JP4182741B2 - ニトロン類の製造方法およびその触媒 - Google Patents

ニトロン類の製造方法およびその触媒 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はニトロン類の製造方法およびその触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
ニトロン類は、例えばα−置換アミン化合物、アミノ酸、アルカロイド等の医薬、農薬、ファインケミカルズの合成中間体として重要な化合物であり(例えば特許文献1参照。)、その製造方法として、二級アミン(ただし、アミノ基に結合する二つの炭素原子のうちの少なくとも一方は、少なくとも一つの水素原子を有する。)と過酸化水素を反応させる方法が知られている。過酸化水素は安価で、取扱いが容易で、しかも反応後には無害な水となる、クリーンで優れた酸化剤として近年注目を集めており、工業的な観点からも、前記二級アミンと過酸化水素を反応させて、ニトロン類を製造する方法は重要である。
【0003】
前記二級アミンと過酸化水素を反応させて、ニトロン類を製造する方法としては、例えば▲1▼トリス(セチルピリジニウム)ペルオキソタングストリン酸触媒を用いる方法(例えば非特許文献1参照。)、▲2▼タングステン酸ナトリウム触媒を用いる方法(例えば特許文献2参照。)、▲3▼二酸化セレン触媒を用いる方法(例えば特許文献1参照。)、▲4▼メチルレニウムトリオキシド触媒を用いる方法(例えば非特許文献2参照。)等が知られている。しかしながら、▲1▼の方法は、触媒の調製が煩雑であるという点で、▲2▼の方法は、アミンの種類によっては収率が低いという点で、▲3▼の方法は、毒性の高い触媒を用いているという点で、▲4▼の方法は、触媒が高価であるという点で、いずれの方法も工業的に十分満足し得る方法とは必ずしも言えなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−63651号公報
【特許文献2】
特開昭59−164762号公報
【非特許文献1】
Chemistry Letters,289(1992)
【非特許文献2】
Bull.Chem.Soc.Jpn.,70,877(1997)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、本発明者は、二級アミン(ただし、アミノ基に結合する二つの炭素原子のうちの少なくとも一方は、少なくとも一つの水素原子を有する。)と過酸化水素を反応させて、ニトロン類を工業的により有利に製造する方法を開発すべく鋭意検討したところ、安価で入手が容易なタングステン金属、モリブデン金属、硫化タングステン等のタングステン化合物等と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物が、前記二級アミンと過酸化水素との反応において、良好な触媒活性を示すこと、該金属酸化物触媒の存在下に、前記二級アミンと過酸化水素とを反応させることにより、ニトロン類が得られることを見出し、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、タングステン金属、モリブデン金属、硫化タングステンおよびホウ化タングステンからなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒の存在下に、二級アミン(ただし、アミノ基に結合する二つの炭素原子のうちの少なくとも一方は、少なくとも一つの水素原子を有する。)と過酸化水素とを反応させることを特徴とするニトロン類の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
まず本発明に用いられる触媒について説明する。本発明には、タングステン金
属、モリブデン金属、硫化タングステンおよびホウ化タングステンからなる群から選ばれる少なくとも一種(以下、金属化合物と略記する。)と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒が用いられる。
【0010】
かかる金属化合物のなかでも、タングステン金属、モリブデン金属、硫化タングステンが好ましい。また、かかる金属化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
【0011】
かかる金属化合物と反応せしめる過酸化水素としては、通常水溶液が用いられる。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよいが、取扱いが容易という点で、過酸化水素水を用いることが好ましい。過酸化水素水もしくは過酸化水素の有機溶媒溶液中の過酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素水を用いる場合は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じて希釈、濃縮等により濃度調整を行なったものを用いればよい。また過酸化水素の有機溶媒溶液を用いる場合は、例えば過酸化水素水を有機溶媒で抽出処理する、もしくは有機溶媒の存在下に過酸化水素水を蒸留処理する等の手段により、調製したものを用いればよい。
【0012】
金属化合物と反応せしめる過酸化水素の使用量は、金属化合物に対して、通常3モル倍以上、好ましくは5モル倍以上であり、その上限は特にない。
【0013】
