JP2013049813A - 化粧建築材の製造方法及び化粧建築材 - Google Patents

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Abstract

【課題】日射された場合にも建材の温度上昇を抑制するとともに、耐久性の優れた化粧建築材を提供する。
【解決手段】基材1の表面に、黒顔料としてFe−Cr、Cu−Fe−Mn、Fe−Co−Al、Cu−Bi、及び、Bi−Mnから選択される1以上の無機顔料と、紫外線硬化樹脂とを含むインクジェット用インクを用いてインク層3を形成して化粧建築材を製造する。得られた化粧建築材は、カーボンブラックを用いた場合よりも、日射された際の建材の温度上昇を抑制することができる。また、変色を抑制し、耐久性のある化粧建築材が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット用インクによりインク層が形成された化粧建築材の製造方法及び化粧建築材に関する。
従来、建築用外装材などの化粧建築材として、インクジェット方式による印刷でインク層が形成されたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
図2に、インクジェット印刷装置10の一例を示す。このインクジェット印刷装置10は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のインクを吐出する4つのインクジェットヘッド11を備えている。これらの各インクジェットヘッド11は、基材1の幅方向に直線状に延伸するライン型に形成されている。また、4つのインクジェットヘッド11は、基材1の搬送方向に、イエローヘッド11y、シアンヘッド11c、マゼンタヘッド11m、ブラックヘッド11kの順で配置されている。これによりフルカラー印刷が可能となっている。インクジェットヘッド11から吐出される各色のインクは、顔料が、適宜、樹脂や溶剤などと混合されて調製されるものである。このうち、ブラックヘッド11kから吐出されるインクの顔料としては、例えば、カーボンブラックが用いられている。
そして、インクジェット印刷にあたっては、搬送される基材1の上に、各インクジェットヘッド11から各色のインクが吐出され、順次、塗布されることにより、所望の着色で印刷が施されたインク層3が形成される。
特開2007−154430号公報
上記のように、インクジェット印刷の化粧建築材においては、黒インクの顔料としてカーボンブラックが一般的に使用されている。しかしながら、カーボンブラックで塗装した黒い印刷色は、日射された際に赤外線を吸収して建材の温度が上昇するなどによって、建材の劣化を招くおそれがあり、また、夏場のヒートアイランドの原因を引き起こす一因にもなっている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、日射された場合にも建材の温度上昇を抑制するとともに、耐久性の優れた化粧建築材の製造方法及び化粧建築材を提供することを目的とする。
本発明に係る化粧建築材の製造方法は、基材の表面に、黒顔料としてFe−Cr、Cu−Fe−Mn、Fe−Co−Al、Cu−Bi、及び、Bi−Mnから選択される1以上の無機顔料と、紫外線硬化樹脂とを含むインクジェット用インクを用いてインク層を形成する工程を含むことを特徴とする。
本発明に係る化粧建築材は、基材の表面に、黒顔料としてFe−Cr、Cu−Fe−Mn、Fe−Co−Al、Cu−Bi、及び、Bi−Mnから選択される1以上の無機顔料と、紫外線硬化樹脂とを含むインクジェット用インクを用いてインク層が形成されたことを特徴とする。
前記インク層の厚みは2〜50μmであることが好ましい。また、前記インク層における前記黒顔料を含むインクジェット用インクのカバレッジは40〜100%であることが好ましい。
本発明によれば、日射された場合にも建材の温度上昇が抑制され、耐久性の優れた化粧建築材を得ることができる。
本発明に係る化粧建築材の実施の形態の一例を示す概略断面図である。 インクジェット印刷の一例を示す概略図である。
図1に、化粧建築材の実施の形態の一例を示す。この化粧建築材は、基材1の表面に、下塗り層2、インク層3及びクリアー層4がこの順で積層されて形成されている。
なお、基材1と下塗り層2との間に、又は、各層(下塗り層2、インク層3及びクリアー層4)の間に、若しくはクリアー層4の表面に、他の層が積層されていてもよい。例えば、基材1と下塗り層2との間にシーラー層を設けたり、クリアー層4の表面に、耐久性を向上させる機能層が設けられたりしてもよい。また、下塗り層2及びクリアー層4の一方又は両方は積層されていなくてもよい。
