JP2013053141A - 口唇化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】次の成分(a)及び(b):
(a)少なくとも(a1)25℃での針入度が5〜20の炭化水素系ワックスと、(a2)25℃での針入度が20を超え110以下の炭化水素系ワックスを含むワックス 全化粧料中に1〜9質量%、
(b)25℃で液状又はペースト状油剤、
を含有し、
成分(a1)と成分(a2)の質量割合が(a1)/(a2)=1/17〜80/1であり、
成分(a1)と成分(a2)の総和と成分(b)の質量割合が、((a1)+(a2))/(b)=0.02〜0.12であり、
成分(b)の25℃での粘度が500〜10000mPa・sであり、
30℃における化粧料の10mmφ冶具での針入硬度が0.5〜9Nである口唇化粧料。
【選択図】なし
Description
これらのうち、スティック等の固形状口紅は、発色は良いが、つやの点で劣るものである。また、グロスに代表される非固形状のものは、つやは非常に高いが、発色、べたつき、潤い、潤いの持続という点では十分でない。
このため、つやや発色が良く、使用感が良好で、潤い性能が高い口唇化粧料が検討されている。
また、特定のワックス、デキストリン脂肪酸エステル、油溶性樹脂及び板状粉体を含有するペースト状口唇化粧料(特許文献2)や、融点の異なる2種の炭化水素、抱水性油及びデキストリン脂肪酸エステルを含有する油性化粧料(特許文献3)なども検討されている。しかしながら、これらの化粧料では、使用感は良好であるものの、ゲル化剤を用いるため、潤いや、潤いの持続性が低下してしまうという問題があった。
(a)少なくとも(a1)25℃での針入度が5〜20の炭化水素系ワックスと、(a2)25℃での針入度が20を超え110以下の炭化水素系ワックスを含むワックス 全化粧料中に1〜9質量%、
(b)25℃で液状又はペースト状油剤、
を含有し、
成分(a1)と成分(a2)の質量割合が(a1)/(a2)=1/17〜80/1であり、
成分(a1)と成分(a2)の総和と成分(b)の質量割合が、((a1)+(a2))/(b)=0.02〜0.12であり、
成分(b)の25℃での粘度が500〜10000mPa・sであり、
30℃における化粧料の10mmφ冶具での針入硬度が0.5〜9Nである口唇化粧料を提供するものである。
ここで、針入度は、25±0.1℃に保ったワックスの試料に、規定の針(針の質量2.5±0.02g、針保持具の質量47.5±0.02g、おもりの質量50±0.05g)が、5秒間に針入する長さを測定し、その針入距離(mm)を10倍した値を針入度とするものであり、JIS K−2235−5.4(1991年)に準じて測定した値である。
これらのワックスは、市販品を使用することができ、例えば、セレシンとして、セレシン#810、セレシンB(以上、日興リカ社);パラフィンとして、パラフィンワックス125、140、150、155、HNP−3、9、10、11、12、51、SP−0135、0140、0145、0160、0165、3035、3040(以上、日本精鑞社);フィッシャー・トロプシュワックスとして、FT−0070、100、105、115、0165、5165、FNP−0115(以上、日本精鑞社);ポリエチレンワックスとして、PERFORMALENE PL POLYETHYLENE、PERFORMA LENE 400、500、655(以上、NEW PHASE TECHNOLOGIES社)等が挙げられる。(a1)の25℃の針入度は6〜18であることが、より好ましい。
これらのワックスは、市販品を使用することができ、例えば、マイクロクリスタリンワックスとして、Multiwax W−445、W−835(以上、SONNEBORN社)、Hi−Mic−1045、1070、1080、1090、2045、2065、2095(以上、日本精鑞社)、精製マイクロクリスタリンワックス(日興リカ社)、155°マイクロワックス(日本石油社)等が挙げられる。(a2)の25℃の針入度は25〜80であることが、より好ましい。
さらに、(a1)が0.1〜7質量%、(a2)が0.1〜4質量%であることが好ましい。
