JP2007076087A - コート液とそれを用いた画像記録方法 - Google Patents

コート液とそれを用いた画像記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温高湿下で長期間にわたり保存した際にも、べたつきやくっつきがなく、インク吸収性の低い記録媒体へ適用しても、インクジェット記録インクのブリーデングを起こさず、かつコート層の形成により光沢性やオゾン退色耐性を向上したコート液とそれを用いた画像記録方法を提供する。
【解決手段】 インクジェット記録インクで形成した画像表面を被覆するコート液であって、少なくとも水及び水溶性高分子を含有し、該水溶性高分子が、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な化合物であることを特徴とするコート液。
【選択図】 なし

Description

本発明は、活性エネルギー線で硬化する水溶性高分子を含むコート液とそれを用いた画像記録方法に関するものである。
近年、インクジェット記録材料は、急速にその画質向上が図られ、写真画質に迫りつつある。特に、写真画質に匹敵する画質をインクジェット記録で達成するために、インクジェット記録用紙(以下、単に記録用紙という)の面からもその改良が進んでおり、高平滑性の支持体上に微粒子と親水性ポリマーからなる多孔質層を設けた空隙型の記録用紙は、高い光沢を有し、鮮やかな発色を示し、かつインク吸収性及び乾燥性に優れていることなどから、最も写真画質に近いものの一つになりつつある。
インクジェット記録は、一般に、インク溶媒として水および水溶性溶剤を含む水系インクを用いる方法と、非水系の油性溶剤を用いる方法とに分けられ、各々色材に染料を用いるタイプ、顔料を用いるタイプがあり、高画質の記録画像を得るためにはそれぞれのタイプに適応したインクジェット専用紙が必要となる。現在では、インク種に関しては、環境面ならびに安全面から、水系インクが主流となっている。
水溶性染料インクを用いて作成したインクジェットプリントは、画像の鮮明性が高くかつ均一な表面光沢を有する写真画質に匹敵するカラープリントが得られる。しかしながら、この水溶性染料を用いたプリントでは、顔料インクに比較して画像保存性に劣り、例えば、太陽光あるいはオゾンや他の酸化性ガスなどによる褪色、更には画像滲みが大きいことが課題となっている。特に、微小な空隙構造を有する多孔質層を設けた空隙型インクジェット記録用紙では、染料と室内の空気との接触面積が広くなるため、空気中の酸化性ガスによる退色が大きく、その改良が望まれている。
上記課題に対し、例えば、特開昭55−18412号、特開平11−199808号の各公報にはインク中にラテックスあるいは樹脂微粒子を添加することで、耐水性や耐光性を向上する方法が提案されている。更に、特開2001−18852号、同2002−240413号の各公報には、オゾンガス耐性の向上を目的に、インク中への樹脂添加が開示されている。この他、特開2002−80759号、同2003−55586号の各公報には、インク中にラテックスあるいは樹脂微粒子を添加する技術が開示されている。インク中にラテックスあるいは樹脂微粒子を添加する方法では、オゾンガスによる褪色防止効果が十分であるとは言い難く、更なる改良が求められている。
一方、形成したインクジェット記録画像の保存性を向上させる手段として、酸素不透過性のラミネートフィルムを、記録画像上に貼り付ける方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、ここで開示されている方法では、特別なラミネートフィルムの供給用装置が必要となり、また、形成した画像上への適正な貼り付け精度も要求された。また、貼り付ける際にラミネートフィルムと形成画像間に気泡が入ったり、シワ等が生じやすいという課題を抱えていた。
また、上記課題に対して、特開平9−262971号、特開2000−225695号、同2000−335043号の各公報には、画像保存性向上を目的として、形成した画像上にラミネート剤を付与する技術が開示されている。また、形成したインクジェット記録画像全面に、成膜性のあるポリマー微粒子を含むラミネート溶液を付着する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この開示されている技術は、画像全面にラミネート剤を付与する技術と解釈でき、加熱や定着等の余分な手段を必要としない利点はあるものの、この方法では、記録インクの付与量が多いところではインク溢れによる画像劣化や光沢低下、更には本来良くなるはずのオゾン耐性まで劣化してしまう現象が発生し、更に、成膜性のあるポリマー微粒子を用いることから、長期保存性、特に高温高湿下におけるべたつきや重ね合わせた際に生じるくっつきが問題となる。
また、ラミネート剤を紫外線硬化性樹脂を用いた方法も知られている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、従来の紫外線硬化樹脂では、記録媒体上での溶媒蒸発や紫外線硬化による粘度上昇速度が十分でないため、記録インクとの重ね合わせ部分での滲み(ブリーデング)が生じる問題があった。これは特に、インク吸収性の低いアート紙、コート紙、あるいはインク吸収能を備えていないプラスチック基材へ画像記録するときに顕著な問題であった。
特開昭59−104974号公報 特開2002−201428号公報 特開昭62−10561号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高温高湿下で長期間にわたり保存した際にも、べたつきやくっつきがなく、インク吸収性の低い記録媒体へ適用しても、インクジェット記録インクのブリーデングを起こさず、かつコート層の形成により光沢性やオゾン退色耐性を向上したコート液とそれを用いた画像記録方法を提供する。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(1)インクジェット記録インクで形成した画像表面を被覆するコート液であって、少なくとも水及び水溶性高分子を含有し、該水溶性高分子が、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な化合物であることを特徴とするコート液。
