JP2010247068A - 複層塗膜形成方法及び塗装金属板 - Google Patents
複層塗膜形成方法及び塗装金属板 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010247068A JP2010247068A JP2009099460A JP2009099460A JP2010247068A JP 2010247068 A JP2010247068 A JP 2010247068A JP 2009099460 A JP2009099460 A JP 2009099460A JP 2009099460 A JP2009099460 A JP 2009099460A JP 2010247068 A JP2010247068 A JP 2010247068A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- resin
- coating film
- mass
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Abstract
【課題】 塗膜外観、塗膜硬度、加工性、耐候性及び耐食性に優れる塗装金属板の複層塗膜形成方法及び塗装金属板に関する。
【解決手段】
表面に化成処理が施されていてもよい金属板上の片面又は両面上に、クロム系防錆成分を含有しないことを特徴とするプライマー塗料(A)による乾燥膜厚1〜10μmのプライマー硬化塗膜を形成し、プライマー硬化塗膜の少なくとも片面上に、下記特徴の上塗り塗料(B)を塗装して加熱硬化し、乾燥膜厚5〜30μmの上塗り硬化塗膜を形成することを特徴とする複層塗膜形成方法。
【選択図】 なし
Description
そのようなプレコート塗膜上に塗り重ねる上塗塗料として、従来から酸成分としてヘキサヒドロフタル酸を少なくとも50モル%以上含有し、さらにネオペンチルアルコールを使用したポリエステルを使用した塗料を用い、例えばコイル塗装によって塗装して、優れた耐久性を示す塗装金属板が開示されている(特許文献1)。
しかし、特許文献1による塗装金属板において、クロム系の防錆顔料を含有しないプライマー塗膜とした場合には、塗装金属板の加工部や端面部における耐食性が不十分であった。
1.表面に化成処理が施されていてもよい金属板上の片面又は両面上に、下記特徴のプライマー塗料(A)を塗装し硬化してなる乾燥膜厚1〜10μmのプライマー硬化塗膜を形成し、かつプライマー硬化塗膜の少なくとも片面上に、下記特徴の上塗り塗料(B)を塗装して加熱硬化せしめ、乾燥膜厚5〜30μmの上塗り硬化塗膜を形成することを特徴とする複層塗膜形成方法。
プライマー塗料(A):
炭素数4〜36の脂肪族多塩基酸(a11)、ガラス転移温度−20〜50℃のアクリル樹脂(a12)及びガラス転移温度−20〜50℃のポリエステル樹脂(a13)のうちの少なくとも1種の軟質有機成分で変性されたビスフェノール型エポキシ樹脂(A1)、架橋剤(A2)及びクロム系の防錆顔料を含有しない防錆成分(A3)を含有するプライマー塗料
上塗塗料(B):酸成分(b1)とアルコール成分(b2)を構成成分とする水酸基含有ポリエステル樹脂(B1)であって、i)酸成分(b1)の質量合計を基準として、ヘキサヒドロフタル酸又はその無水物、ヘキサヒドロイソフタル酸、テトラヒドロフタル酸又はその無水物及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の多塩基酸の合計割合が90〜100質量%で、かつ(ii)アルコール成分(b2)の質量合計を基準にして、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水添ビスフェノールAから選ばれる少なくとも1種のアルコール成分の合計割合が50〜100質量%である、酸成分(b1)とアルコール成分(b2)とを反応して得られた水酸基含有ポリエステル樹脂(B1)、ブロック化脂肪族ポリイソシアネート及び/又はブロック化脂環族ポリイソシアネート化合物を含む架橋剤(B2)、並びに該樹脂(B1)と該架橋剤(B2)の固形分合計100質量部に対して、赤外線反射能を有する無機複合酸化物顔料(B3)を10〜100質量部含有することを特徴とする上塗塗料
2.赤外線反射能を有する無機複合酸化物顔料(B3)が、金属元素としてMg、Zn、Li及びMnから選ばれる少なくとも1種の金属とFe、Co及びAlを含有する無機複合酸化物顔料、Bi−Mn系無機複合酸化物顔料、Fe−Cu−Mn系無機複合酸化物顔料、Mn−Sr系無機複合酸化物顔料、Fe−Cr系無機複合酸化物顔料、Fe−Cr−Co系無機複合酸化物顔料から選ばれる少なくとも1種の無機複合酸化物顔料である1項に記載の複層塗膜形成方法、
3.アルコール成分(b2)が、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAから選ばれる少なくとも1種を含有し、かつトリメチロールプロパンとグリセリンから選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする1項又は2項に記載の複層塗膜形成方法、
4.上塗り塗料(B)が、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤を含有することを特徴とする1項〜3項のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法、
5.防錆成分(A3)が、五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムのうちの少なくとも1種のバナジウム化合物(1)、リン酸金属塩(2)及び金属珪酸塩及びシリカ微粒子のうち少なくとも1種の珪素含有化合物(3)を含有することを特徴とする1項〜4項のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法、
6.1項〜5項のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法によって得られた塗装金属板、に関する。
詳しくは、プライマー塗料(A)による塗膜上に、特定のポリエステル樹脂(B1)と特定の架橋剤(B2)及び赤外線反射能を有する無機複合酸化物顔料(B3)を含有する上塗塗料(B)を塗装して得られた複層塗膜は、加工性と塗膜硬度のバランスが優れている。
被塗物である金属板は、鉄、アルミニウム合金、真鍮、銅板、ステンレス鋼板、ブリキ板、亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛(Zn−Al、Zn−Ni、Zn−Feなどの)めっき鋼板、アルミニウムメッキ鋼板などの金属板;これらの金属板表面に燐酸塩処理、クロメート処理などの化成処理を施した表面処理金属板等が挙げられる。上記の金属板の他に、片面又は両面の最外層に金属板を有する「金属板/接着剤層/樹脂層/接着剤層/金属板」の層構成を有する金属樹脂複合板を用いることができる。
