JP5969788B2 - 化粧建築板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、インクジェット印刷により所望の模様が施された化粧建築板の製造方法に関するものである。
従来、インクジェット印刷により所望の模様が施された化粧建築板としては、様々なものが知られている(例えば、特許文献1−3参照)。図5はその一例を示すものであるが、この化粧建築板1は、次のようにして製造されている。まずセメント板等の基材2の表面にインク受理層3を形成し、次にこの表面にインクジェット印刷することによって、インク層4を形成する。その後、この表面にクリアー塗料をスプレー塗装してクリアー層5を形成することによって、図5に示すような化粧建築板1を得ることができるものである。そして、このような化粧建築板1にあっては、インク受理層3によってインク層4を定着させて鮮明な模様を得ることができるものであり、またクリアー層5によってインク層4を保護することができるものである。
特開2007−154430号公報 特開2007−154431号公報 特開2007−154432号公報
しかし、従来の化粧建築板1の製造方法には、次のような問題がある。すなわち、塗装前の基材2の表面温度は例えば季節等により一定ではないので、インクが染み込む程度が基材2の表面温度によって異なる。このようにインクの染み込み量が異なると、塗装後の化粧建築板1の印刷外観も異なるので、一定品質の化粧建築板1を安定して供給することができなくなる。この問題の解決策として塗装前の基材2の表面温度を一定に維持することも考えられるが、生産性の観点等からこれを具体的に実施することも難しい。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、塗装前の基材の表面温度が変化しても、塗装後は一定の印刷外観を備えた化粧建築板を得ることができる化粧建築板の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る化粧建築板の製造方法は、表面にインク受理層が形成された基材の表面をインクジェット印刷により塗装することによって化粧建築板を製造する方法であって、
前記基材の表面の単位面積当たりのインク塗布量を印刷濃度とし、
前記基材の表面温度を測定し、前記表面温度が高いほど前記印刷濃度を高くして塗装することを特徴とするものである。
前記化粧建築板の製造方法において、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのインクを用い、前記各インクについて前記化粧建築板が所定の印刷外観を備えるための、表面温度と印刷濃度との関係を示す検量線を作成し、前記測定した表面温度を前記検量線にあてはめて前記測定した表面温度に応じた印刷濃度で塗装することを特徴とすることが好ましい。
本発明によれば、塗装前の基材の表面温度が変化しても、塗装後は一定の印刷外観を備えた化粧建築板を得ることができるものである。
インクジェット装置の一例を示す概略正面図である。 基材の表面の単位面積当たりのインク塗布量の一例を示すものであり、(a)は印刷濃度が100%の場合、(b)は印刷濃度が80%の場合、(c)は印刷濃度が60%の場合の拡大平面図である。 基材の表面温度と印刷濃度との関係を示す検量線の一例である。 基材の表面温度と印刷濃度との関係を示す検量線の他の一例である。 化粧建築板の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係る化粧建築板の製造方法は、基材2の表面をインクジェット印刷により塗装することによって、図5に示すような化粧建築板1を製造するものである。この化粧建築板1は、基材2の表面にインク受理層3、インク層4及びクリアー層5をこの順に積層して形成されている。インク受理層3及びクリアー層5は形成することが好ましいが、基材2の表面に直接インク層4を形成するだけでもよい。
基材2としては、窯業系基材や金属系基材のように無機質のものや、樹脂系基材のように有機質のものを用いることができる。このうち窯業系基材は、例えば、無機質硬化体の原料となる水硬性膠着材に無機充填剤及び繊維質材料等を配合し、この配合物を所定形状に成形した後に養生硬化させることによって作製することができる。ここで、水硬性膠着材としては、例えば、ポルトランドセメント、高炉セメント、高炉スラグ、ケイ酸カルシウム、石膏等を用いることができる。また無機充填剤としては、例えば、フライアッシュ、ミクロシリカ、珪砂等を用いることができる。また繊維質材料としては、例えば、パルプ、合成繊維等の有機繊維や、ワラストナイト等の無機繊維や、スチールファイバー等の金属繊維を用いることができる。そして成形は、押出成形、注型成形、抄造成形、プレス成形等の方法により行うことができ、このような成形の後、必要に応じてオートクレーブ養生、蒸気養生、常温養生を行って、瓦や外壁材等の外装材として使用される窯業系基材を作製することができる。他に基材2としては、フレキシブルボード、珪酸カルシウム板、石膏スラグパーライト板、木片セメント板、プレキャストコンクリート板、ALC板、石膏ボード等の無機質板を用いることができる。