(2)前記親水性主鎖がポリ酢酸ビニルのケン化物であり、ケン化度が77%以上、99%以下で、かつ重合度が200以上、4000以下であることを特徴とする前記(1)項に記載のコート液。
(3)前記親水性主鎖に対する前記側鎖の変性率が、1モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする前記(2)項に記載のコート液。
(4)記録媒体にインクジェット記録インクで画像を記録する画像記録方法において、画像を記録した後、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のコート液を該記録媒体上に噴射した後、活性エネルギー線を照射し、水溶性高分子を硬化させてコート層を形成することを特徴とする画像記録方法。
(5)前記活性エネルギー線が、紫外線であることを特徴とする前記(4)に記載の画像記録方法。
(6)前記インクジェット記録インクで画像を形成した画像部分の全面に、前記コート液を噴射させることを特徴とする前記(4)または(5)項に記載の画像記録方法。
(7)前記記録媒体が、アート紙またはコート紙であることを特徴とする前記(4)〜(6)のいずれか1項に記載の画像記録方法。
本発明によれば、高温高湿下で長期間にわたり保存した際にも、べたつきやくっつきがなく、インク吸収性の低い記録媒体へ適用しても、インクジェット記録インクのブリーデングを起こさず、かつコート層の形成により光沢性やオゾン退色耐性を向上したコート液とそれを用いた画像記録方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、インクジェット記録インクで形成した画像表面を被覆するコート液であって、少なくとも水及び水溶性高分子を含有し、該水溶性高分子が、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な化合物であることを特徴とするコート液により、高温高湿下で長期間にわたり保存した際にも、べたつきやくっつきがなく、インク吸収性の低い記録媒体へ適用しても、インクジェット記録インクのブリーデングを起こさず、かつコート層の形成により光沢性やオゾン退色耐性を改良することができるコート液を実現することができることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
はじめに、本発明のコート液について、その詳細を説明する。
《コート液》
本発明のコート液は、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な水溶性高分子を含むことを特徴とする。
〔水溶性高分子〕
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な水溶性高分子とは、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性樹脂に対して、側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を導入したものである。光重合型の架橋性基が感度、生成される画像の性能の観点から望ましい。
前記水溶性高分子の側鎖のイオン性としては、先に記録媒体上に形成した色材のイオン性との間には、好ましい組合せが存在する。形成した画像の色材がアニオン性である場合には、本発明に係る水溶性高分子の側鎖にはノニオン性またはアニオン性を組み合わせることで、画像堅牢性の観点で好ましく、側鎖としてはノニオン性が最も好ましい。理由は定かではないが、上記イオンの組合せの場合は、インク組成物の分解やインク組成物同士の会合などが少なくなり、このことが、上記効果に影響している可能性がある。
本発明の活性エネルギー線架橋性水溶性高分子の親水性主鎖と側鎖の部分構造が下記一般式(A)で表されるものが好ましい。
一般式(A)
Poly−{(X1m−〔B−(Y1np
式中、Polyは親水性主鎖を表す。ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体が好ましい。
{ }は側鎖を表す。側鎖中、X1は(p+1)価の連結基を表わす。pは正の整数を表し、好ましくは1〜5の整数である。具体的には、p=1のとき、X1が2価の連結基を表し、例えば、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、イミノ基、エステル基、アミド基、スルホニル基などが挙げられ、又、これらが組み合わさって一つの2価以上の基を形成してもよい。またp=2以上のとき、後述する複数のB及びY1は同一であっても異なっていてもよい。
1は、好ましくは、アルキレンオキシド、芳香族基が少なくとも組み合わさっている2価以上の連結基が挙げられる。
Bは、架橋基を表す。具体的には、二重結合、三重結合を含有する基であり、例えば、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基、ジアゾ基、アジド基を表す。好ましくは、アクリル基、メタクリル基である。
1は、水素原子または置換基を表す。置換基とは具体的にはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子等)、アルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、ペンジル、2−メトキシエチル、トリフルオロメチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル等)、アリール基(例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル等)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ベンゾイル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ等)、カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ブチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、p−トリルチオ等)、アルキルウレイド基(例えば、メチルウレイド、エチルウレイド、メトキシエチルウレイド、ジメチルウレイド等)、アリールウレイド基(例えば、フェニルウレイド等)、アルキルスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、2,2,2−トリフルオロエチルスルホンアミド等)、アリールスルホンアミド基(例えば、フェニルスルホンアミド、トリルスルホンアミド等)、アルキルアミノスルホニルアミノ基(例えば、メチルアミノスルホニルアミノ、エチルアミノスルホニルアミノ等)、アリールアミノスルホニルアミノ基(例えば、フェニルアミノスルホニルアミノ等)、ヒドロキシ基、複素環基(例えば、ピリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル等)などが挙げられ、更にこれらは置換基を有していても良い。
