JP2005144790A - 画像形成方法と印刷校正用出力物の作製方法 - Google Patents

画像形成方法と印刷校正用出力物の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 インクジエット方式の画像形成方法により形成した画像の鮮鋭性を適切な範囲に設定することにより、網点濃度の連続的調整と各種ムラ発生の防止の両立を図り、インクジェット方式による手軽で画像特性のよい印刷校正用出力物の作製方法を提供することにある。
【解決手段】 インクジェット方式により、光重合性化合物を含有するインクをオフセット印刷の印刷用紙に出射し、網点画像を形成して印刷校正用出力物を作製する画像形成方法において、インクが印刷用紙に着弾後1.0秒以内に着弾インクに活性光線を照射し、該活性光線による着弾インクの硬化所要時間が0.05秒以上、3.0秒以下であることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】 図3

Description

本発明は、インクジェット方式による画像形成方法と、それを用いた印刷校正用出力物の作製方法に関するものである。
商業印刷分野では、通常、印刷機を稼動させて最終印刷物を作製する前に、印刷用校正物(プルーフ)を作製し、その印刷物の仕上がり画像および色調を確認する作業、いわゆる校正が行われている。
従来、平台校正機や、ケミカルプルーフといわれる簡易校正機がもちいいられてきたが、近年、印刷工程のデジタル化に伴い、デジタル画像から直接印刷校正用画像を形成する方法が使われてきている。このような画像形成装置(DDCP)として、インクシートにレーザー光を照射し、転写シートに熱転写を行い、その後印刷用紙に再転写する方法や、Ag塩カラーペーパーを用いる方法、インクジエット方式を用いた方法などが知られている。
印刷物の校正の観点からは、印刷物と同じ網点が再現できること、印刷物と近似した色調、質感が表現できること、コストが安いことが望まれているが、各方式によりメリット・デメリットがあり、使用状況により使い分けられている。そのなかで、インクジエット方式は比較的簡易な装置で、高品質な画像が形成されることから、近年印刷の色校正に用いることが盛んになってきた。
しかし、この場合、インクの吸収性の問題で通常の印刷用紙は使用できず、例えば、特開2000−343815号、特開2000−326623号の各公報に示されている様なインク吸収層を有するインクジエット専用紙が用いられていた。
このような技術では、本質的に印刷用紙と異なる材料を使用するために、印刷用紙の色や質感を忠実に再現することができず、印刷校正用途のシステムとしては、不十分であった。この問題を解決するために、例えば特許文献1では、印刷用紙にプレコート液を塗布する方法が開示されており、印刷用紙で印刷校正が行えることへの要望の高さが伺われる。
また、インクの射出精度、液滴サイズなどから、網点出力する場合には所定の解像度が得られず、インクによるドットを誤差拡散法等の方法にて散乱させドットの密度で階調を表現していた。このため、連続階調的な写真画質は再現できるが、印刷物の質感の表現が不十分であり、網点出力できる方法が望まれていた。
これに対し、近年インクジエットシステムの技術革新の結果、インク射出後UV光を照射することで硬化するUV硬化インクを用いる方法が知られている(特許文献2〜4参照)。これらの方法を使うことで、インクの吸収の悪い印刷用紙に出力可能になってきた。また、インクの液滴の小サイズ化、装置の精度向上により出力特性の向上も可能になってきた。
しかし、印刷用紙にUV硬化インクを用い網点画像を形成した場合、インキが載っている所と載っていないところで光沢度等が大きく異なり、画像の質感が網点出力でないものに対して大きく劣化するといった問題があった。
特開2003−211819号公報 特公平5−54667号公報 特表2000−504778号公報 国際公開第99/29787号パンフレット
本発明は、インクジエット方式の画像形成方法により形成した画像の鮮鋭性を適切な範囲に設定することにより、網点濃度の連続的調整と各種ムラ発生の防止の両立を図り、インクジェット方式による手軽で画像特性のよい印刷校正用出力物の作製方法を提供することにある。
発明者らは、上記問題に対し鋭意検討した結果、インクが印刷用紙(基材ということもある)に着弾後、着弾インクに活性光線を照射する時間および、硬化所要時間を制御することにより解決できることを見いだした。
これらの時間については、前記先行文献に記載はなく、また通常に実施した場合も、インクジエット方式で網点を形成する場合、1つの網点は、何回かの走査により形成されるために、硬化までの時間は数秒以上要し、通常は本願発明の範囲に入らない。また着弾後インクの硬化所用時間も、インクの特性やインクジェットヘッドの走査スピードおよび照射光源の位置により千差万別であり、その適正な条件が確立できるとは考えられていなかった。
しかしながら、これらの条件は、通常よく用いられる範囲とは少々異なるものの、適正な条件を選定すれば、本発明の目的を達成できることがわかった。即ち、本発明の目的は、下記構成のいずれかを採ることにより達成される。
(請求項1)
インクジェット方式により、光重合性化合物を含有するインクをオフセット印刷の印刷用紙に出射し、網点画像を形成して印刷校正用出力物を作製する画像形成方法において、インクが印刷用紙に着弾後1.0秒以内に着弾インクに活性光線を照射し、該活性光線による着弾インクの硬化所要時間が、0.05秒以上、3.0秒以下であることを特徴とする画像形成方法。
(請求項2)
前記光重合性化合物が、カチオン重合性化合物であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