化粧建築材は、窯業系(繊維補強セメント製)の外装壁板にすることができる。本実施形態では、太陽光線に暴露される条件において、温度上昇を抑制するとともに、耐久性を向上させることができる。
基材1としては、特に限定されるものではないが、例えば、フレキシブルボード、珪酸カルシウム板、石膏スラグパーライト板、木片セメント板、プレキャストコンクリート板、ALC板、石膏ボード等の無機質板を用いることができる。
化粧建築材を製造するにあたっては、まず、上記のような基材1の表面に、必須ではないが、一般的にはシーラーを塗装する。これによりシーラー層が形成される。シーラーを塗装した場合、その表面に塗装される下塗り層2の定着性が向上する。そして、シーラーを塗った後、その表面に、下塗り層2を塗装により形成する。
下塗り層2は、基材1の表面を整えるとともに、インク定着性を高めるためにインクを受理するインク受理層としての機能を有する層である。下塗り層2は、有機溶剤で希釈した塗料で形成することもできるが、水性塗料で形成することが好ましい。水性塗料で下塗り層2を形成することによって、環境負荷を低減することができる。
上記水性塗料としては、アクリル系エマルションをベースにしたアクリル樹脂塗料や、アクリルシリコン系エマルションをベースにしたアクリルシリコン樹脂塗料などを用いることができる。水性塗料には、体質顔料と吸湿性樹脂のうちの少なくとも一方を配合しておくことが好ましい。これにより、インクの定着性を向上させることができる上に、後で水性塗料によりクリアー層4を形成することでインクの劣化を防止することができると共に艶の調整を行うことができる。ここで、体質顔料としては、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、多孔質シリカ、珪藻土等を用いることができ、吸湿性樹脂としては、酢酸ビニル、ウレタン系ポリマー、アクリル系ポリマー、ポリビニルアルコール等のインキ吸収性ポリマー等を用いることができる。また、水性塗料には、酸化チタン、酸化鉄等の顔料を着色剤として配合することもできる。白色顔料によって白色の下塗り層2を形成すると、インクジェット印刷により形成されるインク層3の着色が明瞭になる。また、下塗り層2を水性塗料で形成するにあたっては、基材1の表面に水性塗料を塗布量40〜200g/m・wetで塗布するのが好ましい。なお、水性塗料の塗布は、スプレーガン、ロールコーター、フローコーター、カーテンコーター等を用いて行うことができる。
下塗り層2の厚みは、例えば、5〜45μmにすることができる。下塗り層2の厚みがこの範囲になることで、インク層3のインク定着性がより良好になる。
インク層3は、下塗り層2の表面に形成される。インク層3の形成は、下塗り層2の表面にインクジェット印刷することによって行うことができる。ここで、インクジェット印刷するためのインクジェット印刷装置10としては、例えば、図2に示すようなものを用いることができる。このインクジェット印刷装置10は、4色のインクを個々に吐出可能な4つのインクヘッド11を備えている。このインクヘッド11は、イエローのインクを吐出するイエローヘッド11y、シアンのインクを吐出するシアンヘッド11c、マゼンタのインクを吐出するマゼンタヘッド11m、ブラックのインクを吐出するブラックヘッド11kにより構成されている。イエローヘッド11y、シアンヘッド11c、マゼンタヘッド11m、ブラックヘッド11kは、この順で搬送方向に配置されており、これによりフルカラー印刷による塗装を行うことができるようになっている。インクヘッド11の先端にはノズルなどによって構成される吐出部12が設けられており、インクはこの吐出部12から吐出される。また、インクヘッド11は、色ごとに、インクヘッド11にインクを供給するインク供給タンクと、インク供給路を介して接続されていてもよい。この場合、例えば、イエローのインクヘッド11yはイエローのインク供給タンクと接続される。また、吐出部12からのインクの吐出は、電気的に接続された塗装制御システムなどによって制御されていることが好ましい。インクヘッド11は幅方向(基材1の搬送方向と垂直な方向)に延伸する直線状のヘッドであってもよい。インクヘッド11が基材1の幅方向に亘って設けられていれば、効率よくインクジェット印刷を行うことができる。
また、インクジェット印刷装置10は搬送コンベアを備えており、基材1は、図2の矢印で示す方向に、この搬送コンベアによって搬送される。搬送コンベアは、インクヘッド11の下方に配置されるものであり、ベルトコンベアで構成することができる。搬送コンベアでの搬送は上記の塗装制御システムにより制御されることが好ましい。
