JP2009119872A - インクジェット画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えばインク吸収性のない透明な記録媒体などに対しても良好な視認性を有し、又画像品質や乾燥性、基材接着性、耐久性等においても優れ、良好な印字性を示すインクジェット用インクセットを用いた画像形成方法を提供すること。
【解決手段】主成分として、インク全体の1〜50質量%の白色顔料、インク全体の1〜97質量%の重合性化合物及び光重合開始剤とを含有し、30℃における粘度が10〜500mPa・sで、40℃以上に加熱することにより粘度が7〜30mPa・sになる白色インクを含むインクジェット用インクセットを用いる前記白色インクで記録媒体の背景/下地処理を行うインクジェット画像形成方法であって、記録媒体にインクを付与した後、次いで第1の光源及び該第1の波長より長波長の第2の光源により放射線を照射することを特徴とするインクジェット画像形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明はインクジェット用インクセット及びインクジェット画像形成方法に関する。
インクジェット記録方式は簡便、安価に画像を作製でき、又近年の画質の向上に伴い、各種印刷分野でも充分に対応できる高画質記録が可能な技術として注目を浴びている。
これらのインクジェット記録装置においては、高精細なカラー画像を印刷するために、イエロー、マゼンタ、ライトマゼンタ、シアン、ライトシアン等のカラーインクを組み合わせたインクセットが用いられている。このような、従来のインクセットを用いたインクジェット記録装置を使って得られるカラー画像の鮮やかさは、記録媒体の被印刷面の地色に影響される。このため、鮮やかなカラー画像を再現するために、被印刷面の地色の白色度の高いインクジェット専用紙、インクジェット専用光沢紙等の記録媒体が一般に用いられているが、これら記録媒体が高価である。
これに対し特開2002−38063には、白色インクを含むインクセットを用い、地色が黄ばんだ再生紙、官製はがき、白色以外の地色を持つ有色紙などに印字を行う方法が記載されているが、低粘度インクのため、上記再生紙や官製はがきなどに印字した場合、滲んでしまい高精細なカラー画像を形成することが困難であったり、滲み防止のために一定時間を空けたり、溶媒を除去するための乾燥に時間を要してしまうといった問題があった。
更に、従来のインクジェット記録方式の殆どがインク吸収性のある白色系の記録媒体への印字を対象としており、例えば吸収性の不均一な普通紙や再生紙、吸収性の低い白色プラスチックシートや一般のコート紙、更には軟包装で用いられているような透明な基材や明度の低い基材に印字することは困難である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的はインク吸収性の不均一な普通紙や再生紙、インク吸収性のない透明な記録媒体、明度が低い記録媒体、白色度の低い記録媒体などに対しても良好な視認性を有し、又画像品質や乾燥性、基材接着性、耐久性等においても優れ、良好な印字性を示すインクジェット用インクセットを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
1.主成分として、着色剤としてインク全体の1〜50質量%の白色顔料、インク全体の1〜97質量%の重合性化合物及び光重合開始剤とを含有し、30℃における粘度が10〜500mPa・sで、40℃以上に加熱することにより粘度が7〜30mPa・sになる白色インクを含むインクジェット用インクセットを用いる前記白色インクで記録媒体の下地処理を行うインクジェット画像形成方法であって、記録媒体にインクを付与した後、次いで第1の光源及び該第1の波長より長波長の第2の光源により放射線を照射することを特徴とするインクジェット画像形成方法。
2.記録媒体の色に応じて白色インクの吐出量を制御することを特徴とする前記1に記載のインクジェット画像形成方法。
3.主成分として、着色剤としてインク全体の1〜50質量%の白色顔料、インク全体の1〜97質量%の重合性化合物及び光重合開始剤とを含有し、30℃における粘度が10〜500mPa・sで、40℃以上に加熱することにより粘度が7〜30mPa・sになる白色インクを含むインクジェット用インクセットを用いる前記白色インクでカラー画像の背景を形成するインクジェット画像形成方法であって、記録媒体にインクを付与した後、次いで第1の光源及び該第1の波長より長波長の第2の光源より放射線を照射することを特徴とするインクジェット画像形成方法。
4.カラー画像の濃度に応じて白色インクの吐出量を制御することを特徴とする前記3に記載のインクジェット画像形成方法。
5.前記白色インクを記録媒体の画像形成可能な領域の全面に吐出することを特徴とする前記1に記載のインクジェット画像形成方法。
6.前記白色インクでカラー画像の背景を形成する領域がカラー画像が形成される領域、又はそれ以上の広さに白色インクを吐出することを特徴とする前記3に記載のインクジェット画像形成方法。
7.インクを40〜80℃に加熱して吐出することを特徴とする前記1〜6の何れか1項に記載のインクジェット画像形成方法。
