JP2010000788A - インクジェット印刷物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐候性および耐久性のあるインクジェット印刷物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】基材10上に、インクジェット式印刷により前記紫外線硬化性樹脂インクからなる絵柄層20を形成すると共に紫外線照射により該紫外線硬化性樹脂インクを硬化させ、さらに、該絵柄層20上に透明の電子線硬化性樹脂を塗布し、その後、該電子線硬化性樹脂上から電子線を照射して、前記絵柄層20の紫外線硬化性樹脂インクおよび該電子線硬化性樹脂を硬化させて、透明保護層となる硬化した電子線硬化性樹脂層30を表面に形成してインクジェット印刷物1を製造する。
【選択図】 図1
【解決手段】基材10上に、インクジェット式印刷により前記紫外線硬化性樹脂インクからなる絵柄層20を形成すると共に紫外線照射により該紫外線硬化性樹脂インクを硬化させ、さらに、該絵柄層20上に透明の電子線硬化性樹脂を塗布し、その後、該電子線硬化性樹脂上から電子線を照射して、前記絵柄層20の紫外線硬化性樹脂インクおよび該電子線硬化性樹脂を硬化させて、透明保護層となる硬化した電子線硬化性樹脂層30を表面に形成してインクジェット印刷物1を製造する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、インクジェット印刷物およびその製造方法に関するものである。
従来、インクジェット式の印刷により印刷されたインクジェット印刷物はよく知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上記のインクジェット式の印刷により形成された絵柄層を有するインクジェット印刷物にあっては、その表面の耐候性や耐久性に乏しいという問題があった。かかる問題を解決すべく、紫外線硬化性のインクを採用し、紫外線を照射して表面の耐久性向上を図ることも提案されている。さらには、紫外線硬化性樹脂を保護層として形成し、耐久性を向上させようとすることも提案されている。
ところで、上記のインクジェット式の印刷により形成された絵柄層を有するインクジェット印刷物にあっては、その表面の耐候性や耐久性に乏しいという問題があった。かかる問題を解決すべく、紫外線硬化性のインクを採用し、紫外線を照射して表面の耐久性向上を図ることも提案されている。さらには、紫外線硬化性樹脂を保護層として形成し、耐久性を向上させようとすることも提案されている。
しかしながら、上記対応策にあっては、前記インクに含まれる顔料が紫外線の吸収を妨げ、該インクが硬化しにくいという問題があった。このため、依然、インクジェット印刷物は、他の印刷方式による印刷物に比して耐候性や耐久性が低く、改善が求められていた。
そこで本発明は、上記問題を解決することができる耐候性および耐久性に優れたインクジェット印刷物、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記問題を解決すべく、表面に透明保護層が形成されたインクジェット印刷物であって、基材(ガラス板を除く)と、該基材上にインクジェット式印刷によって形成された絵柄層とを有すると共に、該絵柄層上に前記透明保護層が形成されており、前記絵柄層は、紫外線照射により硬化する紫外線硬化性樹脂インクからなり、前記透明保護層は、電子線照射により硬化する電子線硬化性樹脂からなることを特徴とするインクジェット印刷物を提供するものである。
また本発明は、上記のインクジェット印刷物の製造方法であって、前記基材上に、紫外線硬化性樹脂インクを用いたインクジェット式印刷によって絵柄層を形成し、該絵柄層を紫外線照射によって硬化させ、さらに、紫外線照射後の該絵柄層上に透明の電子線硬化性樹脂層を形成し、その後、該電子線硬化性樹脂層上から電子線を照射して、該電子線硬化性樹脂層の電子線硬化性樹脂と前記絵柄層の紫外線硬化性樹脂インクとを硬化させて、完全硬化した絵柄層と該電子線硬化性樹脂からなる透明保護層とを形成することを特徴とするインクジェット印刷物の製造方法である。
〔作用〕
前記絵柄層は、紫外線照射により硬化するが、該絵柄層は顔料を含むため、該紫外線照射だけでは表面のみ硬化して内部は完全に硬化しない。このように、完全には硬化していない状態(すなわち、未反応モノマーを含む状態)の絵柄層上に電子線硬化性樹脂を塗布し、該電子線硬化性樹脂の上方から電子線を照射すると、該電子線硬化性樹脂が硬化することは勿論のこと、該電子線硬化性樹脂の下方に配された前記絵柄層の紫外線硬化性樹脂
も内部まで硬化することになる(すなわち、未反応モノマーを反応させることができる)。したがって、透明保護層を形成するための前記電子線は、絵柄層を完全に硬化する役割も果たしており、透明保護層の形成と同時に絵柄層の耐候性および耐久性を向上させることができる。また、電子線照射の工程だけで、絵柄層と、透明保護層となる電子線硬化性樹脂層とを硬化させることができるため、製造効率が良い。