(請求項3)
前記印刷用紙がアート紙またはコート紙であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
(請求項4)
請求項1〜3のいずれか1項記載の画像形成方法により、インクの最小液滴サイズが0.1〜3plであるインクジェットプリンターによって印刷用紙上にインクを射出することを特徴とする印刷校正用出力物の作製方法。
本発明の構成に基ずく画像形成方法によれば、通常の誤差拡散方式の場合と挙動が異なり、また、網点で画像を形成した場合に特有の問題も発生していない。この原因については、明らかではないが、誤差拡散方式でインクを飛散させた場合、インクドットは、平均的に散在しているが、本発明の網点画像形成方法による場合、網点部と非網点部といった形で局部的にインクが存在するため、UV硬化時、収縮等による局部的変化が画像品質の差異を生じさせないと推定している。
なお、通常印刷で用いられ網点とは、その大小により階調を表現するものであり、50線(2.54cm当たりの線数)から200線のスクリーン線数で、本発明の効果が顕著であった。また、面積の大小ではなくその密度で面積階調を形成する方法としてFMスクリーニングと言われる方法がしられているが、FMスクリーニング方式も好ましく用いられる。
本発明により、インクジエット方式の画像形成方法により形成した画像の鮮鋭性を適切な範囲に設定することにより、網点濃度の連続的調整と各種ムラ発生の防止等の両立を図り、インクジェット方式による手軽で画像特性のよい印刷校正用出力物の作製方法を提供することができる。
以下、本発明の詳細について説明する。
〔インク硬化の条件〕
本発明のインクジェット記録方法においては、インクジェット方式により、光重合性化合物を含有するインクを加熱して印刷用紙上に出射し、該インクが印刷用紙に着弾後1.0秒以内に着弾インクに活性光線を照射して硬化するインクジェット記録方法において、該活性光線による該着弾インクの硬化所要時間が、0.05秒以上、3.0秒以下であることを特徴とする。
本発明者は、インクジェット画像の高画質化を図るため、印刷用紙へインク滴が着弾した直後に紫外線を照射する条件で、インク硬化性とシワ発生を改善する条件について鋭意検討を重ねた結果、上記の如き本発明で規定する要件とすることにより、本発明の目的効果が得られることが判明した。すなわち、インク膜中の熱対流を抑えることが重要な要件であり、インクが硬化するまでの時間が最適となる様に、種々の印字条件、具体的には、活性光線の照度、発生光線の波長、着弾したインク液滴の温度、印字環境の絶対湿度あるいは印字環境の酸素濃度を、最適に制御することにより、高品位で、かつシワの発生がないインクジェット画像が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明においては、活性光線による着弾したインク液滴の硬化所要時間が0.05秒以上、3.0秒以下であることが一つの特徴であるが、好ましくは0.1秒以上、2.0秒以下である。
なお、本発明でいうインク液滴の硬化所要時間とは、インク液滴の流動性が消失する時間と定義する。具体的には、インク液滴の着弾後のドット径を観察し、紫外線照射後、ドット径の変化がなくなった時点をもって硬化所要時間とした。
インク液滴の硬化所要時間が0.05秒以上であれば、急速な反応に伴うシワの発生を防止することができる。インク中での急速な反応がシワを引き起こす原因は、局部的に発生した応力の緩和時間が短いことや、一度に出る反応発熱量が多くなり、熱対流などが生じやすいためと考えられる。また、インク液滴の硬化所要時間が3.0秒以下であれば、印字したインク液滴の流動によるインク滲みの発生を防止でき、また、インク浸透性を有する印刷用紙を用いた際のインク浸透によるインク硬化性の低下を防止することができる。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、上記の活性光線の照射を開始する時間が、印刷用紙にインクが着弾した後、1.0秒以内に行うことがもう一つの特徴であり、好ましくは0.01〜1.0秒であり、より好ましくは0.01〜0.3秒である。活性光線の照射開始時間を1.0秒以内とすることにより、着弾したインク液滴の過度の滲みを防止し、かつ印刷用紙の種類にかかわらず安定したインク硬化性を得ることができる。
本発明で規定する活性光線による着弾したインク液滴の硬化所要時間を0.05秒以上、3.0秒以下とする手段としては、特に制限はないが、本発明においては、以下に示す方法の少なくとも1つを用いることが好ましい。
方法1:活性光源として紫外線を用い、紫外線の照度を最適に制御する方法
照度としては10〜500mW/cm2の範囲に制御することが好ましく、より好ましくは10〜100mW/cm2の範囲である。また、照射エネルギーとしては0.1〜150mJ/cm2が好ましい。上記に示した照度範囲とする方法は、特に制限はないが、例えば、紫外線照射光源の種類、出力電圧、光源と印刷用紙間にスリットを設ける、あるいは光源と印刷用紙との距離等を適宜調整すればよい。
方法2:活性光源として紫外線を用い、紫外線の波長を最適に制御する方法
波長としては、280〜380nmが好ましく、更に好ましくは280〜340nmの範囲である。上記の紫外線の波長とする方法としては、特に制限はないが、例えば、紫外線照射光源の種類を適宜選択すればよい。
方法3:着弾したインクの温度を制御する方法
着弾したインクの制御温度範囲としては、35〜100℃が好ましく、より好ましくは35〜80℃である。着弾したインク液滴の温度を、上記で示した温度範囲に制御する方法としては、特に制限はないが、例えば、出射するインク温度、インクジェットヘッドの温度、印字環境の温度を適宜設定することにより達成することができる。また、印刷用紙背面部に、印刷用紙を加熱するヒーターを設けて、印刷用紙を所望の温度に加熱する方法、印刷用紙表面からの輻射により加熱する方法も好ましい。