8.白色顔料が酸化チタンであって、その粒径が0.1〜1.0μmであることを特徴とする前記1または3項に記載のインクジェット画像形成方法。
本発明によれば、インク吸収性の不均一な普通紙やインク吸収性のない透明な記録媒体、明度が低い記録媒体、白色度の低い記録媒体などに対しても良好な視認性を有し、更に画像品質や乾燥性、基材接着性、耐久性等においても優れた画像形成を行うことができるという顕著な効果を奏する。
(インクジェット用インクセット)
本発明は記録媒体の下地処理に用いる白色インク、又はカラー画像の背景色に用いる白色インクを含むことを特徴とするカラー画像用のインクジェット用インクセットである。
本発明における「インクセット」とは、少なくとも着色剤、重合性化合物及び光重合開始剤とを含有したカラーインクと、上記の白色インクから構成されるインク、即ちカラーインクセットを意味している。
カラーインクとしては例えばイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクの4色からなり、更に、写真調の画像を得るためにライトマゼンタインクやライトシアンインクなどを備えることも好ましい。又、印刷代替として用いられる場合は、オレンジインク、バイオレットインク、グリーンインクを備えることにより、より印刷に近い画像が得られる。
本発明における記録媒体の下地処理に用いる白色インク、又はカラー画像の背景色に用いる白色インクは着色剤として白色顔料を用いることが出来る。
白色顔料はインク組成物を白色にするものであればよく、通常、この分野に用いられる白色顔料を用いることが出来る。このような白色顔料としては、例えば白色無機顔料や白色有機顔料、白色の中空ポリマー微粒子を用いることができる。白色無機顔料としては、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が挙げられる。特に酸化チタンは隠蔽性及び着色性、分散粒径が好ましい白色顔料として知られている。
白色有機顔料としては、特開平11−129613号に示される有機化合物塩や特開平11−140365号、特開2001−234093に示されるアルキレンビスメラミン誘導体が挙げられる。白色有機顔料の具体的な商品としては、ShigenoxOWP、ShigenoxOWPL、ShigenoxFWP、ShigenoxFWG、ShigenoxUL、ShigenoxU(以上、ハッコールケミカル社製、何れも商品名)などが挙げられる。
白色の中空ポリマー微粒子としては、米国特許第4,089,800号明細書に開示されている、実質的に有機重合体で作られた熱可塑性を示す微粒子などが挙げられる。
本発明においては、上述した白色顔料は単独で用いても良いし、併用しても良い。
一方、カラーインクに用いられる着色剤としては重合性化合物の主成分に溶解又は分散できる色材が使用出来るが、耐候性の点で顔料が好ましい。顔料としては以下のものを使用出来るが、これに限られる訳ではない。
C.I Pigment Yellow−1,3,12,13,14,17,42,74,81,83,87,95,109,128,180,185、
C.I Pigment Orange−16,36,38、
C.I Pigment Red−5,9,12,22,38,48:1,48:2,48:4,49:1,53:1,57:1,63:1,101,122,144,146,184,185,188、
C.I Pigment Violet−19,23、
C.I Pigment Blue−15:1,15:3,15:4,18,60,27,29、
C.I Pigment Green−7,36、
C.I Pigment White−6,18,21、
C.I Pigment Black−7
白色顔料及びカラーインクに用いられる顔料の分散には、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。
又、顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤は高分子分散剤を用いることが好ましい。高分子分散剤としてはZeneca社のSolsperseシリーズが挙げられる。又、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量%に対し、1〜50質量%添加することが好ましい。分散媒体は溶剤又は重合性化合物で行うが、本発明に用いるインク類は、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤ではなく重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。又、この時に分散性及び保存性を向上させる目的で、反応に寄与しない樹脂を1〜30%の範囲で添加してもよい。
顔料の分散は、平均粒径を0.1〜1.0μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク隠蔽性及び硬化感度を維持することが出来る。