mは0または1を表し、nは0または1を表す。
親水性主鎖においては、側鎖の導入に対する簡便性や、取り扱いの観点からポリ酢酸ビニルのケン化物が好ましく、ケン化度としては77%以上、99%以下であることが好ましく、その重合度は200以上、4000以下が好ましく、500以上2000以下がハンドリングの観点からより好ましい。主鎖に対する側鎖の変性率は1.0モル%以上、4モル%以下であることが反応性の観点からより好ましい。1.0モル%より小さいと架橋性が不足し本発明の効果が小さくなり、4モル%より大きいと架橋密度が大きくなり硬くてもろい膜となり、膜の強度が落ちてしまう。
本発明に係る水溶性高分子において、さらに好ましい構造としては、特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(1)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造(ノニオン性)の側鎖、又は、下記一般式(2)で表され4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造(ノニオン性)の側鎖、を有する樹脂組成物である。
Figure 2007076087
また、下記一般式(3)で表される変性基(アニオン性)の側鎖も好ましく用いられる。
Figure 2007076087
式中、Rはアルキレン基又は芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
光重合型の変性基としては、例えば特開2000−181062号、特開2004−189841号に示される下記一般式(4)で表される樹脂(ノニオン性)が反応性の観点から好ましい。
Figure 2007076087
式中、R2はメチル基または水素原子を表し、nは1又は2を表し、Xは−(CH2m−COO−又は−O−、Yは芳香族環又は単結合、mは0〜6までの整数を表す。
また、特開2004−161942号公報に記載されている光重合型の下記一般式(5)で表される変性基(ノニオン性)を、従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
Figure 2007076087
式中、R3はメチル基または水素原子を表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。
更に、下記一般式(6)乃至(8)で表される変性基(ノニオン性)も好ましく用いられる。
Figure 2007076087
本発明の活性エネルギー線架橋型の樹脂においては、元々ある程度の重合度をもった主鎖に対して側鎖間で架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介して重合する活性エネルギー線硬化型の樹脂に対して光子一つ当たりの分子量増加効果が著しく大きい。一方、従来公知の活性エネルギー線硬化型の樹脂においては架橋点の数は制御不可能であるため硬化後の膜の物性をコントロールすることができず、硬くてもろい膜となりやすい。
本発明に用いられる樹脂においては架橋点の数は親水性主鎖の長さと、側鎖の導入量で完全に制御でき、目的に応じたコート膜の物性制御が可能である。
〔光重合開始剤、増感剤〕
本発明のコート液には、光重合開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はなく、従来公知の物を用いることができる。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はないが、水溶性の物が混合性、反応効率の観点から好ましい。特に4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
さらに、樹脂との相溶製の観点から下記一般式(9)で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1、HMPK)や、そのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)がより好ましい。
Figure 2007076087
式中、nは1〜5の整数を表す。
また、他には一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類。チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が好ましく用いられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
これらの光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等があげられる。
これらの光重合開始剤は親水性主鎖に対して、側鎖にグラフト化されていても好ましい。
〔コート液のその他の添加剤〕
(水溶性溶媒)
本発明のコート液には、溶媒としては水性液媒体が好ましく用いられ、前記水性液媒体としては、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
(界面活性剤)
本発明のコート液には界面活性剤を添加することができ、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は、後述のインクジェット記録インクで用いる顔料の分散剤としても用いることができ、特にアニオン性及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
(各種添加剤)
本発明のコート液には、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