また、樹脂等の非金属物質の表面を蒸着等によって金属層で被覆した金属樹脂複合板も被塗物として用いることができ、さらに樹脂を溶融して前記金属樹脂複合板で挟むことによって「金属板/樹脂層/金属板」としたものも被塗物として用いることができる。
上記の金属被塗物上に、クロム系防錆顔料を含有しない防錆成分を含有しないことを特徴とするプライマー塗料(A)の塗膜が形成される。プライマー塗料(A)には、加工性、耐食性向上の面から、軟質有機成分(a1)とビスフェノール型エポキシ樹脂(a2)を反応させてなる、軟質有機成分で変性したビスフェノール型エポキシ樹脂(A1)(以下、「変性樹脂(A1)」と略称することがある。)を用いたプライマー塗料を用いる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂(A1)の製造における軟質有機成分(a1)は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と反応する官能基を有し、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a2)を可塑化できる有機成分であり、炭素数4〜36の脂肪族多塩基酸(a11)、ガラス転移温度が−20〜50℃のアクリル樹脂(a12)及びガラス転移温度が−20〜50℃のポリエステル樹脂(a13)のうち少なくとも1種である。
なお、本明細書において、樹脂の平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフは、「HLC8120GPC」(東ソー社製)を使用した。カラムとしては、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1ml/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
酸成分としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などから選ばれた1種以上の二塩基酸;無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが用いられ、酸成分として、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−tertブチル安息香酸などの一塩基酸も用いることができる。
上記反応において、軟質有機成分(a1)の反応性基がカルボキシル基である場合には、(ビスフェノール型エポキシ樹脂中のエポキシ基)/(軟質有機成分中のカルボキシル基)の当量比が、10/1〜1/1、好ましくは5/1〜2/1の範囲内にあることが好適である。
架橋剤(A2)は、前記変性樹脂(A1)と反応し、硬化塗膜を形成するものであり、加熱などにより変性樹脂(A1)と反応して硬化させることができるものであれば特に制限なく使用することができるが、なかでもアミノ樹脂、フェノール樹脂及びブロック化されていてもよいポリイソシアネート化合物が好適である。これらの架橋剤は、1種で又は2種以上組合せて使用することができる。上記アミノ樹脂は、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグラナミン、ステログタナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるアミノ樹脂が挙げられ、この中でも加工性の面からメラミン樹脂が好ましい。
プライマー塗料(A)には、人体への健康面、環境保護の観点から、クロム系の防錆顔料を含有しない防錆成分(A3)を用いる。クロム系の防錆顔料を含有しない防錆成分(A3)には、例えば、燐酸亜鉛、トリポリ燐酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛珪酸カルシウム、五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム、メタバナジン酸アンモニウム、バナジン酸リン、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、第2リン酸マグネシウム、酸化マンガンと酸化バナジウムとの焼成物、リン酸カルシウムと酸化バナジウムとの焼成物、吸油量が30〜200ml/100g、細孔容積が0.05〜1.2ml/gであるシリカ微粒子、等を挙げることができる。これらの防錆成分(A3)は1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。
バナジウム化合物(1)は、五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムのうちの少なくとも1種のバナジウム化合物である。五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムは、5価バナジウムイオンの水への溶出性に優れており、バナジウム化合物(1)から放出される5価バナジウムイオンが、素材金属と反応したり、他の防錆顔料混合物からのイオンと反応することにより耐食性向上に効果的に働く。
リン酸系金属塩(2)は、リン酸金属塩、リン酸水素金属塩及びトリポリリン酸金属塩のうちの少なくとも1種である。リン酸系金属塩の金属は、特に制限されるものではなく、好適な金属として、Ca、Zn、Al又はMgを挙げることができ、なかでもCaが特に好適である。
珪素含有化合物(3)は、金属珪酸塩及びシリカ微粒子のうちの少なくとも1種である。金属珪酸塩は、二酸化珪素と金属酸化物とからなる塩であり、オルト珪酸塩、ポリ珪酸塩などのいずれであってもよい。珪酸塩としては、例えば、珪酸亜鉛、珪酸アルミニウム、オルト珪酸アルミニウム、水酸化珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムベリリウム、珪酸ナトリウム、オルト珪酸カルシウム、メタ珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ジルコニウム、オルト珪酸マグネシウム、メタ珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカルシウム、珪酸マンガン、珪酸バリウム、カンラン石、ザクロ石、トルトバイタイト、イキョク鉱、ベニトアイト、ネプチュナイト、リョクチュウ石、トウキ石、ケイカイ石、バラキ石、トウセン石、ゾノトラ石、タルク、ギョガン石、アルミノ珪酸塩、ホウ珪酸塩、ベリロ珪酸塩、チョウ石、フッ石などを挙げることができる。金属珪酸塩としては、なかでもオルト珪酸カルシウム、メタ珪酸カルシウムが好適である。
リン酸系金属塩(2):3〜50質量部、好ましくは5〜30質量部、
珪素含有化合物(3):3〜50質量部、好ましくは5〜30質量部、