白色顔料はインク全体の1〜50質量%、好ましくは2〜30質量%の範囲で、カラー顔料はインク全体の0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%の範囲で含有されることが好ましい。含有量がこれより少ないと隠蔽性や濃度を得るために厚膜になり質感が悪くなってしまう。これより多いとインクジェットによる出射性が悪くなり、目詰まりなどの原因になる。
重合性化合物は、ラジカル重合性化合物、例えば特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、同10−863号、特願平7−231444号等の各号及び同7−231444号に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料と、カチオン重合系の光硬化性樹脂が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂も、例えば特開平6−43633号、同8−324137号等に公開されている。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどの様なものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、又目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。又、単官能化合物よりも官能基を2つ以上持つ多官能化合物の方がより好ましい。更に好ましくは多官能化合物を2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。上記ラジカル重合性化合物の添加量は好ましくは1〜97質量%であり、より好ましくは30〜95質量%である。
ラジカル重合開始剤としては、特公昭59−1281号、同61−9621号、及び特開昭60−60104号等の各公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号及び特開昭61−243807号等の各公報に記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号、同44−6413号、同44−6413号及び同47−1604号等の各公報並びに米国特許第3,567,453号に記載のジアゾニウム化合物、米国特許第2,848,328号、同第2,852,379号及び同2,940,853号各明細書に記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号、同37−13109号、同38−18015号、同45−9610号等の各公報に記載のオルト−キノンジアジド類、同55−39162号、特開昭59−14023号等の各公報及び「マクロモレキュルス(Macromolecules)、第10巻、第1307頁(1977年)に記載の各種オニウム化合物、特開昭59−142205号に記載のアゾ化合物、特開平1−54440号、ヨーロッパ特許第109,851号、ヨーロッパ特許第126,712号等の各明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス」(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(1986年)に記載の金属アレン錯体、特願平4−56831号及び同4−89535号に記載の(オキソ)スルホニウム有機ホウ素錯体、特開昭61−151197号に記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordination Chemistry Review)」、第84、第85巻・第277頁(1988年)及び特開平2−182701号に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、同3−209477号に記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号記載の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤はラジカル重合可能なエチレン不飽和結合を有する化合物100質量%に対して0.01から10質量%の範囲で含有されるのが好ましい。
カチオン重合系光硬化樹脂としては、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用出来る。例えば、特開平6−9714、特開2001−31892、特開2001−40068、特開2001−55507、特開2001−310938、特開2001−310937、特開2001−220526に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。前記エポキシ化合物には芳香族系、脂環式系、脂肪族系等がある。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
ビニルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
オキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物のことであり、特開2001−220526、特開2001−310937に紹介されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
オキセタン環を5個以上有する化合物を使用すると、組成物の粘度が高くなるため取扱いが困難になったり、又組成物のガラス転移温度が高くなるため、得られる硬化物の粘着性が十分でなくなってしまう。本発明で使用するオキセタン環を有する化合物は、オキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。
カチオン重合系光硬化樹脂の開始剤としては光酸発生剤を用いることができるが、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192頁参照)。
本発明に好適に用いられるものとして、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C ,PF ,AsF ,SbF ,CFSO 塩を挙げることができ、対アニオンとしてボレート化合物を持つものが酸発生能力が高く好ましい。又、スルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物、鉄アレン錯体を用いることもできる。
更に本発明のインクには、特開平8−248561号、同9−034106号を始めとして、既に公知となっている活性光線の照射で発生した酸により新たに酸を発生する酸増殖剤を含有することが好ましい。酸増殖剤を用いることで、更なる吐出安定性向上を可能とする。
(その他の成分)
本発明のインクジェット用インクセットにおけるインクには、必要に応じて、その他の成分を添加することが出来る。
照射光として電子線、X線等を用いる場合開始剤は不要であるが、光源としてUV光、可視光、赤外光を用いる場合は、それぞれの波長に応じたラジカル重合開始剤、開始助剤、増感色素を添加する。これらの量はインク組成物全体の1〜10質量%が必要となる。開始剤系は公知の様々な化合物を使用することが出来るが、上記重合性化合物に溶解するものから選択する。具体的な開始剤としては、キサントン又はチオオキサントン系、ベンゾフェノン系、キノン系、フォスフィンオキシド系が挙げられる。
又、保存性を高めるために、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することが出来る。インクは40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して射出することが好ましいので、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも重合禁止剤を入れることが好ましい。
この他に、必要に応じて界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することが出来る。オレフィンやPET等の記録媒体への密着性を改善するためには、重合を阻害しないタッキファイヤーを含有させることが好ましい。具体的には、特開2001−49200号5〜6頁に記載されている、高分子量の粘着性ポリマー((メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステル、からなる共重合物)や、重合性不飽和結合を持つ低分子量粘着付与性樹脂などである。
記録媒体との密着性を改善するため、乾燥性に影響しない極微量の有機溶剤を添加してもよい。この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量は0.1〜5%、好ましくは0.1〜3%である。
又、遮光効果のため、感度を防ぐ手段として、開始剤寿命の長いカチオン重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
本発明においては、インク組成物の30℃における粘度が10〜500mPa・sで、40℃以上に加熱することにより粘度が7〜30mPa・sとなる各成分の組成比を決めることが好ましい。
室温での粘度を前記の粘度にすることで、吸収性のない記録媒体上でのドット形成が可能になる。又、吸収性の高い記録媒体や吸収性の不均一な記録媒体上でもインクの浸透を防ぐことができ、着弾時のドット滲みやドットのバラツキを抑えることができ、画質が改善される。更に、表面張力の違う基材間でも同じようなドットが形成されるため、同じような画質が得られる。30℃における粘度が10mPa・s未満では滲み防止効果が小さく、500mPa・sより大きいとインク液の供給に問題が生じる。
又、安定な出射性を得るためにはインク組成物が出射時に7〜30mPa.sとなることが好ましく、本発明においては加熱により粘度を低下する手段が好適に用いられる。
次に、本発明におけるインクジェット画像形成方法の形態について述べるが、本発明はこれに限定されるものではない。
(インクジェット画像形成方法)