《画像記録方法:コート液の付与及び硬化方法》
本発明の画像記録方法は、記録媒体にインクジェット記録インクを吐出して画像を記録した後、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な水溶性高分子を含有する本発明のコート液を記録媒体上に噴射し、次いで、活性エネルギー線を付与したコート層上に照射して水溶性高分子を硬化させてコート層を形成することを特徴とする。
(コート液の付与方法)
本発明の画像記録方法においては、本発明のコート液を記録媒体上に形成した画像上に、噴射して付与することを特徴とし、好ましくは形成した画像の全領域にコート液を付与することが好ましい。
本発明において、画像上にコート液を噴射する方法としては、本発明のコート液を噴霧状にできる装置であれば特に制限はないが、均一にコート液を付与できるという観点から、特開2004−106378号公報に記載のスロットノズルスプレー塗布装置あるいは公知のインクジェット記録装置でインクの射出に適用されているインクジェット記録ヘッドを適用することが好ましく、特に好ましくは、インクジェット記録ヘッドを用いることである。
本発明で適用可能なインクジェット記録ヘッド(インクジェットプリントヘッド)としては、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを挙げることができる。好ましくは電気−機械変換方式であるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
本発明のコート液で形成したコート層の厚みはできるだけ均一なことが好ましく、膜厚としては0.1〜50μmであることが好ましく、0.3〜10μmが更に好ましい。
(活性エネルギー照射方法)
本発明のコート液は、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な水溶性高分子を含有しており、記録媒体に噴霧した後、活性エネルギー線を照射して硬化を行う。
以下、インクジェット用インクへの活性エネルギー線照射方法について説明する。
〈活性エネルギー線〉
本発明でいう活性エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。本発明では特に紫外線が好ましい。
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が望ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果が得られず、30Mradを越えると支持体等を劣化させる可能性があるため、好ましくない。
紫外線を用いる場合は、光源として、例えば、数100Paから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知の物が用いられる。
〈コート層形成後の光照射条件〉
活性エネルギー線の照射条件としては、記録媒体上にコート層を形成した後、0.001〜1.0秒の間に活性エネルギー線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
〈活性エネルギー線の照射方法〉
活性エネルギー線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、インクジェット記録ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、コート液を噴射した後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる方法も挙げられる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ紫外線を照射する方法が開示されている。本発明の画像記録方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性エネルギー線を照射を2段階に分け、まずコート層形成後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性エネルギー線を照射し、更に活性エネルギー線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性エネルギー線の照射を2段階に分けることで、よりコート層硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
以下、図を用いて活性エネルギー線の照射方法の具体的方法の一例を示すが、本発明においてはこれら例示する活性エネルギー線の照射方法にのみ限定されるものではない。
図1は、シャトルヘッド方式のインクジェット記録ヘッドを用いた活性エネルギー線の照射方法の一例を示す概略図である。
図1において、画像形成及びコート液を付与する記録媒体Pは、図の上方に移動し、シャトルヘッド型のインクジェットヘッドユニットは、インクジェット記録インクを吐出するインク用ヘッド1、コート液を噴霧する一対のコート液用ヘッド2、活性エネルギー線を照射する一対の照射光源3とから構成され、インクジェット記録インクを吐出して画像形成した後、該画像上に、ヘッド2よりコート液を付与し、引き続いて照射光源3より活性エネルギー線、例えば、紫外線を照射してコート液を硬化させてコート膜を形成する。
図2は、ラインヘッド方式のインクジェット記録ヘッドを用いた活性エネルギー線の照射方法の一例を示す概略図である。
図2においては、上方に移動する記録媒体Pに対し、その搬送方向の幅手全域をカバーするように、下方部よりライン上に、インクジェット記録インクを吐出するインク用ヘッド1、コート液を噴霧するコート液用ヘッド2、活性エネルギー線を照射する照射光源3を配置し、上記と同様にしてコート層を形成する方法である。
〈硬化処理後の乾燥〉
本発明の画像記録方法では、記録媒体上へ吐出したコート液に活性エネルギー線を照射して硬化させた後、不要の水溶性有機溶媒等を除去する目的で乾燥を行うことが好ましい。コート液の乾燥手段としては、特に制限はないが、例えば、記録媒体の裏面を加熱ローラあるいはフラットヒータ等に接触させて乾燥させる方法や、噴射したコート層面にドライヤー等で温風を吹き付ける手段、あるいは減圧処理により揮発成分を除去する方法等を適宜選択あるいは組み合わせて用いることができる。