そして、化粧建築板を製造するにあたっては、上記のような基材2の表面全体にまず、必要に応じて下塗り塗料(プライマー、シーラー)を塗装して下塗り層(図示省略)を形成し、目止めを行う。下塗り塗料としては、例えば、アクリル系やラテックス系のものを用いることができる。下塗り塗料の塗装は、例えば、スプレーガン、ロールコーター、フローコーター、カーテンコーター等を用いて行うことができる。このように、基材2の表面に下塗り層を形成すると、基材2の表面から内部への塗料の吸い込みのばらつきを均一に調整することができる。
次に、基材2の表面(下塗り層を形成している場合には下塗り層の表面)全体に受理層形成用塗料を塗装してインク受理層3を形成する。インク受理層3は、後でこの上に形成されるインク層4を定着させるために必要な層である。受理層形成用塗料としては、有機溶剤で希釈した塗料を用いることもできるが、水性塗料を用いることが好ましい。このように、水性塗料でインク受理層3を形成することによって、作業環境が良好となり、安全性が向上すると共に、環境負荷を低減することができるものである。具体的には水性塗料としては、例えば、アクリル系エマルションをベースにしたアクリル樹脂塗料や、アクリルシリコン系エマルションをベースにしたアクリルシリコン樹脂塗料を用いることができる。水性塗料には、体質顔料と吸湿性樹脂のうちの少なくとも一方を配合しておくことが好ましい。これにより、インク層4の定着性を向上させることができると共に、発色性を向上させることができるものである。ここで、体質顔料としては、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、多孔質シリカ、珪藻土等を用いることができ、吸湿性樹脂としては、例えば、酢酸ビニル、ウレタン系ポリマー、アクリル系ポリマー、ポリビニルアルコール等のインキ吸収性ポリマー等を用いることができる。また、水性塗料には、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等の顔料を着色剤として配合することもできる。また、基材2の表面への受理層形成用塗料の塗布量は40〜200g/m・wetであることが好ましい。受理層形成用塗料の塗装は、例えば、スプレーガン、ロールコーター、フローコーター、カーテンコーター等を用いて行うことができる。乾燥後のインク受理層3の厚みは5〜30μmであることが好ましい。
次に、基材2の表面温度(インク受理層3を形成している場合にはインク受理層3の表面温度)を測定し、この表面温度に応じた印刷濃度でインクジェット印刷により塗装することによって、ドット状のインク層4を所望のドットパターンで基材2(又はインク受理層3)の表面に形成する。以下では基材2にインク受理層3が形成されている場合について説明する。
ここで、インクジェット印刷するためのインクジェット装置6としては、例えば、図1に示すようなものを用いることができる。このインクジェット装置6は、インク噴射ノズル7を設けたインク塗装ノズルヘッド8、インク塗装ノズルヘッド8のインク噴射ノズル7にインクを供給するインク供給タンク9、塗装制御システム10、温度測定器11を設けたインクジェット式塗装機12と、基材2を搬送する搬送コンベア13とを備えて形成されるものである。温度測定器11は、例えば放射温度計等の非接触温度計で形成され、インクジェット印刷による塗装前(好ましくは塗装直前)の基材2の表面温度を測定するものである。塗装制御システム10は、温度測定器11で測定した基材2の表面温度に応じて適切な印刷濃度となるように、インク塗装ノズルヘッド8のインク噴射ノズル7からのインクの噴射を制御するものである。インクとしては、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4種類のインクを用いることができる。
塗装前の基材2のインク受理層3の表面温度が変化すると、インク受理層3の表面に着弾したインクのドットの大きさが変化し、これにより化粧建築板1の印刷外観も変化する。本発明者らは、基材2のインク受理層3の表面温度が高くなるにつれて各インクの印刷濃度も高くすれば、化粧建築板1の印刷外観が変化しにくくなることを突き止めた。この場合の印刷濃度は、各インクについて、例えば図2に示すように、基材2のインク受理層3の表面の単位面積当たりのインク塗布量として定義することができる。すなわち、図2では破線で囲まれた領域(縦5個×横10個、計50個分のドット14が占有する領域)を単位面積とし、実際に着弾したインクのドット数をインク塗布量としている。各ドット14の大きさは等しい。図2(a)は印刷濃度が100%の場合(着弾したインクのドット数が50個)、図2(b)は印刷濃度が80%の場合(着弾したインクのドット数が40個)、図2(c)は印刷濃度が60%の場合(着弾したインクのドット数が30個)である。印刷濃度が0%超100%未満の場合はインクのドット14を均一に分散させて着弾させることが好ましい(例えば図2(b)(c)参照)。基材2のインク受理層3の表面温度は、図2の中では、図2(a)の場合が最も高く、次いで図2(b)の場合であり、図2(c)の場合が最も低い。