本発明塗料組成物においては、防錆顔料混合物として、これら(1)、(2)及び(3)を所定量組合せることによって、相乗的に耐食性、特にばくろ耐食性を向上させることができるものである。
本発明の複層塗膜形成方法は、前記プライマー塗料(A)による硬化塗膜の少なくとも片面上に、上塗塗料(B)を塗装して加熱硬化し、上塗り硬化塗膜を形成することを特徴としている。
本発明に使用する水酸基含有ポリエステル樹脂(B1)は、酸成分(b1)とアルコール成分(b2)を構成成分として、(i)酸成分(b1)の質量合計を基準にして、ヘキサヒドロフタル酸又はその無水物、ヘキサヒドロイソフタル酸、テトラヒドロフタル酸又はその無水物、及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の多塩基酸の割合が90〜100質量%、好ましくは92〜100質量%、さらに95〜100質量%含有する。さらに(ii)アルコール成分(b2)の質量合計を基準にして、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水添ビスフェノールAから選ばれる少なくとも1種のアルコール成分が50〜100質量%、好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは85〜100質量%を含有することを特徴とする。これらの特定の酸成分(b1)とアルコール成分(b2)とを反応させてなる水酸基含有ポリエステル樹脂(B1)を用いることによって、特に、塗膜硬度、加工性、耐候性及び耐食性に優れた塗膜を得ることができる。
ここで、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水添ビスフェノールAから選ばれる少なくとも1種のアルコール成分(b2)を必須成分として、さらにその他のアルコール成分を用いる場合は、トリメチロールプロパン及び/又はグリセリンであることが、塗膜硬度、加工性、耐候性及び耐食性に優れる塗膜を得る為にも好ましい。
本発明の上塗塗料(B)は、ブロック化脂肪族ポリイソシアネート化合物及び/又はブロック化脂環族ポリイソシアネート化合物を含む架橋剤(B2)(以下、「架橋剤(B2)と略することがある」であることが特徴である。なおブロック化ポリイソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物とブロック剤との付加反応生成物である。
ブロックされた脂肪族イソシアネート化合物で使用されるブロック剤としては、例えば、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物;ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;等が挙げられる。
従来から公知のブロック化ポリイソシアネート化合物は、例えば、芳香族ポリイソシアネートに、前記ブロック剤によってブロックしたブロック化ポリイソシアネート化合物を用いることができる。
ここで、水酸基含有ポリエステル樹脂(B1)と架橋剤(B2)の配合割合としては、両成分の固形分合計100質量部を基準にして、水酸基含有ポリエステル樹脂(B1)65〜95質量部、好ましくは70〜90質量部、架橋剤(B2)5〜35質量部、好ましくは10〜30質量部である。
本発明の塗膜形成方法に用いる上塗り塗料(B)は、水酸基含有ポリエステル樹脂(B1)、及び架橋剤(B2)に加えて、赤外線反射能を有する無機複合酸化物顔料(B3)を含有することによって、さらに耐候性や耐食性向上に効果が発揮され、従来のプレコート鋼板にない耐候性や耐食性を得ることができる。
一方、Fe−Cu−Mn系無機複合酸化物顔料は、例えば、Fe2O3、MnO2及びCu2Oを適切な割合で混合して、続いて焼成することにより製造できる。他に、Mn−Sr系無機複合酸化物顔料は、例えば、MnO2及びSrOを適切な割合で混合して、続いて焼成することにより製造できる。
なお、上塗塗料(B)には、水酸基含有ポリエステル樹脂(B1)、架橋剤(B2)、赤外線反射能を有する無機複合酸化物顔料(B3)の他に、必要に応じて、その他の顔料成分、有機樹脂微粒子、紫外線吸収剤及び光安定化剤、硬化触媒、表面調整剤、消泡剤、有機溶剤などの添加剤や溶媒を含有してもよい。
前記、紫外線吸収剤及び光安定剤のいずれか一方、もしくは両方を塗料組成物に添加することができる。かかる紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、トリアジン系、アニリド系、ベンゾフェノン系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系が挙げられ、市販品としては「チヌビン1130」、「チヌビン400」(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、「CYASORBUV−1164L」(日本サイテックインダストリーズ社製)、「ホスタビン3206」、(クラリアント社製)が例示できる。光安定化剤としては、ヒンダードアミン系が好適であり、市販品としては「チヌビン123」、「チヌビン144」(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、「サノールLS−292」(三共ライフテック社製)、「ホスタビン3070」、「ホスタビン3058」、「ホスタビンPR−31」(以上、クラリアント社製)が挙げられる。
ブロックされた脂肪族ポリイソシアネート化合物及び/又はブロック化脂環族ポリイソシアネート化合物を含む架橋剤(B2)には、ブロック剤の解離を促進する硬化触媒を好適に使用することができ、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、テトラ−n−ブチル−1,3−ジアセトキシジスタノキサンなどの有機金属触媒などが挙げられる。 この中でも、テトラ−n−ブチル−1,3−ジアセキトシジスタノキサンが、硬化性と耐食性の面から好ましい。
なお硬化触媒は、水酸基含有ポリエステル樹脂(B1)と架橋剤(B2)の固形分合計量100質量部に対して、0.1〜5.0質量部、好ましくは0.2〜1.5質量部が、塗料安定性と塗膜硬度向上の面から適している。
合成例1 アクリル樹脂AC1溶液の製造(アクリル樹脂(a12))
攪拌機、コンデンサー、温度計、チッ素導入管及び滴下装置を備えたフラスコにスワゾール1000(丸善石油化学(株)製、高沸点芳香族石油系溶剤)65.0部を投入し、攪拌しながら反応容器内の温度を110℃まで上げ、110℃の温度に保持しながら下記に示すモノマーなどの原料の混合物を3 時間かけて滴下した。
メタクリル酸メチル 31.2部
アクリル酸n−ブチル 37.5部
アクリル酸2−ヒドロキシエチル 11.0部
アクリル酸 1.9部
2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 1.7部