金属化合物と過酸化水素との反応は、通常水溶液中で実施される。もちろん例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばメタノール、エタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶媒、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒等の有機溶媒中または該有機溶媒と水との混合溶媒中で実施してもよい。
【0014】
金属化合物と過酸化水素との反応は、通常その両者を混合、接触させることにより行われ、金属化合物と過酸化水素との接触効率をより向上させるため、金属酸化物調製液中で、金属化合物が十分分散するよう攪拌しながら反応を行うことが好ましい。また金属化合物と過酸化水素との接触効率を高め、金属酸化物調製時の制御をより容易にするという点で、例えば粉末状の金属化合物等粒径の小さな金属化合物を用いることが好ましい。
【0015】
金属酸化物調製時の調製温度は、通常−10〜100℃である。
【0016】
金属化合物と過酸化水素とを、水中、有機溶媒中もしくは有機溶媒と水との混合溶媒中で反応させることにより、金属化合物の一部または全部が溶解して、金属酸化物を含む均一溶液もしくは懸濁液を調製することができるが、該金属酸化物を、例えば濃縮処理等により調製液から取り出して、触媒として用いてもよいし、該調製液をそのまま触媒として用いてもよい。
【0017】
続いて、上記金属酸化物触媒の存在下に、二級アミン(ただし、アミノ基に結合する二つの炭素原子のうちの少なくとも一方は、少なくとも一つの水素原子を有する。以下、二級アミンと略記する。)と過酸化水素とを反応させて、ニトロン類を製造する方法について説明する。
【0018】
本発明に用いられる二級アミンとしては、アミノ基に二つの置換基が結合したものであって、アミノ基に結合した2つの炭素原子のうちの少なくとも一方が、少なくとも一つの水素原子を有するものであれば特に制限されない。またかかるアミノ基をその分子内に一つ有するものであってもよいし、二つ以上有するものであってもよい。
【0019】
かかる二級アミンとしては、例えば一般式(1)
Figure 0004182741
(式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わす。R3は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わす。ここで、R1、R2およびR3のうちの任意の二つまたは三つが結合して環を形成してもよい。)
で示される二級アミンが挙げられる。
【0020】
置換されていてもよいアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数1〜20のアルキル基およびこれらアルキル基が、例えばメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、例えばフェノキシ基等のアリールオキシ基、例えばベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基、例えばフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、例えばアセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、例えばカルボメトキシ基、カルボエトキシ基等のカルボアルコキシ基、例えばカルボフェノキシ基等のカルボアリールオキシ基、例えばカルボベンジルオキシ基等のカルボアラルキルオキシ基、カルボキシル基等の置換基で置換された、例えばフルオロメチル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、カルボメトキシメチル基等が挙げられる。
【0021】
置換されていてもよいアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等およびこれらフェニル基、ナフチル基等を構成する芳香環が、前記置換されていてもよいアルキル基、アリール基、後述するアラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基等で置換された、例えば2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−フェノキシフェニル基等が挙げられる。
【0022】
置換されていてもよいアラルキル基としては、前記置換されていてもよいアリール基と前記置換されていてもよいアルキル基とから構成されるものが挙げられ、例えばベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、3−フェノキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル基等が挙げられる。
【0023】
1、R2およびR3のうちの任意の二つまたは三つが結合して環を形成している場合の該環としては、例えばシクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロドデカン環、ピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロイソキノリン環等が挙げられる。
【0024】