インク塗装ノズルヘッド8は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のインクを噴出する4種類のインク塗装ノズルヘッド8y、8c、8m、8kから形成してあり、フルカラー印刷による塗装を行うことができるようにしてある。インク供給タンク9も同様に4種類のものからなるものであり、イエローのインクを供給するインク供給タンク9yはインク塗装ノズルヘッド8yに、シアンのインクを供給するインク供給タンク9cはインク塗装ノズルヘッド8cに、マゼンタのインクを供給するインク供給タンク9mはインク塗装ノズルヘッド8mに、ブラックのインクを供給するインク供給タンク9kはインク塗装ノズルヘッド8kに、それぞれ接続してある。また、各インク塗装ノズルヘッド8y、8c、8m、8kは基材2の搬送方向に沿って配列してある。
イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のインクとしては、例えば、水性インク又はUV硬化インク等を用いることができる。
具体的には、イエローのインクとしては、例えば、黄色酸化鉄、Ti−Ni−Ba系イエロー、Ti−Sb−Ni系イエロー、Ti−Nb−Ni系イエロー、Ti−Sb−Cr系イエローから選ばれる顔料を含有するものを用いることができる。
またシアンのインクとしては、例えば、フタロシアニンブルー、Co−Al系ブルー、Co−Al−Cr系ブルーから選ばれる顔料を含有するものを用いることができる。
またマゼンタのインクとしては、例えば、赤色酸化鉄、Fe−Zn系ブラウン、Fe−Zn−Cr系ブラウン、Fe−Ni−Al系ブラウンから選ばれる顔料を含有するものを用いることができる。
またブラックのインクとしては、例えば、黒色酸化鉄、Cu−Cr系ブラック、Cu−Cr−Mn系ブラック、Cu−Fe−Mn系ブラック、Co−Fe−Cr系ブラック、カーボンブラックから選ばれる顔料を含有するものを用いることができる。
水性インクでインク層4を形成することによって、作業環境が良好となり、安全性が向上すると共に、環境負荷を低減することができるものである。なお、上記のインクに限定されるものではないが、無機顔料を主成分とするインクは、有機顔料を主成分とするインクよりも耐候性(耐褪色性)の面で優位に立つ。
塗装制御システム10は、各種のCPU、ROM、RAM等から構成されるものであり、次のような塗装データ作成部、検量線保存部、塗装制御部、噴射ノズル制御部等を備えて形成されている。
塗装データ作成部は、原画(所望の模様)をスキャン等して得られたドットパターンのデータを入力して保存するものである。
また検量線保存部は、各インクについてあらかじめ作成された基材2のインク受理層3の表面温度と印刷濃度との関係を示す検量線(例えば図3及び図4参照)のデータを入力して保存するものである。検量線は、例えば基材2の表面の色(インク受理層3が形成されている場合にはインク受理層3の表面の色)等により、各インクごとに異なる場合もあれば同じ場合もある。
また塗装制御部は、塗装を行う基材2に応じたドットパターンのデータを塗装データ作成部から取り出す。さらに塗装制御部は、検量線保存部から各インクについて検量線のデータを取り出し、この検量線を用いて、温度測定器11で測定した塗装前の基材2の表面温度に応じた適切な印刷濃度を各インクについて決定する。そして塗装制御部は、上記のドットパターンのデータ及び各インクの印刷濃度に応じて、噴射ノズル制御部に制御信号を出力するものである。
また噴射ノズル制御部は、インク塗装ノズルヘッド8y、8c、8m、8kの各インク噴射ノズル7に接続してあり、噴射ノズル制御部から入力される制御信号に基づいて各インク噴射ノズル7を制御するものである。各インク噴射ノズル7は、例えば、ピエゾ制御方式により噴射を行ったり噴射を停止したりするようになっている。そして、噴射ノズル制御部で各インク噴射ノズル7を制御することによって、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各インクの噴射と停止を個別に制御して、ドットパターンに対応したフルカラー印刷による塗装を行うことができるものである。
搬送コンベア13は、インクジェット式塗装機12の下側に配置されるものであり、ベルトコンベアで形成することができる。
