいずれか記載のラセミアミンの製造方法。
  5. (A)タングステンと、第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素と、からなるタングステン化合物;
    モリブデンと、第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素と、からなるモリブデン化合物;
    タングステン金属;
    及び、モリブデン金属;
    からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物の存在下に、式(1)
    Figure 0004461891
    (式中、R およびR はそれぞれ相異なって、直鎖状、分枝鎖状若しくは環状の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、3−フェノキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル基又は2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル基を表わす。該アルキル基は、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。該アリール基は直鎖状、分枝鎖状若しくは環状の炭素数1〜20のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
    また、R およびR が結合して、その結合炭素原子とともに環を形成していてもよい。*は不斉中心であることを表わす。)
    で示される光学活性アミンと過酸化水素とを反応させ、式(2)
    Figure 0004461891
    (式中、R およびR はそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるオキシム化合物を得る工程と、
    (B)(A)で得られた式(2)で示されるオキシム化合物を、
    脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒及びエーテル溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒中、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸無水物及びカルボン酸からなる群から選ばれるアシル化剤、又は、ハロゲン化アルキル化合物で、O−保護化し、
    得られたO−保護されたオキシム化合物を、下記(B1)又は(B2)の方法によって、式(3)
    Figure 0004461891
    (式中、R およびR はそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるラセミアミンを得る工程
    を含むことを特徴とするラセミアミンの製造方法。

    (B1)上記O−保護されたオキシム化合物と金属水素化物とをエーテル溶媒及び芳香族炭化水素溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒中、0〜100℃の範囲で反応させる方法。
    (B2)上記O−保護されたオキシム化合物と、水素ガス、ギ酸及びギ酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の水素供与体とを、脂肪族炭化水素溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、アルコール溶媒、ニトリル溶媒、酢酸及び水からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒中、貴金属触媒及びラネー触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属触媒の存在下、0〜150℃の範囲で反応させる方法。
  6. (A)タングステンと、第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素と、からなるタングステン化合物;
    モリブデンと、第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素と、からなるモリブデン化合物;
    タングステン金属;
    及び、モリブデン金属;
    からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物の存在下に、式(1)
    Figure 0004461891
    (式中、R およびR はそれぞれ相異なって、直鎖状、分枝鎖状若しくは環状の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、3−フェノキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル基又は2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル基を表わす。該アルキル基は、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。該アリール基は直鎖状、分枝鎖状若しくは環状の炭素数1〜20のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
    また、R およびR が結合して、その結合炭素原子とともに環を形成していてもよい。*は不斉中心であることを表わす。)
    で示される光学活性アミンと過酸化水素とを反応させ、式(2)
    Figure 0004461891
    (式中、R およびR はそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるオキシム化合物を得る工程と、
    (B)(A)で得られた式(2)で示されるオキシム化合物を、(A)で得られた式(2)で示されるオキシム化合物と金属水素化物とをエーテル溶媒及び芳香族炭化水素溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒中で反応させて、式(3)
    Figure 0004461891
    (式中、R およびR はそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるラセミアミンを得る工程と
    を含むことを特徴とする光学活性アミンのラセミ化方法。
  7. (A)タングステンと、第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素と、からなるタングステン化合物;
    モリブデンと、第IIIb族元素、第IVb族元素、第Vb族元素または酸素を除く第VIb族元素と、からなるモリブデン化合物;
    タングステン金属;
    及び、モリブデン金属;
    からなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物の存在下に、式(1)
    Figure 0004461891
    (式中、R およびR はそれぞれ相異なって、直鎖状、分枝鎖状若しくは環状の炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、3−フェノキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル基又は2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(メトキシメチル)ベンジル基を表わす。該アルキル基は、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。該アリール基は直鎖状、分枝鎖状若しくは環状の炭素数1〜20のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
    また、R およびR が結合して、その結合炭素原子とともに環を形成していてもよい。*は不斉中心であることを表わす。)
    で示される光学活性アミンと過酸化水素とを反応させ、式(2)
    Figure 0004461891
    (式中、R およびR はそれぞれ上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるオキシム化合物を得る工程と、
    (B)(A)で得られた式(2)で示されるオキシム化合物と、水素ガス、ギ酸及びギ酸アンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の水素供与体とを、脂肪族炭化水素溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、アルコール溶媒、ニトリル溶媒、酢酸及び水からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒中で、貴金属触媒及びラネー触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属触媒の存在下に反応させて、式(3)
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