滴下終了後に、更に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部を添加し、同温度にて更に2時間反応させた後にシクロヘキサノン35.0部を加え、固形分50%のアクリル樹脂AC1溶液を得た。アクリル樹脂AC1は、酸価15mgKOH/g、水酸基価53mgKOH/g、ガラス転移温度5℃、数平均分子量約10,000であった。
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えたフラスコに、シクロヘキサノン43部、jER1004P(注3)70部(固形分)を配合し、温度130℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解したことを確認した後、ダイマー酸15.0部、合成例1で得た50%軟質アクリル樹脂AC1溶液30部(固形分量で15部)及び臭化テトラエチルアンモニウム0.5部を加え、温度130℃に保持し3〜4時間反応させた。樹脂酸価が1mgKOH/g以下であることを確認し、混合溶剤1[シクロヘキサノン/スワゾール1000(丸善石油化学(株)製、高沸点芳香族石油系溶剤)=1/2(質量比)]を加え、固形分40%の変性ビスフェノール型エポキシ樹脂溶液ME1を得た。
攪拌装置、加熱装置、温度計、分離装置及び留出液貯蔵槽を備えた反応装置に下記の原料混合物を入れ、加熱を開始した。
ヘキサヒドロ無水フタル酸 704部
加熱開始後、攪拌可能になったら、攪拌を開始し、縮合水を抜きながら240℃まで昇温した後、同温度で保持し反応を続けた。1.5時間程度経過し水の流出が止まったところで、反応を促進するためキシレン40部を投入し脱水縮合を続け、酸価51mgKOH/gになるまで反応を行った。次いで冷却し、シクロヘキサノン417部を添加して希釈を行い、固形分70%のポリエステル樹脂No.1溶液を得た。得られたポリエステル樹脂No.1は、ガラス転移温度30℃、数平均分子量2,200を有していた。
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えたフラスコに、シクロヘキサノン60部、jER4004P(注4)70部(固形分)を配合し、温度130℃に加熱し、エポキシ樹脂を溶解した。エポキシ樹脂が完全に溶解したことを確認した後、ダイマー酸15.0部、合成例3で得た固形分70%のポリエステル樹脂No.1溶液21.4部(固形分量で15部)及び臭化テトラエチルアンモニウム0.5部を加え、温度130℃に保持し3〜4時間反応させた。樹脂酸価が1mgKOH/g以下であることを確認し、混合溶剤1[シクロヘキサノン/スワゾール1000(丸善石油化学(株)製、高沸点芳香族石油系溶剤)=1/2(質量比)]を加え、固形分40%の変性ビスフェノール型エポキシ樹脂溶液ME2を得た。
攪拌機、加温・温度制御装置を具備した反応容器中に、シクロヘキサノン43部、jER1001(注5)90部を仕込み、攪拌しながら130℃に加温した。エポキシ樹脂が溶解したことを確認した後、アジピン酸10部、臭化テトラエチルアンモニウム0.5部を添加し、引き続き4時間反応を継続した。樹脂酸価が1以下となったことを確認し、シクロヘキサノン67.7部、スワゾール1000(丸善石油化学(株)製、高沸点芳香族石油系溶剤)を加えて、固形分40%の変性ビスフェノール型エポキシ樹脂溶液ME3を得た。
合成例5において、jER1001(注5)をjER1007(注6)に変更し、アジピン酸を合成例1で得たアクリル樹脂AC1溶液に変更する以外は合成例5と同様に行い、固形分40%の変性ビスフェノール型エポキシ樹脂溶液ME4を得た。
合成例5において、jER1001(注5)をjER1007(注6)に変更し、アジピン酸を合成例3で得たポリエステル樹脂No.1溶液に変更する以外は合成例5と同様に行い、固形分40%の変性ビスフェノール型エポキシ樹脂溶液ME5を得た。
合成例8 レゾール型フェノール樹脂D溶液の製造
反応容器に、p−クレゾール100部、37%ホルムアルデヒド水溶液178部及び水酸化ナトリウム1部を配合し、60℃で時間反応させた後、減圧下、50℃で1時間脱水した。
次いで、n−ブタノール100部とリン酸3部を加え、110〜120℃で2時間反応を行った。反応終了後、得られた溶液を濾過して生成したリン酸ナトリウムを濾別し、固形分50質量%のレゾール型フェノール樹脂D溶液を得た。得られた樹脂は、数平均分子量880で、ベンゼン核1核当たり平均メチロール基数が0.4個及び平均アルコキシメチル基数が1.0個であった。
攪拌機、加温・温度制御装置を具備した反応容器に、酢酸メトキシブチル溶剤65重量部、jER1002(注7)35部、2−アミノエタノール1.09部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に加温し攪拌しながら2時間反応を行った。次いで、ジエタノールアミン1.89部を添加し、更に90℃にて1時間反応を行った後、酢酸メトキシブチル溶剤にて希釈し、固形分35%のアミノ基含有エポキシ樹脂D溶液を得た。
jER1009F(注8)80部を混合溶剤2[シクロヘキサノン/エチレングリコールモノブチルエーテル/スワゾール1500(丸善石油化学(株)製、高沸点芳香族炭化水素系溶剤)=3/1/1(質量比)]120部に溶解したエポキシ樹脂溶液200部に、チタン白40部、バリタ40部及び混合溶剤3[シクロヘキサノン/スワゾール1500=1/1(質量比)]の適当量を混合し、ツブ(顔料粗粒子の粒子径)が20μm以下となるまで顔料分散を行った。
次いで、この分散物にスミジュールBL−3175(注9)26.7部(固形分量で20部)、フォーメートTK−1(注10)2部を加えて均一に混合し、さらに上記混合溶剤2を加えて粘度約80秒(フォードカップ#4/25℃)に調整して裏面用塗料を得た。
製造例1(実施例相当)
合成例2で得た軟質有機成分で変性されたビスフェノール型エポキシ樹脂ME1溶液80部(固形分)に、五酸化バナジウム20部、リン酸カルシウム20部、メタ珪酸カルシウム20部、チタン白20部、バリタ20部及び混合溶剤3[スワゾール1500/シクロヘキサノン=1/1(質量比)]の適当量を混合し、ツブ(顔料粗粒子の粒子径)が20μm以下となるまで顔料分散を行った。
次いで、この分散物にスミジュールBL−3175(注9)20部(固形分)、合成例8で得たレゾール型フェノール樹脂Dを5部(固形分)、合成例9で得たアミノ基含有エポキシ樹脂Dを25部(固形分)、フォーメートTK−1(注10)2部を加えて均一に混合し、さらに上記混合溶剤3を加えて粘度約80秒(フォードカップ#4/25℃)に調整して、プライマー塗料No.1を得た。
製造例1において、表1に示すとおりとする以外は製造例1と同様に行い、プライマー塗料No.2〜No.6を得た。
製造例1において、表1に示すとおりとする以外は製造例1と同様に行い、プライマー塗料No.7を得た。