そして、上記のインクジェット装置6でインクジェット印刷により塗装するにあたっては、あらかじめインク受理層3が形成された基材2を搬送コンベア13の上流側に載置して導入する。導入された基材2はそのまま搬送され、その表面温度が塗装前に温度測定器11で測定された上でインクジェット式塗装機12のインク塗装ノズルヘッド8y、8c、8m、8kの下を順に通過する。このように基材2を搬送コンベア13で搬送しながら、インク塗装ノズルヘッド8y、8c、8m、8kから、塗装前の基材2の表面温度に応じて各インクを適切な印刷濃度で噴射させることによって、基材2のインク受理層3の表面にドット状のインク層4を所望のドットパターンで形成することができるものである。
その後、必要に応じてインク層4を乾燥させてから、このインク層4の表面にクリアー層5を形成することによって、図5に示すような化粧建築板1を得ることができる。
ここで、クリアー層5を形成するクリアー塗料としては、例えば、水性クリアー、溶剤クリアー又はUV硬化クリアー等を用いることができる。このようなクリアー塗料には、ヒンダードアミン系光安定剤等の紫外線吸収剤が0.5〜5重量%含有されていることが好ましい。これにより、太陽光等に含まれる紫外線をクリアー層5で吸収して、インク層4が紫外線で劣化することを抑制することができ、化粧建築板1の耐候性を高めることができるものである。水性クリアーとしては、例えば、アクリル系エマルションをベースにしたアクリル樹脂塗料や、アクリルシリコン系エマルションをベースにしたアクリルシリコン樹脂塗料を用いることが好ましい。また水性クリアーには、アクリルビーズ、マイカ等の骨材を配合しておくことが好ましい。これにより、意匠性を向上させることができる。特に水性クリアーでクリアー層5を形成することによって、作業環境が良好となり、安全性が向上すると共に、環境負荷を低減することができる。また水性クリアーには、透明性保持粉体が含有されていることが好ましい。透明性保持粉体としては、例えば、アクリル等の樹脂ビーズを用いることができる。このような透明性保持粉体によって、クリアー層5中の水はけが良くなり、塗膜の乾燥を短時間で行うことができるものである。しかも、上記粉体は透明性を保持しているので、塗膜の乾燥後においては、クリアー層5の透明性が確保され、このクリアー層5を透して、インク層4で表される模様を視認することができる。なお、水性クリアー全量に対して、透明性保持粉体の含有量は3〜20重量%であることが好ましい。また、水性クリアーの固形成分濃度は40重量%以上であることが好ましく、50重量%以上(実質上の上限は60重量%)であることがより好ましい。これにより、速く乾燥させることができ、インクの滲みを抑制することができる。しかし、水性クリアーの固形成分濃度が40重量%未満であると、乾燥に時間がかかり、インクが滲んでしまうおそれがある。また水性クリアーは、テキサノール等の疎水性成分を含有していることが好ましい。上記水性クリアー中の疎水性成分によって、インクの逆流、つまりインクがクリアー層5に向かって流れることを抑制することができ、これにより、鮮明な模様が得られ、意匠性を向上させることができる。なお、水性クリアー全量に対して、疎水性成分の含有量は0.5〜10重量%であることが好ましい。疎水性成分を含有する水性クリアーとしては、例えば、酢酸ブチルやキシレン等の有機溶剤(疎水性成分)を含有するアクリル系塗料やアクリルシリコン系塗料等を用いることができる。
上記のようにして得られた化粧建築板1にあっては、塗装前の基材2の表面温度に応じた印刷濃度で塗装するようにしているので、仮に塗装前の基材2の表面温度が変化しても、各インクの印刷濃度を適切に変化させることによって、塗装後は一定の印刷外観を備えた化粧建築板1を得ることができるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
基材2として窯業系セメント板を用い、この表面全体にスプレーガンを用いて受理層形成用塗料を塗装して、厚み30μmの白色のインク受理層3を形成した。
受理層形成用塗料としては、アクリル系エマルションをベースにしたアクリル樹脂塗料(関西ペイント(株)製「IM7000」)を用いた。
次に、図1に示すようなインクジェット装置6を用いて、インク受理層3の表面にインクジェット印刷により塗装して、インク層4を所望のドットパターンで形成した。このインク層4の形成は、表1に示すように基材2の表面温度(インク受理層3の表面温度)を40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃と変化させ、図3に示す検量線を用いて各表面温度に応じた印刷濃度で塗装することによって行った。なお、図3に示す検量線は各インクに共通する。
インク層3を形成するためのインクとしては、水性インクを用いた。この水性インクは、顔料5質量部、水60質量部、エチレングリコール35質量部からなるものである。