前記絵柄層は、紫外線照射により硬化するが、該絵柄層は顔料を含むため、該紫外線照射だけでは表面のみ硬化して内部は完全に硬化しない。このように、完全には硬化していない状態(すなわち、未反応モノマーを含む状態)の絵柄層上に電子線硬化性樹脂を塗布し、該電子線硬化性樹脂の上方から電子線を照射すると、該電子線硬化性樹脂が硬化することは勿論のこと、該電子線硬化性樹脂の下方に配された前記絵柄層の紫外線硬化性樹脂
も内部まで硬化することになる(すなわち、未反応モノマーを反応させることができる)。したがって、透明保護層を形成するための前記電子線は、絵柄層を完全に硬化する役割も果たしており、透明保護層の形成と同時に絵柄層の耐候性および耐久性を向上させることができる。また、電子線照射の工程だけで、絵柄層と、透明保護層となる電子線硬化性樹脂層とを硬化させることができるため、製造効率が良い。
〔効果〕
本発明は、電子線硬化性樹脂からなる透明保護層が表面に形成された印刷物であるため、耐候性および耐久性に優れている。また、インクジェット式印刷にあっては紫外線硬化性インクを用いたため、表面にある透明保護層を形成する際の電子線照射により該絵柄層が内部まで完全硬化することとなり、印刷物としての耐候性および耐久性が飛躍的に向上する。なお、絵柄層の印刷はインクジェット式であるため、他の印刷方式に比して印刷物の製造コストが低い利点がある。
本発明は、電子線硬化性樹脂からなる透明保護層が表面に形成された印刷物であるため、耐候性および耐久性に優れている。また、インクジェット式印刷にあっては紫外線硬化性インクを用いたため、表面にある透明保護層を形成する際の電子線照射により該絵柄層が内部まで完全硬化することとなり、印刷物としての耐候性および耐久性が飛躍的に向上する。なお、絵柄層の印刷はインクジェット式であるため、他の印刷方式に比して印刷物の製造コストが低い利点がある。
〈基材〉
本発明の基材は、建築板等に使用される板状基材が好ましく用いられ、天然木材単板、中密度繊維板(MDF)、ハードボード、パーチクルボード、合板等の木質系建築板、アルミ、ステンレス等の金属系建築板、プラスチック材料からなる合成樹脂板、または、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード、セメント板、ダイライト、窯業系サイディング等の無機質建築板等が例示される。
また、本発明の基材は、紙、または塩ビ、オレフィン等からなる合成樹脂シートであっても勿論よい。
本発明の基材は、建築板等に使用される板状基材が好ましく用いられ、天然木材単板、中密度繊維板(MDF)、ハードボード、パーチクルボード、合板等の木質系建築板、アルミ、ステンレス等の金属系建築板、プラスチック材料からなる合成樹脂板、または、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード、セメント板、ダイライト、窯業系サイディング等の無機質建築板等が例示される。
また、本発明の基材は、紙、または塩ビ、オレフィン等からなる合成樹脂シートであっても勿論よい。
〈インクジェット式印刷〉
本発明のインクジェット式印刷は、高画質で高速印刷が可能な公知のインクジェットプリンターが用いられる。例えば、特開特開2005−34995号公報に開示されている構成であってもよいし、例えば、ミマキ製(型番JF1631)を使用してもよい。
本発明のインクジェット式印刷は、高画質で高速印刷が可能な公知のインクジェットプリンターが用いられる。例えば、特開特開2005−34995号公報に開示されている構成であってもよいし、例えば、ミマキ製(型番JF1631)を使用してもよい。
〈紫外線硬化性樹脂インク〉
また、本発明は、インクジェット式印刷に際し、紫外線硬化性樹脂インクを用いる。該紫外線硬化性樹脂インクとしては、例えば、アクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリマレイン酸系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエポキシ系樹脂、並びに、放射線硬化性オリゴマーおよびモノマーのうちいずれかから選ばれる樹脂のいずれか1種を使用することができ、また、上述のオリゴマーまたはモノマーのうち2種以上を混ぜたものを使用することができる。
また、本発明は、インクジェット式印刷に際し、紫外線硬化性樹脂インクを用いる。該紫外線硬化性樹脂インクとしては、例えば、アクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリマレイン酸系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエポキシ系樹脂、並びに、放射線硬化性オリゴマーおよびモノマーのうちいずれかから選ばれる樹脂のいずれか1種を使用することができ、また、上述のオリゴマーまたはモノマーのうち2種以上を混ぜたものを使用することができる。