塗装制御システムは、例えば、各種のCPU、ROM、RAM等から構成されるものであり、塗装データ作成部、塗装制御部、ノズル制御部等を備えて形成されるものである。塗装データ作成部は、原画をスキャナ等して得た色柄パターンのデータを入力して保存するものである。塗装制御部は、塗装を行う基材1に応じた色柄パターンのデータを塗装データ作成部から取り出し、この色柄のパターンのデータに基づいて、ノズル制御部に制御信号を出力するものである。また、ノズル制御部は、各インクヘッド11の各吐出部12に接続されており、ノズル制御部から入力される制御信号に基づいて各吐出部12のノズルを制御するものである。各吐出部12は例えばピエゾ制御方式により吐出を行ったり吐出を停止したりするようになっている。そして、ノズル制御部で各吐出部12のノズルを制御することによって、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各インクの噴射と停止を個別に制御して、色柄パターンに対応したフルカラー印刷による塗装を行うことが可能となる。
そして、上記のように形成されるインクジェット印刷装置10でインクジェット印刷するにあたっては、まず、下塗り層2を形成した基材1を搬送コンベア上に導入する。導入された基材1はそのまま送られて、4つのインクヘッド11の下を順に通過する。このように、基材1を搬送コンベアで送りながら、各インクヘッド11からインクを噴射させて塗着させることによって、下塗り層2の表面にインク層3を形成することができる。
本形態では、インクヘッド11kから吐出される黒色インクとしては、黒顔料としてFe−Cr、Cu−Fe−Mn、Fe−Co−Al、Cu−Bi、及び、Bi−Mnから選択される1以上の無機顔料と、紫外線硬化樹脂とを含むインクジェット用インクが用いられる。これらの黒顔料は、遮熱性を有するものであり、また、日射を反射可能なものである。そのため、このような黒顔料を含むインクを用いることで、建築材の温度上昇が抑制されることとなる。インクのキー・プレート色(クロ)として、顔料をカーボンに代え、上記のような黒色高反射性のある無機顔料を単独あるいは混合して使用することで、カーボンブラックと比較して大幅に太陽光の赤外線領域を反射することが可能となるのである。特に、黒色の濃色においては、日射反射率が向上し、化粧建築材表面の温度上昇を抑える効果がさらに得られるものである。そして建築材の温度上昇が抑制されると、建物自体の温度の上昇も抑制されるので、夏場のヒートアイランドの現象を緩和することが可能になる。また、インクとして、紫外線硬化樹脂を含むものを用いることによって、顔料を樹脂で固定することができ、定着性のよい印刷を行うことができる。
黒顔料であるFe−Cr、Cu−Fe−Mn、Fe−Co−Al、Cu−Bi、Bi−Mnにおける各成分の組成比は特に限定されるものではないが、例えば、Fe−Crなどの二成分系の場合、一方を5〜40質量%とし他方をその残余とすることができる。また、Fe−Co−Alなどの三成分系の場合は、全体が100質量%になるとともに各成分を5〜40質量%の範囲にすることができる。
上記の黒色無機顔料としては、粒径3〜1000nmのものを用いることが好ましい。この粒径のものを使用することにより、印刷塗装を良好にすることがさらに可能になるともに、温度上昇を抑制することがさらに可能になる。粒子の粒径はレーザー回折粒度分布計などによって測定することができる。
また、イエローヘッド11y、シアンヘッド11c、マゼンタヘッド11mに用いられるインクは、特に限定されないが、顔料(着色料)以外は黒色インクと同種の材料で用いたものを用いることが好ましい。黒色のインクと同種のベース材料のインクを用いることで、意匠性のよい印刷を行うことができる。そして、同種のベース材料を用いた樹脂に、それぞれの色の顔料(着色料)を添加混合することにより、各色のインクを調製することができる。顔料(着色料)は、有機顔料や有機着色料であっても、無機顔料や無機着色料であってもよい。例えば、イエローではオーカツなど、シアンではフタロシアニンあるいはコバルトアルミなど、マゼンタではベンガラなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。
インクジェット用インクに配合する紫外線硬化樹脂としては、例えば、アクリレート系モノマー、ウレタンアクリレート系モノマーなどと光重合開始剤との混合物(樹脂組成物)を用いることができる。