[上塗り塗料(B)の製造例]
合成例10 水酸基含有ポリエステル樹脂No.1(PE No.1)の合成例
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器および水分離器を備えた反応容器に、
下記の「単量体混合物」を仕込み、160℃から230℃まで3時間かけて昇温させた後、縮合水を水分離器により留去させながら230℃で1時間保持後、キシレンを還流させながら脱水しエステル化反応を行った。
ヘキサヒドロ無水フタル酸 146.3部
ネオペンチルグリコール 105.0部
酸価が約0になった時点で140℃まで冷却し2時間保持し、冷却後、シクロヘキサノンで固形分を調整して、固形分55%の水酸基含有ポリエステル樹脂No.1を得た。
得られた水酸基含有ポリエステル樹脂No.1(以下、「PE No.1」と略する場合がある)の水酸基価は24.0mgKOH/g、ガラス転移温度22.0℃、数平均分子量2,300であった。
表2の単量体混合物の配合内容とする以外は、合成例10と同様にして、ポリエステル樹脂溶液No.2〜No.7(PE No.2〜PE No.7)を得た。
表3の単量体混合物の配合内容とする以外は、合成例10と同様にして、水酸基含有ポリエステル樹脂溶液No.8〜No.11(PE No.8〜PE No.11)を得た。
製造例7 上塗塗料No.1Aの製造(実施例用)
合成例7で得た水酸基含有ポリエステル樹脂溶液No.1溶液(PE No.1)80部(固形分)、CR−93(注23)5.3部 、トダカラーKN−V(注25)0.1部、TAROX HY−100(注26)0.9部、Black30C940(注20)50部、及び有機溶剤(スワゾール1500/シクロヘキサノン=40/60の混合溶剤)を適当量混合し、ツブ(顔料粗粒子の粒子径)が10μm以下となるまで顔料分散を行った。
次いでこの分散物にスミジュールBL3175(注9)を20部(固形分)、フォーメートTK−1(注10)0.2部を加えて均一に混合し、有機溶剤(スワゾール1500/シクロヘキサノン=40/60の混合溶剤)を加えて希釈し、粘度80秒(フォードカップ#4、25℃)の上塗塗料No.1Aを得た。
表4及び表5の配合内容とする以外は、製造例6と同様にして上塗塗料No.2A〜No.29Aを得た。
(注13)タケネートB830N:三井化学ポリウレタン株式会社製、商品名、トリレンジイソシアネート系ブロック化イソシアネート
(注14)タケネートB842N:三井化学ポリウレタン株式会社製、商品名、キシリレンジイソシアネート系ブロック化イソシアネート
(注15)タケネートB870N:三井化学ポリウレタン株式会社製、商品名、イソホロンジイソシアネート系ブロック化イソシアネート
(注16)Black30C933:シェファード社製、商品名、Fe−Cu−Mn系顔料、無機複合酸化物顔料(B32)
(注17)ブラック6301:アサヒ化成工業社製、商品名、Bi−Mn系顔料、無機複合酸化物顔料(B32)
(注18)ブラック6302:アサヒ化成工業社製、商品名、Sr−Mn系顔料、無機複合酸化物顔料(B32)
(注19)HR−B:戸田工業社製、商品名、Fe−Co−Al−Mg系顔料、無機複合酸化物顔料(B31)
(注20)Black30C940:シェファード社製、商品名、Fe−Cr系顔料、無機複合酸化物顔料(B33)
(注21)Black3500:シェファード社製、商品名、Fe−Cr−Co系顔料、無機複合酸化物顔料(B33)
(注22)KR−900:川村化学社製、商品名、Fe−Co系顔料、無機複合酸化物顔料(B33)
(注23)CR−93:石原産業社製、商品名、チタン白
(注24)三菱カーボンMA−100:三菱化学社製、商品名、カーボンブラック
(注25)トダカラーKN−V:戸田工業社製、商品名、酸化鉄ベンガラ
(注26)TAROX HY−100:チタン工業社製、商品名、黄色酸化鉄
(注27)LIONOL GREEN8930:東洋インキ製造社製、商品名、緑系有機顔料
(注28)Fastgen Super RED500RG:東洋インキ製造社製、商品名、赤系有機顔料
(注29)ネイキュア5225:キング・インダストリーズ社製(アメリカ)、商品名、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和溶液
(注30)チヌビン400:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名、紫外線吸収剤
(注31)サノールLS292:三共ライフテック社製、商品名、光安定剤。
合成例17で得た水酸基含有ポリエステル樹脂溶液No.8溶液(PE No.8)80部(固形分)、CR−93(注23)5.3部 、トダカラーKN−V(注25)0.1部、TAROX HY−100(注26)0.9部、Black30C940(注20)50部、及び有機溶剤(スワゾール1500/シクロヘキサノン=40/60の混合溶剤)を適当量混合し、ツブ(顔料粗粒子の粒子径)が10μm以下となるまで顔料分散を行った。
次いでこの分散物にスミジュールBL3175(注9)を20部(固形分)、フォーメートTK−1(注10)0.2部を加えて均一に混合し、有機溶剤(スワゾール1500/シクロヘキサノン=40/60の混合溶剤)を加えて希釈し、粘度80秒(フォードカップ#4、25℃)の上塗塗料No.1Bを得た。
表6及び表7の配合内容とする以外は、比較製造例2と同様にして上塗塗料No.2B〜No.24Bを得た。
リン酸亜鉛処理を施した厚さ0.5mm×70mm×150mmの溶融亜鉛メッキ鋼板上に、製造例1で得たプライマー塗料No.1を乾燥膜厚が約5μmとなるように塗装し、素材到達最高温度が220℃となるように30秒間焼付け、プライマー塗装金属板を得た。
上記のプライマー塗装金属板上に、製造例7で得た上塗塗料No.1Aをロールコーターにて乾燥膜厚20μmとなるように塗装し、素材到達最高温度が190℃で60秒間焼き付けて塗装金属板No.1を得た。
表8及び表9の塗料内容及び加熱硬化条件とする以外は、実施例1と同様の操作にて塗装金属板No.2〜No.35を得た。下記の試験条件に従った試験を行ったので、併せて結果を示す。
表11及び表12の塗料内容及び条件とする以外は、実施例1と同様の操作にて塗装金属板No.36〜No.60を得た。下記の試験条件に従った試験を行ったので、併せて結果を示す。
20℃の室内において、塗装板の塗膜表面を外側にして折曲げ、その内側に何も挟まずに上記塗装板を万力にて180度折曲する4T折曲げ加工(塗装板の表面側を外側にして折り曲げ、その内側に塗装板と同じ厚さの板を4枚挟み、上記塗装板を万力にて180度折り曲げする加工)を行ったときの折曲げ部の塗膜状態を下記基準にて評価した。
◎は、加工部に、塗膜の異常が全く認められない、
○は、加工部に塗膜のワレの発生及び塗膜の剥がれの両方又は一方がわずかに認められる、
△は、加工部に塗膜のワレの発生及び塗膜の剥がれの両方又は一方がかなり認められる、