前記紫外線硬化性樹脂インクに含まれる顔料は、インクジェット用の顔料であって、カーボンブラックおよび酸化チタン以外の有機顔料が用いられる。例えば、耐候性に優れた公知の有機顔料が選択されうる。
例えば青色の場合は、銅フタロシアニン(ピグメントブルー15)、金属フタロシアニン、インダススレンブルー(ピグメントブルー22)、バットブルー4,6,20が望ましい。ピグメントグリーン1,2,7,10,12,36,37,38、バットグリーン1、Ingrain green3が望ましい。紫色の場合は、ジオキサジンバイオレット、ピグメントバイオレット19、ピグメントバイオレッド122、ピグメントバイオレット1、ピグメントバイオレット2、ピグメントバイオレット3、ピグメントバイオレット5、バットバイオレット1、バットバイオレット3、バットバイオレット3,10が望ましい。
例えば青色の場合は、銅フタロシアニン(ピグメントブルー15)、金属フタロシアニン、インダススレンブルー(ピグメントブルー22)、バットブルー4,6,20が望ましい。ピグメントグリーン1,2,7,10,12,36,37,38、バットグリーン1、Ingrain green3が望ましい。紫色の場合は、ジオキサジンバイオレット、ピグメントバイオレット19、ピグメントバイオレッド122、ピグメントバイオレット1、ピグメントバイオレット2、ピグメントバイオレット3、ピグメントバイオレット5、バットバイオレット1、バットバイオレット3、バットバイオレット3,10が望ましい。
また、紫外線硬化性樹脂インクには、活性剤を添加してもよい。該活性剤は、公知品の
界面活性剤が採用される。例えば、イオン性(カチオン性・アニオン性・双性)、または非イオン性(ノニオン性)のものがあり、特に非イオン性(ノニオン性)のものが望ましい。具体的には、例えば、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルまたはエステルやポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテルなどがある。
界面活性剤が採用される。例えば、イオン性(カチオン性・アニオン性・双性)、または非イオン性(ノニオン性)のものがあり、特に非イオン性(ノニオン性)のものが望ましい。具体的には、例えば、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルまたはエステルやポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテルなどがある。
〈絵柄層〉
絵柄層の柄は、任意に設定でき、文字、地図情報、木目柄、大理石柄、抽象柄等が選択されうる。
絵柄層の柄は、任意に設定でき、文字、地図情報、木目柄、大理石柄、抽象柄等が選択されうる。
〈電子線硬化性樹脂〉
本発明に係る電子線硬化性樹脂は、公知の構成が採用されうる。例えば、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、又はエポキシ基等のカチオン重合性官能基を有する単量体、プレポリマー又はポリマーからなるものが提案される。これら単量体、プレポリマー、及びポリマーは、単体で用いるか、或いは複数種混合して用いられる。なお、(メタ)アクリレートとしては、アクリレート又はメタアクリレートがある。
本発明に係る電子線硬化性樹脂は、公知の構成が採用されうる。例えば、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、又はエポキシ基等のカチオン重合性官能基を有する単量体、プレポリマー又はポリマーからなるものが提案される。これら単量体、プレポリマー、及びポリマーは、単体で用いるか、或いは複数種混合して用いられる。なお、(メタ)アクリレートとしては、アクリレート又はメタアクリレートがある。
さらに前記ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、フッ素(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。このプレポリマーは、通常、分子量が10000程度以下のものが用いられる。分子量が10000を超えると硬化した樹脂層の耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の表面物性が不足する。上記のアクリレートとメタアクリレートは共用し得るが、電子線での架橋硬化速度という点ではアクリレートの方が速い為、高速度、短時間で能率よく硬化させるという目的ではアクリレートの方が有利である。
また前記カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル、ウレタン系ビニルエーテル、エステル系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂、環状エーテル化合物、スピロ化合物等のプレポリマーが挙げられる。