方法4:印字環境の絶対湿度を制御する方法
印字環境の絶対湿度としては、0.003〜0.015%であることが好ましく、より好ましくは0.005〜0.010%である。
方法5:印字環境の酸素濃度を制御する方法
印字環境の酸素濃度としては、5〜30体積%であることが好ましく、より好ましくは8〜20体積%である。
光重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含有するインクは、上記に列挙した各方法の中でも、方法1、方法2、方法3、方法5をそれぞれ単独、あるいは組み合わせて用いることが好ましく、また、光重合性化合物としてカチオン重合性化合物を含有するインクでは、上記に列挙した各方法の中でも、方法1〜方法4を単独、あるいは組み合わせて用いることが好ましい。
〔インクジェット用インク〕
次いで、本発明に係るインクの詳細について説明する。
はじめに、本発明に用いられる光重合性化合物について説明する。
本発明で用いることのできる重合性化合物の一つは、ラジカル重合性化合物であり、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号等の各号公報に記載の化合物を挙げることができる。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどの様なものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を有するものが含まれる。ラジカル重合性化合物は、1種のみ用いてもよく、又目的とする特性を向上するため、任意の比率で2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV−EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV−EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
ラジカル重合性化合物の添加量は、インク組成物に対し、好ましくは1〜97質量%であり、より好ましくは30〜95質量%である。
本発明においては、重合性化合物の一つとしてカチオン重合性化合物を用いることができ、カチオン重合性モノマーとしては、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−55507号、特開2001−310938号、特開2001−310937号、特開2001−220526号の各公報に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによつて得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、インク硬化の際の記録材料の収縮を抑える目的で、光重合性化合物として少なくとも1種のオキセタン化合物を含有することが好ましい。
本発明に係るオキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物のことであり、特開2001−220526号、特開2001−310937号の各公報に紹介されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
本発明に係るオキセタン化合物において、オキセタン環を5個以上有する化合物を使用すると、インク組成物の粘度が高くなるため、取扱いが困難になったり、またインク組成物のガラス転移温度が高くなるため、得られる硬化物の粘着性が十分でなくなってしまう。本発明で使用するオキセタン環を有する化合物は、オキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。
以下、本発明に係るオキセタン環を有する化合物の具体例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2005144790
一般式(1)において、R1は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基である。R2は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られる組成物が粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため、特に好ましい。
2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(2)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2005144790
一般式(2)において、R1は、上記一般式(1)におけるそれと同様の基である。R3は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。
また、R3としては、下記一般式(3)、(4)及び(5)で示される基から選択される多価基も挙げることができる。
Figure 2005144790
一般式(3)において、R4は、水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基である。
Figure 2005144790
一般式(4)において、R5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF32、又はC(CH32を表す。
Figure 2005144790