×は、加工部に塗膜のワレの発生及び塗膜の剥がれの両方又は一方が著しく認められる。
◎は、光沢保持率が70%を超える
○は、光沢保持率が50%を超えて、70%以下である
△は、光沢保持率が30%を超えて、50%以下である
×は、光沢保持率が30%未満である。
次いで、各試験用塗装板の表面側中央部に素地に達する狭角30度、線幅0.5mmのクロスカットをカッターナイフの背中を用いて入れて、JASO M609−91(自動車用材料腐食試験 1991年)に準ずる複合サイクル腐食試験(CCT試験)を、「(35℃で5%食塩水噴霧2時間)−(60℃で乾燥4時間 相対湿度95%)−(50℃で湿潤2時間 相対湿度95%)」を1サイクルとして、150サイクル(合計1200時間)試験を行った。
・平面部(Bランク以上を合格とする)
Aは、フクレなどなく全く異常なし
Bは、微小なフクレ(直径3mm未満)が1〜10点未満でかつ直径3mm以上のフクレ発生なし
Cは、微小なフクレ(直径3mm未満)が10点以上又は直径3mm以上のフクレが1点以上
・エッジ部
塗装板における長辺左右のエッジクリープ幅の平均値を求め、次の基準により評価した。
◎は、5mm未満、
○は、5mm以上でかつ10mm未満、
△は、10mm以上でかつ20mm未満、
×は、20mm以上。
・クロスカット部
クロスカット部の腐食状態を、0.5mmのカット幅の地金露出部における白錆発生長さ割合、及びカット部の左右のフクレ幅(両側の和)の平均値により、次の基準で評価した。
◎は、地金露出部における白錆発生長さ割合50%未満でかつフクレ幅3mm未満、
○は、地金露出部における白錆発生長さ割合50%以上でかつフクレ幅3mm未満、又は地金露出部における白錆発生長さ割合50%未満でかつフクレ幅3mm以上で5mm未満、
△は、地金露出部における白錆発生長さ割合50%以上でかつフクレ幅5mm以上で10mm未満、
×は、地金露出部における白錆発生長さ割合50%以上でかつフクレ幅10mm以上。
Claims (6)
- 表面に化成処理が施されていてもよい金属板上の片面又は両面上に、下記特徴のプライマー塗料(A)を塗装し硬化してなる乾燥膜厚1〜10μmのプライマー硬化塗膜を形成し、かつプライマー硬化塗膜の少なくとも片面上に、下記特徴の上塗り塗料(B)を塗装して加熱硬化せしめ、乾燥膜厚5〜30μmの上塗り硬化塗膜を形成することを特徴とする複層塗膜形成方法。
プライマー塗料(A):炭素数4〜36の脂肪族多塩基酸(a11)、ガラス転移温度−20〜50℃のアクリル樹脂(a12)及びガラス転移温度−20〜50℃のポリエステル樹脂(a13)のうちの少なくとも1種の軟質有機成分で変性されたビスフェノール型エポキシ樹脂(A1)、架橋剤(A2)及びクロム系の防錆顔料を含有しない防錆成分(A3)を含有するプライマー塗料
上塗塗料(B):酸成分(b1)とアルコール成分(b2)を構成成分とする水酸基含有ポリエステル樹脂(B1)であって、i)酸成分(b1)の質量合計を基準として、ヘキサヒドロフタル酸又はその無水物、ヘキサヒドロイソフタル酸、テトラヒドロフタル酸又はその無水物、及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の多塩基酸の合計割合が90〜100質量%で、かつ(ii)アルコール成分(b2)の質量合計を基準にして、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水添ビスフェノールAから選ばれる少なくとも1種のアルコール成分の合計割合が50〜100質量%である、酸成分(b1)とアルコール成分(b2)とを反応して得られた水酸基含有ポリエステル樹脂(B1)、ブロック化脂肪族ポリイソシアネート及び/又はブロック化脂環族ポリイソシアネート化合物を含む架橋剤(B2)、並びに該樹脂(B1)と該架橋剤(B2)の固形分合計100質量部に対して、赤外線反射能を有する無機複合酸化物顔料(B3)を10〜100質量部含有することを特徴とする上塗塗料 - 赤外線反射能を有する無機複合酸化物顔料(B3)が、金属元素としてMg、Zn、Li及びMnから選ばれる少なくとも1種の金属、Fe、Co及びAlを含有する無機複合酸化物顔料、Bi−Mn系無機複合酸化物顔料、Fe−Cu−Mn系無機複合酸化物顔料、Mn−Sr系無機複合酸化物顔料、Fe−Cr系無機複合酸化物顔料、Fe−Cr−Co系無機複合酸化物顔料から選ばれる少なくとも1種の無機複合酸化物顔料である請求項1に記載の複層塗膜形成方法。
- アルコール成分(b2)が、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAから選ばれる少なくとも1種を含有し、かつトリメチロールプロパンとグリセリンから選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
- 上塗り塗料(B)が、紫外線吸収剤及び/又は光安定剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
- 防錆成分(A3)が、五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム及びメタバナジン酸アンモニウムのうちの少なくとも1種のバナジウム化合物(1)、リン酸金属塩(2)及び金属珪酸塩及びシリカ微粒子のうち少なくとも1種の珪素含有化合物(3)を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法によって得られた塗装金属板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009099460A JP5366628B2 (ja) | 2009-04-16 | 2009-04-16 | 複層塗膜形成方法及び塗装金属板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009099460A JP5366628B2 (ja) | 2009-04-16 | 2009-04-16 | 複層塗膜形成方法及び塗装金属板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010247068A true JP2010247068A (ja) | 2010-11-04 |
JP5366628B2 JP5366628B2 (ja) | 2013-12-11 |
Family
ID=43310037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009099460A Expired - Fee Related JP5366628B2 (ja) | 2009-04-16 | 2009-04-16 | 複層塗膜形成方法及び塗装金属板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5366628B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013049813A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-14 | Kmew Co Ltd | 化粧建築材の製造方法及び化粧建築材 |