本発明におけるインクジェット画像形成方法の第一の形態は、例えばイエローインク、マゼンタインク、ライトマゼンタ、シアンインク、ライトシアン、ブラックインク及び白色インクの7色から構成されるインクセットを備えたインクジェットプリンタを使用し、記録媒体の地色に応じて、記録媒体上に白インクの吐出量を制御しながら下地処理を行うことによりなされる。
この制御方法としては、白色インクを記録媒体全面に打ち込むことにより、該記録媒体の地色を白色とする。もしくは、白色インクを記録媒体の画像形成領域に打ち込むことにより、該画像形成領域の地色を白色とする。この時、記録媒体の地色の白色度が高ければ少量のインクを、白色度が低ければ多量のインクを吐出し、所望の白色度に近づける。又、記録媒体が透明な場合は隠蔽性が得られるように吐出量を制御する必要がある。白色インクを用いて下地処理を行った後、カラーインクによりカラー画像の形成を行う。引き続き、このように記録媒体上に吐出したインクに対して放射線を照射することによりインクを硬化させ、発色性に優れた鮮やかなカラー画像を形成することができる。
本発明におけるインクジェット画像形成方法の第二の形態は、例えばイエローインク、マゼンタインク、ライトマゼンタ、シアンインク、ライトシアン、ブラックインク及び白色インクの7色から構成されるインクセットを備えたインクジェットプリンタを使用して、白色インクでカラー画像の背景を形成することによりなされる。
白色インクの吐出量はカラー画像の濃度やデザインで制御され、よりコントラストのある画像を得たい場合は吐出量を増やすことで可能となる。透明記録媒体上にカラーインクを用いカラー画像を逆像で描画した後、画像領域上又はそれより大きい領域に白色インクを吐出し放射線を照射することで、透明記録媒体を介して見た時に白色の背景上に発色性に優れた正像の鮮やかなカラー画像を形成することができる。
本発明におけるインクジェットヘッドのノズル径は、白インク用のほうが、白インク以外の着色剤を含有するカラーインク用のものより大きいことが好ましく、より好ましくは1.2倍以上50倍以下である。白インク用のノズル径がカラーインク用と同じか、それより小さい場合、白色の濃度が低くなり、鮮明な画像が得られなかったり、高濃度で白色を射出するために記録速度が遅くなったり、ノズルの目詰まりによる画像欠陥の頻度が高くなってしまう。カラーインク用のノズル径は10〜40μmが好ましい。更に好ましくは15〜35μmである。ノズル径が小さすぎると、インクの目詰まりによる画像欠陥が発生したり、インクの射出速度が低下し、画像ムラの原因になる。ノズル径が大きすぎると高解像度の射出を安定してできなくなる。又、白色インク用のヘッドを複数個にすることも、白色濃度を高濃度に安定させるのに効果があるが、ヘッドの数が増えるため、装置が高額になる、制御が複雑になる等のデメリットもある。
インクの射出条件としては、インクを40〜80℃に加熱し、インク粘度を下げて射出することが射出安定性の点で好ましい。照射線硬化型インクは、概して水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を出来るだけ一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅は設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
記録媒体にインクを付与し、次いで放射線を照射することは好ましい態様である。本発明における基本的な照射方法は、特開昭60−132767号に開示されている。これによると、インクジェットヘッドのユニット両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。放射線の照射はインク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。又、WO9954415号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をインクジェットヘッドのユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。
本発明の画像形成方法においては、これらの照射方法を用いることが可能であり、又インクジェットヘッドの背面から照射することが好ましい。
ヘッド背面から露光する方式は、光ファイバーや高価な光学系を用いることなく、着弾直後のインクに放射線を速やかに照射することが出来る。又、ヘッド背面からの照射であるため、記録媒体からの反射線による、ノズル界面のインク硬化を防ぐ効果もある。光源は記録媒体へ投影形状を、走査一回分の記録幅を持つ帯状とさせることが好ましい。具体的には、帯状のメタルハライドランプ管、紫外線ランプ管が好ましい。光源は、実質的に記録装置に固定化し、稼動部を無くすことで、安価な構成とすることが可能である。
又、何れの露光方式でも光源は2種用意し、第2の光源によって、硬化を完了させることが好ましい形態の一つである。これは、2色目の着弾インクの濡れ性、インク間の接着性を得ることと、光源を安価に組むことに寄与する。尚、第1の光源と第2の光源とは、露光波長又は露光照度を変えることが好ましい。第一照射エネルギーを第二の照射エネルギーより小さく、即ち第一の照射エネルギーを照射エネルギー総量の1〜20%、好ましくは1〜10%、更に好ましくは1〜5%とする。照度を変えた照射を行うことで、硬化後の分子量分布が好ましいものとなる。即ち、一度に高照度の照射を行ってしまうと、重合率は高められるものの、重合したポリマーの分子量は小さく、強度が得られない。インクジェットインクのように極端に粘度の低い組成では、顕著な効果が得られる。
又、第一の照射を第二の照射より長波長とすることで、第一の照射にてインクの表層を硬化させてインクの滲みを抑え、第二の照射にて照射線が届き難い記録媒体近傍のインクを硬化させ、密着性を改善することが出来る。インク内部の硬化促進のためにも、第二の照射線波長は長波長であることが好ましい。又、二段階照射することにより記録媒体とインク組成物の硬化収縮率の差を低減させることが出来るため、カールや波打ちなどを改善することも可能となる。
インクを一定温度に加温するとともに、着弾から照射までの時間を0.01〜0.3秒、好ましくは0.01〜0.15秒とすることが好ましい。着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾インクが硬化前に滲むことを防止するこができる。又、多孔質な記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することが出来る為、未反応モノマーの残留が抑えられ、臭気を低減出来る。このような記録方法を取ることで、表面の濡れ性が異なる様々な記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことが出来、画質が向上する。尚、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクを最後に重ねると、下部のインクまで照射線が到達しにくく、硬化感度の阻害、残留モノマーの増加及び臭気の発生、密着性の劣化が生じやすい。又、照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
放射線としては、UV−A、UV−B、UV−Cなどの紫外線、真空紫外線などを用いることが出来る。紫外線の光源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ブラックライト、冷陰極管、LEDを用いることが出来る。反応に寄与しない赤外線などの熱線は公知の手法でカットすることが、フィルム等への記録ではカール防止の点で特に好ましい。
本発明は、インクジェットで用いられる記録媒体はもちろん、従来インクジェット記録が難しかった基材、例えば透明や不透明なプラスチック基材、インク吸収性の不均一な基材、インク吸収性のない基材などにも適用できる。特にプラスチック基材に適しており、このような基材としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−ρ−フェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンが好ましい。又、これらの共重合体やブレンド物、更には、架橋したものが挙げられる。中でも延伸したポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリプロプレン、ナイロンが透明性、寸法安定性、剛性、環境負荷、コストの面で好ましい。フィルムの厚みは2〜100μm程度、更に好ましくは6〜50μm程度が良好である。
形成する層との接着強度の調整、良好な塗布性を得る為に公知の方法で基材表面にコロナ放電処理や、易接着処理などの表面処理を施すことが好ましい。不透明基材としては樹脂被覆紙、顔料入り不透明フィルム、発泡フィルム等の従来公知のものが何れも使用できる。
以下、実施例にて本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。尚、以下の「部」は「質量部」を意味する。
下記の白色インク及びカラーインクからなるインクジェット用インクセットを作製した。
〈インクセット1〉
各色、フェノキシエチルアクリレートとアクリル系樹脂の少量とそれ以外の以下の組成を加圧ニーダーによりプレ分散し充分に顔料表面を濡らした後、3本ロールミルによって練肉を行った。次いで残りのフェノキシエチルアクリレートを足し、ビーズミルにより分散を行い、顔料分散物を得た。
白色顔料分散物(W1)
白色有機顔料(ShigenoxOWP:ハッコーケミカル社製)
15.0部
ノニオン系界面活性剤 1.5部
フェノキシエチルアクリレート 80.0部
アクリル系樹脂(酸価0) 3.5部
イエロー顔料分散物(Y1)
ピグメントイエロー180 15.0部
ノニオン系界面活性剤 1.5部
フェノキシエチルアクリレート 80.0部
アクリル系樹脂(酸価0) 3.5部
マゼンタ顔料分散物(M1)
ピグメントバイオレット19 15.0部
ノニオン系界面活性剤 1.5部
フェノキシエチルアクリレート 80.0部
アクリル系樹脂(酸価0) 3.5部
シアン顔料分散物(C1)
ピグメントブルー15:3 15.0部
ノニオン系界面活性剤 1.5部
フェノキシエチルアクリレート 80.0部
アクリル系樹脂(酸価0) 3.5部