一般式(5)において、R6は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。nは0〜2000の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。R7としては、更に、下記一般式(6)で示される基から選択される基も挙げることができる。
Figure 2005144790
一般式(6)において、R8は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。mは0〜100の整数である。
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2005144790
例示化合物1は、前記一般式(2)において、R1がエチル基、R3がカルボキシル基である化合物である。また、例示化合物2は、前記一般式(2)において、R1がエチル基、R3が前記一般式(5)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(7)で示される化合物がある。一般式(7)において、R1は、前記一般式(1)のR1と同義である。
Figure 2005144790
また、3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(8)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2005144790
一般式(8)において、R1は、前記一般式(1)におけるR1と同義である。R9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
Figure 2005144790
上記Aにおいて、R10はメチル基、エチル基又はプロピル基等の低級アルキル基である。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物3が挙げられる。
Figure 2005144790
さらに、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(9)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2005144790
一般式(9)において、R8は前記一般式(6)のR8と同義である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
本発明で使用するオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す化合物がある。
Figure 2005144790
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。また、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2005144790
本発明に係る光重合性化合物として、上記説明したラジカル重合性化合物あるいはカチオ重合性化合物のいずれも用いることができるが、紫外線の照射強度(mW)を変更しても、硬化感度が変動しにくい、すなわち照度不軌の小さい化合物好ましく、この観点では、酸素により重合阻害を受けるラジカル重合性化合物よりも、カチオン重合性化合物の方がより好ましい。特に、インク液滴サイズの小さなインクジェット記録システムでは、小点の硬化性がラジカル重合性化合物よりも、カチオン重合性化合物の方が良好であり、好ましい。
本発明においては、インク中に、光重合開始剤及び光酸発生剤の少なくとも1つを含有することが好ましい。
本発明においては、硬化反応をより効率的に行なうために、公知の光重合開始剤を添加して硬化させることが好ましい。光重合開始剤としては、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型の2種に大別できる。
分子内結合開裂型の光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノンの如きアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルの如きベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドの如きアシルホスフィンオキシド系;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル、などが挙げられる。
一方、分子内水素引き抜き型の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンの如きチオキサントン系;ミヒラ−ケトン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノンの如きアミノベンゾフェノン系;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、などが挙げられる。光重合開始剤を使用する場合の配合量は、活性光線硬化性組成物の0.01〜10.00質量%の範囲が好ましい。
カチオン重合開始剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を、以下に示す。
Figure 2005144790
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を、以下に例示する。
Figure 2005144790
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
Figure 2005144790
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