JP2015071675A (ja) * | 2013-10-02 | 2015-04-16 | 大日精化工業株式会社 | 遮熱顔料組成物、物品、及び赤外線遮蔽用組成物 |
JP2015531818A (ja) * | 2012-08-03 | 2015-11-05 | ポスコ | 有機無機複合コーティング溶液組成物及び有機無機複合コーティング鋼板 |
CN105038507A (zh) * | 2015-08-19 | 2015-11-11 | 宁波威霖住宅设施有限公司 | 一种金属件表面仿镀铜工艺 |
JP2015199293A (ja) * | 2014-04-09 | 2015-11-12 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | クリヤ塗装ステンレス鋼板 |
JPWO2013150983A1 (ja) * | 2012-04-02 | 2015-12-17 | 大日精化工業株式会社 | 複合酸化物ブラック顔料及びその製造方法 |
JP2017061088A (ja) * | 2015-09-25 | 2017-03-30 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 塗装金属板および食用缶 |
KR20190130704A (ko) * | 2018-05-14 | 2019-11-25 | 송금용 | 밀폐성 및 난연성이 향상된 코팅액 및 이를 코팅한 액체 보관 용기 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5547415B2 (ja) * | 2008-03-19 | 2014-07-16 | 関西ペイント株式会社 | 防錆塗料組成物 |
JP5547375B2 (ja) * | 2008-03-19 | 2014-07-09 | 関西ペイント株式会社 | 防錆塗料組成物 |
JP5547376B2 (ja) * | 2008-03-19 | 2014-07-09 | 関西ペイント株式会社 | 防錆塗料組成物 |
Citations (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0751620A (ja) * | 1993-08-18 | 1995-02-28 | Kawasaki Steel Corp | 耐食性に優れかつ無害性のプレコート鋼板 |
JPH07213994A (ja) * | 1994-01-29 | 1995-08-15 | Yodogawa Steel Works Ltd | 耐熱性塗装鋼板 |
JP2001089871A (ja) * | 1999-07-22 | 2001-04-03 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 太陽熱反射性の塗装金属板 |
JP2002178448A (ja) * | 2000-12-11 | 2002-06-26 | Nisshin Steel Co Ltd | 加工性及び耐疵付き性に優れた塗装鋼板 |
JP2003062930A (ja) * | 2001-08-30 | 2003-03-05 | Nisshin Steel Co Ltd | 非粘着プレコート金属板 |
JP2004017606A (ja) * | 2002-06-20 | 2004-01-22 | Nisshin Steel Co Ltd | 耐熱性に優れた塗装金属板 |
JP2004082120A (ja) * | 2000-02-22 | 2004-03-18 | Nippon Paint Co Ltd | 熱線遮蔽板 |
JP2004224017A (ja) * | 2002-11-25 | 2004-08-12 | Nisshin Steel Co Ltd | 冷却能の高い塗装鋼板 |
JP2007055137A (ja) * | 2005-08-25 | 2007-03-08 | Nippon Steel & Sumikin Coated Sheet Corp | 塗装金属板 |
JP2008044805A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Toda Kogyo Corp | 赤外線反射能を有する黒色系複合酸化物粒子粉末及びその製造方法、並びに黒色系顔料、該赤外線反射能を有する黒色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物 |
JP2008106092A (ja) * | 2006-10-23 | 2008-05-08 | Agc Coat-Tech Co Ltd | 熱線高反射塗料組成物及び塗装物品 |
JP2008266444A (ja) * | 2007-04-19 | 2008-11-06 | Kansai Paint Co Ltd | 耐食性に優れた塗膜形成金属材 |
-
2009
- 2009-04-16 JP JP2009099460A patent/JP5366628B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0751620A (ja) * | 1993-08-18 | 1995-02-28 | Kawasaki Steel Corp | 耐食性に優れかつ無害性のプレコート鋼板 |
JPH07213994A (ja) * | 1994-01-29 | 1995-08-15 | Yodogawa Steel Works Ltd | 耐熱性塗装鋼板 |
JP2001089871A (ja) * | 1999-07-22 | 2001-04-03 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 太陽熱反射性の塗装金属板 |
JP2004082120A (ja) * | 2000-02-22 | 2004-03-18 | Nippon Paint Co Ltd | 熱線遮蔽板 |
JP2002178448A (ja) * | 2000-12-11 | 2002-06-26 | Nisshin Steel Co Ltd | 加工性及び耐疵付き性に優れた塗装鋼板 |
JP2003062930A (ja) * | 2001-08-30 | 2003-03-05 | Nisshin Steel Co Ltd | 非粘着プレコート金属板 |