尚、粘度の測定は、B型粘度計(東機産業社:TVB−10)で、25℃の条件下、ローターNo.4を回転数6rpmの条件で、回転時間1分で測定したものである。
ここで、液状又はペースト状油剤とは、25℃で流動性がある油剤のことであり、そのうち、ペースト状油剤は室温〜60℃付近に融点を持つ油剤のことである。
具体的には、ワセリン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン等の炭化水素油;イソノナン酸イソトリデシル、イソステアリン酸イソプロピル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ホホバ油、オクチルドデカノール、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/2−オクチルドデシル)等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキサン等のシリコーン油;ラノリン、ダイマー酸エステル、ダイマージオール誘導体、コレステロール脂肪酸エステル、フィトステロール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等が挙げられる。
本発明においては、成分(b)の25℃で液状又はペースト状の全油剤中に、液状油が40質量%以上、95質量%以下であるのが好ましい。
なお、シリコーン油の粘度は、振動式粘度計(エー・アンド・デイ社:SV型粘度計 SV−10 VIBRO VISCOMETER)で測定したものである。
このような親油性ゲル化剤としては、例えば、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ヤシ油脂肪酸デキストリン等のデキストリン脂肪酸エステル;ショ糖脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
体質顔料としては、例えば、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、ベントナイト、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機顔料及びこれらの複合粉体が挙げられる。
これらの粉体は、通常の方法により、撥水処理、撥水・撥油化処理等の各種表面処理を施したものを用いることもできる。
本発明において「針入硬度」とは、不動工業社製のレオメーターを用い、30℃にて、冶具の直径が2mmでtable speedが2mm/sの速さで、冶具が深さ2mmまで針入した時の最大値を、単位面積当たりに換算したものである。
ここで、非固形状とは、塊状を呈しているが、金型等では成型できない程度に保型性が低い状態であり、スティック状のように繰出し容器では使用しないものである。本発明の口唇化粧料は、チューブ容器、ディッピング容器等に充填されるのが好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。
(a)少なくとも(a1)25℃での針入度が5〜20の炭化水素系ワックスと、(a2)25℃での針入度が20を超え110以下の炭化水素系ワックスを含むワックス 全化粧料中に1〜9質量%、
(b)25℃で液状又はペースト状油剤、
を含有し、
成分(a1)と成分(a2)の質量割合が(a1)/(a2)=1/17〜80/1であり、
成分(a1)と成分(a2)の総和と成分(b)の質量割合が、((a1)+(a2))/(b)=0.02〜0.12であり、
成分(b)の25℃での粘度が500〜10000mPa・sであり、
30℃における化粧料の10mmφ冶具での針入硬度が0.5〜9Nである口唇化粧料。
<3>(a2)の炭化水素系ワックスは、25℃での針入度が25〜80である前記<1>又は<2>記載の口唇化粧料。
<4>(a1)及び(a2)の質量割合が、(a1)/(a2)=1/8〜70/1であって、2/7〜25/1が好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載の口唇化粧料。
<5>成分(a)の含有量が、全化粧料中に2〜8.5質量%であって、3〜8質量%が好ましい前記<1>〜<4>のいずれか1記載の口唇化粧料。