Figure 2005144790
また、本発明に係るインク組成物は、紫外線の照射により硬化するが、硬化反応をより効率的に行なうために、光増感剤を併用することもできる。そのような光増感剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルの如きアミン類、シアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体等が挙げられ、更に、欧州特許第568,993号、米国特許第4,508,811号、同第5,227,227号、特開2001−125255号、特開平11−271969号等に記載の化合物も用いられる。光増感剤の使用量は、活性光線硬化性組成物中0.01〜10.00質量%の範囲が好ましい。
本発明に係るインクでは、着色剤としては、重合性化合物の主成分に溶解または分散できる各種色材を使用することができるが、耐候性の観点から顔料が好ましい。
本発明のインクジェットインクに用いることのできる顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色無機顔料または有彩色の有機顔料を使用することができる。有機顔料としては、例えば、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系有機顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系有機顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系有機顔料、イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系有機顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンイエローなどのキノフタロン系有機顔料、イソインドリンイエローなどのイソインドリン系有機顔料、その他の顔料として、フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、109、110、117、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、146、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が挙げられる。
上記顔料の中で、キナクリドン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、イソインドリノン系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、キノフタロン系有機顔料、イソインドリン系有機顔料等は耐光性が優れているため好ましい。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としては、例えば、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明の照射線硬化型インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。本発明のインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
本発明に係るインクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。また、保存安定性を改良する目的で、公知のあらゆる塩基性化合物を用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などがあげられる。また、ラジカル重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
〔印刷用紙〕
本発明のインクジェット記録方法で用いることのできる印刷用紙は、アート紙、コート紙、上質紙などがあるが、いずれも紙に対し凸凹の大きい表面を平滑にし、印刷適性をもたせたもので、通常紙の表面にカオリンなどの顔料およびそれを紙面に保持するためのバインダーを塗工したものである。代表的な印刷用紙として、三菱製紙社製特菱アート、王子製紙社製OKトップコートN、大昭和製紙社製しらおい、等がある。
これら、各種印刷用紙の表面エネルギーは大きく異なり、印刷用紙によってインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギーの低い表面エネルギーのものから比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギーが35〜60mN/mの広範囲の記録材料で、良好な高精細な画像を形成できる。
〔画像形成方法〕
次に、本発明で用いることのできる画像形成方法について説明する。
本発明に係る画像形成方法においては、前述の様に、上記のインクをインクジェット記録方式により印刷用紙上に吐出、描画し、次いで、1.0秒以内に、0.05秒以上、3.0秒以下の時間を要して、紫外線などの活性光線を照射してインクを硬化させる方法である。
本発明では、印刷用紙上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、印刷用紙のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
尚、ここで「総インク膜厚」とは印刷用紙に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。