なお、本発明に用いられる電子線源としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型灯の各種電子線加速器がある。かかる電子線の照射により、電子線硬化性樹脂は架橋重合反応を起こし3次元の高分子構造に変化する。
なお、本発明に用いられる電子線源としては、コックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型灯の各種電子線加速器がある。かかる電子線の照射により、電子線硬化性樹脂は架橋重合反応を起こし3次元の高分子構造に変化する。
そして本発明のインクジェット印刷物1は、基材10上に絵柄層20を備え、さらに該絵柄層20上に形成された、透明保護層である電子線硬化性樹脂層30を少なくとも備える。
以下、本発明に係る実施例を説明する。なお、評価試験は、JIS K−5600に基づき行った。
〈実施例1〉
基材としての天然木ウォールナット単板の合板(450×450×18mm)の上に水性着色シーラーを塗布量1.5g/尺2で塗布し、表面をジェット乾燥して該表面をウォールナット色に着色した。その後、該表面に透明性の紫外線硬化ポリエステルアクリレートをロールコーターにて塗付量5.0g/尺2で塗布して、さらに該表面に150mj/cm2の条件で紫外線を照射し、紫外線硬化ポリエステルアクリレート塗布層を硬化させて下塗り層としての紫外線硬化性樹脂層を形成した。次に硬化塗膜である該紫外線硬化性
樹脂層を#240サンディングペーパーにて研磨し、その上に紫外線硬化性樹脂インクをインクジェットプリンターでダイレクト印刷して絵柄層を形成した。さらにこの絵柄層上に上記紫外線硬化性樹脂塗料を塗布量3.0g/尺2で塗布し、該表面に150mj/cm2の条件で紫外線を照射し、中塗り層としての紫外線硬化性樹脂層を形成した。さらに、該紫外線硬化性樹脂層の上面を#240サンディングペーパーで研磨した後、所定の光沢に設定した透明性の電子線硬化性樹脂塗料を塗布量0.8g/尺2で塗布し、電子線を3.0Mradの条件で照射して、硬化した電子線硬化性樹脂層を表面に形成した。
上記製造方法により、図1に示されるような、合板10aと、該合板10a上に形成された水性着色シーラー層15aと、該水性着色シーラー層15a上に形成された紫外線硬化性樹脂層16aと、該紫外線硬化性樹脂層16a上に形成された絵柄層20aと、該絵柄層20a上に形成された紫外線硬化性樹脂層25aと、該紫外線硬化性樹脂層25a上に形成された透明保護層である電子線硬化性樹脂層30aとを有するインクジェット印刷物1aが得られた。
かかる天然木ウォールナット単板の合板(インクジェット印刷物)は、耐摩耗性1000回(テーバー試験機)、耐水性異常なし(70℃2時間)、耐汚染性合格(青インク、黒マジック、赤マジック、クレヨン、しょう油、ソース、ケチャップ)、耐薬品性合格(5%酢酸水、2%NaOH、50%エタノール JIS)、耐衝撃性合格(500g 75cm)、耐候試験異常なし(WOM250時間)の性能が得られた。
〈実施例1〉
基材としての天然木ウォールナット単板の合板(450×450×18mm)の上に水性着色シーラーを塗布量1.5g/尺2で塗布し、表面をジェット乾燥して該表面をウォールナット色に着色した。その後、該表面に透明性の紫外線硬化ポリエステルアクリレートをロールコーターにて塗付量5.0g/尺2で塗布して、さらに該表面に150mj/cm2の条件で紫外線を照射し、紫外線硬化ポリエステルアクリレート塗布層を硬化させて下塗り層としての紫外線硬化性樹脂層を形成した。次に硬化塗膜である該紫外線硬化性
樹脂層を#240サンディングペーパーにて研磨し、その上に紫外線硬化性樹脂インクをインクジェットプリンターでダイレクト印刷して絵柄層を形成した。さらにこの絵柄層上に上記紫外線硬化性樹脂塗料を塗布量3.0g/尺2で塗布し、該表面に150mj/cm2の条件で紫外線を照射し、中塗り層としての紫外線硬化性樹脂層を形成した。さらに、該紫外線硬化性樹脂層の上面を#240サンディングペーパーで研磨した後、所定の光沢に設定した透明性の電子線硬化性樹脂塗料を塗布量0.8g/尺2で塗布し、電子線を3.0Mradの条件で照射して、硬化した電子線硬化性樹脂層を表面に形成した。
上記製造方法により、図1に示されるような、合板10aと、該合板10a上に形成された水性着色シーラー層15aと、該水性着色シーラー層15a上に形成された紫外線硬化性樹脂層16aと、該紫外線硬化性樹脂層16a上に形成された絵柄層20aと、該絵柄層20a上に形成された紫外線硬化性樹脂層25aと、該紫外線硬化性樹脂層25a上に形成された透明保護層である電子線硬化性樹脂層30aとを有するインクジェット印刷物1aが得られた。