インクジェット用インクとしては、好ましくは、水性インクを用いることができる。例えば、水と高沸点(例えば100℃以上)の有機溶剤とを混合し、これに紫外線硬化樹脂を配合した混合溶液や、これらを均一に混合分散したエマルション塗料を用いることができる。具体的には、例えば、インクとして、アクリル系エマルションをベースにしたアクリル樹脂塗料や、アクリルシリコン系エマルションをベースにしたアクリルシリコン樹脂塗料などを用いることができる。アクリル系の樹脂を用いることで紫外線による硬化性に優れたものが得られる。また、水性インクでインク層3を形成することによって、環境負荷を低減することができる。なお、本明細書におけるアクリル系は、アクリル酸系及びメタクリル酸系を含むものである。
インクジェット用インクにおける顔料の含有量は、2〜20質量%であることが好ましい。顔料の含有量がこの範囲になることで、各色の印刷色が明瞭になる。特に、黒顔料の含有量は、温度上昇の抑制と意匠性の向上から、2〜10質量%であることが好ましい。また、インクジェット用インクにおける紫外線硬化樹脂の含有量は、70〜80質量%であることが好ましい。紫外線硬化樹脂の含有量がこの範囲になることで、インク層3を硬い被膜として形成することが可能になる。
また、インク層3の厚みは2〜50μmであることが好ましい。インク層3の厚みがこの範囲になることで、意匠性のよい印刷を行うことができ、また、黒顔料による日射反射性及び遮熱性の高いインク層3を得ることができる。インク層3の厚みは3〜30μmであることがより好ましく、3〜12μmであることがさらに好ましい。
こうして、イエローヘッド11yによりイエロー、シアンヘッド11cによりシアン、マゼンタヘッド11mによりマゼンタ、ブラックヘッド11kによりブラックの着色が基材1の表面に印刷塗装される。そして、塗装されたインク層3に、または塗装後乾燥したインク層3に紫外線を照射して硬化させることにより、インク層3の硬化被膜を形成することができる。なお、紫外線の照射は、クリアー層4の形成前に行ってもよいし、クリアー層4を形成した後に行ってもよい。
インク層3における黒顔料を含むインクジェット用インクのカバレッジは40〜100%であることが好ましい。カバレッジとは、基材1の表面全体の面積に対する黒インクによって覆われる面積の割合のことである。カバレッジがこの範囲となることで、意匠性のよい印刷がより可能になるとともに、温度上昇をさらに抑制することができる。このカバレッジは60〜100%であることがより好ましい。黒顔料のカバレッジは、例えば、印刷画像データのK色(ブラック)の濃色から算出が可能である。
インク層3の黒色の度合いは、色差としてL値で表すことができ、このL値が24〜60の範囲であることが好ましい。上記のインク層3では、黒色度の高い化粧建築材の温度上昇を効果的に抑制することができるものである。
そして、インク層3を形成した後、塗装された基材1はさらに送られて次工程に搬出され、インク層3の表面にクリアー層4が形成される。クリアー層4は、この下に形成されたインク層3を保護するための層であり、有機溶剤で希釈した塗料で形成することもできるが、水性塗料で形成するのが好ましい。このように、水性塗料でクリアー層4を形成することによって、環境負荷を低減することができるものである。また、透明なクリアー層4を形成することによりインク層3を視認可能とすることができる。
上記水性塗料としては、アクリル系エマルションをベースにしたアクリル樹脂塗料や、アクリルシリコン系エマルションをベースにしたアクリルシリコン樹脂塗料を用いるのが好ましい。これにより、インク層3の表面に硬い層を形成して保護することが可能になる。また、無機質塗料層や光触媒塗料層などの表面層や機能層をさらにクリアー層4の表面側に形成する場合には、それらの層をクリアー層4に強く付着させることができる。水性塗料には、紫外線吸収剤、光安定化剤などを添加することが好ましい。これにより、耐候性を向上することができる。また、水性塗料には、アクリルビーズ、マイカ等の骨材を配合しておくのが好ましい。これにより、意匠性を向上させることができる。また、クリアー層4を水性塗料で形成するにあたっては、インク層3の表面に水性塗料を塗布量50〜250g/m・wetで塗布するのが好ましい。そして、焼付け乾燥は、例えば、ジェット乾燥機を用いて、100〜200℃、30秒以上の条件で行うのが好ましい。十分に焼付け乾燥を行わないと、温度湿度等環境条件によって、化粧建築板の耐久性が低下しやすくなる場合がある。なお、水性塗料の塗布は、スプレーガン、ロールコーター、フローコーター、カーテンコーター等を用いて行うことができる。
クリアー層4の厚みは、例えば、5〜20μmにすることができる。クリアー層4の厚みがこの範囲になることで、インク層3の保護がより良好になる。