インクの吐出条件としては、インクジェット記録ヘッド及びインクを35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型のインクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
また、本発明では、各ノズルより吐出する最小の液滴サイズが0.1〜3plであることが好ましいが、この液滴量で吐出する場合、前述した吐出安定性が特に厳しくなる。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が、特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明に係る画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることが出来る。
次いで、本発明で用いることのできるインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)について説明する。
以下、本発明に係る記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。尚、図面の記録装置はあくまでも本発明で好ましく用いることができる記録装置の一態様であり、本発明では、ここで例示する記録装置の図面に限定されない。
図1は、本発明で用いることのできるインクジェット記録装置で、シリアルプリント方式で用いる要部の構成の一例を示す正面図である。記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は、印刷用紙Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、印刷用紙Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
印刷用紙Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
ヘッドキャリッジ2は印刷用紙Pの上側に設置され、印刷用紙P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
尚、図1ではヘッドキャリッジ2がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型のインク(例えば、UV硬化インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から印刷用紙Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出されるUVインクは色材、重合性モノマー、開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで開始剤が触媒として作用することに伴なうモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
記録ヘッド3は、印刷用紙Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に印刷用紙Pの他端まで移動するという走査の間に、印刷用紙Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対して、UVインクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けてUVインクの吐出を行なった後、搬送手段で印刷用紙Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対してUVインクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3からUVインクを吐出することにより、印刷用紙P上にUVインク滴の集合体からなる画像が形成される。
照射手段4は、特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、熱陰極管、冷陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましい。
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってUVインクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(UVインクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、印刷用紙Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と印刷用紙Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と印刷用紙Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。又、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にすると更に好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプ又はフィルターを交換することで適宜変更することができる。
以上の様に、図1においては、シリアルプリント方式を例として、説明したが、そのほかにも、図2に示すような各インクジェット印字方式のインクジェット記録装置を用いることができる。
図2において、図2のa)は、記録ヘッド3を印刷用紙Pの幅手方向に配置し、印刷用紙を搬送しながら印字及び照射手段4より活性光線を照射する方法(ラインヘッド方式)であり、図2のb)は、記録ヘッド3が副走査方向に移動しながら印字し、更に照射手段4より活性光線を照射する方法(フラットヘッド方式)であり、図2のc)は、上記説明した記録ヘッド3が印刷用紙上の幅手方向を走査しながら印字し、更に両端に設けた照射手段4より活性光線を照射する方法(シリアルプリント方式)であり、いずれの方式も用いることができる。