かかる天然木ウォールナット単板の合板(インクジェット印刷物)は、耐摩耗性1000回(テーバー試験機)、耐水性異常なし(70℃2時間)、耐汚染性合格(青インク、黒マジック、赤マジック、クレヨン、しょう油、ソース、ケチャップ)、耐薬品性合格(5%酢酸水、2%NaOH、50%エタノール JIS)、耐衝撃性合格(500g 75cm)、耐候試験異常なし(WOM250時間)の性能が得られた。
〈実施例2〉
基材としてのアルミニウム材料からなる金属板(サインボード:900×1200×1.5mm)に金属用プライマー(アルミ用下塗り)を膜厚20〜30μmでスプレー塗布し、60℃で2時間乾燥させた後、表面に実施例1と同様の紫外線硬化性樹脂インクをインクジェットプリンターでダイレクト印刷して絵柄層を形成した。そして、該絵柄層上に透明性アクリル系電子線硬化性樹脂塗料を膜厚30〜40μmでスプレー塗布し、3Mradの条件で電子線を照射して該電子線硬化性樹脂塗料を硬化させて、下塗り層としての第一電子線硬化性樹脂層を形成した。次に、該第一電子線硬化性樹脂層の上面を#400サンディングペーパーで研磨した後、さらに該表面に上記電子線硬化性樹脂塗料を膜厚50〜60μmでスプレー塗布し、3.0Mradの条件で電子線を照射して該電子線硬化性樹脂塗料を硬化させて、上塗り層としての第二電子線硬化性樹脂層を最上層に形成した。
上記製造方法により、図2に示されるような、金属板10bと、該金属板10b上に形成されたプライマー層15bと、該プライマー層15b上に形成された絵柄層20bと、該絵柄層20b上に形成された第一電子線硬化性樹脂層30bと、該第一電子線硬化性樹脂層30b上に形成された透明保護層である第二電子線硬化性樹脂層31bとを有するインクジェット印刷物1bが得られた。
かかる金属板(インクジェット印刷物)は、WOM3000時間の条件で、色差ΔE<1.5、かつ光沢保持率>80%、また、屋外曝露3年の条件で、色差ΔE<1.5、かつ光沢保持率>80%の性能が得られた。
基材としてのアルミニウム材料からなる金属板(サインボード:900×1200×1.5mm)に金属用プライマー(アルミ用下塗り)を膜厚20〜30μmでスプレー塗布し、60℃で2時間乾燥させた後、表面に実施例1と同様の紫外線硬化性樹脂インクをインクジェットプリンターでダイレクト印刷して絵柄層を形成した。そして、該絵柄層上に透明性アクリル系電子線硬化性樹脂塗料を膜厚30〜40μmでスプレー塗布し、3Mradの条件で電子線を照射して該電子線硬化性樹脂塗料を硬化させて、下塗り層としての第一電子線硬化性樹脂層を形成した。次に、該第一電子線硬化性樹脂層の上面を#400サンディングペーパーで研磨した後、さらに該表面に上記電子線硬化性樹脂塗料を膜厚50〜60μmでスプレー塗布し、3.0Mradの条件で電子線を照射して該電子線硬化性樹脂塗料を硬化させて、上塗り層としての第二電子線硬化性樹脂層を最上層に形成した。
上記製造方法により、図2に示されるような、金属板10bと、該金属板10b上に形成されたプライマー層15bと、該プライマー層15b上に形成された絵柄層20bと、該絵柄層20b上に形成された第一電子線硬化性樹脂層30bと、該第一電子線硬化性樹脂層30b上に形成された透明保護層である第二電子線硬化性樹脂層31bとを有するインクジェット印刷物1bが得られた。
かかる金属板(インクジェット印刷物)は、WOM3000時間の条件で、色差ΔE<1.5、かつ光沢保持率>80%、また、屋外曝露3年の条件で、色差ΔE<1.5、かつ光沢保持率>80%の性能が得られた。
〈実施例3〉
基材としてのメタクリル酸メチル(PMMA)からなるプラスチック板上にプラスチック用着色プライマーを膜厚5〜10μmで塗布し、60℃で2時間乾燥させた後、表面に実施例1と同様の紫外線硬化性樹脂インクをインクジェットプリンターでダイレクト印刷して絵柄層を形成した。そして、該絵柄層上に実施例1と同様の紫外線硬化性樹脂塗料を膜厚10〜20μmで塗布し、該表面に120〜150mj/cm2の条件で紫外線を照射し、中塗り層としての紫外線硬化性樹脂層を形成した。そして、該紫外線硬化性樹脂層の表面を#400サンディングペーパーで研磨し、該表面に上記電子線硬化性樹脂塗料を膜厚30〜50μmで塗布し、3.0Mradの条件で電子線を照射して該電子線硬化性樹脂塗料を硬化させて、上塗り層としての電子線硬化性樹脂層を最上層に形成した。
上記製造方法により、図3に示されるような、プラスチック板10dと、該プラスチック板10d上に形成されたプライマー層15dと、該プライマー層15d上に形成された絵柄層20dと、該絵柄層20d上に形成された紫外線硬化性樹脂層21dと、該紫外線硬化性樹脂層21d上に形成された透明保護層である電子線硬化性樹脂層30dとを有するインクジェット印刷物1dが得られた。
かかるプラスチック板(インクジェット印刷物)は、耐汚染性合格(青インク、赤インク、黒マジック、赤マジック、毛染め剤)、耐水性合格(70℃ 2時間)、耐候試験異常なし(WOM250時間)、硬度(2H)、耐衝撃性(500g 75cm)の性能が得られた。