かかる二級アミンとしては、例えばN,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジ(n−プロピル)アミン、N,N−ジ(n−ブチル)アミン、N,N−ジ(n−アミル)アミン、N,N−ジ(n−ヘキシル)アミン、N,N−ジ(n−ヘプチル)アミン、N,N−ジ(n−オクチル)アミン、N,N−ジ(n−ノニル)アミン、N,N−ジ(n−デシル)アミン、N,N−ジ(n−ドデシル)アミン、N,N−ジイソプロピルアミン、N,N−ジイソブチルアミン、N,N−ジ(sec−ブチル)アミン、N,N−ジイソアミルアミン、N−エチル−tert−ブチルアミン、N,N−ジベンジルアミン、N−ベンジル−tert−ブチルアミン、N−ベンジルアニリン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、6,7−メチレンジオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、ピロリジン、2−メチルピロリジン、2−カルボメトキシピロリジン、3,4−ジメトキシピロリジン、ピペリジン、2−メチルピペリジン、2−カルボメトキシピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン等が挙げられる。
【0025】
かかる二級アミンとして、例えば二級アミン・塩酸塩、二級アミン・硫酸等の二級アミンと酸との塩を用いてもよい。
【0026】
本反応は、前記金属酸化物触媒の存在下に、二級アミンと過酸化水素とを反応させるものであり、二級アミンのアミノ基が酸化されたニトロン類が生成する。
【0027】
二級アミンとして、上記一般式(1)で示される二級アミンを用いた場合には、下記一般式(2)
Figure 0004182741
(式中、R1、R2およびR3は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるニトロン類が得られる。
【0028】
二級アミンと過酸化水素との反応における金属酸化物の使用量は、二級アミンに対して、通常0.001モル倍以上であり、その上限は特にないが、経済的な面を考慮すると、実用的には、二級アミンに対して、1モル倍以下である。
【0029】
過酸化水素は、通常水溶液として用いられる。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよい。過酸化水素水もしくは有機溶媒溶液中の過酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素水は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じて希釈、濃縮等により濃度調整を行なった後用いられる。過酸化水素の有機溶媒溶液は、例えば過酸化水素水を有機溶媒で抽出処理する、もしくは有機溶媒の存在下に過酸化水素水を蒸留処理する等の手段により、調製することができる。
【0030】
過酸化水素の使用量は、二級アミンのアミノ基に対して、通常1モル倍以上であり、その使用量の上限は特にないが、経済的な面も考慮すると、実用的には、二級アミンのアミノ基に対して、10モル倍以下である。なお、触媒として、金属酸化物を含む調製液を用いる場合は、該調製液中の過酸化水素量を含めて、過酸化水素の使用量を設定してもよい。
【0031】
本反応は、通常水中、有機溶媒中または有機溶媒と水との混合溶媒中で実施される。有機溶媒としては、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒、例えばメタノール、エタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶媒、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばシクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられる。水または有機溶媒の使用量は特に制限されないが、容積効率等を考慮すると、実用的には、二級アミンに対して、100重量倍以下である。
【0032】
反応温度があまり低いと反応が進行しにくく、また反応温度があまり高いと原料の二級アミンや生成するニトロン類の分解等副反応が進行する恐れがあるため、実用的な反応温度は、−20〜100℃の範囲である.
【0033】
また、本反応は、アンモニアの共存下に実施してもよく、アンモニアとしては、アンモニア水、アンモニアガス、アンモニア/有機溶媒溶液のいずれを用いてもよい。その使用量は特に制限されないが、あまり多すぎても経済的に不利にないやすいため、実用的には、二級アミンに対して、10モル倍以下である。
【0034】
本反応は、通常二級アミン、過酸化水素および金属酸化物触媒を混合、接触することにより実施され、その混合順序は特に制限されない。また、例えば金属化合物、過酸化水素および二級アミンを混合、接触させて、金属酸化物触媒の調製操作と、二級アミンと過酸化水素との反応を同時に行ってもよい。
【0035】
本反応は、常圧条件下で実施してもよいし、加圧条件下で実施してもよい。また、反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ、NMR、IR等の通常の分析手段により確認することができる。
【0036】
反応終了後、反応液をそのままもしくは必要に応じて残存する過酸化水素を、例えばチオ硫酸ナトリウム等の還元剤で分解した後、濃縮処理、晶析処理等することにより、目的とするニトロン類を取り出すことができる。また、反応液に、必要に応じて水および/または水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、ニトロン類を取り出すこともできる。取り出したニトロン類は、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ等の手段によりさらに精製してもよい。
【0037】
水に不溶の有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒等が挙げられ、その使用量は特に制限されない。