《インクジェット記録インク》
本発明においては、本発明のコート液を付与する前に、記録媒体上にインクジェット記録液を吐出して画像形成を行う。
本発明に係るインクジェット記録インクは、主には着色剤、水、水溶性溶媒等から構成されている。
本発明に係るインクジェット記録インクに用いられる着色剤としては、インクジェットで公知の各種染料又は顔料を用いることができるが、活性エネルギー線架橋型の樹脂の側鎖のイオン性との組合せから、アニオン性であることが好ましい。
〔染料〕
本発明で用いることのできる染料としては、特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料等の水溶性染料、分散染料等が挙げられ、アニオン性染料である。
本発明で用いることのできるアニオン性の水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができ、その具体的化合物を以下に示す。ただし、これら例示した化合物に限定されるものではない。
〈C.I.アシッドイエロー〉
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246、
〈C.I.アシッドオレンジ〉
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168、
〈C.I.アシッドレッド〉
88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415、
〈C.I.アシッドバイオレット〉
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126、
〈C.I.アシッドブルー〉
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350、
〈C.I.アシッドグリーン〉
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109、
〈C.I.アシッドブラウン〉
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413、
〈C.I.アシッドブラック〉
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222、
〈C.I.ダイレクトイエロー〉
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153、
〈C.I.ダイレクトオレンジ〉
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118、
〈C.I.ダイレクトレッド〉
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254、
〈C.I.ダイレクトバイオレット〉
9、35、51、66、94、95、
〈C.I.ダイレクトブルー〉
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291、
〈C.I.ダイレクトグリーン〉
26、28、59、80、85、
〈C.I.ダイレクトブラウン〉
44、106、115、195、209、210、222、223、
〈C.I.ダイレクトブラック〉
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169、
〈C.I.リアクティブイエロー〉
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176、
〈C.I.リアクティブオレンジ〉
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107、
〈C.I.リアクティブレッド〉
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235、
〈C.I.リアクティブバイオレット〉
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38、
〈C.I.リアクティブブルー〉
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236、
〈C.I.リアクティブグリーン〉
8、12、15、19、21、
〈C.I.リアクティブブラウン〉
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46、
〈C.I.リアクティブブラック〉
5、8、13、14、31、34、39、
〈C.I.フードブラック〉
1、2、
等を挙げることができる。
〔顔料〕
本発明に使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できるが、アニオン性顔料である。例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
〈分散剤〉
上記顔料をインク中に安定に分散するための水溶性高分子分散剤としては、下記の水溶性樹脂を用いることができ、吐出安定性の観点から好ましい。
水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等のような水溶性樹脂である。
水溶性樹脂のインク全量に対する含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは、0.3〜5質量%である。
これらの水溶性樹脂は二種以上併用することも可能である。
〈アニオン性顔料〉
本発明に用いられるアニオン性顔料の形態としては、上記顔料をアニオン性高分子分散剤により分散された顔料、またはアニオン変性自己分散顔料であることが分散安定性の点から好ましい。
アニオン性高分子分散剤とは、分子内に酸性基を有しており、これを塩基性化合物により中和して得られるアニオン性基を有した分散剤を指す。この時に用いる塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン等のアミン類が挙げられるが、本発明においてはアミン類が特に好ましい。