基材としてのメタクリル酸メチル(PMMA)からなるプラスチック板上にプラスチック用着色プライマーを膜厚5〜10μmで塗布し、60℃で2時間乾燥させた後、表面に実施例1と同様の紫外線硬化性樹脂インクをインクジェットプリンターでダイレクト印刷して絵柄層を形成した。そして、該絵柄層上に実施例1と同様の紫外線硬化性樹脂塗料を膜厚10〜20μmで塗布し、該表面に120〜150mj/cm2の条件で紫外線を照射し、中塗り層としての紫外線硬化性樹脂層を形成した。そして、該紫外線硬化性樹脂層の表面を#400サンディングペーパーで研磨し、該表面に上記電子線硬化性樹脂塗料を膜厚30〜50μmで塗布し、3.0Mradの条件で電子線を照射して該電子線硬化性樹脂塗料を硬化させて、上塗り層としての電子線硬化性樹脂層を最上層に形成した。
上記製造方法により、図3に示されるような、プラスチック板10dと、該プラスチック板10d上に形成されたプライマー層15dと、該プライマー層15d上に形成された絵柄層20dと、該絵柄層20d上に形成された紫外線硬化性樹脂層21dと、該紫外線硬化性樹脂層21d上に形成された透明保護層である電子線硬化性樹脂層30dとを有するインクジェット印刷物1dが得られた。
かかるプラスチック板(インクジェット印刷物)は、耐汚染性合格(青インク、赤インク、黒マジック、赤マジック、毛染め剤)、耐水性合格(70℃ 2時間)、耐候試験異常なし(WOM250時間)、硬度(2H)、耐衝撃性(500g 75cm)の性能が得られた。
〈実施例4〉
基材としての中密度繊維板(MDF)上に、MDF用シーラーを塗布量4g/尺2で塗布し、60℃で2時間乾燥させた後、表面を#240サンディングペーパーで研磨した。次に該表面に実施例1と同様の紫外線硬化性樹脂をロールコーターにて塗布量3.0g/尺2で塗布して、さらに該表面に150mj/cm2の条件で紫外線を照射し、前記紫外線硬化ポリエステルアクリレート塗布層を硬化させて下塗り層としての紫外線硬化性樹脂層を形成した。さらに、かかる層を#400サンディングぺーパーで研磨し、該表面に紫外線硬化性樹脂インクをインクジェットプリンターでダイレクト印刷して絵柄層を形成した。そして、該絵柄層上を#240サンディングペーパーで研磨した後、実施例1と同様の電子線硬化性樹脂塗料を塗布量40〜60μmでスプレー塗布し、電子線を3.0Mradの条件で照射して該電子線硬化性樹脂塗料を硬化させて、電子線硬化性樹脂層を最上層に鏡面仕上げで形成した。
上記製造方法により、図4に示されるような、中密度繊維板10eと、該中密度繊維板10e上に形成されたシーラー層15eと、該シーラー層15e上に形成された紫外線硬化性樹脂層16eと、該紫外線硬化性樹脂層16e上に形成された絵柄層20eと、該絵柄層20e上に形成された透明保護層である電子線硬化性樹脂層30eとを有するインクジェット印刷物1eが得られた。
かかる中密度繊維板(インクジェット印刷物)は、鏡面仕上げであり、耐汚染性合格(青インク、赤インク、黒マジック、赤マジック、しょう油)、耐熱性合格、硬度(2H )、耐水性合格(70℃ 2時間)の性能が得られた。
基材としての中密度繊維板(MDF)上に、MDF用シーラーを塗布量4g/尺2で塗布し、60℃で2時間乾燥させた後、表面を#240サンディングペーパーで研磨した。次に該表面に実施例1と同様の紫外線硬化性樹脂をロールコーターにて塗布量3.0g/尺2で塗布して、さらに該表面に150mj/cm2の条件で紫外線を照射し、前記紫外線硬化ポリエステルアクリレート塗布層を硬化させて下塗り層としての紫外線硬化性樹脂層を形成した。さらに、かかる層を#400サンディングぺーパーで研磨し、該表面に紫外線硬化性樹脂インクをインクジェットプリンターでダイレクト印刷して絵柄層を形成した。そして、該絵柄層上を#240サンディングペーパーで研磨した後、実施例1と同様の電子線硬化性樹脂塗料を塗布量40〜60μmでスプレー塗布し、電子線を3.0Mradの条件で照射して該電子線硬化性樹脂塗料を硬化させて、電子線硬化性樹脂層を最上層に鏡面仕上げで形成した。
上記製造方法により、図4に示されるような、中密度繊維板10eと、該中密度繊維板10e上に形成されたシーラー層15eと、該シーラー層15e上に形成された紫外線硬化性樹脂層16eと、該紫外線硬化性樹脂層16e上に形成された絵柄層20eと、該絵柄層20e上に形成された透明保護層である電子線硬化性樹脂層30eとを有するインクジェット印刷物1eが得られた。
かかる中密度繊維板(インクジェット印刷物)は、鏡面仕上げであり、耐汚染性合格(青インク、赤インク、黒マジック、赤マジック、しょう油)、耐熱性合格、硬度(2H )、耐水性合格(70℃ 2時間)の性能が得られた。
〈実施例5〉