【0038】
また、目的とするニトロン類を晶析処理により取り出した後の濾液や反応液を抽出処理して得られる水層は、本反応の金属酸化物触媒を含んでおり、そのままもしくは必要に応じて濃縮処理等を行った後、再度本反応に使用することができる。
【0039】
かくして得られるニトロン類としては、例えばN−メチリデンメチルアミン N−オキシド、N−エチリデンメチルアミン N−オキシド、N−プロピリデンメチルアミン N−オキシド、N−ブチリデンブチルアミン N−オキシド、N−ペンチリデンアミルアミン N−オキシド、N−ヘキシリデンヘキシルアミンN−オキシド、N−ヘプチリデンヘプチルアミン N−オキシド、N−オクチリデンオクチルアミン N−オキシド、N−ノニリデンノニルアミン N−オキシド、N−デシリデンデシルアミン N−オキシド、N−ドデシリデンドデシルアミン N−オキシド、N−イソプロピリデンイソプロピルアミン N−オキシド、N−イソブチリデンイソブチルアミン N−オキシド、N−sec−ブチリデン−secブチルアミン N−オキシド、N−イソアミリデンイソアミルアミン N−オキシド、N−エチリデン−tert−ブチルアミン N−オキシド、
【0040】
N−ベンジリデンベンジルアミン N−オキシド、N−ベンジリデン−tert−ブチルアミン N−オキシド、N−ベンジリデンアニリン N−オキシド、3,4−ジヒドロイソキノリン N−オキシド、6,7−メチレンジオキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン N−オキシド、1−ピロリン N−オキシド、2−メチル−1−ピロリン N−オキシド、2−カルボメトキシ−1−ピロリン N−オキシド、3,4−ジメトキシ−1−ピロリン N−オキシド、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン N−オキシド、2−メチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン N−オキシド、2−カルボメトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン N−オキシド、2,6−ジメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリジン N−オキシド等が挙げられる。
【0041】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0042】
実施例1
50mLフラスコに、タングステン金属16mgおよび30重量%過酸化水素水250mgを仕込み、内温40℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タングステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温20℃に冷却し、メタノール3gおよびN−ベンジル−tert−ブチルアミン355mgを仕込んだ。30重量%過酸化水素水1150mgを5分かけて滴下した後、同温度で5時間攪拌、保持し、反応させた。反応終了後、メチルtert−ブチルエーテル10gおよび水10gを加え、攪拌、静置後、分液処理し、得られた有機層をガスクロマトグラフィ分析(以下、GC分析と略記する。)した。N−ベンジリデン−tert−ブチルアミン N−オキシドの収率は、95%であった。得られた有機層を濃縮処理し、N−ベンジリデン−tert−ブチルアミン N−オキシドの白色結晶370mgを得た。
【0043】
実施例2
50mLフラスコに、タングステン金属16mgおよび30重量%過酸化水素水250mgを仕込み、内温40℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タングステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温20℃に冷却し、水3gおよびN,N−ジベンジルアミン396mgを仕込んだ。30重量%過酸化水素水1150mgを5分かけて滴下した後、同温度で3時間攪拌、保持し、反応させた。反応終了後、メチルtert−ブチルエーテル10gおよび水10gを加え、攪拌、静置後、分液処理し、得られた有機層を濃縮処理し、N−ベンジリデンベンジルアミン N−オキシドの白色結晶430mgを得た。融点:81〜83℃。
【0044】
実施例3
50mLフラスコに、タングステン金属160mgおよび30重量%過酸化水素水2.5gを仕込み、内温40℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タングステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温0℃に冷却し、水30gおよびN,N−ジ(n−ブチル)アミン2.6gを仕込んだ。30重量%過酸化水素水6.9gを30分かけて滴下した後、同温度で3時間攪拌、保持し、反応させた。反応終了後、メチルtert−ブチルエーテル50gおよび水10gを加え、攪拌、静置後、分液処理し、得られた有機層を濃縮処理し、N−ブチリデンブチルアミン N−オキシドを含む淡黄色オイル3.1gを得た。該淡黄色オイルをガスクロマトグラフィ(以下、GCと略記する。)により分析したところ、N−ブチリデンブチルアミン N−オキシドの含量は、87%(GC面積百分率値)であった。収率:94%。
【0045】
実施例4