本発明に好まし用いられるアニオン性高分子分散剤としては、分子量が1000以上であれば特に制限はなく、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸や、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩などの共重合体あるいは樹脂が、例えば、カルボン酸、スルホン酸又はホスホン酸の官能性を持つホモポリマー、コポリマー、ターポリマーを含むものである。酸の官能性を与えるモノマーは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、シトラコン酸、ビニル酢酸、アクリルオキシプロピオン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホスホン酸及びビニルスルホン酸等である。
本発明に好ましく用いられるアニオン変性自己分散顔料とは、表面にアニオン性基を有し、分散剤なしで分散が可能な顔料を指す。アニオン性の自己分散顔料は、顔料に酸性基が修飾されており、これを塩基性化合物により中和しアニオン性基として、分散剤が無くとも水への分散を可能とした顔料を指す。
表面に酸性基を有する顔料粒子とは、顔料粒子表面に直接酸性基で修飾させた顔料、あるいは有機顔料母核を有する有機物で直接にまたはジョイントを介して酸性基が結合しているものをいう。
酸性基(極性基ともいう)としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、燐酸基、硼酸基、水酸基が挙げられるが、好ましくはスルホン酸基、カルボン酸基であり、更に好ましくは、スルホン酸基である。
酸性基の修飾剤としては、硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、アミド硫酸、スルホン化ピリジン塩、スルファミン酸等の硫黄原子を含有する処理剤、顔料粒子表面を酸化させてカルボン酸基を導入する次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カリウム等のカルボキシル化剤が挙げられる。中でも、三酸化硫黄,スルホン化ピリジン塩またはスルファミン酸等のスルホン化剤、もしくはカルボキシル化剤が好ましい。酸性基を中和する塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン等のアミン類が挙げられるが、本発明においてはアミン類が特に好ましい。
表面に極性基を有する顔料粒子を得る方法としては、例えば、WO97/48769号公報、特開平10−110129号公報、特開平11−246807号公報、特開平11−57458号公報、同11−189739号公報、特開平11−323232号公報、特開2000−265094公報等に記載の顔料粒子表面を適当な酸化剤で酸化させることにより、顔料表面の少なくとも一部に、スルホン酸基もしくはその塩といった極性基を導入する方法が挙げられる。具体的には、カーボンブラックを濃硝酸で酸化したり、カラー顔料の場合は、スルフォランやN−メチル−2−ピロリドン中で、スルファミン酸、スルフォン化ピリジン塩、アミド硫酸等で酸化することにより調製することができる。これらの反応で、酸化が進みすぎ、水溶性となってしまった物は除去、精製することにより、顔料分散体を得ることができる。また、酸化によりスルフォン酸基を表面に導入した場合は、酸性基を必要に応じて、塩基性化合物を用いて中和してもよい。
そのほかの方法としては、特開平11−49974号公報、特開2000−273383公報、同2000−303014公報等に記載の顔料誘導体をミリング等の処理で顔料粒子表面に吸着させる方法、特願2000−377068、同2001−1495、同2001−234966に記載の顔料を顔料誘導体と共に溶媒で溶解した後、貧溶媒中で晶析させる方法等を挙げることができ、いずれの方法でも容易に、表面に極性基を有する顔料粒子を得ることができる。
本発明においては、極性基は、フリーでも塩の状態でもよいし、あるいはカウンター塩を有していてもよい。カウンター塩としては、例えば、無機塩(リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ニッケル、アンモニウム)、有機塩(トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ピリジニウム、トリエタノールアンモニウム等)が挙げられ、好ましくは1価の価数を有するカウンター塩である。
本発明のインクジェット用インクに使用する顔料分散体の平均粒径は、500nm以下が好ましく200nm以下がより好ましく、10nm以上、200nm以下であることが好ましく、10nm以上、150nm以下がより好ましい。顔料分散体の平均粒径が500nmを越えると、分散が不安定となり。また、顔料分散体の平均粒径が10nm未満になっても顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来る。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等各種を用いることができる。
本発明のインクジェット用インクに用いる水に分散あるいは溶解可能な色剤の含有量は、インク全質量に対して、1〜10質量%であるのが好ましい。
〔その他の添加剤〕
本発明に係るインクジェット記録インクには、前述のコート液に記載したのと同様の水溶性溶媒、界面活性剤、各種添加剤を用いることができる。
《記録媒体》
本発明の画像記録方法で適用可能な記録媒体としては、各種紙、各種フィルム、各種布、各種木材、各種インクジェット用記録媒体等が使用できるが、記録媒体が、印刷用塗工紙であるアート紙またはコート紙であることが、本発明の目的効果をいかんなく発揮できる観点から好ましい。
〔印刷用塗工紙〕
印刷用塗工紙とは、印刷でしばしば用いられる塗工紙であり、一般的には上質紙や中質紙を原紙とし、紙の表面に白土等の顔料を塗布した後、平滑性を高めるためにカレンダー処理をかけて作製される。このような処理により、白色度や平滑性、印刷インクの受理性、あるいは網点再現性、印刷光沢、印刷不透明度などが向上する。塗工量により、アート紙、コート紙、軽量コート紙等の分類があり、また、紙の光沢によりグロス系、ダル系、マット系等に分類される。