<7>(a2)が、マイクロクリスタリンワックス及びパラフィンワックスから選ばれるものであって、マイクロクリスタリンワックスが好ましい前記<1>〜<6>のいずれか1記載の口唇化粧料。
<8>(a1)の含有量が、全化粧料中0.1〜7質量%、(a2)の含有量が、全化粧料中0.1〜4質量%である前記<1>〜<7>のいずれか1記載の口唇化粧料。
<10>成分(b)の含有量が、全化粧料中に下限は30質量%以上であって、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、上限は95質量%以下であって、90質量%以下が好ましい前記<1>〜<9>のいずれか1記載の口唇化粧料。
<11>成分(b)の全油剤中に、液状油が40質量%以上、95質量%以下である前記<1>〜<10>のいずれか1記載の口唇化粧料。
<13>成分(b)中、25℃での粘度が100mPa・s以下のシリコーン油の含有量が、3質量%以下であって、2質量%が好ましい前記<1>〜<12>のいずれか1記載の口唇化粧料。
<15>親油性ゲル化剤が、全化粧料中に2質量%以下であって、1質量%以下が好ましい前記<1>〜<14>のいずれか1記載の口唇化粧料。
<17>成分(c)の含有量が、全組成中に、下限は0.01質量%以上であって、0.1質量%以上が好ましく、上限は20質量%以下であって、10質量%以下が好ましい前記<1>〜<16>のいずれか1記載の口唇化粧料。
<18>30℃における化粧料の10mmφ冶具での針入硬度が0.8〜6Nである前記<1>〜<17>のいずれか1記載の口唇化粧料。
<19>チューブ容器又はディッピング容器に充填されている前記<1>〜<18>のいずれか1記載の口唇化粧料。
以下に示す方法により、表1および表2に示す組成の口唇化粧料(口紅)を製造した。
得られた口唇化粧料にについて、針入硬度及び水分閉塞性を測定し、また、安定性、発色の良さ、つや、べたつきのなさ、ケア効果感及び乾燥感のなさを評価した。結果を表1および表2に併せて示す。
基剤原料(色材以外)を90℃で加熱融解して均一に混合した。次に、これに色材原料を加えて加熱状態でディスパーザーにて均一に分散させ、脱泡した後、ディッピング容器に流し込んで、口紅を得た。
(1)針入硬度:
測定サンプルは、バルクを90℃に加熱し、直径のアルミ製のセルに流し込み20℃で冷却固化させ、30℃に2時間置いたものである。このサンプルを、不動工業社製のレオメーターを用い、30℃にて、直径10mmφの冶具にて測定を行った。Table speedが2mm/sの速さで、冶具が深さ2mmまで針入した時の最大値である。
ガラス製試薬瓶(開口部1.5cmφ)に水10ccを入れ、サンプルを25μmの厚みになるように濾紙(東洋濾紙社、メンブランフィルター;細孔径0.2μm)の片面に塗布し、これで開口部を覆う。これを30℃、30%RHの条件に12時間静置したときの試薬瓶の重量減少(水分減少量)を測定する。サンプルを塗布していない濾紙で覆った場合の重量減少と比較し、以下の式で水分閉塞性を求めた。
半径1.5cm、高さ6cmの円筒状透明容器に、5.5cmの高さまで流し込んだ口紅を、50℃に2週間保存し、その外観を目視観察し、油剤が分離しているかどうか、以下の基準で判断した。
○;初期と殆ど変わらない
△;上面から1cmくらいの位置まで油剤が分離している
×;著しく油剤が分離している
専門パネラー10名により、各口唇化粧料を唇へ塗布した直後、及び3時間後の発色の良さを官能評価した。良好であると評価したパネラーの人数で示した。
専門パネラー10名により、各口唇化粧料を唇へ塗布した直後、及び3時間後のつやを官能評価した。良好であると評価したパネラーの人数で示した。
専門パネラー10名により、各口唇化粧料を唇へ塗布した直後、及び3時間後のべたつきのなさを官能評価した。良好であると評価したパネラーの人数で示した。
専門パネラー10名により、各口唇化粧料を唇へ塗布した直後、及び3時間後のケア効果感を官能評価した。良好であると評価したパネラーの人数で示した。
専門パネラー10名により、各口唇化粧料を唇へ塗布した直後、及び3時間後の乾燥感のなさを官能評価した。良好であると評価したパネラーの人数で示した。