50mLフラスコに、タングステン金属160mgおよび30重量%過酸化水素水2.5gを仕込み、内温40℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タングステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温20℃に冷却し、水30gおよび1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン1.7gを仕込んだ。30重量%過酸化水素水6.9gを30分かけて滴下した後、同温度で3時間攪拌、保持し、反応させた。反応終了後、メチルtert−ブチルエーテル50gおよび水10gを加え、室温で攪拌、静置後、分液処理し、得られた有機層を濃縮処理し、3,4−ジヒドロイソキノリン N−オキシドを含む淡黄色オイル2.1gを得た。該淡黄色オイルをGC分析したところ、3,4−ジヒドロイソキノリン N−オキシドの含量は、80%(GC面積百分率値)であった。収率:90%。
【0046】
実施例5
50mLフラスコに、タングステン金属74mgおよび30重量%過酸化水素水500mgを仕込み、内温40℃に昇温し、同温度で0.5時間攪拌、保持し、タングステン酸化物触媒水溶液を調製した。該調製液を内温0℃に冷却し、水4g、28重量%アンモニア水600mgおよびピペリジン850mgを仕込んだ。30重量%過酸化水素水3.4gを30分かけて滴下した後、同温度で3時間攪拌、保持し、反応させた。反応終了後、メチルtert−ブチルエーテル50gおよび水10gを加え、室温で攪拌、静置後、分液処理し、得られた有機層を濃縮処理し、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン N−オキシドを含む淡黄色オイル780mgを得た。該淡黄色オイルをGC分析したところ、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン N−オキシドの含量は、90%(GC面積百分率値)であった。収率:70%。
【0047】
実施例6
実施例2において、タングステン金属16mgに代えてモリブデン金属16mgを用い、溶媒として水3gに代えてメタノール3gを用いた以外は、実施例2と同様に実施し、N−ベンジリデンベンジルアミン N−オキシドの白色結晶410mgを得た。
【0048】
実施例7
実施例2において、タングステン金属16mgに代えて硫化タングステン20mgを用い、溶媒として水3gに代えてメタノール3gを用いた以外は、実施例2と同様に実施し、N−ベンジリデンベンジルアミン N−オキシドの白色結晶425mgを得た。
【0049】
実施例8
実施例2において、タングステン金属に代えてホウ化タングステンを用いる以外は、実施例2と同様に実施することにより、N−ベンジリデンベンジルアミン
N−オキシドが得られる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、安価で入手が容易なタングステン金属、モリブデン金属、硫化タングステン等のタングステン化合物やモリブデン化合物と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒の存在下に、二級アミン(ただし、アミノ基に結合する二つの炭素原子のうち、少なくとも一方の炭素原子は、少なくとも一つの水素原子を有する。)と過酸化水素とを反応させることにより、ニトロン類を得ることができるため、工業的に有利である。

Claims (7)

  1. タングステン金属、モリブデン金属、硫化タングステンおよびホウ化タングステンからなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物触媒の存在下に、二級アミン(ただし、アミノ基に結合する二つの炭素原子のうちの少なくとも一方は、少なくとも一つの水素原子を有する。)と過酸化水素とを反応させることを特徴とするニトロン類の製造方法。
  2. 二級アミンが、一般式(1)
    Figure 0004182741
    (式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わす。R3は、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わす。ここで、R1、R2およびR3のうちの任意の二つまたは三つが結合して環を形成してもよい。)
    で示される二級アミンである請求項1に記載のニトロン類の製造方法。
  3. 過酸化水素水を用いる請求項1に記載のニトロン類の製造方法。
  4. アンモニアの共存下に反応を実施する請求項1に記載のニトロン類の製造方法。
  5. タングステン金属、モリブデン金属、硫化タングステンおよびホウ化タングステンからなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる、二級アミン(ただし、アミノ基に結合する二つの炭素原子のうちの少なくとも一方は、少なくとも一つの水素原子を有する。)を酸化してニトロン類を製造するための金属酸化物触媒。
  6. タングステン金属、モリブデン金属、硫化タングステンおよびホウ化タングステンからなる群から選ばれる少なくとも一種と過酸化水素水とを反応せしめてなる、二級アミン(ただし、アミノ基に結合する二つの炭素原子のうちの少なくとも一方は、少なくとも一つの水素原子を有する。)を酸化してニトロン類を製造するための金属酸化物触媒水溶液。
  7. 請求項に記載の金属酸化物触媒水溶液と有機溶媒とからなる、二級アミン(ただし、アミノ基に結合する二つの炭素原子のうちの少なくとも一方は、少なくとも一つの水素原子を有する。)を酸化してニトロン類を製造するための金属酸化物触媒溶液。
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