アート紙は、塗工量が片面20g/m2前後の塗工紙であり、一般的には、紙表面に顔料を塗工した後、カレンダー処理をかけて作製される。特アート、並アート、マット(艶消し)アート、片アート(片面塗工)、両アート(両面塗工)などの種類があり、具体的には、OK金藤N、サテン金藤N、SA金藤、ウルトラサテン金藤N、OKウルトラアクアサテン、OK金藤片面、Nアートポスト、NK特両面アート、雷鳥スーパーアートN、雷鳥スーパーアートMN、雷鳥アートN、雷鳥ダルアートN、ハイマッキンレーアート、ハイマッキンレーマット、ハイマッキンレーピュアダルアート、ハイマッキンレースーパーダル、ハイマッキンレーマットエレガンス、ハイマッキンレーディープマット等がある。
コート紙は、塗工量が片面10g/m2前後の塗工紙であり、一般的には、抄紙機の途中に設けた塗工装置で加工して作製される。コート量がアート紙より少なく、平滑度はやや落ちるものの廉価、軽量という利点がある。また、軽量コートや微塗工紙というコート量のさらに少ない種類の塗工紙も存在する。これらのコート紙の具体例として、PODグロスコート、OKトップコート+、OKトップコートS、オーロラコート、ミューコート、ミューホワイト、雷鳥コートN、ユトリロコート、パールコート、ホワイトパールコート、PODマットコート、ニューエイジ、ニューエイジW、OKトップコートマットN、OKロイヤルコート、OKトップコートダル、Zコート、シルバーダイヤ、ユーライト、ネプチューン、ミューマット、ホワイトミューマット、雷鳥マットコートN、ユトリログロスマット、ニューVマット、ホワイトニューVマット等が挙げられる。
〔非吸収性記録媒体〕
また、本発明においては、記録媒体として非吸収性記録媒体を用いることもでき、一般的に使用されている各種フィルム等はすべて使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがある。また、写真用印画紙であるレジンコートペーパーや合成紙であるユポ紙なども使用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《水溶性高分子化合物の合成》
〔高分子化合物1の合成〕
グリシジルメタクリレートを56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒドを48g、ピリジンを2g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩を1g、それぞれ反応容器に入れ、80℃の湯浴中で8時間攪拌した。
次に、重合度300、ケン化度88%のポリ酢酸ビニルケン化物の45gをイオン交換水225gに分散した後、この溶液にリン酸を4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドをポリ酢酸ビニルケン化物に対して変性率が3モル%になる条件で添加し、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂を30g加えて1時間攪拌した。次いで、イオン交換樹脂を濾過し、ここに光重合開始剤として、イルガキュア2959(チバスペシャリティケミカルズ社製)を、15%水溶液100gに対して0.1gの割合で混合し、その後イオン交換水にて希釈して高分子化合物1の10%水溶液を得た。
〔高分子化合物2、3の合成〕
上記高分子化合物1の合成において、ポリ酢酸ビニルケン化物の重合度、ケン化度を表1に記載の様に変更し、p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドの仕込量を変えて、表1に記載の主鎖PVAの変性率の高分子化合物2、3の10%水溶液を合成した。
《コート液の調製》
(コート液1の調整)
高分子化合物1の10%水溶液 50部
グリセリン 7部
ジエチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンE1010(日信化学社製) 0.2部
以上の各添加剤にイオン交換水を加え、全量を100部としてコート液1を得た。
(コート液2〜6の調製)
上記コート液1の調製において、高分子化合物1を、表1に記載の各高分子化合物に変更した以外は同様にして、コート液2〜6を調製した。
なお、表1に略称で記載の高分子化合物の詳細は、以下の通りである。
高分子化合物4:ジエポキシアクリル酸エステル
高分子化合物5:タケラックW−6060(武田薬品社製、ウレタン系ソープフリーラテックス、固形分30%、Tg=25℃、平均粒径=150nm)
高分子化合物6:ポリビニルアルコール(重合度=300、ケン化度=88%)
Figure 2007076087
《インクジェット記録インクの調製》
〔イエローインクの調製〕
ジエチレングリコール 10部
グリセリン 10部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10部
染料:C.I.ダイレクトイエロー86 3部
サーフィノール465(Air Products社製) 0.5部
以上の各添加剤にイオン交換水を加えて全量を100部とし、イエローインクを調製した。
〔マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクの調製〕
上記イエローインクの調製において、染料をC.I.ダイレクトイエロー86に代えて、それぞれC.I.ダイレクトレッド227(マゼンタインク)、C.I.ダイレクトブルー199(シアンインク)、C.I.フードブラック2(ブラックインク)を使用した以外は同様にして、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクを調製した。
《画像の形成》
図1に記載のシャトルヘッド型のインクジェット記録ヘッドを用いた。インクジェット記録ヘッドは、ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、インクジェット記録インクおよびコート液をそれぞれヘッドから噴射できるように装填した。ここでいうdpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す。
コート液は、乾燥後の膜厚が0.5μmとなる条件で、インクジェット記録インクによる画像形成と同時に画像面全体に一様になるように付着させた。なお、各コート液を連続噴射し、着弾した後0.1秒後以内に、ピエゾ型ヘッドの両端に配置した120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射させるようにした。なお、記録媒体としては、アート紙(王子製紙製 OK金藤+)を用いた。