ブラック顔料分散物(K1)
ピグメントブラック7 15.0部
ノニオン系界面活性剤 1.5部
フェノキシエチルアクリレート 80.0部
アクリル系樹脂(酸価0) 3.5部
これらの顔料分散物を用い、表1に示すように各色のインクを調合し、インクセット1を作製した。表中の数値の単位は質量%である。
インクは、顔料分散物以外の全ての材料を配合し、十分に溶解したことを確認してから、前記の顔料分散物を少しづつ加え、ディゾルバーを用い十分に攪拌した後、0.8μmのフィルターにてろ過を行った。前処理として10μmのプレろ過を行った。ろ過工程では圧損の発生も少なく、十分なろ過速度が得られた。
次いでインクを50℃に加温・攪拌しながら、減圧することにより、溶解している空気及び水分を取り除き、インクとした。インクの30℃における粘度は20〜35mPa・s、表面張力は0.3〜0.4N/m、60℃における粘度は10〜20mPa・sであった。顔料の平均粒径は0.08〜0.3μm、含水率は0.7〜1.2%である。
Figure 2009119872
・DPCA60:日本火薬製、KAYARAD DPCA(カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
・TEGDA:大阪有機製、ビスコート#335HP(テトラエチレングリコールジアクリレート)
・PO−A:共栄社化学製、ライトアクリレートPO−A(フェノキシエチルアクリレート)
・I369:チバ・スペシャリティ・ケミカル製、Irgacure369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)
〈インクセット2〉
各色、オキセタン化合物の少量とそれ以外の以下の組成を加圧ニーダーによりプレ分散し充分に顔料表面を濡らした後、3本ロールミルによって練肉を行った。次いで残りのオキセタン化合物を足し、ビーズミルにより分散を行い、顔料分散物を得た。
白色顔料分散物(W2)
酸化チタン(平均粒径0.15μm、屈折率2.52) 15.0部
高分子分散剤 1.0部
オキセタン化合物 84.0部
イエロー顔料分散物(Y2)
ピグメントイエロー180 15.0部
高分子分散剤 1.0部
オキセタン化合物 84.0部
マゼンタ顔料分散物(M2)
ピグメントバイオレット19 15.0部
高分子分散剤 1.0部
オキセタン化合物 84.0部
シアン顔料分散物(C2)
ピグメントブルー15:3 15.0部
高分子分散剤 1.0部
オキセタン化合物 84.0部
ブラック顔料分散物(K2)
ピグメントブラック7 15.0部
高分子分散剤 1.0部
オキセタン化合物 84.0部
これらの顔料分散物を用い、表2に示すように各色のインクを調合し、インクセット2を作製した。表中の数値の単位は質量%である。
インクは、顔料分散物以外の全ての材料を配合し、十分に溶解したことを確認してから、前記の顔料分散物を少しづつ加え、ディゾルバーを用い十分に攪拌した後、0.8μmのフィルターにてろ過を行った。前処理として10μmのプレろ過を行った。ろ過工程では圧損の発生も少なく、十分なろ過速度が得られた。
次いでインクを50℃に加温・攪拌しながら、減圧することにより、溶解している空気及び水分を取り除き、インクとした。インクの30℃における粘度は25〜40mPa・s、表面張力は0.3〜0.35N/m、60℃における粘度は10〜20mPa・sであった。顔料の平均粒径は0.08〜0.3μm、含水率は0.7〜1.2%である。
Figure 2009119872
・OXT:東亜合成製、オキセタン化合物 OXT−221(ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル)
・2021P:ダイセル製、エポキシ化合物 セロキサイド2021P(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)
・BBI102:みどり化学製、光酸発生剤(4,4’−tertブチルジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート)
・DETX:日本化薬製、増感剤(2、4−ジエチルチオキサントン)
〈インクジェット記録〉
次にノズル径24μm、128ノズルのピエゾ型インクジェットノズルを用いたインクジェット記録装置によって、記録媒体への記録を行った。
インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドから成り、前室タンクからヘッド部分まで断熱及び加温と遮光を行った。温度センサーは前室タンク及びピエゾヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に60℃±2℃となるよう、温度制御を行った。液滴サイズは約7plとし、720×720dpi(尚、dpiとは2.54cm当たりのドットの数をいう)の解像度で射出できるよう、駆動周波数10kHzにて駆動した。
ヘッドキャリッジにY、M、C、K、LM、LC、Wの7色ヘッドを搭載した7色フルカラープリンターに上記インクセットをセットし評価を行った。キャリッジの両端には、UV−A光を発する低圧水銀ランプを搭載し、ヘッドを走査することで、インク着弾後1000ms以内にUV光を照射出来る。