*2:HNP-9(日本精鑞社製) 針入度 7
*3:SP3040(日本精鑞社製) 針入度 14
*4:Multiwax W-445(SONNEBORN, INC.社製) 針入度 34
*5:精製キャンデリラワックス特号(セラリカNODA社製) 針入度 1
*6:PERFORMALENE PL POLYETHYLENE(NEW PHASE TECHNOLOGIES社製) 針入度 0.5
*7:パールリーム46(日本油脂社製) 平均分子量2700
*8:パールリーム24(日本油脂社製) 平均分子量1350
*9:パールリーム18(日本油脂社製) 平均分子量1000
*10:サラコスDP-418N(日清オイリオ社製)
*11:モレスコホワイトP500(日本油脂社製)
*12:リソカスタODSHS(高級アルコール工業社製)
*13:Plandool-G(日本精化社製)
*14:コスモール168M(日清オイリオ社製)
*15:サラコスFH(日清オイリオ社製)
*16:エルデュウPS-304(味の素社製)
*17:SH556 FLUID(東レ・ダウコーニング社製)
*18:レオパールKL2(千葉製粉社製)
実施例1〜13と同様にして、表3〜表5に示す組成の口唇化粧料(口紅)を製造し、針入硬度及び水分閉塞性を測定し、また、安定性、発色の良さ、つや、べたつきのなさ、ケア効果感及び乾燥感のなさを評価した。結果を表3〜表5に併せて示す。
*20:Multiwax W-835(SONNEBORN, INC社製) 針入度 75
Claims (15)
- 次の成分(a)及び(b):
(a)少なくとも(a1)25℃での針入度が5〜20の炭化水素系ワックスと、(a2)25℃での針入度が20を超え110以下の炭化水素系ワックスを含むワックス 全化粧料中に1〜9質量%、
(b)25℃で液状又はペースト状油剤、
を含有し、
成分(a1)と成分(a2)の質量割合が(a1)/(a2)=1/17〜80/1であり、
成分(a1)と成分(a2)の総和と成分(b)の質量割合が、((a1)+(a2))/(b)=0.02〜0.12であり、
成分(b)の25℃での粘度が500〜10000mPa・sであり、
30℃における化粧料の10mmφ冶具での針入硬度が0.5〜9Nである口唇化粧料。 - 成分(b)の含有量が、全化粧料中に30〜95質量%である請求項1記載の口唇化粧料。
- 成分(b)中、平均分子量1200以上の炭化水素油の含有量が、10〜60質量%である請求項1又は2記載の口唇化粧料。
- (a1)の含有量が、全化粧料中0.1〜7質量%、(a2)の含有量が、全化粧料中0.1〜4質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の口唇化粧料。
- (a1)の25℃での針入度が6〜18である請求項1〜4のいずれか1項記載の口唇化粧料。
- (a2)の25℃での針入度が25〜80である請求項1〜5のいずれか1項記載の口唇化粧料。
- (a1)及び(a2)の質量割合が、(a1)/(a2)=1/8〜70/1である請求項1〜6のいずれか1項記載の口唇化粧料。
- (a1)が鉱物系ワックス、石油系ワックス及び合成炭化水素から選ばれるものである請求項1〜7のいずれか1項記載の口唇化粧料。
- (a2)が、マイクロクリスタリンワックス及びパラフィンワックスから選ばれるものである請求項1〜8のいずれか1項記載の口唇化粧料。
- 成分(a)の含有量が、全化粧料中に2〜8.5質量%である請求項1〜9のいずれか1項記載の口唇化粧料。
- 成分(b)中、25℃での粘度が100mPa・s以下のシリコーン油の含有量が、3質量%以下である請求項1〜10のいずれか1項記載の口唇化粧料。
- 親油性ゲル化剤が、全化粧料中に2質量%以下である請求項1〜11のいずれか1項記載の口唇化粧料。
- 更に、(c)粉体を含有する請求項1〜12のいずれか1項記載の口唇化粧料。
- 30℃における化粧料の10mmφ冶具での針入硬度が0.8〜6Nである請求項1〜13のいずれか1項記載の口唇化粧料。
- チューブ容器又はディッピング容器に充填されている請求項1〜14のいずれか1項記載の口唇化粧料。
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