基材としての石膏ボードの表面に、不燃材用ウレタンシーラーを塗布量3g/尺2で塗布し、表面を#240サンディングペーパーで研磨した。次に該表面に実施例1と同様の紫外線硬化性樹脂をロールコーターにて塗布量3.0g/尺2で塗布して、さらに該表面に120〜150mj/cm2の条件で紫外線を照射し、前記紫外線硬化ポリエステルアクリレート塗布層を硬化させて下塗り層としての第一紫外線硬化性樹脂層を形成した。さらに、該表面に紫外線硬化性樹脂インクをインクジェットプリンターでダイレクト印刷して絵柄層を形成した。該絵柄層の上面には、前記第一紫外線硬化性樹脂層と同じ構成の第二紫外線硬化性樹脂層を中塗り層として塗布量10〜20g/尺2で形成した。そして、該表面を#400サンディングペーパーで研磨し、実施例1と同様の電子線硬化性樹脂塗料を塗布量30〜50μmでスプレー塗布し、電子線を3.0Mradの条件で照射して該電子線硬化性樹脂塗料を硬化させて、電子線硬化性樹脂層を最上層に鏡面仕上げで形成した。
上記製造方法により、図5に示されるような、石膏ボード10fと、該石膏ボード10f上に形成されたシーラー層15fと、該シーラー層15e上に形成された第一紫外線硬化性樹脂層16fと、該第一紫外線硬化性樹脂層16f上に形成された絵柄層20fと、該絵柄層20f上に形成された第二紫外線硬化性樹脂層21fと、該第二紫外線硬化性樹脂層21f上に形成された透明保護層である電子線硬化性樹脂層30fとを有するインクジェット印刷物1eが得られた。
かかる石膏ボード(インクジェット印刷物)は、鏡面仕上げであり、耐汚染性合格(青インク、赤インク、黒マジック、赤マジック、しょう油)、耐熱性合格、硬度(2H)、耐水性合格(70℃ 2時間)の性能が得られた。
基材としての石膏ボードの表面に、不燃材用ウレタンシーラーを塗布量3g/尺2で塗布し、表面を#240サンディングペーパーで研磨した。次に該表面に実施例1と同様の紫外線硬化性樹脂をロールコーターにて塗布量3.0g/尺2で塗布して、さらに該表面に120〜150mj/cm2の条件で紫外線を照射し、前記紫外線硬化ポリエステルアクリレート塗布層を硬化させて下塗り層としての第一紫外線硬化性樹脂層を形成した。さらに、該表面に紫外線硬化性樹脂インクをインクジェットプリンターでダイレクト印刷して絵柄層を形成した。該絵柄層の上面には、前記第一紫外線硬化性樹脂層と同じ構成の第二紫外線硬化性樹脂層を中塗り層として塗布量10〜20g/尺2で形成した。そして、該表面を#400サンディングペーパーで研磨し、実施例1と同様の電子線硬化性樹脂塗料を塗布量30〜50μmでスプレー塗布し、電子線を3.0Mradの条件で照射して該電子線硬化性樹脂塗料を硬化させて、電子線硬化性樹脂層を最上層に鏡面仕上げで形成した。
上記製造方法により、図5に示されるような、石膏ボード10fと、該石膏ボード10f上に形成されたシーラー層15fと、該シーラー層15e上に形成された第一紫外線硬化性樹脂層16fと、該第一紫外線硬化性樹脂層16f上に形成された絵柄層20fと、該絵柄層20f上に形成された第二紫外線硬化性樹脂層21fと、該第二紫外線硬化性樹脂層21f上に形成された透明保護層である電子線硬化性樹脂層30fとを有するインクジェット印刷物1eが得られた。
かかる石膏ボード(インクジェット印刷物)は、鏡面仕上げであり、耐汚染性合格(青インク、赤インク、黒マジック、赤マジック、しょう油)、耐熱性合格、硬度(2H)、耐水性合格(70℃ 2時間)の性能が得られた。
〈比較例〉
アルミニウム素地板(900×1200×1.5mm)に、絵柄が付された塩ビ製の印刷シートを接着し、さらに特殊UVカットフィルムを表面に形成した。
該アルミニウム素地板(サインボード)は、3〜5年で印刷面が褐色化してしまい、耐候性が悪い。
アルミニウム素地板(900×1200×1.5mm)に、絵柄が付された塩ビ製の印刷シートを接着し、さらに特殊UVカットフィルムを表面に形成した。
該アルミニウム素地板(サインボード)は、3〜5年で印刷面が褐色化してしまい、耐候性が悪い。
〈参考例1〉
ケイ酸カルシウム板の上面にウレタンシーラーを塗布量3g/尺2で塗布し、さらにウレタンベースコートを塗布量2g/尺2で塗布した。そして、60℃で2時間乾燥させた後、表面に絵柄を印刷して絵柄層を形成し、紫外線硬化性樹脂(クリヤー)を塗布量1g/尺2で塗布した後、150〜200mj/cm2の条件で紫外線を照射し、UV塗装キッチンパネルとした。
かかるケイ酸カルシウム板は、耐汚染性合格(マジックインク、インク、しょう油、ソース、天ぷら油)、耐熱性合格、耐傷性合格、硬度3Hの性能を得た。
該参考例1と本実施例と比較することにより、本実施例は、インクジェット式の印刷を採用しつつ、参考例の製品と同等の性能を有するものである、ということがわかった。
ケイ酸カルシウム板の上面にウレタンシーラーを塗布量3g/尺2で塗布し、さらにウレタンベースコートを塗布量2g/尺2で塗布した。そして、60℃で2時間乾燥させた後、表面に絵柄を印刷して絵柄層を形成し、紫外線硬化性樹脂(クリヤー)を塗布量1g/尺2で塗布した後、150〜200mj/cm2の条件で紫外線を照射し、UV塗装キッチンパネルとした。