実施例1
上記インクセット1を用いて以下の各記録媒体の地色に応じて、全面に白インクを打ち込んで硬化させた後、その上からカラーインクを用いてカラー画像を形成した。白インクの印字は濃度階調を持たせベタ濃度を100%とし、それぞれの必要濃度に応じ打ち込み量を制御した。
記録媒体 打ち込み量
インクジェット用記録紙 −
シュリンク用透明PET 100%
ホワイトPET 30%
再生紙 30%
有色紙 70%
その結果、シュリンク用透明PETや白色度の低いホワイトPET、再生紙や有色紙に対してもインクジェット用記録紙と同様に鮮やかで視認性の良い滲みのないカラー画像が形成出来た。
実施例2
上記インクセット2を用いて、表面の濡れ指数を0.46N/mになるようプラズマ処理した透明なOPS(延伸ポリスチレン)フィルムに、ブラック→シアン→マゼンタ→イエローの順で高精細なカラー画像を形成した後、カラー画像領域以上の領域に白色インクで打ち込み量100%で印字した。露光はインク着弾後0.1秒後に1色ごとに露光面照度30mW/cmに集光したピーク波長254nmの低圧水銀ランプを照射して半硬化させた後、白インク層側から露光面照度100mW/cmに集光したピーク波長365nmの高圧水銀ランプを用いて全面露光し完全硬化を行った。
その結果、吸収性のない透明なOPSフィルム上にも鮮やかで視認性の良い滲みのないカラー画像が形成出来た。
実施例3
上記インクセット2を用いて、包装用の透明なOPP(延伸ポリプロピレン)フィルムに、ブラック→シアン→マゼンタ→イエローの順で半透明なカラー画像を形成した後、記録媒体全面に白色インクで打ち込み量30%で印字し、硬化を行った。
得られた記録媒体で印字画像が内面になるように包装体に加工したところ、デザイン性に優れたマット調の背景及び画像が得られた。
実施例4(比較例)
実施例1と同様の組成のイエローインク、シアンインク、マゼンタインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインクからなるインクジェット記録用カラーインクセット(白色インクが無いインクセット)を用いて、実施例1記載の各記録媒体に対して画像形成を行った。
その結果、透明な記録媒体ではコントラストが得られず、視認性の悪い画像になってしまった。又、ホワイトPETや再生紙、有色紙では地色の影響を受け、色の濁った画像になってしまった。

Claims (8)

  1. 主成分として、着色剤としてインク全体の1〜50質量%の白色顔料、インク全体の1〜97質量%の重合性化合物及び光重合開始剤とを含有し、30℃における粘度が10〜500mPa・sで、40℃以上に加熱することにより粘度が7〜30mPa・sになる白色インクを含むインクジェット用インクセットを用いる前記白色インクで記録媒体の下地処理を行うインクジェット画像形成方法であって、記録媒体にインクを付与した後、次いで第1の光源及び該第1の波長より長波長の第2の光源により放射線を照射することを特徴とするインクジェット画像形成方法。
  2. 記録媒体の色に応じて白色インクの吐出量を制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット画像形成方法。
  3. 主成分として、着色剤としてインク全体の1〜50質量%の白色顔料、インク全体の1〜97質量%の重合性化合物及び光重合開始剤とを含有し、30℃における粘度が10〜500mPa・sで、40℃以上に加熱することにより粘度が7〜30mPa・sになる白色インクを含むインクジェット用インクセットを用いる前記白色インクでカラー画像の背景を形成するインクジェット画像形成方法であって、記録媒体にインクを付与した後、次いで第1の光源及び該第1の波長より長波長の第2の光源より放射線を照射することを特徴とするインクジェット画像形成方法。
  4. カラー画像の濃度に応じて白色インクの吐出量を制御することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット画像形成方法。
  5. 前記白色インクを記録媒体の画像形成可能な領域の全面に吐出することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット画像形成方法。
  6. 前記白色インクでカラー画像の背景を形成する領域がカラー画像が形成される領域、又はそれ以上の広さに白色インクを吐出することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット画像形成方法。
  7. インクを40〜80℃に加熱して吐出することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のインクジェット画像形成方法。
  8. 白色顔料が酸化チタンであって、その粒径が0.1〜1.0μmであることを特徴とする請求項1または3項に記載のインクジェット画像形成方法。
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