〔後処理〕
インクが硬化した後に画像再現性を改良するために後処理を行うことが好ましい。後処理として好ましい方法として、インク硬化後に加圧、加熱等行うことや、ニス等を塗布する方法などが好ましく用いられる。
図3は、インク硬化後に加圧、加熱等行う実施形態の要部を示す図であり、インクジェット記録装置は、印刷用紙Pの搬送方向Aに向かって、下流側から印刷用紙Pを記録ヘッド3の記録領域に搬送するための搬送機構2、当該印刷用紙Pにインクを吐出するインク吐出口が配設された記録ヘッド3、記録ヘッド3により吐出されたインクを硬化させるための光を発する光源8、印刷用紙Pを加熱および加圧するための加熱加圧手段40が設けられている。
搬送機構20は、図示しない駆動手段により回転駆動される搬送ローラ21と、印刷用紙Pを該搬送ローラ21との間に挟みつけるための従動ローラ22とを有して構成され、印刷用紙Pを搬送ローラ21と従動ローラ22との間に挟持した状態で、搬送ローラ21の回転駆動により、前記した記録ヘッド3による画像記録に応じて搬送方向Aへ所定量搬送するようになっている。
加熱加圧手段40は、記録ヘッド3によって画像が記録形成された後の印刷用紙Pに対して加熱加圧するべく記録ヘッド3の下流側に配置されており、加熱ローラ41と、印刷用紙Pを該加熱ローラ41との間に挟み付けるための圧着ローラ42とを有して構成されている。
加熱ローラ41は、軸受にて支持された中空状のローラからなり、その軸方向に沿って熱源であるハロゲンランプヒーター等の発熱体43を内蔵している。発熱体43の熱により加熱ローラ41を加熱させ、印刷用紙Pのインク受容層中に含まれる熱可塑性樹脂粒子を溶融させる。
この加熱ローラ41は、発熱体43から発せられる熱により効率良く印刷用紙Pを加熱することができるように熱伝導率の高い材質により形成されることが好ましく、金属ローラが好ましく用いられる。表面には印刷用紙Pを加熱加圧した際のインクによる汚染を防止するためフッ素樹脂コートされていることが好ましい。その他、耐熱シリコンゴムを被覆したシリコンゴムローラを用いることもできる。
また、加熱ローラ41の表面に近接して温度センサが配置されており、該温度センサ5によって加熱ローラ41の温度を検出することで、図示しない温度制御手段によって発熱体43の発熱量を制御し、加熱ローラ41の温度を所定の温度範囲に保持するように制御するようになっている。
一方、圧着ローラ42は、外周に弾性を有するゴム被覆を施したステンレス等の金属ローラからなり、加熱ローラ41に対して加圧することができるように、すなわち印刷用紙Pを挟んで加熱ローラ41に対して所定の加圧力をもって圧着するように、付勢部材によって付勢されている。
前記記録ヘッド3によって所定の画像が記録形成された印刷用紙Pは搬送機構2によってかかる加熱加圧手段40に搬送される。加熱加圧手段40では、加熱ローラ41及び圧着ローラ42の間に印刷用紙Pを挟持し、加熱ローラ41の回転駆動によって所定の速度で搬送しつつ、その過程で印刷用紙Pを加熱及び加圧させる。
本実施形態において、上記圧着ローラ42は、その表面(印刷用紙接触面)に弾性を有するゴム被覆を有していることで、加熱ローラ41との間で形成されるニップ領域がある程度の幅を有して形成される。このときの圧着ローラ42の印刷用紙接触面である上記ゴム被覆の縦弾性率(ヤング率)を、106〜107Pa、好ましくは1.0×106〜4.0×106Paとすることにより、加熱ローラ41と圧着ローラ42とを大きな接触面積でもって加圧接触させることができ、適切な加圧力及び加圧時間を簡単な構成で得ることができるようになる。
以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、無論、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
《インクジェットインクの調製》
下記の構成からなるカチオン重合性インクを調製した。
〈濃色インクジェットインクY1〉
以下の組成について、ジルコニアビーズを用い、4時間サンドグラインダーで分散した後、更に超音波分散機にて10分間、追加分散を行い、顔料分散物を得た。
PY180(クラリアント社製、Yellow HG AF LP901) 5質量部
PB821(味の素社製、分散剤、アジスパーPB821) 1.5質量部
OXT221(東亜合成社製、重合性化合物、アロンオキセタンOXT221) 58.5質量部
V9040(Atfina社製、重合性化合物、Vikoflex9040) 30質量部
次いで、UVI6992(ダイケミカル社製、光重合開始剤)を5質量部混合し、0.8μmのメンブレンフィルターにてろ過、50℃に加熱しながら減圧によって脱水し、濃色インクジェットインクY1を得た。
以下、同様にして、表1の組成となる濃色インクジェットインクM1、C1、K1を作製した。
Figure 2005144790
《インクジェット画像の形成》
〔インクジェット記録装置〕
図1に記載の構成からなるシリアル方式のインクジェット記録装置を用い、それに上記調製したカチオン重合性インクを装填した。
紫外線の照射手段としては、Integration社製のVzeroを用い、表2に記載の照度となる様に出力電圧を適宜調整し、また、印刷用紙へのインク着弾から紫外線照射までのタイミングは、照射光源とインクジエットノズルとの距離を適宜調整して、インク着弾後の紫外線照射までの時間(T)が表2に示す値になる様に制御した。