JP2004017606A (ja) * | 2002-06-20 | 2004-01-22 | Nisshin Steel Co Ltd | 耐熱性に優れた塗装金属板 |
JP2004224017A (ja) * | 2002-11-25 | 2004-08-12 | Nisshin Steel Co Ltd | 冷却能の高い塗装鋼板 |
JP2007055137A (ja) * | 2005-08-25 | 2007-03-08 | Nippon Steel & Sumikin Coated Sheet Corp | 塗装金属板 |
JP2008044805A (ja) * | 2006-08-11 | 2008-02-28 | Toda Kogyo Corp | 赤外線反射能を有する黒色系複合酸化物粒子粉末及びその製造方法、並びに黒色系顔料、該赤外線反射能を有する黒色系顔料を用いた塗料及び樹脂組成物 |
JP2008106092A (ja) * | 2006-10-23 | 2008-05-08 | Agc Coat-Tech Co Ltd | 熱線高反射塗料組成物及び塗装物品 |
JP2008266444A (ja) * | 2007-04-19 | 2008-11-06 | Kansai Paint Co Ltd | 耐食性に優れた塗膜形成金属材 |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013049813A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-14 | Kmew Co Ltd | 化粧建築材の製造方法及び化粧建築材 |
JPWO2013150983A1 (ja) * | 2012-04-02 | 2015-12-17 | 大日精化工業株式会社 | 複合酸化物ブラック顔料及びその製造方法 |
JP2015531818A (ja) * | 2012-08-03 | 2015-11-05 | ポスコ | 有機無機複合コーティング溶液組成物及び有機無機複合コーティング鋼板 |
JP2015071675A (ja) * | 2013-10-02 | 2015-04-16 | 大日精化工業株式会社 | 遮熱顔料組成物、物品、及び赤外線遮蔽用組成物 |
JP2015199293A (ja) * | 2014-04-09 | 2015-11-12 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | クリヤ塗装ステンレス鋼板 |
CN105038507A (zh) * | 2015-08-19 | 2015-11-11 | 宁波威霖住宅设施有限公司 | 一种金属件表面仿镀铜工艺 |
JP2017061088A (ja) * | 2015-09-25 | 2017-03-30 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 塗装金属板および食用缶 |
KR20190130704A (ko) * | 2018-05-14 | 2019-11-25 | 송금용 | 밀폐성 및 난연성이 향상된 코팅액 및 이를 코팅한 액체 보관 용기 |
KR102072720B1 (ko) | 2018-05-14 | 2020-02-04 | 주식회사 지디프라코 | 밀폐성 및 난연성이 향상된 코팅액 및 이를 코팅한 액체 보관 용기 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5366628B2 (ja) | 2013-12-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5366628B2 (ja) | 複層塗膜形成方法及び塗装金属板 | |
JP5086288B2 (ja) | クロムフリー塗装金属板の塗膜形成方法及び塗装金属板 | |
JP5547415B2 (ja) | 防錆塗料組成物 | |
JP5547376B2 (ja) | 防錆塗料組成物 | |
JP4323530B2 (ja) | 耐食性に優れた塗料組成物 | |
JP5669299B2 (ja) | 耐食性に優れた塗料組成物 | |
JP5547375B2 (ja) | 防錆塗料組成物 | |
JP4988434B2 (ja) | 耐食性に優れた塗料組成物 | |
JP4443581B2 (ja) | 耐食性に優れた塗料組成物 | |
JP4403205B2 (ja) | 耐食性に優れた塗膜形成金属材 | |
JP5231754B2 (ja) | 耐食性に優れた塗料組成物 | |
JP5814941B2 (ja) | 耐食性に優れる塗料組成物 | |
JP5618830B2 (ja) | 水性塗料組成物 | |
WO2013118575A1 (ja) | 塗料組成物 | |
JP4374034B2 (ja) | 耐食性に優れる塗料組成物 | |
WO2014199653A1 (ja) | 塗料組成物 | |
JP5665845B2 (ja) | 耐白さび性に優れた塗膜形成亜鉛めっき鋼板 | |
JP5161164B2 (ja) | 耐食性に優れる塗料組成物 | |
JP5835775B2 (ja) | 亜鉛メッキ又は亜鉛合金メッキ鋼板用防錆塗料組成物 | |
JP5737803B2 (ja) | 耐食性に優れる塗料組成物 | |
JP2010031297A (ja) | 耐食性に優れた塗料組成物 | |
JP5584108B2 (ja) | 耐食性に優れる塗料組成物 | |
JP5547438B2 (ja) | 耐食性に優れる塗料組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111212 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20111226 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20111226 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121005 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121016 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121214 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130813 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130910 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5366628 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |