JP2017047569A - インクジェットプリント物および該インクジェットプリント物の製造方法 - Google Patents

インクジェットプリント物および該インクジェットプリント物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】濃淡差が小さく、高濃度かつ良好な画像を形成し得るインクジェットプリント物およびインクジェットプリント物の製造方法を提供する。【解決手段】インク非吸収性の基材に、紫外線硬化型インクが塗工されたインクジェットプリント物であり、前記基材は、表面粗さ(Ra)が210〜440nmであり、凹凸を含み、かつ、白以外の色彩を有する基材柄が形成され、前記凹凸は、最大高さが0.1〜5mmであり、前記凹凸のうち、凸部に塗工された前記紫外線硬化型インクのインク膜厚は、凹部に塗工された前記紫外線硬化型インクのインク膜厚よりも小さい、インクジェットプリント物。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットプリント物およびインクジェットプリント物の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、凹凸を有する基材柄が形成された基材において、濃淡差が小さく、高濃度かつ良好な画像を形成し得るインクジェットプリント物およびインクジェットプリント物の製造方法に関する。
従来、多様な基材、インク受理層が塗工された基材に対して、紫外線硬化型インクを用いたインクジェットによる加飾(インクジェットプリント)が行われている。インクジェットプリントにおいて、高濃度の画像を形成するために、多くのインクが塗工される場合がある。しかしながら、基材上に塗工された多くのインクは、特に凹凸がある基材上において、インク溜まりを形成しやすい。また、このような多くのインクは、硬化不良による物性低下の原因となり得る。そこで、2段階に分けてインクを着弾させるインクジェット記録装置において、ヘッドから吐出された第1のインクを、第2のインクが着弾する前に半硬化させる技術が知られている(特許文献1)。
ところで、彩度の優れた画像を形成するために、白色の基材が好適に使用される。しかしながら、白色の基材は、たとえばシングルパスタイプのプリンタでインクジェットプリントを行うと、頻繁に発生するモトリング等のために、下地が露出しやすく、画像が劣化しやすい。また、白色の基材では、基材の凹凸具合によって、凹部と凸部とに塗工されるインクの色差が顕著になり、画像劣化が目立ちやすい。そこで、あえて下地を積極的に露出させつつ、下地と画像との色彩を近づけることにより劣化を目立たせない技術が知られている(特許文献2)。
特開2009−285854号公報 特開2004−44220号公報
特許文献1に記載の技術は、物性低下(特に滲み)を抑制するために、インクが濡れ拡がらないように半硬化させる技術である。一方、特許文献2に記載の技術は、溝部によって区画された凸部にフルカラー印刷を行い、下地として凸部の色彩と同一または近似する色彩を付することにより、下地が露出した場合であっても違和感を抑制する技術である。すなわち、特許文献1に記載の技術は、滲みを生じ得る基材に対して、その滲みの改善を目的とする技術であり、インク非吸収性の基材を対象とした技術ではない。また、特許文献1に記載の技術は、適宜インクを半硬化させることにより濡れ拡がりを抑制する結果、インク溜まりが形成されにくい。すなわち、インク溜まりそのものを減らすことにより良好な画像を形成するための技術である。さらに、特許文献1に記載の技術は、紫外線照射ランプをインク吐出部の近傍に設けるため、吐出ヘッドにおいてインクが硬化し、不具合を生じる虞がある。一方、特許文献2に記載の技術は、画像の劣化を物理的に改善する技術ではなく、飽くまで画像の劣化を目立たなくするための技術である。すなわち、これら従来の技術は、インク非吸収性の基材において生じるインク溜まりを積極的に利用して、高濃度の画像を形成することを意図していない。
本発明は、このような従来の発明とは異なり、インク非吸収性の基材において、基材柄に基づく凹凸に対して、塗工された紫外線硬化型インクのインク膜厚に差を設けることにより、濃淡差が小さく、高濃度かつ良好な画像を形成し得るインクジェットプリント物およびインクジェットプリント物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明のインクジェットプリント物および該インクジェットプリント物の製造方法には、以下の構成が主に含まれる。
(1)インク非吸収性の基材に、紫外線硬化型インクが塗工されたインクジェットプリント物であり、前記基材は、表面粗さ(Ra)が210〜440nmであり、凹凸を含み、かつ、白以外の色彩を有する基材柄が形成され、前記凹凸は、最大高さが0.1〜5mmであり、前記凹凸のうち、凸部に塗工された前記紫外線硬化型インクのインク膜厚は、凹部に塗工された前記紫外線硬化型インクのインク膜厚よりも小さい、インクジェットプリント物。
このような構成によれば、基材は、表面粗さ(Ra)が210〜440nmである。そのため、基材に塗工された紫外線硬化型インクは、濡れ拡がりやすい。また、基材は、白以外の色彩を有する基材柄が形成されている。基材柄は、凹凸を含んでいる。そのため、塗工された紫外線硬化型インクは、濡れ拡げられる結果、凸部におけるインク膜厚に比べ、凹部におけるインク膜厚が大きくなる。凸部に塗工された紫外線硬化型インクは、インク膜厚が小さいため、白以外の色彩を有する基材によって色調が強調され得る。一方、凹部に塗工された紫外線硬化型インクは、基材による色調の強調効果はそれほど大きくないが、インク膜厚が比較的大きいため、濃い色調が表現されやすい。その結果、凸部と凹部との間において、色調の濃淡差が狭められる。また、高濃度かつ良好な画像が形成され得る。
(2)前記基材は、JIS Z8730で規定されるL***表色系における明度指数L*が35〜87であり、知覚色度指数a*が−6〜27であり、知覚色度指数b*が−20〜39であり、塗工された前記紫外線硬化型インクは、JIS Z8730で規定されるL***表色系における明度指数L*が35〜87であり、知覚色度指数a*が−6〜27であり、知覚色度指数b*が−20〜39である、(1)記載のインクジェットプリント物。
このような構成によれば、基材と紫外線硬化型インクとは、いずれもL***表色系における各パラメータが、比較的近い。そのため、このような基材に紫外線硬化型インクが塗工されると、少量であっても高濃度の画像が得られやすい。また、仮に画像を形成した箇所が剥がれた場合であっても、下地である基材の色彩は、紫外線硬化型インクと近似する色彩であるため、剥がれた箇所が目立ちにくい。
(3)前記基材は、インク受理層が形成された基材である、(1)または(2)記載のインクジェットプリント物。
このような構成によれば、インク受理層が白以外の色彩であれば、基材の色彩は特に限定されない。そのため、本発明のインクジェットプリント物は、材料の選択の幅が広く、種々の基材を使用し得る。
(4)インク非吸収性の基材上に紫外線硬化型インクを塗工する工程を含むインクジェットプリント物の製造方法であり、前記基材は、表面粗さ(Ra)が210〜440nmであり、凹凸を含み、かつ、白以外の色彩を有する基材柄が形成され、前記凹凸は、最大高さが0.1〜5mmであり、前記紫外線硬化型インクは、前記凹凸のうち、凸部に塗工された前記紫外線硬化型インクのインク膜厚が、凹部に塗工された前記紫外線硬化型インクのインク膜厚よりも小さくなるように、前記基材に吐出される、インクジェットプリント物の製造方法。
このような構成によれば、基材は、表面粗さ(Ra)が210〜440nmである。そのため、基材に塗工された紫外線硬化型インクは、濡れ拡がりやすい。また、基材は、白以外の色彩を有する基材柄が形成されている。基材柄は、凹凸を含んでいる。そのため、塗工された紫外線硬化型インクは、凹凸に沿って濡れ拡げられる結果、凸部におけるインク膜厚に比べ、凹部におけるインク膜厚が大きくなり得る。その結果、凸部に塗工された紫外線硬化型インクは、インク膜厚が小さいため、白以外の色彩を有する基材によって色調が強調され得る。一方、凹部に塗工された紫外線硬化型インクは、基材による色調の強調効果はそれほど大きくないが、インク膜厚が比較的大きいため、濃い色調が表現されやすい。したがって、凸部と凹部との間において、色調の濃淡差が狭められ、高濃度かつ良好な画像が形成されたインクジェットプリント物が製造され得る。
本発明によれば、濃淡差が小さく、高濃度かつ良好な画像を形成し得るインクジェットプリント物およびインクジェットプリント物の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態のプリント物の模式的な断面図である。
<インクジェットプリント物>
本発明の一実施形態のインクジェットプリント物(以下、単にプリント物ともいう)は、インク非吸収性の基材に、紫外線硬化型インクが塗工されたインクジェットプリント物である。基材は、凹凸を含む基材柄が形成されている。本実施形態のプリント物は、凹凸のうち、凸部に塗工された紫外線硬化型インクのインク膜厚が、凹部に塗工された紫外線硬化型インクのインク膜厚よりも小さいことを特徴とする。これにより、プリント物は、濃淡差が小さく、高濃度かつ良好な画像が形成され得る。以下、それぞれの構成について説明する。
(基材)
基材は、紫外線硬化型インクが塗工される塗工面(インク受理層)が形成された媒体であり、インク非吸収性を示す。なお、本実施形態において、「インク非吸収性」とは、紫外線硬化型インクを塗工した際に、基材そのものが溶解、膨潤することが実質的にないことをいう。
また、基材は、基材そのものがインク非吸収性を備えていない場合であっても、このような基材にインク非吸収性のインク受理層が形成されていればよい。すなわち、本実施形態の基材は、インク受理層がインク非吸収性を備えていれば、基材そのものの種類は特に限定されない。そのため、本実施形態のインクジェットプリント物は、材料の選択の幅が広く、種々の基材を使用し得る。
基材の種類は特に限定されない。一例を挙げると、基材は、インク非吸収性の樹脂基板、窯業系基板、ガラス基板、各種金属基板等であってもよい。また、上記のとおり、インク非吸収性のインク受理層が形成される場合には、基材は、インク吸収性を示す公知の基材であってもよい。インク非吸収性の樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアテセート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂等が例示される。窯業系基板としては、セメント板、珪酸カルシウム板、石膏ボード、スラグ石膏ボード、軽量コンクリート板、およびそれらの繊維強化板、並びに木片セメント板等が例示される。ガラス基板としては、無アルカリガラス基板、シリカガラス基板等が例示される。金属基板としては、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等が例示される。
また、インク受理層が形成される場合において、インク受理層は、マトリックスとなる樹脂および顔料を含む。
マトリックスとなる樹脂の種類は、特に限定されない。一例を挙げると、マトリックスとなる樹脂は、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、フェノール樹脂等である。これらの中でも、インク受理層を構成する樹脂は、安価で、耐候性が優れる点で、アクリル樹脂(アクリル系エマルション)であることが好ましい。アクリル系エマルションとしては、アクリル−スチレンエマルション、アクリル−シリコンエマルション、オールアクリルエマルション、アクリル−ウレタンエマルション等が例示される。
樹脂の配合量は特に限定されない。一例を挙げると、樹脂は、インク受理層中25〜40質量%となるよう含まれる。
顔料の種類は特に限定されない。一例を挙げると、顔料は、各種着色顔料および体質顔料であることが好ましい。着色顔料としては、各種有機顔料または無機顔料が例示される。有機顔料としては、ニトロソ類、染付レーキ類、アゾレーキ類、不溶性アゾ類、モノアゾ類、ジスアゾ類、縮合アゾ類、ベンゾイミダゾロン類、フタロシアニン類、アントラキノン類、ペリレン類、キナクリドン類、ジオキサジン類、イソインドリン類、アゾメチン類およびピロロピロール類等が例示される。無機顔料としては、酸化物類、水酸化物類、硫化物類、フェロシアン化物類、クロム酸塩類、炭酸塩類、ケイ酸塩類、リン酸塩類、炭素類(カーボンブラック)および金属粉類等が例示される。
着色顔料の配合量は特に限定されない。一例を挙げると、着色顔料は、インク受理層中5〜15質量%となるよう含まれる。
体質顔料としては、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、多孔質シリカ、珪藻土等が例示される。
体質顔料の配合量は特に限定されない。一例を挙げると、体質顔料は、インク受理層中20〜30質量%となるよう含まれる。
基材全体の説明に戻り、本実施形態の基材の表面には、微細な凹凸が形成されている。すなわち、本実施形態の基材は、完全に平坦な表面ではなく、表面粗さ(算術平均表面粗さ、Ra)が210nm以上である。また、基材は、表面粗さRaが440nm以下である。基材の表面粗さRaが上記範囲内であるため、紫外線硬化型インクが塗工されると、紫外線硬化型インクは、基材と紫外線硬化型インクとの接触面に発生する毛細管力の影響によって、基材表面に濡れ拡がりやすい。表面粗さRaが210nm未満である場合、基材の表面が平坦過ぎる。その結果、塗工された紫外線硬化型インクは、過度に濡れ拡がる傾向がある。一方、表面粗さRaが440nmを超える場合、塗工された紫外線硬化型インクは、濡れ拡がりにくく、後述する凹凸の凹部および凸部においてインク膜厚に差が現れにくい。なお、本実施形態において、表面粗さRaは、たとえば、JIS B 0601に準拠して、原子間力顕微鏡(JSPM−5200、日本電子(株)製)を使用することにより測定し得る。
また、本実施形態の基材は、上記微細な凹凸とは別に、基材柄に由来する比較的大きな凹凸が形成されている。
図1は、本実施形態のプリント物1の模式的な断面図である。プリント物1は、基材2上に紫外線硬化型インク3が塗工されている。凹凸は、最大高さH1が0.1mm以上である。また、最大高さH1は、5mm以下である。最大高さH1は、3mm以下であることが好ましい。基材2は、最大高さH1が上記範囲内であるため、凹凸を構成する凸部4と凹部5との間には、比較的大きな傾斜面6が形成される。そのため、紫外線硬化型インク3が塗工されると、紫外線硬化型インク3は、凹凸の傾斜面6を下るように拡げられやすく、凸部4において比較的小さなインク膜厚(厚みd1)となる。一方、紫外線硬化型インク3は、凹部5においていくらか貯留され、凸部4のインク膜厚よりも大きなインク膜厚(厚みd2)となる。なお、本実施形態において、最大高さH1とは、凹部の最も落ち窪んだ箇所から、凸部の先端までの距離をいう。また、インク膜厚は、たとえば、走査電子顕微鏡(JSM−7600F、日本電子(株)製)を使用することにより測定し得る。
ここで、本実施形態の基材の基材柄は、白以外の色彩である。すなわち、基材柄の色彩は、白以外の無彩色(黒、グレー)、または、各種有彩色である。そのため、塗工された紫外線硬化型インクのうち、凸部に塗工された紫外線硬化型インクは、インク膜厚が小さいため、白以外の色彩を有する基材によって色調が強調される。一方、凹部に塗工された紫外線硬化型インクは、基材による色調の強調効果はそれほど大きくないが、インク膜厚が比較的大きいため、濃い色調が表現される。その結果、凸部と凹部との間において、色調の濃淡差が狭められる。また、硬化後のインク画像は、白以外の色彩である基材柄によって色彩が強調され、高濃度化される。その結果、色彩の濃淡差が小さく、かつ、高濃度化された、良好な画像が形成される。
このような効果(特にインク画像の高濃度化の効果)は、基材柄の色彩と、紫外線硬化型インクの色彩とが近似する場合において、特に顕著に発揮される。一例を挙げると、基材は、JIS Z8730で規定されるL***表色系における明度指数L*が35以上であることが好ましい。また、明度指数L*は、87以下であることが好ましい。また、知覚色度指数a*は、−6以上であることが好ましい。また、知覚色度指数a*は、27以下であることが好ましい。さらに、知覚色度指数b*は、−20以上であることが好ましい。また、知覚色度指数b*は、39以下であることが好ましい。一方、塗工された紫外線硬化型インクは、JIS Z8730で規定されるL***表色系における明度指数L*が35以上であることが好ましい。また、明度指数L*は、87以下であることが好ましい。また、知覚色度指数a*は、−6以上であることが好ましい。また、知覚色度指数a*は、27以下であることが好ましい。さらに、知覚色度指数b*は、−20以上であることが好ましい。また、知覚色度指数b*は、39以下であることが好ましい。基材の明度指数L*、知覚色度指数a*、知覚色度指数b*、塗工された紫外線硬化型インクの明度指数L*、知覚色度指数a*、知覚色度指数b*が上記範囲内である場合、基材と紫外線硬化型インクとは、いずれもL***表色系における各パラメータが、比較的近い。そのため、このような基材に紫外線硬化型インクが塗工されると、少量であってもインク画像は強調されやすく、高濃度化の効果が得られやすい。また、仮にインク画像が形成した箇所が剥がれた場合であっても、下地である基材の色彩は、紫外線硬化型インクと近似する色彩であるため、剥がれた箇所が目立ちにくい。
また、上記効果のうち、特にインク画像の高濃度化の効果は、凸部4のインク膜厚および凹部5のインク膜厚が所定の範囲内である場合に特に顕著に発揮される。すなわち、凸部4のインク膜厚は、0.1μm以上であることが好ましい。また、凸部4のインク膜厚は、5μm以下であることが好ましい。凸部4のインク膜厚が上記範囲内である場合、塗工された紫外線硬化型インクの色彩は、白色以外の色彩を有する基材柄が形成された基材によって強調されやすく、高濃度化の効果が得られやすい。また、凹部5のインク膜厚は、5μmよりも大きいことが好ましい。また、凹部5のインク膜厚は、30μm以下であることが好ましい。凹部5のインク膜厚が上記範囲内である場合、塗工された紫外線硬化型インクの色彩は、インク膜厚が比較的大きいため、濃い色調が表現されやすい。
以上のような凹凸および色彩を有する基材柄は、たとえば、タイル調、レンガ調、木目調、梨地等である。これらの基材柄は、たとえば周知のエンボス加工や絞り成型加工等により形成し得る。なお、本実施形態の基材は、上記凹凸を含む箇所が少なくとも一部に形成されていればよい。そのため、基材には、上記凹凸とは別に、たとえば溝や窪み等が形成されていてもよい。これら溝や窪み等は、基材に元々形成されていてもよく、適宜加工により形成されてもよい。また、これらの溝や窪み等の寸法は特に限定されない。すなわち、溝や窪み等の寸法は、上記した基材の表面粗さ(Ra)や凹凸の最大高さの範囲を超えていてもよい。
基材は、表面に化成処理皮膜や下塗り塗膜等が形成されてもよい。化成処理皮膜は、基材の表面全体に形成されており、塗膜密着性および耐食性を向上させ得る。下塗り塗膜は、基材または化成処理皮膜の表面に形成されており、塗膜密着性および耐食性を向上させ得る。下塗り塗膜を形成するための下塗り塗料に含まれる樹脂は、特に限定されない。一例を挙げると、樹脂は、ポリエステル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等である。
(紫外線硬化型インク)
紫外線硬化型インクは、基材に塗工されるインクであり、紫外線照射により、硬化する性質を示す。紫外線硬化型インクは、ラジカル重合型の紫外線硬化型インクであってもよく、カチオン重合型の紫外線硬化型インクであってもよい。
ラジカル重合型の紫外線硬化型インクは、顔料、反応性モノマー、反応性オリゴマー、光重合開始剤を主に含む。
顔料の種類は、有機顔料または無機顔料であれば、特に限定されない。有機顔料および無機顔料としては、インク受理層の説明において上記したものと同様のものが使用され得る。
顔料の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、顔料は、紫外線硬化型インク中2質量%以上となるように含まれることが好ましく、4質量%以上となるように含まれることがより好ましい。また、顔料は、紫外線硬化型インク中10質量%以下となるように含まれることがより好ましい。顔料の含有量が2質量%未満の場合、着色が不充分となり、所望の画像が形成されにくい傾向がある。一方、顔料の含有量が10質量%を超える場合、紫外線硬化型インクの粘度が高くなりすぎて、インクジェットヘッドからの吐出不良を生じる虞がある。また、顔料の含有量が10質量%を超える場合、インク硬化性が低下しやすい。そのため、基材との付着性が得られない可能性がある。
反応性モノマーの種類は、特に限定されない。一例を挙げると、反応性モノマーは、強靭性および柔軟性が優れる点から、2官能モノマーであることが好ましい。2官能モノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート等の脂肪族反応性モノマーが例示される。反応性モノマーは、2種以上が併用されてもよい。
反応性モノマーの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、反応性モノマーは、紫外線硬化型インク中40質量%以上となるように含まれることが好ましく、50質量%以上となるように含まれることがより好ましい。また、反応性モノマーは、紫外線硬化型インク中75質量%以下となるように含まれることがより好ましい。反応性モノマーの含有量が40質量%未満の場合、紫外線硬化型インクの粘度が高くなりすぎて、インクジェットヘッドからの吐出不良を生じる虞がある。一方、反応性モノマーの含有量が75質量%を超える場合、紫外線硬化型インクは、硬化しにくい傾向がある。
反応性オリゴマーの種類は、特に限定されない。一例を挙げると、反応性オリゴマーは、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、シリコンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート等である。これらの中でも、反応性オリゴマーは、強靭性、付着性および柔軟性が優れる点から、ウレタンアクリレートであることが好ましい。反応性オリゴマーは、2種以上が併用されてもよい。
反応性オリゴマーの含有量は特に限定されない。一例を挙げると、反応性オリゴマーは、紫外線硬化型インク中10質量%以上となるように含まれることが好ましく、15質量%以上となるように含まれることがより好ましい。また、反応性オリゴマーは、紫外線硬化型インク中30質量%以下となるように含まれることがより好ましい。反応性オリゴマーの含有量が10質量%未満の場合、インク膜が強靭性、付着性、柔軟性が低下する虞がある。一方、反応性オリゴマーの含有量が30質量%を超える場合、紫外線硬化型インクの粘度が高くなりすぎて、インクジェットヘッドからの吐出不良を生じる虞がある。
光重合開始剤の種類は、特に限定されない。一例を挙げると、光重合開始剤は、ヒドロキシケトン類またはアシルホスフィンオキサイド類等である。光重合開始剤は、2種以上が併用されてもよい。
光重合開始剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、光重合開始剤は、紫外線硬化型インク中5質量%以上となるように含まれることが好ましく、6質量%以上となるように含まれることがより好ましい。また、光重合開始剤は、紫外線硬化型インク中10質量%以下となるように含まれることがより好ましい。光重合開始剤の含有量が5質量%未満の場合、紫外線硬化型インクが硬化しにくい傾向がある。一方、光重合開始剤の含有量が10質量%を超える場合、紫外線硬化型インクの硬化率や硬化速度は、向上しない傾向がある。
なお、ラジカル重合型の紫外線硬化型インクは、必要に応じて増感剤、熱安定剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、樹脂バインダー、樹脂エマルション、還元防止剤、レベリング剤、pH調整剤、顔料誘導体、重合禁止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が配合されてもよい。
カチオン重合型の紫外線硬化型インクは、顔料、分散剤、カチオン重合性化合物、光重合開始剤を主に含む。顔料は、ラジカル重合型の紫外線硬化型インクにおいて上記した顔料と同じである。
分散剤の種類は、特に限定されない。分散剤は、低分子分散剤および高分子分散剤のいずれであってもよい。
カチオン重合性化合物の種類は、特に限定されない。カチオン重合性化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、脂肪族エポキシド等が例示される。芳香族エポキシドとしては、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が例示される。脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸などの酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物等が例示される。脂肪族エポキシドとしては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルなどのアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテルなどの多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルなどのポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が例示される。
光重合開始剤の種類は、特に限定されない。光重合開始剤としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、pp’−ジクロロベンゾフェン、pp’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート等が例示される。
紫外線硬化型インク全体の説明に戻り、紫外線硬化型インクの粘度は特に限定されない。粘度は、7mPa・s以上であることが好ましく、8.5mPa・s以上であることがより好ましい。また、粘度は、15mPa・s以下であることが好ましく、13mPa・s以下であることがより好ましい。粘度が15mPa・sを超える場合、インクジェットヘッドからの吐出不良を生じる虞がある。
本実施形態の紫外線硬化型インクは、インクジェット方式を採用したインクジェット装置を用いて基材に吐出することにより、基材上にインク画像を形成することができる。インク画像が形成されたプリント物は、凸部と凹部との間において、インク膜厚に差が設けられている。その結果、得られるプリント物は、色調の濃淡差が狭められる。また、硬化後のインク画像は、白以外の色彩である基材柄によって色彩が強調され、高濃度化される。その結果、色彩の濃淡差が小さく、かつ、高濃度化された、良好な画像が形成される。
<インクジェットプリント物の製造方法>
次に、本発明の一実施形態のインクジェットプリント物の製造方法(以下、単にプリント物の製造方法ともいう)について説明する。本実施形態のプリント物の製造方法は、インク非吸収性の基材上に紫外線硬化型インクを塗工する工程を含む。また、プリント物は、インクジェット方式を採用したインクジェット装置を用いて基材に紫外線硬化型インクを吐出し、次いで硬化させることにより得られる。なお、本実施形態のプリント物の製造方法において使用される基材および紫外線硬化型インクは、インクジェットプリント物の実施形態において上記したものと同じである。すなわち、基材は、表面粗さ(Ra)が210〜440nmである。また、基材には基材柄が形成されており、基材柄は、凹凸を含み、かつ、白以外の色彩を有する。凹凸は、最大高さが0.1〜5mmである。基材は、基材そのものがインク非吸収性を備えていてもよい。また、基材は、基材そのものがインク非吸収性を備えていない場合であっても、このような基材にインク非吸収性のインク受理層が形成されていればよい。本実施形態のプリント物の製造方法は、基材そのものがインク非吸収性を備えていない場合には、紫外線硬化型インクが塗工される前に、基材にインク非吸収性のインク受理層が適宜形成される。本実施形態のプリント物の製造方法は、凹凸のうち、凸部に塗工される紫外線硬化型インクのインク膜厚が、凹部に塗工される紫外線硬化型インクのインク膜厚よりも小さくなるように、基材に紫外線硬化型インクを吐出される。
インクジェット装置は、インクタンクからインク供給路を介して圧力室にインクを供給し、画像データに応じた電気信号を圧電素子に付与して圧電素子を駆動することにより、圧力室の一部を構成する振動板を変形させて、圧力室の容積を減少させ、圧力室内のインクをノズル(ヘッド)の吐出口から液滴として吐出する装置である。
ヘッドとしては、シャトル方式(マルチパス方式)とライン方式(シングルパス方式)とがある。マルチパス方式は、短尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを基材の幅方向に走査させながら記録を行う方式である。一方、シングルパス方式は、基材の全域をカバーするフルラインヘッドを用いて、フルラインヘッドと基材とを相対的に一回だけ移動させる動作で、基材の全面に画像を形成する方式である。
本実施形態では、シングルパス方式を採用したインクジェット装置を用いてプリント物を製造する場合に、特に優れた効果を奏する。すなわち、シングルパス方式の場合、ヘッドキャリッジを固定したまま、搬送している基材に紫外線硬化型インクを吐出し画像を形成するため、ヘッドに紫外線が当たることによってヘッド付近で紫外線硬化型インクが硬化しないよう、一般的に紫外線照射ランプはヘッドとある程度距離をおいた位置に設置されている。そのため、吐出された紫外線硬化型インクが基材に着弾した後、紫外線が照射されるまでの時間が比較的長く、好適には0.5秒以上を要する。そのため、基材に着弾した紫外線硬化型インクは、基材の凹凸の形状に沿って、凸部を覆う紫外線硬化型インクのインク膜厚が、凹部を覆う紫外線硬化型インクのインク膜厚よりも小さくなるように、基材上に拡げられやすい。また、基材は、表面粗さ(Ra)が210〜440nmである。そのため、紫外線硬化型インクは、基材と紫外線硬化型インクとの接触面に発生する毛細管力の影響によっても、基材上に拡げられやすい。
基材上に吐出された紫外線硬化型インクは、インクジェット装置に付帯された紫外線照射ランプによって紫外線が照射され、硬化される(紫外線硬化工程)。紫外線照射ランプは、水銀ランプやガス・固体レーザー等が例示される。これらの中でも、紫外線照射ランプは、水銀ランプ、メタルハライドランプであることが好ましい。ほかにも、紫外線照射ランプは、紫外線発光ダイオード(UV−LED)や紫外線レーザダイオード(UV−LD)であってもよい。
硬化時の紫外線の積算光量は特に限定されない。積算光量は、40mJ/cm2以上であることが好ましく、60mJ/cm2以上であることがより好ましい。また、積算光量は、500mJ/cm2以下であることが好ましく、400mJ/cm2以下であることがより好ましい。なお、積算光量は、たとえば紫外線照度計・光量計(UV−351−25 (株)オーク製作所製)を用い、測定波長域240〜275nm、測定波長中心254nmの条件で測定することができる。
本実施形態のプリント物の製造方法によれば、基材は、表面粗さ(Ra)が210〜440nmである。そのため、基材に塗工された紫外線硬化型インクは、濡れ拡がりやすい。また、基材は、白以外の色彩を有する基材柄が形成されている。基材柄は、凹凸を含んでいる。そのため、紫外線硬化型インクが基材に吐出されると、塗工された紫外線硬化型インクは、濡れ拡げられる結果、凸部におけるインク膜厚に比べ、凹部におけるインク膜厚が大きくなり得る。その結果、凸部に塗工された紫外線硬化型インクは、インク膜厚が小さいため、白以外の色彩を有する基材によって色調が強調され得る。一方、凹部に塗工された紫外線硬化型インクは、基材による色調の強調効果はそれほど大きくないが、インク膜厚が比較的大きいため、濃い色調が表現されやすい。したがって、凸部と凹部との間において、色調の濃淡差が狭められ、高濃度かつ良好な画像が形成されたインクジェットプリント物が製造され得る。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
実施例および比較例において使用した原材料およびその調製方法は、以下のとおりである。
<基材>
以下の方法により、基材1〜3をそれぞれ作製した。得られた基材1〜3は、いずれもインク非吸収性を示した。
(基材1)
窯業系成形材料(材質:窯業板、梨地)を成形し、生板を得た。生板にプレス加工を行い、最大高さが1mmとなるよう凹凸を形成し、基材1を作製した。
(基材2)
最大高さが0.5mmとなるようにプレス加工の条件を調整した以外は基材1と同様の方法により、基材2を作製した。
(基材3)
最大高さが0.1mmとなるようにプレス加工の条件を調整した以外は基材1と同様の方法により、基材2を作製した。
<受理層>
以下の表1に示される処方(単位は重量部)にしたがって、受理層を構成する樹脂組成物を調製した。
Figure 2017047569
<紫外線硬化型インク>
以下の表2に示されるそれぞれの顔料を用いて、表3に示される処方(単位は重量部)にしたがって、紫外線硬化型インク(それぞれの顔料)を調製した。
Figure 2017047569
Figure 2017047569
(実施例1)
まず、受理層を形成する樹脂組成物をスプレーにて乾燥重量30g/m2で塗布し、その後乾燥させることにより、基材1に受理層1を設けた。次いで、受理層1上に、上記表2および表3に示されるインクの組み合わせからなるインクセットを用いて、以下のインクジェット条件にてインク画像を印刷および硬化し、実施例1のインクジェットプリント物を作製した。
<インクジェット条件>
シングルパス方式
ドットサイズ:45pl
ノズル径:40μm
駆動電圧:80V
パルス幅:15μm
周波数:4.7kHz
解像度:360dpi
紫外線照射ランプ:メタルハライドランプ
照射強度:0.5mW/cm2
積算光量:40mJ/cm2
照射高さ:40mm
塗布量:9g/m2
(実施例2〜3、比較例1〜3)
表4に示される組み合わせに変更した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2〜3および比較例1〜3のインクジェットプリント物をそれぞれ作製した。
次いで、実施例1〜3および比較例1〜3により得られたそれぞれのインクジェットプリント物について、以下の評価方法および評価基準に基づいて評価した。なお、表4中の色相は、いずれも分光測色計(CM−2600d、コニカミノルタ(株)製)を用いて算出した。
[画像評価]
インクジェットプリント物を目視で観察し、以下の評価基準に沿って画像を評価した。結果を表2に示す。
(評価基準)
〇:インク溜まりが視認されず、画像の濃淡差が小さかった。
×:インク溜まりが視認され、画像の濃淡差が大きかった。
[濃度評価]
インクジェットプリント物を目視で観察し、以下の評価基準に沿って濃度を評価した。結果を表4に示す。
(評価基準)
○:白受理層(受理層4)が形成された比較例1〜3と比較して、画像の濃度、彩度が向上した。
−:白受理層(受理層4)そのものであり、評価の基準を表す。
Figure 2017047569
表4に示されるように、実施例1〜3のプリント物は、いずれもインク溜まりが視認されず、画像の濃淡差が小さかった。また、いずれのプリント物も、画像の濃度および彩度が向上した。一方、基材の色彩が白であった比較例1〜3のプリント物は、インク溜まりが容易に視認され濃淡差が大きかった。また、比較例1〜3のプリント物には、画像を高濃度化する効果はなかった。
1 プリント物
2 基材
3 紫外線硬化型インク
4 凸部
5 凹部
6 傾斜面
d1、d2 厚み
H1 最大高さ

Claims (4)

  1. インク非吸収性の基材に、紫外線硬化型インクが塗工されたインクジェットプリント物であり、
    前記基材は、
    表面粗さ(Ra)が210〜440nmであり、
    凹凸を含み、かつ、白以外の色彩を有する基材柄が形成され、
    前記凹凸は、最大高さが0.1〜5mmであり、
    前記凹凸のうち、凸部に塗工された前記紫外線硬化型インクのインク膜厚は、凹部に塗工された前記紫外線硬化型インクのインク膜厚よりも小さい、インクジェットプリント物。
  2. 前記基材は、JIS Z8730で規定されるL***表色系における明度指数L*が35〜87であり、知覚色度指数a*が−6〜27であり、知覚色度指数b*が−20〜39であり、
    塗工された前記紫外線硬化型インクは、JIS Z8730で規定されるL***表色系における明度指数L*が35〜87であり、知覚色度指数a*が−6〜27であり、知覚色度指数b*が−20〜39である、請求項1記載のインクジェットプリント物。
  3. 前記基材は、インク受理層が形成された基材である、請求項1または2記載のインクジェットプリント物。
  4. インク非吸収性の基材上に紫外線硬化型インクを塗工する工程を含むインクジェットプリント物の製造方法であり、
    前記基材は、
    表面粗さ(Ra)が210〜440nmであり、
    凹凸を含み、かつ、白以外の色彩を有する基材柄が形成され、
    前記凹凸は、最大高さが0.1〜5mmであり、
    前記紫外線硬化型インクは、前記凹凸のうち、凸部に塗工された前記紫外線硬化型インクのインク膜厚が、凹部に塗工された前記紫外線硬化型インクのインク膜厚よりも小さくなるように、前記基材に吐出される、インクジェットプリント物の製造方法。
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