かかるケイ酸カルシウム板は、耐汚染性合格(マジックインク、インク、しょう油、ソース、天ぷら油)、耐熱性合格、耐傷性合格、硬度3Hの性能を得た。
該参考例1と本実施例と比較することにより、本実施例は、インクジェット式の印刷を採用しつつ、参考例の製品と同等の性能を有するものである、ということがわかった。
〈参考例2〉
ウォールナット単板(900×1200×12mm)の上面に着色シーラー(水性)を塗布量1.5g/尺2で塗布した後、ジェット乾燥し、塗布量5g/尺2で紫外線硬化性樹脂を塗布し、150mj/cm2の条件で紫外線を照射して下塗り層を形成した。さらに表面を#240サンディングペーパーで研磨した後、塗布量5g/尺2、150mj/cm2の条件で紫外線硬化性樹脂からなる中塗り層を形成した。さらに表面を#240サンディングペーパーで研磨した後、塗布量0.8g/尺2、150mj/cm2の条件で紫外線硬化性樹脂からなる上塗り層を形成した。
かかるウォールナット単板は、耐摩耗性1000回(テーバー試験機)、耐水性異常な
し(70℃2時間)、耐汚染性合格(青インク、黒マジック、赤マジック、クレヨン、しょう油、ソース、ケチャップ)の性能が得られた。
該参考例2と本実施例とを比較することにより、本実施例は、インクジェット式の印刷を採用しつつ、参考例の製品と同等の性能を有するものである、ということがわかった。
ウォールナット単板(900×1200×12mm)の上面に着色シーラー(水性)を塗布量1.5g/尺2で塗布した後、ジェット乾燥し、塗布量5g/尺2で紫外線硬化性樹脂を塗布し、150mj/cm2の条件で紫外線を照射して下塗り層を形成した。さらに表面を#240サンディングペーパーで研磨した後、塗布量5g/尺2、150mj/cm2の条件で紫外線硬化性樹脂からなる中塗り層を形成した。さらに表面を#240サンディングペーパーで研磨した後、塗布量0.8g/尺2、150mj/cm2の条件で紫外線硬化性樹脂からなる上塗り層を形成した。
かかるウォールナット単板は、耐摩耗性1000回(テーバー試験機)、耐水性異常な
し(70℃2時間)、耐汚染性合格(青インク、黒マジック、赤マジック、クレヨン、しょう油、ソース、ケチャップ)の性能が得られた。
該参考例2と本実施例とを比較することにより、本実施例は、インクジェット式の印刷を採用しつつ、参考例の製品と同等の性能を有するものである、ということがわかった。
〈参考例3〉
PMMAのプラスチック板の上面に膜厚2g/尺2で下塗りウレタンを塗布し、さらにその上面にウレタンエナメル(着色)層を膜厚2g/尺2で形成した。
該プラスチック板は、耐水性異常なし(70℃2時間)、耐汚染性合格(青インク、赤インク、黒マジック、赤マジック、毛染め剤)、WOM合格(250時間)、硬度2H、耐衝撃性合格の性能が得られた。
該参考例3と本実施例とを比較することにより、本実施例は、インクジェット式の印刷を採用しつつ、参考例の製品と同等の性能を有するものである、ということがわかった。
PMMAのプラスチック板の上面に膜厚2g/尺2で下塗りウレタンを塗布し、さらにその上面にウレタンエナメル(着色)層を膜厚2g/尺2で形成した。
該プラスチック板は、耐水性異常なし(70℃2時間)、耐汚染性合格(青インク、赤インク、黒マジック、赤マジック、毛染め剤)、WOM合格(250時間)、硬度2H、耐衝撃性合格の性能が得られた。
該参考例3と本実施例とを比較することにより、本実施例は、インクジェット式の印刷を採用しつつ、参考例の製品と同等の性能を有するものである、ということがわかった。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではない。
1 インクジェット印刷物
10 基材
20 絵柄層
30 電子線硬化性樹脂層
10 基材
20 絵柄層
30 電子線硬化性樹脂層
Claims (2)
- 表面に透明保護層が形成されたインクジェット印刷物であって、
基材と、
該基材上にインクジェット式印刷によって形成された絵柄層とを有すると共に、
該絵柄層上に前記透明保護層が形成されており、
前記絵柄層は、紫外線照射により硬化する紫外線硬化性樹脂インクからなり、
前記透明保護層は、電子線照射により硬化する電子線硬化性樹脂からなることを特徴とするインクジェット印刷物。 - 請求項1記載のインクジェット印刷物の製造方法であって、
前記基材上に、紫外線硬化性樹脂インクを用いたインクジェット式印刷によって絵柄層を形成し、該絵柄層を紫外線照射によって硬化させ、さらに、紫外線照射後の該絵柄層上に透明の電子線硬化性樹脂層を形成し、その後、該電子線硬化性樹脂層上から電子線を照射して、該電子線硬化性樹脂層の電子線硬化性樹脂と前記絵柄層の紫外線硬化性樹脂インクとを硬化させて、完全硬化した絵柄層と該電子線硬化性樹脂からなる透明保護層とを形成することを特徴とするインクジェット印刷物の製造方法。
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