《形成画像の評価》
(光沢性の評価)
上記インクジェットプリンタにより、アート紙(王子製紙製 金藤+)に10cm×10cmの黒ベタをプリント及びコート液の付与を行い、その黒ベタ画像を目視観察し、下記の基準に従って光沢感の評価を行った。
◎:高い光沢性を有し、光沢の均一性があって自然で好ましい
○:やや高い光沢性であり、光沢の均一性があって自然で好ましい
△:やや高い光沢性であるが、印字部と非印字部で光沢が均一でなく、違和感がある
×:光沢性に欠け、印字部と非印字部で光沢が均一でなく、違和感がある
(オゾン褪色耐性の評価)
上記インクジェットプリンタにより、アート紙(王子製紙製 金藤+)に、シアン濃度が0.5のシアンベタ画像を印字し、次いでコート液の付与、硬化を行った後、このシアンベタ画像をオゾン濃度8ppm(25℃、50%RH)の環境下で20時間放置し、褪色後の画像と褪色前の画像との目視比較し、下記の基準に従ってオゾン褪色耐性の評価を行った。
◎:褪色処理前後で、画像部の濃度変化が全く認められない
○:褪色処理後で、画像部の濃度変化が僅かに認められる
△:褪色処理後で、画像部の濃度変化が認められる
×:褪色処理後で、画像部の激しい濃度低下が認められる
(べたつき耐性の評価)
上記インクジェットプリンタにより、アート紙(王子製紙製 金藤+)に、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各ベタ画像を印字し、次いでコート液の付与、硬化を行った後、各ベタ画像を工事用アルバム(ポリプロピレン製フィルム)に入れ、30℃、80%RHの環境下で1ヶ月保存した。1ヶ月後、プリントをアルバムから剥がした際の状況を観察し、下記の基準に従ってべたつき耐性の評価を行った。
◎:全くくっつかず、スムーズに剥がせた
○:ごくわずかにくっつきが認められるが、すぐに剥がれた
△:くっつきは認められるが、剥がすことができる
×:明らかにくっつきが認められ、剥がすとき画像表面の一部に欠陥が発生
(カラーブリード耐性の評価)
上記インクジェットプリンタにより、アート紙(王子製紙製 金藤+)に、マゼンダベタ地の上に巾100μmの黒細線をプリントし、次いでコート液の付与、硬化を行った後、その画像を目視観察し、下記の基準に従ってカラーブリード耐性の評価を行った。
◎:細線とベタの境界線がはっきりしている
○:わずかに境界がにじんでいる箇所があるが、実用上問題のない品質である
△:境界部ににじみが認められるが、線幅の変動は認められない。
×:境界部で明らかなにじみの発生が認められ、線幅の広がりも認められる
(間欠出射安定性の評価)
上記調製した各コート液を、上記のノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、10秒間連続吐出→一定時間休止→連続吐出の間欠動作を行った。この際、吐出休止後の最初で吐出方向の乱れが発生するか否かは休止時間の長さで決まるので、吐出休止時間の長さを段階的に変えることにより間欠吐出の安定性を測定し、以下の基準で評価した。尚、評価は環境温度23℃湿度55%RHで行った。
5:31〜45秒休止しても安定に吐出した
4:21〜30秒休止しても安定に吐出した
3:11〜20秒休止しても安定に吐出した
2:6〜10秒休止しても安定に吐出した
1:5秒以下しか安定吐出しなかった
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2007076087
表2に記載の結果より明らかなように、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な化合物を含むコート液を用いて形成した画像は、比較例に対し、良好な光沢性を得ると共に、オゾン褪色耐性、べたつき耐性及びカラーブリード耐性に優れていることが分かる。また、本発明のコート液は、インクジェットヘッドより吐出する際の間欠出射安定性に優れていることが分かる。
実施例2
上記実施例1に記載の方法において、記録媒体をアート紙(王子製紙製 金藤+)に代えて、印刷用コート紙(アートポスト 米坪:256g 北越製紙製)を用いて、同様の評価を行った結果、表2に記載のアート紙を用いた時と同様の効果が得られることを確認することができた。
シャトルヘッド方式のインクジェット記録ヘッドを用いた活性エネルギー線の照射方法の一例を示す概略図である。 ラインヘッド方式のインクジェット記録ヘッドを用いた活性エネルギー線の照射方法の一例を示す概略図である。
符号の説明
P 記録媒体
1 インク用ヘッド
2 コート液用ヘッド
3 照射光源

Claims (7)

  1. インクジェット記録インクで形成した画像表面を被覆するコート液であって、少なくとも水及び水溶性高分子を含有し、該水溶性高分子が、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な化合物であることを特徴とするコート液。
  2. 前記親水性主鎖がポリ酢酸ビニルのケン化物であり、ケン化度が77%以上、99%以下で、かつ重合度が200以上、4000以下であることを特徴とする請求項1に記載のコート液。
  3. 前記親水性主鎖に対する前記側鎖の変性率が、1モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする請求項2に記載のコート液。
  4. 記録媒体にインクジェット記録インクで画像を記録する画像記録方法において、画像を記録した後、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコート液を該記録媒体上に噴射した後、活性エネルギー線を照射し、水溶性高分子を硬化させてコート層を形成することを特徴とする画像記録方法。
  5. 前記活性エネルギー線が、紫外線であることを特徴とする請求項4に記載の画像記録方法。
  6. 前記インクジェット記録インクで画像を形成した画像部分の全面に、前記コート液を噴射させることを特徴とする請求項4または5に記載の画像記録方法。
  7. 前記記録媒体が、アート紙またはコート紙であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の画像記録方法。
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