また、記録ヘッドには、ノズルピッチを2400dpiとし、1plのインク液滴サイズを出射できるピエゾタイプのインクジェットノズルを装着した。また、インク供給部、インク流路及びインクジェットノズルは、ヒーターにより55℃まで加温が可能とした。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す。
〔画像印字〕
上記インクジェット記録装置を用いて、2400dpi×2400dpi、1画素あたりのインク液滴量1plとし、4パスで、(社)日本電子製版工業会(NDK)の印刷工程管理用のテストチャートをスクリーン線数175線(2.54cmあたりの線数)のスクエアードットの網点で出力を行い評価用画像サンプル101〜105を形成した。この際、網角度は、通常のオフセット印刷の条件(C:15°、M:45°、Y:0°、K:75°)とした。なお、印刷用紙としては、三菱製紙社製、特菱アート110kgを用いた。また、上記印刷用紙面上の外気の風速は、1m/s未満となる様に制御した。
〔印字画像の評価方法〕
画像の評価には基準となる印刷物として、(社)日本電子製版工業会(NDK)の印刷工程管理用のテストチャートに準拠し、評価画像と同一スクリーン線数および同一網角で、NDK工程管理用デジタルテストチャートをオフセット印刷して評価用画像サンプル101〜107(本発明の内外は表2に記載)を作製した。また、上記インクジエット記録装置を用い、表2の条件で、誤差拡散法により256階調の表現階調を形成した他は、評価用画像サンプルと同様の条件で比較用画像サンプル201〜207(表2に記載の如く、全て本発明外)を作製した。
〔後処理〕
上記のように作製した試料107、207は硬化終了後、50℃の熱ローラーで9×105Paとなるようにドラムを調整し加温加圧処理を行った。
以上の様にして印字した各画像について、下記の評価を行った。
(硬化所要時間の測定)
上記方法に従って画像形成する際に、硬化に要したパス数(紫外線照射装置の通過回数)から、硬化所要時間を求めた。なお、この硬化所要時間には、紫外線が照射されない時間も含むものとする。
(画像品質の評価)
上記条件で、比較用と評価用サンプルの印刷物を目視で比較観察し、以下の基準で評価した。
○:違いがほとんど感じられないも
△:違いがやや感じられるもの
×:違いが強く感じられるもの
(光沢感の評価)
上記条件で、比較用印刷物と評価用サンプルを目視で比較観察し、以下の基準で評価した。
○:インクが印字されている部分の光沢感が合っている。
△:インクが印字されている部分の光沢感が少しずれている。
×:インクが印字されている部分の光沢感がずれている。
(インク滲みの評価)
上記条件で、2ポイントの文字の部分を比較用印刷物と比較し、下記の基準に則りインク
滲みの評価を行った。
○:印刷物と同等の再現であり、インク滲みによるノイズが認められない
△:印刷物に比べて僅かに文字の滲みが認められるが、許容される品質レベルである
×:印刷物に比べ滲みによる細線の潰れが生じており、許容できな品質レベル
(硬化性の評価)
上記形成した各ベタ画像表面を指触してタックの有無について評価し、下記の
基準に則り硬化性の評価を行った。
○:紫外線照射後のベタ画像で、タッキネスが全く認められない
△:紫外線照射後のベタ画像で、ややタッキネスが認められる
×:紫外線照射後のベタ画像で、明らかなタッキネスが認められる
(密着性の評価)
上記形成した各ベタ画像に、碁盤目状にカッターで切れ目を入れ、その表面に粘着テープを貼り付け、次いで、粘着テープを剥離した際の印刷用紙上のベタ画像の残存状態を目視観察し、下記の基準に則り密着性の評価を行った。
○:テープ剥離による画像の変化が全くない
△:テープ剥離により、画像の一部が欠落している
×:テープ剥離により、ほとんどの画像が欠落している
以上により得られた各結果を、表1に示す。
Figure 2005144790
表2より明らかなように、印刷用紙上にインクを着弾した後、着弾したインクに紫外線を1.0秒以内に照射し、かつ紫外線照射からインク硬化までの所要時間を0.05〜3.0秒とした本発明のインクジェット記録方法により作製した本発明の画像は、比較例に対し、シワの発生を抑えると共に、インク滲み耐性、硬化性及び密着性のいずれの性能も良好であることがわかる。
インクジェット記録装置の概略構成図。 インクジェット記録装置の概略構成図。 インク硬化後に加圧、加熱等行う実施形態の要部を示す図。
符号の説明
1 記録装置(UVインクジェットプリンタ)
2 ヘッドキャリッジ
3 記録ヘッド
31 インク吐出部
4 照射手段
40 加熱加圧手段
41 加熱ローラ
42 圧着ローラ
P 印刷用紙

Claims (4)

  1. インクジェット方式により、光重合性化合物を含有するインクをオフセット印刷の印刷用紙に出射し、網点画像を形成して印刷校正用出力物を作製する画像形成方法において、インクが印刷用紙に着弾後1.0秒以内に着弾インクに活性光線を照射し、該活性光線による着弾インクの硬化所要時間が0.05秒以上、3.0秒以下であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記光重合性化合物が、カチオン重合性化合物であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記印刷用紙がアート紙またはコート紙であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の画像形成方法により、インクの最小液滴サイズが0.1〜3plであるインクジェットプリンターによって印刷用紙上にインクを射出することを特徴とする印刷校正用出力物の作製方法。
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