そして、乾燥後のインク層4の表面にクリアー塗料を塗装し、これを130℃、2分間の条件で焼き付けて、厚み20μmのクリアー層を形成することによって、図5に示すような化粧建築板1を製造した。
クリアー塗料としては、樹脂成分としてアクリルエマルションを含む塗料(関西ペイント(株)製「IMコート4100クリア」)を用いた。
そして、基材2の表面温度が50℃である場合を基準とし、他の温度について化粧建築板1の色差(△E)をコニカミノルタ社製色彩色差計「CR−300」を用いて測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0005969788
(比較例1)
基材2の表面温度を変化させても、一定の印刷濃度で塗装してインク層4を形成するようにした以外は、実施例1と同様にして化粧建築板1を製造した。
そして、実施例1と同様にして基材2の表面温度が50℃である場合を基準とし、他の温度について化粧建築板1の色差(△E)を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0005969788
表1及び表2から明らかなように、比較例1では基材2の表面温度が変化すると色差(△E)が大きくなるのに対して、実施例1では基材2の表面温度が変化しても色差(△E)が小さい。よって、本発明によれば、基材2の表面温度に関係なく、ほぼ同じ仕上がりの化粧建築板1を得ることができることが確認された。
(実施例2)
基材2として窯業系セメント板を用い、この表面全体にスプレーガンを用いて受理層形成用塗料を塗装して、厚み30μmの白色のインク受理層3を形成した。
受理層形成用塗料としては、アクリル系エマルションをベースにしたアクリル樹脂塗料(関西ペイント(株)製「IM7000」)を用いた。
次に、図1に示すようなインクジェット装置6を用いて、インク受理層3の表面にインクジェット印刷により塗装して、インク層4を所望のドットパターンで形成した。このインク層4の形成は、表3に示すように基材2の表面温度(インク受理層3の表面温度)を35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃と変化させ、図4に示す検量線を用いて各表面温度に応じた印刷濃度で塗装することによって行った。なお、図4に示す検量線は各インクに共通する。
インク層3を形成するためのインクとしては、UV硬化樹脂92質量部、顔料8質量部からなるものを用いた。
そして、紫外線ランプから紫外線を照射して乾燥させた後のインク層4の表面にクリアー塗料を塗装し、これを130℃、2分間の条件で焼き付けて、厚み20μmのクリアー層を形成することによって、図5に示すような化粧建築板1を製造した。
クリアー塗料としては、樹脂成分としてアクリルエマルションを含む塗料(関西ペイント(株)製「IMコート4100クリア」)を用いた。
そして、基材2の表面温度が45℃である場合を基準とし、他の温度について化粧建築板1の色差(△E)をコニカミノルタ社製色彩色差計「CR−300」を用いて測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0005969788
(比較例2)
基材2の表面温度を変化させても、一定の印刷濃度で塗装してインク層4を形成するようにした以外は、実施例2と同様にして化粧建築板1を製造した。
そして、実施例2と同様にして基材2の表面温度が45℃である場合を基準とし、他の温度について化粧建築板1の色差(△E)を測定した。その結果を表4に示す。
Figure 0005969788
表3及び表4から明らかなように、比較例2では基材2の表面温度が変化すると色差(△E)が大きくなるのに対して、実施例2では基材2の表面温度が変化しても色差(△E)が小さい。よって、本発明によれば、基材2の表面温度に関係なく、ほぼ同じ仕上がりの化粧建築板1を得ることができることが確認された。
1 化粧建築板
2 基材

Claims (2)

  1. 表面にインク受理層が形成された基材の表面をインクジェット印刷により塗装することによって化粧建築板を製造する方法であって、
    前記基材の表面の単位面積当たりのインク塗布量を印刷濃度とし、
    前記基材の表面温度を測定し、前記表面温度が高いほど前記印刷濃度を高くして塗装することを特徴とする
    化粧建築板の製造方法。
  2. イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのインクを用い、前記各インクについて前記化粧建築板が所定の印刷外観を備えるための、表面温度と印刷濃度との関係を示す検量線を作成し、前記測定した表面温度を前記検量線にあてはめて前記測定した表面温度に応じた印刷濃度で塗装することを特徴とする
    請求項1に記載の化粧建築板の製造方法。
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