このようにして、図1のような化粧建築材が得られる。この化粧建築材にあっては、インク層3の黒顔料として、Fe−Cr、Cu−Fe−Mn、Fe−Co−Al、Cu−Bi及びBi−Mnのいずれかが用いられているので、カーボンブラックを用いる場合に比べて日光が照射された際の温度上昇が抑制される。すなわち、キー・プレート色のインクに使用する顔料をカーボンから遮熱性のある顔料へ変更することで、日射反射率が向上するととともに、建材表面の板温上昇を抑えることが可能となるのである。そして、温度上昇の抑制により、フルカラー印刷による鮮明な模様を長期間維持することができ、耐久性の高い化粧建築材を得ることができる。また、温度上昇が抑制されるため、夏場のヒートアイランド現象を低減させることが可能になるものである。
(塗装試験)
基材1として、窯業系セメント板を用いた。この基材1の表面に、下塗り塗料としてアクリルエマルジョン系白色塗料(AcEm)を用い、下塗り層2を塗装・乾燥して形成した。
この下塗り層2の表面に、インクジェット用インクを用いてインクジェット印刷装置10によりインクジェット印刷を施し、紫外線照射によりインクを硬化させてインク層3を形成した。
黒色のインクジェット用インクとしては、塗装後に下記に示す色味(L値)を呈する、顔料分散液15質量部、紫外線硬化樹脂77質量部、光重合開始剤8質量部を混合して分散したインク液を用いた。なお、顔料分散液は顔料を30質量%含有したものを用いた。
実施例1:Fe−Cr (L値24)
実施例2:Fe−Co−Al (L値24)
実施例3:Bi−Mn (L値24)
実施例4:Fe−Cr (L値40)
実施例5:Fe−Cr (L値60)
比較例1:カーボンブラック (L値24)
比較例2:ペリレン (L値24)
比較例3:カーボンブラック (L値40)
比較例4:カーボンブラック (L値60)
また、黒色以外のインクジェット用インクとしては、顔料以外は黒色のインクジェット用インクと同じ組成のものを用い、イエローの顔料としてオーカツ、シアンの顔料としてフタロシアニン、マゼンタの顔料としてベンガラを用いた。これによりフルカラー印刷を行った。印刷装置としては、武蔵エンジニアリング製インクジェット印刷機を使用した。
インク層3の硬化後に、クリアー塗料としてアクリルエマルジョン系クリアー塗料(AcEm)を用い、インク層3の表面にクリアー塗膜4を塗装・乾燥して形成した。
以上により、化粧建築板を得た。これを評価サンプルとした。黒色インクのカバレッジは、印刷画像データのK色濃度から算出した。
[評価]
日射反射率:波長300nm〜2500nmの光の反射率を、日立分光光度計を使用して測定した。
板温度測定:100Wの白熱電球の光を評価サンプルから300mmの距離で照射し、化粧建築板の印刷面の表面温度を非接触温度計で測定した。
耐久性:評価サンプルにスーパーUV試験機にて照射時間1000時間で照射を行い、促進耐久性試験後の印刷状態を評価した。評価基準は、「変色なし」を「○」、「変色あり」を「×」とした。
表1に、結果を示す。表1に示すように、実施例1〜5の化粧建築板は、カーボンブラックを用いたL値が同じ比較例のものよりも日射反射率が高く、表面温度が低かった。また、有機系顔料を用いた比較例2では変色が確認されたのに対し、実施例1〜5の化粧建築板は、変色が確認されず、耐久性が高いことが確認された。
このように、上記実施例では、日射反射率を大幅に向上させることが可能となり、印面の温度上昇抑制効果があることが確認された。また、無機系遮熱顔料を使用することで外装材に必要な耐久性を有することも確認された。
Figure 2013049813
1 基材
2 下塗り層
3 インク層
4 クリアー層
10 インクジェット印刷装置
11 インクジェットヘッド
12 吐出部

Claims (4)

  1. 基材の表面に、黒顔料としてFe−Cr、Cu−Fe−Mn、Fe−Co−Al、Cu−Bi、及び、Bi−Mnから選択される1以上の無機顔料と、紫外線硬化樹脂とを含むインクジェット用インクを用いてインク層を形成する工程を含むことを特徴とする化粧建築材の製造方法。
  2. 基材の表面に、黒顔料としてFe−Cr、Cu−Fe−Mn、Fe−Co−Al、Cu−Bi、及び、Bi−Mnから選択される1以上の無機顔料と、紫外線硬化樹脂とを含むインクジェット用インクを用いてインク層が形成されたことを特徴とする化粧建築材。
  3. 前記インク層の厚みは2〜50μmであることを特徴とする請求項2に記載の化粧建築材。
  4. 前記インク層における前記黒顔料を含むインクジェット用インクのカバレッジは40〜100%であることを特徴とする請求項2又は3に記載の化粧建築材。
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